(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552431
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】カプラー内のネジ鉄筋の間隔を測定するための測定装置およびそれを用いた測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20190722BHJP
E04C 5/18 20060101ALI20190722BHJP
E04G 21/12 20060101ALI20190722BHJP
E04G 21/18 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
G01B11/02 H
E04C5/18 102
E04G21/12 105E
E04G21/18 A
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-32574(P2016-32574)
(22)【出願日】2016年2月24日
(65)【公開番号】特開2017-150913(P2017-150913A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】399009642
【氏名又は名称】JFE条鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】小松 喜美
(72)【発明者】
【氏名】小林 日登志
【審査官】
國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−81683(JP,A)
【文献】
特開2012−154164(JP,A)
【文献】
特開昭63−1927(JP,A)
【文献】
米国特許第6265065(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/02
E04C 5/18
E04G 21/12
E04G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプラーの両側の開口部から夫々ネジ鉄筋を螺合し、さらに該ネジ鉄筋の先端同士の隙間にグラウト材を注入して硬化させた鉄筋継手の前記ネジ鉄筋の先端同士の間隔S(mm)を測定する鉄筋間隔測定装置であって、前記鉄筋継手の加熱手段と、前記加熱手段による加熱を停止した後の放冷による冷却過程で前記カプラーの画像を撮影するサーモグラフィカメラと、該サーモグラフィカメラで撮影した画像を解析する画像処理手段と、該画像処理手段で測定した前記間隔Sを表示する表示手段と、を有することを特徴とする鉄筋間隔測定装置。
【請求項2】
前記画像処理手段が、前記サーモグラフィカメラで所定の時間毎に撮影した複数の画像を解析して、前記画像の任意の位置における単位時間あたりの温度変化量を計測する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋間隔測定装置。
【請求項3】
前記加熱手段が、シート状のシリコンラバーに発熱用電線を埋め込んだ電熱ヒーターであることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋間隔測定装置。
【請求項4】
カプラーの両側の開口部から夫々ネジ鉄筋を螺合し、さらに該ネジ鉄筋の先端同士の隙間にグラウト材を注入して硬化させた鉄筋継手の前記ネジ鉄筋の先端同士の間隔S(mm)を測定する鉄筋間隔測定方法において、着脱可能な加熱手段を前記カプラーに装着して前記鉄筋継手を加熱し、前記鉄筋継手が所定の温度に上昇した後、前記加熱手段を取り外し、放冷による前記鉄筋継手の冷却過程でサーモグラフィカメラを用いて前記カプラーの画像を撮影し、画像処理手段を用いて前記画像を解析して、前記画像処理手段で測定した前記間隔Sを表示手段に表示することを特徴とする鉄筋間隔測定方法。
【請求項5】
前記サーモグラフィカメラを用いて所定の時間毎に複数の画像を撮影し、前記画像処理手段を用いて該複数の画像を解析して、前記画像の任意の位置における単位時間あたりの温度変化量を計測することによって、前記ネジ鉄筋の先端同士を検出し、さらに前記間隔Sを検出して前記表示手段で表示することを特徴とする請求項4に記載の鉄筋間隔測定方法。
【請求項6】
前記加熱手段として、シート状のシリコンラバーに発熱用電線を埋め込んだ電熱ヒーターを用いることを特徴とする請求項4または5に記載の鉄筋間隔測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプラーの両側の開口部から夫々ネジ鉄筋を螺合し、次いでグラウト材をグラウト材注入孔から注入してカプラーの内部空間に充満させ、さらに硬化させた後に、ネジ鉄筋の先端同士の間隔を測定する測定装置および測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築工事や土木工事において、
図3に示すような、ネジ鉄筋1をカプラー2の両側の開口部から螺合して連結する継手(以下、鉄筋継手という)が広く使用されている。そしてネジ鉄筋1を螺合した後、カプラー2に設けられたグラウト注入孔3からグラウト材を注入し硬化させることによって、ネジ鉄筋1を固定する。このような鉄筋継手において、ネジ鉄筋1とカプラー2が螺合した部位の長さW(mm)が短すぎると、コンクリートの補強等に使用することによって作用する引張り方向の荷重(以下、引張り力という)に対する鉄筋継手の強度が低下する。
【0003】
そこで、引張り力に対する鉄筋継手の強度を十分に維持するための許容範囲としてカプラー2の内部空間におけるネジ鉄筋1の先端同士の間隔S(mm)の上限値(D19-D32は20mm、D35-D51は30mm)が規定されている。ネジ鉄筋1の先端同士の間隔Sの上限値の規定は、螺合した部位の長さWの下限値を規定することを意味している。つまり、工事現場にてカプラー2の内部空間における間隔Sが規定された上限値よりも小さくなるようにネジ鉄筋1を捩じ込むことによって、螺合した部位の長さWを十分に確保し、ひいては引張り力に対する鉄筋継手の強度を十分に維持できる。
【0004】
ところが、ネジ鉄筋1とカプラー2を螺合することによってカプラー2の内部空間に侵入したネジ鉄筋1の先端を視認することは不可能である。
この問題を解消するために、ネジ鉄筋1とカプラー2を螺合した時に間隔Sが規定された上限値よりも小さくなるネジ鉄筋1の位置に予めマーク(たとえば塗料による着色等)をつけておき、工事現場にてそのマークの位置までネジ鉄筋1を捩じ込んで鉄筋継手を得る技術が従来から普及している。しかしこの技術は、ネジ鉄筋1の捩じ込みを停止する位置にバラツキが生じるのは避けられないので、カプラー2の内部空間におけるネジ鉄筋1の先端位置が一定にならず、ネジ鉄筋1の先端同士の間隔Sが変動し易いという問題がある。
【0005】
特許文献1には、カプラー2のグラウト注入孔3の周辺を切り取って透明部材を嵌め込み、カプラー2の内部空間におけるネジ鉄筋1を目視で観察しながらネジ鉄筋1を捩じ込む技術が開示されている。しかしこの技術は、カプラー2に複雑な加工を施す必要があるので、カプラー2の製造コストの上昇、ひいては建築工事や土木工事の施工コストの上昇を招く。
【0006】
特許文献2には、ネジ鉄筋1をカプラー2に捩じ込んで鉄筋継手を得た後に超音波探触子から超音波を発信して、ネジ鉄筋1の先端位置を検出する技術が開示されている。しかしこの技術は、高価な超音波発信器を必要とするので、建築工事や土木工事の施工コストの上昇を招くばかりでなく、超音波探触子をネジ鉄筋1に接触させて超音波を発信し、そのエコーを受信するという一連の作業に長時間を要するので、建築工事や土木工事の工期が長くなるという問題がある。また、ネジ鉄筋1の表面に形成されたネジの凹凸に超音波探触子を接触させて超音波を発信するので、ネジ鉄筋1の先端の検出精度が低下して数mm程度の誤差が生じるという問題がある。
【0007】
これらの技術は、いずれもグラウト材をカプラー2の内部空間に充填する前に、ネジ鉄筋1の先端同士の間隔Sを測定する技術である。
ところが建築工事や土木工事の工事現場においては、工事の進捗状況や機材の運用状況に応じて、グラウト材をカプラー2の内部空間に充填して硬化させた後で、ネジ鉄筋1の先端同士の間隔Sを測定する場合がある。このような場合に、間隔Sを測定するための有効な技術は未だ開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012-154164号公報
【特許文献2】特開2003-279547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、ネジ鉄筋をカプラーに捩じ込み、さらにグラウト材を注入して硬化させた後で、簡便な手段で効率良くかつ精度良くネジ鉄筋の先端同士の間隔を測定する測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記した課題を解決するために、ネジ鉄筋をカプラーに捩じ込み、さらにグラウト材を注入して硬化させた鉄筋継手を外側から観察して、グラウト材とネジ鉄筋を識別する技術について検討した。そして、グラウト材とネジ鉄筋の熱伝導率と比熱の差を活用して、鉄筋継手の内側に存在するグラウト材とネジ鉄筋を識別することが可能であることを見出した。
【0011】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、カプラーの両側の開口部から夫々ネジ鉄筋を螺合し、さらにネジ鉄筋の先端同士の隙間にグラウト材を注入して硬化させた鉄筋継手のネジ鉄筋の先端同士の間隔S(mm)を測定する鉄筋間隔測定装置であって、鉄筋継手の加熱手段と、加熱手段による加熱を停止した後の放冷による冷却過程でカプラーの画像を撮影するサーモグラフィカメラと、サーモグラフィカメラで撮影した画像を解析する画像処理手段と、画像処理手段で測定した間隔Sを表示する表示手段と、を有する鉄筋間隔測定装置である。
【0012】
本発明の鉄筋間隔測定装置においては、画像処理手段が、サーモグラフィカメラで所定の時間毎に撮影した複数の画像を解析して、画像の任意の位置における単位時間あたりの温度変化量を計測する機能を有することが好ましい。さらに、加熱手段が、シート状のシリコンラバーに発熱用電線を埋め込んだ電熱ヒーターであることが好ましい。
【0013】
また本発明は、カプラーの両側の開口部から夫々ネジ鉄筋を螺合し、さらにネジ鉄筋の先端同士の隙間にグラウト材を注入して硬化させた鉄筋継手のネジ鉄筋の先端同士の間隔S(mm)を測定する鉄筋間隔測定方法において、着脱可能な加熱手段をカプラーに装着して鉄筋継手を加熱し、鉄筋継手が所定の温度に上昇した後、加熱手段を取り外し、放冷による鉄筋継手の冷却過程でサーモグラフィカメラを用いてカプラーの画像を撮影し、画像処理手段を用いて画像を解析して、画像処理手段で測定した間隔Sを表示手段に表示する鉄筋間隔測定方法である。
【0014】
本発明の鉄筋間隔測定方法においては、サーモグラフィカメラを用いて所定の時間毎に複数の画像を撮影し、画像処理手段を用いて複数の画像を解析して、画像の任意の位置における単位時間あたりの温度変化量を計測することによって、ネジ鉄筋の先端同士を検出し、さらに間隔Sを検出して表示手段で表示することが好ましい。さらに、加熱手段として、シート状のシリコンラバーに発熱用電線を埋め込んだ電熱ヒーターを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ネジ鉄筋をカプラーに捩じ込み、さらにグラウト材を注入して硬化させた後で、簡便な手段で効率良くかつ精度良くネジ鉄筋の先端同士の間隔を測定することが可能となり、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ネジ鉄筋をカプラーに捩じ込み、さらにグラウト材を注入して硬化させた鉄筋継手の例を模式的に示す断面図である。
【
図3】ネジ鉄筋をカプラーに捩じ込んだ鉄筋継手の例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、
図3に示す鉄筋継手の内部空間にグラウト材4を注入して硬化させた例を模式的に示す断面図である。本発明は、
図1に示すように、グラウト材4を注入し、さらに硬化させた後にカプラー2の内部空間におけるネジ鉄筋1の先端同士の間隔S(mm)を測定する技術である。そして、間隔Sを測定するにあたって、まず、カプラー2の外面に着脱可能な加熱手段(
図2参照)を装着する。
【0018】
図2は、加熱手段5の例を模式的に示す斜視図である。
図2に示す加熱手段5は、シート状のシリコンラバー6に発熱用電線7(たとえばニクロム線等)を埋め込んだ電熱ヒーターであり、カプラー2の外面に巻きつけて、ベルトや磁石等を用いて容易に装着できる。また、ベルトや磁石等を解除することによって、容易に取り外すことができる。
【0019】
このようなシート状の電熱ヒーターの加熱性能は、発熱用電線7の分布密度やカプラー2の寸法等に応じて変化するが、1秒あたり10℃程度の昇温速度が得られる。また、シリコンラバー6は約200℃まで十分な耐熱性を有するので、簡便かつ有効な加熱手段である。
【0020】
そして、加熱手段5をカプラー2の外面に装着して、ネジ鉄筋1とグラウト材4とカプラー2が均一な温度になるように加熱する。その加熱温度が低すぎると、後述する冷却過程で明確な温度差が出現しないので、間隔Sの測定精度が低下する。また、加熱温度が高すぎると、加熱するのに長時間を要するので作業効率が低下する。しかも、高温に曝されることによって、シリコンラバー6が劣化して耐用性が低下する。したがって、加熱手段5による加熱温度は30〜50℃の範囲内が好ましい。この温度範囲であれば、
図2に示すようなシート状の電熱ヒーターで20秒程度通電することによって、ネジ鉄筋1とグラウト材4とカプラー2を均一な温度になるように加熱できる。
【0021】
鉄筋継手(すなわちネジ鉄筋1とグラウト材4とカプラー2)が所定の温度に達した時に加熱を停止し、加熱手段5を取り外す。
次いで、そのまま鉄筋継手を大気中で冷却(いわゆる放冷)し、冷却過程でサーモグラフィカメラを用いて、カプラー2外面の画像を撮影する。つまり、冷却速度の差によって生じる温度差が画像として撮影される。
【0022】
鉄製のネジ鉄筋1とカプラー2、および無機物や化学樹脂の混合物であるグラウト材4の熱伝導率、比熱を表1に示す。表1から明らかなように、比熱の大きいグラウト材は温まると冷めにくいという特性を有する。したがって、放冷による冷却過程で、ネジ鉄筋1は低温となり、グラウト材4は高温となって温度差が生じ、その温度差が熱伝導率の高いカプラー2の外面に現われる。近年、高精度(たとえば感度0.05℃)のサーモグラフィカメラが開発され、実用化されているので、カプラー2の外面を撮影することによって、その画像から温度差を識別することができる。
【0024】
次に、画像を解析して、低温の領域(すなわちネジ鉄筋1)と高温の領域(すなわちグラウト材4)との境界を検出する。そして、その境界がネジ鉄筋1の先端であるから、画像を解析することによって、間隔Sを測定できる。
【0025】
また、間隔Sの測定精度を高めるために、所定の時間毎に撮影した複数の画像を解析して、単位時間あたりの温度変化量を計測しても良い。その場合は、カプラー2とサーモグラフィカメラの相対的な位置関係を変化させず、同じ視野を一定の時間間隔で撮影(たとえば25回/秒)する。そして、それらの複数の画像を解析して、単位時間あたりの温度変化量(℃/秒)を計測する。なお、ここで温度変化は温度の低下を意味する。
【0026】
そして、同じ視野を撮影した画像の任意の位置における温度変化量を求め、温度変化量の大きい領域をネジ鉄筋1と判定し、温度変化量の小さい領域をグラウト材4と判定して、その境界を検出する。そして、その境界がネジ鉄筋1の先端であるから、画像を解析することによって、間隔Sを測定できる。なお、画像中の鉄筋継手以外の領域では温度変化は生じない。
【0027】
このような画像解析は、画像処理手段(たとえば演算装置等)を用いることによって、迅速かつ正確に行なうことができる。近年、演算装置の記憶容量や処理速度が著しく向上しているので、安価かつ容易に画像解析を行なうことができる。
こうして測定した間隔Sを表示手段で表示する。表示手段は特に限定せず、ディスプレイに表示する、紙に印刷する等の従来から知られている手段を使用する。
【0028】
以上に説明した通り、本発明によれば、カプラーの内部空間にグラウト材を注入して硬化させた後で、簡便な手段で効率良くかつ精度良くネジ鉄筋の先端同士の間隔を測定することができる。
【0029】
また本発明は、カプラーの内部に注入したグラウト材が十分に充満せず、空洞が存在する場合には、その空洞を検出することもできる。空洞の内部には大気が充満しており、その熱伝導率や比熱はグラウト材とは異なる。そのため、加熱手段による加熱が終了した後の放冷による冷却過程で、空洞とグラウト材との温度差が生じる。それをサーモグラフィカメラで撮影して、画像を上記と同様に解析することによって、空洞の存在を検出でき、さらに空洞の寸法を測定できる。
【実施例】
【0030】
2本のネジ鉄筋(軸体の直径48.3mm、ネジ山の高さ4.2mm、長さ300mm)を製造し、カプラー(サイズD51)の両側の開口部から夫々捩じ込んで螺合した後、カプラーのグラウト注入孔からグラウト材を注入し、さらに硬化させた。
【0031】
得られた鉄筋継手のカプラーの両側から突出しているネジ鉄筋の長さを夫々測定し、ネジ鉄筋の長さ(=300mm)からその測定値を減算することによって、ネジ鉄筋とカプラーが螺合した部位の長さW(
図1参照)を算出した。こうして両側のネジ鉄筋について夫々W値を算出し、次いでカプラーの長さからW合計値を減算して、ネジ鉄筋の先端同士の間隔S(
図1参照)を算出した。これをS
standardとする。
【0032】
次に、その鉄筋継手のカプラー外面にシート状の電熱ヒーターを装着し、20秒通電して、35℃に加熱した。引き続き、シート状の電熱ヒーターを取り外して鉄筋継手を放冷し、その冷却過程でサーモグラフィカメラ(感度0.05℃)を用いてカプラー外面の画像を1回撮影した。次に、その画像を解析して得られた温度差に基づいて間隔Sを測定した。これをS
example-Aとする。
【0033】
次に、上記と同様に、鉄筋継手のカプラー外面にシート状の電熱ヒーターを装着し、20秒通電して、35℃に加熱した。引き続き、シート状の電熱ヒーターを取り外して鉄筋継手を放冷し、その冷却過程でサーモグラフィカメラ(感度0.05℃)を用いてカプラー外面の画像を1秒間に25回(合計3000回)撮影した。次に、それらの画像を解析して得られた1秒あたりの温度変化量(℃/秒)を計測して、間隔Sを測定した。これをS
example-Bとする。
【0034】
こうして得られたS
standardとS
example-Aを比較すると、誤差は1.2mmであった。S
standardとS
example-Bを比較すると、誤差は0.8mmであった。
既に説明した通り従来の超音波を用いる測定技術では数mmの誤差が生じるのに対して、本発明によれば良好な精度で測定できることが確かめられた。しかも、超音波を用いる測定技術は、グラウト材を注入して硬化させた後に間隔Sを測定するのは困難であることから、本発明に係る測定技術が著しい効果をもたらすことが分かる。
【符号の説明】
【0035】
1 ネジ鉄筋
2 カプラー
3 グラウト注入孔
4 グラウト材
5 加熱手段
6 シート状のシリコンラバー
7 発熱用電線