特許第6552569号(P6552569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6552569広告配信管理装置、広告配信管理方法および広告配信管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552569
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】広告配信管理装置、広告配信管理方法および広告配信管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20190722BHJP
【FI】
   G06Q30/02 392
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-180734(P2017-180734)
(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公開番号】特開2019-57104(P2019-57104A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2018年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 俊策
(72)【発明者】
【氏名】堀田 徹
(72)【発明者】
【氏名】盛岡 玲資
(72)【発明者】
【氏名】寺山 淳基
【審査官】 山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6130034(JP,B1)
【文献】 特開2015−179530(JP,A)
【文献】 特開2015−005068(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0040617(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの広告コンテンツの配信要求である広告リクエストを受け付ける受付部と、
前記ユーザの行動履歴を示す要素を少なくともパラメータとする評価モデルに基づいて、広告コンテンツを配信する一の事業者にとっての前記ユーザの好ましさを示すスコアを算出する算出部と、
前記受付部によって前記広告リクエストが受け付けられた場合に、前記スコアに基づいて、前記一の事業者および当該一の事業者以外の他の事業者がそれぞれ管理する広告コンテンツ群のうちから、前記広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する選択部と
を備えることを特徴とする広告配信管理装置。
【請求項2】
前記選択部は、
記スコアに基づいて選択した事業者によって管理される広告コンテンツ群を、前記広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群として選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の広告配信管理装置。
【請求項3】
前記受付部は、
所定のコンテンツに表示される広告コンテンツの配信要求である前記広告リクエストを受け付け、
前記選択部は、
前記所定のコンテンツを配信する前記一の事業者、および、前記他の事業者のいずれか一方または双方を選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の広告配信管理装置。
【請求項4】
前記選択部は、
前記スコアが所定の閾値以上である前記ユーザから前記広告リクエストを受け付けた場合には、前記一の事業者および前記他の事業者のうち前記一の事業者を選択し、前記スコアが所定の閾値よりも小さい前記ユーザから前記広告リクエストを受け付けた場合には、前記一の事業者および前記他の事業者の双方を選択する
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の広告配信管理装置。
【請求項5】
前記算出部は、
前記ユーザによる広告の選択率、前記ユーザの獲得単価または前記ユーザの広告からの離脱率に基づいて、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項に記載の広告配信管理装置。
【請求項6】
前記算出部は、
各スコアに対応するユーザ数が均等に分布するように前記スコアを算出し、
前記選択部は、
前記広告リクエストの要求元である前記ユーザの前記スコアに対応する広告コンテンツ群を選択する
ことを特徴とする請求項またはに記載の広告配信管理装置。
【請求項7】
前記閾値は、
前記ユーザ数の分布範囲に対し多段で設定可能であって、
前記選択部は、
前記閾値が前記多段で設定されている場合に、該多段の前記閾値によって分割された前記分布範囲のそれぞれに設定された前記広告コンテンツ群を、前記算出部によって算出された前記スコアに基づいて選択する
ことを特徴とする請求項に記載の広告配信管理装置。
【請求項8】
コンピュータが行う広告配信管理方法であって、
ユーザからの広告コンテンツの配信要求である広告リクエストを受け付ける受付工程と、
前記ユーザの行動履歴を示す要素を少なくともパラメータとする評価モデルに基づいて、広告コンテンツを配信する一の事業者にとっての前記ユーザの好ましさを示すスコアを算出する算出工程と、
前記受付工程によって前記広告リクエストが受け付けられた場合に、前記スコアに基づいて、前記一の事業者および当該一の事業者以外の他の事業者がそれぞれ管理する広告コンテンツ群のうちから、前記広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する選択工程と
を含むことを特徴とする広告配信管理方法。
【請求項9】
ユーザからの広告コンテンツの配信要求である広告リクエストを受け付ける受付手順と、
前記ユーザの行動履歴を示す要素を少なくともパラメータとする評価モデルに基づいて、広告コンテンツを配信する一の事業者にとっての前記ユーザの好ましさを示すスコアを算出する算出手順と、
前記受付手順によって前記広告リクエストが受け付けられた場合に、前記スコアに基づいて、前記一の事業者および当該一の事業者以外の他の事業者がそれぞれ管理する広告コンテンツ群のうちから、前記広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する選択手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする広告配信管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信管理装置、広告配信管理方法および広告配信管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、かかるインターネットを介した広告配信が盛んに行われている。かかる広告配信には、例えば、ウェブページなどの広告媒体に設定された広告枠に企業や商品等の広告コンテンツを表示し、かかる広告コンテンツがユーザによりクリックされた場合に、ブラウザの表示を広告主のウェブページへ遷移させるものなどがある。
【0003】
なお、広告媒体を管理および運用する媒体社は、例えば一部の広告枠在庫を自社で広告主に販売しつつ、残りの広告枠在庫の販売を広告配信業者に委託する場合や、すべての広告枠在庫の販売を広告配信業者に委託する場合がある。
【0004】
いずれにしろ媒体社にとっては広告枠による収益を最大化することが望ましく、広告の配信元の選択を適切に行うことが望まれる。そこで、広告リクエスト(広告配信要求)ごとに、リクエストを送信したユーザの情報(クッキー等)から予測される各配信元のeCPM(effective Cost Per Mille)を比較し、予測されるeCPMが高い配信元を選択する技術が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−093796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、媒体社は、広告配信業者から広告コンテンツの配信単価(例えば、CPC:Cost Per Click)の情報を取得することができない場合があり、この場合、上記従来の技術では、eCPMを予測することができず、配信元を選択することができない。
【0007】
また、上記従来の技術は、eCPMに基づいて広告の配信元を選択するものに過ぎない。このため、例えば媒体社にとって将来的に収益を増加させうることが予測される言わば好ましいユーザに対し、必ずしも最適な配信元が選択されるとは限らない。
【0008】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告の配信元を適切に選択することができる広告配信管理装置、広告配信管理方法および広告配信管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に係る広告配信管理装置は、受付部と、算出部と、選択部とを備える。前記受付部は、ユーザからの広告コンテンツの配信要求である広告リクエストを受け付ける。前記算出部は、前記ユーザの行動履歴を示す要素を少なくともパラメータとする評価モデルに基づいて、広告コンテンツを配信する一の事業者にとっての前記ユーザの好ましさを示すスコアを算出する。前記選択部は、前記受付部によって前記広告リクエストが受け付けられた場合に、前記スコアに基づいて、前記一の事業者および当該一の事業者以外の他の事業者がそれぞれ管理する広告コンテンツ群のうちから、前記広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、広告の配信元を適切に選択することができる広告配信管理装置、広告配信管理方法および広告配信管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る広告配信管理処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る広告配信管理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る広告配信管理装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、配信要求先設定の施策の具体例を示す図である。
図5A図5Aは、配信要求先情報の設定例を示す図である。
図5B図5Bは、スコア情報の具体例を示す図である。
図5C図5Cは、選択処理の説明図(その1)である。
図5D図5Dは、選択処理の説明図(その2)である。
図5E図5Eは、配信要求先情報の設定の変形例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る広告配信管理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、広告配信管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願に係る広告配信管理装置、広告配信管理方法および広告配信管理プログラムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号が付され、重複する記載は省略される。
【0013】
〔1.広告配信管理処理〕
まず、実施形態に係る広告配信管理処理について、図1および図2を用いて説明する。図1は、実施形態に係る広告配信管理処理の一例を示す図である。また、図2は、実施形態に係る広告配信管理システム1の構成例を示す図である。
【0014】
なお、以下においては、広告媒体の一例としてウェブページを説明するが、広告媒体は、ウェブページ以外の広告媒体であってもよい。例えば広告媒体は、ゲームアプリケーション、書籍閲覧アプリケーション、音楽配信アプリケーション、動画配信アプリケーションによって表示される媒体などであってもよい。また、以下では、「配信元」といった場合、「抽出元」と言い換えてもよい。
【0015】
図1および図2に示すように、実施形態に係る広告配信管理システム1は、端末装置10と、ウェブサーバ20と、広告配信管理装置100と、複数の広告配信装置30−1,30−2とを有する。これらの装置は、図2に示すように、通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。通信ネットワークNは、例えばインターネットなどであり、接続形態は有線もしくは無線を問わない。なお、広告配信管理システム1には、複数の端末装置10、複数の広告配信管理装置100、また、例えば3つ以上の広告配信装置30−1,30−2,…が含まれてもよい。
【0016】
図1および図2に示すように、ウェブサーバ20、広告配信管理装置100および広告配信装置30−1は、例えば、媒体社Aにより管理および運用され、広告配信装置30−2は、例えば、広告配信業者Bにより管理および運用される。
【0017】
端末装置10は、ユーザUによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、ブラウザがインストールされている。図1および図2においては、端末装置10がノート型PCである場合を例示している。なお、端末装置10は、例えば、タブレット型端末や、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、スマートフォン、スマートフォン以外の携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などであってもよい。
【0018】
ウェブサーバ20は、広告枠が設定された各種ウェブページを記憶している。ウェブサーバ20は、端末装置10のブラウザからのアクセスがあると、端末装置10によって指定されたURL(Uniform Resource Locator)に対応する各種ウェブページ、例えば、ポータルサイト、ニュースサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを提供する。
【0019】
端末装置10のブラウザは、ウェブサーバ20からウェブページを受信すると、ウェブページに設定された広告枠に対応する広告リクエスト(以下、単に「リクエスト」と記載する場合がある)を広告配信管理装置100へ送信する。リクエストは、広告枠に表示する広告コンテンツの配信要求であり、例えば、端末装置10のユーザUの識別情報(以下、ユーザIDと記載する)や広告枠の識別情報を含む。ユーザIDは、例えば、HTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie:以下、「クッキー」と記載する)である。かかるクッキーには、ユーザUの年齢、性別などのユーザ情報は含まれないため、各サーバ側が保持するユーザ情報と端末装置10側からのクッキーのIDが対応付けられ、ターゲティングなどに利用される。
【0020】
このような例において、広告配信管理装置100は、予めウェブサーバ20からウェブサーバ20の記憶する各種ウェブページに設定された広告枠に関する情報を取得し、配信要求先情報を設定する。
【0021】
配信要求先情報は、広告枠それぞれに表示される広告の「配信元」、すなわち広告配信管理装置100側から見た「配信要求先」などが設定された情報であって、例えば、媒体社Aの収益の向上の施策、および、後述するユーザUのスコアなどに応じて、該当の広告枠に対する広告リクエストがあった場合に選択されるべき配信元などが設定される。配信要求先情報の具体例については、図5A等を用いた説明で後述する。
【0022】
また、広告配信管理装置100は、端末装置10を利用してウェブページにアクセスする各ユーザUに対し、例えば媒体社Aにとってのターゲットユーザであるかなどについて行動ターゲティングの手法等を用い、CTR(Click Through Rate)やCPA(Cost Per Action)、直帰率、離脱率といった所定の指標項目によりユーザUを随時スコアリングする。
【0023】
また、広告配信管理装置100は、ユーザUからの広告リクエストを受け付けた場合に、かかる広告リクエストに対応する広告コンテンツを広告配信装置30−1,30−2のいずれか一方または双方から配信させる。このとき、広告配信管理装置100は、前述の配信要求先情報およびユーザUのスコアに基づいて配信要求先を選択する。
【0024】
広告配信装置30−1,30−2は、広告の「配信元」であり、例えば所定のアドネットワークである。広告配信装置30−1,30−2は、広告配信管理装置100から広告の配信要求があった場合に、かかる広告配信装置30−1,30−2に在庫する広告コンテンツ群から、広告コンテンツを配信要求の内容に沿って配信する。
【0025】
より具体的に、広告配信管理装置100を含む広告配信管理システム1によって実行される広告配信管理処理の一例を流れに沿って説明する。
【0026】
図1に示すように、まず広告配信管理装置100は、ウェブサーバ20から広告枠に関する広告枠情報を取得する(ステップS1)。広告枠情報には、例えば、ウェブサーバ20が提供するウェブページに含まれる広告枠の数や、位置、大きさ、かかる広告枠が含まれるウェブページに関する情報(例えば、ウェブページの内容をカテゴリ別に分類した情報など)などが含まれる。
【0027】
そして、広告配信管理装置100は、広告枠情報に基づき、広告枠ごとに配信要求先情報を設定する(ステップS2)。かかる設定は、例えば広告配信管理装置100を管理する媒体社Aのオペレータ操作などに基づいて行われる。
【0028】
配信要求先は、例えば広告枠の位置などから、かかる広告枠には、媒体社Aとしては、収益向上が見込める高スコアのユーザUの上位者には内製の広告コンテンツ群を提供したい、といった施策に基づいて設定される。この場合、例えば配信要求先情報には、上記上位者の割合に対応する所定の閾値と、上位者および上位者以外それぞれの配信要求先が設定される。
【0029】
また、広告配信管理装置100は、行動ターゲティングの手法などにより、ユーザUを随時スコアリングする(ステップS3)。
【0030】
また、ウェブサーバ20は、端末装置10から送信されたページ要求(ステップS4)を受け付けると、ページ要求に応じたウェブページ40を端末装置10へ送信する(ステップS5)。
【0031】
端末装置10は、ウェブサーバ20から広告枠41を含むウェブページ40を受信した場合、広告リクエストを広告配信管理装置100へ送信する(ステップS6)。例えば、広告リクエストは、ウェブページ40に設定された広告枠41に表示する広告コンテンツの配信要求である。
【0032】
広告配信管理装置100は、端末装置10から広告リクエストを受け付けた場合に、配信要求先情報およびユーザUのスコアに基づき、配信要求先を選択する(ステップS7)。配信要求先は、既に述べたが、図1の例において、広告配信装置30−1,30−2のいずれか一方または双方を選択可能である。なお、双方を選択する場合、その比率を指定することもできる。かかる選択処理の具体的な内容については、図4図5Eを用いた説明で後述する。
【0033】
そして、広告配信管理装置100は、選択した内容に基づいて配信要求先へ配信要求を送信する(ステップS8)。配信要求先、すなわち配信元である広告配信装置30−1,30−2は、かかる配信要求に応じた広告コンテンツを広告配信管理装置100へ送信する(ステップS9)。
【0034】
そして、広告配信管理装置100は、広告配信装置30−1,30−2から受け付けた広告コンテンツを端末装置10へ送信する(ステップS10)。その後、端末装置10は、広告配信管理装置100から送信された、例えば広告枠41に対する広告コンテンツA01を広告枠41に表示する(ステップS11)。なお、広告配信装置30−1,30−2は、広告配信管理装置100を経由せずに、端末装置10へ直接広告コンテンツを送信するようにしてもよい。また、ステップS8の配信要求を広告配信管理装置100が行わずに、広告配信管理装置100から端末装置10へ一旦広告配信タグを返却して、かかる広告配信タグに基づき、端末装置10からステップS8に相当する配信要求を直接配信要求先へ送信するようにしてもよい。
【0035】
このように、実施形態に係る広告配信管理装置100は、予め配信要求先情報を設定し、また、随時ユーザUをスコアリングするとともに、ユーザU側から広告リクエストを受け付けた場合に、配信要求先情報およびユーザUのスコアに基づいて配信要求先を選択する。別の言い方をすれば、実施形態に係る広告配信管理装置100は、ユーザUのスコアに応じて最適な配信要求先が選択可能となるように予め設定された配信要求先情報、および、広告リクエストを送信したユーザUのスコアに基づき、抽出元となる広告コンテンツ群を選択する。
【0036】
これにより、スコアリングされることによって自社(ここでは、媒体社A)への将来的な価値が予測され、その価値に準じて順位付けされたユーザUに応じた最適な配信要求先を選択することが可能となる。したがって、本実施形態に係る広告配信管理装置100によれば、広告の配信元を適切に選択することができる。
【0037】
〔2.広告配信管理装置100〕
次に、図3を用いて、広告配信管理装置100の構成例について説明する。図3は、実施形態に係る広告配信管理装置100の構成例を示すブロック図である。なお、図3では、広告配信管理装置100の説明に必要となる構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0038】
図3に示すように、広告配信管理装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを備える。
【0039】
(記憶部130について)
記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、図3の例では、配信要求先情報131と、スコア情報132と、広告コンテンツ133とを記憶する。
【0040】
(通信部110について)
通信部110は、例えばNIC(Network Interface Card)などのインターフェイスである。制御部120は、通信部110および前述の通信ネットワークNを介して、広告配信管理システム1に含まれる各装置との間で各種の情報を送受信可能である。
【0041】
(制御部120について)
制御部120は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告配信管理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(広告配信管理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部120は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0042】
図3に示すように、制御部120は、取得部121と、設定部122と、算出部123と、受付部124と、選択部125と、抽出部126と、配信部127を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部120の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行うことができる構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部120が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0043】
(取得部121について)
取得部121は、通信部110および通信ネットワークNを介してウェブサーバ20へアクセスし、ウェブサーバ20の記憶するウェブページに設定された広告枠に関する情報である広告枠情報を取得する。また、取得部121は、取得した広告枠情報を設定部122へ渡す。
【0044】
また、取得部121は、ユーザUに関する情報を随時取得し、算出部123へ渡す。ユーザUに関する情報は、例えば既に述べたように行動ターゲティングの手法などに用いる各種パラメータとなりうる情報であり、例えばユーザUの行動履歴を含む。
【0045】
(設定部122について)
設定部122は、取得部121が取得した広告枠情報に基づき、広告枠ごとの配信要求先に関する情報を設定し、配信要求先情報131へ格納する。
【0046】
(算出部123について)
算出部123は、取得部121が取得したユーザUに関する情報に基づいてユーザUの広告に関するスコアを算出する。具体的には、算出部123は、ユーザUの広告に対する行動履歴に対応する前述のCTRやCPA、直帰率、離脱率等に基づいてユーザUの広告に関するスコアを算出する。
【0047】
例えば算出部123は、ユーザUに関する情報に含まれる複数の要素をパラメータとする評価モデルによってスコアを算出する。
【0048】
算出部123は、例えば下記式(1)に示す回帰式を用いてユーザUのスコアyを算出する。
【0049】
y = a・x + a・x + ・・・ +a・x ・・・ (1)
【0050】
上記式(1)のうち、a(nは任意の数)は係数であり、xは素性(説明変数)である。算出部123は、例えばユーザUに関する情報に含まれる前述の行動履歴に対応する各指標項目を解析し、各項目データに基づく媒体社Aにとって好ましいユーザUに対する素性を求める。
【0051】
例えば、媒体社Aにとって好ましいユーザUを正例とする場合、かかる好ましいユーザUの特徴ベクトルを有する場合には「x」=「1」となり、有しない場合には「x」=「0」となる。また、xの重み値となるaは、上記式(1)による好ましいユーザUを正例とした線形モデルを学習することで調整される。
【0052】
例えば、算出部123は、上記式(1)のaをパラメータとし、SVM(Support Vector Machine)のようなパターン識別機を用いたサポートベクタ回帰などの回帰分析手法によりaの重みを調整する。なお、算出部123の有する評価モデルは、ここで説明した評価モデルに限定されるものではない。例えば、公知のニューラルネットワークアルゴリズムや、ロジスティック回帰アルゴリズムなどを用いたものであってもよい。
【0053】
また、算出部123は、算出したユーザUそれぞれのスコアyに対応するユーザ数が均等に分布するようにスコアyを算出する。分布範囲は、例えば0〜1.0となる。また、算出部123は、算出したスコアyをユーザIDへ紐付け、スコア情報132へ格納する。
【0054】
なお、配信要求先情報131では、かかるユーザUのスコアyに対応する閾値が設けられ、広告リクエストを送信したユーザUのスコアyのかかる閾値に対する大小により配信要求先が選択されるように情報設定がなされる。その具体例については図4からの説明で後述する。スコア情報132についても同様とする。
【0055】
(受付部124について)
受付部124は、通信部110および通信ネットワークNを介し、ユーザUからの広告コンテンツの配信要求である広告リクエストを受け付ける。例えば、受付部124は、端末装置10から広告枠41に表示する広告コンテンツA01の配信要求である広告リクエストを受け付ける。かかる広告リクエストには、既に述べたように端末装置10を利用するユーザUのユーザIDや広告枠の識別情報である広告枠IDが含まれる。また、受付部124は、受け付けた広告リクエストを選択部125へ渡す。
【0056】
(選択部125について)
選択部125は、受付部124が受け付けた広告リクエストに含まれる広告枠IDが示す広告枠に表示する広告の配信要求先を、配信要求先情報131およびスコア情報132に基づいて選択する。すなわち、選択部125は、受付部124によって広告リクエストが受け付けられた場合に、ユーザUの広告に関するスコアに基づいて広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する。
【0057】
また、選択部125は、ユーザUの広告に関するスコアに基づいて選択した事業者によって管理される広告コンテンツ群を、広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群として選択する。
【0058】
また、選択部125は、スコアyが所定の閾値以上であるユーザUから広告リクエストを受け付けた場合には、一の事業者および他の事業者のうち一の事業者を選択し、スコアyが所定の閾値よりも小さいユーザUから広告リクエストを受け付けた場合には、一の事業者および他の事業者の双方を選択する。
【0059】
また、選択部125は、算出部123によって算出されたスコアyに基づいて広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する。
【0060】
また、算出部123は、上述のように、各スコアに対応するユーザ数が均等に分布するようにスコアyを算出しており、選択部125は、広告リクエストの要求元であるユーザのスコアyに対応する広告コンテンツ群を選択する。
【0061】
具体的には、選択部125は、広告リクエストが示す広告枠IDに関し、まず広告リクエストに含まれるユーザIDを参照し、かかるユーザIDをスコア情報132に照らして該当するユーザUのスコアyを取得する。
【0062】
そして、選択部125は、取得したスコアyと、配信要求先情報131に含まれる該当広告枠における閾値とを比較する。そして、選択部125は、その比較結果に応じ、配信要求先情報131に設定された配信要求先を選択する。
【0063】
(選択処理の具体例)
ここで、かかる選択部125による選択処理について図4図5Eを用いてより具体的に説明する。図4は、配信要求先設定の施策の具体例を示す図である。また、図5Aは、配信要求先情報131の設定例を示す図である。また、図5Bは、スコア情報132の具体例を示す図である。
【0064】
また、図5Cおよび図5Dは、選択処理の説明図(その1)および(その2)である。また、図5Eは、配信要求先情報131の設定の変形例を示す図である。
【0065】
まず、前提として図4に示すように、媒体社Aの有するウェブページ40に対し、ファーストビューには広告枠41−1が、セカンドビューには広告枠41−2が、それぞれ設けられているものとする。
【0066】
そして、かかるウェブページ40の運用に関し、媒体社AのオペレータOPは、図中に示すように、「高スコアユーザの5割にはファーストビューの広告枠41−1は自社の広告群だけから表示させたい」、「ファーストビュー以外の広告枠41−2は3割の高スコアユーザにしよう」との施策に立って配信要求先情報131を設定したものとする。
【0067】
かかる場合の設定例が図5Aである。また、前述のように、算出部123は、算出したユーザUそれぞれのスコアyに対応するユーザ数が均等に分布するようにスコアyを算出するので、スコア情報132は一例として図5Bのようになる。なお、図5Bは、ユーザUそれぞれのスコアyに対応するユーザ数が均等に分布している様子をごく模式的に表している。また、説明の便宜上、図5Bでは、0〜1.0の範囲を、0.1刻みで区切っている。
【0068】
このような前提に立った場合、まずユーザUのスコアyの上位者5割を区切る値は「0.5」となるので、図5Aに示すように、広告枠41−1の設定に関しては、閾値として「0.5」を含む条件が設定される。そして、ユーザUのスコアがかかる「0.5」以上である場合の配信要求先「媒体社A」(広告配信装置30−1に対応)と、「0.5」未満である場合の配信要求先「媒体社A」および「広告配信業者B」(広告配信装置30−2に対応)とが設定される。
【0069】
また、同様に、ユーザUのスコアyの上位者3割を区切る値は「0.7」となるので、図5Aに示すように、広告枠41−2の設定に関しては、閾値として「0.7」を含む条件が設定される。そして、ユーザUのスコアがかかる「0.7」以上である場合の配信要求先「媒体社A」と、「0.7」未満である場合の配信要求先「媒体社A」および「広告配信業者B」とが設定される。
【0070】
ここで、広告枠41−1の広告リクエストを、例えば異なるユーザID「U001」、「U002」、「U003」の各ユーザUからそれぞれ受け付けた場合で、例えばユーザID「U001」はスコアyが「0.82」で、ユーザID「U002」はスコアyが「0.65」で、ユーザID「U003」はスコアyが「0.16」であったものと仮定する。
【0071】
かかる場合、図5Aの設定内容に沿えば、広告枠41−1に関しては、図5Cに示すように閾値が「0.5」となるので、かかる閾値以上であるユーザID「U001」,「U002」のユーザUの広告リクエストに対し、選択部125は、媒体社Aを配信要求先として選択する。また、閾値未満であるユーザID「U003」のユーザUの広告リクエストに対し、選択部125は、媒体社Aおよび広告配信業者Bを配信要求先として選択する。
【0072】
また、同様に、広告枠41−2に関しては、図5Dに示すように閾値が「0.7」となるので、かかる閾値以上であるユーザID「U001」のユーザUの広告リクエストに対し、選択部125は、媒体社Aを配信要求先として選択する。また、閾値未満であるユーザID「U002」,「U003」のユーザUの広告リクエストに対し、選択部125は、媒体社Aおよび広告配信業者Bを配信要求先として選択する。
【0073】
なお、図5Eに変形例として示すように、配信要求先情報131では、例えば1つの広告枠41−1に対し、閾値が2つ以上となるように、多段で配信要求先が設定されるようにしてもよい。すなわち、閾値は、ユーザ数の分布範囲に多段で設定可能であって、選択部125は、閾値が多段で設定されている場合に、かかる多段の閾値によって分割された各分布範囲に設定された広告コンテンツ群を、算出部123によって算出されたスコアyに基づいて選択する。また、図5Eに示すように、配信要求先ごとに要求する広告コンテンツの配分比を定めるようにしてもよい。
【0074】
このような選択処理を行うことによって、アクセスしてきたユーザUのスコアに基づいて抽出対象となる広告コンテンツ群をコントロールすることができる。例えば自社(ここでは媒体社A)にとってはメリットの大きいユーザUへの広告配信については、自社を主たる配信元とすることによって、内製の広告コンテンツ群を有効に活用しつつ、収益を向上させることが可能となる。
【0075】
(抽出部126について)
図3の説明に戻り、つづいて抽出部126について説明する。抽出部126は、選択部125の選択結果を受け取り、かかる選択結果に応じた配信要求を生成して、通信部110および通信ネットワークNを介し、配信要求先へ配信要求を送信する。
【0076】
また、抽出部126は、通信部110および通信ネットワークNを介し、配信要求先からの応答である広告コンテンツを受信し、広告コンテンツ133へ格納する。
【0077】
(配信部127について)
配信部127は、広告コンテンツ133に基づき、端末装置10へ広告コンテンツを送信する。
【0078】
〔3.広告配信管理装置100の処理手順〕
次に、実施形態に係る広告配信管理装置100が実行する処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る広告配信管理装置100が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0079】
図6に示すように、まず取得部121が、ウェブサーバ20の有するウェブページに設定された広告枠に関する広告枠情報を取得する(ステップS101)。そして、設定部122が、かかる広告枠情報および媒体社Aの施策内容に基づいて配信要求先情報131を設定する(ステップS102)。
【0080】
また、算出部123は、取得部121によって取得されるユーザUに関する情報に基づき、ユーザUを随時スコアリングする(ステップS103)。
【0081】
受付部124は、ユーザUからの広告リクエストを随時受け付ける。ここで、受付部124が広告リクエストを受け付けた場合(ステップS104,Yes)、選択部125が、配信要求先情報131および広告リクエストを送信したユーザUのスコアに基づき、該当の広告枠の配信要求先を選択する(ステップS105)。受付部124が広告リクエストを受け付けない場合(ステップS104,No)、ステップS104を繰り返す。
【0082】
そして、抽出部126が、選択部125の選択した配信要求先から広告コンテンツを抽出する(ステップS106)。つづいて、配信部127が、抽出された広告コンテンツを端末装置10へ配信し(ステップS107)、処理を終了する。なお、ここでは便宜上、全体の処理の流れを一連的に示したが、実際の運用では広告配信管理装置100は1つのウェブページに関し、ステップS101およびS102を初期処理として実行した後、ステップS103〜S107を繰り返し実行することとなる。
【0083】
〔4.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る広告配信管理装置100や端末装置10、ウェブサーバ20、広告配信装置30−1,30−2は、例えば図7に示すような構成のコンピュータ60によって実現される。以下、広告配信管理装置100を例に挙げて説明する。図7は、広告配信管理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)63、HDD(Hard Disk Drive)64、通信インターフェイス(I/F)65、入出力インターフェイス(I/F)66、およびメディアインターフェイス(I/F)67を備える。
【0084】
CPU61は、ROM63またはHDD64に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM63は、コンピュータ60の起動時にCPU61によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ60のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0085】
HDD64は、CPU61によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス65は、通信部110に対応し、通信ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU61へ送り、CPU61が生成したデータを、通信ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0086】
CPU61は、入出力インターフェイス66を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU61は、入出力インターフェイス66を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU61は、生成したデータを、入出力インターフェイス66を介して出力装置へ出力する。
【0087】
メディアインターフェイス67は、記録媒体68に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM62を介してCPU61に提供する。CPU61は、当該プログラムを、メディアインターフェイス67を介して記録媒体68からRAM62上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体68は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0088】
例えば、コンピュータ60が実施形態に係る広告配信管理装置100として機能する場合、コンピュータ60のCPU61は、RAM62上にロードされたプログラムを実行することにより、取得部121、設定部122、算出部123、受付部124、選択部125、抽出部126および配信部127の各機能を実現する。また、HDD64には、記憶部130内のデータが記憶される。
【0089】
コンピュータ60のCPU61は、これらのプログラムを、記録媒体68から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0090】
〔5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0091】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0092】
例えば、図3に示した取得部121と、受付部124とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部130に記憶される情報は、通信ネットワークNを介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
【0093】
また、例えば、上述した実施形態では、広告配信管理装置100が記憶部130に広告コンテンツ133を一旦保持する場合を例に挙げたが、これを保持せずに端末装置10へ直接送信することとしてもよい。
【0094】
また、上述した実施形態では、広告枠へ広告コンテンツを表示させる前のユーザUのスコアyに基づいて配信要求先を選択する場合を例に挙げたが、一旦広告枠へ広告コンテンツが表示された後のユーザUの行動を含めたスコアリングを行い、その結果に基づいて配信要求先を選択するようにしてもよい。この場合、表示された広告コンテンツの内容に対するユーザUの行動、および、それを加味したスコアyの解析までも行うことができるので、例えば広告コンテンツのカテゴリなども絞り込めるような、より細分化した配信要求先の選択が可能となる。
【0095】
また、上述した実施形態では、広告枠ごとに配信要求先に関する情報を設定する場合を例に挙げたが、例えば広告枠の位置や大きさ、種別などでグルーピング化し、これらを同一の設定を施してもよい。これは、上記した、一旦広告枠へ広告コンテンツが表示された後についても同様である。このようにグルーピングでの設定を可能とすることによって、広告枠それぞれに対する設定作業の煩雑さを解消することができる。
【0096】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0097】
〔6.効果〕
実施形態に係る広告配信管理システム1の広告配信管理装置100は、受付部124と、選択部125とを備える。受付部124は、ユーザUから広告コンテンツの配信要求である広告リクエストを受け付ける。選択部125は、受付部124によって広告リクエストが受け付けられた場合に、ユーザUの広告に関するスコアに基づいて広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する。これにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
【0098】
また、選択部125は、ユーザUの広告に関するスコアyに基づいて選択した事業者によって管理される広告コンテンツ群を、広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群として選択する。これにより、ユーザUからの広告リクエストに対し、ユーザUのスコアyに応じて事業者単位で広告の配信元を適切に選択することが可能となる。
【0099】
また、受付部124は、所定のコンテンツに表示される広告コンテンツの配信要求である広告リクエストを受け付け、選択部125は、所定のコンテンツを配信する一の事業者、および、かかる一の事業者以外の他の事業者のいずれか一方または双方を選択する。これにより、媒体社A(一の事業者の一例に相当)および媒体社A以外の事業者のいずれの収益を優先させるか、または、双方の収益を優先させるかといった観点からの施策に基づく配信元の選択が可能となる。
【0100】
また、選択部125は、スコアが所定の閾値以上であるユーザから広告リクエストを受け付けた場合には、上記一の事業者および上記他の事業者のうち上記一の事業者を選択し、スコアが所定の閾値よりも小さいユーザから広告リクエストを受け付けた場合には、上記一の事業者および上記他の事業者の双方を選択する。これにより、例えば媒体社Aにとって好ましいユーザUについては、媒体社Aは、自社の管理する広告コンテンツ群のみを配信元とする施策を打つことが可能となる。
【0101】
また、ユーザUの広告に対する行動履歴に基づいてスコアyを算出する算出部123をさらに備え、選択部125は、算出部123によって算出されたスコアyに基づいて広告リクエストに対する広告コンテンツの抽出元となる広告コンテンツ群を選択する。これにより、例えばユーザUがウェブサーバ20へアクセスするに際しての行動の特徴や傾向をスコアyに反映することができるので、ユーザUを精度よくスコアリングするのに資することができる。
【0102】
また、算出部123は、ユーザUによる広告の選択率、ユーザUの獲得単価またはユーザUの広告からの離脱率に基づいて、ユーザUの広告に関するスコアを算出する。これにより、ユーザUを精度よくスコアリングするのに資することができる。
【0103】
また、算出部123は、各スコアに対応するユーザ数が均等に分布するようにスコアyを算出し、選択部125は、広告リクエストの要求元であるユーザUのスコアyに対応する広告コンテンツ群を選択する。これにより、ユーザUのスコアyに基づく非常にシンプルな判定で広告コンテンツ群を選択することが可能となる。すなわち、多様なパラメータを取り扱うことによって処理を複雑化させにくい。
【0104】
また、上記閾値は、ユーザ数が均等に分布する分布範囲に多段で設定可能であって、選択部125は、上記閾値が多段で設定されている場合に、かかる多段の閾値によって分割された分布範囲のそれぞれに設定された広告コンテンツ群を、算出部123によって算出されたスコアyに基づいて選択する。これにより、抽出元となる広告コンテンツ群が多数存在する場合でも、スコアyに応じ、広告の配信元を適切に選択することができる。
【0105】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0106】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0107】
1 広告配信管理システム
10 端末装置
20 ウェブサーバ
30−1 広告配信装置
30−2 広告配信装置
100 広告配信管理装置
110 通信部
120 制御部
130 記憶部
121 取得部
122 設定部
123 算出部
124 受付部
125 選択部
126 抽出部
127 配信部
131 配信要求先情報
132 スコア情報
133 広告コンテンツ群
A 媒体社
B 広告配信業者
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7