特許第6552280号(P6552280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552280
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】頭皮用化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/42 20060101AFI20190722BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20190722BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20190722BHJP
   A61K 8/9761 20170101ALI20190722BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20190722BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   A61K8/42
   A61K8/60
   A61K8/40
   A61K8/9761
   A61K8/34
   A61Q19/00
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-110166(P2015-110166)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-222586(P2016-222586A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】寧 玄鶴
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昭彦
【審査官】 田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−039827(JP,A)
【文献】 特開平09−110667(JP,A)
【文献】 特開2003−183148(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/065335(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/004589(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00−8/99
A61Q1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D):
(A)セラミド脂質類 0.2〜5質量%、
(B)ポリオキシアルキレンメチルグルコシド 0.1〜10質量%、
(C)N−アシル−N−アルキルタウリンまたはその塩 0.03〜3質量%、および、
(D)ヒノキ科アスナロ属植物またはその抽出物 アスナロ固形部分として0.25〜5質量%
を含有する頭皮用化粧料であって、前記頭皮用化粧料が成分(E)エタノールをさらに含むとき、前記頭皮用化粧料全体に対する前記成分(E)の含有量が2質量%以下である、頭皮用化粧料。
【請求項2】
前記頭皮用化粧料が成分(F)グリセリンをさらに含み、前記頭皮用化粧料中の前記成分(A)、(C)および(F)の含有量の合計に対する前記成分(F)の含有量の質量割合((F)/((A)+(C)+(F)))が、0.001〜0.69である、請求項1に記載の頭皮用化粧料。
【請求項3】
前記頭皮用化粧料中の前記成分(A)の含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量割合((C)/(A))が、0.17〜0.5である、請求項1または2に記載の頭皮用化粧料。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか1項に記載の頭皮用化粧料を頭皮に適用することを含む、保湿方法(ただし、ヒトに対する医療行為を除く。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
頭皮のトラブルとしては、フケをはじめ、かゆみ、膿疱、丘疹などが挙げられる。その中でもフケは大きな課題である。フケになる原因の仮説中、頭皮に常在する酵母によってフケが発症すると知られている。
これに対し、抗菌剤についての研究がなされており、抗菌剤を主成分とした頭皮用化粧料に関する技術として、特許文献1〜3に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、ヒノキ科アスナロ属、クロベ属またはビャクシン属に属する植物の抽出物を含有する皮膚外用剤に関する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2には、頭髪用化粧料に、安息香酸と、ヒノキチオールおよび/またはメラレウカオイルを配合する技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、ヒノキチオールと、トリクロサンおよび/またはイソプロピルメチルフェノールとを含有する抗菌性組成物について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−150208号公報
【特許文献2】特開平1−117820号公報
【特許文献3】特開2008−110992号公報
【特許文献4】特開2008−81407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先行技術文献1〜3の技術は、たとえば乾燥または敏感な頭皮に用いた場合にも刺激感を抑え、うるおいを与えるという点で改善の余地があった。
【0008】
また、頭皮の角層機能は顔に比べると、経皮水分蒸散量が高く、角層水分量が低く、バリア機能が低下し、乾燥しやすい。バリア低下による乾燥が起こることによる頭皮トラブルの例としては、かさつき、フケ、かゆみ、赤み、刺激感なども挙げられる。
【0009】
この点、天然セラミド、スフィンゴリピッド、セラミド類縁体に代表されるセラミド脂質類は、優れた保湿効果および皮膚バリア機能を有する。一方、セラミド脂質類は結晶性が高く、溶媒に溶解や分散し難く、また、たとえば単に液状の油性成分に溶解させて配合しても結晶が析出しやすく、その結果皮膚や毛髪へ十分に浸透、固着させることが難しい。
【0010】
そこで、これに対し、特許文献4には、セラミド脂質類を安定に配合したセラミド脂質類分散液を含有する化粧料に関する技術が記載されている。
【0011】
しかしながら、特許文献4に記載の技術を用いてもなお、化粧料の適用後の頭皮または頭髪のべたつきを抑えるという点で改善の余地があった。
【0012】
本発明は、保存安定性に優れ、頭皮への刺激感が抑制され、適用後の頭皮にうるおいを与え、優れたフケ、かゆみ、赤みなどの頭皮トラブル改善効果を有するとともに、頭皮または頭髪のべたつきや頭髪のきしみ感が抑制される頭皮用化粧料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、セラミド脂質類、ヒノキ科アスナロ属植物またはその抽出物、ポリオキシアルキレンメチルグルコシドおよびN−アシル−N−アルキルタウリンまたはその塩を組み合わせて用いるとともに、エタノールが含まれる際のその含有量を特定の範囲とすることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)セラミド脂質類 0.2〜5質量%、
(B)ポリオキシアルキレンメチルグルコシド 0.1〜10質量%、
(C)N−アシル−N−アルキルタウリンまたはその塩 0.03〜3質量%、および、
(D)ヒノキ科アスナロ属植物またはその抽出物 アスナロ固形部分として0.25〜5質量%
を含有する頭皮用化粧料であって、前記頭皮用化粧料が成分(E)エタノールをさらに含むとき、前記頭皮用化粧料全体に対する前記成分(E)の含有量が2質量%以下である、頭皮用化粧料を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、上記本発明における頭皮用化粧料を頭皮に適用することを含む、保湿方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、保存安定性に優れ、頭皮への刺激感が抑制され、適用後の頭皮にうるおいを与え、優れたフケ、かゆみ、赤みなどの頭皮トラブル改善効果を有するとともに、頭皮または頭髪のべたつきや頭髪のきしみ感が抑制される頭皮用化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態における頭皮用化粧料は、以下の成分(A)〜(D)を含む組成物である。
(A)セラミド脂質類 0.2〜5質量%
(B)ポリオキシアルキレンメチルグルコシド 0.1〜10質量%
(C)N−アシル−N−アルキルタウリンまたはその塩 0.03〜3質量%
(D)ヒノキ科アスナロ属植物またはその抽出物 アスナロ固形部分として0.25〜5質量%
以下、各成分について具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
<成分(A):セラミド脂質類>
本実施形態の頭皮用化粧料には、成分(A)としてセラミド脂質類を含有する。
本実施形態の成分(A)のセラミド脂質類としては、天然セラミドおよび擬似型セラミドの両者が含まれ、具体的には、次の一般式(1)で表される。
【0019】
【化1】
【0020】
(上記一般式(1)中、R1はヒドロキシル基、カルボニル基もしくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基または酸素原子を示し;X1、X2およびX3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基またはアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基またはグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。);R2およびR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基またはアセトキシメチル基を示し;R4はヒドロキシル基、カルボニル基またはアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合またはアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和の炭化水素基を示し;R5は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基およびアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を示し(但し、R1が水素原子、Zが酸素原子のときR5は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R1が炭化水素基のときR5は総炭素数1〜8の炭化水素基である。);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0021】
一般式(1)中、R1は、ヒドロキシル基、カルボニル基もしくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基または酸素原子のいずれかを示す。
1、X2およびX3は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基またはアセトキシ基を示す。殊にX1、X2およびX3のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4は水素原子かグリセリル基であるのが好ましい。
【0022】
2およびR3は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基またはアセトキシメチル基を示し、好ましいR2は水素原子またはヒドロキシメチル基であり、好ましいR3は水素原子である。
【0023】
4は、ヒドロキシル基、カルボキシ基またはアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合またはアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基またはアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和の炭化水素基、または該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐または環状の飽和または不飽和の脂肪酸がエステル結合またはアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸またはリノール酸が好ましい。
【0024】
5は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基およびアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素基である。R1が水素原子、Zが酸素原子のときR5は総炭素数10〜30の炭化水素基である。また、R1が炭化水素基であるときR5は総炭素数1〜8の炭化水素基である。このうち水素原子あるいは、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基およびアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基およびアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0025】
成分(A)としては、天然型セラミドおよび擬似型セラミド(以下、「擬似セラミド」ともよぶ。)から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。具体的には、特開2013−53146号公報記載のセラミド類が使用できる。
【0026】
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンまたはスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(たとえば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、および、J. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4に記載のブタおよびヒトのセラミド)が挙げられる。
【0027】
さらにこれらのN−アルキル体(たとえばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。中でも、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)および次式で表わされるものが好ましい。
【0028】
【化2】
【0029】
これらは天然からの抽出物および合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)が挙げられる。
【0030】
【化3】
【0031】
また、疑似型セラミドとして、下記一般式(5)に示すものが挙げられる。
【化4】
【0032】
(上記一般式(5)中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または水素原子を示し;X19は水素原子、アセチル基またはグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基またはアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和または不飽和の炭化水素基であるか、または該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
【0033】
26としては、ノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基がことさら好ましい。
【0034】
25が水素原子の場合、R27はヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10〜30の、好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基であり;R25がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和または不飽和の炭化水素基である場合、R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示すことが好ましい。R27のヒドロキシアルコキシ基またはアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
上記一般式(5)に示す化合物の具体例として、下記式に示すものが挙げられる。
【0035】
【化5】
【0036】
一般式(5)で表されるものとしては、R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のものの疑似型セラミドが好ましく、一般式(5)のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの(N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、たとえば花王社製ソフケアセラミドSL−E)が、さらに好ましい。また、次式で表わされるものも好ましい。
【0037】
【化6】
【0038】
本実施形態の頭皮用化粧料中の成分(A)の含有量は、頭皮用化粧料の保存安定性、殊に低温での保存安定性を向上する観点、乾燥によるフケ、かゆみ、赤みなどの頭皮トラブルを改善し、充分なバリア機能を補う観点、および頭皮、毛髪のべたつき感、きしみ感を抑制する観点から、頭皮用化粧料全体に対して0.2〜5質量%であり、0.5〜3質量%が好ましく、0.8〜1.5質量%がより好ましい。
【0039】
<成分(B):ポリオキシアルキレンメチルグルコシド>
成分(B)のポリオキシアルキレンメチルグルコシドとしては、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができるが、アルキレン基がエチレン基またはプロピレン基であるものが好ましい。また、成分(B)におけるポリオキシアルキレン基の平均付加モル数は、限定されないが、頭皮用化粧料を適用した際の頭皮のうるおいの向上およびべたつきの抑制の効果のバランスを高める観点から、5〜30が好ましく、7〜25がより好ましく、10〜20がさらに好ましい。
【0040】
成分(B)として、具体的には、ポリオキシエチレン(10〜20)メチルグルコシド、ポリオキシプロピレン(10〜20)メチルグルコシド等を例示することができる。また、成分(B)としては、頭皮用化粧料の保存安定性、殊に低温での保存安定性を向上する観点、頭皮用化粧料を適用した際の頭皮のうるおいの向上およびべたつきの抑制の効果のバランスを高める観点から、ポリオキシエチレン(10〜20)メチルグルコシドを用いることが好ましい。
【0041】
また、成分(B)としては、市販品を用いることができる。具体的には、ポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド(以下、メチルグルセス−10ともいう。):マクビオブライドMG−10E、ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド(以下、メチルグルセス−20ともいう。):マクビオブライドMG−20E、ポリオキシプロピレン(10)メチルグルコシド(以下、PPG−10 メチルグルコースともいう。):マクビオブライドMG−10P、ポリオキシプロピレン(20)メチルグルコシド(以下、PPG−20 メチルグルコースともいう。):マクビオブライドMG−20P(商品名、いずれも日油社製)等を例示することができる。なお、()内の数値は、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
【0042】
本実施形態における頭皮用化粧料中の成分(B)の含有量は、成分(A)を安定に頭皮用化粧料中に配合する観点、頭皮用化粧料の保存安定性、殊に低温での保存安定性を向上する観点、ならびに、頭皮への保湿性を担保しながら、頭皮、毛髪のべたつき感、きしみ感を抑制し、軽やかな感触を付与する観点から、頭皮用化粧料全体に対して0.1〜10質量%であり、0.3〜7質量%が好ましく、0.8〜4質量%がより好ましい。
【0043】
<成分(C):N−アシル−N−アルキルタウリンまたはその塩>
成分(C)のN−アシル−N−アルキルタウリンまたはその塩におけるアシル基としては、炭素数12〜20の長鎖アシル基が挙げられ、このうち、炭素数12〜20のアルカノイル基、アルケノイル基、ヒドロキシアルカノイル基が好ましい。具体的なアシル基としては、ラウロイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、ヤシ油脂肪酸由来のアシル基(ココイル基)等が挙げられる。
【0044】
また、成分(C)におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。また、N−アシル−N−アルキルタウリンの塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン塩が挙げられる。
【0045】
本実施形態における頭皮用化粧料中の成分(C)の含有量は、成分(A)のセラミド脂質類を分散させ、頭皮用化粧料の保存安定性を向上させるとともに、頭皮用化粧料を適用した際の頭皮の刺激感を低減する観点から、頭皮用化粧料全体に対して0.03〜3質量%であり、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.15〜1質量%である。
【0046】
また、本実施形態における頭皮用化粧料中の成分(A)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量割合((C)/(A))は、成分(A)を頭皮用化粧料中に安定に配合する観点および頭皮への刺激感を軽減する観点から、(C)/(A)=0.17〜0.5が好ましく、0.2〜0.33がさらに好ましい。
【0047】
<成分(D):ヒノキ科アスナロ属植物またはその抽出物>
成分(D)のヒノキ科アスナロ属植物またはその抽出物のうち、アスナロ抽出物は、アスナロの全体または部分を溶媒で抽出して得られる。アスナロの部分としては、葉部、小枝部等が挙げられる。より具体的には、アスナロの主に葉部、小枝部等を乾燥または乾燥することなく粉砕した後、常温下または加温下で溶媒により、またはソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。なお、本実施形態におけるアスナロ抽出物とは、各種溶媒抽出液またはその希釈液、濃縮液もしくは乾燥末を意味するものとする。
【0048】
好ましくは、溶媒抽出物は、アスナロの全部、部分またはそれらの乾燥末を水、有機溶媒(石油エーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン等のケトン類;ピリジン等の塩基性溶媒;ブタノール、プロパノール、エタノール、メタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の一価または多価アルコール系溶媒など)、水性アルコール等を用い、通常3〜70℃で抽出処理することにより得られる。
【0049】
殊に、上記抽出物は、溶媒置換等の方法により、エタノールを除去して多価アルコール溶解物として使用することが、敏感肌に適用する際にも頭皮に対する刺激感が抑制され、抽出成分を皮膚へ塗布可能であり、その有効成分の効果を十分に発揮させ得るため好ましい。すなわち、本実施形態における頭皮用化粧料は、さらに多価アルコールを含んでもよい。多価アルコールの具体例等については後述する。
【0050】
頭皮用化粧料中の成分(D)の含有量は、頭皮用化粧料を適用した際の頭皮への刺激感を抑制する観点から、アスナロ固形部分として、頭皮用化粧料全体に対して0.25〜5質量%であり、好ましくは0.5〜4質量%、より好ましくは0.75〜3.5質量%である。
なお、本実施形態において、成分(D)として抽出物等を利用する場合、その含有量はアスナロ固形部分質量である。
本実施形態においては、成分(A)〜成分(D)を特定量含有し、且つ後述する成分(E)の量を2質量%以下にすることで、保存安定性に優れ、頭皮への刺激感が抑制され、適用後の頭皮にうるおいを与え、優れたフケ、かゆみ、赤みなどの頭皮トラブル改善効果を有するとともに、頭皮または頭髪のべたつきや頭髪のきしみ感が抑制される頭皮用化粧料を提供することができる。その詳細なる理由は不明なるも、上記のような構成をとることで、成分(A)が液晶状態で分散し、これによって、成分(A)の皮膚への浸透性が高まるためと考えられる。
【0051】
また、頭皮用化粧料中の成分(A)および(B)の含有量の合計に対する成分(D)の含有量の質量割合((D)/((A)+(B)))は、成分(A)および(B)と成分(D)とを同時に適用することで、刺激性を軽減し、乾燥によるフケ、かゆみ、赤みなどの頭皮トラブルのさらに優れた改善効果を示す観点から、((D)/((A)+(B)))=0.01〜5が好ましく、0.1〜3がより好ましく、0.3〜1がさらに好ましい。
【0052】
また、本実施形態における頭皮用化粧料は、成分(E)エタノールを含んでもよい。頭皮用化粧料が成分(E)を含む構成とすることにより、本実施形態における頭皮用化粧料の適用部位が使用者から直接見えにくい場合にも頭皮用化粧料の塗布時の感触を強化して所望の部位に確実に適用することができる。
一方、優れたフケ、かゆみ、赤みなどの頭皮トラブル改善効果を有するとともに、頭皮または頭髪のべたつきや頭髪のきしみ感を抑制する観点に加え、乾燥したまたは敏感な頭皮への刺激感を低減する観点および頭皮の乾燥を抑制する観点からは、頭皮用化粧料が成分(E)のエタノールを含むとき、頭皮用化粧料中の成分(E)の含有量は、頭皮用化粧料全体に対して2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらにより好ましくは0.1質量%以下、よりいっそう好ましくは0.01質量%以下であり、殊更好ましくは実質0質量%である。
【0053】
本実施形態における頭皮用化粧料は、成分(A)〜(D)を特定の範囲で含むとともに、成分(E)を含むときその含有量が特定の範囲にあるため、成分(A)のセラミド脂質類が安定的に配合され、保存安定性、殊に低温での保存安定性に優れるものである。
また、本実施形態における頭皮用化粧料を用いることにより、頭皮への刺激感が抑制され、適用後の頭皮にうるおいを与えるとともに、頭皮または頭髪のべたつきや頭髪のきしみ感を抑制することができる。このため、たとえば、乾燥または敏感な頭皮に用いる場合にも頭皮にうるおいを与えてかさつきを抑制し、フケ、かゆみ、赤み、刺激感などの乾燥による使用者の頭皮トラブルを改善または解決し、かつ、軽やかでべたつきのない使用感を得ることも可能となる。また、本実施形態における頭皮用化粧料を用いることにより、たとえば頭皮に対して低刺激性で、頭皮用化粧料の塗布乾燥後において、頭皮、頭髪両方のべたつき感、きしみ感がなく、ストレスのない使用感を付与することも可能となる。
また、本実施形態においては、成分(A)〜(D)を特定の範囲で含むため、たとえば、頭皮用化粧料にグリセリンを配合する場合にもその配合量を低減させて、頭皮や毛髪のべたつき感およびきしみ感を抑制して軽やかな感触を付与することも可能となる。
【0054】
本実施形態において、頭皮用化粧料は、上記以外の成分を含んでいてもよい。
たとえば、頭皮用化粧料が水を含んでもよい。水の含有量は、たとえば頭皮用化粧料中の水以外の成分を除いた残部とすることができる。
【0055】
また、本実施形態における頭皮用化粧料は、前述した多価アルコールを含んでもよい。
かかる多価アルコールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(好ましくは平均分子量3000以下、より好ましくは平均分子量500〜2000)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール(1,3−ブチレングリコール)等のジオール;グリセリン(後述する成分(F))、ジグリセリン等の3〜4価のアルコールが挙げられる。このうち、ジオールであるプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールが好ましい。
【0056】
多価アルコールの含有量は、頭皮用化粧料を適用した際の頭皮の刺激感を低減しつつ頭皮や頭髪のべたつきを抑制する観点から、頭皮用化粧料全体に対して好ましくは0.02〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜40質量%であり、さらに好ましくは1〜30質量%であり、殊更好ましくは2〜20質量%である。
【0057】
さらに具体的には、本実施形態における頭皮用化粧料は、成分(F)グリセリンを含んでもよい。このとき、セラミド脂質類の分散性、頭皮用化粧料の保存安定性の向上効果と、頭皮、毛髪のべたつき感、きしみ感を抑制し、軽やかな感触を付与する効果とのバランスを向上させる観点から、頭皮用化粧料中の成分(F)の含有量は、頭皮用化粧料全体に対して好ましくは0.1〜4質量%であり、より好ましくは1.5〜3.5質量%である。
【0058】
また、本実施形態において、頭皮用化粧料が成分(F)を含むとき、頭皮にうるおいを与えつつ毛髪の粘着、べたつき感などの不快感を軽減する観点から、頭皮用化粧料中の成分(A)、(C)および(F)の含有量の合計に対する成分(F)の含有量の質量割合((F)/((A)+(C)+(F)))が、好ましくは0.001〜0.69であり、より好ましくは0.4〜0.69である。
【0059】
さらに、本実施形態における頭皮用化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲において、上記の成分以外に通常の化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種任意成分、たとえば界面活性剤;カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子;シクロメチコン等のシリコーン類;ステロール類;キサンタンガム等の多糖類;アルギニン、トリメチルベタイン等のアミノ酸およびその誘導体;ユーカリ葉抽出液等の植物抽出物;保湿剤;粉体;油ゲル化剤;皮膜形成剤;グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン等の抗炎症剤;メントール等の冷感剤;抗酸化剤;pH調整剤;アルコール類;紫外線吸収剤;メチルパラベン等の防腐剤;色素;香料;増粘剤等のうち、上述した成分(A)〜(F)および多価アルコール以外のものを適宜配合することができる。なお、各成分は、1つの機能に加えて他の機能を有するものであってもよく、たとえば、冷感剤が香料としても機能してもよい。
【0060】
次に、本実施形態における頭皮用化粧料の剤型を説明する。
本実施形態において、頭皮用化粧料は、クリーム状、軟膏状、乳液状、ローション状、溶液状、ゲル状等とすることができる。
【0061】
また、本実施形態において、頭皮用化粧料はその剤型に応じて製造される。
たとえば、本実施形態における頭皮用化粧料は、成分(A)〜(D)および適宜他の成分を同時に配合することにより製造できる。さらに具体的には、以下の方法により本実施形態の頭皮用化粧料を得ることができる。
1.油相成分(A)、(B)、(C)、(F)およびその他の油溶性成分を80℃程度に加熱溶解し、完全溶解し、プロペラにより均一になるまで250rpm以上で撹拌する。
2.水相成分(E)、水およびその他水溶性成分を80℃程度に加熱する。
3.250rpm以上程度で撹拌しながら、水相成分を油相成分に添加し乳化物を得る。その後、プロペラ撹拌下で室温(25℃、以下同じ。)程度まで冷却する。
4.室温程度まで冷却したら、成分(D)を添加し、均一になるまで撹拌する。
【0062】
本実施形態により得られる頭皮用化粧料の使用方法は、たとえば、頭皮に適用することを含む。また、本実施形態における保湿方法は、本実施形態における頭皮用化粧料を頭皮に適用することを含む。また、本実施形態における頭皮用化粧料を、たとえば、頭皮用保湿ローション、敏感肌用知覚過敏予防改善剤として用いることもできる。
【実施例】
【0063】
(実施例1〜15および比較例1〜8)
表1および表2に示す組成の頭皮用化粧料を製造し、後述する方法で、安定性および使用感(うるおい感、刺激感のなさ、頭皮のべた付きのなさ、頭髪のべた付きのなさ、頭髪のきしみ感のなさ)について評価した。結果を表1および表2に併せて示す。また、一部の例について、乾燥による頭皮悩みの改善効果(フケ、かゆみ、赤み、かさつきおよび刺激感)の評価を以下の方法でおこなった。結果を表3に示す。
【0064】
(製造方法)
以下の手順に従い、各例の頭皮用化粧料を製造した。
1.油相成分(A)、(B)、(C)および(F)を80℃に加熱溶解し、完全溶解し、プロペラにより均一にまで250rpm以上で撹拌した。
2.水相成分(E)および水を80℃に加熱した。
3.250rpm以上で撹拌しながら、水相成分を油相成分に添加し乳化物を得た。その後、プロペラ撹拌下で室温まで冷却した。
4.室温まで冷却したら、成分(D)を添加し、均一になるまで撹拌した。
【0065】
(評価方法)
(安定性)
上記製造方法で得られた各例の乳化物をガラス瓶に入れて−5℃で3ヶ月保存したものを室温に戻し、光学顕微鏡でセラミド脂質類の析出を観察し、配合直後の乳化物と比較して下記基準で評価した。
◎:光学顕微鏡像では暗視野で、セラミド脂質類の析出が全く認められない。
○:光学顕微鏡像ではわずかに析出が認められるが、配合直後と同等な外観を有する。
△:セラミド脂質類の析出が認められるが、配合直後と同等な外観を有する。
×:大量な析出が認められ、著しく外観の変化が認められる。
【0066】
(改善効果)
頭皮の状態として、敏感肌意識があり、「乾燥」「フケ」「かゆみ」「赤み」のすべての悩みを持っている成人を選び、使用試験パネラとした。全員において、試験前に「乾燥」「フケ」「赤み」それぞれの項目について目視評価で症状の重い順に1〜5ポイントを評価した。また、「かゆみ」、「刺激感」に関しては、パネラ個人申告で、症状の重い順に1〜5ポイントを評価した。そこで症状を同程度になるように各例5名の群に使用試験パネラをわけた。
【0067】
実施例1、2および比較例1〜3で得られた頭皮用化粧料を、それぞれの使用試験パネラが、毎日洗髪後一日一回塗布し、連続4週間使用した。
【0068】
試験後も試験前に準じて、「乾燥」「フケ」「赤み」それぞれの項目について目視評価で症状の重い順に1〜5ポイントを評価した。「かゆみ」「刺激感」に関しては、パネラ個人申告で、症状の重い順に1〜5ポイントを評価した。
【0069】
目視評価基準:
乾燥/フケ/赤みがない 1点
乾燥/フケ/赤みがわずかにある 2点
乾燥/フケ/赤みが小範囲にはっきりある 3点
乾燥/フケ/赤みが中範囲にはっきりある 4点
乾燥/フケ/赤みが大範囲にはっきりある 5点
個人申告基準:
かゆみ/刺激感がない 1点
かゆみ/刺激感がわずかにある 2点
かゆみ/刺激感がややある 3点
かゆみ/刺激感がはっきりある 4点
強烈なかゆみ/刺激感がある 5点
【0070】
各例について、使用前後のポイントを基に「フケ改善効果」、「かゆみ改善効果」、「赤み改善効果」、「かさつき(乾燥)改善効果」(保湿力)および「刺激感のなさ」(刺激感の改善効果)について4段階評価をおこなった。評価基準を以下に示す。
◎:使用前に比べ使用後の評価点数平均値が3点以上改善した場合
○:使用前に比べ使用後の評価点数平均値が2点以上3点未満改善した場合
△:使用前に比べ使用後の評価点数平均値が1点以上2点未満改善した場合
×:使用前に比べ使用後の評価点数平均値が1点未満改善した場合
【0071】
(使用感)
専門パネラにより「うるおい感」、「刺激感のなさ」、「頭皮のべた付きのなさ」、「頭髪のべた付きのなさ」および「頭髪のきしみ感のなさ」について使用感の良い順で4段階評価をおこなった。評価基準を以下に示す。
◎:うるおい感がとても強い/刺激感が全くない/頭皮・頭髪のべたつきが全く気にならない/頭髪のきしみ感が全く気にならない
○:うるおい感がやや強い/刺激感がほとんどない/頭皮・頭髪のべたつきがあまり気にならない/頭髪のきしみ感があまり気にならない
△:うるおい感が普通/刺激感がわずかにあるが使用可能/頭皮・頭髪のべたつきが気になるが使用可能/頭髪のきしみ感が気になるが使用可能
×:うるおい感が不足/刺激感がある/頭皮・頭髪のべたつきが強く気になる/頭髪のきしみ感が強く気になる
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
表1〜表3において、以下の成分を用いた。
*1 疑似セラミド:ソフケアセラミドSL−E、花王社製
*2 メチルグルセス−10:マクビオブライドMG−10E、日油社製
*3 メチルグルセス−20:マクビオブライドMG−20E、日油社製
*4 PPG−10 メチルグルコース:マクビオブライドMG−10P、日油社製
*5 アスナロ枝抽出液:アスナロリキッド K−B、一丸ファルコス社製
【0076】
表1および表2より、各実施例においては、成分(A)〜(D)を特定の範囲で組み合わせて用いており、成分(E)を含むときの含有量が特定の範囲にあるため、頭皮用化粧料の保存安定性に優れていた。また、各実施例で得られた頭皮用化粧料は、各比較例のものに比べて、うるおい感、刺激感のなさ、頭皮のべた付きのなさ、頭髪のべた付きのなさ、頭髪のきしみ感のなさの点で使用感のバランスに優れていた。
また、表3より、実施例1および2では、成分(A)〜(D)を特定の範囲で組み合わせて用いており、成分(E)を含むときの含有量が特定の範囲にあるため、フケ、かゆみ、赤み、かさつきおよび刺激感の各頭皮悩みの改善効果のバランスに優れていた。
【0077】
(配合例1〜3)
頭皮用化粧料の配合例を表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
表4において、前述した*1〜*5の成分および以下の成分が用いられる。
*6 セラミドIII:セラミド3、Evonik Industries AG社製
*7 PPG−20 メチルグルコース:マクビオブライドMG−20P、日油社製
*8 ユーカリ葉抽出液:ユーカリ抽出液 EBL、新和物産社製
*9 PEG−32:PEG−1540(−G)、三洋化成工業社製
*10 カルボマー:カーボポール 980 POLYMER、Lubrizol Advanced Materials社製
*11 シクロメチコン:シリコーン TSF405A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製
*12 キサンタンガム:ケルデントDSP、五協フード&ケミカル社製