特許第6552386号(P6552386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6552386-部品実装機、部品実装方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552386
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】部品実装機、部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   H05K13/04 B
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-218450(P2015-218450)
(22)【出願日】2015年11月6日
(65)【公開番号】特開2017-92174(P2017-92174A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 恒太
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−168588(JP,A)
【文献】 特開2013−232572(JP,A)
【文献】 特開2012−134348(JP,A)
【文献】 特開2015−115356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を供給する部品供給部と、
基板を支持する基板支持部と、
公転軸を中心とする円周軌道上に並べられた複数のノズルを前記公転軸を中心に公転可能に保持し、前記ノズルにより前記部品供給部から前記部品を吸着して前記基板に実装する実装ヘッドと
前記実装ヘッドに伴って移動する前記複数のノズルの下方から撮像する撮像部と
を備え、
前記ノズルは、その自転軸を中心として自転動作を実行し、実装ヘッドによる公転動作に応じて、前記公転動作での公転角度と同じ角度で公転方向とは逆方向に自転する自転動作を実行し、
前記撮像部は、前記基板へ前記部品を実装した後に前記基板から前記部品供給部へ移動する途中の前記複数のノズルを撮像し、
前記ノズルは、前記部品を実装した後の前記実装ヘッドによる前記公転動作に応じた前記自転動作を、前記撮像部により撮像されるまでに完了する部品実装機。
【請求項2】
前記撮像部は、所定の方向に配設されたラインセンサーカメラであり、
前記ノズルは、所定の研磨方向に研磨されており、前記撮像部による撮像時に前記研磨方向と前記ラインセンサーカメラの配設方向とが所定関係を満たすように前記自転動作を実行する請求項に記載の部品実装機。
【請求項3】
前記所定関係は、前記ノズルの研磨方向と前記ラインセンサーカメラの配設方向とが平行となる関係である請求項に記載の部品実装機。
【請求項4】
前記実装ヘッドは、前記部品供給部からの前記部品の吸着および前記基板への前記部品の実装の少なくとも一方の作業を、前記円周軌道上に設けられた複数の作業位置のいずれかに位置決めさせた前記ノズルに実行させることができ、
前記ノズルは、前記複数の作業位置のうち一の作業位置で前記作業を行った後に前記一の作業位置と異なる他の作業位置で作業を行う場合には、前記一の作業位置から前記他の作業位置へ公転する前記公転動作に応じた前記自転動作を、前記他の作業位置で作業を開始する前に完了する請求項1ないしのいずれか一項に記載の部品実装機。
【請求項5】
前記ノズルは、前記一の作業位置で前記部品供給部から前記部品を吸着した後に、前記他の作業位置で前記基板に前記部品を実装する請求項に記載の部品実装機。
【請求項6】
同種の前記複数のノズルが前記実装ヘッドに取り付けられた場合、前記複数のノズルはそれぞれの向きを揃えつつ前記自転動作を実行する請求項1ないしのいずれか一項に記載の部品実装機。
【請求項7】
前記ノズルは、前記実装ヘッドによる前記公転動作に連動して前記自転動作を実行する請求項1ないしのいずれか一項に記載の部品実装機。
【請求項8】
公転軸を中心とする円周軌道上に並べられた複数のノズルを前記公転軸を中心に公転可能に保持する実装ヘッドを用いて、部品を供給する部品供給部から前記ノズルに前記部品を吸着させる工程と、
前記実装ヘッドを用いて前記ノズルに前記部品を基板へ実装させる工程と
前記実装ヘッドに伴って移動する前記複数のノズルの下方から撮像部により撮像する工程と
を備え、
前記ノズルは、その自転軸を中心として自転動作を実行し、前記実装ヘッドによる公転動作に応じて、前記公転動作での公転角度と同じ角度で公転方向とは逆方向に自転する自転動作を実行し、
前記撮像部は、前記基板へ前記部品を実装した後に前記基板から前記部品供給部へ移動する途中の前記複数のノズルを撮像し、
前記ノズルは、前記部品を実装した後の前記実装ヘッドによる前記公転動作に応じた前記自転動作を、前記撮像部により撮像されるまでに完了する部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、公転軸を中心とする円周軌道上に並べられた複数のノズルを、公転軸の回りで公転可能に保持するヘッドを用いて部品を基板に実装する部品実装技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、公転軸を中心とする円周軌道上に並ぶ複数のノズルを保持したロータリーヘッドを用いて、基板に部品を実装する技術が記載されている。また、特許文献2には、ロータリーヘッドの公転軸を中心に公転するノズルにより、基板に部品を実装する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−216579号公報
【特許文献2】特開2001−85895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、公転軸を中心にノズルを回転させる実装ヘッドを用いた場合、ノズルの向きはその公転に伴って変化する。そして、ノズルによる部品の吸着・実装やノズルの撮像といった各種動作を行うにあたって、ノズルの向きが公転角度によって異なることが、例えば制御の複雑化あるいはオペレーターによる判断作業を困難にするおそれがあった。そこで、公転に伴うノズルの向きの変化を抑制できる技術が有用となる場合があった。
【0005】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、公転軸を中心とする円周軌道上に並ぶ複数のノズルを保持した実装ヘッドを用いた部品実装技術において、公転に伴うノズルの向きの変化を抑制可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る部品実装機は、部品を供給する部品供給部と、基板を支持する基板支持部と、公転軸を中心とする円周軌道上に並べられた複数のノズルを公転軸を中心に公転可能に保持し、ノズルにより部品供給部から部品を吸着して基板に実装する実装ヘッドとを備え、ノズルは、その自転軸を中心として自転動作を実行し、実装ヘッドによる公転動作に応じて、公転動作での公転角度と同じ角度で公転方向とは逆方向に自転する自転動作を実行する。
【0007】
本発明に係る部品実装方法は、公転軸を中心とする円周軌道上に並べられた複数のノズルを公転軸を中心に公転可能に保持する実装ヘッドを用いてノズルに部品を吸着させる工程と、実装ヘッドを用いてノズルに部品を基板へ実装させる工程とを備え、ノズルは、その自転軸を中心として自転動作を実行し、実装ヘッドによる公転動作に応じて、公転動作での公転角度と同じ角度で公転方向とは逆方向に自転する自転動作を実行する。
【0008】
このように構成された本発明(部品実装機、部品実装方法)では、ノズルは、実装ヘッドによる公転動作に応じて、公転動作での公転角度と同じ角度で公転方向とは逆方向に自転する自転動作を実行する。したがって、公転に伴うノズルの向きの変化を抑制することが可能となっている。
【0009】
かかる本発明は、実装ヘッドに伴って移動する複数のノズルの下方から撮像する撮像部をさらに備える部品実装機に対して好適に適用できる。
【0010】
具体的には、撮像部は、部品供給部から部品を吸着した後に部品供給部から基板へ移動する途中の複数のノズルそれぞれに吸着される部品を撮像し、ノズルは、部品を吸着した後の実装ヘッドによる公転動作に応じた自転動作を、撮像部により撮像されるまでに完了するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、公転に伴うノズルの向きの変化による影響を排除しつつ、ノズルに吸着される部品を撮像することができる。
【0011】
また、撮像部は、所定の方向に配設されたラインセンサーカメラであり、ノズルは、撮像部による撮像時に、ノズルに吸着される部品の向きとラインセンサーカメラの配設方向とが所定関係を満たすように自転動作を実行するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、撮像の際には常に、部品の向きとラインセンサーカメラの配設方向とが所定の関係を満たす。そのため、部品の向きによる反射の影響が撮像の度に異なるといったことが無く、良好な撮像にとって有利となる。
【0012】
あるいは、撮像部は、基板へ部品を実装した後に基板から部品供給部へ移動する途中の複数のノズルを撮像し、ノズルは、部品を実装した後の実装ヘッドによる公転動作に応じた自転動作を、撮像部により撮像されるまでに完了するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、公転に伴うノズルの向きの変化による影響を排除しつつ、部品を実装後のノズルを撮像することができる。
【0013】
また、撮像部は、所定の方向に配設されたラインセンサーカメラであり、ノズルは、所定の研磨方向に研磨されており、撮像部による撮像時に研磨方向とラインセンサーカメラの配設方向とが所定関係を満たすように自転動作を実行するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、撮像の際には常に、ノズルの研磨方向とラインセンサーカメラの配設方向とが所定の関係を満たす。そのため、ノズルの研磨痕による反射の影響が撮像の度に異なるといったことが無く、良好な撮像にとって有利となる。
【0014】
ここで、所定関係は、ノズルの研磨方向とラインセンサーカメラの配設方向とが平行となる関係であるように、部品実装機を構成しても良い。
【0015】
また、実装ヘッドは、部品供給部からの部品の吸着および基板への部品の実装の少なくとも一方の作業を、円周軌道上に設けられた複数の作業位置のいずれかに位置決めさせたノズルに実行させることができ、ノズルは、複数の作業位置のうち一の作業位置で作業を行った後に一の作業位置と異なる他の作業位置で作業を行う場合には、一の作業位置から他の作業位置へ公転する公転動作に応じた自転動作を、他の作業位置で作業を開始する前に完了するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、他の作業位置に位置するノズルによる作業の開始に際して、一の作業位置から他の作業位置への公転に伴うノズルの向きの変化による影響を排除することができる。
【0016】
具体的には、ノズルは、一の作業位置で部品供給部から部品を吸着した後に、他の作業位置で基板に前品を実装するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、一の作業位置から他の作業位置への公転に伴うノズルの向きの変化による影響を排除しつつ、他の作業位置のノズルに基板への部品の実装を開始させることができる。
【0017】
また、同種の複数のノズルが実装ヘッドに取り付けられた場合、複数のノズルはそれぞれの向きを揃えつつ自転動作を実行するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、複数のノズルのそれぞれの向きを公転角度によらず揃えることができる。
【0018】
また、ノズルは、実装ヘッドによる公転動作に連動して自転動作を実行するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、公転角度によらず常にノズルの向きを一定にすることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、公転軸を中心とする円周軌道上に並ぶ複数のノズルを保持した実装ヘッドを用いた部品実装技術において、公転に伴うノズルの向きの変化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る部品実装機を模式的に示す部分平面図である。
図2図1の部品実装機が備える電気的構成を示すブロック図である。
図3】実装ヘッドの一例の下端部近傍を模式的に示す部分正面図である。
図4図3の実装ヘッドの部分断面を模式的に示す部分断面図である。
図5図3の実装ヘッドのノズル回りの構成を中心に模式的に示す部分平面図である。
図6】駆動制御部が実行する公転自転連動制御の一例を示すフローチャートである。
図7】公転自転連動制御を実行しない場合と実行した場合とを模式的に比較した部分平面図である。
図8】ノズルの向きの基準の一例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明に係る部品実装機を模式的に示す部分平面図である。図2図1の部品実装機が備える電気的構成を示すブロック図である。両図および以下の図では、Z方向を鉛直方向とするXYZ直交座標を適宜示す。図2に示すように、部品実装機1は、装置全体を統括的に制御するコントローラー100を備える。コントローラー100は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)で構成されたコンピューターである演算処理部110およびHDD(Hard Disk Drive)で構成された記憶部120を有する。さらに、コントローラー100は、部品実装機1の駆動系を制御する駆動制御部130と、部品実装に用いるノズルの撮像を制御する撮像制御部140とを有する。
【0022】
そして、演算処理部110は記憶部120に記憶されるプログラムに従って駆動制御部130を制御することで、プログラムが規定する部品実装を実行する。この際、演算処理部110は撮像制御部140がラインセンサーカメラ5により撮像した画像に基づき、部品実装を制御する。また、部品実装機1には、表示/操作ユニット150が設けられており、演算処理部110は、部品実装機1の状況を表示/操作ユニット150に表示したり、表示/操作ユニット150に入力された作業者からの指示を受け付けたりする。
【0023】
図1に示すように、部品実装機1は、基台11の上に設けられた一対のコンベア12、12を備える。そして、部品実装機1は、コンベア12によりX方向(基板搬送方向)の上流側から実装処理位置(図1の基板Sの位置)に搬入した基板Sに対して部品を実装し、部品実装を完了した基板Sをコンベア12により実装処理位置からX方向の下流側へ搬出する。
【0024】
部品実装機1では、Y方向に延びる一対のY軸レール21、21と、Y方向に延びるY軸ボールネジ22と、Y軸ボールネジ22を回転駆動するY軸モーターMyとが設けられ、ヘッド支持部材23が一対のY軸レール21、21にY方向に移動可能に支持された状態でY軸ボールネジ22のナットに固定されている。ヘッド支持部材23には、X方向に延びるX軸ボールネジ24と、X軸ボールネジ24を回転駆動するX軸モーターMxとが取り付けられており、ヘッドユニット3がヘッド支持部材23にX方向に移動可能に支持された状態でX軸ボールネジ24のナットに固定されている。したがって、駆動制御部130は、Y軸モーターMyによりY軸ボールネジ22を回転させてヘッドユニット3をY方向に移動させ、あるいはX軸モーターMxによりX軸ボールネジ24を回転させてヘッドユニット3をX方向に移動させることができる。
【0025】
一対のコンベア12、12のY方向の両側それぞれでは、2つの部品供給部28がX方向に並んでいる。各部品供給部28に対しては、複数のテープフィーダー281がX方向に並んで着脱可能に装着されており、各テープフィーダー281には、集積回路、トランジスター、コンデンサ等の小片状の部品(チップ電子部品)を所定間隔おきに収納したテープが巻かれたリールが配置されている。そして、テープフィーダー281は、テープをヘッドユニット3側に間欠的に送り出すことによって、テープ内の部品を供給する。
【0026】
ヘッドユニット3は、X方向に直線状に並ぶ複数(4本)の実装ヘッド4を有する。各実装ヘッド4は下端に取り付けられたノズル40(図3)により、部品の吸着・実装を行う。つまり、実装ヘッド4はテープフィーダー281の上方へ移動して、テープフィーダー281により供給された部品を吸着する。具体的には、実装ヘッド4は、部品に当接するまでノズル40を下降させた後にノズル40内に負圧を発生させつつノズル40を上昇させることで、部品を吸着する。続いて、実装ヘッド4は実装処理位置の基板Sの上方に移動して基板Sに部品を実装する。具体的には、実装ヘッド4は、部品が基板Sに当接するまでノズル40を下降させた後にノズル40内に大気圧あるいは正圧を発生させることで、部品を実装する。
【0027】
また、X方向に並ぶ部品供給部28の間にはY方向に平行にラインセンサーカメラ5が配置されている。そして、実装ヘッド4は部品供給部28で部品を吸着すると、部品供給部28から基板Sに到る途中でラインセンサーカメラ5の上方を通過し、ラインセンサーカメラ5は、ノズル40が吸着する部品を下方から撮像する。そして、ラインセンサーカメラ5の撮像結果は、撮像制御部140を介して演算処理部110に転送され、ノズル40による部品の吸着不良の有無等の判定(吸着不良判定)等に用いられる。また、実装ヘッド4は基板Sに部品を実装すると、基板Sから部品供給部28へ到る途中でラインセンサーカメラ5の上方を通過し、ラインセンサーカメラ5は上方を通過するノズル40を撮像する。そして、ラインセンサーカメラ5の撮像結果は、撮像制御部140を介して演算処理部110に転送され、ノズル40による部品の実装の成否(実装成否判定)等の判定に用いられる。この際、吸着不良あるいは実装失敗が判定された場合には、表示/操作ユニット150に判定根拠となった撮像画像が表示され、オペレーターが当該判定の妥当性を判断できるように構成されている。
【0028】
図3は実装ヘッドの一例の下端部近傍を模式的に示す部分正面図である。図4図3の実装ヘッドの部分断面を模式的に示す部分断面図である。図5図3の実装ヘッドのノズル回りの構成を中心に模式的に示す部分平面図である。図3図5に示すように、各実装ヘッド4は、複数のノズル40を円周状に配列したロータリーヘッドである。なお、複数のノズル40はそれぞれ異なる種類であっても構わないが、ここでは複数のノズル40が互いに同種である場合を例示する。続いては、図3図5を併用しつつ実装ヘッド4の構成について説明する。なお、4本の実装ヘッド4の構成は共通するため、ここでは1本の実装ヘッド4について説明する。また、後述するZ軸モーターMz、N軸モーターMnおよびR軸モーターMrのセットは実装ヘッド4毎に設けられるが、図2では1セット分のみが示されている。
【0029】
実装ヘッド4はZ方向に平行に延びるメインシャフト41と、メインシャフト41の下端に支持されたノズルホルダー42とを有する。ノズルホルダー42は、メインシャフト41の中心を通るZ方向に平行なN軸Cn(仮想軸)を中心とする公転方向Nに回転可能に支持されており、図2のN軸モーターMnに駆動伝達機構を介して接続されている。したがって、ノズルホルダー42は、駆動伝達機構を介してN軸モーターMnの駆動力を受けると、N軸Cnを中心に回転する。また、ノズルホルダー42は、N軸Cnを中心とする円周状に等角度θiを空けて配列された複数(8本)の昇降シャフト43を支持する。
【0030】
各昇降シャフト43は昇降可能に支持されており、図略の付勢部材により上方へ付勢されている。各昇降シャフト43の下端にはノズル40が着脱可能に装着される。これによって、ノズルホルダー42は、N軸Cnを中心とする円周状に等角度θiを空けて配列された複数のノズル40を支持する。したがって、駆動制御部130がN軸モーターMnに回転指令を出力すると、N軸モーターMnからの駆動力を受けて回転するノズルホルダー42に伴って、複数のノズル40が一体的にN軸Cn(公転軸)を中心とする円周軌道Oに沿って公転する。
【0031】
また、メインシャフト41は、複数の昇降シャフト43の上方にノズル昇降機構44を支持する。ノズル昇降機構44は、N軸Cnを中心として180度の角度を空けて配置された2本の押圧部材441を有する。各押圧部材441は、ノズル昇降機構44に内蔵されたZ軸モーターMz(図2)の駆動力を受けて、互いに独立して昇降する。したがって、駆動制御部130がZ軸モーターMzに下降指令を出力すると、Z軸モーターMzからの駆動力を受けて押圧部材441が下降する。これにより、押圧部材441は、複数の昇降シャフト43のうち直下に位置する一の昇降シャフト43を当該昇降シャフト43に働く付勢力に抗して下降させ、部品Eの吸着あるいは実装を行う下降位置Zdまでノズル40を下降させる。一方、駆動制御部130がZ軸モーターMzに上昇指令を出力すると、Z軸モーターMzからの駆動力を受けて押圧部材441が上昇する。これにより、押圧部材441に押下されていた一の昇降シャフト43が、ノズル40を伴いつつ付勢力に従って上昇し、ノズル40が上昇位置Zuまで上昇する。なお、図3図4においては、ノズル40の下端に対して下降位置Zdおよび上昇位置Zuがそれぞれ示されている。
【0032】
このような実装ヘッド4では、押圧部材441の直下がノズル40による部品Eの吸着・実装を行う作業位置Poとなる。すなわち、上述した2個の押圧部材441の配置に対応して、実装ヘッド4では、2個の作業位置Po、PoがN軸Cnを中心に180度の角度を空けて設けられている。一方、図5に示すようにノズルホルダー42では、N軸Cnを中心に180度の間隔を空けて配置された2個のノズル40(N軸Cnを挟んで互いに逆側に位置する2個のノズル40)の対(ノズル対)が4対設けられて、2×4(=8)個のノズル40が円周軌道Oに沿って配列されている。こうして対を成す2個のノズル40は、一方のノズル40が一方の作業位置Poに位置すると同時に他方のノズル40が他方の作業位置Poに位置できる配置関係を満たす。したがって、駆動制御部130はN軸モーターMnにより複数のノズル40の回転角度を調整することで、4個のノズル対のうち任意の1個のノズル対を成す2個のノズル40、40のそれぞれを作業位置Po、Poに位置させて、部品Eの吸着・実装に用いることができる。
【0033】
例えば、作業位置Poで部品Eを吸着する場合は、実装ヘッド4を部品供給部28の上方へ移動させて作業位置Poをテープフィーダー281の直上に位置決めする。この状態で、部品Eを吸着しないノズル40を公転方向Nにおいて作業位置Poに停止させつつ、Z方向において上昇位置Zuから下降位置Zdへ下降させる。そして、ノズル40がテープフィーダー281により供給される部品Eに接したタイミングでノズル40に負圧を与えて、テープフィーダー281からノズル40に部品Eを吸着する。続いて、部品Eを吸着したノズル40をZ方向において下降位置Zdから上昇位置Zuまで上昇させる。
【0034】
あるいは、作業位置Poで部品Eを実装する場合は、実装ヘッド4を基板Sの上方へ移動させて作業位置Poを基板Sの実装対象箇所の直上に位置決めする。この状態で、部品Eを吸着するノズル40を公転方向Nにおいて作業位置Poに停止させつつ、Z方向において上昇位置Zuから下降位置Zdへ下降させる。そして、部品Eが基板Sに接したタイミングでノズル40に大気圧あるいは正圧を与えて、ノズル40から基板Sへ部品Eを実装する。続いて、部品Eが離脱したノズル40をZ方向において下降位置Zdから上昇位置Zuまで上昇させる。
【0035】
さらに、実装ヘッド4は、複数のノズル40をノズルホルダー42に対して回転させることで、それぞれを通るR軸Cr(自転軸)を中心に自転させる機構を有する。つまり、昇降シャフト43は円筒形状を有しており、ノズルホルダー42の下方に突出する昇降シャフト43の下端部にノズル40が取り付けられる一方、ノズルホルダー42の上方に突出する昇降シャフト43の上端部に歯車431が取り付けられている。そして、ノズル40、昇降シャフト43および歯車431は、それぞれの共通の中心線であるZ方向に平行なR軸Crの回りで回転(自転)可能にノズルホルダー42に支持されている。また、平面視において、円周軌道Oに沿って並ぶ複数の歯車431の内側には、歯車45が配置されている。この歯車45はベアリング451を介してメインシャフト41に取り付けられており、メインシャフト41およびノズルホルダー42のそれぞれに対して回転可能である。そして、歯車45が複数の歯車431に内接・係合するとともに、図2のR軸モーターMrに駆動伝達機構を介して接続されている。したがって、駆動制御部130がR軸モーターMrに回転指令を出力すると、R軸モーターMrからの駆動力を受けて回転する歯車45に伴って複数の歯車431がR軸Crを中心に公転方向Nとは逆の自転方向Rに回転する。その結果、複数のノズル40がそれぞれを通るR軸Cr(自転軸)を中心に回転(自転)する。そして、駆動制御部130は、ノズル40の公転にノズル40の自転を連動させる公転自転連動制御を実行する。
【0036】
図6は駆動制御部が実行する公転自転連動制御の一例を示すフローチャートである。この公転自転連動制御では、駆動制御部130は、複数のノズル40がN軸Cnを中心に公転する公転動作を開始したか否かを監視し(ステップS101)、公転動作の開始に伴って(ステップS101で「YES」)、各ノズル40に自転動作を開始させる(ステップS102)。この自転動作では、駆動制御部130は、R軸モーターMrにより歯車45を公転方向Nに回転させることで、各ノズル40を公転方向Nとは逆の自転方向Rに回転させる。したがって、ノズル40の公転方向Nが時計回りである場合はノズル40の自転方向Rは反時計回りとなり、ノズル40の公転方向Nが反時計回りである場合はノズル40の自転方向Rは時計回りとなる。この際、駆動制御部130は、N軸CnとR軸Crとのギア比、すなわち歯車45と歯車431とのギア比を記憶部120から読み出し、このギア比に応じてR軸モーターMrの回転数を制御する。これによって、ノズル40が公転する角速度と、ノズル40が自転する角速度とが等しくなる。その結果、複数のノズル40のぞれぞれは、R軸Crを中心に公転する公転動作に連動して、当該公転動作での公転角度と同じ角度を当該公転動作での公転方向Nとは逆の自転方向Rに自転する自転動作を実行する。
【0037】
図7は公転自転連動制御を実行しない場合と実行した場合とを模式的に比較した部分平面図である。特に同図では、2個の作業位置Poのうち、一方の作業位置Poから他方の作業位置Poへノズル40を公転させた場合が例示されている。また、2個の作業位置Poを区別するために、一方の作業位置Poに符号Po1を付し、他方の作業位置Poに符号Po2を付した。
【0038】
同図の上段の欄に示すように、図6の公転自転連動制御を行わなかった場合は、R軸Crを中心とするノズル40の角度は、ノズルホルダー42に対して相対的に変化しない。その結果、グローバル座標系XYZで見ると、ノズル40の向きは、ノズルホルダー42の回転に伴って、すなわちN軸Cnを中心とする公転に伴って変化する。ここで、ノズル40の向きとは、例えばノズル40の開口部の長手方向あるいはノズル40の開口部の特徴部分(例えば長辺)等の延設方向とすることができる。
【0039】
そのため、例えば1個のノズル40が一方の作業位置Po1で部品Eを吸着した後に、他方の作業位置Po2で部品Eを基板Sに実装するような場合、当該ノズル40が吸着する部品Eの荷姿は、一方の作業位置Po1から他方の作業位置Po2までの公転角度θ4(=180度)回転する。したがって、他方の作業位置Po2で部品Eを基板Sに実装するに際しては、コントローラー100は、ノズル40の公転に伴う部品Eの荷姿の変化を考慮した制御を実行する必要がある。
【0040】
また、ノズル40が吸着する部品Eの荷姿は、ノズル40の公転角度θ1〜θ4に応じて異なる。その結果、ノズル40が吸着する部品Eをラインセンサーカメラ5で撮像する場合、ノズル40の公転角度θ1〜θ4によって、部品Eとラインセンサーカメラ5との相対的な角度関係が異なり、すなわち部品Eの撮像条件が変わってしまう。そのため、演算処理部110による吸着不良判定の精度が低下したり、オペレーターによる当該判定の妥当性の判断が難しくなったりするおそれがある。また、部品Eの基板Sへの実装を終えたノズル40をラインセンサーカメラ5で撮像する場合にも、同様にノズル40の公転角度θ1〜θ4によって、ノズル40の撮像条件が変わってしまう。そのため、演算処理部110による実装成否判定の精度が低下したり、オペレーターによる当該判定の妥当性の判断が難しくなったりするおそれがある。
【0041】
これに対して、同図の下段の欄に示すように、図6の公転自転連動制御を行った場合、ノズル40は、N軸Cnを中心に公転方向Nに角度θ1〜θ4公転すると(公転動作)、R軸Crを中心に公転方向Nと逆の自転方向Rに角度θ1〜θ4自転する(自転動作)。その結果、グローバル座標系XYZで見ると、ノズル40の向きは、ノズルホルダー42の回転、すなわちN軸Cnを中心とする公転によらず変化しない。
【0042】
そのため、例えば1個のノズル40が一方の作業位置Po1で部品Eを吸着した後に、他方の作業位置Po2で部品Eを基板Sに実装するような場合、当該ノズル40が吸着する部品Eの荷姿は変わらない。したがって、他方の作業位置Po2で部品Eを基板Sに実装するに際しては、コントローラー100は、ノズル40の公転に伴う部品Eの荷姿の変化について考慮を要さない制御を実行できる。
【0043】
また、ノズル40が吸着する部品Eの荷姿は、ノズル40の公転角度θ1〜θ4によらず変わらない。その結果、ノズル40が吸着する部品Eをラインセンサーカメラ5で撮像する場合、ノズル40の公転角度θ1〜θ4によらず、部品Eとラインセンサーカメラ5との相対的な角度関係を一定に保ち、すなわち部品Eの撮像条件を一定に保つことができる。そのため、演算処理部110による吸着不良判定の精度の低下を抑制し、あるいはオペレーターによる当該判定の妥当性の判断を容易にすることができる。また、部品Eの基板Sへの実装を終えたノズル40をラインセンサーカメラ5で撮像する場合にも、同様にノズル40の公転角度θ1〜θ4によらず、ノズル40の撮像条件を一定に保つことができる。そのため、演算処理部110による実装成否判定の精度の低下を抑制し、あるいはオペレーターによる当該判定の妥当性の判断を容易にすることができる。
【0044】
以上に説明したように本実施形態では、ノズル40は、N軸Cnを中心に公転する公転動作に応じて、公転動作での公転角度θ1〜θ4と同じ角度を公転動作での公転方向とは逆方向に自転する自転動作を実行する。したがって、公転に伴うノズル40の向きの変化を抑制することが可能となっている。
【0045】
また、上記のように構成された実装ヘッド4では、ノズル40は、部品Eの吸着後の公転動作に応じた自転動作を、ラインセンサーカメラ5により撮像されるまでに完了する。したがって、公転に伴うノズル40の向きの変化による影響を排除しつつ、ノズル40に吸着される部品Eを撮像することができる。
【0046】
また、ノズル40は、ラインセンサーカメラ5による撮像時に、ノズル40に吸着される部品Eの向きとラインセンサーカメラ5の配設方向(Y方向)とが所定の関係を満たすように自転動作を実行する。そのため、部品Eの向きによる反射の影響が撮像の度に異なるといったことが無く、良好な撮像にとって有利となっている。
【0047】
また、ノズル40は、部品Eの実装後の公転動作に応じた自転動作を、ラインセンサーカメラ5により撮像されるまでに完了する。かかる構成では、公転に伴うノズル40の向きの変化による影響を排除しつつ、部品Eを実装後のノズル40を撮像することができる。
【0048】
また、実装ヘッド4は、部品供給部28からの部品Eの吸着および基板Sへの部品Eの実装の少なくとも一方の作業を、円周軌道O上に設けられた複数の作業位置Poのいずれかに位置決めさせたノズル40に実行させることができる。そして、ノズル40は、複数の作業位置Poのうち一の作業位置Po(例えば作業位置Po1)で作業を行った後に他の作業位置Po(例えば作業位置Po2)で作業を行う場合には、一の作業位置Poから他の作業位置Poへ公転する公転動作に応じた自転動作を、他の作業位置Poで作業を開始する前に完了する。したがって、他の作業位置Poに位置するノズル40による作業の開始に際して、一の作業位置Poから他の作業位置Poへの公転に伴うノズル40の向きの変化による影響を排除することができる。
【0049】
具体的には、ノズル40、一の作業位置Poで部品供給部28から部品Eを吸着した後に、他の作業位置Poで基板Sに部品Eを実装する場合、一の作業位置Poから他の作業位置Poへの公転に伴うノズル40の向きの変化による影響を排除しつつ、他の作業位置Poのノズル40に基板Sへの部品Eの実装を開始させることができる。
【0050】
あるいは、一の作業位置Poで基板Sへ部品Eを実装した後に、他の作業位置Poで部品供給部28から部品Eを吸着する場合、一の作業位置Poから他の作業位置Poへの公転に伴うノズル40の向きの変化による影響を排除しつつ、他の作業位置Poのノズル40に部品供給部28からの部品Eの吸着を開始させることができる。
【0051】
また、図5に示したように、複数のノズル40はそれぞれの向きを揃えつつ自転動作を実行する。そのため、複数のノズル40のそれぞれの向きを公転角度によらず揃えることが可能となっている。
【0052】
また、ノズル40は、公転動作に連動して自転動作を実行する。そのため、公転角度によらず常にノズル40の向きを一定(図5図7の例ではX方向)にすることが可能となっている。
【0053】
このように本実施形態では、部品実装機1が本発明の「部品実装機」の一例に相当し、部品供給部28が本発明の「部品供給部」の一例に相当し、部品Eが本発明の「部品」の一例に相当し、コンベア12が本発明の「基板支持部」の一例に相当し、基板Sが本発明の「基板」の一例に相当し、実装ヘッド4が本発明の「ヘッド」の一例に相当し、ノズル40が本発明の「ノズル」の一例に相当し、N軸Cnが本発明の「公転軸」の一例に相当し、R軸Crが本発明の「自転軸」の一例に相当し、円周軌道Oが本発明の「円周軌道」の一例に相当し、ラインセンサーカメラ5が本発明の「撮像部」の一例に相当し、作業位置Poが本発明の「作業位置」の一例に相当し、作業位置Po1が本発明の「一の作業位置」の一例に相当し、作業位置Po2が本発明の「他の作業位置」の一例に相当する。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、公転角度θ1〜θ4によらずノズル40の向きを一定にできる。この際、ノズル40の向きを決定する基準については、種々のものを採用できる。図8はノズルの向きの基準の一例を模式的に示す平面図である。ノズル40に対しては、例えばクリーニング等の目的で研磨が実行される。そして、図8の例では、ノズル40の研磨方向(ノズル40の外形を示す四角内で破線が延びる方向)およびラインセンサーカメラ5の配設方向(すなわち、ラインセンサーカメラ5での画素の配列方向)がいずれもY方向となっており、互いに平行となる関係(所定関係)を満たす。換言すれば、ノズル40の公転角度によらず、ノズル40の研磨方向(Y方向)がラインセンサーカメラ5の配設方向(Y方向)と平行となるように、ノズル40の自転動作が実行される。そのため、ノズル40の研磨痕による反射の影響がラインセンサーカメラ5による撮像の度にことなるといったことが無く、良好なノズル40の撮像にとって有利となっている。
【0055】
また、図7に例示したように作業位置Po1で部品Eを吸着してから作業位置Po2で部品Eを実装するにあたって、テープフィーダー281が供給する部品Eの向きと、基板Sの実装対象箇所の向きとが異なる場合がある。このような場合には、作業位置Po2でノズル40を停止させた後に、部品実装箇所の向きに応じてノズル40をさらに自転させて、ノズル40が吸着する部品と部品実装箇所の向きとを合わせると良い。この場合であっても、ノズル40の公転によらず作業位置Po1、Po2との間で部品Eの向きは変わらない。そのため、コントローラー100は、ノズル40の公転に伴う部品Eの向きの変化を考慮することなく、テープフィーダー281が供給する部品Eの向きと実装対象箇所の向きのみに基づいて適切に部品Eを実装することができる。
【0056】
また、上記実施形態では、ノズル40の公転動作と自転動作とを連動させていた。しかしながら、例えばノズル40を所定の閾角度θth公転させた後にノズル40を閾角度θth自転させるといった制御も可能である。この場合、閾角度θthは例えば上記の角度θi未満に設定することができる。あるいは、円周軌道Oに沿って隣接するノズル40がN軸Cnの回りに成す角度(隣接角度)が複数のノズル40の間で等しくない場合は、閾角度θthを例えば最小の隣接角度未満に設定することができる。
【0057】
また、実装ヘッド4の本数や、実装ヘッド4が保持するノズル40の個数、ノズル40の配列間隔等についても適宜変更しても構わない。実装ヘッド4の複数のノズル40の全ての向きが揃っている必要も必ずしも無い。
【0058】
また、ノズル40や部品Eを撮像する撮像部の構成は、ラインセンサーカメラ5に限られず、エリアセンサーカメラであっても良い。
【符号の説明】
【0059】
1…部品実装機
12…コンベア(基板支持部)
28…部品供給部
4…実装ヘッド
40…ノズル
5…ラインセンサーカメラ(撮像部)
Cn…N軸(公転軸)
Cr…R軸(自転軸)
O…円周軌道
E…部品
S…基板
Po…作業位置
Po1…作業位置(一の作業位置)
Po2…作業位置(他の作業位置)
θ1,θ2,θ3,θ4…公転角度
Y…Y方向(ラインセンサーカメラの配設方向、ノズルの研磨方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8