特許第6552227号(P6552227)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552227
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/53 20110101AFI20190722BHJP
   H01R 12/55 20110101ALI20190722BHJP
【FI】
   H01R12/53
   H01R12/55
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-52953(P2015-52953)
(22)【出願日】2015年3月17日
(65)【公開番号】特開2016-173916(P2016-173916A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2018年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122690
【氏名又は名称】岡谷電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096002
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 弘之
(74)【代理人】
【識別番号】100091650
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 規之
(72)【発明者】
【氏名】横内 一夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 将和
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−289734(JP,A)
【文献】 実開昭60−141072(JP,U)
【文献】 特開2015−038896(JP,A)
【文献】 実開昭54−107090(JP,U)
【文献】 実開昭57−014374(JP,U)
【文献】 特開2001−250606(JP,A)
【文献】 特開2006−278378(JP,A)
【文献】 実開昭60−046669(JP,U)
【文献】 特開2001−196131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/53
H01R 12/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に実装して使用され、回路基板に実装された電子部品の導線が接続される導電材より成る端子台であって、
標準ネジが挿入されるネジ用孔が形成された天板部と、該天板部から垂下すると共に回路基板の孔に挿通される脚部と、接続対象の電子部品の導線の数と、少なくとも同数の導線挿入孔が形成された導線接続板部と、上記脚部に形成され、天板部の内方側に向かって突出する突起を備え、
標準ネジを、上記天板部の表面側からネジ用孔に挿通すると共に、天板部の裏面側において上記標準ネジと標準ナットを螺合し、また、上記脚部を回路基板の孔に挿通した場合に、脚部に形成した上記突起が、標準ナットと当接して回動を規制すると共に、標準ナットの底面が回路基板の表面に当接するよう構成したことを特徴とする端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回路基板に実装して使用する端子台に関し、特に、回路基板に実装されるコイル等の各種電子部品に大電流(例えば50A以上)を流すために用いる端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回路基板に、例えばコイルやコンデンサ等の各種電子部品を実装してノイズフィルタを構成すること等が行われている。尚、上記ノイズフィルタは、電源ライン或いは通信ライン等の外部ラインを経由して電子機器内に侵入する各種のノイズによって、電子機器が誤動作することを防止し、また、電子機器が発生するノイズを外部に発散させないために使用されるものである。
【0003】
上記回路基板には、電子部品同士の接続や電子部品への通電を行うための導体パターンが形成されているが、常用されている導体パターンの厚さは35μm程度と非常に薄いため、導体パターンを介してコイル等の電子部品に大電流を通電すると導体パターンが発熱・高温化するため、流せる電流には限界があり、30A程度が限度であった。
【0004】
このため、図20及び図21に例示するように、従来、回路基板70に実装されたコイル72に大電流(例えば50A以上)を通電する場合、コイル72の導線74の先端部を、圧着端子76の嵌合部76aに挿通して圧着接続すると共に、回路基板70を貫通するボルト78に螺合させた一対のナット80,82間に配置されるように上記圧着端子76のリング部76bをボルト78に接続している。尚、図示は省略するが、コイル72の導線74の先端部と圧着端子76の嵌合部76aとを圧着接続した後、接続強度を高めるため接続箇所は半田接合される。また、図21において、84,86はワッシャである。
そして、図示しない外部電源線を、一対のナット80,82間に接続した上で、斯かる外部電源線を介してコイル72に大電流を供給していた。
【0005】
図20及び図21に示す方法にあっては、回路基板70の導体パターンを介在させずにコイル72に電流を供給するので、大電流を流すことができるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来方法にあっては、
(1)コイル72の導線74の先端部に接続する圧着端子76が必要であると共に、導線74と圧着端子76との半田接合が必要であり、また、
(2)作業者は、ボルト78を締結するためのドライバーの他に、ナット80,82の締付工具が必要であり、さらに、
(3)ナット80,82が2個あるため締付工数が多くなる
等、部品点数の増加及び作業工程の煩雑化を招来していた。
【0007】
本発明は、従来の上記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、簡易な構成で回路基板に実装される電子部品に大電流を流すことのできる端子台を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の端子台は、
回路基板に実装して使用され、回路基板に実装された電子部品の導線が接続される導電材より成る端子台であって、
標準ネジが挿入されるネジ用孔が形成された天板部と、該天板部から垂下すると共に回路基板の孔に挿通される脚部と、接続対象の電子部品の導線の数と、少なくとも同数の導線挿入孔が形成された導線接続板部と、上記脚部に形成され、天板部の内方側に向かって突出する突起を備え、
標準ネジを、上記天板部の表面側からネジ用孔に挿通すると共に、天板部の裏面側において上記標準ネジと標準ナットを螺合し、また、上記脚部を回路基板の孔に挿通した場合に、脚部に形成した上記突起が、標準ナットと当接して回動を規制すると共に、標準ナットの底面が回路基板の表面に当接するよう構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る端子台は、標準ネジが挿入されるネジ用孔が形成された天板部と、接続対象の電子部品の導線の数と、少なくとも同数の導線挿入孔が形成された導線接続板部を備えているので、接続対象の電子部品の導線を導線接続板部の導線挿入孔に直接接続すると共に、天板部のネジ用孔に挿入した標準ネジに外部電源線を接続するという簡易な構成により、回路基板の導体パターンを介在させることなく、電子部品に大電流を流すことができる。
また、天板部のネジ用孔には標準ネジを挿入できるので、該標準ネジと螺合する標準ナットと併用することにより、ドライバーのみで接続作業を行うことができる。
【0010】
また、脚部に天板部の内方側に向かって突出する突起を形成し、標準ネジを、上記天板部の表面側からネジ用孔に挿通すると共に、天板部の裏面側において上記標準ネジと標準ナットを螺合した場合に、脚部に形成した上記突起が、標準ナットと当接して回動を規制するよう構成したので、標準ナットが回動して生じる緩みを防止することができる。
【0011】
さらに、脚部を回路基板の孔に挿通した場合に、標準ナットの底面が回路基板の表面に当接するよう構成したので、端子台の天板部と回路基板との間で標準ナットを強固に固定できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る端子台を説明する。
図1は本発明に係る端子台10を示す斜視図、図2は同正面図、図3は同背面図、図4は同平面図、図5は同底面図、図6は同右側面図、図7は同左側面図、図8図4のA−A断面図、図9図2のB−B断面図である。
【0013】
また、図10は本発明の端子台10にネジ及びナットを取付けた状態を示す斜視図、図11は同正面図、図12は同平面図、図13は同底面図、図14は同左側面図、図15図12のC−C断面図である。
【0014】
図1図9に示すように、本発明に係る端子台10は導電材より成り、ネジ用孔12aが形成された略矩形状の天板部12と、該天板部12から垂下する4本の脚部14と、上記天板部12の一端部から外方へ延設され、2個の導線挿入孔16aが形成された略L字状の導線接続板部16を有している。
また、上記各脚部14の中途部には、上記天板部12の内方側に向かって突出する突起14aが形成されている。
【0015】
図10〜15に示すように、本発明の端子台10には、日本工業規格(JIS規格)に適合する汎用市販品の標準ネジ18及び標準ナット20が取付けられる。
すなわち、ドライバー用の十字穴付きネジより成る標準ネジ18を、天板部12の表面側からネジ用孔12aに挿通し、天板部12の裏面側に配置させた六角ナットより成る標準ナット20に標準ネジ18の軸を螺合している。
尚、標準ネジ18と天板部12の表面との間には、スプリングワッシャー22とワッシャー24が配置されている。
【0016】
図13に示すように、天板部12の裏面側において、標準ネジ18と標準ナット20を螺合させた場合に、端子台10の脚部14に形成した突起14aが、角ナットである六角ナットより成る標準ナット20の角部と当接して回動を規制するよう構成されており、標準ナット20が回動して生じる緩みを防止できるようになっている。
【0017】
尚、上記標準ナット20は、六角ナット以外に、四角ナット等の多角ナットや丸ナットを使用しても良く、この場合も、標準ネジ18と標準ナット20を螺合させた場合に、端子台10の脚部14に形成した突起14aが、標準ナット20と当接して回動を規制するよう構成する。
また、上記標準ネジ18として、十字穴付きネジの他、マイナス穴付きネジを使用しても勿論良い。
【0018】
次に、図16図19に基づいて、本発明に係る端子台10を回路基板26に取付けて使用する場合について説明する。
図16は本発明の端子台10を回路基板26に取付けた状態を示す平面図、図17は同部分拡大斜視図、図18は同部分拡大正面図、図19は同部分拡大左側面図であり、本発明に係る端子台10と、回路基板26に実装した電子部品としてのコイル28の導線30との接続を行った場合を例示している。
【0019】
上記コイル28は、電源線等を通じるノイズを遮断・低減するためのノイズフィルタの構成部品等として広く用いられているものであり、図16に示すように、磁性材料より成るコアを内蔵したリング状のコア内蔵ケース32の外周面に、可撓性を有する銅等より成る2本組の導線30をバイファイラ巻きして成るものである。
【0020】
本発明の端子台10は、回路基板26に形成した孔(図示省略)に、4本の脚部14を挿通することにより回路基板26に取付けられる。尚、標準ネジ18の先端は、回路基板26に形成した孔(図示省略)内に収納される。
尚、図18及び図19に示すように、回路基板26の孔に4本の脚部14を挿通した場合に、標準ナット20の底面が回路基板26の表面に当接するように成されており、端子台10の天板部12と回路基板26との間で標準ナット20を強固に固定できる。
【0021】
上記コイル28は、コア内蔵ケース32の外周面に2本組の導線30をバイファイラ巻きして成ることから、回路基板26に固定された各端子台10にはそれぞれ2本の導線30が接続されるものであり、図17に示すように、端子台10の導線接続板部16に形成された2個の導線挿入孔16aに導線30が挿通され直接接続されている。
【0022】
尚、導線接続板部16の導線挿入孔16aに挿通接続された導線30は、回路基板26に形成した孔(図示省略)を通って回路基板26の裏面側に引き出されている(図18及び図19参照)。
回路基板26の裏面側に引出された端子台10の脚部14及び導線30は、図示しない半田を介して回路基板26と接続される。半田接続対象の脚部14及び導線30が、回路基板26の裏面側に引出されているので、自動半田ディップ(溶融した半田を貯溜する半田槽に回路基板26の半田付面を侵漬して半田付けする方法)で半田付けすることができる。
【0023】
図示しない外部電源線は、端子台10に挿通された標準ネジ18とスプリングワッシャー22間に接続され、この結果、上記外部電源線を介してコイル28に50A以上の大電流を流すことができる。
【0024】
上記においては、端子台10の導線接続板部16に2個の導線挿入孔16aを形成した場合を例示したが、これは端子台10に接続するコイル28の導線数(2本)に対応させたからであり、これに限定されるものではない。
例えば、端子台10に接続する電子部品の導線の数が3本の場合には、導線接続板部16に少なくとも3個の導線挿入孔16aを形成しておけば良い。尚、導線挿入孔16aの数が、電子部品の導線の数より多い分には、使用しない導線挿入孔16aが存在するだけで特に問題は生じない。
従って、端子台10の導線接続板部16には、接続対象の電子部品の導線の数と、少なくとも同数の導線挿入孔16aが形成されていれば良い。
【0025】
本発明に係る上記端子台10にあっては、標準ネジ18が挿入されるネジ用孔12aが形成された天板部12と、接続対象のコイル28の導線30の数と同数の導線挿入孔16aが形成された導線接続板部16を備えているので、接続対象のコイル28の導線30を導線接続板部16の導線挿入孔16aに直接接続すると共に、天板部2のネジ用孔12aに挿入した標準ネジ18に外部電源線を接続するという簡易な構成により、回路基板26の導体パターンを介在させることなく、コイル28に大電流を流すことができる。
また、天板部12のネジ用孔12aには標準ネジ18を挿入できるので、該標準ネジ18と螺合する標準ナット20と併用することにより、ドライバーのみで接続作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る端子台を示す斜視図である。
図2】本発明に係る端子台を示す正面図である。
図3】本発明に係る端子台を示す背面図である。
図4】本発明に係る端子台を示す平面図である。
図5】本発明に係る端子台を示す底面図である。
図6】本発明に係る端子台を示す右側面図である。
図7】本発明に係る端子台を示す左側面図である。
図8図4のA−A断面図である。
図9図2のB−B断面図である。
図10】本発明の端子台にネジ及びナットを取付けた状態を示す斜視図である。
図11】本発明の端子台にネジ及びナットを取付けた状態を示す正面図である。
図12】本発明の端子台にネジ及びナットを取付けた状態を示す平面図である。
図13】本発明の端子台にネジ及びナットを取付けた状態を示す底面図である。
図14】本発明の端子台にネジ及びナットを取付けた状態を示す左側面図である。
図15図12のC−C断面図である。
図16】本発明の端子台を回路基板に取付けた状態を示す平面図である。
図17】本発明の端子台を回路基板に取付けた状態を示す部分拡大斜視図である。
図18】本発明の端子台を回路基板に取付けた状態を示す部分拡大正面図である。
図19】本発明の端子台を回路基板に取付けた状態を示す部分拡大左側面図である。
図20】回路基板に実装されたコイルへ大電流を流す場合の従来方法を示す平面図である。
図21】回路基板に実装されたコイルへ大電流を流す場合の従来方法を示す部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
10 端子台
12 天板部
12a ネジ用孔
14 脚部
14a 突起
16 導線接続板部
16a 導線挿入孔
18 標準ネジ
20 標準ナット
22 スプリングワッシャー
24 ワッシャー
26 回路基板
28 コイル
30 導線
32 コア内蔵ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21