(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0034】
1.IP伝送方式によるデジタル放送の概要
2.パケット構造
(1)LCTヘッダ(パターン1)
(2)LCTヘッダ(パターン2)
(3)LCTヘッダ(パターン3)
3.パケットのフィルタリング処理
4.運用例
5.放送通信システムの構成
6.各装置で実行される具体的な処理の流れ
7.コンピュータの構成
【0035】
<1.IP伝送方式によるデジタル放送の概要>
【0036】
(IP伝送方式の放送波の構成)
図1は、IP伝送方式のデジタル放送の放送波の構成を示す図である。
【0037】
図1に示すように、所定の周波数帯域を有する放送波(RF Channel)には、複数のBBPストリーム(BBP Stream)が伝送されている。また、各BBPストリームには、NTP(Network Time Protocol)、複数のサービスチャンネル(Service Channel)、ESG(ESG Service)、及び、LLS(Low Layer Signaling)が含まれる。
【0038】
ここでは、NTP、サービスチャンネル、電子サービスガイドは、UDP/IPのプロトコルに従って伝送されるが、LLSは、BBPストリーム上で伝送される。また、NTPは、時刻情報であって、複数のサービスチャンネルで共通のものとなる。ESG(Electronic Service Guide)は、番組に関するメタデータを含む電子サービスガイドである。
【0039】
各サービスチャンネルには、ビデオデータ(Video)やオーディオデータ(Audio)、字幕等(CC:Closed Captioning)のコンポーネント(Component)と、SCS(Service Channel Signaling)が含まれる。SCSは、サービス単位のシグナリングデータである。また、各サービスチャンネルには、共通のIPアドレスが付与されており、例えば、このIPアドレスを用いて、1又は複数のサービスチャンネルごとに、コンポーネントやSCSなどをパッケージ化することができる。
【0040】
なお、IP伝送方式のデジタル放送において、放送ネットワーク(Network)には、ネットワークID(network_id)が割り当てられ、BBPストリームには、BBPストリームID(BBP_stream_id)が割り当てられる。また、各BBPストリームに含まれる1又は複数のサービス(Service)は、サービスID(service_id)が割り当てられる。ただし、サービス(Service)は、
図1のサービスチャンネル(Service Channel)に相当するものである。
【0041】
このように、IP伝送方式のデジタル放送においては、ID体系として、MPEG2-TS方式で用いられているネットワークID(network_id)、トランスポートストリームID(transport_stream_id)、及び、サービスID(service_id)の組み合わせ(以下、「トリプレット(Triplet)」という。)に対応する構成を採用し、このトリプレットによって、放送ネットワーク内のBBPストリーム構成とサービス構成が示される。
【0042】
これにより、現在広く普及しているMPEG2-TS方式との整合をとることができるため、例えば、MPEG2-TS方式からIP伝送方式への移行時のサイマルキャストに容易に対応することが可能となる。ただし、IP伝送方式のID体系においては、トランスポートストリームIDの代わりに、BBPストリームIDが用いられている。
【0043】
(プロトコルスタック)
図2は、IP伝送方式のデジタル放送のプロトコルスタックを示す図である。
【0044】
図2に示すように、最も下位の階層は、物理層(Physical Layer)とされる。IP伝送方式のデジタル放送では、放送を利用した伝送に限らず、一部のデータを、通信を利用して伝送する場合があるが、放送を利用する場合、その物理層(Broadcast PHY)は、サービス(チャンネル)のために割り当てられた放送波の周波数帯域が対応することになる。
【0045】
物理層の上位の階層は、IP層とされる。IP層は、TCP/IPのプロトコルスタックにおけるIP(Internet Protocol)に相当するものであり、IPアドレスによりIPパケットが特定される。IP層に隣接する上位階層はUDP層とされ、さらにその上位の階層は、FLUTE+とされる。すなわち、IP伝送方式のデジタル放送においては、IPアドレスとUDP(User Datagram Protocol)のポート番号が指定されたパケットが送信され、FLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)セッションが確立されるようになされている。
【0046】
なお、FLUTE+は、従来から規定されているFLUTEが拡張されたものであり、FLUTEの詳細は、RFC6726として規定されている。また、FLUTE+(plus)は、「FLUTE enhancement」と称される場合がある。FLUTEセッションでは、送信するファイルなどを1つのオブジェクトとして、TOI(Transport Object Identifier)により管理する。また、複数のオブジェクトの集合を1つのセッションとして、TSI(Transport Session Identifier)により管理する。すなわち、FLUTEセッションにおいては、TSIとTOIの2つの識別情報によって特定のファイルを指定することが可能となる。
【0047】
FLUTEに隣接する上位階層のうち、一部の階層は、ESG(Electronic Service Guide)、SCS(Service Channel Signaling)、NRTコンテンツ(NRT Content)とされ、ESG、SCS、NRTコンテンツは、FLUTEセッションにより伝送される。NRTコンテンツは、NRT(Non Real Time)放送で伝送されるコンテンツであって、受信機のストレージに一旦蓄積された後で再生が行われる。なお、NRTコンテンツは、コンテンツの一例であって、他のコンテンツのファイルがFLUTEセッションにより伝送されるようにしてもよい。
【0048】
SCSとしては、例えば、USBD(User Service Bundle Description)、MPD(Media Presentation Description)、SDP(Session Description Protocol)、SPD(Service Parameter Description)が伝送される。
【0049】
USBDは、MPDとSDPを参照するための情報などを含んでいる。MPDは、サービス単位で伝送されるコンポーネントごとのセグメントURL(Uniform Resource Locator)などの情報を含んでいる。SDPは、コンポーネントのロケーション情報などを含んでいる。SPDは、サービスとコンポーネントのレベルで規定された各種のパラメータを含んで構成される。なお、USBD、MPD、SDP、及び、SPDは、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語により記述される。
【0050】
FLUTEに隣接する上位階層のうち、上述した階層以外の他の階層は、HTTP(internal server)とされ、さらに、HTTPに隣接する上位階層は、DASH(ISO BMFF)とされる。また、DASH(ISO BMFF)に隣接する上位階層は、ビデオデータ(Video)、オーディオデータ(Audio)、字幕データ(Closed Caption)等のコンポーネントとされる。すなわち、ビデオやオーディオ、字幕等のコンポーネントは、ISO Base Media File Formatの規格に準じたメディアセグメント(Media Segment)単位で、FLUTEセッションにより伝送されることになる。
【0051】
LLS(Low Layer Signaling)は、低レイヤのシグナリングデータであって、BBPストリーム上で伝送される。例えば、LLSとしては、SCD(Service Configuration Description)、SAD(Service Association Description)、EAD(Emergency Alerting Description)、RRD(Region Rating Description)が伝送される。
【0052】
SCDは、は、MPEG2-TS方式で用いられているトリプレットに相当するID体系を採用し、このトリプレットによって、放送ネットワーク内のBBPストリーム構成とサービス構成が示される。また、SCTには、サービス単位の属性・設定情報としてのIPアドレス等の情報、ESGにアクセスするためのESG bootstrap情報、SCSにアクセスするためのSC bootstrap情報が含まれる。
【0053】
SADは、BBPストリームごとのオンエア中のサービスを示す。EADは、緊急告知に関する情報を含んでいる。RRDは、レーティング情報を含んでいる。なお、SCD、SAD、EAD、及び、RRDは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。
【0054】
また、通信を利用する場合、その物理層(Broadband PHY)の上位の階層は、IP層とされる。また、IP層に隣接する上位階層は、TCP層とされ、さらに、TCP層に隣接する上位階層は、HTTP(S)(external server)層とされる。すなわち、これらの階層によって、インターネット等のネットワークで稼働するプロトコルスタックが実装される。
【0055】
これにより、受信機は、例えばインターネット上のサーバとの間で、TCP/IPプロトコルを用いた通信を行い、ESGやSCS,NRTコンテンツ等を受信することができる。また、受信機は、インターネット上のサーバから、適応的にストリーミング配信されるビデオやオーディオ等のコンポーネントを受信することができる。なお、このストリーミング配信は、MPEG-DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)の規格に準拠したものとなる。
【0056】
また、放送のFLUTEセッションや、通信のTCP/IPプロトコルを用いて、アプリケーション(Applications)を伝送することができる。このアプリケーションは、HTML5(HyperText Markup Language 5)等のマークアップ言語により記述することができる。
【0057】
IP伝送方式のデジタル放送では、以上のようなプロトコルスタックを採用していることから、例えば、ESGやSCS等のシグナリングデータを、放送と通信のどちらで伝送する場合であっても、IP層よりも下位の階層となる物理層(とデータリンク層)を除く階層、つまり、IP層よりも上位の階層では、プロトコルを共通にすることが可能となるため、受信機等においては、実装の負担や処理の負担を軽減することが期待される。
【0059】
(パケット構造)
図3は、IP伝送方式のデジタル放送の放送波で伝送されるパケット構造を示す図である。なお、
図3のパケット構造は、
図2のプロトコルスタックの放送側の階層に対応したものとなる。
【0060】
すなわち、物理フレーム(PHY Frame)は、
図2の物理層(Broadcast PHY)におけるフレーム構造に相当する。また、BBPパケット(Base Band Packet)は、
図2の物理層(Broadcast PHY)とIP層との間に位置するBBPストリーム(Base Band Packet Stream)で伝送されるパケットの構造に相当する。さらに、IPパケット(IP Packet)は、
図2のIP層、UDPパケット(UDP Packet)は、
図2のUDP層、FLUTEパケットは、
図2のFLUTE層のパケット構造にそれぞれ相当するものである。なお、以下の説明では、FLUTEパケットを、LCT(Layered Coding Transport)パケットと称して説明する。
【0061】
図3に示すように、物理フレームは、物理ヘッダとペイロードから構成される。物理フレームのペイロードには、複数のBBPパケットが含まれる。各BBPパケットは、BBPヘッダとペイロードから構成される。BBPパケットのペイロードには、IPパケットが含まれる。すなわち、BBPストリームによりIPパケットを伝送する場合には、ペイロードの部分がIPパケットとなる。
【0062】
IPパケットは、IPヘッダとペイロードから構成される。また、UDPパケットは、UDPヘッダとペイロードから構成される。さらに、LCTパケットは、LCTヘッダとペイロードから構成される。すなわち、FLUTEセッションにより伝送される、ビデオやオーディオのコンポーネント、ESG、SCSなどのデータを格納したパケットには、BBPヘッダ、IPヘッダ、UDPヘッダ、及び、LCTヘッダが付加されることになる。
【0063】
次に、
図4乃至
図11を参照して、
図3に示したLCTパケットに付加されるLCTヘッダの詳細な構造について説明する。なお、LCTヘッダの詳細は、RFC5651として規定されている。
【0065】
図4は、パターン1のLCTヘッダの構造を示す図である。なお、
図5には、
図4のLCTヘッダを構成する各要素の説明がなされており、適宜参照しながら説明するものとする。
【0066】
図4に示すように、LCTパケットは、「V」から「Data_Version」までのヘッダ情報が配置されるLCTヘッダと、シグナリングデータ等の実データが配置されるLCTペイロードから構成される。
【0067】
LCTヘッダの先頭には、
図4において「V」で表されるLCTパケットのバージョンが配置される。
図4において「V」の次には、「C」が配置される。「C」には、CCI(Congestion Control Information)の長さを示すフラグが配置される。また、
図4において「C」の次には「PSI」が配置される。「PSI」には、PSI(Protocol Specific Information)を設定するビットが配置される。
【0068】
図4において「PSI」の次には、「S」が配置される。「S」には、TSI(Transport Session Identifier)の長さを示すフラグが配置される。「S」の次には「O」が配置され、さらにその次には「H」が配置される。「O」と「H」には、
図4のLCTヘッダに配置される、「CO」、「Type」、「Filter_Extension」、及び、「Data_Version」の長さを示すフラグが配置される。なお、詳細は後述するが、「CO」、「Type」、「Filter_Extension」、及び、「Data_Version」は、シグナリングデータのフィルタリング処理に用いられるパラメータであって、以下、「フィルタリング情報」と称する。
【0069】
例えば、
図6に示すように、「O」を2ビット、「H」を1ビットとした場合に、「O」と「H」のビットの組み合わせにより、フィルタリング情報のビット長が決定される。具体的には、「O」が"00"で、「H」が"1"となる場合、フィルタリング情報のトータルのビット長は、16ビットとなり、当該16ビットのうち、「CO」には2ビット、「Type」には8ビット、「Data_Version」には6ビットが割り当てられる。この場合、「Filter_Extension」を指定することはできない。
【0070】
また、「O」が"01"で、「H」が"0"となる場合、フィルタリング情報のトータルのビット長32ビットのうち、「CO」には2ビット、「Type」には8ビット、「Filter_Extension」には6ビット、「Data_Version」には16ビットが割り当てられる。さらに、「O」が"01"で、「H」が"1"となる場合、フィルタリング情報のトータルのビット長48ビットのうち、「CO」には2ビット、「Type」には8ビット、「Filter_Extension」には22ビット、「Data_Version」には16ビットが割り当てられる。
【0071】
さらにまた、「O」が"10"で、「H」が"0"となる場合、フィルタリング情報のトータルのビット長64ビットのうち、「CO」には2ビット、「Type」には8ビット、「Filter_Extension」には38ビット、「Data_Version」には16ビットが割り当てられる。さらに、「O」が"10"で、「H」が"1"となる場合、フィルタリング情報のトータルのビット長80ビットのうち、「CO」には2ビット、「Type」には16ビット、「Filter_Extension」には46ビット、「Data_Version」には16ビットが割り当てられる。
【0072】
また、「O」が"11"で、「H」が"0"となる場合、フィルタリング情報のトータルのビット長96ビットのうち、「CO」には2ビット、「Type」には16ビット、「Filter_Extension」には62ビット、「Data_Version」には16ビットが割り当てられる。さらに、「O」が"11"で、「H」が"1"となる場合、フィルタリング情報のトータルのビット長112ビットのうち、「CO」には2ビット、「Type」には16ビット、「Filter_Extension」には78ビット、「Data_Version」には16ビットが割り当てられる。
【0073】
図4に戻り、「H」の次に配置される「Res」は、将来の拡張用の領域を示す。「Res」の次には、「A」が配置される。「A」には、セッションの終了を示すフラグが配置される。「A」の次には、「B」が配置される。「B」には、オブジェクトの終了を示すフラグが配置される。「B」の次には、「HDR_LEN」が配置される。「HDR_LEN」には、ヘッダ長が配置される。「HDR_LEN」の次には、が配置される。「CP」は、Code Pointの略であって、コードポイントの値が配置される。このコードポイントの利用方法は、運用ごとに異なる。
【0074】
「CP」の次には、「CCI」が配置される。「CCI」には、CCI(Congestion Control Information)が配置される。「CCI」の次には、「TSI」が配置される。「TSI」には、TSI(Transport Session Identifier)が配置される。「TSI」の次には、通常は「TOI」が配置されるが、パターン1のLCTヘッダでは、フィルタリング情報として、「CO」、「Type」、「Filter_Extension」、及び、「Data_Version」を配置する。
【0075】
「CO」は、Compressの略であって、対象のシグナリングデータの圧縮の有無を示す圧縮情報である。対象のシグナリングデータが圧縮されている場合には、例えばZIPなどの圧縮フォーマットも示される。
【0076】
「Type」は、シグナリングデータのタイプを示すタイプ情報である。例えば、
図7に示すように、すべてのシグナリングデータの場合、「Type」には"1"が指定される。同様に、「Type」には、シグナリングデータの種別に応じた値が指定され、ESGには"2"、USBDには"3"、FDDには"4"、MPDには"5"、SDPには"6"、SPDには"7"がそれぞれ指定される。
【0077】
図5に戻り、「Filter_Extension」は、シグナリングデータのタイプごとに設定されるフィルタリング条件を示す拡張フィルタ情報である。このフィルタリング条件は、任意に設定することができる。「Data_Version」は、対象のシグナリングデータのバージョンを示すバージョン情報である。
【0078】
なお、フィルタリング情報としては、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)のすべてを配置する必要はなく、それらの情報のうち、少なくとも1つの情報がフィルタリング条件に応じて配置されればよい。また、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)は、フィルタリング情報の一例であって、シグナリングデータのフィルタリング処理に用いることができるパラメータであれば、他のパラメータを定義してもよい。
【0079】
以上、パターン1のLCTヘッダでは、従来、FLUTEセッションで伝送されるオブジェクトの識別情報として用いられるTOIに、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)からなるフィルタリング情報を定義している。これにより、受信機では、当該LCTヘッダのフィルタリング情報を用い、LCTパケットのフィルタリング処理を行うことで、対象のシグナリングデータを取得することができる。
【0081】
図8及び
図9は、パターン2のLCTヘッダの構造を示す図である。なお、
図10には、
図8及び
図9のLCTヘッダを構成する各要素の説明がなされており、適宜参照しながら説明するものとする。
【0082】
図8に示すように、パターン2のLCTヘッダは、パターン1のLCTヘッダ(
図4)と比較すると、「TSI」の次に、「TOI」が配置され、さらに、「TOI」の次に、「Header Extensions」が配置される点が相違している。また、
図9に示すように、「Header Extensions」には、「CO」、「Type」、「Filter_Extension」、及び、「Data_Version」が配置されている。すなわち、「Header Extensions」は、LCTヘッダの拡張領域(LCT拡張ヘッダ)であり、このLCT拡張ヘッダに、シグナリングデータのフィルタリング処理に用いられるフィルタリング情報が配置されるようにする。
【0083】
このようなLCTヘッダの構造を採用することで、「TSI」のほかに「TOI」が配置され、「TOI」は、従来からのFLUTEプロトコルが踏襲されるため、受信機では、通常のLCTヘッダに加えて、LCT拡張ヘッダについてもパースする処理が必要となるが、従来のFLUTEプロトコルとの後方互換性を維持することができるというメリットがある。なお、LCTヘッダにおける「Header Extensions」の領域は、「HDR_LEN」を用いて特定することができる。
【0084】
以上、パターン2のLCTヘッダでは、従来、FLUTEセッションで伝送されるオブジェクトの識別情報として用いられるTOIはそのままに、その拡張領域に、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)からなるフィルタリング情報を定義している。これにより、受信機では、当該LCTヘッダのフィルタリング情報を用い、LCTパケットのフィルタリング処理を行うことで、対象のシグナリングデータを取得することができる。
【0086】
図11は、パターン3のLCTヘッダの構造を示す図である。
【0087】
図11に示すように、パターン3のLCTヘッダは、パターン1のLCTヘッダ(
図4)と比較すると、「CP」の代わりに、「CO」と「Type」が配置される点が相違している。この場合において、コードポイントの値を示す「CP」が8ビットとなるとき、対象のシグナリングデータの圧縮の有無を示す「CO」には2ビットを、シグナリングデータのタイプを示す「Type」には6ビットをそれぞれ割り当てるようにする。
【0088】
また、「TSI」の次には、「CO」、「Type」、「Filter_Extension」、及び、「Data_Version」のうち、「Filter_Extension」と「Data_Version」のみが配置される点も相違している。この場合において、シグナリングデータのタイプごとに設定されるフィルタリング条件を示す「Filter_Extension」には16ビットを、対象のシグナリングデータのバージョンを示す「Data_Version」には16ビットをそれぞれ割り当てるようにする。
【0089】
以上、パターン3のLCTヘッダでは、CP(CodePoint)に、圧縮情報(CO)とタイプ情報(Type)を配置し、さらにTOIに、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)とバージョン情報(Data_Version)を配置することで、当該LCTヘッダにフィルタリング情報を定義している。これにより、受信機では、当該LCTヘッダのフィルタリング情報を用い、LCTパケットのフィルタリング処理を行うことで、対象のシグナリングデータを取得することができる。
【0090】
なお、上述したパターン1乃至パターン3は、LCTヘッダに配置される、フィルタリング情報の一例であって、LCTヘッダにフィルタリング情報を配置できるのであれば、他の配置を採用してもよい。例えば、パターン3のLCTヘッダでは、フィルタリング情報の一部をコードポイントの代わりに配置する例を説明したが、フィルタリング情報の全部がコードポイントの代わりに配置されるようにしてもよい。
【0091】
<3.パケットのフィルタリング処理>
【0092】
図12は、パケットのフィルタリング処理を説明するための図である。
【0093】
図12に示すように、フィルタリング処理を行うフィルタリング処理部には、LLS、ESG、SCS、アプリケーション(APP)、ビデオデータ(Video)やオーディオデータ(Audio)、字幕データ(CC)などのコンポーネント、NTP等のデータを格納した各パケットが入力される。パケットには、各種のヘッダが付加されている。
【0094】
図12のフィルタリング処理部は、BBPフィルタf1、IPフィルタf2、UDPフィルタf3、及び、LCTフィルタf4を有している。BBPフィルタf1は、BBPヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。また、IPフィルタf2は、IPヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。さらに、UDPフィルタf3は、UDPヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。LCTフィルタf4は、LCTヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。
【0095】
図12の例では、LLSのパケット以外のパケットは、IPパケットであってIPフィルタf2のフィルタリング条件を満たすので、BBPフィルタf1とIPフィルタf2を通過する。一方、LLSのパケットは、IPフィルタf2のフィルタリング条件を満たさないため、IPフィルタf2を通過せずに、当該パケットに格納されたLLSが取得されることになる。LLSには、トリプレット(triplet)、ESG bootstrap情報、SC bootstrap情報が含まれており、例えば、特定のサービスのIPアドレス(IP Address)やポート番号(Port Number)、TSIを取得することができるので、これらをフィルタリング条件として、フィルタリング処理が行われる。
【0096】
また、各パケットのIPヘッダにはIPアドレスが含まれ、UDPヘッダにはポート番号が含まれているので、フィルタリング条件を満たすパケットのみが、IPフィルタf2とUDPフィルタf3を通過することになる。また、FLUTEセッションを利用して伝送されるパケットには、LCTヘッダが付加されている。ここで、LCTヘッダには、TSIやTOIなどが含まれているので、フィルタリング条件を満たすパケットのみが、LCTフィルタf4を通過することになる。
【0097】
また、LCTヘッダには、フィルタリング情報として、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)が配置されているので、当該フィルタリング情報がフィルタリング条件を満たしたLCTパケットのみが、LCTフィルタf4を通過するようにすることができる。これにより、例えば、SCSのバージョン情報(Data_Version)が変化した場合にのみ、SCSのパケットを通すといったことが可能となる。
【0098】
以上のようなフィルタリング処理が行われることで、ESGのパケットはESGエンジン(ESG engine)、SCSのパケットはシグナリングエンジン(Signaling engine)、アプリケーション(App)のパケットはアプリケーションエンジン(App engine)にそれぞれ出力される。さらにまた、字幕データ(CC)のパケットは字幕デコーダ(Decoder)、オーディオデータ(Audio)のパケットはオーディオデコーダ(Decoder)、ビデオデータ(Video)のパケットはビデオデコーダ(Decoder)、NTPのパケットはクロック発生器(Clock)にそれぞれ出力される。
【0099】
そして、後段のブロックで各種の処理が施されたESG、アプリケーション、ビデオや字幕のデータに対応する映像が、ディスプレイ(Display)に表示される。また、オーディオデータに対応する音声が、スピーカ(不図示)から出力される。なお、アプリケーションは、メディアプレーヤ(Media player)によって、ディスプレイに表示される場合がある。
【0101】
次に、
図13乃至
図16を参照して、具体的な運用例を説明する。
【0102】
(1)運用例1
図13は、特定のESGのファイルを取得するためのフィルタリング処理を説明するための図である。
【0103】
図13において、放送局(放送事業者)の送信機は、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって、各サービスを構成するコンポーネントやSCS、ESG、LLSなどを伝送している。
【0104】
ただし、当該デジタル放送では、上述したID体系が採用されている。また、コンポーネントやSCS、ESGのファイルは、FLUTEセッションで伝送されており、それらのLCTパケットのLCTヘッダには、フィルタリング情報として、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)が配置されている。
図13の放送波の例では、FLUTEセッションとして、TSI=XとなるFLUTEセッション(以下、「ソースフロー(source flow)」という。)と、TSI=YとなるFLUTEセッション(以下、「シグナリングフロー(signaling flow)」という。)が伝送されている。
【0105】
図13に示すように、各家庭等に設置された受信機は、ESG取得処理が開始されると、初期スキャン時などに取得されたLLS(SCD)のESG bootstrap情報に従い、IPヘッダとUDPヘッダによるフィルタリング処理を行い、IPアドレスとポート番号のフィルタリング条件を満たしている、対象のサービスのパケットを抽出する。ここでは、IPアドレスとポート番号のフィルタリング条件を満たしていないパケットは、別サービスのフローとなる。
【0106】
また、受信機は、LLS(SCD)のESG bootstrap情報に従い、LCTヘッダによるフィルタリング処理を行い、TSIのフィルタリング条件を満たしているLCTパケットを抽出する。ここでは、シグナリングフローのLCTパケットを抽出するので、LCTヘッダのTSIの値として、TSI=Yとなるパケットが抽出される。なお、当該フィルタリング処理では、ソースフローのパケットは、TSI=Xとなるため、TSIのフィルタリング条件を満たしていないため、抽出されないこととなる。
【0107】
ここで、TSI=YとなるLCTパケットのLCTヘッダには、タイプ情報(Type)が配置されており、このタイプ情報によって、シグナリングデータのタイプを認識することができる。シグナリングデータとしては、ESG、USBD、MPDなどが伝送されているが、この運用例1では、ESGのファイルを取得するのであるから、Type="2"をフィルタリング条件として、LCTパケットをフィルタリングすることで、ESGのLCTパケットのみが抽出される。
【0108】
また、ESGは、各サービス(チャンネル)ごとの番組に関する情報を提供する電子サービスガイドであるが、多数のサービスが提供され、さらに期間を限定しない場合には、そのデータ量は膨大なものとなる。そこで、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)をフィルタリング条件に指定して、必要な情報のみを効率的に取得することができるようにする。
【0109】
例えば、サービスID、スケジュール、スロットなどをフィルタリング条件として設定することで、複数のESGのファイルの中から、特定のESGのファイルのみを抽出することができる。具体的には、チャンネル番号などのサービス識別情報(例えば、10.1CH)、1日、1週間、若しくは1ヶ月などの期間による取得範囲(例えば、Today)、又は、時間、n日後、若しくはn週間後などのスロット(例えば、18-21)などがフィルタリング条件として設定される。
【0110】
以上のように、運用例1においては、LLS(SCD)のESG bootstrap情報によって、IPアドレスやポート番号、TSIを解決した後に、LCTヘッダに配置されたタイプ情報(Type)と、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)を用い、シグナリングデータの中から、フィルタリング条件を満たす特定のESGのファイルのみを取得することができるため、受信機は、最適なタイミングで、必要な情報のみを効率的に取得することができる。
【0111】
(2)運用例2
図14は、更新後のMPDを取得するためのフィルタリング処理を説明するための図である。
【0112】
図14において、放送局の送信機は、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって、各サービスを構成するコンポーネントやSCSなどを伝送している。ただし、当該デジタル放送では、上述したID体系が採用されている。また、
図14の例では、コンポーネントやSCSを伝送するFLUTEセッションとして、ソースフロー(TSI=X)と、シグナリングフロー(TSI=Y)が伝送されている。さらに、LCTパケットのLCTヘッダには、フィルタリング情報が配置されている。
【0113】
図14に示すように、各家庭等に設置された受信機は、MPDの更新が検知されると、初期スキャン時などに取得されたLLS(SCD)のSC bootstrap情報に従い、IPヘッダとUDPヘッダによるフィルタリング処理を行い、IPアドレスとポート番号のフィルタリング条件を満たしている、対象のサービスのパケットを抽出する。ここでは、IPアドレスとポート番号のフィルタリング条件を満たしていないパケットは、別サービスのフローとなる。
【0114】
また、受信機は、LLS(SCD)のSC bootstrap情報に従い、LCTヘッダによるフィルタリング処理を行い、TSIのフィルタリング条件を満たしているLCTパケットを抽出する。ここでは、シグナリングフローのLCTパケットを抽出するので、LCTヘッダのTSIの値として、TSI=YとなるLCTパケットが抽出される。なお、当該フィルタリング処理では、ソースフローのパケットは、TSI=Xとなるため、TSIのフィルタリング条件を満たしていないため、抽出されないこととなる。
【0115】
ここで、TSI=YとなるLCTパケットのLCTヘッダには、タイプ情報(Type)が配置されており、このタイプ情報によって、シグナリングデータのタイプを認識することができる。シグナリングデータとしては、ESG、USBD、MPDなどが伝送されているが、この運用例2では、MPDのファイルを取得するのであるから、Type="5"をフィルタリング条件として、LCTパケットをフィルタリングすることで、MPDのパケットのみが抽出される。
【0116】
また、MPDは、「present」と「following」の2種類存在する。MPD_presentは、現在のMPDであることを示し、MPD_followingは、更新用のMPDであることを示す。そこで、バージョン情報(Data_Version)をフィルタリング条件に指定して、MPDのバージョンを比較することで、更新用のMPDを取得することができるようにする。
図14の例の場合、当該フィルタリング条件を用いたフィルタリング処理によって、MPDのバージョンが比較され、MPD_followingが取得される。
【0117】
以上のように、運用例2においては、LLS(SCD)のESG bootstrap情報によって、IPアドレスやポート番号、TSIを解決した後に、LCTヘッダに配置されたタイプ情報(Type)と、バージョン情報(Data_Version)を用い、シグナリングデータの中から、更新用のMPDのみを取得することができるため、受信機は、バージョンの更新検知の際に、最適なタイミングで、必要な情報のみを効率的に取得することができる。
【0118】
すなわち、受信機は、LLS(SCD)により特定のサービスのIPアドレス、ポート番号、TSIが解決された後に、当該FLUTEセッションによりLCTパケット化されたシグナリングデータを取得する。つまり、同一の階層となるLCTヘッダに、シグナリングデータを格納したLCTパケットのフィルタリング条件となるフィルタリング情報(パラメータ)を追加することで、最適なタイミングで効率的にフィルタリング処理を行うことができる。
【0119】
(3)運用例3
図15は、放送のみを用いてデータを伝送する場合の選局処理を説明するための図である。
【0120】
図15において、放送局の送信機は、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって、各サービスを構成するコンポーネントやSCSなどを伝送している。ただし、当該デジタル放送では、上述したID体系が採用されている。また、
図15の例では、コンポーネントやSCSを伝送するFLUTEセッションとして、ソースフロー(TSI=X)と、シグナリングフロー(TSI=Y)が伝送されている。さらに、LCTパケットのLCTヘッダには、フィルタリング情報を配置することができる。
【0121】
図15に示すように、各家庭等に設置された受信機は、ユーザによって、特定のサービスの選局操作が行われると(S11)、初期スキャン時などに取得されたSCDのSC bootstrap情報を取得する(S12)。受信機は、SC bootstrap情報に従い、IPアドレス、ポート番号、及び、TSIのフィルタリング条件を満たしているLCTパケットを抽出する。ここでは、シグナリングフローのLCTパケットを抽出するので、LCTヘッダのTSIの値として、TSI=YとなるLCTパケットが抽出される(S13)。
【0122】
ここで、シグナリングフローでは、シグナリングデータとして、USBD(User Service Bundle Description)、MPD(Media Presentation Description)、SDP(Session Description Protocol)、SPD(Service Parameter Description)などが伝送されている。USBDには、FDD(File Delivery Description)やdeliveryMethodなどが記述されているので、受信機は、USBDのLCTパケットを抽出することで、FDDを取得することができる(S14)。FDDには、TSIごとのインデックス情報として、ロケーション情報(例えばURLなど)やTOIなどが記述されている。
【0123】
受信機は、FDDのインデックス情報に従い、ソースフロー(TSI=X)にアクセスして(S15,S16)、特定のサービスを構成するコンポーネントのデータを格納したLCTパケットを取得することができる(S17)。なお、LCTパケットには、LCTヘッダの他に、Entityヘッダを付加して、例えば動的に変化する情報などを配置することができる(S18)。そして、受信機は、LCTパケットから復元されるコンポーネントのデータをバッファに保存し(S19)、レンダリング処理を行うことで、当該コンポーネントに対応する映像や音声を出力する(S20)。
【0124】
以上のように、運用例3においては、選局時に放送で伝送されるデータのみを利用する場合に、SCDとFDDのみを用いて、選局された特定のサービスを構成するコンポーネントを取得することができる。この場合、MPD、SDP、SPDを使用する必要がなく、さらに、FDDは、シグナリングデータとして取得できるため、受信機は、迅速な選局処理を行うことができる。
【0125】
(4)運用例4
図16は、放送と通信を用いてデータを伝送する場合の選局処理を説明するための図である。
【0126】
図16において、放送局の送信機は、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって、各サービスを構成するコンポーネントやSCSなどを伝送している。ただし、当該デジタル放送では、上述したID体系が採用されている。また、
図16の例では、コンポーネントやSCSを伝送するFLUTEセッションとして、ソースフロー(TSI=X)と、シグナリングフロー(TSI=Y)が伝送されている。さらに、LCTパケットのLCTヘッダには、フィルタリング情報を配置することができる。
【0127】
また、
図16においては、インターネット上のサーバが、ビデオやオーディオ等のコンポーネントを適応的にストリーミング配信している。このストリーミング配信は、MPEG-DASHの規格に準拠したものであって、
図16の例では、ソースフロー(TSI=Z)が伝送されている。
【0128】
図16に示すように、各家庭等に設置された受信機は、ユーザによって、特定のサービスの選局操作が行われると(S31)、初期スキャン時などに取得されたSCDのSC bootstrap情報を取得する(S32)。受信機は、SC bootstrap情報に従い、IPアドレス、ポート番号、及び、TSIのフィルタリング条件を満たしているLCTパケットを抽出する。ここでは、シグナリングフローのLCTパケットを抽出するので、LCTヘッダのTSIの値として、TSI=YとなるLCTパケットが抽出される(S33)。
【0129】
ここで、シグナリングフローでは、シグナリングデータとして、USBD、MPD、SDP、SPDなどが伝送されているので、受信機は、USBD、MPD、SDP、及び、SPDを取得する(S34)。このとき、USBDには、FDDやdeliveryMethodが記述されているので、受信機は、deliveryMethodとMPDを用いて、選局された特定のサービスを構成するコンポーネントが放送と通信のどちらで伝送されているかを判定する(S35)。すなわち、deliveryMethodとMPDのマッチングを行うことで、broadcastAppServiceのbasepatternに対応したRepresentationは、放送で伝送されている一方、unicastAppServiceのbasepatternに対応したRepresentationは、通信で伝送されていると判定される。
【0130】
そして、MPDのRepresentationのBaseURLと、FDDのFileのContent-Locationが対応しているので(S36,S37)、受信機は、FDDのインデックス情報に従い、特定のサービスを構成するコンポーネントが放送で伝送されている場合には、ソースフロー(TSI=X)にアクセスして(S38)、当該コンポーネントのデータを格納したLCTパケットを取得することができる。一方、特定のサービスを構成するコンポーネントが通信で伝送されている場合には、受信機は、FDDのインデックス情報に従い、ソースフロー(TSI=Z)にアクセスして(S38)、当該コンポーネントのデータを格納したLCTパケットを取得することができる(S39)。
【0131】
なお、LCTパケットには、LCTヘッダの他に、Entityヘッダを付加して、例えば動的に変化する情報などを配置することができる(S40)。そして、受信機は、LCTパケットから復元されるコンポーネントのデータをバッファに保存し(S41)、レンダリング処理を行うことで、当該コンポーネントに対応する映像や音声を出力する(S42)。
【0132】
以上のように、運用例4においては、選局時に放送と通信で伝送されるデータを利用する場合に、SCD、USBD(FDD、deliveryMethod)、及び、MPDを用いて、選局された特定のサービスを構成するコンポーネントを取得することができる。この場合、基本的にはSDPとSPDを使用する必要はない。
【0134】
(放送通信システムの構成例)
図17は、本技術を適用した放送通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【0135】
放送通信システム1は、放送と通信が連携して、各種のサービスを提供するためのシステムである。
【0136】
図17に示すように、放送通信システム1は、送信装置10、受信装置20、ESGサーバ50、シグナリングサーバ60、アプリケーションサーバ70、及び、ストリーミングサーバ80から構成される。また、ネットワーク90は、例えばインターネットなどから構成され、受信装置20、ESGサーバ50、シグナリングサーバ60、アプリケーションサーバ70、及び、ストリーミングサーバ80が相互に接続されている。
【0137】
送信装置10は、番組やCM等の放送コンテンツを、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって送信する。ここで、放送コンテンツは、ビデオやオーディオ、字幕等のコンポーネントから構成される。また、送信装置10は、コンポーネントとともに、シグナリングデータ(LLS、SCS)を、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波で送信する。
【0138】
なお、送信装置10は、上述した送信機に相当するものである。
【0139】
受信装置20は、送信装置10から送信される放送波(放送信号)を受信する。受信装置20は、放送信号から得られるシグナリングデータに基づいて、ビデオやオーディオ等のコンポーネントを取得し、番組等の放送コンテンツの映像や音声を出力する。
【0140】
なお、受信装置20は、上述した受信機に相当するものである。また、受信装置20は、ディスプレイやスピーカを含んで単体として構成されるようにしてもよいし、テレビジョン受像機やビデオレコーダ等に内蔵されるようにしてもよい。
【0141】
ESGサーバ50は、ESG(Electronic Service Guide)を管理しており、ネットワーク90を介してESGを提供する。なお、ESGサーバ50は、例えば放送事業者やESGの制作事業者などにより提供される。
【0142】
受信装置20は、放送信号から得られるシグナリングデータに基づいて、ネットワーク90を介してESGサーバ50にアクセスして、ESGを取得する。受信装置20は、ESGサーバ50から取得したESGを蓄積したり、表示したりする。
【0143】
シグナリングサーバ60は、SCS(Service Channel Signaling)を管理しており、ネットワーク90を介してSCSを提供する。なお、シグナリングサーバ60は、例えば放送事業者により提供される。
【0144】
受信装置20は、放送信号から得られるシグナリングデータに基づいて、ネットワーク90を介してシグナリングサーバ60にアクセスして、SCSを取得する。受信装置20は、シグナリングサーバ60から取得したSCSに基づいて、例えばコンポーネントを取得したりする。
【0145】
アプリケーションサーバ70は、アプリケーションを管理しており、ネットワーク90を介してアプリケーションを提供する。なお、アプリケーションサーバ70は、例えば放送事業者やアプリケーションの制作事業者などにより提供される。
【0146】
受信装置20は、放送信号から得られるシグナリングデータに基づいて、ネットワーク90を介してアプリケーションサーバ70にアクセスして、アプリケーションを取得する。受信装置20は、アプリケーションサーバ70から取得したアプリケーションを表示する。
【0147】
ストリーミングサーバ80は、番組やCM等の通信コンテンツを蓄積している。通信コンテンツは、ビデオやオーディオ、字幕等のコンポーネントから構成される。ストリーミングサーバ80は、受信装置20からの要求に応じて、通信コンテンツを、ネットワーク90を介してストリーミング配信する。なお、ストリーミングサーバ80は、例えば、放送事業者により提供される。
【0148】
受信装置20は、制御データに基づいて、ネットワーク90を介してストリーミングサーバ80からストリーミング配信されるビデオやオーディオのコンポーネントを取得して、番組等の通信コンテンツの映像や音声を出力する。
【0149】
放送通信システム1は、以上のように構成される。次に、
図18及び
図19を参照して、
図17の放送通信システム1を構成する各装置の詳細な構成として、送信装置10と受信装置20の構成について説明する。なお、ESGサーバ50、シグナリングサーバ60、アプリケーションサーバ70、及び、ストリーミングサーバ80の詳細な構成については省略する。
【0150】
(送信装置の構成例)
図18は、本技術を適用した送信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0151】
図18に示すように、送信装置10は、LLS取得部111、LLS処理部112、ESG取得部113、ESG処理部114、SCS取得部115、SCS処理部116、アプリケーション取得部117、アプリケーション処理部118、ビデオデータ取得部119、ビデオエンコーダ120、オーディオデータ取得部121、オーディオエンコーダ122、字幕データ取得部123、字幕エンコーダ124、NTP取得部125、NTP処理部126、Mux127、及び、送信部128から構成される。
【0152】
LLS取得部111は、内蔵するストレージや外部のサーバなどからLLS(Low Layer Signaling)として伝送されるSCD(Service Configuration Description)等を取得し、LLS処理部112に供給する。LLS処理部112は、LLS取得部111から供給されるLLSに対して、IP伝送方式のデジタル放送の放送波で伝送するための所定の信号処理を施し、Mux127に供給する。
【0153】
ESG取得部113は、ストレージや外部のサーバなどからESG(Electronic Service Guide)を取得し、ESG処理部114に供給する。ESG処理部114は、ESG取得部113から供給されるESGに対して、例えばFLUTEセッションにより伝送するための所定の処理を施し、Mux127に供給する。
【0154】
SCS取得部115は、ストレージや外部のサーバなどからSCS(Service Channel Signaling)を取得し、SCS処理部116に供給する。SCS処理部116は、SCS取得部115から供給されるSCSに対して、例えばFLUTEセッションにより伝送するための所定の処理を施し、Mux127に供給する。
【0155】
アプリケーション取得部117は、ストレージや外部のサーバなどからアプリケーションを取得し、アプリケーション処理部118に供給する。アプリケーション処理部118は、アプリケーション取得部117から供給されるアプリケーションに対して、例えばFLUTEセッションにより伝送するための所定の処理を施し、Mux127に供給する。
【0156】
ビデオデータ取得部119は、ストレージや外部のサーバ、カメラなどから、コンポーネントとしてのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ120に供給する。ビデオエンコーダ120は、ビデオデータ取得部119から供給されるビデオデータを、MPEG(Moving Picture Experts Group)等の符号化方式に準拠して符号化し、Mux127に供給する。
【0157】
オーディオデータ取得部121は、ストレージや外部のサーバ、マイクロフォンなどから、コンポーネントとしてのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ122に供給する。オーディオエンコーダ122は、オーディオデータ取得部121から供給されるオーディオデータを、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化し、Mux127に供給する。
【0158】
字幕データ取得部123は、ストレージや外部のサーバなどから、コンポーネントとしての字幕データを取得し、字幕エンコーダ124に供給する。字幕エンコーダ124は、字幕データ取得部123から供給される字幕データを、所定の符号化方式に準拠して符号化し、Mux127に供給する。
【0159】
なお、ビデオデータ、オーディオデータ、及び、字幕データは、FLUTEセッションにより伝送される場合、FLUTEセッションにより伝送するための所定の処理が施されてから、Mux127に供給されることになる。
【0160】
NTP取得部125は、ストレージや外部のサーバなどから、NTP(Network Time Protocol)を取得し、NTP処理部126に供給する。NTP処理部126は、NTP取得部125から供給されるNTPに対して、IP伝送方式のデジタル放送の放送波で伝送するための所定の信号処理を施し、Mux127に供給する。
【0161】
Mux127は、LLS処理部112からのLLS、ESG処理部114からのESG、SCS処理部116からのSCS、アプリケーション処理部118からのアプリケーション、ビデオエンコーダ120からのビデオデータ、オーディオエンコーダ122からのオーディオデータ、字幕エンコーダ124からの字幕データ、及び、NTP処理部126からのNTPを多重化して、IP伝送方式のBBPストリームを生成し、送信部128に供給する。
【0162】
ここで、Mux127は、前段のブロックから供給されるすべてのデータを多重化する必要はなく、例えば、アプリケーションや字幕データを伝送しない場合には、アプリケーション処理部118や字幕エンコーダ124からデータは供給されてこないため、それらのデータを除いて多重化を行うことになる。また、BBPストリームにおいて、FLUTEセッションで伝送するデータを格納したLCTパケットのLCTヘッダには、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)などのフィルタリング情報が配置されている。
【0163】
送信部128は、Mux127から供給されるBBPストリームを、放送信号(放送波)として、アンテナ129を介して送信する。
【0164】
(受信装置の構成例)
図19は、本技術を適用した受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0165】
図19に示すように、受信装置20は、チューナ212、Demux213、制御部214、NVRAM215、入力部216、ESGエンジン217、シグナリングエンジン218、アプリケーションエンジン219、ビデオデコーダ220、オーディオデコーダ221、字幕デコーダ222、クロック発生器223、ビデオ出力部224、オーディオ出力部225、通信I/F226、及び、Demux217から構成される。
【0166】
チューナ212は、制御部214からの制御に従い、アンテナ211により受信された放送信号(放送波)から、選局が指示された特定のサービスの放送信号を抽出して復調し、その結果得られるIP伝送方式のBBPストリームを、Demux213に供給する。
【0167】
Demux213は、制御部214からの制御に従い、チューナ212から供給されるIP伝送方式のBBPストリームを、LLS、ESG、SCS、アプリケーション、ビデオデータ、オーディオデータ、字幕データ、及び、NTPに分離して、後段のブロックに出力する。
【0168】
具体的には、Demux213は、フィルタリング処理部としての機能を有しており、各パケットに付加されたBBPヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。これにより、LLSは、制御部214に供給される。また、Demux213は、各パケットに付加されたIPヘッダとUDPヘッダに基づいて、フィルタリング処理を行う。これにより、NTPは、クロック発生部223に供給される。
【0169】
さらにまた、Demux213は、FLUTEセッションで伝送されるLCTパケットに付加されたLCTヘッダのフィルタリング情報に基づいて、フィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理では、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)の少なくとも1つの情報をフィルタリング条件として、フィルタリングが行われる。
【0170】
このフィルタリング処理の結果、ESG、SCS、アプリケーションのデータを格納したLCTパケットは、ESGエンジン217、シグナリングエンジン218、アプリケーションエンジン219にそれぞれ供給される。また、ビデオデータ、オーディオデータ、字幕データは、ビデオデコーダ220、オーディオデコーダ221、字幕デコーダ222にそれぞれ供給される。
【0171】
制御部214は、受信装置20の各部の動作を制御する。NVRAM215は、不揮発性メモリであって、制御部214からの制御に従い、各種のデータを記録する。また、制御部214は、入力部216から供給される、ユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、受信装置20の各部の動作を制御する。
【0172】
例えば、制御部214は、初期スキャン時などに、LLS(例えばSCD)から得られるチャンネル情報(選局情報)を、NVRAM215に記録する。制御部214は、ユーザにより選局操作がなされた場合、NVRAM215に記録されたチャンネル情報に基づいて、チューナ212により実行される選局処理を制御する。
【0173】
ESGエンジン217は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給されるESGのパケットから、ESGのファイルを復元し、電子サービスガイドに対応するビデオデータを、ビデオ出力部224に供給する。ビデオ出力部224は、制御部214からの制御に従い、ESGエンジン217からのビデオデータを、後段のディスプレイ(不図示)に供給する。これにより、ディスプレイには、電子サービスガイドが表示される。なお、ESGのファイルは、ストレージ(不図示)に蓄積してもよい。
【0174】
シグナリングエンジン218は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給されるSCSのパケットから、SCSのファイルを復元し、制御部214に供給する。制御部214は、シグナリングエンジン218からのSCSに基づいて、各部の動作を制御する。
【0175】
アプリケーションエンジン219は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給されるアプリケーションのパケットから、アプリケーションのファイルを復元し、アプリケーションに対応するビデオデータを、ビデオ出力部224に供給する。ビデオ出力部224は、制御部214からの制御に従い、アプリケーションエンジン219から供給されるビデオデータを、後段のディスプレイに供給する。これにより、ディスプレイには、例えば天気予報などのアプリケーションが表示される。
【0176】
ビデオデコーダ220は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給されるビデオデータのパケットから、ビデオデータ(のファイル)を復元し、例えばビデオエンコーダ120(
図18)に対応する復号方式で復号して、ビデオ出力部224に供給する。ビデオ出力部224は、制御部214からの制御に従い、ビデオデコーダ220から供給されるビデオデータを、後段のディスプレイに出力する。これにより、ディスプレイには、例えば、番組の映像などが表示される。
【0177】
オーディオデコーダ221は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給されるオーディオデータのパケットから、オーディオデータ(のファイル)を復元し、例えばオーディオエンコーダ122(
図18)に対応する復号方式で復号して、オーディオ出力部225に供給する。オーディオ出力部225は、制御部214からの制御に従い、オーディオデコーダ221から供給されるオーディオデータを、後段のスピーカ(不図示)に出力する。これにより、スピーカからは、表示中の番組の映像に同期した音声が出力される。
【0178】
字幕デコーダ222は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給される字幕データのパケットから、字幕データ(のファイル)を復元し、例えば字幕エンコーダ124(
図18)に対応する復号方式で復号して、ビデオ出力部224に供給する。ビデオ出力部224は、制御部214からの制御に従い、字幕デコーダ222から供給されるビデオデータを、後段のディスプレイに出力する。これにより、ディスプレイには、例えば、番組の映像に重畳して字幕が表示される。
【0179】
クロック発生器223は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給されるNTPに基づいて、クロック信号を生成する。例えば、このクロック信号が、ビデオデコーダ220、オーディオデコーダ221、及び、字幕デコーダ222に供給されることで、映像や音声、字幕の同期がとられる。
【0180】
通信I/F226は、制御部214からの制御に従い、ネットワーク90を介してESGサーバ50にアクセスして、ESGを取得する。ESGサーバ50から取得されたESGは、Demux227を介してESGエンジン217に供給される。
【0181】
また、通信I/F226は、制御部214からの制御に従い、ネットワーク90を介してシグナリングサーバ60にアクセスして、SCSを取得する。シグナリングサーバ60から取得されたSCSは、Demux227を介してシグナリングエンジン218に供給される。
【0182】
さらにまた、通信I/F226は、制御部214からの制御に従い、ネットワーク90を介してアプリケーションサーバ70にアクセスして、アプリケーションを取得する。アプリケーションサーバ70から取得されたアプリケーションは、Demux227を介してアプリケーションエンジン219に供給される。
【0183】
また、通信I/F226は、制御部214からの制御に従い、ネットワーク90を介してストリーミングサーバ80にアクセスして、通信コンテンツのストリーミングデータを受信し、Demux227に供給する。Demux227は、通信I/F226から供給されるストリーミングデータを、ビデオデータ、オーディオデータ、字幕データに分離して、ビデオデコーダ220、オーディオデコーダ221、字幕デコーダ222にそれぞれ供給する。
【0184】
なお、
図19の受信装置20の構成例では、ディスプレイやスピーカが外部に設けられている構成となっているが、受信装置20がディスプレイやスピーカを有する構成を採用してもよい。
【0185】
<6.各装置で実行される具体的な処理の流れ>
【0186】
次に、
図20乃至
図23のフローチャートを参照して、
図17の放送通信システム1を構成する各装置で実行される具体的な処理の流れについて説明する。
【0187】
(送信処理)
まず、
図20のフローチャートを参照して、
図17の送信装置10により実行される送信処理について説明する。
【0188】
ステップS111において、LLS取得部111は、ストレージなどからLLS(Low Layer Signaling)として伝送されるSCD(Service Configuration Description)等を取得し、LLS処理部112に供給する。ステップS112において、LLS処理部112は、LLS取得部111から供給されるLLSに対して、IP伝送方式のデジタル放送の放送波で伝送するための所定の信号処理を施し、Mux127に供給する。
【0189】
ステップS113において、ESG取得部113は、ストレージなどからESG(Electronic Service Guide)を取得し、ESG処理部114に供給する。ステップS114において、ESG処理部114は、ESG取得部113から供給されるESGに対して、例えばFLUTEセッションにより伝送するための所定の処理を施し、Mux127に供給する。
【0190】
ステップS115において、SCS取得部115は、ストレージなどからSCS(Service Channel Signaling)を取得し、SCS処理部116に供給する。ステップS116において、SCS処理部116は、SCS取得部115から供給されるSCSに対して、例えばFLUTEセッションにより伝送するための所定の処理を施し、Mux127に供給する。
【0191】
ステップS117において、アプリケーション取得部117は、ストレージなどからアプリケーションを取得し、アプリケーション処理部118に供給する。ステップS118において、アプリケーション処理部118は、アプリケーション取得部117から供給されるアプリケーションに対して、例えばFLUTEセッションにより伝送するための所定の処理を施し、Mux127に供給する。
【0192】
ステップS119において、ビデオデータ取得部119は、ストレージなどから、コンポーネントとしてのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ120に供給する。ステップS120において、ビデオエンコーダ120は、ビデオデータ取得部119から供給されるビデオデータを、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化し、Mux127に供給する。
【0193】
ステップS121において、オーディオデータ取得部121は、ストレージなどから、コンポーネントとしてのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ122に供給する。ステップS122において、オーディオエンコーダ122は、オーディオデータ取得部121から供給されるオーディオデータを、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化し、Mux127に供給する。
【0194】
ステップS123において、字幕データ取得部123は、ストレージなどから、コンポーネントとしての字幕データを取得し、字幕エンコーダ124に供給する。ステップS124において、字幕エンコーダ124は、字幕データ取得部123から供給される字幕データを、所定の符号化方式に準拠して符号化し、Mux127に供給する。
【0195】
ステップS125において、NTP取得部125は、ストレージなどから、NTP(Network Time Protocol)を取得し、NTP処理部126に供給する。ステップS126において、NTP処理部126は、NTP取得部125から供給されるNTPに対して、IP伝送方式のデジタル放送の放送波で伝送するための所定の信号処理を施し、Mux127に供給する。
【0196】
ステップS127において、Mux127は、LLS処理部112からのLLS、ESG処理部114からのESG、SCS処理部116からのSCS、アプリケーション処理部118からのアプリケーション、ビデオエンコーダ120からのビデオデータ、オーディオエンコーダ122からのオーディオデータ、字幕エンコーダ124からの字幕データ、及び、NTP処理部126からのNTPを多重化して、IP伝送方式のBBPストリームを生成し、送信部128に供給する。
【0197】
なお、Mux127は、前段のブロックから供給されるすべてのデータを多重化する必要はない。また、BBPストリームにおいて、FLUTEセッションで伝送するデータを格納したLCTパケットのLCTヘッダには、圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、及び、バージョン情報(Data_Version)などのフィルタリング情報が配置されている。
【0198】
ステップS128において、送信部128は、Mux127から供給されるBBPストリームを、放送信号(放送波)として、アンテナ129を介して送信する。ステップS128の処理が終了すると、
図20の送信処理は終了する。
【0200】
(選局処理)
次に、
図21のフローチャートを参照して、
図17の受信装置20により実行される選局処理について説明する。
【0201】
ステップS211においては、制御部214によって、入力部216からの操作信号が監視され、ユーザにより選局操作が行われるまで、待機する。そして、ステップS212において、ユーザにより選局操作が行われたと判定された場合、処理は、ステップS213に進められる。
【0202】
ステップS213において、制御部214は、NVRAM215に記録されたチャンネル情報を取得する。これにより、制御部214は、チャンネル情報を用い、チューナ212による選局処理を制御する。また、Demux213は、制御部214からの制御に従い、FLUTEセッションで伝送されるシグナリングデータに接続し(S214)、シグナリングデータを取得して解析する(S215)。ここでは、SCSが取得され、解析される。
【0203】
ステップS216において、Demux213は、制御部214からの制御に従い、シグナリングデータバージョン監視処理を実行する。このシグナリングデータバージョン監視処理によって、シグナリングデータが更新された場合には、更新後のシグナリングデータが取得される。なお、シグナリングデータバージョン監視処理の詳細な内容は、
図22のフローチャートを参照して後述する。
【0204】
ステップS217において、Demux213は、制御部214からの制御に従い、FLUTEセッションで伝送されるサービスコンポーネントストリームに接続する。また、ステップS218において、Demux213は、制御部214からの制御に従い、サービスコンポーネントストリーム取得処理を実行する。このサービスコンポーネントストリーム取得処理によって、選局された特定のサービスを構成するコンポーネントが取得される。なお、サービスコンポーネントストリーム取得処理の詳細な内容は、
図23のフローチャートを参照して後述する。
【0205】
ステップS219において、制御部214は、各部の動作を制御して、ステップS218の処理で取得されたコンポーネントのデータをバッファ(不図示)に保持する。また、ステップS220において、制御部214は、各部の動作を制御して、バッファリングされたコンポーネントに対するレンダリング処理を行うことで、当該コンポーネントに対応する映像や音声を出力する。ステップS220の処理が終了すると、
図21の選局処理は終了する。
【0207】
(シグナリングデータバージョン監視処理)
次に、
図22のフローチャートを参照して、
図21のステップS216の処理に対応するシグナリングデータバージョン監視処理の詳細な内容について説明する。
【0208】
ステップS241において、Demux213は、シグナリングデータのタイプ情報と、最新のバージョンをフィルタリング条件に登録する。また、Demux213には、チューナ212によりアンテナ211を介して受信されたシグナリングデータが入力される(S242)。
【0209】
ステップS243において、Demux213は、ステップS241の処理で登録されたフィルタリング条件を用い、フィルタリング処理を行うことで、対象のシグナリングデータが更新されたかどうかを判定する。ここでは、LCTパケットのLCTヘッダに配置されたタイプ情報(Type)とバージョン情報(Data_Version)が、フィルタリング条件を満たすかどうかが監視されることになる。
【0210】
ステップS243において、対象のシグナリングデータが更新されていないと判定された場合、処理は、ステップS244に進められる。ステップS244においては、サービスの受信が終了したかどうかが判定される。ステップS244において、サービスの受信が終了していないと判定された場合、処理はステップS242に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0211】
そして、ステップS243において、対象のフィルタリングデータが更新されたと判定された場合、処理は、ステップS245に進められる。ステップS245において、Demux213は、フィルタリング条件を満たした更新後のシグナリングデータを抽出して、シグナリングエンジン218に供給する。これにより、例えば、MPDのバージョンの監視を行っている場合に、MPDのバージョンが1.0から2.0に上がったときには、更新後のバージョン2.0のMPDが取得されることになる。
【0212】
また、Demux213は、フィルタリング条件の最新バージョンを、例えば1インクリメントして、フィルタリング条件の更新を行い、対象のフィルタリングデータのさらなる更新に備える。ステップS245の処理が終了すると、処理は、ステップS244に進められる。
【0213】
そして、ステップS244において、サービスの受信が終了したと判定されるまで、ステップS242乃至S245の処理が繰り返されるので、対象のシグナリングデータの更新時には、対象のシグナリングデータを直ちに取得することができる。また、ステップS244において、サービスの受信が終了したと判定された場合、処理は、
図21のステップS216の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0214】
以上、シグナリングデータバージョン監視処理について説明した。
【0215】
(サービスコンポーネントストリーム取得処理)
最後に、
図23のフローチャートを参照して、
図21のステップS218の処理に対応するサービスコンポーネントストリーム取得処理の詳細な内容について説明する。
【0216】
ステップS271において、Demux213は、制御部214からの制御に従い、フィルタリング処理を行い、LCTパケットを取得して解析する。
【0217】
ステップS272において、Demux213は、LCTパケットのバージョンが、本技術に対応した新しいバージョン(例えば、バージョン2.0)であるかどうかを判定する。この判定処理では、LCTヘッダに配置されるLCTパケットのバージョン(例えば、
図4の「V」)が確認される。
【0218】
ステップS272において、LCTパケットのバージョンが、本技術に未対応の古いバージョン(例えば、バージョン1.0)であると判定された場合、処理は、ステップS273に進められる。ステップS273においては、FLUTEオブジェクト受信処理が行われ、TSIとTOIを用いて、FLUTEセッションから特定のファイルが復元され、特定のサービスを構成するコンポーネントが取得される。その後、処理は、
図21のステップS218の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0219】
一方、ステップS272において、LCTパケットのバージョンが、本技術に対応した新しいバージョン(例えば、バージョン2.0)であると判定された場合、処理は、ステップS274に進められる。ステップS274において、Demux213は、LCTヘッダに、Header Extensionsが配置されているかどうかを判定する。
【0220】
ステップS274において、LCTヘッダに、Header Extensionsが配置されていないと判定された場合、処理は、ステップS275に進められる。この場合、LCTヘッダの配置パターンは、パターン1又はパターン3となるので、ステップS275において、Demux213は、LCTヘッダに配置された圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、バージョン情報(Data_Version)を取得する。
【0221】
また、ステップS274において、LCTヘッダに、Header Extensionsが配置されていると判定された場合、処理は、ステップS276に進められる。この場合、LCTヘッダの配置パターンは、パターン2となるので、ステップS276において、Demux213は、LCTヘッダのHeader Extensionsに配置された圧縮情報(CO)、タイプ情報(Type)、拡張フィルタ情報(Filter_Extension)、バージョン情報(Data_Version)を取得する。
【0222】
ステップS275又はS276の処理によって、フィルタリング情報が取得されると、処理は、ステップS277に進められる。ステップS277において、Demux213は、LCTヘッダからサービスコンポーネント情報を取得する。このサービスコンポーネント情報としては、例えば、TSI、TOI、コードポイント(CodePoint)などが取得される。
【0223】
ステップS278において、Demux213は、制御部214からの制御に従い、パケットのフィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理によって、FLUTEセッションから特定のファイルが復元され、特定のサービスを構成するコンポーネントが取得される。ステップS278の処理が終了すると、処理は、
図21のステップS218の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0224】
以上、サービスコンポーネントストリーム取得処理について説明した。
【0225】
なお、上述した説明では、シグナリングデータの名称として、Descriptionの略である「D」を用いたが、Tableの略である「T」が用いられる場合がある。例えば、SCD(Service Configuration Description)は、SCT(Service Configuration Table)と記述される場合がある。また、例えば、SPD(Service Parameter Description)は、SPT(Service Parameter Table)と記述される場合がある。ただし、これらの名称の違いは、「Description」と「Table」との形式的な違いであって、各シグナリングデータの実質的な内容が異なるものではない。また、上述した説明では、ESGは、シグナリングデータであるとして説明している。
【0227】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0228】
図24は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
【0229】
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及びドライブ910が接続されている。
【0230】
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
【0231】
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、例えば、記録部908に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0232】
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0233】
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0234】
なお、コンピュータ900が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0235】
ここで、本明細書において、コンピュータ900に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0236】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0237】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0238】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0239】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0240】
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0241】
(1)
IP(Internet Protocol)伝送方式を用いたデジタル放送の放送波を受信する受信部と、
前記放送波において、前記IP伝送方式のプロトコルの階層におけるIP層よりも上位の階層となる第1の階層で伝送されるパケットのヘッダに配置されるフィルタリング情報を用い、前記パケットのフィルタリング処理を行うフィルタリング処理部と
を備える受信装置。
(2)
前記パケットは、FLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)セッションにより伝送されるLCT(Layered Coding Transport)パケットであって、
前記LCTパケットにおいて、LCTヘッダに前記フィルタリング情報が配置され、LCTペイロードに第1のシグナリングデータが配置されており、
前記フィルタリング処理部は、前記IP層よりも下位の階層となる第2の階層で伝送される第2のシグナリングデータを用い、特定のサービスのIPアドレス、UDP(User Datagram Protocol)のポート番号、及び、TSI(Transport Session Identifier)を解決した後に、前記FLUTEセッションで伝送される前記LCTパケットの前記LCTヘッダに配置された前記フィルタリング情報を用い、前記LCTパケットに格納される前記第1のシグナリングデータのフィルタリング処理を行う
(1)に記載の受信装置。
(3)
前記フィルタリング情報は、前記LCTヘッダのTOI(Transport Object Identifier)に配置される
(2)に記載の受信装置。
(4)
前記フィルタリング情報は、前記LCTヘッダの拡張領域に配置される
(2)に記載の受信装置。
(5)
前記フィルタリング情報の一部又は全部は、前記LCTヘッダにおいて、運用に応じて用いられる領域であるコードポイントの代わりに配置される
(2)又は(3)に記載の受信装置。
(6)
前記フィルタリング情報は、前記第1のシグナリングデータの圧縮の有無を示す圧縮情報、前記第1のシグナリングデータのタイプを示すタイプ情報、前記第1のシグナリングデータのタイプごとに設定されるフィルタリング条件を示す拡張フィルタ情報、及び、前記第1のシグナリングデータのバージョンを示すバージョン情報のうち、少なくとも1つの情報を含む
(2)乃至(5)のいずれか一項に記載の受信装置。
(7)
前記第1のシグナリングデータは、ネットワークを介してサーバから取得される
(2)に記載の受信装置。
(8)
前記第1のシグナリングデータは、前記FLUTEセッションのインデックス情報を含んでいる
(2)に記載の受信装置。
(9)
前記第1のシグナリングデータは、SCS(Service Channel Signaling)又はESG(Electronic Service Guide)であって、
前記第2のシグナリングデータは、LLS(Low Layer Signaling)であり、
前記FLUTEセッションにより伝送される、特定のサービスを構成するコンポーネントとSCSには、共通のIPアドレスが割り当てられる
(2)に記載の受信装置。
(10)
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波を受信し、
前記放送波において、前記IP伝送方式のプロトコルの階層におけるIP層よりも上位の階層となる第1の階層で伝送されるパケットのヘッダに配置されるフィルタリング情報を用い、前記パケットに格納される第1のシグナリングデータのフィルタリング処理を行う
ステップを含む受信方法。
(11)
サービスを構成する1又は複数のコンポーネントを取得する第1の取得部と、
第1のシグナリングデータを取得する第2の取得部と、
前記コンポーネントとともに、前記第1のシグナリングデータを、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波で送信する送信部と
を備え、
前記放送波において、前記IP伝送方式のプロトコルの階層におけるIP層よりも上位の階層となる第1の階層で伝送される、前記第1のシグナリングデータを格納したパケットのヘッダには、前記パケットのフィルタリング処理で用いられるフィルタリング情報が配置される
送信装置。
(12)
前記パケットは、FLUTEセッションにより伝送されるLCTパケットであって、
前記LCTパケットにおいて、LCTヘッダに前記フィルタリング情報が配置され、LCTペイロードに前記第1のシグナリングデータが配置される
(11)に記載の送信装置。
(13)
前記フィルタリング情報は、前記LCTヘッダのTOIに配置される
(12)に記載の送信装置。
(14)
前記フィルタリング情報は、前記LCTヘッダの拡張領域に配置される
(12)に記載の送信装置。
(15)
前記フィルタリング情報の一部又は全部は、前記LCTヘッダにおいて、運用に応じて用いられる領域であるコードポイントの代わりに配置される
(12)又は(13)に記載の送信装置。
(16)
前記フィルタリング情報は、前記第1のシグナリングデータの圧縮の有無を示す圧縮情報、前記第1のシグナリングデータのタイプを示すタイプ情報、前記第1のシグナリングデータのタイプごとに設定されるフィルタリング条件を示す拡張フィルタ情報、及び、前記第1のシグナリングデータのバージョンを示すバージョン情報のうち、少なくとも1つの情報を含む
(12)乃至(15)のいずれか一項に記載の送信装置。
(17)
前記第1のシグナリングデータは、ネットワークを介してサーバから取得される
(12)に記載の送信装置。
(18)
前記第1のシグナリングデータは、前記FLUTEセッションのインデックス情報を含んでいる
(12)に記載の送信装置。
(19)
前記第1のシグナリングデータは、SCS又はESGであって、
前記IP層よりも下位の階層となる第2の階層で伝送される第2のシグナリングデータは、LLSであり、
前記FLUTEセッションにより伝送される、特定のサービスを構成するコンポーネントとSCSには、共通のIPアドレスが割り当てられる
(12)に記載の送信装置。
(20)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
サービスを構成する1又は複数のコンポーネントを取得し、
第1のシグナリングデータを取得し、
前記コンポーネントとともに、前記第1のシグナリングデータを、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波で送信する
ステップを含み、
前記放送波において、前記IP伝送方式のプロトコルの階層におけるIP層よりも上位の階層となる第1の階層で伝送される、前記第1のシグナリングデータを格納したパケットのヘッダには、前記パケットのフィルタリング処理で用いられるフィルタリング情報が配置される
送信方法。