【実施例1】
【0021】
図1の1は、本発明の筐体を構成する素材となる、透明なプラスチック材料で作られた上下方向に押出された壁で仕切られた複数の部屋が存在する、ハニカム状の押出成形素材である。透明プラスチック材料は、耐候性、臭化リチウム水溶液に対する耐性や水蒸気耐性が高く、吸水率が低く、熱伝導率が低く、太陽光の透過率が高く、100℃程度以上の連続使用可能温度を持ち、かつガスバリア性の高い素材が望ましく、ベース樹脂としてポリカーボネートや飽和ポリエステル樹脂、AS樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリサルホン、フッ素樹脂などが考えられる。このようなハニカム状中空の透明押出成形製品の例として、例えばタキロン株式会社のルメカーボ(登録商標)等がある。
【0022】
このように押出成形された素材に、
図2、
図3に示されるように切欠き、穴加工等の機械加工を行い、筐体1aを製作する。
図2は筐体1aの屋外側を見た図である。屋外面の上1/3ほどのエリアは、凝縮器を形成するために必要な水蒸気(冷媒)の横方向通路となる切欠き1cや、水蒸気流路を形成するために必要な横方向仕切り壁を形成するための切欠き1dを設けている。屋外面の下側2/3ほどのエリアは、吸収器を形成するために必要な横方向水蒸気通路となり、かつ後述のルーバー型ガイドプレートを設置するための切欠き1fや、吸収器に濃吸収液を滴下するヘッダーとなる横方向路を形成するための切欠き1eを設けている。
図3は、筐体1aの屋内側を見た図である。屋内面は全面が蒸発器を形成するが、そのために必要な水を滴下するヘッダーとなる横方向路を形成するための切欠き1gや、横方向水蒸気通路となる切欠き1hが設けられている。切欠き1hの一部は、後述の熱媒放熱路6c(
図6参照)とも嵌合する。
【0023】
この筐体1aには更に、
図4に示すように吸収器内を流下する吸収液をガイドするためのガイドプレート2が切欠き1fに挿入され、またこの筐体1aに流出入する水や吸収液の配管を取り付けるためのニップル3が取り付けられる。ニップル3は筐体1aに対し接着又は熱溶着されるが、ガイドプレート2は挿入するだけでよい。ガイドプレート2は、押出成形素材1と同素材の透明プラスチック材料で製作される。
図5はこれらの加工が行われた状態の筐体1bを示す。
【0024】
図6の4は、押出アルミ材料で製作された集熱器を示す。集熱器4は、中央部に熱媒の流路となるパイプ部4aと太陽光を受けて熱をパイプ部4a内の熱媒に伝える集熱フィン4bからなり、その外表面には太陽光選択吸収膜処理が施されている。このような集熱器4は、筐体1bの中央の区画に複数挿入して設置され、それらの上端は熱媒上ヘッダー4c、下端は熱媒下ヘッダー4dに接続される。筐体1b内は後述のように真空に保たれる。
【0025】
筐体1bの屋外側には、外壁5が接着又は熱溶着される。外壁5は、押出成形素材1とほぼ同等の透明プラスチック材料の横方向の押出成形で製作されるが、熱伝導率は高いほうが望ましく、材料組成を若干変更した高熱伝導率グレードの飽和ポリエステル樹脂やポリカーボネート等の使用が考えられる。外壁器内面5bには、凝縮器内を流れる水や吸収器内を流下する吸収液が外壁5によく濡れ広がり熱移動が行われるよう、光触媒による超親水性膜処理が施されている。このような超親水性膜処理として例えばTOTO株式会社のハイドロテクト(登録商標)が知られており、タキロン株式会社の透明ポリカーボネート採光材でも利用されている。
【0026】
外壁5の外壁器外面5aは外気に接するが、本発明のシステム全体の真空を保つためには特に高いガスバリア性が求められる。このため、外壁器外面5aには薄いガラス膜が貼り付けられている。このようなガラス膜とポリカーボネートの貼り合わせは、例えば日本電気硝子のLamion(登録商標)という商品が知られている。また外壁器外面5aは、大気への放熱性を高めるためにリブつきのガラス板にする等して表面積を増やしてもよいし、防汚性能を向上するためにそのガラスの外表面にも超親水性膜処理を施してもよい。
【0027】
外壁器内面5bには、凝縮器の水蒸気流路を形成するために必要な横方向仕切り壁5cがあり、筐体1bの切欠き1dと嵌合する。また同様に吸収器の吸収液を滴下ヘッダーとなる横方向路を形成する横方向仕切り壁5dがあり、切欠き1eと嵌合、溶着又は接着される。これらの横方向仕切り壁5c、5dは、横方向の押出成形により外壁5と一体に成形されている。
【0028】
筐体1bの屋内側には、横方向の押出成形で製作される屋内壁6が熱溶着される。屋内壁6は、押出成形素材1と熱溶着又は接着する都合からほぼ同等の透明プラスチック材料が使用されるが、必ずしも透明である必要はない。屋内壁6も外壁5と同様に、横方向の押出成形で製作され、熱伝導率が高いほうが望ましく、材料組成を若干変更した高熱伝導率グレードの飽和ポリエステル樹脂やポリカーボネート等の使用が考えられる。
【0029】
屋内壁器内面6bには、蒸発器内を流下する水がよく濡れ広がり、熱移動が効率よく行われるよう、超親水性膜処理が施されている。屋内壁6の屋内壁器外面6aも家屋内の外気に接するため本発明のシステム全体の真空を保つために特に高いガスバリア性が求められる。このため、屋内壁器外面6aにも薄いガラス膜が貼り付けられている。屋内壁器外面6aは、室内からの吸熱性を高めるためにリブつきのガラスにして表面積を増やしてもよい。屋内壁器内面6bには、暖房として機能する際に熱媒が通る流路となる熱媒放熱路6cが設けられていて、切欠き1hと嵌合、溶着又は接着される。
【0030】
図7は、こうして完成した透明熱交換器パッケージ7を示す。透明熱交換器パッケージ7は、全体が透明であり、図示していないが内部の集熱器4が透けて見える構造になっている。透明熱交換器パッケージ7の端面には複数の流路開口部が存在するが、外壁器外面5aと屋内壁器外面6aはガスバリア性の高いガラスが貼られているため高い気密性を有し、真空を保つことができる。また、内部の筐体1bが多くのセルに分かれたハニカム状になっているため、外壁器外面5a、屋内壁器外面6aにかかる大気の圧力に充分に耐えることができる。
【0031】
透明熱交換器パッケージ7には、
図7に示されるように以下の部品が組み付けられ、熱交換装置を構成する吸収式冷暖房パッケージとして完成する。再生器9は、必ずしも透明である必要はないが、筐体1aと同等のプラスチック素材で作られた円筒押出成形材料を使用した圧力容器を基本にしている。その内部には隔壁9aが2枚あり、それらを貫通する熱交換チューブ9bと濃吸収液チューブ9cがある。熱交換チューブ9bは、2枚の隔壁9aで仕切られた空間内で熱媒からの熱を効率よく受けチューブ内を流れる吸収液に伝えるため高い熱伝導性が必要であり、アルミナやシリコンカーバイト等のセラミックチューブ材料の使用が考えられる。濃吸収液チューブ9cは熱交換の必要はなく、プラスチック材料でよい。
【0032】
吸収液熱交換器8は2重管構造の向流式熱交換器で、内筒8aと外筒8bからなる。内筒8aのうち外筒8bに覆われた部分では高い熱伝導性が必要で、直線部はアルミナやシリコンカーバイト等のセラミックチューブ材料の使用が考えられる。内筒8aのうち外筒8bに覆われていない立ち上がり部分は熱交換の必要がなく、外筒8bと共にプラスチックチューブ又はホースで製作される。水蒸気流路10は、再生器9内で放出された水蒸気を凝縮器に導くもので、プラスチックチューブ又はホースで製作される。水流路11も同様にプラスチックチューブ又はホースで製作される。自立式温度調節弁12は、室内温度を検知する温度プローブ12a内で室温にさらされた油の温度膨張の程度によって自動で作動する方向切換え弁で、熱媒の流路を切り替えるために使用される。
【0033】
これらの部品が組み付けられたのち、透明熱交換器パッケージ7の全体が
図8に示すように外枠13a、13b、13c、13dによって端部を覆われ、
図9に示すようなパッケージ14が完成する。温度プローブ12aはこのパッケージ14の外に設置されている。外枠13a、13b、13c、13dは吸収液に直接接することはないため耐薬品性等は必要ないが、内部の真空を保つために高いガスバリア性が必要であり、アルミ押出成形での製作が考えられる。このパッケージ14は、外気に対してはガスバリア性の高いガラス製の外壁器外面5a、屋内壁器外面6aとガスバリア性の高いアルミ製の外枠13a、13b、13c、13dのみが接しており、平面部は透明で、内部の集熱器4が見える。1気圧の外圧に対しては内部の筐体1bが耐えている。内部の再生器9と凝縮器は1/10気圧程度、蒸発器と吸収器は1/100気圧程度の真空で運転され、集熱器4はそれより更に低い圧力の真空度に保たれているため、全体として高い断熱性能を有している。
【0034】
パッケージ14内ではこのように種々の真空度の部分があるが、それらの圧力差は最高でも1/10気圧以下であり、内部の部品はそのようなわずかな圧力差に耐える強度があればよい。なんらかの破損等により外気がパッケージ14内に侵入、真空が毀損した場合には内部の部品が高い圧力差にさらされて破損することがないよう、熱交換装置である吸収式冷凍機を構成する部品と集熱器4が収められた内部空間の間には差圧ブレーカーが設けられており、1/10気圧を超える圧力差が生じた場合には圧力均衡弁が開いて圧力を均衡させるようになっている。なお、差圧ブレーカーについては後に詳しく説明する。
【0035】
熱媒の流れを
図10に示す。本実施例の熱交換装置では外部エネルギーとして太陽エネルギーを用いる。太陽エネルギーのおよそ半分は可視光域の波長を有する光であるが、その太陽光は、透明な外壁5を通して透明な筐体1b内に設置された集熱器4に到達し、その内部の熱媒を温める。集熱器4には太陽光選択吸収処理が施されているため太陽光の吸収率が90%程度以上あり、効率よく集熱できる。集熱により温度が上昇した結果、集熱器4は赤外線を発することになるが、太陽光選択吸収処理が施されているため赤外線の放射率は10%程度と低く、熱放射により熱エネルギーを失うことが殆どない。また真空内に設置されているため、熱伝達により熱エネルギーを失うことも殆どない。
【0036】
このようにして温められた熱媒は、自然対流によって集熱器4のパイプ部4a内を上昇して熱媒上ヘッダー4cに流入し、自立式温度調節弁12に導かれる。室温が比較的高いときには温度プローブ12a内の油の温度膨張により自立式温度調節弁12が熱媒を再生器9に導くように作動する。熱媒は、再生器9内の2枚の隔壁9aで仕切られた室内に流入し、そこで熱交換チューブ9bを介して熱交換チューブ内を上昇する吸収液を温め、熱媒自身は熱エネルギーを失いながら自然対流により、再生器9内の2枚の隔壁9aで仕切られた室内を流下し、熱媒下ヘッダー4dに流入し、再び集熱器4に導かれる。室温が比較的低いときには温度プローブ12a内の油の温度収縮により自立式温度調節弁12が熱媒を屋内壁6に導くように作動する。
【0037】
熱媒は、屋内壁6に設けられた熱媒放熱路6cを熱を放出しながら流下し、熱媒下ヘッダー4dに流入し、再び集熱器4に導かれる。熱媒は、およそ大気圧で熱媒流路に封入されるが、外気温から100℃以上の使用温度範囲内で常に液体であり熱膨張が少ないものが望まれる。不凍液を加えた水又は油の使用が考えられる。
【0038】
なお、室内の温度が中間的である場合は、自立式温度調節弁12の作用により熱媒が再生器9と熱媒放熱路6cの両方に少量ずつ流れ、結果的に暖冷房効果が打ち消し合う状態になる。また図示していないが自立式温度調節弁12には温度調節ダイヤルがあり、再生器9と熱媒放熱路6cに熱媒を振り分ける温度の設定を調整することができる。このような自立式温度調節弁12は、温水ラジエーター式のヒーターやボイラーの制御に広く使われている。
【0039】
吸収液の流れを
図11に示す。熱交換装置である吸収式冷凍機にはアンモニア−水系と水−臭化リチウム系等が考えられるが、本発明では水−臭化リチウムを採用するため、吸収液は臭化リチウム水溶液である。臭化リチウム水溶液は、一例として濃度が58.5%程度で、再生器9内の最下部の空間9dと熱交換チューブ9bの下部に満たされている。
【0040】
この再生器下部の空間9dの圧力はおよそ1/100気圧である。その上の隔壁9aで区切られた空間が集熱器4から流入する熱媒で温められると、熱交換チューブ9b内の吸収液が温められ、87℃程度を超えると吸収液中の水分が沸騰し、水蒸気(冷媒)の気泡を発生し、気泡リフト効果で熱交換チューブ9b内を水蒸気とともに上昇する。
【0041】
熱交換チューブ9b上端からは水蒸気と、水分が減少して濃度が上昇した濃吸収液が噴出する。濃吸収液は一例として96℃程度、濃度が62.5%程度になる。熱交換チューブ9bから出て水蒸気と分離しエアリフト効果を失った濃吸収液は濃吸収液チューブ9cに流入して落下し、2重管構造になった向流式熱交換器である吸収液熱交換器8の内筒8aに流入する。内筒8aの出口は立ち上がって外壁5や筐体1bの下側の2/3程度に形成された吸収器の上端に接続されている。
【0042】
熱交換チューブ9b内の沸騰が進み、熱交換チューブ9b上端の空間の圧力が徐々に高まると内筒8aの立ち上がり部内の濃吸収液の液面は徐々に上昇し、熱交換チューブ9b上端の空間の圧力がおよそ1/10気圧に達すると内筒8a内の濃吸収液は内筒8aから吸収器に流入する。吸収器内に流入するまでに液中圧力により圧力を失うため、吸収器内での圧力は1/100気圧程度になっている。吸収器内の濃吸収液は、超親水膜処理を施された外壁5の外壁器内面5bに濡れ広がり、吸収器内で水蒸気を吸収し、吸収熱を外壁5を介して外気に放出しながら流下する。
【0043】
このようにして温度、濃度とも低下した吸収液は吸収液熱交換器8の外筒8bと内筒8aの間の円環状の流路に導かれ、内筒内の濃吸収液との熱交換により予備加熱されながら再度、再生器下部の空間9dに流入する。
図11では、低濃度の吸収液を実線で、濃吸収液を点線で模式的に表している。
【0044】
水と水蒸気の流れを
図12に示す。水蒸気の流れを点線で、液体である水の流れを実線で模式的に表している。外壁5や筐体1bの下側2/3程度に形成された吸収器の内部で吸収液に溶解、吸収された水は、吸収液の一部として吸収液熱交換器8の外筒8bと内筒8aの間の円環状の流路に導かれ、内筒内の濃吸収液との熱交換により予備加熱されながら再生器下部の空間9dに流入し、その空間を満たしている。
【0045】
その上の隔壁9aで区切られた空間が集熱器4から流入する熱媒で温められると、熱交換チューブ9b内の吸収液が温められ、87℃程度を超えると吸収液中の水分が沸騰して水蒸気の気泡を発生し、気泡リフト効果で熱交換チューブ9b内の吸収液を押し上げなら上昇する。吸収液は熱交換チューブ9bの上端から噴出すると、水蒸気と、水分が減少して濃度が上昇した濃吸収液に分離する。
【0046】
水蒸気は水蒸気流路10を通過して外壁5や筐体1bの上側1/3程度に形成された凝縮器の上部に導かれ、外壁5を介して大気に放熱しながら凝縮し、超親水膜処理を施された外壁5の外壁器内面5bに水滴になって付着し濡れ広がり、更に液化しながら凝縮器内を流下し水流路11に流入する。再生器9内の沸騰が進み、熱交換チューブ9b上端の空間の圧力が徐々に高まると水流路11内の水の液面は徐々に上昇し、熱交換チューブ9b上端の空間の圧力がおよそ1/10気圧に達すると水流路11内の水は内筒8aから屋内壁6や筐体1bで形成された蒸発器に流入する。
【0047】
蒸発器内に流入するまでに液中圧力により圧力を失うため、蒸発器内での圧力は1/100気圧程度になっており、その環境下で水の蒸気圧は5℃程度であるため、超親水処理を施された屋内壁器内面6bに濡れ広がって流下しながら蒸発し、屋内壁6を介して室内の空気から気化熱を奪い冷房効果を発揮する。
【0048】
発生した蒸気は切欠き1hを通過し、外枠13bで形成された空間を通って切欠き1fから吸収器に吸い込まれ、吸収器内を流下する吸収液に吸収、溶解され、再び吸収液の一部となって吸収液熱交換器8を通過して再生器9へと向かう。
【0049】
なお、本実施例の熱交換装置では、熱媒、冷媒である水蒸気、吸収液の循環にモーター、ポンプ等の外部動力を使用していない。勿論、熱媒の循環にこれら外部動力を使用してもよいし、更に冷媒及び吸収液の循環に使用してもよい。
【0050】
図13は、熱交換装置の冷房作動時のパッケージ14の吸収器30及び蒸発器50の中央部の断面を示したものである。吸収器30内のガイドプレート2は、外壁器内面5bと幅の狭いギャップを保って設置されている。吸収器30内を流下する吸収液は、ガイドプレート2により外壁器内面5bに接するよう導かれ、外壁器内面5bに施された超親水性膜処理により濡れ広がり、外壁5に熱を伝達し外壁器外面5aから外気に熱放出しながら流下する。
【0051】
なお、既に述べた差圧ブレーカーは、例えば吸収器30と集熱器空間である板状構造体の内部との間に設置すればよい。差圧ブレーカーの設置例を、模式的に
図13、
図14に示す。差圧ブレーカー23aは吸収器30側の圧力が集熱器空間の圧力より1/100気圧以上高い場合に導通し、差圧が1/100気圧になった場合に閉塞するよう設定され、吸収器30を含む吸収式冷凍機システムに大気が侵入する等して気圧が異常に上がった場合、気体を吸収器30から集熱器空間に逃がし圧力を均衡させる働きをする。
図13、
図14では差圧ブレーカー23a、23bを吸収器30と集熱器空間である板状構造体の内部との間に設置した場合を示したが、凝縮器40(
図15参照)、蒸発器50、再生器9、及びそれらを繋ぐ配管のいずれかと板状構造体の内部の間に設置してもよい。
【0052】
なお、
図13ではパッケージ14が鉛直に設置された場合を示しているが、
図14のように傾斜させて設置することもできる。ガイドプレート2は、このような場合でも吸収液を外壁器内面5bに接するように導くことができるような角度で設置されている。一方蒸発器50内を流下する水は、傾斜して設置された
図14のような場合でも、ガイドプレート2がなくても屋内壁器内面6bに沿って流下することができる。
【0053】
差圧ブレーカー23bは、集熱器空間に大気が侵入する等して気圧が異常に上がった場合に気体を集熱器空間から吸収式冷凍機システム内に逃がし圧力を均衡させる働きをする。これらにより、真空パッケージ内部の吸収液熱交換器8、再生器9、水蒸気流路10、水流路11等は大気圧や大気圧に近い差圧に曝されるおそれがなく、設計を簡略化しコストダウンできるという効果がある。
【0054】
更に差圧ブレーカー23aによれば、集熱器4を含む全体を透明真空パック材20(
図22参照)に挿入して、1/1000気圧程度に真空引きしたチャンバー内で透明真空パック材20の開口部を溶着シールする真空包装機にかけるだけで、吸収器を含む吸収式冷凍機システム内を1/100気圧にしてシールさせることができ、一工程で吸収式冷凍機システムの真空度と集熱器空間の真空度をそれぞれ適切に設定しながら真空パッケージを完成させることを可能にする効果がある。この場合の真空パック工程を以下に詳しく説明する。
【0055】
図15(a)は、真空パックを行う真空包装機のチャンバー100内の状態を模式的に表したものである。
図7のように組み立てられた透明熱交換器パッケージ7は、透明真空パック材20に入れられ、真空包装機のチャンバー100内に置かれている。透明真空パック材20は一辺が開口しており、真空包装機のチャンバー100の内部が真空包装機の真空ポンプにより徐々に減圧されると、透明真空パック材20内部も徐々に減圧されていく。
【0056】
集熱器4を収めた板状構造部体の内部はこの透明真空パック材20内に連通しており、集熱器4の周囲も同時に減圧されていく。ただし集熱器4のパイプ部4a内の熱媒の流路は閉鎖された閉空間となっており、およそ大気圧を保っている。凝縮器40、吸収器30、再生器9、蒸発器50及びそれらをつなぐパイプ等からなる吸収式冷凍装置内は互いに連通した上で独立した閉空間となっているが、差圧ブレーカー23a、23bを介して集熱器4が収められた空間は、透明真空パック材20内部の余剰空間60に連通している。チャンバー100内の減圧が始まり、99/100気圧を下回ると差圧ブレーカー23aが開き、吸収式冷凍装置内の空気がチャンバー100内に流出し、吸収式冷凍装置内の減圧も始まるが、その差圧が1/100気圧以下になろうとすると再び差圧ブレーカー23aが閉じ、吸収式冷凍装置内の空気の流出が止まる。このようにして、チャンバー100内の真空引きの工程の間、吸収式冷凍装置内の気圧はチャンバー100内の気圧より1/100気圧程度高い状態で追従して減圧されていく。チャンバー内が1/1000気圧まで減圧された段階では、吸収式冷凍装置内の気圧は1/100気圧となり、差圧ブレーカー23aが閉じた状態となる。この状態で透明真空パック材20の開口部20aが熱溶着される。このようにして吸収式冷凍装置内を1/100気圧に、集熱器4が収められた空間、すなわち透明真空パック材20内部の余剰空間60を1/1000気圧にして真空パック工程が完了する。
【0057】
差圧ブレーカー23a、23bを用いない場合は、
図27に示すように、吸収器の透明真空パック材20に接する面に小穴24を設けておき、チャンバー100内を1/100気圧まで真空引きした段階で小穴24の周囲で透明真空パック材20にヒーターを押し当てて熱溶着させることにより小穴24を塞ぎ、その後更にチャンバー100内を1/1000気圧まで真空引きしてから透明真空パック材20の開口部20aを溶着シールすることでも同様の効果が得られる。この場合の真空パック工程を以下に詳しく説明する。
【0058】
図15(b)は、真空包装機のチャンバー内での状態を模式的に表したものである。この例でも凝縮器40、吸収器30、再生器9、蒸発器50及びそれらをつなぐパイプ等からなる吸収式冷凍装置内は互いに連通した上で独立した閉空間となっているが、上記したように吸収器30の透明真空パック材20に接する部位に小穴24が設けられており、集熱器4が収められた空間、すなわち透明真空パック材20内部の余剰空間60に連通している。チャンバー100内の減圧が始まると、吸収式冷凍装置内の空気もチャンバー内に流出し、吸収式冷凍装置内の減圧も同時に進行する。チャンバー100内の圧力が1/100気圧となった時点で小穴24の周囲で透明真空パック材20にヒーターを押し当てて熱溶着させることにより小穴24を塞ぐ。これにより、吸収式冷凍装置内は1/100気圧で封鎖され、以後減圧されなくなる。更にチャンバー100内の減圧を進め、1/1000気圧になったところで透明真空パック材20の開口部20aを熱溶着する。このようにして吸収式冷凍装置内を1/100気圧に、集熱器4が収められた空間、すなわち透明真空パック材20内部の余剰空間60を1/1000気圧にして真空パック工程が完了する。