特許第6552510号(P6552510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6552510航空機全体を非侵入的に検査するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552510
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】航空機全体を非侵入的に検査するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20180101AFI20190722BHJP
【FI】
   G01N23/04
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-547166(P2016-547166)
(86)(22)【出願日】2015年1月22日
(65)【公表番号】特表2017-504803(P2017-504803A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】RO2015000002
(87)【国際公開番号】WO2015174875
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2018年1月3日
(31)【優先権主張番号】A201400068
(32)【優先日】2014年1月23日
(33)【優先権主張国】RO
(73)【特許権者】
【識別番号】516212913
【氏名又は名称】エスシー エムビー テレコム エルティーディー エスアールエル
【氏名又は名称原語表記】SC MB TELECOM LTD SRL
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】トゥドル,ミルチェア
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103529480(CN,A)
【文献】 特開2003−226493(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/036076(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00−23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機のための非侵入的な可動検査システムであって、
a.前記検査システムのコンポーネントを運び、かつ検査対象航空機を走査するためにコンポーネントの取外しおよび位置合わせに使用される可動走査ユニット1と、
b.牽引デバイス15と、
c.排除区域の外側に置かれる移動コントロールセンタ22と、
d.前記検査対象航空機のX線画像を、略垂直の投射(上方からの視点)を介して得るために使用される第1の走査フレームであって、
i.可動走査ユニット1において可変角度で組み立てられる1つまたは複数の入れ子式セグメントから成り、自由端に透過性放射線源6を搭載している機械的ブーム4であって、走査モードでは、前記ブームは、透過性放射線源6からの放射ビームが地上へ向けられて略垂直面に検査対象の機体を通過するように前記検査対象航空機の上部に位置合わせされる、機械的ブーム4と、
ii.地上に据え付けられる、検出器アレイ14を装備した検出器ライン11であって、前記透過性放射線源6のビームに暴露されるように前記検査対象航空機の下にこのビームと位置合わせされて位置づけられ、前記検出器ライン上を前記検査対象航空機が牽引される、検出器ライン11と、から成る第1の走査フレームと、
e.前記検査対象航空機のX線画像を、略水平の投射及び、視点を介して得るために使用される第2の走査フレームであって、
i.1つまたは複数の線形セクションセグメント、ベンドより成り、または可動走査ユニット1と機械的、振動式に結合される蝶番式ブーム7であって、前記蝶番式ブーム内には、放射線検出器アレイ9が据え付けられ、前記検出器アレイ9は、走査プロセスにおいて、前記走査対象航空機の側面で可変角度で略垂直位置を有し、かつ輸送の間は、可動走査ユニットのプラットフォームに沿って折り畳まれる、蝶番式ブーム7と、
ii.前記検査対象航空機の前記蝶番式ブーム7とは反対側の側面に位置決めされ、その放射ビームは前記蝶番式ブーム7へと配向され、前記検査対象航空機の機体を通過して、前記放射ビームと位置合わせされた前記検出器アレイ9に放射線を浴びせる、リロケート可能な放射線源16と、から成る第2の走査フレームと、
f.前記放射線検出器により提供されるデータを捕捉し、処理しかつ表示するための、かつ走査プロセス23を制御するためのサブシステムであって、前記可動牽引デバイス15は、前記2つの走査フレームを介して前記検査対象航空機を牽引し、牽引される検査対象航空機の動作は、異なる角度から前記航空機の少なくとも2つのX線画像を得るために、透過性放射線源の起動および放射線検出器からのデータ捕捉と同期される、ことを特徴とするサブシステムと、から成る、非侵入的な可動検査システム。
【請求項2】
前記第1の走査フレームの前記機械的ブーム4は、変形可能な平行四辺形サポート5を介して前記走査ユニット1へ接続され、前記変形可能な平行四辺形サポート5は、輸送モードにおいて前記可動ユニットの前記プラットフォーム上へ折り畳まれ、かつ走査モードにおいて上昇され、取り付けられる機械的ブーム4は、航空機の走査を容易にするため、かつ前記走査対象航空機の翼端との衝突を回避するために適切な高度で位置合わせされる、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【請求項3】
前記蝶番式ブーム7は、1つまたは複数の線形セグメントまたはベンドより成り、かつジョイント8内に1自由度で搭載され、前記ブームは、検出器アレイ9を装備し、かつ輸送時は、運転者キャビンの方向へ、構造物2に対して略平行位置に達するまで少なくとも90度回転することによって折り畳み可能であることを特徴とする、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【請求項4】
前記移動リモート・コントロール・センタ22は、排除区域aの外側に位置合わせされ、かつ非侵入的検査に関わる全てのプロセスを遠隔管理するように設計されることを特徴とする、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【請求項5】
移動コントロールセンタ22内には、走査場所とは別の地理的ロケーションからプロセスを監督するために、コンピュータ化された管理サブシステム19が、前記検査システムを監視しかつ操作する外部のコンピュータ化されたシステムと相互接続されて含まれる、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【請求項6】
前記航空機牽引デバイス15は、前記走査プロセスとの同期的動作を有し、かつ前記コンピュータ化された管理サブシステム19により制御される、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【請求項7】
同じフレームに対応する前記透過性放射線源と前記走査放射線検出器アレイとの間に存在する、そのビームが前記放射ビームと平行であるかこれに重畳される光エミッタ25より成る少なくとも1つの位置合わせシステム24を備える、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【請求項8】
前記走査フレームの近傍における航空機の存在を検出する、走査の開始時に透過性放射線の放射を自動的にオンにし、かつ走査の終わりに前記透過性放射線の放射を停止するために使用される少なくとも1つの近接センサ21を備える、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【請求項9】
前記リロケート可能な透過性放射線源16は、調整可能サポート17内に取り付けられ、前記調整可能サポート17は、地上に、走査されるべき航空機のサイズにとって適切なポジション(距離および方向)に位置合わせされることが可能であり、かつその地上からの高さは、前記X線画像において前記走査対象航空機の種類および特定区域に対して最適な幾何学的投射を達成するように調整されることが可能である、請求項1に記載の航空機の非侵入的な可動検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過性放射線を用いて航空機を高速、完全かつ非侵入的に検査するためのシステムおよび方法より成る。検査は、検査対象航空機上で人が直に介入することなく達成され、よって、機上の密輸品または危険物または航空機の機構構造における異常を検出するために認定者により実行される実際の物理的管理等の時間のかかる活動が排除される。
【0002】
本発明を用いることにより、検査対象航空機のX線画像が得られ、オペレータは、画像上で、走査された航空機内に存在する物品およびオブジェクトの形状、量(数量)および性質、および航空機の構造上の不備を評価することができる。本システムは、検査対象航空機のX線画像を2つの異なる視点、即ち一方の略垂直な視点およびもう一方の略水平な視点、から生成し、よって、特定のオブジェクトまたはエリアの空間ポジショニングに関する正確な情報が得られる。
【0003】
民間航空アプリケーションにおいて、本発明を実装するシステムにより得られるX線写真は、特に機体または翼の空の技術的キャビティ内部に禁制品が置かれ、航空機を輸送の手段として用いる場合の、禁止されたまたは申告されていない物品(薬物、爆発物、兵器、大量の現金、他、密航者をも)の密輸、不法運搬を発見するために使用されることが可能である。
【0004】
本発明によるシステムは移動体であって、空港の一エリアから別のエリアへの再配置が容易であり、運搬/組立て/分解に要する時間は、約数時間である。このようなシステムを用いる権限者は、不正空輸を行う者が予想しないエリアに当該システムを配置することで、保安検査における不意打ち的要素を作り出すことができる。したがって、このような移動体システムによる抑止効果は、固定式の検査システムに比べて著しく高い。
【0005】
軍事用途において、本システムは、航空機のあらゆる欠陥、機体に貫入する弾丸または発射物、または戦闘任務後の構造的被害を検出するために必要な、検査対象軍用機の完全性に関する情報を提供する。軍用機は、戦闘任務から帰還した時点で検査される。軍用機は、飛行中に戦用発射物、または発射物の爆発による榴散弾破片が当たって損傷した場合でも、損傷が安全な飛行のための最重要コンポーネントに影響するほど重大でなければ、操縦できることがある。この状況では、戦闘の能力および効率を保持するために、地上スタッフが被害を正確、完全かつ迅速に識別する必要がある。本発明によれば、検査システムが、航空機の構造および最重要コンポーネントに関する情報、延てはあらゆる損傷可能性に関する情報をほんの数分後に提供し、診断時間を大幅に低減させる。損傷した航空機の分解を基礎とする古典的な方法が使用される場合の一般的状況においては、この時間は、航空機の複雑さに依存して約数日、または数週間になる。軍事用途において、大部分の操作にとって時間短縮が極めて重要であるという事実は、周知である。
【0006】
現在、グローバル市場は、透過性放射線を用いて航空機をスキャンするための幾つかの操作システムおよび方法を提供している。その一部は、被検査エリアの片側および反対側に便宜的に位置決めされる放射線検出器およびX線発生器を用いて関心のある所定エリアのみをスキャンする非破壊的な制御システムである。
【0007】
このようなシステムの全体的な航空機検査への使用は、一方で、所定のエリアではシステムのポジショニングが困難であることにより、かつ一方で、走査システムのコンポーネントを再配置するために必要な時間がかなり長く、よって部分的検査でさえも長時間を要し得ることにより、限定的である。
【0008】
他の既知システムは、航空機の上のブームまたはフレーム上に置かれる放射線発生器、および地表面に置かれて航空機の単一画像を得る移動体検出システムを用いて、セキュリティ目的および用途に関して航空機の完全性をスキャンする。これらのシステムは、略垂直の視点からX線画像を得るが、分析される画像内オブジェクトの空間的位置決めは困難であり、かつ着陸装置エリアのX線写真を提供することができない。
【0009】
第5014293/07.05.1991号特許明細書により記述されているシステムは、その例である。このシステムは、片側に検出器エリアを、かつ反対側に放射線源を有する「C」字形ブームフレームより成る。このシステムは、最重要エレメントの損傷を検出すべく、航空機コンポーネントのコンピュータトモグラフィーを生成するために使用される。このシステムの主要な欠点は、ブームの形状およびそのサイズにあり、よって、航空機全体を検査することができず、幾つかの部分のみが連続式にスキャンされる。例えば、このシステムは、まず航空機の機室を検査し、次に翼を片方ずつ、次に残りの機体を検査するが、その度に搭載/解体時間を伴う。
【0010】
このシステムの別の欠点は、ブームが、低減されたサイズの航空機の検査に最適な形状およびサイズを有し、より大型の航空機には全く適さないことにある。
【0011】
さらに、様々なコンポーネントに合わせて走査システムを位置合わせ/再配置するための時間はかなり長く、実施可能性状態が著しく制限される。システムは、固定式であって、概して格納庫内に搭載され、よって、移動できないという欠点がある。
【0012】
第6466643/15.10.2002号特許明細書に記述されている別の検査システムは、放射線源が機体内部に置かれ、検出器が機体外部に置かれて、X線画像を達成するために同時に動かされる、というソリューションを提案している。このシステムおよび方法には、機体のみを検査して、両翼は検査しないという欠点がある。さらに、検査は侵入的であって、航空機内へアクセスする必要がある。
【0013】
米国特許第8483356B2号明細書において提案されているシステムは、放射線発生器を支持するブームまたは移動体フレームワーク、および地表面に置かれる移動体検出器を使用することに存し、これらは、位置合わせされて同時に動作し、固定位置を有する航空機をスキャンする。この方法の主要な欠点は、走査システムが車輪等の何らかのスキャンされない障害物を迂回する必要があり、かつこれら2つの移動体サブシステム間の完全な同期を永続的に保つ必要もある、ということである。さらに、車輪を迂回して移動体検出器が航空機構造体の下を移動することによって、走査時間は長くなり、かつ一体化したX線画像の生成が困難になる。
【0014】
別の非侵入的走査システムは、特許出願第A/2012/00443号(PCT/RO2012/000030)明細書に記述されているが、このシステムは、2つの視点からの完全なX線画像を生成することはできず、走査対象航空機上の単一の視点のみが使用され、機上の禁止された、または申告されていない物体を正確に弁別するには不十分である。また、戦闘発射物により生成される機上のシステムおよび航空機構造体への損傷を識別するには特に不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】第5014293/07.05.1991号特許明細書
【特許文献2】第6466643/15.10.2002号特許明細書
【特許文献3】米国特許第8483356B2号明細書
【特許文献4】特許出願第A/2012/00443号(PCT/RO2012/000030)明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決する技術的問題は、航空機の少なくとも2つの完全なX線画像を、前記航空機が滑走路上に位置決めされる牽引デバイスにより2つの走査フレームを通って引っ張られる間に異なる視点から生成する、能力の高い検査システムを用いて、航空機を非侵入的かつ完全に検査することである。本特許出願は、このシステムを用いて航空機を非侵入的に検査するための方法にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によるシステムおよび方法の提示を明瞭にするために、幾つかの用語を用いている。
・透過性放射線源は、放射性物質(Co60またはSe75等)の天然源、X線発生器または線形加速器(LINAC)または固形培地内の他の透過性放射線源であり得る、電離放射線源を指す。天然源を用いる場合、放射性物質の選定は、所望される侵入深さ、およびスキャンが行われる現場における利用可能な排除区域のサイズに依存して行われるものとする。
・走査フレームは、透過性放射線源、およびこの場合は航空機であるスキャンされる物体が通っていく予め規定された距離で位置決めされた放射線検出器のアレイ、より成るアセンブリを指す。
・検出器のアレイは、一列または複数列に位置合わせされる一連の透過性放射線検出器を指す。
・検出モジュールアセンブリは、前後に位置合わせされた複数の等しい検出器アレイの集合体を指す。
【0018】
非侵入的な検査システムは2つ以上の検出器アレイの照射を含意し、典型的にはその1つは航空機滑走路上に位置決めされ、かつ第2のアレイは略垂直な支持体上に位置決めされる。検出器により生成される電気信号は、アナログ/デジタル式に処理されてX線画像が生成され、これがワークステーションのモニタに現れる。通常は数千である多数の検出器から生成される情報の処理は、複雑な電子ブロック、およびブームとX線画像を生成するサブシステムとの間に多数の平行接続部を有するワイヤネットワークを含意する。
【0019】
本発明による航空機の完全かつ非侵入的な検査システムは、上に検査システムのコンポーネントを運搬する金属製上部構造物が据え付けられるトラックシャーシであり得るモバイル・スキャナ・ユニットと、可動式航空機牽引ユニットと、放射線検出器アレイにより提供されるデータを捕捉し、処理しかつ表示するため並びにプロセス制御をスキャンするためのコンピュータシステムと、略垂直な投射により検査対象航空機のX線画像を得るために使用される第1の走査フレームと、略水平な投射により検査対象航空機のX線画像を得るために使用される第2の走査フレームと、可動走査ユニットへ接続される、上に放射線検出器アレイが搭載される1つまたは複数のセグメントより成る機械的ブームであって、走査中、放射線検出器アレイは、可動走査ユニットのフレームに沿って検査対象航空機の側面まで拡張される位置に存在する機械的ブームと、その放射ビームが機械的ブームへ方向づけられて放射線検出器アレイが暴露されるように、検査対象航空機の機械的ブームとは反対側の側面に位置合わせされるリロケートされる放射線源と、で構成される。
【0020】
略垂直の投射(上方からの視点)を生成する走査フレームは、1つまたは複数のセグメントで構成される機械的ブームであって、一方の端が可動走査ユニットへ接続されかつもう一方の端に、走査モードにおいて検査対象航空機の上に位置合わせされる透過性放射線源を搭載している、よって、放射線源によって発せられる放射ビームが略垂直面内で地面へと方向づけられる、機械的ブームと、地上に据え付けられる検出器アレイであって、検出器が、検査対象航空機が可動ユニットに牽引されてその上を通過する放射線源ビームに暴露されるように、検査対象航空機の下へ位置合わせされる検出器アレイと、から成る。
【0021】
略水平の投射(側面図)を生成する走査フレームは、可動走査ユニットへ接続される1つまたは複数のセグメントで構成される、上に別の放射線検出器アレイが搭載されかつ走査プロセスでは検査対象航空機の側面上で略垂直位置を有する別の機械的蝶番アームと、その放射ビームが機械的ブームへと方向づけられて放射線検出器アレイを暴露するように、機械的ブームとは反対側の検査対象航空機の側面に置かれるリロケート可能放射線源と、から成る。
【0022】
システムの作動において、牽引デバイスは、2つの走査フレームを介して検査対象航空機を引っ張り、その動作は、異なる視点から航空機の少なくとも2つのX線画像を得るように、透過性放射線源の開始および放射線検出器からのデータ捕捉と同期される。
【0023】
システムの輸送モードにおいて、機械的ブームおよび蝶番式ブームは、車両を公道における合法的な輸送サイズに分類できるようにする最小限の全体サイズを保証するために折り畳まれる。走査モードでは、機械的ブームが拡張して、拡張状態における可動走査ユニットのシャーシに対して走査対象航空機のサイズ(高さおよび翼長)に依存する可変角度を形成し、かつ蝶番式ブームは、軸を中心とする少なくとも90度の回転動作によって、略垂直位置にされてシャーシの後側へと方向づけられる。
【0024】
機械的ブームおよび蝶番式ブームの移動は、PLCから液圧バルブまたはコマンドコンポーネントを介して受信されるコマンドに従って、液圧シリンダ、サーボ機構または電気機械的アクチュエータにより自動的に実行される。
【0025】
可動走査ユニット(MSU)は、走査フレームからの走査対象航空機の位置監視サブシステムを装備し、これは、航空機の移動方向に第1の走査フレームの近傍における航空機の存在を検出する少なくとも1つの近接センサを含み、これは、走査開始において放射線放射を自動的に開始しかつ走査の終わりで放射線放射を停止するために使用される。
【0026】
走査システムは、可動遠隔制御センタ(MRCC)を含み、これは、排除区域の外側に位置合わせされ、かつその目的は、コンピュータシステムと相互接続されるITシステムを介する非侵入的検査に関わる全てのプロセスを無線またはケーブルにより遠隔的に管理することにある。可動遠隔制御センタの内部には、走査画像を捕捉し、処理し、記憶しかつ表示するサブシステムが存在する。走査システムは、外周防護サブシステムも含む。
【0027】
可動走査ユニット、この場合はトラックシャーシ、は、中間の変形可能な平行四辺形形状の支持システム上、または硬質の中間セグメント上に、第1の放射線源を保持するブームを搭載する補助シャーシを装備していて、これは、輸送モードでは可動ユニットのプラットフォーム上へ折り畳まれ、走査モードの間は垂直位置へと上に広げられ、よって取り付けられる機械的ブームは、航空機の走査が容易であるように適切な高さまで上昇されることが可能である。ブームは、別の実装変形例が固定構造を有し得る場合、または代替的な実装変形例において、走査対象航空機のサイズに依存して長さが伸長可能な入れ子式セクションで構成されることが可能である。
【0028】
検出器ライン(モジュール式検出アッセンブリ)は、航空機の滑走面上に位置決めされ、かつ軽量で扱いやすい合金から製造される金属ハウジング内に搭載される。可動走査ユニットのオペレータは、アセンブリ全体を容易に取り扱うことができる。
【0029】
地表面に置かれる透過性放射線の検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)は、中実ブロックで製造され、各モジュールは、上半分のハウジング、下半分のハウジングから製造される密封された技術的ソケット内に搭載される放射線検出器アレイで構成され、上半分および下半分のハウジング間には、接触点の支持ネットワークが存在する。
【0030】
サブシステムは相補的に組み合わされ、よって、支持点は重い航空機を支持点上で牽引できるようにするために必要な機械抵抗を保証する。一方で、遮蔽されない透過性放射線が上半分のハウジングの壁を介して放射線検出器アレイに至る通路を提供する。
【0031】
補助シャーシに沿って、軸周囲のロータリジョイントには、少なくとも2つの放射線検出器アレイを装備する蝶番式ブームが搭載される。
【0032】
輸送モードにおいて、機械的ブームおよび蝶番式ブームは、シャーシに沿って折り畳まれ、かつ透過性放射線のモジュール式検出アッセンブリ、即ちリロケート可能ソース、ならびに可動牽引デバイスは、シャーシ上、より正確には上部構造物上へ装填され、システム全体は、下記のシーケンスを辿って輸送モードから走査モードへ転換する:
・検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)は、シャーシから取り外され、かつ滑走路上でオペレータによりシャーシの長手軸に沿って、垂直線が機械的ブームの端に置かれた透過性放射線源から下降して検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)の中心に落ちるように組み立てられる。
・シャーシが、4点液圧作動式サポート、即ちアウトリガ(outriggers)を介して地面へロックされる。
・可動透過性放射線源がシャーシから取り外され、走査されるべき航空機がこれと可動放射線源とを通過できるように、可動走査ユニットから対応する距離を隔てて置かれる。
・牽引デバイスがシャーシから取り外され、走査対象航空機へ取り付けられるために、排除区域の入口近く、検出器ラインより前へ置かれる。
・機械的ブームは、倒伏位置からシャーシに沿って上方位置へとシャーシ面に対して可変角度を形成する上昇動作を実行し、角度は、走査されるべき航空機のサイズにより決定される。
・入れ子式ブームを用いる実装バージョンでは、機械的ブームは、航空機の翼長に依存して予め規定される長さまで拡張動作を実行し、ブームの折り畳みは、運転者キャビンからシャーシの後側まで少なくとも90度の回転動作を実行し、最終的に、走査されるべき航空機のサイズおよび翼長に従って便利な角度で置かれる。
【0033】
本発明による非侵入的な制御方法は、可動牽引ユニットが、適切な位置において走査エリア内へ運ばれる検査対象航空機へ結合され、適切な位置において走査エリア内へ運ばれる検査対象航空機へ結合され、2つの放射線源の開始ならびに検出器アレイからデータ補足のためのサブシステムへのデータ送信と同期される2つの走査フレームを介して追跡され、得られた検出器からのデータを処理・表示・記憶し、X 線画像を生成・表示するために処理することで、従来のシステムの欠点を排除する。
【0034】
航空機は、2つの走査フレームを介して、航空機の種類および申告された貨物に依存する推奨走査速度で牽引され、前記速度は、可動牽引デバイス上に位置決めされる速度測定サブシステムによって測定される。走査対象航空機の位置監視サブシステムは、航空機の進行方向で第1の走査フレームの近傍における航空機の存在を検出して放射線源の開始を決定する少なくとも1つの近接センサを含む。
【0035】
走査プロセスは、次のような場合に自動停止する:航空機が2つの走査フレームを完全に通過した場合、侵入者が排除区域を突破した場合、センサがトリガされて、航空機がその既定の軌跡を見失ったことがシグナリングされた場合、または、航空機が走査システムの何れかのコンポーネントに危険なほど近づいている場合、航空機の速度が、システムでは管理し得ない既定限度を外れて危険なほど変動する場合。走査プロセスの緊急停止は、走査プロセス中のいつでもオペレータにより手動で開始することができる。走査プロセスの間、オペレータの画面には、航空機の動作と同時に、かつこれに同期してX線画像が表示される。
【0036】
本発明の優位点は、下記の通りである。
・短時間で多数の航空機を検査する(毎時20機まで)。
・操縦室、機体および荷物室、翼および航空機へ取り付けられる任意のオブジェクトを含む、航空機の完全な検査。
・検査対象航空機の上部および側面に位置決めされる2つの透過性放射線源により生成される2つの異なる視点、即ち上方からの視点および横からの視点、からのX線画像を見ることにより、走査対象航空機の完全な画像を達成する。
・異なる視点から同時に、決定的でないものは一方のみであり得る2つのビューを生成することにより、発見しようとするエレメントの不利な位置により生成される決定的でないX線画像を得るという不利なケースを回避する。
・オペレータの職業的被曝のリスク、および排除区域への潜在的侵入者による偶発的被曝のリスクをなくす。
・シフトにつき一名に制限される操作要員を使用する。
・システムの可動性、フレキシブルさ、および操縦性。
・高度な自動化。
・ICT管理プロセスに起因するプロセスの自動化および不動時間の短縮による、生産性の向上、単位時間当たりの被検査航空機数の増加。
【図面の簡単な説明】
【0037】
さらに、図1から図4までに関連して、本発明の実装例を提示する。
図1図1は、走査モードにおける非侵入的な検査システムを示す斜視図である。
図2図2は、排除区域内に置かれた、本発明による非侵入的な検査システムを示す平面図である。
図3図3は、走査モードにおける非侵入的な検査システムを示す側面図(航空機)である。
図4図4は、検出モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
1つの実装変形例において、本発明による完全かつ非侵入的な検査システムは、車両シャーシ1上へ据え付けられる総重量の低い可動非侵入的走査集合体であり、車両シャーシ1上には、以後上部構造物2と称する補助シャーシが存在し、補助シャーシ上には、変形可能な平行四辺形プロファイル3が固定され、変形可能な平行四辺形プロファイル3は、ダブルジョイント5内に機械的ブーム4を搭載していて、機械的ブーム4は、端で透過性放射線源6を支持する。上部構造物2沿いには、蝶番式ブーム7がジョイント8内へ1自由度で据え付けられ、蝶番式ブーム7には、検出器アレイ9が取り付けられる。機械的ブーム4および蝶番式ブーム7は、鋼および軽量合金製であって、共に運転者キャビン10から走査されるべき航空機へ向かって折り畳まれる。
【0039】
検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11は、並列に組み立てられる等しいモジュールより成り、各モジュールは、金属材料の中実ブロックを機械加工することによって製造され、各ブロックは、上半分のハウジング12および下半分のハウジング13より成り、両者は、相補的結合により密封接続されて、検出器アレイ14が搭載される適応した技術的空胴を提供し、上半分のハウジングの壁から検出器アレイへと遮蔽されていない通路が提供されると同時に、検出器ライン11上へ牽引される航空機の重量が支えられる。半分のハウジング同士は、相補的に結合し、よって、支持点ネットワークは、航空機が検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)上を、軌道面と検出器ラインの上面との間に傾斜面を生成するように設計されるモジュールの上昇ランプおよび下降ランプを介して通過する際に航空機の車輪により上半分のハウジングへ印加される力を、支持点から下半分のハウジングへ、次に地上へと放出するために必要な機械的強度を保証する。
【0040】
検出器ライン(アセンブリ)11は、シャーシ1からモジュール毎に取り外されて排除区域a内部の走行トラック上へ組み立てられ、牽引デバイス15も、シャーシ1から取り外されて、航空機を走査フレームを通って牽引するために航空機のドライブトレインへ取り付ける準備が整えられる。リロケート可能な透過性放射線源16は、シャーシから取り外され、検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11に続いて置かれる。1つの実装変形例では、リロケート可能な透過性放射線源16は、走査されるべき航空機の種類およびサイズに依存して走査画像内に便利な幾何学的投射を達成すべく放射線源の地上からの高さを調整できるようにする調整可能サポート17上へ取り付けられる。
【0041】
航空機の走査エリアには、起こりうる侵入者への偶発的被曝に対する積極的放射線防護を行わなければならないことから、外周防護サブシステム18が設けられていて、これにより、長方形の排除区域aが生じる。
【0042】
コンピュータ化された管理サブシステム19は、サブシステム全体、即ち、牽引デバイスの方向および速度、排除区域内のポジション、および2つのブームおよびシャーシのサブシステムを引き止めておく4点の拡張および折り畳みの制御とローカル・コンピュータ・ネットワークによる全コンポーネントとの有線式または無線式通信とを含む本発明によるシステムへ接続される他の周辺機器、を遠隔的に指揮しかつ制御する。
【0043】
コンピュータ化された管理サブシステム19の全ての物理コンポーネントおよびオペレータのワークステーションは、移動コントロールセンタ22内に据え付けられ、移動コントロールセンタ22は、輸送中はシャーシ1によって牽引され、かつ走査中は、排除区域aの外側に置かれる。別の実装変形例では、移動コントロールセンタ22を小型バージョンで達成することができ、全てのハードウェアコンポーネントがスーツケース型のボックス内に据え付けられる。
【0044】
本発明による可動走査ユニットは、「走査モード」および「輸送モード」等の2つの提示モードを有する。モード間の変換は、液圧シリンダ、アクチュエータ、電気機械的アクチュエータの作動によって行われ、これにより、回転軸が取り付けられている場合にはブームが回転軸を中心に回転して平行四辺形が変形されかつ/または機械的ブームの水平かつ蝶番式ブーム7に対する角度が変更されて機械的ブーム4のポジションが再構成される。
【0045】
輸送モードにおいて、機械的ブーム4および蝶番式ブーム7は、アセンブリ全体サイズを公道で運転するための法的限度内で登録することを保証し、かつ車輪への適切な荷重分散を保証するために、シャーシ1に沿って折り畳まれる。走査システムのコンポーネント、即ち検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11、可動牽引デバイス15およびリロケート可能な透過性放射線源16は、シャーシ1のプラットフォーム上へ搭載され、輸送ポジションに固定することにより保護される。
【0046】
走査モードでは、検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11が滑走路上へ置かれ、リロケート可能な透過性放射線源16が検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11に続いて置かれ、かつ牽引デバイス15が走査されるべき航空機へ取り付けられる。走査モードにおいて、機械的ブーム4は、変形可能な平行四辺形サポート3の上昇動作を実行し、運転者キャビン10からの傾斜角の高さが、走査されるべき航空機のサイズに依存して水平からの可変角度を形成すると、入れ子式に既定の長さまで拡張動作を実行することができ、第2の検出器アレイ9を装備する蝶番式ブーム7は、折り畳み動作、即ち運転者キャビン10からシャーシ1の後端まで少なくとも90度の回転を実行する。
【0047】
システムコンポーネントが据え付けられると、走査手順へ進むことができて移動コマンドセンタ上のインタフェースコマンドを介してコマンドが開始され、この時点で、航空機のパワートレインへ取り付けられた可動牽引デバイスが走査フレームを介する移動を開始する。第1のフレームは、滑走路上に置かれる検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11と、機械的ブーム4によって運ばれる、可動走査ユニット上の透過性放射線源6によって画定され、かつ第2の走査フレームは、蝶番式ブーム7上に取り付けられる検出器アレイ9と、検出器ライン11に続いておかれる透過性放射線源16とによって画定される。可動走査ユニットには、走査対象航空機の位置監視サブシステム20が装備され、これは、走査フレームの近傍における航空機の存在を検出する、かつ走査プロセスの開始時に放射線放射を自動的に開始しかつ航空機走査の終わりで放射線放射を停止するために使用される少なくとも1つの近接センサ21で構成される。
【0048】
走査は、走査対象航空機が2つの走査フレームを完全に通過した場合、何れかの走査システムコンポーネントに危険なほど接近した場合、侵入者が排除区域aに入った場合、可動牽引デバイス15が検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11上を通る際に予め設定された軌道を進んでいないと信号を送信するセンサがトリガされた場合、危険な速度変化が検出された場合に、自動停止されることが可能である。この段階の間、オペレータのモニタに航空機の走査画像が表示され、同時に、航空機の走査画像および走査プロセス全体のライブ記録を含む固有ファイルが生成されかつアーカイブに保管される。走査プロセスの終わりでは、放射線源6および16が自動停止し、排除区域aの外周防護が自動停止され、可動牽引デバイス15が航空機ドライブトレインから離れ、この後、航空機が排除区域を退出して走査サイクルが再開されてもよい。
【0049】
可動牽引デバイス15は、本発明における様々な実施形態において、放射線から防護されたキャビンに座した人であるオペレータが駆動するトラクタユニット、リードまたは他のシールド材料の壁、または高周波または有線による遠隔式、の何れかによって動作されることが可能である。
【0050】
移動コントロールセンタ22は、排除区域aの外側に置かれ、前記区域は、外周防護サブシステム18によって画定される。
【0051】
シャーシ1は、上部構造物2と称される追加的な鋼製シャーシを有し、その上に、液圧システムの関連パーツ、即ちオイルタンク、分配器、制御および安全回路、電気回路および電子回路を有するキャビネット等の可動走査ユニットの全コンポーネントが組み立てられる。後者のサブアセンブリの幾つかは、それら自体が既知であってクレームされていないコンポーネントであることを考慮して図示されていない。
【0052】
透過性放射線源6は、機械的ブーム4の上端に固定され、よって、放射ビームは、滑走路上に、受信される透過性放射線を電気信号に変換することを目的として位置決めされる検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11上にコリメート(collimated)される。次に、電気信号が処理され、走査対象航空機のX線写真(上方からの視点)へと変換される。同様に、可動透過性放射線源16は、蝶番式ブーム7の反対側に置かれ、よって、放射ビームは、蝶番式ブーム7上に据え付けられる、受信した透過性放射線を電気信号に変える役割を有する検出器アレイ9上へコリメートされ、電気信号は、処理されて、走査対象航空機のX線写真(横からの視点)へと変換される。
【0053】
検出器アレイ9および14は、電荷結合デバイスを有するシンチレーション(scintillation)結晶検出器およびフォトダイオードまたはモノリシック(monolithic)検出器を伴うX線源のハイブリッド検出器を含んでもよい。ガンマ線源に対しては、光電子増倍管へ結合されるシンチレーション結晶を用いるハイブリッド検出器が使用される。検出器の配置は、放射線源−検出器の組合せおよび選択される検出器設計に依存して、一列、二列または異なる形のアレイにすることが可能である。
【0054】
排除区域の外周防護サブシステム18は、積極的な放射線防護サブシステムであって、透過性放射線源6および16に直に作用し、よって、排除区域内に侵入者があれば、放射線源6および16は、自動的に閉止または停止して偶発的被曝から侵入者を防護する。排除区域aと呼ばれる長方形の外周を決定するために、外周防護サブシステムの一部であるアクティブセンサが置かれる。これらのセンサは、無線または有線接続を介して移動コントロールセンタ19へ永続的に接続され、侵入者が区域に入ると警報信号を送信し、移動コントロールセンタ19は、放射線源6および16を自動的にオフにし、かつオペレータのソフトウェア・グラフィック・インタフェース上でテキスト、音声およびグラフィックメッセージを起動させて侵入サイドを示す。このサブシステムは、降雨、降雪、風、極端な気温などの過酷な気象状況でも各々作動するように設計されている。外周防護は、走査対象航空機が排除区域に出入りできるように無効化される。
【0055】
移動コントロールセンタ22は、X線画像23を捕捉し、処理し、記憶しかつ表示するためのサブシステムを含む、プロセス自動化を提供する可動走査システムの一部である全てのコンポーネントおよび周辺機器を、無線または有線接続を介して管理する。
【0056】
本発明の1つの代替実施形態において、検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11は、地上に位置合わせされ、かつ検出モジュールの両側に置かれかつ検出モジュールへ機械的に接続されるモジュール式アクセスプラットフォーム14と接続される。これらのプラットフォームの傾斜により、牽引デバイスおよび航空機は、検出器上を進むことができる。
【0057】
本発明の1つの代替実施形態において、検出器ライン(モジュール式検出アセンブリ)11は、滑走路内の溝内にその上部を地表面に合わせて位置づけられ、プラットフォームを不要にしている。
【0058】
航空機の非侵入的な可動検査システムを最適に使用するためには、透過性放射線源上に少なくとも1つの位置合わせシステム24を放射線検出器アレイへ向けて置いて、放射ビームと検出器アレイの検出器ラインとの位置合わせを促進することが必要である。
【0059】
1つの代替実装では、システム24は、オペレータが放射線源と対応する検出器アレイとの相対ポジションを調整できるように、レーザビームが放射ビームと平行している、または放射ビームに重畳している、レーザ送信機25であってもよい。
図1
図2
図3
図4