特許第6552279号(P6552279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552279
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】路面切削機械及び切削方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/12 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   E01C23/12 B
【請求項の数】2
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-109509(P2015-109509)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-223138(P2016-223138A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000181354
【氏名又は名称】鹿島道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513130788
【氏名又は名称】株式会社コスモロード
(73)【特許権者】
【識別番号】509198653
【氏名又は名称】株式会社トライテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】特許業務法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑 田 直 人
(72)【発明者】
【氏名】大 竹 元 志
(72)【発明者】
【氏名】平 野 勲
(72)【発明者】
【氏名】石 川 茂
(72)【発明者】
【氏名】荒 川 秀 一
【審査官】 亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4141706(JP,B2)
【文献】 特開2007−009540(JP,A)
【文献】 特開平01−062505(JP,A)
【文献】 特開平07−189287(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0192025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 21/00−23/24
E01C 19/00−19/52
E01C 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪と上下動可能に構成された案内輪とを有し、路面切削用の回転切削装置を備え、
走行距離を計測する走行距離検出装置と、回転切削装置の垂直方向位置を検出する回転切削装置位置検出装置を有し、
走行距離検出装置の検出結果と、回転切削装置位置検出装置の検出結果に基づいて、回転切削装置により路面に予め決定された間隔及び切削深さの複数の溝を形成する機能を有する制御装置を有し
前記制御装置は、溝形成のために回転切削装置を下降する際には下降開始からの時間を計測することにより予め決定された切削深さに到達したか否かを判断する機能と、溝形成後に回転切削装置を上昇する際には前記回転切削装置位置検出装置で検出した回転切削装置の垂直方向位置により所定箇所まで上昇したか否かを判断する機能を有していることを特徴とする路面切削機械。
【請求項2】
駆動輪と上下動可能に構成された案内輪とを有し、路面切削用の回転切削装置を備え、走行距離を計測する走行距離検出装置と、回転切削装置の垂直方向位置を検出する回転切削装置位置検出装置を有している路面切削機械を用いており、
走行距離検出装置の検出結果と、回転切削装置位置検出装置の検出結果に基づいて、回転切削装置により路面に予め決定された間隔及び切削深さの複数の溝を形成し、
下降開始からの時間を計測することにより予め決定された切削深さに到達したか否かを判断しつつ、溝形成のために回転切削装置を下降する工程と、
溝形成後に、前記回転切削装置位置検出装置で検出した回転切削装置の垂直方向位置により所定箇所まで上昇したか否かを判断しつつ、回転切削装置を上昇する工程を有していることを特徴とする路面切削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面に所定間隔の溝を切削する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が走行中、道路端部やセンターラインに近寄りすぎて接触事故を起こす場合がしばしばある。これを防止するために、道路中央部や端部舗装面の進行方向に一定の凹凸(注意喚起溝)を設け、乗り上げた車両の運転手に注意喚起音と振動により注意を与える技術(注意喚起路面を構築する技術)が提案されている。当該技術としては、道路中央線或いは側線(ライン)を施工するときに材料の表面に凹凸を形成する技術や、新設舗装工事において舗装材料を締固めするときに溝型を押し付ける技術等、種々の提案がされている。
【0003】
既設の舗装面に注意喚起溝を構築する従来技術として、道路中央/側端に連続する一定間隔の凹凸(溝)を作るため、切削装置(カッター)を上下させる溝成型機械(小型路面切削機)が提案されている。
この従来技術では、所定の溝深さとピッチを得るために多角形の案内輪を装備し、案内輪の回転により切削装置を前進させつつ上下運動させることにより注意喚起溝を形成する機構を具備している。
【0004】
ここで、注意喚起溝は道路の設計に合わせ複数のバリエーションを持つことが望ましい。
しかし、係る従来技術は、多角形の案内輪を用いて機械そのものを前進させつつ上下運動させることにより、切削装置を路面に断続的に接触させているため、多角形の車輪寸法によって定まる一定間隔の溝しか構築できないという問題を有している。
また、多角形案内輪を用いた上述した従来技術では、注意喚起溝の間隔や深さを作業現場内で変更するためには案内輪を交換しなければならない。そして、施工中に案内輪を交換して注意喚起溝の間隔や深さを変更することは、非常に困難である。
【0005】
その他の従来技術として、円形の案内輪を有する溝成形機械が提案されており、走行距離に対応して溝切削位置と溝切削深さを制御する旨が開示されている(特許文献1参照)が、当該技術(特許文献1)では注意喚起溝の間隔や深さを変更する制御については、具体的には何等言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4141706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、施工途中でも注意喚起溝の切削ピッチと深さを任意に変えることが可能な路面切削機械及び路面切削方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の路面切削機械(100)は、駆動輪(1)と上下動可能に構成された案内輪(2)とを有し、路面切削用の回転切削装置(3:カッタドラム)を備え、
走行距離を計測する走行距離検出装置(4:例えばエンコーダ)と、回転切削装置(3)の垂直方向位置を検出する回転切削装置位置検出装置(5:カッタドラム位置検出装置:例えばリニアセンサ)を有し、
走行距離検出装置(4)の検出結果と、回転切削装置位置検出装置(5)の検出結果に基づいて、回転切削装置(3)により路面に予め決定された間隔(L:ピッチ)及び切削深さ(D)の複数の溝を形成する機能を有する制御装置(10:コントロールユニット)を有し
前記制御装置(10)は、溝形成のために回転切削装置(3)を下降する際には下降開始からの時間を計測することにより予め決定された切削深さ(D:溝の下限位置)に到達したか否かを判断する機能と、溝形成後に回転切削装置(3)を上昇する際には前記回転切削装置検出装置(5)で検出した回転切削装置(3)の垂直方向位置により所定箇所まで上昇したか否かを判断する機能を有することを特徴としている。
【0009】
の場合、切削深さ(D)が所定深さに到達したか否かを回転切削装置位置検出装置(5)の計測結果に基づいて判断して、回転切削装置(3)の下降開始から所定時間(例えば、「所定時間tc:tc=Lg/シリンダ速度」)が経過しても所定深さに到達していない場合や、所定時間経過前に所定深さに到達した場合に対処することが出来る(図7図9)。
【0010】
本発明の路面切削方法は、駆動輪(1)と上下動可能に構成された案内輪(2)とを有し、路面切削用の回転切削装置(3:カッタドラム)を備え、走行距離を計測する走行距離検出装置(4:例えばエンコーダ)と、回転切削装置(3)の垂直方向位置を検出する回転切削装置位置検出装置(5:カッタドラム位置検出装置:例えばリニアセンサ)を有している路面切削機械(100)を用いており、
走行距離検出装置(4)の検出結果と、回転切削装置位置検出装置(5)の検出結果に基づいて、回転切削装置(3)により路面に予め決定された間隔(L:ピッチ)及び切削深さ(D)の複数の溝を形成し、
下降開始からの時間を計測することにより予め決定された切削深さ(D:溝の下限位置)に到達したか否かを判断しつつ、溝形成のために回転切削装置(3)を下降する工程と、
溝形成後に、前記回転切削装置位置検出装置(5)で検出した回転切削装置(3)の垂直方向位置により所定箇所まで上昇したか否かを判断しつつ、回転切削装置(3)を上昇する工程を有することを特徴としている。
【0011】
こで、下降開始からの時間を計測することにより予め決定された切削深さ(D:溝の下限位置)に到達したか否かを判断しつつ、溝形成のために回転切削装置(3)を下降する前記工程において、切削深さ(D)が所定深さに到達したか否かを回転切削装置位置検出装置(5)の計測結果に基づいて判断し、回転切削装置(3)の下降開始から所定時間(例えば、「所定時間tc:tc=Lg/シリンダ速度」)が経過しても所定深さに到達していない場合や、所定時間経過前に所定深さに到達した場合に対処することが出来る(図7図9)。
【発明の効果】
【0012】
上述の構成を具備する本発明によれば、走行距離検出装置(4)の検出結果すなわち路面切削機械(100)の走行距離と、回転切削装置位置検出装置(5)の検出結果に基づいて、回転切削装置(3)により路面に溝を形成しているので、路面切削機械(100)の走行距離の設定値(しきい値)と、回転切削装置位置の設定値を適宜設定することにより、所望の間隔(L:ピッチ)及び切削深さ(D)の溝を路面に形成することが出来る。
ここで、路面切削機械(100)の走行距離の設定値、回転切削装置位置の設定値を適宜設定することは、多角形の案内輪を変更することに比較して遙かに容易であるため、本発明によれば、施工中に注意喚起溝の間隔(L:ピッチ)及び切削深さ(D)を変更することが可能である。
【0013】
本発明によれば、回転切削装置(3)の下降のタイミングは走行距離検出装置(4)の検出結果すなわち路面切削機械(100)の走行距離により決定されるので、作業機械自体の速度に追従する範囲で設定ピッチ(L:溝の間隔)を保つことが出来る。
そのため、本発明によれば、作業者は路面切削機械(100)を所定の位置、方向に維持しながら走行させることに専念すればよく、ディスプレイに表示された数値を確認しなくても、所望の間隔(L:ピッチ)及び切削深さ(D)の溝を路面に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る路面切削機械を示す説明図である。
図2図1の路面切削機械における制御装置(コントロールユニット)を示すブロック図である。
図3】第1実施形態における注意喚起溝切削の制御タイミングの概要を示す説明図である。
図4】第1実施形態における制御を示すフローチャートである。
図5図4と同様に第1実施形態における制御を示すフローチャートである。
図6】実施形態における回転切削装置の位置を検出する機構の概要を示す説明図である。
図7】第2実施形態における制御を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態において図7の制御と並行して実行される制御を示すフローチャートである。
図9図7と同様に第2実施形態における制御を示すフローチャートである。
図10】第3実施形態における制御を示すフローチャートである。
図11図10と同様に第3実施形態における制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1において、全体を符号100で示す本発明の実施形態に係る路面切削機械は、車体6の底部に駆動輪1及び案内輪2を有しており、駆動輪1及び案内輪2は走行装置13(図2)を構成している。
【0016】
図1では明示されていないが、案内輪2は路面切削機械100の車幅方向(図1の紙面に垂直な方向)の両端に設けられており、その内側(車幅方向において、両端の案内輪2、2の間の領域)には溝切削用の回転切削装置3(カッタドラム)が設けられている。
ここで、回転切削装置3の回転軸(明示せず)は、案内輪2の回転軸2Aと、路面切削機械100の前後方向について同一位置に配置されている。
【0017】
回転切削装置3は、図示しない駆動装置により回転駆動しており、その表面に多数の切削ビットが設けられている従来公知の機器である。
図1では明示されていないが、回転切削装置3の回転軸は、車体6に固定されている。従って、回転切削装置3の位置は車体6に対して常に同一であり、回転切削装置3は車体6に対して相対変位はしない。ただし、記載の煩雑を防止するため、本明細書においては、「回転切削装置3を上昇」、「回転切削装置3を下降」等の表現をする場合がある。
案内輪2は案内輪回転軸2Aによりリンク7の先端7Aに回転自在に軸支されており、リンク7の他端7Bは油圧シリンダ機構8のロッド8A先端に軸支されている。リンク7は、リンク回転軸7Cにより、車体6に固定されたブラケット9に回動可能に軸支されている。なお、油圧シリンダ機構に代えて、電動シリンダ機構を採用することも出来る。
【0018】
油圧シリンダ機構8のロッド8Aが伸長、収縮することにより、リンク7はリンク回転軸7Cを中心に回動し、案内輪2が下降、上昇する。
より詳細には、ロッド8Aが伸長すると、リンク7がリンク回転軸7Cに対して反時計方向に回動して案内輪2を下降するので、回転切削装置3は上昇して地面(路面SF:図6)から離隔する。
一方、ロッド8Aが収縮すると、リンク7がリンク回転軸7Cに対して時計方向に回動して案内輪2を上昇するので、回転切削装置3は下降して、地面(路面SF)を切削する。
【0019】
案内輪2の近傍には、路面切削機械100の走行距離を検出する装置であるエンコーダ4が備えられ、駆動輪1が回転して路面切削機械100が走行すると案内輪2が回転し、案内輪2の回転をエンコーダ4が検出することにより、路面切削機械100の走行距離が計測される。
路面切削機械100の車体6には、制御装置10(コントロールユニット)が搭載されている。
回転切削装置3の垂直方向位置を検出する装置であるリニアセンサ5が車体6に設けられている。リニアセンサ5については、図6を参照して後述する。サイドプレート11Cについても、図6を参照して後述する。
【0020】
次に、路面切削機械100の制御装置10について、図2を参照して説明する。
図2において、制御装置10は、走行距離決定ブロック10A、回転切削装置下端位置決定ブロック10B、垂直方向距離Lg決定ブロック10C、記憶ブロック10D、タイマ10E、判断ブロック10F(回転切削装置の上下動を決定するブロック)、シリンダバルブ開閉制御信号発生ブロック10G、走行・停止制御ブロック10Hを備えている。
【0021】
走行距離決定ブロック10Aは、案内輪2近傍に設置された走行距離検出装置4からの計測信号を、図示しない入力側インターフェイスを介して受信し、前記計測信号に基づき、案内輪2の回転量すなわち路面切削機械100の走行距離を決定する機能を有している。
回転切削装置下端位置決定ブロック10Bは、回転切削装置位置検出装置5からの計測信号(回転切削装置3の垂直位置を示す信号)を、図示しない入力側インターフェイスを介して受信し、前記計測信号に基づき、回転切削装置3の下端位置(及び/又は、回転切削装置3の下端から路面までの垂直方向距離H)を決定する機能を有する。
【0022】
垂直方向距離Lg決定ブロック10Cは、回転切削装置3の下端から注意喚起溝Mの下限(溝底)までの垂直方向距離Lgを決定する機能を有している。
ここで垂直方向距離Lgは、回転切削装置3の下端から路面までの距離Hと、注意喚起溝M(図3参照)の深さ(D:溝深さ)とを合算した数値となる。
垂直方向距離Lg決定ブロック10Cでは、回転切削装置下端位置決定ブロック10Bで決定した回転切削装置3の下端位置から、回転切削装置3の下端から路面SF(図6参照)までの垂直方向距離Hと、予め決定されている注意喚起溝の深さDとを合算して、垂直方向距離Lgを決定する。
【0023】
判断ブロック10Fは、走行距離決定ブロック10Aで決定した路面切削機械100の走行距離に基づいて、路面切削機械100が注意喚起溝Mの形成位置の始点に到達したか否かを判断する機能を有する。ここで、路面切削機械100の始点、注意喚起溝Mの形成位置の始点は、予め入力及び/又は設定されている。
図示の実施形態では、例えば、最初の溝形成位置の始点から1/2ピッチ(ピッチL:切削間隔で、溝形成位置の始点から次の溝形成位置の始点までの距離。図3参照)だけ手前の地点で、作業者(図示せず)が溝形成ルーチン開始のセットボタン12を押すことにより溝形成ルーチンが開始される。そして判断ブロック10Fは、溝形成ルーチンが開始された位置から注意喚起溝Mのピッチ(間隔)の1/2の距離だけ走行したか否かを判断する機能を有している。
【0024】
また、2つ目以降の溝の形成位置の始点に関しては、直前のサイクル(溝形成ルーチンにおける直前のサイクル)において形成された注意喚起溝Mの始点(当該溝Mの前縁)から1ピッチ(1L)だけ走行したか否かにより、2つ目以降の溝の形成位置の始点に到達したか否かを判断する。ここで、直前のサイクルにおいて形成された注意喚起溝Mの始点(当該溝Mの前縁)において、路面切削機械100の走行距離の計測値はリセットされる(図4のステップS5参照)。
なお、前記「最初の溝形成位置の始点から1/2ピッチ」は例示であり、その他の値を適宜選択することが可能である。
【0025】
また判断ブロック10Fは、回転切削装置3が注意喚起溝の下限(溝底)に到達したか否かを判断する機能を有する。
例えば、回転切削装置位置検出装置(5:リニアセンサ)からの計測信号(回転切削装置3の垂直位置を示す信号)により、注意喚起溝の下限(溝底)に到達したか否かを判断することが出来る。
或いは、前記垂直方向距離Lg決定ブロック10Cで決定した垂直方向距離Lgと、タイマ10Eからの計測信号に基づき、溝形成位置の始点に到達して下降を開始(時刻ts)してからの経過時間が時間tc(所定時間:距離Lgをシリンダ速度で除した数値:tc=Lg/シリンダ速度)に達したか否かにより判断する(所定時間tcが経過したか否かで制御する)ことが出来る。すなわち、回転切削装置3が下降を開始(時刻ts)してからの経過時間が所定時間tcを経過したならば、回転切削装置3が溝下限に到達したと判断する。
【0026】
ここで、Lgは前述の通り回転切削装置3の下端から溝下限(溝底)までの垂直方向距離であり、シリンダ速度は一定値となる。
なお、図2ではタイマ10Eは判断ブロック10Fと別体に表示されているが、タイマ10Eを判断ブロック10Fに内蔵させても良い。
【0027】
さらに判断ブロック10Fは、回転切削装置3が溝下限(溝底)の深さ(垂直方向位置)に到達した後、溝下限位置を保持する機能を有しており、以って、溝Mの下限が路面に対して平行になる様に(溝Mを)形成している。
例えば判断ブロック10Fは、走行距離検出装置4からの計測信号により回転切削装置3が溝下限(溝底)の深さ(垂直方向位置)に到達した後の走行距離を決定し、当該走行距離が溝Mの下限深さの領域の長さ(設定値:下限保持時間thに対応)に到達したか否かを判断する機能を有している。
或いは判断ブロック10Fは、溝Mの下限位置を保持すべき下限保持時間thが経過したか否かを判断する機能を有している。ここで、下限保持時間thは定数であり、溝MのピッチL(切削間隔)や回転切削装置3の垂直方向移動速度等に基づき予め決定され、入力される。
【0028】
それに加えて判断ブロック10Fは、前記走行距離が設定値(溝Mの下限深さの領域の長さ)に到達した後、或いは前記下限保持時間th経過後、回転切削装置3を上昇させる機能を有し、上昇した回転切削装置3の下端が所定の垂直方向高さHに達したか否かを判断する機能を有する。なお、回転切削装置3は、上昇を開始した後、路面SF(図6)から離隔するまでの間は、上昇しつつ溝Mを切削する(溝Mの後縁側を切削する)。
なお、所定の垂直方向高さHは、回転切削装置位置検出装置5からの計測信号(回転切削装置3の垂直位置)に基づき決定される回転切削装置3の下端位置(路面までの垂直方向距離H)であり、回転切削装置下端位置決定ブロック10Bの計測結果に基き、注意喚起溝Mを切削する度毎に決定され、更新される。
【0029】
シリンダバルブ開閉制御信号発生ブロック10Gは、「路面切削機械100が注意喚起溝Mの形成位置の始点Ps(図3)に到達した」という判断ブロック10Fの判断結果が入力されると、図示しない出力側インターフェイスを介して、油圧シリンダ機構8に対して、回転切削装置3を下降させる旨の制御信号を送信する機能を有する。油圧シリンダ機構8は、シリンダバルブ開閉制御信号発生ブロック10Gから出力された信号により、ロッド8Aを収縮させて回転切削装置3を下降させる。
また、シリンダバルブ開閉制御信号発生ブロック10Gは、「回転切削装置3が溝下限に到達した」という判断ブロック10Fの判断結果が入力されると、油圧シリンダ機構8に対して、回転切削装置3の下降を停止する制御信号(開閉バルブのON/OFF信号)を送信する機能を有している。
ここで、油圧シリンダ機構8は油圧により伸縮する。図1では明確には図示されていないが、油圧シリンダ機構8は圧油供給系統と圧油排出系統に連通しており、圧油供給系統と圧油排出系統にはそれぞれ開閉バブル(図示せず)が介装されている。そして、当該図示しない開閉バルブをON−OFF制御することにより、油圧シリンダ機構8が伸縮する。
【0030】
さらに、シリンダバルブ開閉制御信号発生ブロック10Gは、「回転切削装置3が溝下限(溝底)の深さ(垂直方向位置)に到達した後の走行距離が設定値(溝Mの下限深さの領域の長さ:下限保持時間thに対応)に到達した」旨、或いは、「溝下限を保持して切削すべき下限保持時間thが経過した」旨の判断ブロック10Fの判断結果が入力されると、油圧シリンダ機構8に対して、回転切削装置3を上昇させる制御信号を送信する機能を有する。
そして、シリンダバルブ開閉制御信号発生ブロック10Gは、「上昇している回転切削装置3が所定の垂直方向高さに到達した」という判断ブロック10Fの判断結果が入力されると、油圧シリンダ機構8に対して、回転切削装置3の上昇を停止させる制御信号を送信する機能を有している。
【0031】
走行・停止制御ブロック10Hは、路面切削機械100の走行装置13(図2参照)に対して、走行信号、停止信号を出力する機能を有している。
また走行・停止制御ブロック10Hに、注意喚起溝Mを切削するべき箇所に路面切削機械100が到達した時に、回転切削装置3を所定深さ(溝の下限深さ)まで下降して、回転切削装置3が少なくとも1回転する間は路面切削機械100を停止する停止信号を走行装置13(図2参照)に対して送信する機能を持たせることも可能である。
【0032】
図2では明示されていないが、制御装置10(コントロールユニット)は入力装置と接続されており、図示しない入力装置を介して、施工条件、例えば注意喚起溝のピッチ(L:切削間隔)や溝の切削深さD、シリンダ速度(一定速)、溝下限を保持して切削する時間th(後述する第2実施形態、第3実施形態では、溝Mの下限の距離或いは図3のP2〜P3間の距離)等のデータが予め入力され、記憶ブロック10Dに記憶される。
記憶ブロック10Dには、前記データ以外にも、溝形成ルーチンにおいて実行された各種演算のデータ等を、一時的或いは継続的に保存する機能を有している。なお、図2では記憶ブロック10Dと判断ブロック10Fは別体に構成されているが、記憶ブロック10Dを判断ブロック10Fに内蔵させることも可能である。
【0033】
また、判断ブロック10Fは、走行距離の計測値と時間の計測値をリセットするリセット信号を送信する機能を有している。
さらに判断ブロック10Fは、作業者により押下されるセットボタン12からの信号を受信した時に、溝形成のルーチンを開始する機能を有している。
【0034】
図1では明示されていないが、セットボタン12は路面切削機械100の運転席に設けられている。図2では一つのブロックで表現されているが、当該セットボタンの個数については特に限定するものではない。
運転席で路面切削機械100を操作している作業者がセットボタン12を押下することにより、例えば、注意喚起溝M(図3)を形成するために路面SF(図6)を所定間隔(ピッチL)で切削するルーチンを開始し、或いは、終了する。
また、注意喚起溝形成ルーチンを行う直前に回転切削装置3を路面に近接させる作業が、セットボタン12が押されることにより行われる。さらに、セットボタン12を押すことにより、ゼロ点調整(較正)作業を実行することが出来る。
【0035】
注意喚起溝Mの切削における制御について、図3を参照して説明する。
図3において、路面切削機械100(図3では回転切削装置3のみ表示:路面切削機械100は図3では表示せず)の回転切削装置3が、溝形成位置の始点Psに向かって、矢印X方向に移動している。
路面切削機械100が溝形成位置の始点Psより1/2ピッチ(L/2)だけ手前(図3では左側)の地点P1に達した時、作業者(図示せず)がセットボタン12を押すことにより、溝形成のルーチンが開始される。
図3において、符号Mは溝(注意喚起溝)であり、符号T1は時刻、符号T2は時間を表す。
【0036】
路面切削機械100が地点P1から1/2ピッチ(L/2)走行すると(時間tsだけ経過すると)溝形成位置の始点Psに到達し、回転切削装置3が下降して、溝切削(形成)が開始される。
回転切削装置3が下降して回転切削装置3が溝下限に到達する(地点P2)と、回転切削装置位置検出装置(5:リニアセンサ)からの計測信号(回転切削装置3の垂直位置を示す信号)により注意喚起溝の下限(溝底)に到達したと判断される。或いは、溝切削(形成)が開始されてから時間tc(所定時間)が経過する。回転切削装置3が溝下限に到達すると(地点P2に到達すると)、回転切削装置3の垂直方向位置を(溝下限位置に)保持して溝切削を続行する。
回転切削装置3の垂直方向位置を溝下限位置に保持して溝を切削する工程は、回転切削装置3が溝下限(溝底)の深さ(垂直方向位置)に到達した後の走行距離が設定値(溝Mの下限深さの領域の長さ:下限保持時間thに対応)に到達するまで、或いは、時間thが経過するまで行われ、それが終了すると地点P3に到達する。
【0037】
図示の実施形態では、回転切削装置3が溝下限(溝底)の深さ(垂直方向位置)に到達したか否かを判断するに際して、第1実施形態では回転切削装置位置検出装置5からの計測信号(回転切削装置3の垂直位置を示す信号)により決定し、第3実施形態では溝形成位置の始点に到達して下降を開始(時刻ts)してからの経過時間が時間tc(所定時間:距離Lgをシリンダ速度で除した数値:所定時間tc=Lg/シリンダ速度)に達したか否かにより判断し、第2実施形態では回転切削装置位置検出装置5からの計測信号と時間tc(所定時間:距離Lgをシリンダ速度で除した数値:所定時間tc=Lg/シリンダ速度)に達したか否かの双方により判断している。
一方、回転切削装置3の垂直方向位置を溝下限位置に保持して溝を切削する工程は、第1実施形態では路面切削機械100の走行距離に基づいて制御され、第3実施形態では時間thが経過したか否かで制御され、第2実施形態では、路面切削機械100の走行距離或いは時間thが経過したか否かの何れかで制御することが出来る。
【0038】
再び図3において、地点P3に到達したならば、回転切削装置3を上昇する。回転切削装置3の下端が路面SF(図6)より上昇するまでは、回転切削装置3は溝Mの後縁部分を切削しつつ上昇し、回転切削装置3が溝Mの後縁部分を切削しつつ上昇する工程が終了すると地点P4に到達する。
その後、回転切削装置3は、その下端が所定の垂直方向高さH(路面までの垂直方向距離H)となるまで上昇する。
図3において、地点P5は、次の溝の形成位置の始点である。
【0039】
図3において、1ピッチ(1L)は図示の通り、溝形成位置の始点Psから次の溝の形成位置の始点P5までの距離である。
また、垂直方向距離Lgは、上述した通り、回転切削装置3の下端から路面までの垂直方向距離Hと、予め決定された注意喚起溝の深さDとを合算した数値である。
【0040】
次に、図4図5を主として参照しつつ、注意喚起溝M(図3)を形成する際に実行する制御について説明する。
図4図5において、路面切削機械100を走行させて、注意喚起溝Mの形成予定領域に向う。そしてステップS1では、路面切削機械100が形成すべき最初の溝Mの始点位置から1/2ピッチ(L/2:Lは溝Mのピッチ或いは切削間隔)手前の地点に到達したか否かを判断する。路面切削機械100が形成すべき最初の溝の始点位置から1/2ピッチ手前の地点に到達したか否かの判断は、例えば、路面切削機械100に搭乗している作業者の判断に基づいて行なわれるが、その他の手法(例えば、測位衛星からの情報の受信等)により行うことも可能である。
路面切削機械100が形成すべき第1(最初)の溝の始点位置からL/2(1/2ピッチ)手前の地点に到達した場合(ステップS1がYES)はステップS2に進み、到達していないと判断した場合(ステップS1がNO)はステップS1が「NO」の制御ループを繰り返す。
【0041】
路面切削機械100が形成すべき最初の溝の始点位置からL/2(1/2ピッチ)手前の地点に到達したならば(ステップS1がYES)、ステップS2において、注意喚起溝Mを形成するルーチンを開始する。
そして作業者は、路面切削機械100における運転席のセットボタン12を押下して、注意喚起溝Mを切削する制御ルーチンを開始させる。そしてステップS3に進む。
ステップS3では、走行距離検出装置4により、路面切削機械100(の案内輪2)の起点、すなわちステップS2でルーチンを開始した地点からの走行距離の計測を開始する。
【0042】
ステップS4では、路面切削機械100(の案内輪2)の起点(注意喚起溝Mの切削制御ルーチンの開始位置)からの走行距離がL/2(1/2ピッチ)に到達したか否かを判断する。
走行距離がL/2(1/2ピッチ)に到達した場合(ステップS4がYES)はステップS5に進み、到達していない場合(ステップS4がNO)はステップS4に戻り、ステップS4が「NO」の制御ループを繰り返す。
ステップS5では、走行距離検出装置4(エンコーダ)の検出結果をリセットし、次の制御サイクルにおける路面切削機械100の走行距離計測に備える。そしてステップS6に進む。
【0043】
ステップS6では、回転切削装置位置検出装置5(リニアセンサ)からの計測信号(回転切削装置3の垂直位置)に基づき、回転切削装置3の下端位置を決定し、以って、路面SF(図6)からの回転切削装置3の下端までの垂直方向距離Hを決定する。そしてステップS7に進む。
回転切削装置位置検出装置5(リニアセンサ)の計測信号(回転切削装置3の垂直位置)に基づいて決定された回転切削装置3の下端位置は、後述するステップS8で、回転切削装置3が溝Mを切削する深さが所定深さまで到達したか否かの判断におけるパラメータとなる。
路面SF(図6)からの回転切削装置3の下端までの垂直方向距離Hは、後述するステップS13における「上昇終了高さH」として記憶ブロック10Dに記憶される。
【0044】
ステップS7では、油圧シリンダ機構8を収縮させて、回転切削装置3を下降させる。回転している回転切削装置3を下降することにより、注意喚起溝Mが切削される。そしてステップS8に進む。
ステップS8において、回転切削装置位置検出装置5の計測結果により、回転切削装置3による切削深さが所定深さまで到達したか否かを判断する。
【0045】
ステップS8において、回転切削装置3による切削深さ(回転切削装置位置検出装置5の計測結果)が、注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達していない場合(ステップS8がNO)には、ステップS8が「NO」の制御ループを繰り返す。
一方、ステップS8において、回転切削装置3による切削深さ(回転切削装置位置検出装置5の計測結果)が注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達している場合(ステップS8がYES)には、ステップS9に進む。
【0046】
回転切削装置3が注意喚起溝の下限(溝底)に到達して(ステップS8がYES)ステップS9に進むと、油圧シリンダ機構8の収縮を停止して回転切削装置3の下降を停止し、回転切削装置3の下端の垂直方向位置を注意喚起溝Mの下限(溝底)の予定レベルに保持する。
それと共に(ステップS9で)、走行距離検出装置4による計測を開始する。換言すれば、回転切削装置3が溝下限(溝底)の深さ(垂直方向位置)に到達した後の走行距離の計測を開始する。この間、回転切削装置3は回転しており路面切削機械100は走行しているので、注意喚起溝Mの下限(溝底)における水平面が切削(形成)される。
そしてステップS10(図5)に進む。
【0047】
図4のステップS9より後に行われる制御を、図5を参照して説明する。
図5のステップS10では、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達してからの路面切削機械100の走行距離(溝Mの下限深さの領域の長さ)が、設定値以上であるか否かを判断する。
溝Mの下限深さの領域の長さが設定値以上であれば(ステップS10がYES)、注意喚起溝Mの下限(溝底)が必要な長さだけ切削されたと判断して、ステップS11に進む。
溝Mの下限深さの領域の長さが設定値未満であれば(ステップS10がNO)、注意喚起溝Mの下限(溝底)が必要な長さだけ切削されていないと判断して、ステップS10に戻り、溝Mの下限深さを維持した状態で路面切削機械100は走行する(ステップS10がNOのループ)。
【0048】
ステップS11では、油圧シリンダ機構8を伸長させて、回転切削装置3を上昇させる。そしてステップS12に進む。
ステップS12では、回転切削装置位置検出装置5(リニアセンサ)の計測信号(回転切削装置3の垂直方向位置の計測結果)により、回転切削装置3の下端位置(路面からの垂直方向距離)を決定する。そしてステップS13に進む。
【0049】
ステップS13では、回転切削装置3の下端位置が、上昇終了高さH(切削終了時の垂直方向高さ)に到達したか否かを判断する。
回転切削装置3の下端位置が上昇終了高さHに到達した場合(ステップS13がYES)はステップS14に進む。回転切削装置3の下端位置が上昇終了高さHに到達していないと判断した場合(ステップS13がNO)は、ステップS13に戻る。
第1実施形態では、前記上昇終了高さHは、例えばステップS6で計測した「路面からの垂直方向距離H」の数値とされているが、この値は溝Mの切削の度毎に更新することが出来る。
【0050】
ステッップS14では、油圧シリンダ機構8の伸長を停止して、回転切削装置3の上昇を停止する。そして、回転切削装置3の下端位置を上昇終了高さHに保持する。
ステップS14において、最初の(一つ目の)注意喚起溝の切削(形成)が終了する。そしてステップS15に進む。
【0051】
次にステップS15では、現地点が注意喚起溝Mを形成するべき領域であるのか否か、すなわち注意喚起溝Mの形成を継続するか否かを判断する。
注意喚起溝Mの形成を継続するか否かの判断は、図示の実施形態では作業者自らが行い、溝Mの形成を継続すると判断した場合(ステップS15がYES)はステップS16に進み、溝Mの形成を終了すると判断した場合(ステップS15がNO)はステップS17に進む。
【0052】
ステップS16(注意喚起溝Mの形成を継続すると判断した場合)では、路面切削機械100(の案内輪2)の起点、すなわち直前の溝形成サイクルにおける溝Mの始点Psからの走行距離が(ステップS5参照)、1ピッチ(ピッチL:切削間隔)に到達したか否かを判断する。
走行距離が1ピッチに達したと判断した場合(ステップS16がYES)は、ステップS5に進み、注意喚起溝M形成の領域における次の注意喚起溝Mの切削(形成)を行う。以降、ステップS16からステップS5に進むループは、ステップS15で作業者が溝形成を終了すると判断するまで繰り返される。
走行距離が1ピッチに到達していないと判断した場合(ステップS16がNO)はステップS16が「NO」のループを繰り返す。
【0053】
ステップS17(注意喚起溝Mの形成を終了すると判断した場合)では、注意喚起溝M形成のルーチンを終了する。具体的には、作業者が車体の運転席のセットボタン12を押下することにより、制御装置10に信号が送られ、注意喚起溝M形成ルーチンの終了処理がされる。そしてステップS18に進む。
ステップS18では、走行距離検出装置(4:エンコーダ)を停止し、注意喚起溝M形成のルーチンを終了する。
【0054】
上述した様に、回転切削装置3の垂直方向位置は回転切削装置位置検出装置5により計測されている。図6を参照して、回転切削装置位置検出装置5の一例を説明する。
図6において、回転切削装置3の回転軸3Aは図示しない車体6に回転自在に軸支されており、車体6にはワイヤ11A、スプリング11B及びサイドプレート11Cから成る計測体11が設けられている。
【0055】
計測体11のワイヤ11Aは、車体6に固定されたワイヤ掛止固定軸14に摺動可能に掛止されており、ワイヤ11Aの一端はスプリング11Bに結合され、ワイヤ11Aの他端はサイドプレート11Cに接続されている。
そして前記スプリング11Bの他端は、スプリング固定軸11Dにより車体6に固定されている。
回転切削装置位置検出装置5は、その測定部5Aにより前記計測体11のワイヤ11Aの変位を計測する様に構成されており、計測体11に近接して設けられている。
【0056】
上述した様に、路面切削機械100が注意喚起溝Mを切削する際に、油圧シリンダ機構8(図示せず)が伸縮して案内輪2(図示せず)が上下動することで、回転切削装置3の路面SFあるいは地面Gに対する垂直方向位置が変化する。
ここで、サイドプレート11Cは重量があるため、油圧シリンダ機構8が伸縮して案内輪が上下動しても地面Gに接触した状態を保持するが、スプリング11Bの伸び量が変化する。回転切削装置位置検出装置5は当該スプリングの伸縮(スプリングの伸び量の変化)すなわちワイヤ11Aの変位を計測する。
サイドプレート11Cは路面SF(地面G)に接触した状態を保持するので、ワイヤ11Aの変位は車体6の位置に対応しており、すなわち回転切削装置3の位置に対応している。従って、回転切削装置位置検出装置5により、ワイヤ11Aの変位を計測し、以って、回転切削装置3の下端位置を計測することが出来る。
【0057】
図示の第1実施形態によれば、走行距離検出装置4の検出結果、すなわち路面切削機械100の走行距離と、回転切削装置位置検出装置5の検出結果、すなわち回転切削装置3の下端位置に基づいて、回転切削装置3の上下動を制御して、路面に注意喚起溝Mを形成している。そして、路面切削機械100の走行距離の設定値と、回転切削装置位置の設定値を適宜設定することにより、所望の間隔(L:ピッチ)及び切削深さDの溝を路面に形成することが出来る。
ここで、路面切削機械100の走行距離の設定値(L/2、L)と、回転切削装置3の位置の設定値(切削深さD)を適宜設定する作業は、従来技術における多角形の案内輪を変更することに比較して遙かに容易である。そのため、本発明によれば、施工中に注意喚起溝の間隔(L:ピッチ)及び切削深さDを任意に変更することが容易に行われる。
【0058】
また、回転切削装置3の下降のタイミングは走行距離検出装置4の検出結果すなわち路面切削機械100の走行距離により決定されるので、設定ピッチL(注意喚起溝Mの間隔)を保つことが出来る。
そして、回転切削装置3の上昇のタイミングも走行距離検出装置4の検出結果すなわち路面切削機械100の走行距離により決定されるので、作業者は路面切削機械100を所定の位置、方向に維持しながら走行させることに専念すればよく、ディスプレイに表示された数値を確認しなくても、所望の間隔(L:ピッチ)及び切削深さDの溝を路面に形成することが出来る。
【0059】
さらに図示の実施形態によれば、回転切削装置3を下降して予め決定された切削深さ(D:溝の下限位置)に到達したか否かを、回転切削装置位置検出装置5の検出結果により判断することが出来る。そのため、回転切削装置3が下限位置(予め決定された切削深さD)に到達した際に回転切削装置3の下降を停止し、下降した垂直方向位置を維持することが出来て、注意喚起溝Mの形態が安定する。
【0060】
次に、図7図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、回転切削装置位置検出装置5の計測結果により、回転切削装置3による切削深さが所定深さまで到達したか否かを判断している。
これに対して、図7図9の第2実施形態では、回転切削装置3の下降開始からの経過時間と、回転切削装置位置検出装置5の計測結果の双方に基いて、回転切削装置3による切削深さが所定深さまで到達したか否かを判断している。
【0061】
以下、図7図9を参照して、第2実施形態の制御が第1実施形態の制御(図4図5参照)と異なる点を説明する。
図7におけるステップS1〜S6は、図4と同様である。
図7のステップS6においても、路面SF(図6)からの回転切削装置3の下端までの垂直方向距離Hを決定してステップS7Aに進む。
ここで垂直方向距離Hは、ステップS8Aにおける垂直方向距離Lgの演算に用いられる。図3を参照して前述したように、距離Lgは、路面からの垂直方向距離Hに注意喚起溝の深さDを加算した数値である(Lg=路面からの垂直方向距離H+注意喚起溝の深さD)。
【0062】
ステップS7Aでは、油圧シリンダ機構8を収縮し、回転切削装置3を下降させて注意喚起溝Mを切削する。回転切削装置3の下降開始時にタイマ10Eが起動(ON)し、回転切削装置3の下降開始の時点からの経過時間が計測される。そしてステップS8Aに進む。
ステップS8Aにおいて、タイマ10Eによる計測時間(回転切削装置3の下降開始からの経過時間)が、「tc(所定時間)」以上であるか否かを判断する。ここで、時間tc(所定時間)は、垂直方向距離Lgをシリンダ速度(一定値)で除した数値である(所定時間tc=Lg/シリンダ速度)。上述の通り、垂直方向距離Lgは、回転切削装置3の下端から路面までの距離H(先のステップS6で計測)と、注意喚起溝の深さ(D:溝深さ)とを合算した数値であるため、計測時間が「所定時間tc(=Lg/シリンダ速度)」以上であれば、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達したことになる。
すなわち、ステップS8において、タイマ10Eによる計測時間が(回転切削装置3の下降開始からの経過時間)が「所定時間tc」以上であるか否かを判断することにより、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達したか否かを判断している。
【0063】
ここで図7の制御では、回転切削装置3の下降開始からの経過時間が所定時間tc以上であるか否かにより、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達したか否かを判断すると共に、回転切削装置3の位置を検出する回転切削装置位置検出装置5(リニアセンサ)で注意喚起溝の深さD(切削深さ)を計測し、注意喚起溝の深さDが所定深さに到達したか否かを判断している。
回転切削装置3の下降開始から所定時間(例えば、「Lg/シリンダ速度」)が経過しても所定深さに到達していない場合や、当該所定時間が経過する前に所定深さに到達してしまった場合に対処するためである。
【0064】
ステップS8Aにおいて、タイマ10Eによる計測時間が(回転切削装置3の下降開始からの経過時間)が「所定時間tc」未満の場合(ステップS8AがNO)には、ステップS81に進む。
ここで、タイマ10Eによる計測時間が「所定時間tc」未満であっても、路面が軟らかい等の理由により注意喚起溝の深さDが所定深さに到達してしまった場合に対処する必要がある。そのためステップS81では、回転切削装置位置検出装置5(リニアセンサ)の計測結果と、ステップS6で決定された路面SF(図6)からの下降以前の回転切削装置3の下端までの垂直方向距離Hから、回転切削装置3による切削深さを決定する。
そして、ステップS81で決定された回転切削装置3による切削深さ(計測結果)が、注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達したか否かを判断する(ステップS82)。
【0065】
ステップS81で決定された回転切削装置3による切削深さ(計測結果)が、注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達していない場合(ステップS82がNO)には、ステップS8Aに戻り、ステップS8A及びステップS82が「NO」の制御ループを繰り返す。
一方、ステップS81で決定された回転切削装置3による切削深さ(計測結果)が、注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達している場合(ステップS82がYES)には、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達しているので、タイマ10Eによる計測時間が(回転切削装置3の下降開始からの経過時間)が「所定時間tc」未満であっても、「所定時間tc」以上であっても、ステップS9Aに進む。
【0066】
ステップS8Aにおいて、タイマ10Eによる計測時間が「所定時間tc」以上(ステップS8AがYES)であっても、路面が硬い等の理由により、注意喚起溝の深さDが所定深さに到達していない場合に対処する必要がある。
そのため図7で示す制御では、タイマ10Eによる計測時間が「所定時間tc」以上(ステップS8AがYES)の場合もステップS81に進んで回転切削装置3による切削深さを決定し、ステップS81で決定された切削深さ(計測結果)が注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達したか否かを判断している(ステップS82)。
【0067】
そして、タイマ10Eによる計測時間が「所定時間tc」以上(ステップS8AがYES)であっても、ステップS81で決定された回転切削装置3による切削深さ(計測結果)が、注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達していない場合(ステップS82がNO)には、ステップS8Aに戻り、ステップS8A、ステップS81、ステップS82を繰り返す(ステップS82が「NO」のループ)。
その後、ステップS81で決定された回転切削装置3による切削深さ(計測結果)が、注意喚起溝Mの所定深さ(設計深さ)に到達すれば(ステップS82がYESとなれば)、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達したことになるので、ステップS9Aに進む。
【0068】
回転切削装置3が注意喚起溝の下限(溝底)に到達してステップS9Aに進むと、油圧シリンダ機構8の収縮を停止して回転切削装置3の下降を停止し、回転切削装置3の下端の垂直方向位置を注意喚起溝Mの下限(溝底)の所定レベル(一定の切削深さ)に保持する。そしてタイマ10Eをリセットする。そして走行距離検出装置4により、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達してからの路面切削機械100の走行距離の計測を開始する。
ここで回転切削装置3は回転して、路面切削機械100は走行しているので、注意喚起溝Mの下限(溝底)における水平面が切削(形成)される。
そしてステップS10A(図9)に進む。
【0069】
ここで、図7のステップS81、S82に関する制御は、回転切削装置位置検出装置5(リニアセンサ)が正常に作動することが前提となっている。換言すると、回転切削装置位置検出装置5に異常があると、ステップS81、S82の制御により、注意喚起溝Mの深さを所定深さ(設計深さ)にすることは出来ない。
そのため第2実施形態では、図7の制御とは別に図8で示す制御を常に実行して(図7の制御の裏側で図8の制御を走らせることにより)、回転切削装置位置検出装置5に異常が生じたことに起因して、注意喚起溝Mの深さが所定深さ(設計深さ)にならないという事態を防止している。
【0070】
図8において、ステップS51では、公知の手法を用いて回転切削装置位置検出装置5に異常が生じたか否かを検知する。異常が無ければ、ステップS51が「NO」の制御ループを繰り返す。
回転切削装置位置検出装置5に異常が検知されたならば(ステップS51がYES)、ステップS52に進み、回転切削装置位置検出装置5による注意喚起溝Mの深さの決定(ステップS81:図7)と、決定された注意喚起溝Mの深さと所定値との比較(ステップS82:図7)を省略する。
そしてステップS52では、タイマ10Eによる計測時間が「所定時間tc」未満であれば(ステップS8AがNO)ステップS8Aに戻り、タイマ10Eによる計測時間が「所定時間tc」以上であれば(ステップS8AがYES)ステップS9Aに進む制御を実行する。
【0071】
ステップS52の制御は、後続する制御サイクルにおいて、回転切削装置位置検出装置5に異常が検知されなくなるまで、実行される。
なお図8の制御は、第1実施形態における図4図5で示す制御の裏側で実行しても良い。
【0072】
図9において、ステップS10Aでは、図3の地点P2から路面切削機械100の走行距離、すなわち溝Mの下限距離が、設定値(溝Mの下限深さの部分の距離の設定値)以上であるか否かを判断する。
溝Mの下限距離が設定値以上であれば(ステップS10AがYES)、ステップS11Aに進む。一方、溝Mの下限距離が設定値未満であれば(ステップS10AがNO)、ステップS10Aが「NO」のループを繰り返す。
【0073】
ここで、図7図9の第2実施形態では、回転切削装置3の垂直方向位置を溝下限位置に保持して注意喚起溝Mを切削する工程は、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からの路面切削機械100の走行距離に基づいて、回転切削装置3を上昇するか否かを判断するのみにならず、時間thが経過したか否かによって判断することも可能である。
図7図9では明示していないが、時間thが経過したか否かによって判断する場合には、ステップS9Aにおいてタイマ10Eをリセットした後、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からタイマ10Eにより経過時間を計測する。そして、ステップS10Aにおいて、当該経過時間が設定時間th以上であるか否かを判断する。ここで時間thは、図3で示すように、路面切削機械100の走行距離が、注意喚起溝Mの深さが下限(溝底)となっている領域の設定長さと等しくなる様に設定されている。そのため、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達してから経過時間th以上であれば、注意喚起溝Mの深さが下限(溝底)となっている領域は、設定長さが切削されたことになる。
なお、ステップS9Aにおいてリセットされるタイマと、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からの経過時間を計測するタイマとは、単一のタイマ(例えばタイマ10E)を用いても良いし、別個のタイマを用いても良い。
【0074】
ステップS11Aでは、第1実施形態と同様に、油圧シリンダ機構8を伸長させて回転切削装置3を上昇させる。ここで時間thとの比較を行う場合(図示せず)には、ステップS11Aにおいて、タイマをリセットする必要がある。
ステップS12〜S18については第1実施形態における図5で示す制御と同様であるので、重複説明は省略する。
【0075】
図7図9の第2実施形態によれば、回転切削装置3が注意喚起溝Mの切削深さDに達したか否かを判断する時間tc(所定時間)は、回転切削装置3の下端から注意喚起溝下限(溝底)までの垂直方向距離Lgをシリンダ速度(一定値)で除算した数値に設定されており、注意喚起溝Mの切削(形成)毎に決定・更新することが可能である。そのため、正確な形状で注意喚起溝Mが形成され、形成後、車両が当該溝M上を走行した際に、ドライバーに不快な思いをさせることなく、注意喚起溝M上を走行していることを知らしめることが出来る。
図7図9の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図1図6の第1実施形態と同様である。
【0076】
次に、図10図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
第1実施形態では、回転切削装置位置検出装置5の計測結果により、回転切削装置3による切削深さが所定深さまで到達したか否かを判断しており、図7図9の第2実施形態では、回転切削装置3の下降開始からの経過時間と、回転切削装置位置検出装置5の計測結果の双方に基いて、回転切削装置3による切削深さが所定深さまで到達したか否かを判断している。これに対して、図10図11の第3実施形態では、回転切削装置3の下降開始からの経過時間により、回転切削装置3による切削深さが所定深さまで到達したか否かを判断している。
また、第1実施形態と第2実施形態は、回転切削装置3の垂直方向位置を溝下限位置に保持して注意喚起溝Mを切削する工程は、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からの路面切削機械100の走行距離に基づいて判断している(ステップS10、S10A:但し、第2実施形態では、時間thとの比較により判断することも可能)のに対して、図10図11の第3実施形態では、時間thが経過したか否かによって判断している。
【0077】
図10図11を参照して、第3実施形態の制御が第2実施形態の制御(図7図9)と異なる点を説明する。
図10において、ステップS1〜S6までは図7と同様であるので、重複説明は省略する。
ステップS7Bにおいて、ステップS7A(図7)と同様に、回転切削装置3を下降して注意喚起溝Mを切削する。回転切削装置3の下降開始時にタイマ10Eが起動(ON)し、回転切削装置3の下降開始の時点からの経過時間が計測される。そしてステップS8Bに進む。
【0078】
ステップS8Bでは、タイマ10Eによる計測時間(回転切削装置3の下降開始からの経過時間)が、「所定時間tc」以上であるか否かを判断する。ここで、所定時間tcについては、図7で説明したパラメータと同様であり、垂直方向距離Lgをシリンダ速度(一定値)で除した数値である(所定時間tc=Lg/シリンダ速度)。ステップS8Bにおける計測時間が「所定時間tc(=Lg/シリンダ速度)」以上であれば(ステップS8BがYES)、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達したことになる。
ここで図7の制御では、回転切削装置位置検出装置5により注意喚起溝Mの深さD(切削深さ)が設定値となったか否かを判断している(ステップS81、S82)が、図10では係る制御は行っていない。図10のステップS8Bでは、計測時間が「所定時間tc(=Lg/シリンダ速度)」以上であれば(ステップS8BがYES)、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達したと判断して、ステップS9Bに進む。そしてステップS8Bにおいて、タイマ10Eによる計測時間が(回転切削装置3の下降開始からの経過時間)が「所定時間tc」未満の場合(ステップS8BがNO)には、タイマ10Eによる計測時間が「所定時間tc」以上となるまで、ステップS8Bが「NO」のループを繰り返す。
【0079】
ステップS9Bでは、油圧シリンダ機構8の収縮を停止して回転切削装置3の下降を停止し、回転切削装置3の下端の垂直方向位置を注意喚起溝Mの下限(溝底)の予定レベルに保持する。
それと共に、タイマ10Eをリセットした後、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からタイマ10Eにより経過時間を計測する。そしてステップS10Bに進む。
ステップS9Bにおいて、リセットされるタイマと、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からの経過時間を計測するタイマとは、同一のタイマ(例えばタイマ10E)であっても良いし、予め複数種類のタイマを備えて別個のタイマを用いても良い。
【0080】
ステップS10Bでは、回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からの経過時間が設定時間th以上であるか否かを判断する。ここで時間thについては図9を参照して前述した様に、路面切削機械100の走行距離が、注意喚起溝Mの深さが下限(溝底)となっている領域の設定長さと等しくなる様に設定されており、時間thが経過すれば、注意喚起溝Mの深さが下限(溝底)となっている領域の設定長さが切削されたことになる。
回転切削装置3が注意喚起溝Mの下限(溝底)に到達した時点からの経過時間が設定時間th以上であれば(ステップS10BがYES)、ステップS11Bに進む。
ステップS11Bでは、タイマ10Eをリセットし、油圧シリンダ機構8を伸長して回転切削装置3を上昇させる。
【0081】
ステップS12以降については、図9で示す制御と同様であるので、重複説明は省略する。
図10図11の第3実施形態における上述した以外の構成及び作用効果は、図1図9の実施形態と同様である。
【0082】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、図示の実施形態では回転切削装置3の垂直方向位置を検出する回転切削装置位置検出装置5としてリニアセンサを用い、路面切削機械100の走行距離を計測する走行距離検出装置4としてエンコーダを用いている。しかしながら、係る計測手段も例示であり、その他の検出装置、センサを用いることが出来る。
【0083】
また、図示の実施形態では明示されていないが、油圧シリンダ機構8を路面切削機械100の幅方向(左右方向)に2個設け、それぞれを独立して制御することが好ましい。
それに加えて図示の実施形態では、路面切削用の回転切削装置3(カッタドラム)が案内輪2に対して前後方向について同一位置となっているが、回転切削装置3を案内輪2に対して前方或いは後方に配置させることが可能である。
【0084】
図示の実施形態では、路面切削機械100は走行中、停止すること無く、注意喚起溝Mを切削している場合を説明したが、注意喚起溝Mの切削を開始する際に路面切削機械100の走行を停止して、注意喚起溝Mを切削することが出来る。その場合、ステップS7、S7A、S7Bでは路面切削機械100を停止する。そして回転切削装置3が注意喚起溝の下限(溝底)に到達したならば、ステップS9、S9A、S9Bでは、ステップS7Bで停止した路面切削機械100を再び走行させる。
注意喚起溝Mの切削を開始する際に路面切削機械100の走行を停止して、注意喚起溝Mを切削する際に、単一の溝Mについて少なくとも回転切削装置3を1回転させることにより、注意喚起溝Mの表面を滑らかにすることが出来る。
ここで、注意喚起溝Mの前後方向寸法が小さい場合には、回転切削装置3を所定の深度まで下降して、直ちに上昇すれば注意喚起溝Mが必要とする幅寸法だけ路面が切削される。この様な場合には、溝Mの下限距離(図3の地点P2から路面切削機械100の走行距離)を計測する必要はない。
【符号の説明】
【0085】
1・・・駆動輪
2・・・案内輪
2A・・・回転軸
3・・・回転切削装置
3A・・・回転軸
4・・・走行距離検出装置(エンコーダ)
5・・・回転切削装置位置検出装置(リニアセンサ)
6・・・車体
7・・・リンク
7A・・・リンク先端
7B・・・リンクの油圧シリンダ機構側端部
7C・・・リンク回転軸
8・・・油圧シリンダ機構
8A・・・ピストン
8B・・・シリンダ
9・・・ブラケット
10・・・制御装置(コントロールユニット)
10A・・・走行距離決定ブロック
10B・・・回転切削装置下端位置決定ブロック
10C・・・垂直方向距離Lg決定ブロック
10D・・・記憶ブロック
10E・・・タイマ
10F・・・判断ブロック
10G・・・シリンダバルブ開閉制御信号発生ブロック
10H・・・走行停止制御ブロック
11・・・計測体
11A・・・ワイヤ
11B・・・スプリング
11C・・・サイドプレート
11D・・・スプリング固定軸
12・・・セットボタン
13・・・走行装置
14・・・ワイヤ掛止固定軸
100・・・路面切削機械
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11