(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外側クラッドが、(i)内側層および散乱粒子がドープされた外側散乱層、もしくは(ii)散乱粒子がドープされた散乱層、をさらに含む、請求項2記載の光拡散光ファイバ。
前記コアガラス組成物が、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、アルカリホウケイ酸ガラスおよびアルミノケイ酸塩ガラスからなる群より選択される、請求項1または2記載の光拡散光ファイバ。
前記コアガラス組成物が、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、アルカリホウケイ酸ガラスおよびアルミノケイ酸塩ガラスからなる群より選択される、請求項4から7いずれか1項記載の光拡散光ファイババンドル。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、その例が添付図面に示されている、現在好ましい実施の形態を詳しく参照する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部品を指すために、図面に亘り同じ参照番号が使用される。ここに開示された実施の形態は、各々が本発明の特定の効用を含む単なる例であることが理解されよう。
【0016】
様々な改変および変更が、本発明の範囲内で以下の例に行われてもよく、異なる例の態様が、さらに別の例を実現するための異なる様式で組み合わされてもよい。したがって、本発明の真の範囲は、ここに記載された実施の形態を考慮するがそれには制限されずに、本開示の全体から理解すべきである。
【0017】
「水平」、「垂直」、「前方」、「後方」などの用語、および直交座標の使用は、図面の参照のため、かつ記載を簡単にするためであり、絶対的な向きおよび/または方向に関して説明または請求項いずれも厳密に限定することを意図していない。
【0018】
下記の本発明の説明において、以下の用語および句が、光拡散ファイバに関して使用される。
【0019】
「屈折率プロファイル」は、屈折率または相対屈折率と、導波路(ファイバ)の半径との間の関係である。
【0021】
として定義され、式中、n(r)は、特に明記のない限り、半径rでの屈折率である。相対屈折率パーセントΔ(r)%は、特に明記のない限り、850nmで定義される。1つの態様において、基準屈折率n
REFは、シリカガラスの850nmでの1.452498の屈折率である。別の態様において、n
REFは、850nmでのクラッドガラスの最大屈折率である。ここに用いたように、特に明記のない限り、相対屈折率はΔにより表され、その値は「%」の単位で与えられる。ある領域の屈折率が基準屈折率n
REFより低い場合、相対屈折率パーセントは負であり、低下領域または低下屈折率を有すると称され、最小相対屈折率は、特に明記のない限り、相対屈折率が最も負である地点で計算される。ある領域の屈折率が基準屈折率n
REFより大きい場合、相対屈折率パーセントは正であり、その領域は、屈折率が増加している、または正の屈折率を有すると言うことができる。
【0022】
「アップドーパント」は、ここでは、純粋なドープされていないSiO
2に対して光拡散光ファイバのある領域の屈折率を上昇させる傾向を有するドーパントであると考えられる。「ダウンドーパント」は、ここでは、純粋なドープされていないSiO
2に対して前記ファイバのある領域の屈折率を低下させる傾向を有するドーパントであると考えられる。アップドーパントは、アップドーパントではない他のドーパントを1種類以上伴う場合、負の相対屈折率を有する光拡散光ファイバのある領域中に存在してもよい。同様に、アップドーパントではない他のドーパントが1種類以上、正の相対屈折率を有する光拡散光ファイバのある領域中に存在してもよい。ダウンドーパントは、ダウンドーパントではない他のドーパントを1種類以上伴う場合、正の相対屈折率を有する光拡散光ファイバのある領域に存在してもよい。
【0023】
同様に、ダウンドーパントではない他ドーパントが1種類以上、負の相対屈折率を有する光拡散光ファイバのある領域中に存在してもよい。
【0024】
光拡散光ファイバの「開口数」(「NA」)は、
【0025】
として定義され、式中、NAはファイバの開口数であり、n
coreはファイバのコア領域の屈折率であり、n
cladは、ファイバのクラッド領域の屈折率である。
【0026】
図1A〜1Dを参照すると、光拡散光ファイバ40の1つの実施の形態が示されている。光拡散光ファイバ40は、概して、屈折率n
1、および相対屈折率Δ
1を有するコア領域10を備えている。コア領域10は、90質量%未満のSiO
2を有する低融点ドープシリカガラスとして分類されるガラス組成物から構成されている。コア領域10は、軸2を中心とする、10μmから約600μmの半径R
1を有してもよい。R
1が50μmから約600μmであることが好ましい。他の実施の形態において、R
1は約50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、120μm、140μm、160μm、180μm、200μm、220μm、240μmまたは250μmである。
【0027】
コア領域10のガラス組成物は、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、アルカリホウケイ酸ガラスまたはアルミノケイ酸塩ガラスとして特徴付けられることが好ましい。ソーダ石灰ケイ酸塩ガラスは、様々なレベルのNa
2O、CaOおよびSiO
2を含み得る。例えば、適切なソーダ石灰ケイ酸塩ガラス組成物は、質量パーセントで与えられた72SiO
2−17Na
2O−4CaO−5Li
2O−2MgOである。アルカリホウケイ酸ガラスは、様々なレベルのSiO
2、B
2O
3およびアルカリ、例えば、Na
2Oを含み得る。例えば、適切なアルカリホウケイ酸ガラス組成物は、質量パーセントで与えられた75SiO
2−
0.0〜10
.0B
2O
3−
0.0〜25
.0Na
2Oである。アルミノケイ酸塩ガラスは、様々なレベルのSiO
2およびAl
2O
3を含み得る。このアルミノケイ酸塩ガラス組成物に、アルカリ、例えば、Na
2Oも含まれることがある。例えば、適切なアルミノケイ酸塩ガラス組成物は、質量パーセントで与えられた50.0〜75.0SiO
2−0.0〜20.0B
2O
3−0.0〜15.0Al
2O
3−0.0〜1.5Li
2O−3.0〜11.0Na
2Oを含む。
【0028】
先に述べたように、光拡散光ファイバ40のコア領域10は、低融点ドープシリカガラスである。コア領域10中のドーピングレベルは、光拡散光ファイバ40の開口数NAが0.4以上であるようにコア領域10の屈折率を増加させるために十分であるべきである。コア領域10をドープするために使用されるドーパントは、コア領域10の屈折率n
1を上昇させられるアップドーパントであることが好ましい。コア領域10に適したドーパントとしては、TiO
2、P
2O
5、GeO
2、ZnO、MgO、La、Er、Tm、Pb、Ti、AlおよびNdが挙げられる。これらのドーパントの組合せがコア領域10においても実現可能である。例えば、コア領域10に、10モル%までのTiO
2、15モル%までのAl
2O
3、20モル%までのGeO
2および/または25モル%までのP
2O
5をドープすることができる。光拡散光ファイバ40のコア領域10に用いられるドーピングレベルが、電気通信産業において一般に使用される光ファイバのコア領域中のドーピングレベルを超えることが好ましい。光拡散光ファイバ40を製造するために使用されるプロセス中にガス状または溶融物形態にあるドーパントをコア領域10に導入することも好ましい。これにより、ドーパントを元素または分子レベルの極小サイズでコア領域10内に均一に分布させることが確実になる。
【0029】
まだ
図1A〜1Dを参照すると、光拡散光ファイバ40は、コア領域10を取り囲む内側クラッド20を備えている。この内側クラッド20は、コア領域10のガラス組成物とは実質的に異なるガラス組成物から構成されている。内側クラッド20は、屈折率n
2、および外径R
2を有する。内側クラッド20の組成物は、n
2<n
1となる(
図1D参照)ように選択されることが好ましい。NAが0.4以上であることを確実にするために、コア領域10の組成物を考慮して内側クラッド20の組成物を選択することも好ましい。光拡散光ファイバ40の内側クラッド20にドープされていないガラス組成物を使用することも好ましい。いくつかの実施の形態において、内側クラッド20は、ダウンドーパント、例えば、フッ素がダウンドープされたシリカガラスから構成され得る。他の実施の形態において、内側クラッド20は、n
REFが純粋なシリカガラスの屈折率により与えられるときに、負である相対屈折率(Δ
2)を有するガラスからなる。例えば、内側クラッド20の相対屈折率Δ
2は、約−0.5%未満、いくつかの実施の形態において、−1%未満であることがある。
【0030】
一般に、光拡散光ファイバ40の内側クラッド20は、概して、コア領域10の外径R
1から外径R
2まで延在する(
図1C参照)。いくつかの実施の形態において、内側クラッド20の厚さ(すなわち、厚さ=R
2−R
1)は、約10μm超、約20μm超、約50μm超または約70μm超である。いくつかの実施の形態において、内側クラッド20の厚さは、約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、または100μmである。
【0031】
図1A〜1Dを参照すると、光拡散光ファイバ40は、内側クラッド20を取り囲む外側クラッド30をさらに備え得る。この外側クラッド30は、屈折率n
3、および相対屈折率Δ
3を有し、機械的取扱目的のために電気通信光ファイバに典型的な二次被覆材料、例えば、フッ素化または非フッ素化高分子組成物の透明層を備え得る。通常、外側クラッド30の屈折率は、内側クラッド20およびコア領域10の屈折率よりも低いまたは高いことがあり得る(
図1D参照)。
図1Cに示されるように、外側クラッド30は、ファイバの軸2から定義された半径R
3を有する。
【0032】
図1Bおよび1Cに示されるように、外側クラッド30は、内側層34および内側層34を取り囲む外側散乱層36を備え得る。外側クラッド30の外側散乱層36に、TiO
2粒子および/または他の散乱粒子などの、光散乱剤32をドープすることができる。他の実施の形態において(図示せず)、外側クラッド30は、内側層34を持たずに、外側散乱層36を備え得る。これらの実施の形態のいくつかにおいて、外側散乱層36に、TiO
2粒子などの光散乱剤32をドープすることができる。外側散乱層36は、例えば、ここに引用する米国特許出願第13/713224号に見られる構成および方法にしたがって、調製することができる。
【0033】
再び
図1Bおよび1Cを参照すると、外側クラッド30は、内側クラッド20を取り囲み、一般に、接触している。外側クラッド30、およびその副層である内側層34と外側散乱層36は、高分子被覆から構成されることが好ましい。この高分子被覆は、散乱剤32をその中に添加できるどの液体ポリマーまたはプレポリマー材料から構成されてもよく、ここで、そのブレンドは、光拡散光ファイバ40に液体として施し、次いで、ファイバに施された後に固体に転化されてもよい。いくつかの実施の形態において、外側クラッド30は、アクリレート系ポリマー、例えば、イリノイ州、エルジン所在のDSM Desotech社により製造されているCPC6、または複数の散乱剤32をさらに含むシリコーン系ポリマーなどの高分子被覆から構成される。別の実施の形態において、外側クラッド30は、大韓民国京畿道安山市檀園区403−2所在のSSCP Co.Ltd.から得られるPC452等の、UVまたは熱硬化性フルオロアクリレートなどの低屈折率高分子材料から構成される。いくつかの実施の形態において、Corning Inc.の標準CPC6二次光ファイバ被覆などの標準的なUV硬化性アクリレート系光ファイバ被覆に散乱剤32をブレンドすることが最も効率的であった。散乱剤32のブレンドを製造するために、30質量%の散乱剤をDSM950−111二次CPC6光ファイバ被覆中に混ぜ合わせ、次いで、その混合物を3ロール練り機に通すことによって、濃縮物を最初に製造した。次いで、これらの濃縮物を、被覆として直接施すか、またはDSM950−111でさらに希釈して、光拡散光ファイバ40において所望の散乱効果を与えた。
【0034】
いくつかの他の実施の形態において、外側クラッド30は、コア領域10から内側クラッド20を通り光拡散光ファイバ40から出て放射状に発せられる光の性質および/または角度分布の均一性を高めるために使用することができる。外側クラッド30に含まれる散乱剤32、および特に外側散乱層36は、平均直径が約200nmから約10μmであるナノ粒子または微小粒子を含むことがある。いくつかの実施の形態において、散乱剤32として用いられる粒子の平均直径は、約200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、または10μmである。散乱剤32の濃度は、光拡散光ファイバ40の長さに沿って変わっても、一定であってもよい。さらに、散乱剤32の濃度は、総合減衰量を制限しながら、ファイバ40から出る光の均一な散乱を提供するのに十分な質量パーセントのものであろう。いくつかの実施の形態において、外側クラッド30中の散乱剤32の質量パーセントは、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を含む。いくつかの実施の形態において、外側クラッド30は、散乱剤32として小さい粒子を有し、この粒子は、TiO
2、ZnO、SiO
2、またはZrなどの、金属酸化物または他の高屈折率材料を含む。散乱剤32として使用される散乱材料は、微小サイズまたはナノサイズの粒子または気泡などの低屈折率の空隙も含むことがある。
【0035】
外側クラッド30において、外側散乱層36は、一般に、内側層34が存在する場合、内側層34の外径から延在する。そうでなけば、外側散乱層36は、一般に、内側クラッド20の外径R
2から、その外径R
3まで延在する(
図1C参照)。ここに記載したいくつかの実施の形態において、外側散乱層36の厚さは、約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、または100μm超である。
【0036】
いくつかの実施の形態において、散乱剤32は、以下に限られないが、光拡散光ファイバ40のコア領域10および内側クラッド20から散乱する光の角度に関係ない分布を提供する、白色インクなどのTiO
2系粒子を含む散乱粒子を含有することがある。いくつかの実施の形態において、散乱剤32は、外側クラッド30内の外側散乱層36内に位置している。例えば、いくつかの実施の形態において、外側散乱層36の厚さは、約1μmから約5μmであることがある。他の実施の形態において、外側散乱層36の厚さおよび/または外側散乱層36内の散乱剤32の濃度は、大角度(すなわち、約15度より大きい角度)で光拡散光ファイバ40から散乱する光の強度のばらつきをより均一にするように、そのファイバ40の軸長さに沿って変えてもよい。
【0037】
図1Aおよび1Bを参照すると、光拡散光ファイバ40が、その端部の一方に向けられた入射光1を、散乱光線4としてコア領域10、内側クラッド20および外側クラッド30を通じて効率的に散乱させている。一般に、コア領域10内の比較的高いレベルのドーパントにより、そのドーパントからの局部的な組成変動に関連する散乱寄与が与えられる。さらに、内側クラッド20およびコア領域10に用いられるガラス組成物間の粘度差は、コア領域10および内側クラッド20の間の界面での構造の不完全性をもたらす。これらの不完全性は、ファイバ40の長さに沿って光を散乱させるその総合能力に対する小角度散乱(「SAS」)寄与を促進する。その上、コア領域10の比較的高い屈折率も、レイリー散乱効果により散乱を促進させる。全体として、光拡散光ファイバ40に関連するこれらの光散乱寄与は、式(1):
【0039】
により規定され、式中、Bは、光拡散光ファイバ40に関連する総合散乱損失であり、B
Rはレイリー散乱寄与であり、B
Cは、ドーパントからのコア領域10中の組成変動に関連する散乱寄与であり、B
SASは、コア領域10および内側クラッド20に用いられるガラス組成物間の粘度差に関連する小角度散乱寄与である。
【0040】
光拡散光ファイバ40のコア領域10内のレイリー散乱は、ガラスの仮想温度およびその組成の両方に依存する。特に、下記の式(2)は、ファイバ40のコア領域10に関連するレイリー散乱寄与B
Rを提供する:
【0042】
式中、nは屈折率であり、pは応力光学係数であり、K
Tは等温圧縮率であり、T
gは、コア領域10に選択されたガラス組成物のガラス転移温度である。先に論じたように、コア領域10のガラス組成物は、特に、内側クラッド20の屈折率n
2と比較して、比較的高い屈折率n
1を有するように選択される。コア領域10中のドーパントレベルは、比較的高い屈折率n
1の一因ともなる。コア領域10における比較的高い屈折率n
1は、式(2)により示されるように、高いレイリー散乱損失効果の一因となる。
【0043】
その上、光拡散光ファイバ40のコア領域10中のドーパントレベルは、下記の式(3):
【0045】
により与えられるような組成に基づく散乱効果B
Cも提供し、式中、Vはコア領域10中のドーパントのモル分率であり、nはコア領域10の屈折率であり、dn/dcはコア領域10中の特定のドーパントに関連する屈折率変化であり、cはコア領域10中のドーパントの濃度である。多数のドーパント、例えば、TiO
2およびZnOについて、各ドーパントに関する寄与は、別々に計算し、加えて、B
C散乱寄与を提供してもよい。各ドーパントに関連する効果的な散乱寄与は、dn/dc値に対して特に敏感である。先に論じたように、効果的なドーパントとしては、Ge、P、Na、Pb、La、Zn、Alなどの酸化物が挙げられる。これらのドーパントのほとんどは、各光拡散光ファイバ40内の400〜1700nmの波長範囲において入射光1の吸収に対する影響が非常に低い。それにもかかわらず、これらのドーパントを導入するために使用されるプロセスおよびファイバ40のコア領域10中のこれらのドーパントの比較的高いレベル(特に、電気通信用光ファイバ中のコアドーパントレベルと比べると)は、関心のある波長における吸収のために、ファイバ40の光伝送を劣化させ得る。しかし、光拡散光ファイバ40に意図する用途に関連する比較的短い適用長さでは、これらの吸収レベル(約1dB/m)は許容される。
【0046】
約0.1mから約100mの一般的な長さ範囲において、特に、これらの長さでのコア領域10中に使用されるドーパントに関連する限られた吸収損失を考慮して、光拡散光ファイバ40を使用することが好ましい。ここに記載されたいくつかの実施の形態において、光拡散光ファイバ40の長さは、一般に、約100m、75m、50m、40m、30m、20m、10m、9m、8m、7m、6m、5m、4m、3m、2m、1m、0.75m、0.5m、0.25m、0.15m、または0.1mである。
【0047】
SAS寄与B
SASは、コア領域10および内側クラッド20に用いられるガラス組成物間の粘度差に関連付けられる。特に、B
SAS寄与は、ダウンドロー法を使用した光拡散光ファイバ40の形成中に、コア領域10および内側クラッド20の間の線引き不安定性に由来する。これらの不安定性は、コア領域10および内側クラッド20の間の界面での欠陥および他の微小変形をもたらし、小角度散乱効果を与える。B
SASの大きさは、レイリー散乱寄与B
Rの約10〜100%ほど大きくあり得る。
【0048】
ここに記載された光拡散光ファイバ40が約0.5から約5dB/mの範囲の散乱誘起減衰損失(400から1700nmの波長で)を有することが都合よい。そのような光拡散光ファイバ40は、先に記載された式(1)により与えられるような光散乱寄与を有する。特定の用途について、ファイバ40を、約1から約2dB/mの範囲の散乱誘起減衰損失を有するように調整することが好ましい。他の用途において、ファイバ40の減衰損失を約2から約5dB/mの範囲に調整することが好ましい。
【0049】
ここに記載したように、光拡散光ファイバ40は、その全長に沿って均一照射を生じるように構成することができる。他の実施の形態において、光拡散光ファイバ40は、ファイバの全長より短いファイバのセグメントに沿って均一照射を生じるように構成することができる。ここに用いた「均一照射」という句は、光拡散ファイバ、例えば、光ファイバ40から放射された光の強度が、指定長さに亘り25%を超えて変動しないことを意味する。
【0050】
ここに記載した光拡散光ファイバ40は、様々な加工技法を使用して形成してよい。一般に、ファイバ40は、ファイバ巻取りシステムにより光ファイバプリフォームから線引きされ、実質的に垂直な経路に沿って線引き炉を出る。B
SAS寄与を考慮して、コア領域10および内側クラッド20のガラス組成物を、それらは所定の線引き温度で粘度が不一致であるように選択することが好ましい。いくつかの実施の形態において、光拡散光ファイバ40のコア領域10および内側クラッド20のガラス組成物は、ファイバ加工に選択された線引き温度で約1から約10ポアズの範囲の絶対粘度不一致Δηを有するように選択される。すなわち、Δη=|η
コア−η
クラッド|=約1から10ポアズ、式中、η
コアおよびη
クラッドは、所定の線引き温度での、それぞれ、コア領域10および内側クラッド20のガラス組成物の粘度である。
【0051】
光拡散光ファイバ40が線引き炉を出た後、ファイバ40は、1つ以上の高分子層が施されて外側クラッド30を形成するように被覆することができる。いくつかの実施の形態において、散乱剤32を、外側クラッド30の外側散乱層36中に使用しても差し支えない。
【0052】
図2を参照すると、光拡散光ファイババンドル100の1つの実施の形態が示されている。光拡散光ファイババンドル100は、実質的に透明な材料から構成されたジャケット70を備えている。光ファイババンドル100は、そのジャケット70内に配列された複数の光拡散光ファイバ40をさらに備えている。各光ファイバ40は、コアガラス組成物から構成されたコア領域10、およびコア領域10を取り囲み、コアガラス組成物とは実質的に異なるクラッドガラス組成物から構成された内側クラッド20を備えている。さらに、各光ファイバ40は、内側クラッド20を取り囲み、フッ素化ポリマーまたは非フッ素化組成物および複数の散乱要素32から構成された外側クラッド30を備えている。各光ファイバのコアガラス組成物は、90質量%未満のSiO
2を有する低融点ドープシリカガラスを含み、各ファイバ40の開口数NAは0.4以上である。その上、実質的に透明な材料から構成された充填剤60が、ジャケット70と光拡散光ファイバ40との間に配置されている。
【0053】
図1A〜1Dに関連して先に記載された光拡散光ファイバ40の様々な実施の形態のいずれを、
図2に示された光拡散光ファイババンドル100内に用いても差し支えないことが理解されよう。光拡散光ファイババンドル100の作動は、ただ1つの光拡散光ファイバ40の作動(
図1A参照)と実質的に変わらない。すなわち、入射光1がバンドル100の端部の一方に向けられ、それによって、バンドル100内に収容された各ファイバ40の端部の一方に向けられる(図示せず)。入射光1は、各ファイバ40内を移動し、コア領域10、内側クラッド20および外側クラッド30を通って散乱光線4として出る。各光拡散光ファイバ40は、例えば、式(1)により規定されるように、その長さに沿って光を散乱させ、散乱剤32を含有する外側クラッド30のおかげで、均一な角散乱を提供する。これらの散乱光線4は、次いで、実質的に透明な充填剤60に入り、ジャケット70を通ってファイババンドル100から出る(図示せず)。
【0054】
各バンドル100内の光拡散光ファイバ40の分布および濃度は、用途の寸法要件、バンドル100の長さの関数としてのその用途に必要な光の量などを含む、様々な検討事項を考慮して、特定の照明用途に合わせて選択することができる。特定の用途のために所定のバンドル100内に光拡散光ファイバ40の多数構造(例えば、様々な散乱減衰損失レベルを有する光ファイバ40の組合せ)を利用することもできる。
【0055】
図3を参照すると、光拡散光ファイババンドル100aの別の実施の形態が示されている。光拡散光ファイババンドル100aは、散乱要素から構成されたジャケット70aを備えている。このバンドル100aは、ジャケット70a内に配列された複数の光ファイバ40aをさらに備えている。この散乱要素は、散乱充填剤60aおよびジャケット70aの最も外側部分の散乱層74を含む。充填剤60aは、ジャケット70aと光拡散光ファイバ40aとの間に配置されている。散乱要素62および72は、それぞれ、散乱充填剤60aおよび散乱層74中に配置されている。光拡散光ファイバ40の実施の形態に関連して先に記載した散乱剤32と変わらず、散乱要素62および72にTiO
2粒子および/または他の散乱粒子を使用することが好ましい。
【0056】
バンドル100a内の各光拡散光ファイバ40aは、コアガラス組成物から構成されたコア領域10、およびコア領域10を取り囲み、コアガラス組成物とは実質的に異なるクラッドガラス組成物から構成された内側クラッド20を備えている。各光ファイバ40aのコアガラス組成物は、90質量%未満のSiO
2を有する低融点ドープシリカガラスを含み、各ファイバ40aの開口数NAは0.4以上である。
【0057】
図1A〜1Dに関連して先に記載された光拡散光ファイバ40の様々な実施の形態のいずれを、これらのファイバ40が外側クラッド30を持たないように改良されている(すなわち、光拡散光ファイバ40aと変わらない)という条件で、
図3に示された光拡散光ファイババンドル100a内に用いても差し支えないことが理解されよう。光拡散光ファイババンドル100aの作動は、ただ1つの光拡散光ファイバ40の作動(
図1A参照)と実質的に変わらない。すなわち、入射光1がバンドル100aの端部の一方に向けられ、それによって、バンドル100a内に収容された各ファイバ40aの端部の一方に向けられる(図示せず)。入射光1は、各ファイバ40a内を移動し、コア領域10および内側クラッド20を通って散乱光線4として出る。各光拡散光ファイバ40aは、例えば、式(1)により規定されるように、その長さに沿って光を散乱させる。さらに、散乱要素、すなわち、充填剤60aおよび/またはジャケット70a内に含まれる散乱要素62および72のおかげで、光拡散光ファイババンドル100aによって、均一な角散乱が提供される。よって、入射光1は、各光拡散光ファイバ40aから、充填剤60aおよびジャケット70aを通り、次いで、バンド100aから散乱光線4として出る(図示せず)。
【0058】
各バンドル100a内の光ファイバ40aの分布および濃度は、用途の寸法要件、バンドル100aの長さの関数としてのその用途に必要な光の量などを含む、多くの検討事項を考慮して、特定の照明用途に合わせて選択することができる。特定の用途のために所定のバンドル100a内に光拡散光ファイバ40aの多数構造(例えば、様々な散乱減衰損失レベルを有する光ファイバ40aの組合せ)を利用することもできる。
【0059】
請求項の精神または範囲から逸脱せずに、様々な改変および変更を行えることが当業者には明白であろう。