特許第6552275号(P6552275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552275
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】モータ及び発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/06 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   H02K1/06 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-108172(P2015-108172)
(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公開番号】特開2016-226100(P2016-226100A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】514289964
【氏名又は名称】野渡 透一
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】野渡 透一
【審査官】 津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−284263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
回転軸を中心として前記ステータに対して間隙を空けて回転するロータと、
前記間隙に配置される緩衝部材と、を備え
前記緩衝部材の一端部は、前記ステータのベース部に固定され、前記緩衝部材の他端部側は、前記間隙に配置され、前記緩衝部材は、通常の前記ロータの回転時において、前記ステータにおける前記ロータとの対向部分及び前記ロータにおける前記ステータとの対向部分のいずれにも接触しない位置に配置されており、
前記緩衝部材は、前記ステータにおける前記ロータとの対向部分及び前記ロータにおける前記ステータとの対向部分に対向する位置に、配置されている、モータ又は発電機。
【請求項2】
前記緩衝部材は、前記ステータにおける前記ロータとの対向部分及び/又は前記ロータにおける前記ステータとの対向部分よりも大きな緩衝機能を有する、請求項1に記載のモータ又は発電機。
【請求項3】
前記緩衝部材はフッ素樹脂からなる、請求項1又は2に記載のモータ又は発電機。
【請求項4】
前記緩衝部材は管状又は環状である、請求項1〜のいずれかに記載のモータ又は発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ及び発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
モータは,一般的に、ステータ(固定子)と、回転軸を中心としてステータに対して間隙を空けて回転するロータ(回転子)と、を有する。ステータで発生する磁界によって、ロータを回転させる駆動力(回転駆動力)が生じる。ロータの回転に伴って、回転軸が回転し、回転力が出力される(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
モータの小型化などの観点からは、ステータとロータとの間隙は小さい方が好ましい。しかし、ロータの回転にブレが生じたとき等において、ステータとロータとが接触すると、破損、故障、動作不良などの原因となる。そのため、ステータとロータとの接触を避けるために、ステータとロータとの間隙を大きく設定したり、ステータとロータとの間隙の製造精度を高くしたりすることも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−147172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、その場合、モータが大型化したり、製造コストが高くなる。この問題は、発電機においても同様に生じ得る。つまり、モータ及び発電機においてステータとロータとの接触を避けようとするために生じる問題を抑制することが望まれている。
【0006】
本発明は、ステータとロータとの接触を避けようとするために生じる問題を抑制することができるモータ及び発電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ステータと、回転軸を中心として前記ステータに対して間隙を空けて回転するロータと、前記間隙に配置される緩衝部材と、を備える、モータ又は発電機である。
【0008】
また、前記緩衝部材は、前記ステータにおける前記ロータとの対向部分及び/又は前記ロータにおける前記ステータとの対向部分よりも大きな緩衝機能を有していてもよい。
【0009】
また、前記緩衝部材はフッ素樹脂からなっていてもよい。
【0010】
また、前記緩衝部材は、前記ステータにおける前記ロータとの対向部分及び/又は前記ロータにおける前記ステータとの対向部分に固定されていてもよい。
【0011】
また、前記緩衝部材は管状又は環状であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ステータとロータとの接触を避けようとするために生じる問題を抑制することができるモータ及び発電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態のモータ1を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
図2】本発明の第2実施形態のモータ1Aを示す図で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
図3】本発明の第3実施形態のモータ1Bを示す図で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
図4】本発明の第4実施形態のモータ101を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は(A)に示すB−B線断面図である。
図5】本発明の第5実施形態のモータ101Aを示す縦断面図(図4(A)対応図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態のモータについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態のモータ1を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の第1実施形態のモータ1は、外装ケースを備えたアウターロータ型のモータである。モータ1は、固定子であるステータ2と、回転子であるロータ3と、外装ケース4と、緩衝部材5とを備えている。第1実施形態のモータ1は、ステータ2とロータ3との間隙Kの方向がロータ3の軸方向(図1(A)の上下方向)と直交する径方向(図1(A)の左右方向)である、ラジアルギャップ型である。
【0016】
ステータ2は、ステータコア(図示せず)、ステータコイル21、ベース部22等を備えており、ロータ3を回転させる駆動力(回転駆動力)を生じさせるための磁界を発生させる。ステータ2は、ロータ3の内側に間隙Kを空けて配置される。ステータコアは、電磁鋼板等の板状の磁性材料を複数積層することで構成されている。ステータコアは、回転中心から離れるように径方向に延びて、周方向に間隔を空けて複数設けられている。ステータコイル21は、ステータコアに巻回されている。ステータコイル21に通電することにより、磁力が発生する。
【0017】
ベース部22は、ステータ2の基部である。ベース部22に外装ケース4が固定され、ベース部22及び外装ケース4により、ステータコア(図示せず)及びステータコイル21並びにロータ3は、包囲される。
なお、ステータ2の構成及び外形は、ロータ3を回転させる駆動力(回転駆動力)を生じさせるための磁界を発生させることができると共に、ロータ3の回転を阻害しなければ、制限されない。図1では、ステータ2の外形を簡易的に円柱状に示している。
【0018】
ロータ3は、回転軸であるロータシャフト313を中心として、ステータ2に対して間隙Kを空けて回転する。ロータ3は、ステータ2の外側であって外装ケース4の内側に、配置される。ロータ3は、ロータフレーム31と、ロータマグネット32とを備える。ロータフレーム31は、円板状のロータ天面部311と、ロータ天面部311の周縁から軸方向(図1(A)の上下方向)に延びる円筒状のロータ周壁部312と、ロータシャフト313と、を備えている。
【0019】
ロータフレーム31の軸方向における一端側(図1(A)の上側)は、ロータ天面部311により塞がれている。ロータ周壁部312は、ロータ3の回転中心を中心とする円筒状である。ロータシャフト313は、ロータ天面部311の中心から軸方向に延びており、外装ケース4の軸受43によって回転自在な状態で保持されている。ロータフレーム31の軸方向における他端側(図1(A)の下側)は、開放している。
【0020】
ロータマグネット32は、ロータフレーム31のロータ周壁部312の内側に固定されている。ロータマグネット32は、周方向に沿ってN極、S極、N極、S極と交互に極性が反転する状態で着磁されている。ステータ2の外形とロータマグネット32の内形との間に、ロータ3の軸方向と直交する方向(径方向)の間隙Kが形成される。
【0021】
従って、ステータ2のステータコイル21に通電することにより、ステータ2には、ロータ3を回転させる駆動力(回転駆動力)を生じさせるための磁界が発生する。これにより、ロータ3は、ロータシャフト313を回転中心として、ステータ2の外側であって外装ケース4の内側で、回転する。ロータ3の回転により、回転力が出力される。
【0022】
外装ケース4は、金属製であり、円板状のケース天面部41と、ケース天面部41の周縁から軸方向に延びるケース周壁部42と、を備えている。外装ケース4の軸方向における一端側(図1(A)の上側)は、ケース天面部41によりほぼ塞がれている。ケース周壁部42は、ロータ3の回転中心を中心とする円筒状である。外装ケース4の軸方向における他端側(図1(A)の下側)は、外装ケース4の単体状態では開放しているが、ステータ2のベース部22に固定されている。
【0023】
外装ケース4のケース天面部41の中心には、軸受43が設けられている。軸受43は、ロータシャフト313を回転自在な状態で保持する。軸受43は、転がり軸受であってもよく、滑り軸受であってもよい。
【0024】
緩衝部材5は、間隙Kに配置される。緩衝部材5は、ステータ2におけるロータ3との対向部分よりも大きな緩衝機能を有する。ステータ2におけるロータ3との対向部分とは、仮想的に緩衝部材5が無いと仮定した場合に、ロータ3と対向部分する部分である。大きな緩衝機能は、例えば、緩衝部材5を、ステータ2におけるロータ3との対向部分よりも、比較的軟質で摩擦係数が低い材料から構成することで実現される。緩衝部材5は、例えばフッ素樹脂からなる。
【0025】
緩衝部材5は、ステータ2におけるロータ3との対向部分に固定される。第1実施形態において、緩衝部材5は円管状である。ステータ2の外周は凹凸している。円管状の緩衝部材5の内周面は、主に、ステータ2の外周における大きく突出している部分(例えば、ステータコアの突端部)に当接している。なお、緩衝部材5は、周方向に連続していなくてもよく、周方向に離間して配置されていてもよい。
【0026】
緩衝部材5の厚さは、緩衝作用が発生する範囲で薄い方が好ましく、例えば、好ましくは1〜3mm、更に好ましくは1〜2mmである。
また、緩衝部材5の存在を考慮した間隙Kの大きさ(緩衝部材5の外形とロータマグネット32の内形との間の径方向の間隙Kの大きさ)は、好ましくは1〜3mm、更に好ましくは1〜2mmである。
【0027】
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)が用いられる。
フッ素樹脂以外としては、硬質ポリウレタンフォーム等の発泡プラスチック、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が挙げられる。
【0028】
第1実施形態のモータ1によれば、例えば以下の効果が奏される。
第1実施形態のモータ1は、間隙Kに配置される緩衝部材5を備える。特に、緩衝部材5は、ステータ2におけるロータ3との対向部分よりも大きな緩衝機能を有する。そのため、第1実施形態のモータ1によれば、仮に、ロータ3の回転にブレが生じたとき等において、ステータ2とロータ3とが接触しそうになったとしても、緩衝部材5の緩衝機能により接触を解消し、ロータ3を適切な回転に復帰させて、破損、故障、動作不良などを抑制することができる。そのため、ステータ2とロータ3との接触を避けるために、ステータ2とロータ3との間隙Kを大きく設定したり、ステータ2とロータ3との間隙Kの製造精度を高くしたりすることも回避することできる。従って、ステータ2とロータ3との間隙Kを小さくして、モータ1の小型化などを図ることができる。
【0029】
フッ素樹脂からなる緩衝部材5は、比較的軟質で摩擦係数が低く、適当な大きさの緩衝機能を有するため、前記効果を向上させることができる。
緩衝部材5は、ステータ2におけるロータ3との対向部分に固定されているため、安定的に配置されることができる。
緩衝部材5は管状であるため、その製造及び間隙Kへの設置が容易である。
【0030】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図2は、本発明の第2実施形態のモータ1Aを示す図で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。第2実施形態以降については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第2実施形態以降において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態以降においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
【0031】
<第2実施形態>
第1実施形態においては、緩衝部材5は、ステータ2におけるロータ3との対向部分に固定される。これに対して、図2に示すように、第2実施形態のモータ1Aにおいては、緩衝部材5は、ロータ3におけるステータ2との対向部分に固定される。即ち、第2実施形態においては、緩衝部材5は、ステータ2側には設けられておらず、ロータ3側に設けられており、ロータ3と共に回転する。
【0032】
<第3実施形態>
第3実施形態のモータ1Bについて説明する。図3は、本発明の第3実施形態のモータ1Bを示す図で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。図3に示すように、第3実施形態のモータ1Bにおいては、緩衝部材5は、間隙Kに配置され、詳細には、通常のロータ3の回転時において、ステータ2におけるロータ3との対向部分及びロータ3におけるステータ2との対向部分のいずれにも接触しない位置に配置される。緩衝部材5は、ベース部122に固定されている。
【0033】
次に、本発明の第4実施形態のモータ101について説明する。図4は、本発明の第4実施形態のモータ101を示す図で、(A)は縦断面図、(B)は(A)に示すB−B線断面図である。第4実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については符号に+100をしている。第4実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第4実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
【0034】
<第4実施形態>
第1実施形態のモータ1は、ステータ2とロータ3との間隙Kの方向がロータ3の軸方向と直交する径方向である、ラジアルギャップ型である。これに対して、第4実施形態のモータ101は、図4に示すように、ステータ102とロータ103との間隙Kの方向がロータ103の軸方向である、アキシャルギャップ型である。
【0035】
図4に示すように、本発明の第4実施形態のモータ101は、ステータ102と、ロータ103と、外装ケース104と、緩衝部材105とを備えている。ステータ102とロータ103との間隙Kは、ロータ103の軸方向と平行している。
【0036】
ステータ2は、ステータコア123、ステータコイル121等を備えており、ロータ103を回転させる駆動力(回転駆動力)を生じさせるための磁界を発生させる。ステータ102は、ロータ103におけるステータ102との対向部分に間隙Kを空けて配置される。ステータコア123は、電磁鋼板等の板状の磁性材料を複数積層することで構成されている。ステータコア123は、ロータ103の軸方向に延びて、周方向に間隔を空けて複数設けられている。ステータコイル121は、ステータコア123に巻回されている。ステータコイル121に通電することにより、磁力が発生する。
【0037】
ベース部122は、ステータ102の基部である。ベース部122に外装ケース104が固定され、ベース部122及び外装ケース104により、ステータコア123及びステータコイル121並びにロータ103は、包囲される。ベース部122には、軸受143Aが設けられている。
なお、ステータ102の構成及び外形は、ロータ103を回転させる駆動力(回転駆動力)を生じさせるための磁界を発生させることができると共に、ロータ103の回転を阻害しなければ、制限されない。
【0038】
ロータ103は、回転軸であるロータシャフト133を中心として、ステータ102に対して間隙Kを空けて回転する。ロータ103は、外装ケース4のケース天面部41とステータ2との間に、配置される。ロータ103は、ロータフレーム131と、ロータマグネット132と、ロータシャフト133を備える。ロータフレーム131は、円板状である。
【0039】
ロータマグネット132は、ロータフレーム131におけるステータコア123及びステータコイル121との対向部分に、固定されている。ロータマグネット132は、周方向に沿ってN極、S極、N極、S極と交互に極性が反転する状態で着磁されている。
【0040】
ロータシャフト133は、ロータフレーム131の中心を貫通し、軸方向に延びていると共に、ロータフレーム131に固定されている。ロータシャフト133は、外装ケース104の軸受143及びステータ2のベース部122の軸受143Aによって、回転自在な状態で保持されている。
【0041】
従って、ステータ102のステータコイル121に通電することにより、ステータ102には、ロータ103を回転させる駆動力(回転駆動力)を生じさせるための磁界が発生する。これにより、ロータ103は、ロータシャフト133を回転中心として、外装ケース4のケース天面部41とステータ2との間で、回転する。ロータ103の回転により、回転力が出力される。
【0042】
外装ケース104は、金属製であり、円板状のケース天面部141と、ケース天面部141の周縁から軸方向に延びるケース周壁部142と、を備えている。外装ケース104の軸方向における一端側(図4(A)の上側)は、ケース天面部141によりほぼ塞がれている。ケース周壁部142は、ロータ103の回転中心を中心とする円筒状である。外装ケース4の軸方向における他端側(図4(A)の下側)は、開放しているが、ステータ102のベース部122に固定されている。
【0043】
外装ケース104のケース天面部141の中心には、軸受143が設けられている。軸受143は、ステータ2のベース部122の軸受143Aと共に、ロータシャフト133を回転自在な状態で保持する。軸受143,143Aは、転がり軸受であってもよく、滑り軸受であってもよい。
【0044】
緩衝部材105は、間隙Kに配置される。緩衝部材105は、ステータ102におけるロータ103との対向部分よりも大きな緩衝機能を有する。
【0045】
緩衝部材105は、ステータ102におけるロータ103との対向部分に固定される。第4実施形態において緩衝部材105は円環状(中心部が刳り抜かれた円盤状)である。ステータ102の外周は凹凸している。円環状の緩衝部材105は、主として、ステータ102における大きく突出している部分(例えば、ステータコア123の突端部)に当接している。なお、緩衝部材105は、周方向に連続していなくてもよく、周方向に離間して配置されていてもよい。
【0046】
緩衝部材105の厚さは、緩衝作用が発生する範囲で薄い方が好ましく、例えば、好ましくは1〜3mm、更に好ましくは1〜2mmである。
また、緩衝部材105の存在を考慮した間隙Kの大きさ(緩衝部材105の外形とロータマグネット132の内形との間の軸方向の間隙Kの大きさ)は、好ましくは1〜3mm、更に好ましくは1〜2mmである。
【0047】
<第5実施形態>
第5実施形態のモータ101Aについて説明する。図5は、本発明の第5実施形態のモータ101Aを示す縦断面図(図4(A)対応図)である。第4実施形態においては、緩衝部材105は、ステータ102におけるロータ103との対向部分に固定される。これに対して、図5に示すように、第5実施形態のモータ101Aにおいては、緩衝部材105は、ロータ3におけるステータ2との対向部分に固定される。即ち、第5実施形態においては、緩衝部材105は、ステータ102側には設けられておらず、ロータ103側に設けられており、ロータ103と共に回転する。
【0048】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の各種実施形態の構成を適宜組み合わせることができる。
モータの構造は特に制限されない。モータは、インナーロータ型であってもよい。モータは、例えば、ブラシ付きDCモータ、永久磁石同期モータ(ブラシレスDCモータ)、三相誘導モータ、単相誘導モータ(ユニバーサルモータ)、ステッピングモータであってもよい。
【0049】
緩衝部材5は、ステータ2におけるロータ3との対向部分及びロータにおけるステータとの対向部分の両方に固定されていてもよい。緩衝部材5は、(管状又は環状ではなく)1枚又は複数枚のシートから構成することができる。
【0050】
前記実施形態は、本発明をモータに適用しているが、これに制限されない。発電機の構造は基本的にはモータの構造と同じであるため、本発明は発電機にも適用することができる。発電機は、入力された回転力によりロータが回転し、それにより発電を行う。
【符号の説明】
【0051】
1,1A,1B,101,101A モータ
2,102 ステータ
3,103 ロータ
4,104 外装ケース
5,105 緩衝部材
21,121 ステータコイル
32,132 ロータマグネット
133 ロータシャフト(回転軸)
313 ロータシャフト(回転軸)
K 間隙
図1
図2
図3
図4
図5