特許第6552494号(P6552494)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6552494電気モータ電流接続部を有するパワーエレクトロニクスモジュール及びハイブリッドモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552494
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】電気モータ電流接続部を有するパワーエレクトロニクスモジュール及びハイブリッドモジュール
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20190722BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20190722BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20190722BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   H02K11/33
   B60K6/26
   H02K5/22
   H01R13/52 301H
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-534684(P2016-534684)
(86)(22)【出願日】2014年10月24日
(65)【公表番号】特表2017-500838(P2017-500838A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】DE2014200592
(87)【国際公開番号】WO2015078459
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2017年10月20日
(31)【優先権主張番号】102013224087.2
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン マツコヴィアク
(72)【発明者】
【氏名】セドリック ブラエ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス トリンケンシュー
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−078181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
B60K 6/26
H01R 13/52
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド駆動ユニット用のハイブリッドモジュール(10)を動作させるためのパワーエレクトロニクスモジュール(20)であって、
前記ハイブリッドモジュール(10)は、前記ハイブリッド駆動ユニットの駆動トルクを形成可能な電気モータ(17)を有する、
パワーエレクトロニクスモジュール(20)において、
前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)は、パワーエレクトロニクスモジュール側の電気モータ電流接続部(210)を有し、
前記パワーエレクトロニクスモジュール側の電気モータ電流接続部(210)は、前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)に接続されたパワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置(211)を有し、
前記パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置(211)は、少なくとも1つのパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素(212)を有し、
前記パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素(212)は、前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)に直接的に固定されており、且つ、前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)のパワーエレクトロニクス要素に電気的に結合されており、且つ、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素(112)の隣に設けられた切欠部(16)に差し込まれて、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素(112)に直接的にコンタクト可能である
ことを特徴とするパワーエレクトロニクスモジュール(20)。
【請求項2】
前記パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置(211)は、前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)に固定されている、
請求項1記載のパワーエレクトロニクスモジュール(20)。
【請求項3】
前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)は、前記ハイブリッドモジュール(10)の構成部品(12)に配置可能であり、
前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)を前記構成部品(12)に配置することによって、前記パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置(211)を前記ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置(111)にコンタクトさせることが可能である、
請求項1又は2記載のパワーエレクトロニクスモジュール(20)。
【請求項4】
前記パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素(212)と前記ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素(112)とを、固定手段(31)を用いて互いに押し合わせて接触させることが可能である、
請求項1から3のいずれか1項記載のパワーエレクトロニクスモジュール(20)。
【請求項5】
前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)は、シールリッド(32)を用いて密閉可能な取り付け開口部(34)を備えるパワーエレクトロニクスハウジング(22)を有し、前記取り付け開口部(34)を通して、前記固定手段(31)を適用するための工具を用いて前記固定手段(31)がアクセス可能である、
請求項記載のパワーエレクトロニクスモジュール(20)。
【請求項6】
前記パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素(212)及び/又は前記ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素(112)は、シールコンタクトによって形成された開口部を通って延在しており、
前記シールコンタクトは、前記ハイブリッドモジュール(10)を取り囲む外部空間、及び/又は前記ハイブリッドモジュール(10)の内部空間に対して前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)を密閉するものである、
請求項からのいずれか1項記載のパワーエレクトロニクスモジュール(20)。
【請求項7】
前記パワーエレクトロニクスモジュール(20)は、前記ハイブリッドモジュール(10)の構成部品(12)に配置されている、
請求項1からのいずれか1項記載のパワーエレクトロニクスモジュール(20)。
【請求項8】
ハイブリッド駆動ユニット用のハイブリッドモジュール(10)であって、
前記ハイブリッドモジュール(10)は、前記ハイブリッド駆動ユニットの駆動トルクを形成可能な電気モータ(17)を有する、
ハイブリッドモジュール(10)において、
前記ハイブリッドモジュール(10)は、ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部(110)を有し、
前記ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部(110)は、前記ハイブリッドモジュール(10)に接続されたハイブリッドモジュール側のコンタクト装置(111)を有し、
前記ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置(111)は、少なくとも1つのハイブリッドモジュール側の電流伝導要素(112)を有し、
前記ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素(112)に隣接して、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素(212)が差し込まれる切欠部(116)が設けられており、該切欠部(116)への前記パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素(212)の差し込みにより、前記ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素(112)に直接的にコンタクト可能である
ことを特徴とするハイブリッドモジュール(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータと内燃機関とからなる組み合わせを有するハイブリッド駆動部を備えたハイブリッド駆動式の機械のための、とりわけハイブリッド駆動部を有する車両のための、パワーエレクトロニクスモジュール及びハイブリッドモジュールに関する。
【0002】
従来技術に対して貴重な貢献をもたらした独国特許出願公開第102012222110号明細書は、自動車のパワートレイン用の操作装置を備えたクラッチ装置であって、パワートレインは、内燃機関と、ステータ及びロータを備えた電気機械と、トランスミッション装置とを有し、クラッチ装置はパワートレインにおいて、内燃機関と電気機械及びトランスミッションとの間に配置されており、上記クラッチ装置を構造的に及び/又は機能的に改良するために、クラッチ装置及び操作装置は、電気機械のロータ内に組み込まれている、クラッチ装置を開示している。
【0003】
発明者は、上記の従来技術をさらに一層改善するという課題を立てた。とりわけコスト及び/又は取り付け費用を削減し、及び/又は、動作安全性を向上させるべきである。
【0004】
上記の課題は、とりわけ、ハイブリッド駆動ユニット用のハイブリッドモジュールを動作させるためのパワーエレクトロニクスモジュールであって、前記ハイブリッドモジュールは、前記ハイブリッド駆動ユニットの駆動トルクを形成可能な電気モータを有し、前記パワーエレクトロニクスモジュールは、パワーエレクトロニクスモジュール側の電気モータ電流接続部を有し、前記パワーエレクトロニクスモジュール側の電気モータ電流接続部は、前記パワーエレクトロニクスモジュールに接続されたパワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置を有し、前記パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置は、ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部の、前記ハイブリッドモジュールに設けられたハイブリッドモジュール側のコンタクト装置に直接的に接続される、
パワーエレクトロニクスによって解決される。
【0005】
上記の課題はさらに、とりわけ、ハイブリッド駆動ユニット用のハイブリッドモジュールであって、前記ハイブリッドモジュールは、前記ハイブリッド駆動ユニットの駆動トルクを形成可能な電気モータを有し、前記ハイブリッドモジュールは、ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部を有し、前記ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部は、前記ハイブリッドモジュールに接続されたハイブリッドモジュール側のコンタクト装置を有し、前記ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置は、パワーエレクトロニクスモジュール側の電気モータ電流接続部の、パワーエレクトロニクスモジュールに設けられたパワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置に直接的に接続される、
ハイブリッドモジュールによって解決される。
【0006】
上記の課題はさらに、とりわけ、ハイブリッド駆動ユニット用のハイブリッドモジュールを取り付ける又は組み立てる方法であって、前記ハイブリッドモジュールは、前記ハイブリッド駆動ユニットの駆動トルクを形成可能な電気モータを有し、パワーエレクトロニクスモジュール側の電気モータ電流接続部の、パワーエレクトロニクスモジュールに接続されたパワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置を、ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部の、前記ハイブリッドモジュールに設けられたハイブリッドモジュール側のコンタクト装置に直接的に接続させる、
方法によって解決される。
【0007】
こうすることによって、パワーエレクトロニクスモジュールとハイブリッドモジュールとの間における電気モータのための簡単なコンタクトが得られる。これによって高価な高電圧ケーブルが削減され、このことにより一方ではコストが減少し、他方では(ケーブルは例えば事故や誤操作時に影響を受けやすいので)安全性が向上する。
【0008】
ハイブリッドモジュールは、好ましくは電気駆動ユニットとして電気モータと、好ましくはクラッチ、特に好ましくは付加的なダンパーシステムを備えるクラッチ、好ましくはデカップリングクラッチと、を含むカップリングモジュールである。ハイブリッドモジュールは、好ましくは内燃機関と、好ましくはトランスミッションを備える被駆動側、例えば車輪との間に軸線方向に配置されており、トランスミッションは、ハイブリッドモジュールと被駆動側との間に接続されている。ハイブリッドモジュールは、好ましくは自動車用ハイブリッドモジュールである。ハイブリッドモジュールは、好ましくはハイブリッドモジュールハウジングを有する。ハイブリッドモジュールハウジングは、好ましくは電気駆動ユニットを少なくとも部分的に取り囲むスリーブ、及び/又は、ハイブリッドモジュールのクラッチを少なくとも部分的に取り囲むスリーブである。ハイブリッドモジュールハウジングは、特に好ましくは電気駆動ユニット及び/又はクラッチを流体、例えば冷却流体に対して密閉しながら取り囲んでいる。ハイブリッドモジュールハウジング内には、好ましくは1つ又は複数の冷却流体チャネルが設けられており、この冷却流体チャネル内を流体が通流し、好ましくは循環する。ハイブリッドモジュールは、好ましくは電気モータ電流接続部、電気信号及び/又はクラッチアクチュエータ接続部、並びに/若しくは、冷却剤接続部を有し、これらの接続部のうちの少なくとも1つ、好ましくは2つ、特に好ましくは全てが、パワーエレクトロニクスモジュール側の対応する接続部に直接的に接続されている。例えば、電気モータ電流接続部、好ましくは電気信号及び/又はクラッチアクチュエータ接続部も、特に好ましくは冷却剤接続部も、パワーエレクトロニクスモジュール側の対応する接続部に直接的に接続されている。
【0009】
電気モータ電流接続部は、好ましくはハイブリッドモジュールの電気モータ(電気駆動モータ)を動作させるための電流を、例えば電気モータのステータ及び/又はロータに導くための接続部である。電気モータ接続部は、好ましくは高出力インターフェースである。好ましくは高出力インターフェースは、ピーク電力、好ましくは連続電力が少なくとも10W、好ましくは少なくとも100W、特に好ましくは少なくとも1000W、又はそれ以上である電力を伝達するために設計されている。高出力インターフェースは、好ましくは電気モータ電流接続部である。好ましくはこの高出力インターフェースを介して、電気モータを動作させるための電力が伝達され、この高出力インターフェースは、それぞれ最大400Aの電流において好ましくは少なくとも48V、特に好ましくは少なくとも100V、特に好ましくは少なくとも350V、又はそれ以上のピーク電圧、好ましくは交流電圧のために設計されている。
【0010】
電気信号及び/又はクラッチアクチュエータ接続部は、好ましくは少なくとも1つの信号線路(例えばクラッチアクチュエータのロータ位置センサ信号、ロータ回転数センサ信号、温度センサ信号、ポジションセンサ信号のような制御及び/又は測定信号のための信号線路、すなわちクラッチアクチュエータ用の制御信号のための信号線路)、及び/又は、クラッチアクチュエータ用の少なくとも1つの電圧供給部を導く接続部である。電気信号及び/又はクラッチアクチュエータ接続部は、好ましくは低出力インターフェースである。低出力インターフェースは、ピーク電力、好ましくは連続電力が100以下、好ましくは10W以下、特に好ましくは5W以下である制御信号及び/又は電力を伝達するために設計されている。好ましくはこの低出力インターフェースを介して、クラッチ又は電気モータのための制御信号及び/又はセンサ信号、並びに/若しくはハイブリッドモジュールのクラッチの操作装置のための供給電力が伝達される。
【0011】
ハイブリッド駆動ユニットは、好ましくは相異なる2つの駆動ユニット、例えば内燃機関と電気モータとを備える組み合わせ型の駆動ユニットである。
【0012】
パワーエレクトロニクスモジュールは、好ましくはハイブリッドモジュールの電気モータの電流を開ループ制御又は閉ループ制御する種々のコンポーネントの複合体であり、好ましくは冷却要素又は電源ユニットのような、このために必要な周辺構成部品も含まれている。とりわけパワーエレクトロニクスモジュールは、電流の開ループ制御又は閉ループ制御のために設計されているパワーエレクトロニクス、若しくは1つ又は複数のパワーエレクトロニクス構成部品を含む。特に好ましくは、1つ又は複数のパワースイッチ、例えばパワートランジスタである。特に好ましくは、パワーエレクトロニクスは、2つより多くの、好ましくは3つより多くの互いに分離された位相又は信号路を有しており、これらの位相又は信号路は、それぞれ1つの独自のパワーエレクトロニクス構成部品を有する。パワーエレクトロニクスは、好ましくはピーク電力、好ましくは連続電力が少なくとも10W、好ましくは少なくとも100W、特に好ましくは少なくとも1000Wである電力を位相ごとに開ループ制御又は閉ループ制御するために設計されている。好ましくは、パワーエレクトロニクスモジュールは、ハイブリッドモジュールの構成部品、例えばハイブリッドモジュールハウジングに配置されており、好ましくはハイブリッドモジュールハウジング内に設けられたハイブリッドモジュールの構成部品、例えばステータプレートに配置されている。好ましくは、パワーエレクトロニクスモジュールは、ハイブリッドモジュールをハイブリッド駆動ユニット内に取り付ける前に、例えばハイブリッドモジュールを自動車のモータ領域に取り付ける前に、ハイブリッドモジュールの構成部品に予め取り付けられる。
【0013】
好ましくは、パワーエレクトロニクスモジュールはさらに、ハイブリッドモジュールのための制御エレクトロニクス及び/又はセンサエレクトロニクス、例えばクラッチアクチュエータ用の制御ユニット(例えば、アクチュエータ制御ユニットACU - actuator control unit)、例えば電気的なセントラルレリーズ機構を有する。パワーエレクトロニクスモジュールは、好ましくは電気信号及び/又はクラッチアクチュエータ接続部、並びに/若しくは冷却剤接続部を有し、これらの接続部は、ハイブリッドモジュール側のそれぞれ対応する接続部に直接的に接続されている。
【0014】
パワーエレクトロニクスモジュールは、好ましくはハイブリッドモジュールの例えば電気モータのステータ巻線に電流を流すことによって、ハイブリッドモジュールを動作させることが可能である。
【0015】
ハイブリッドモジュール側というのは、好ましくはこのように名付けられた構成部品が、ハイブリッドモジュールとパワーエレクトロニクスモジュールとの間のインターフェースに関連してハイブリッドモジュール側に位置していること、及び、その場合にハイブリッドモジュールに割り当てられていることを意味している。パワーエレクトロニクスモジュール側というのは、好ましくはこのように名付けられた構成部品が、ハイブリッドモジュールとパワーエレクトロニクスモジュールとの間のインターフェースに関連してパワーエレクトロニクスモジュール側に位置していること、及び、その場合にパワーエレクトロニクスモジュールに割り当てられていることを意味している。
【0016】
好ましくは、コンタクト装置は、他方のコンタクト装置に直接的に接続されることによって、すなわち好ましくはコンタクト装置同士の間にケーブルが中間接続されることなく接続されることによって、他方のコンタクト装置と協働して電気的なコンタクトを形成する装置である。コンタクト装置は、好ましくはプラグ装置として構成されている。プラグ装置は、好ましくはプラグコネクションを形成する。プラグ装置は、好ましくは少なくとも1つのプラグ要素及び/又は少なくとも1つのソケット要素を有する。好ましくは、それぞれのコンタクト装置は、ケーブルを用いずにパワーエレクトロニクスモジュール又はハイブリッドモジュールに接続されている。コンタクト装置は、好ましくは少なくとも1つの電流伝導要素を有する。好ましくは、パワーエレクトロニクスハウジングは、パワーエレクトロニクスモジュール側及び/又はハイブリッドモジュール側の電流伝導要素のための切欠部を有する。好ましくは、ハイブリッドモジュールハウジングは、パワーエレクトロニクスモジュール側及び/又はハイブリッドモジュール側の電流伝導要素のための切欠部を有する。
【0017】
直接的に接続されているというのは、好ましくは互いに接続された接続部、又は互いに接続された接続部の一部(例えばコンタクト装置)が、例えばシーリング要素が間に挿入されている状態で、又は特に好ましくはシーリング要素だけが間に挿入されている状態で、又は何の構成部材/要素も間に挿入されていない状態で、接触し合っていることを意味している。
【0018】
以下では、一方のモジュール(例えばハイブリッドモジュール)に関連して“それぞれの(各)”ユニットと記載されている場合には、これにより、対応する他方のモジュール(例えばパワーエレクトロニクスモジュール)のユニットが関連するものとする。
【0019】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置が、パワーエレクトロニクスモジュールに好ましくは直接的に、特に好ましくはケーブルを用いずに固定されている。本発明に係るハイブリッドモジュールの第2実施形態では、ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置が、ハイブリッドモジュールに好ましくは直接的に、特に好ましくはケーブルを用いずに固定されている。本発明に係るさらなる方法では、コンタクト装置同士が互いに接続される前に、パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置がパワーエレクトロニクスモジュールに固定され、及び/又は、ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置がハイブリッドモジュールに固定され、−しかも好ましくは直接的に、特に好ましくはケーブルを用いずに固定される−。
【0020】
こうすることにより、コンタクト点をそれぞれのモジュールに例えば一体的に作り付けることができ、又は、モジュール同士が1つに組み合わされた時に自動的にコンタクトを形成する確実なインターフェースを得ることができる。コンタクト装置は、好ましくはそれぞれのモジュールにねじ留め及び/又は接着されているか、又は、それぞれのモジュールのハウジングと一体的に形成されている。それぞれのコンタクト装置は、それぞれのモジュールの構成部品、例えばハウジングに、例えば剛性に又は少なくとも弾性に固定されている。
【0021】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスモジュールは、ハイブリッドモジュールの構成部品に配置可能であり、パワーエレクトロニクスモジュールを前記構成部品に配置することによって、パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置をハイブリッドモジュール側のコンタクト装置にコンタクトさせることが可能であり、好ましくは係合させることが可能である。本発明に係るさらなるハイブリッドモジュールの第3実施形態では、パワーエレクトロニクスモジュールは、ハイブリッドモジュールの構成部品に配置可能であり、パワーエレクトロニクスモジュールを前記構成部品に配置することによって、パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置をハイブリッドモジュール側のコンタクト装置にコンタクトさせることが可能であり、好ましくは係合させることが可能である。本発明に係るさらなる方法では、パワーエレクトロニクスモジュールを前記構成部品に配置することによって、パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置がハイブリッドモジュール側のコンタクト装置にコンタクトされ、好ましくは係合される。
【0022】
これによって取り付けが簡単になり、コンタクトはより確実になる。好ましくはさらに、例えばコンタクト装置がプラグ装置として構成されている場合には、互いに係合することによってハイブリッドモジュールとパワーエレクトロニクスモジュールとの間の接続安定性が向上する。好ましくは、パワーエレクトロニクスがハイブリッドモジュールに配置されており、これによってコンタクト装置同士が互いに係合されている。パワーエレクトロニクスモジュールが配置されている又は配置される、ハイブリッドモジュールの構成部品は、例えばハイブリッドモジュールハウジングであり、好ましくはハイブリッドモジュールハウジング内に設けられているハイブリッドモジュールの構成部品、例えばステータプレートである。
【0023】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置は、少なくとも1つのパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素を有し、前記パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素は、パワーエレクトロニクスモジュールに直接的に固定されており、且つ、パワーエレクトロニクスモジュールのパワーエレクトロニクス要素に電気的に結合されており、且つ、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素に直接的にコンタクト可能である。本発明に係るハイブリッドモジュールの第4実施形態では、ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置は、少なくとも1つのハイブリッドモジュール側の電流伝導要素を有し、前記ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素は、ハイブリッドモジュールに直接的に固定されており、且つ、ハイブリッドモジュールのステータ巻線に電気的に結合されており、且つ、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素に直接的にコンタクト可能である。本発明に係るさらなる方法では、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素は、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素に直接的にコンタクトされる。
【0024】
こうすることによって、パワーエレクトロニクスとステータ巻線との間に安定的な電気的接続が実現される。好ましくは、2つの電流伝導要素の間にコンタクトが形成される。電流伝導要素は、好ましくは通電用突出部又はバスバーである。電流伝導要素は、好ましくは固定手段、とりわけねじを収容するための開口部を有する。電流伝導要素は、例えば、好ましくは屈曲された板金(とりわけ銅製)、又はピン(例えば中空ピン又は中実ピン)、又はピンを導電的に収容するスリーブである。電流伝導要素は、特に好ましくは少なくとも1つの領域において弾性であり、従って、電流伝導要素は、例えば他方の電流伝導要素と係合する際に自身が弾性に固有変形するだけで、この他方の電流伝導要素に対して圧力を加えるようになっている。好ましくは、複数のハイブリッドモジュール側の電流伝導要素が、1つの相互連結用リングを介してステータ巻線に電気的に結合されている。好ましくは、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素は、少なくとも部分的に密閉されている、及び/又は、射出成形によって周りがプラスチックで囲まれている。好ましくは、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素は、パワーエレクトロニクスモジュールの回路基板にねじ留め及び/又はろう接されている。電流伝導要素は、好ましくは駆動トルクを形成するために必要な電気モータ電流を導くように設計されている。特に好ましくは、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素とパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素との間のコンタクト面は、パワーエレクトロニクスモジュールをハイブリッドモジュールに取り付ける方向(すなわち、好ましくは、パワーエレクトロニクスモジュールをハイブリッドモジュールに接続させるために挿入しなければならない方向)に広がる平面に、又は、この取り付け方向に対して平行な平面に位置している。
【0025】
好ましくは、ハイブリッドモジュールのステータは、好ましくは3つの電流伝導要素を有するハイブリッドモジュール側のコンタクト装置を有し、これらの電流伝導要素は、特に好ましくは相互連結用リングによって接続された状態で、ステータのコイルに接続されている。好ましくはパワーエレクトロニクスモジュールも、対向インターフェースとして、好ましくは径方向下側からパワーエレクトロニクスモジュールへと延びる3つの電流伝導要素を有する。好ましくは、ハイブリッドモジュールが組み立てられた状態(パワーエレクトロニクスモジュールが配置されている状態)において、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素とパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素との間の直接的なコンタクトが、プラグコネクションによって、好ましくはねじ接続によって実現されている。電流/電力が比較的大きい場合には、ねじ接続が好ましい。なぜならねじ接続は、一層良好なコンタクトを保証するからである。
【0026】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素とハイブリッドモジュール側の電流伝導要素とを、固定手段を用いて互いに押し合わせて接触させることが可能である。とりわけ第4実施形態に基づく、本発明に係るハイブリッドモジュールの第5実施形態では、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素とハイブリッドモジュール側の電流伝導要素とを、固定手段を用いて互いに押し合わせて接触させることが可能である。本発明に係るさらなる方法では、これら2つの電流伝導要素が互いに押し合わされて接触される。
【0027】
こうすることによって、振動に対してより一層確実な電気的コンタクトが形成される。これらの電流伝導要素は、好ましくは固定手段を用いて互いに押し合わされて接触されている。固定手段は、好ましくは電流伝導要素の一方又は両方に対して圧力を加える手段である。固定手段は、例えば2つの電流伝導要素内の開口部を同時に貫通可能なねじであり、内部でねじが回転するナット又はねじ切り(例えばM8)を用いて電流伝導要素に対して両側の圧力が加えられる。これに代わる形態では、固定手段は、例えばスナップ機構又は係止機構のばね又は弾性要素、若しくは部分的に円錐形の外部輪郭を有するボルトである。特に好ましくは、固定要素は、該固定手段と、各モジュール及び/又は電流伝導要素との間における形状接続(形状による束縛)を生じさせる。好ましくは、固定要素が電流伝導要素に加える圧力は、軸線方向(電気モータのロータの軸線に関して)の圧力であり、特に好ましくは軸線方向に対して垂直の方向(例えば径方向)の圧力である。好ましくは、コンタクト装置は、電流伝導要素の開口部を通って挿入されたねじをねじ留めするために1つ又は複数のねじ切りを有し、好ましくは電気モータの1つの位相につき1つのねじ切りを有する。好ましくは、ねじ留めされたねじは、電気モータのロータに関して径方向に、又は軸線方向に対して垂直に配置されている。
【0028】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスは、シールリッドを用いて密閉可能な取り付け開口部を備えるパワーエレクトロニクスハウジングを有し、この取り付け開口部を通して、固定手段を適用するための工具を用いて固定手段がアクセス可能である。とりわけ第5実施形態に基づく、本発明に係るハイブリッドモジュールの第6実施形態では、ハイブリッドモジュールハウジングは、シールリッドを用いて密閉可能な取り付け開口部を有し、この取り付け開口部を通して、固定手段を適用するための工具を用いて固定手段がアクセス可能である。本発明に係るさらなる方法では、固定手段は、ハイブリッドモジュール又はパワーエレクトロニクスモジュールのハウジング内の取り付け開口部を通して、工具を用いて適用され、その後、シールリッドを用いて取り付け開口部が密閉される。
【0029】
こうすることによって取り付けが簡単になると同時に、その後に各モジュールを周囲環境に対して簡単に密閉することができる。パワーエレクトロニクスハウジング内には、好ましくはパワーエレクトロニクスが配置されている。好ましくは、パワーエレクトロニクスハウジングは、パワーエレクトロニクスを完全に取り囲むように構成されている。シールリッドは、例えばキャップである。シールリッドは、好ましくはシーリング要素、例えばゴムコーティング又は挿入されたシールリングを有する。固定手段の適用とは、好ましくは固定手段の取り付け又は作動であると理解される。例えばこの固定手段の適用は、ねじ工具を用いたねじのねじ留め、又は、スナップ機構若しくは係止機構のばねの予備負荷又は押圧である。
【0030】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素及び/又はハイブリッドモジュール側の電流伝導要素が、シールコンタクトによって形成された開口部を通って延在しており、このシールコンタクトは、ハイブリッドモジュールを取り囲む外部空間、及び/又はハイブリッドモジュールの内部空間に対してパワーエレクトロニクスモジュールを密閉するものである。とりわけ第4〜6実施形態に基づく、本発明に係るハイブリッドモジュールの第7実施形態では、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素及び/又はハイブリッドモジュール側の電流伝導要素が、シールコンタクトによって形成された開口部を通って延在しており、このシールコンタクトは、ハイブリッドモジュールを取り囲む外部空間、及び/又はハイブリッドモジュールの内部空間に対してハイブリッドモジュールを密閉するものである。さらなる方法では、少なくとも1つの電流伝導要素が、シールコンタクトによって形成された開口部を通って導かれる。
【0031】
こうすることによって、それぞれのモジュールのハウジングを通る、電流伝導要素の貫入領域が、例えば漏出した冷却液又は侵入した汚染物質に対して密閉される。シールコンタクト、好ましくはシール面は、互いに接触している2つの構成部品、例えばパワーエレクトロニクスハウジングとハイブリッドモジュールハウジングとの間において、好ましくは液体及び/又は空気に対して密閉しているコンタクトである。好ましくは、間に挿入されたシーリング要素を有するシールコンタクト、例えばシールリング/シール突起部、若しくは1つ又は複数のシール面を備えたシールスリーブを有するシールコンタクトが形成されている。シールコンタクトによって形成された開口部は、例えばシールコンタクトの内側の領域である。好ましくは、シールコンタクトによって形成された開口部は、それぞれのモジュールの各ハウジング開口部に重なっている。
【0032】
特に好ましくは、ハイブリッドモジュールハウジングは、パワーエレクトロニクスハウジングが配置される壁領域を有する。この壁領域は、好ましくは切欠部を有し、この切欠部内には、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素、好ましくは複数の、特に好ましくは3つのパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素を挿入可能であり、且つ、この切欠部内において、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素、好ましくは複数の、特に好ましくは3つのパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素が、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素、好ましくは複数の、特に好ましくは3つのハイブリッドモジュール側の電流伝導要素にコンタクト可能となっている。切欠部内には、好ましくはシールスリーブが嵌め込まれており、このシールスリーブは、外側に少なくとも1つ、好ましくは複数、特に好ましくは2つの環状のシーリング要素を有する。好ましくは、シールスリーブは、内側の開口部、好ましくは長手方向の空隙を有し、この開口部内を通って少なくとも1つの、好ましくは複数の、特に好ましくは3つの、好ましくはパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素が貫通可能である。好ましくは環状の第1シーリング要素が、壁領域に対してスリーブを密閉しており、特に好ましくは別の1つの環状のシーリング要素が、好ましくはステータ周壁に一体化されたハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部に対してスリーブを密閉している。好ましくは、シールスリーブは、好ましくはねじを用いて壁領域に固定されている。特に好ましくは、壁領域は、パワーエレクトロニクスハウジングのクロージャを形成している。パワーエレクトロニクスハウジングは、好ましくは開口部を有し、この開口部の開口部縁部は、好ましくはこの開口部を取り囲む、間に挿入されたシーリング要素を備える壁領域に配置されており、好ましくは固定されている。
【0033】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、シールコンタクトがシーリング要素によって形成されており、このシーリング要素には、係止機構及び/又は保障手段及び/又はねじ留めによって、ハイブリッドモジュールハウジング又はパワーエレクトロニクスハウジングの壁部に対する予備負荷を加えることが可能であるか、又は予備負荷が加えられている。とりわけ第7実施形態に基づく、本発明に係るハイブリッドモジュールの第8実施形態では、シールコンタクトがシーリング要素によって形成されており、このシーリング要素には、係止機構及び/又は保障手段及び/又はねじ留めによって、ハイブリッドモジュールハウジング又はパワーエレクトロニクスハウジングの壁部に対する予備負荷を加えることが可能であるか、又は予備負荷が加えられている。本発明に係るさらなる方法では、シーリング要素に、係止機構及び/又は保障手段及び/又はねじ留めによって、ハイブリッドモジュールハウジング又はパワーエレクトロニクスハウジングの壁部に対する予備負荷を加えることによって、シールコンタクトが形成される。
【0034】
こうすることによって、電流伝導要素の貫入領域において、各モジュールのハウジングの、容易に取り付け可能な確実な密閉が可能となる。シーリング要素は、例えばシールリング/突起部、若しくは1つ又は複数のシール面を有するシールスリーブである。シーリング要素は、例えばプラスチック又はゴムからなる。シーリング要素は、特に好ましくは少なくとも部分的に弾性である。シーリング要素は、係止機構によって予備負荷を加えるために例えば少なくとも1つ、好ましくは2つ、特に好ましくは複数の、好ましくは互いに対向するスナップフックを有し、及び/又は、保障手段によって予備負荷を加えるために保障手段(保障手段:例えば引っ張りばね又は保護フック/リング/コッター)を収容する少なくとも1つのナット又は突起部を有し、及び/又は、ねじ留めによって予備負荷を加えるためにねじを収容する少なくとも1つ、好ましくは2つの開口部を有する。
【0035】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素は、導電性の板金、又は導電性の剛性のピンである。とりわけ第4〜8実施形態に基づく、本発明に係るハイブリッドモジュールの第9実施形態では、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素は、導電性の板金、又は導電性の剛性のピンである。
【0036】
こうすることによって、高い電気負荷耐性が実現されると同時に、高い機械安定性も実現される。板金又はピン又はスリーブは、好ましくは開口部を有し、この開口部によって2つの電流伝導要素のねじ留めが実現される。板金は、好ましくは少なくとも部分的に弾性である。
【0037】
本発明に係るさらなるパワーエレクトロニクスモジュールでは、パワーエレクトロニクスモジュールは、ハイブリッドモジュール、好ましくは本発明に係るハイブリッドモジュールの構成部品に配置されている。本発明に係るハイブリッドモジュールの第11実施形態では、ハイブリッドモジュールの構成部品に、パワーエレクトロニクスモジュール、好ましくは本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールが配置されている。本発明に係るさらなる方法では、パワーエレクトロニクスモジュールとハイブリッドモジュールとが互いに接触して配置され、これらのモジュールの少なくとも一方は、本発明に係るモジュールである。
【0038】
以下、本発明を、図面に基づいて例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】それぞれ1つの電気モータ電流接続部と、これらに所属するコンタクト装置とを有する、本発明に係るハイブリッドモジュール及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールの原理図である。
図2】第1実施形態に基づいて互いに接触してコンタクトされているそれぞれ1つの電流伝導要素を有する、図1に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールの原理図である。
図3図2に図示された原理に基づいて使用されうるステータの斜視図である。
図4】互いに取り付けられる前における、図2に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールの断面図である。
図5】コンタクト装置同士が互いに接続された後であって、且つ、固定手段が適用される前における、図4に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールの断面図である。
図6図5の一部の詳細図であり、ここでは図5とは異なり、フラットシーリングが用いられた実施形態が図示されている。
図7】第2実施形態に基づいて互いに接触してコンタクトされているそれぞれ1つの電流伝導要素を有する、図1に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールの原理図である。
図8図7のステータの斜視図である。
図9図8のステータのハイブリッドモジュール側のコンタクト装置の詳細図である。
図10図7の電流伝導要素のコンタクトの詳細図である。
図11】コンタクト装置同士が互いに接続された後であって、且つ、固定手段が適用された後における、図7に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールの断面図である。
図12図7〜11に図示された、シーリング要素が用いられた実施形態を例にした密閉の詳細図であり、ここではシーリング要素に、ねじ留めによってハイブリッドモジュールハウジングの壁部に対する予備負荷が加えられている。
図13図12と同様の詳細図であり、ここではシーリング要素に、係止機構を用いてハイブリッドモジュールハウジングの壁部に対する予備負荷が加えられている。
図14】ステータが図示されていない、図13の下側のシーリング要素の平面図である。
図15図12と同様の詳細図であり、ここではシーリング要素に、引っ張りばねを用いてハイブリッドモジュールハウジングの壁部に対する予備負荷が加えられている。
図16】取り付け/取り外し用の耳部を有する又は有さない、図15の保障手段の複数の変形例を示す図である。
図17図15のシーリング要素と、図16の第3変形例に基づく保障手段とを有する、ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置の斜視図である。
図18】ステータが図示されていない、図17のシーリング要素の斜視図である。
図19】取り付け前における、本発明に係るハイブリッドモジュールの斜視図である。
図20】好ましくは図19のハイブリッドモジュールのための本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、電気モータ17のためのそれぞれ1つの電気モータ電流接続部110又は210と、これらに所属するそれぞれ1つのコンタクト装置111又は211とを有する、本発明に係るハイブリッドモジュール10及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュール20の原理図を示す。コンタクト装置211と111とは、互いに接触してコンタクト可能である。好ましくは、これらのコンタクト装置111,211の少なくとも1つ、好ましくは2つがそれぞれ所属するモジュールに固定されており、例えばそれぞれのハウジングに剛性に又は少なくとも部分的に弾性に固定されているか、若しくはそれぞれのハウジングと一体的に形成されている。コンタクト装置121と221との間のコンタクトは、ハイブリッドモジュール側に位置している。破線で示されているのは1つの変形例であり、この場合には上記のコンタクトがパワーエレクトロニクスモジュール22側に位置している。
【0041】
ハイブリッドモジュールの組み立て時には、好ましくはパワーエレクトロニクスモジュール20をハイブリッドモジュール10に配置、例えば固定することにより、コンタクト装置111と211とが互いに接触してコンタクトされる。
【0042】
こうすることによって、パワーエレクトロニクスモジュール20とハイブリッドモジュール10との間に、電気モータ電流のための、電気負荷耐性を有する容易に取り付け可能な確実なコンタクトが実現され、この際には高電圧及び/又は高電流の配線を最小限に低減することができるか、又は完全に(例えばコンタクト装置がモジュールに固定されている場合)省略することができる。
【0043】
図2は、第1実施形態に基づいて互いに接触してコンタクトされているそれぞれ1つの電流伝導要素112及び212を有する、図1に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール10及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュール20の原理図を示す。ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部110は、少なくとも部分的にステータ17.2に一体化されている。ハイブリッドモジュールハウジング12.1は、スルーコンタクトのための切欠部16又はハウジング開口部を有する。ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素112とパワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212とは、ここでは通電用突出部として構成されており、1つの共通のコンタクト面を有する。このコンタクト面は、電気モータのロータ軸線に対する接線方向に位置しており、すなわち接線空間内に位置している。パワーエレクトロニクスモジュール20は、パワーエレクトロニクスハウジング22を有する。パワーエレクトロニクスハウジング22は、オプションとして、好ましくは環状の1つ又は複数のシーリング要素30によって密閉された状態で、ハイブリッドモジュールハウジング12.1に配置されている。ハイブリッドモジュールはオプションとして、ステータ17.2とハイブリッドモジュールハウジング12.1の壁部との間に冷却チャネル18を有する。好ましくは、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素112は、ハイブリッドモジュールハウジング12.1の開口部、ここでは切欠部16を通って延在している。好ましくは、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素112は、シールコンタクトによって形成された開口部を通って延在している。このシールコンタクトは、シーリング要素30とハイブリッドモジュールハウジング12.1との間に存在する。シーリング要素30は、シールスリーブ30.1のシールリップである。シールリップは、とりわけパワーエレクトロニクスハウジング22の内部空間を、外部空間及び冷却チャネル18に対して密閉するために使用される。パワーエレクトロニクスハウジング22はオプションとして、1つ又は複数のシーリング要素30を備えるシールリッド32を有する。シールリッド32は、パワーエレクトロニクスモジュール20をハイブリッドモジュール10に取り付けるために取り外し可能であり、且つ、取り付け開口部22.1を覆っている。取り付け開口部22.1は、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212に対向しており、好ましくは(径方向)下側で対向している。
【0044】
ハイブリッドモジュールの組み立て時には、とりわけコンタクト装置111の電流伝導要素112とコンタクト装置211の電流伝導要素212とが互いに接触してコンタクトされる。この実施形態ではとりわけ、電流伝導要素112と212とが、とりわけ径方向下側から径方向にねじ留めされている。この場合には、好ましくは1つ又は複数のねじの締め付け後に、シールリッド32がパワーエレクトロニクスハウジング22の上に被せられる。電流伝導要素112及び212の貫入領域を密閉するために、シーリング要素30を含むカバーとしてシールスリーブ30.1が下側からハイブリッドモジュールハウジング12.1に予め取り付けられ、その後、パワーエレクトロニクスモジュール20がハイブリッドモジュール10にフランジ留めされる。シーリングスリーブ30.1に設けられたシーリング要素30は、一方ではハイブリッドモジュールハウジング壁部に対して密閉しており、他方ではステータ17.2のコンタクト装置111に対して密閉している。
【0045】
こうすることによって、ハイブリッドモジュールの電気モータをパワーエレクトロニクスモジュールのパワーエレクトロニクスにより簡単且つ確実に(接続部が密閉されているので)接続することが可能となる。
【0046】
図3は、図2に示された原理に基づいて使用されうるステータ17.2の斜視図を示す。ステータ17.2は、コンタクト装置111を備える電気モータ電流接続部110を有する。コンタクト装置111は、ステータ周壁に一体化されており、2つ、好ましくは3つ、又はそれ以上の数の電流伝導要素112を有する。これらの電流伝導要素112は、径方向外側を向いた又は接線空間内に位置するそれぞれ1つのコンタクト面を有し、このコンタクト面に、エレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212をコンタクトさせることが可能である。電流伝導要素112は、好ましくは相互連結用リングを用いてステータ17.2のコイルに電気的に結合されている。
【0047】
図4は、取り付け前における、図2に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール10及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュール20の断面図を示す。各電流伝導要素112,212は、ここではそれぞれ1つの開口部112.1又は212.1を有し、これらの開口部によって電流伝導要素112,212を互いに接触して固定可能になっている。ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部210は、孔部、好ましくは止まり穴112.2を有し、この止まり穴112.2内には、好ましくはねじ切りが加工されている。これに代えて又はこれに加えて、開口部112.1内にねじ切りが設けられている。止まり穴112.2は、開口部112.1に重なっている。電流伝導要素112,212は、屈曲された板金である。これに代えて、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素112を、止まり穴を取り囲むスリーブ112.2としてもよいし、又は、止まり穴112.2を取り囲む材料によって形成してもよい。パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212は、回路基板26に固定されており、好ましくは冷却装置27も有するパワーエレクトロニクス21に電気的に接続されている。好ましくは、制御及び/又は測定用エレクトロニクス28が載置されている別の回路基板26が設けられている。パワーエレクトロニクスハウジング22は、下側に取り付け開口部22.1を有する。
【0048】
取り付けのためにパワーエレクトロニクスモジュール20は、ハウジング22と12.1とが接触するまで、且つ、電流伝導要素212と112とが接触するまで、下側からハイブリッドモジュール20に近づけられる。
【0049】
図5は、コンタクト装置110と210とが互いに接続された後であって、且つ、固定手段31が適用される前における、図4に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール10及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュール20の断面図を示す。ここでも同じように、図4に図示された構成部品が設けられている。見易くするために参照符号は再掲していない。ここでは、ねじが、固定手段31として取り付け開口部22.1を通って開口部112.1及び212.1内に挿入され、工具を用いて締められる。これによって最終的には、ねじの大部分が止まり穴112.2内に収容され、電流伝導要素112及び212の各コンタクト面が互いに押し合わされて接触される。最後に、シーリング要素30を備えるシールリッド32によって取り付け開口部22.1が閉鎖される。
【0050】
図6は、図5の一部の詳細図を示し、ここでは図5とは異なり、シーリング要素30としてフラットシーリングが用いられた実施形態が図示されている。このフラットシーリングはシールスリーブ30.1に被着されているが、これに代えて、フラットシーリングをシールスリーブ30.1と一体的に構成してもよい。この例では、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素112が止まり穴112.2を取り囲む材料によって形成されている、図4に関連して既に説明した択一的形態が図示されている。この場合に特に有利には、電気的なコンタクトが、適用される固定手段(例えばねじ又はボルト)に亘って大面積で実現される。しかしながら、例えば図4に示したような他の電流伝導要素112を使用しても構わない。
【0051】
図7は、第2実施形態に基づいて互いに接触してコンタクトされているそれぞれ1つの電流伝導要素112及び212を有する、図1に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール10及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュール20の原理図を示す。電流伝導要素112と212との間のコンタクト面は、パワーエレクトロニクスモジュール20をハイブリッドモジュール10に取り付ける方向に広がる平面に、ここではほぼ(電気モータのロータ軸線に関連した)軸線方向に対して垂直な平面に位置している。パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212は、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素112の隣に設けられた空隙内に差し込まれている。ここでは、直線形の空隙(先細っていない)が図示されている。2つの電流伝導要素112及び212は、それぞれ1つの開口部を有し、固定手段31としてねじを用いて軸線方向に互いに押し合わされて接触されている。シールリッド32は、取り付け開口部12.2を閉鎖している。これに代わる形態では、円錐形の(先細った)空隙が設けられており、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212をその空隙内に差し込むだけでもう、電流伝導要素112,212の軸線方向の圧力が互いに向き合う方向に発生するようになっている。残りの構成部品は、図2に関連して既に説明済みである。(固定手段による固定が実施される場合、又はされない場合の)いずれの場合においても、挿入用傾斜が形成されるように空隙を円錐形とすることが好ましい。
【0052】
図2の実施形態とは異なり、電流伝導要素112,212のねじ留めは、軸線方向に、好ましくは軸線方向に後方から実施される。このことは、ねじ留め時におけるパワーエレクトロニクスモジュール内への汚染物質の侵入という点に鑑みてより有利である。なぜなら、パワーエレクトロニクスモジュール20の通電用突出部212しか露出しない(他の部分は露出しない)からである。この通電用突出部212は、ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置110内に挿入される。オプションの挿入用傾斜によってプロセスが容易になり、好ましくはオプションの挿入用傾斜を設けるだけでもう、電流伝導要素112,212の互いに向き合う方向への圧力が形成されるようになる。電流伝導要素112,212のねじ留め後、シーリング要素30を含むシールリッド32を用いてコンタクトが閉鎖される。
【0053】
こうすることにより、パワーエレクトロニクスを取り付け中に汚染物質からさらに良好に保護する択一的なコンタクト方法が実現され、また、ねじ留めに拠らない円錐形の空隙を用いたより確実なコンタクトは、取り付け費用が一層低減されるので特に有利である。
【0054】
図8は、図3と同様に図7のステータ17.2の斜視図を示し、図9は、図8のステータ17.2のハイブリッドモジュール側のコンタクト装置の詳細図を示す。
【0055】
このステータは、図3とは異なり、軸線方向に対して垂直に位置するコンタクト面を有する電流伝導要素112を有する。コンタクト装置110の周壁には取り付け開口部12.2が設けられており、この取り付け開口部12.2内には、軸線方向に固定手段31を挿入可能である。コンタクト装置110の周壁にはさらに切欠部16が設けられており、この切欠部16内には、軸線方向に対して垂直な方向に(例えば径方向に)パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212を挿入可能である。コンタクト装置110はさらに、シーリング要素30又はシールスリーブ30.1を固定するためのオプションの孔部12.3を有する。ここでは3つの電流伝導要素112が設けられている。
【0056】
図10は、図7〜10に基づく電流伝導要素のコンタクトの詳細図を示す。切欠部16によって、ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素112に隣接する間隙又は空隙が、パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素212のために切欠部16を通ってアクセス可能となる。
【0057】
図11は、コンタクト装置111,211が互いに接続された後であって、且つ、固定手段31が適用された後における、図7に基づく本発明に係るハイブリッドモジュール10及び本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュール20の断面図を示す。図7とほぼ同じ構成部品、及び部分的に図4と同じ構成部品が図示されている。ここでも電流伝導要素112及び212は、開口部112.1及び212.1を有する。これらの開口部112.1及び212.1は破線で表されており、見易くする為に参照符号は付されていない。さらには、ステータ17.2内に射出成形されたナット112.3が設けられている。
【0058】
2つの実施形態(図2〜6及び図7〜11)では、シールスリーブ30.1に関してそれぞれ異なるシーリングコンセプトを設けることができる:
・ハイブリッドモジュール12.1に対する径方向の密閉と、コンタクト装置110の周壁に対する径方向の密閉;
・ハイブリッドモジュール12.1に対する径方向の密閉と、コンタクト装置110の周壁に対する軸線方向の密閉;
・ハイブリッドモジュール12.1に対する軸線方向の密閉と、コンタクト装置110の周壁に対する径方向の密閉;
・ハイブリッドモジュール12.1に対する軸線方向の密閉と、コンタクト装置110の周壁に対する軸線方向の密閉。
【0059】
全ての実施形態がモデリングされたわけではない。構成部品の公差に応じて、シール作用に関していくつかの組み合わせが最適であると判明しうる。シールリッド32は、いずれの実施形態においてもとりわけ径方向下側から種々の方法で取り付けることができる。ここでは、スナップばねを用いたねじ接続、クリップ接続、又はクランプ接続が考えられる(図11及び12を参照)。
【0060】
図12は、図7〜11に図示された、シーリング要素30が用いられた実施形態を例にした密閉の詳細図を示し、ここではシーリング要素30に、ねじ留めによってハイブリッドモジュールハウジング12.1の壁部に対する予備負荷が加えられている。シールリッド32は、シーリング要素30として、電流伝導要素のねじ留めを径方向に密閉する2つの環状のシールリップと、対応するねじ留めのための孔部33.1とを有する。シールスリーブ30.1に一体的に形成された環状のシーリング要素30は、複数の矢印でマーキングされており、従って、これらの矢印は、シールスリーブ30.1の他方の側にも鏡対称に存在する。下の3つのシーリング要素は、ハイブリッドモジュールハウジング12.1に対する少なくとも1つのシールコンタクトを形成しており、及び/又は、パワーエレクトロニクスモジュール20の内部空間に対して密閉する少なくとも1つのシールコンタクトを形成している。シールスリーブ30.1の上の2つのシーリング要素は、ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置110のハウジングに対する少なくとも1つのシールコンタクトを形成している。上の4つのシーリング要素は、径方向の密閉を形成しており、最も下のシーリング要素は、軸線方向の密閉を形成している。この軸線方向の密閉は、シールスリーブ30.1の孔部33.1を通るねじによって有利には強力に実現されており、その一方で、径方向の密閉は、公差に応じてより強力に又はより小さい力で実現されている。
【0061】
図13は、図12と同様の詳細図を示し、ここではシーリング要素30に、係止機構を用いてハイブリッドモジュールハウジング12.1の壁部に対する予備負荷が加えられている。図14は、図13の下側のシーリング要素30の平面図を示し、但し、ステータは図示されていない。ねじ留めの代わりに、6つのスナップフック33.2によってシールスリーブ30.1の予備負荷が実現される。これらのスナップフックは、ペア毎に互いに反対側に位置しており、これによって、軸線方向の密閉に対する予備負荷がシールスリーブ30.1の周に亘って均等に加えられる。
【0062】
図15は、図12と同様の詳細図を示し、ここではシーリング要素に、保障手段33.3として設けられた引っ張りばねを用いてハイブリッドモジュールハウジング12.1の壁部に対する予備負荷が加えられている。引っ張りばねは、シールスリーブ30.1の突起部に当接している。有利には、スナップフックを用いた実施形態に比べて、取り外しが容易になると同時に、軸線方向の密閉に対する予備負荷が均等になる。
【0063】
図16は、取り付け/取り外し用の耳部を有する又は有さない、図15の保障手段33.3の複数の変形例を示す。第1変形例に基づく引っ張りばね33.3は、取り外し用の耳部を有しておらず、第2変形例に基づく引っ張りばね33.3は、取り外し用の耳部を1つ有し、第3変形例に基づく引っ張りばね33.3は、取り外し用の耳部を2つ有する。
【0064】
図17は、図15のシーリング要素と、2つの取り外し用の耳部を用いた図16の第3変形例に基づく保障手段33.3とを有する、ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置110の斜視図を示す。
【0065】
図18は、図17のシールスリーブ30.1に設けられたシーリング要素の斜視図を示し、但し、ステータは図示されていない。
【0066】
取り外し用の耳部(図16〜18)を用いた2つの実施形態の利点は、この取り外し用の耳部によって一層容易な取り外しが可能となることである。取り外し用の耳部が2つの場合には、取り外しが最も簡単である。なぜなら、例えば引っ張りばねの予備負荷をより容易に解除することができるからである。
【0067】
図19は、図1又は先行する別の1つの図に基づいて、取り付け前における本発明に係るハイブリッドモジュール10の斜視図を示す。壁領域14に、ハイブリッドモジュールの内部に対して密閉された複数の接続部、すなわちハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部110と、ハイブリッドモジュール側の電気信号及び/又はクラッチアクチュエータ接続部120とが設けられている。ハイブリッドモジュール10はさらに、2つのハイブリッドモジュール側の冷却剤接続部130を有する。この図にはさらに、ハイブリッドモジュール10のロータ17.1及びステータ17.2が図示されている。
【0068】
このハイブリッドモジュール10には、パワーエレクトロニクスモジュール20、例えば図2,4,5,7,又は11に図示されたパワーエレクトロニクスモジュール20を、ロータ17.1及びステータ17.2の径方向外側に省スペースに簡単に配置することが可能である。
【0069】
図20は、図1又は先行する別の1つの図に基づいて、取り付け前における、好ましくは図19のハイブリッドモジュール10のための本発明に係るパワーエレクトロニクスモジュール20の斜視図を示す。パワーエレクトロニクス20は、冷却装置27を有し、この冷却装置27は、パワーエレクトロニクスハウジング22の内部にある2つの冷却接続部230の間において、回路基板の、ハイブリッドモジュールに面した側に配置されている。パワーエレクトロニクスは、冷却装置27によって覆い隠されている。
【0070】
このようにして、本発明によって初めて、パワーエレクトロニクスの高電圧接続部の、ハイブリッドモジュールへの直接的なコンタクトが提供される。このためにとりわけ、ハイブリッドモジュール側においてはステータに切欠部が設けられており、パワーエレクトロニクスモジュール側においては切欠部に嵌合可能な通電用突出部が設けられている。通電用突出部同士は、好ましくはねじ留めされる。好ましくは、このねじ留めされた箇所がその後に密閉される。このために、径方向のねじ留めの場合には、パワーエレクトロニクスのハウジングに好ましくはシーリングが設けられており、軸線方向のねじ留めの場合には、好ましくはハイブリッドモジュールの領域に、対応するシーリング又はシールリッドが設けられている。さらには、パワーエレクトロニクスハウジングの領域とコンタクト箇所の周りとに、対応するシーリングが設けられている。
【符号の説明】
【0071】
10 ハイブリッドモジュール
12 構成部品
12.1 ハイブリッドモジュールハウジング
12.2 取り付け開口部
12.3 孔部
16 切欠部
17 電気モータ
17.1 ロータ
17.2 ステータ
18 冷却チャネル
20 パワーエレクトロニクスモジュール
21 パワーエレクトロニクス
22 パワーエレクトロニクスハウジング
22.1 取り付け開口部
26 回路基板
27 冷却装置
28 制御及び/又は測定用エレクトロニクス
30 シーリング要素
30.1 シールスリーブ
31 固定手段
32 シールリッド
33.1 孔部
33.2 スナップフック
33.3 保障手段
110 ハイブリッドモジュール側の電気モータ電流接続部
111 ハイブリッドモジュール側のコンタクト装置
112ハイブリッドモジュール側の電流伝導要素
112.1 開口部
112.2 止まり穴
112.3 ナット
120 ハイブリッドモジュール側の電気信号及び/又はクラッチアクチュエータ接続部
130 ハイブリッドモジュール側の冷却剤接続部
210 パワーエレクトロニクスモジュール側の電気モータ電流接続部
211 パワーエレクトロニクスモジュール側のコンタクト装置
212 パワーエレクトロニクスモジュール側の電流伝導要素
212.1 開口部
230 パワーエレクトロニクスモジュール側の冷却剤接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20