【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。本発明の好ましい実施形は、従属請求項に記載されている。
【0007】
課題は、特に、導体板に、又は導体板上に、流体により貫通可能な少なくとも一つの真空部材、特にバルブ、又は計測装置が設けられており、そして内部空間、及び/又は外部空間と接続状態にある流体接続部が真空部材を通って案内されているよう冒頭に記載した形式の真空装置が形成されていることによって解決される。
【0008】
導体板は、電気的な導通部として、及び/又は内部空間と外部空間の間の分離要素として設けられていることが可能である。真空部材を導体板に設けることによって、構造空間削減が達成されることが可能である。これは、特に、ハウジングに直接取り付けられるバルブ(大きな構造であり、ハウジングから外側に向かって起立している)と比較して、そうである。
【0009】
更に、真空部材の為の電気的な導体部、及び/又は電気的、又は電子的なコンポーネントが、導体板状に設けられることが可能である。これによって、簡易化が達成され、構造空間が更に減少されることが可能である。特に、独立したケーブル敷設(省略されることが可能である)と比較して減少可能である。
【0010】
真空部材の導体板上の配置によって、更に、製造の際のコストが削減されることが可能である。当該ハウジングは簡単に実現されることが可能だからである。
【0011】
導体板は、好ましくはハウジング内に設けられているので、及び/又は、カバー等によってカバーされているので、真空部材は、保護された箇所に存在し、これによって発明に係る真空装置のロバストネスが改善されることが可能である。
【0012】
「流体接続部」の概念により、特に、流体又はガスの為の流体配管(例えばチャネル)が意図されている。これは、真空部材を通って内部空間から外部空間へと推移していることが可能である。
【0013】
真空部材は、バルブ、又はミニチュアバルブであることが可能である。ミニチュアバルブは、先行技術から公知である。
【0014】
バルブ、又はミニチュアバルブは、導体板上に部材としてはんだ付けされていることが可能である。バルブは、電気的に操作可能であることが可能である。バルブの電気的な配線、及び/又は、電気的、又は電子的なコンポーネントは、少なくとも部分的に導体板上に設けられていることが可能である。
【0015】
バルブは、二つの接続部を有する。バルブは、閉じられた状態と開かれた状態の間を切り替え可能であり得る。
【0016】
バルブは、真空装置の内部空間を換気するために設けられていることが可能である。その際、流体接続部が、バルブを通って内部空間から外部空間へと延在していると有利である。開かれたバルブは、流体接続部を介して内部空間は、外部空間(特に周囲環境)からのガスを急速充てんされることが可能である。
【0017】
バルブは、内部空間内にシールガスを運ぶためのシールガスバルブとして設けられていることも可能である。その際、流体接続部は、内部空間から、外部空間にあるシールガスのための接続部まで延在していることが可能である。
【0018】
真空部材は、測定装置、特に流量監視装置、又は流量測定装置であることが可能である。流体接続部は、測定装置を通って内部空間から外部空間へと推移する(特に導体板を通って)。
【0019】
好ましくは、内部空間は、外部空間と流体接続部及び真空部材を介して接続可能又は接続されている。
【0020】
流体接続部は、特に少なくとも一つのチャネルとして、好ましくは導体板を通って推移する。流体接続部は、よって少なくとも部分的に導体板内に設けられていることが可能である。導体板は、特にハウジングの部材として、内部空間を外部空間から分離するのに貢献する。
【0021】
本発明の発展形においては、真空部材の電気的な、又は電子的なコンポーネント、特に真空部材の電源供給の為の少なくとも一つの電気的な配線が、少なくとも部分的に導体板上に、又は導体板に設けられ、及び/又は、導体板を通って案内されている。真空部材の為のケーブル敷設(労力・手間)は、これによって少なくとも部分的に削減されることが可能である。
【0022】
導体板は、特に電気的な導通部を有することが可能である。よって、導体板によって電気的な配線も外部空間から内部空間内へと案内されることが可能である。
【0023】
流体接続部は、好ましくは毛細管を有する。これは、流体接続部に沿って見て、真空部材の前、又は後に設けられている。毛細管は、特に、流体接続部の狭い部分であることが可能である。これは、流体接続部の流れ断面を狭くしたものである。特に好ましくは、毛細管は、バルブ、特にミニチュアバルブと接続され、真空部材として使用される。これは、フローバルブとして使用され、少ない量のガスを内部空間内へと導く。
【0024】
毛細管は、導体板の外に設けられていることが可能である。毛細管は、例えば、追加的な部材として導体板に設けられている、特にはんだ付けされていることが可能である。
【0025】
毛細管は、好ましくは、(特に狭い)チャネル部分(これは導体板内を推移している)として形成される。毛細管は、よって、追加的な独立した部材として提供される必要が無い。毛細管を形成するチャネル部分は、特に、他のチャネルに対してより狭い断面を有し得る。
【0026】
毛細管を形成するチャネル部分は、導体板内を推移するチャネルの少なくとも一部であることが可能である。これは、内部空間を、真空部材の第一の接続部と接続し、又は真空部材の第二の接続部を外部空間と接続する。毛細管は、よって、流体接続部に沿って、又は、チャネルに沿って見て、真空部材の前、又は後ろに設けられている。
【0027】
真空部材は、導体板の上側面に設けられていることが可能であり、そして真空部材の少なくとも一つの接続部は、導体板の上側面に位置していることが可能であり、そして流体接続部の導体板内を推移するチャネル内に開口していることが可能である。流体接続部は、よって、導体板内を推移するチャネルから直接、真空部材の接続部内へと移行することが可能である。追加的な接続要素は、よって省略されることができる。
【0028】
真空部材は、特に、通過バルブ、流量測定装置、又は流量監視装置であるとき、第一の接続部、及び第二の接続部を有することが可能であり、そして導体板内を推移する第一のチャネルは、第一の接続部を内部空間と接続することが可能であり、導体板内を推移する第二のチャネルは、第二の接続部を外部空間と接続することが可能である。真空部材を通って推移する流体接続部は、この場合、二つのチャネルからのみ形成されることが可能である。よって、これらは特別コンパクトで、安価に形成されることが可能である。
【0029】
導体板が、特に上側面に対して平行な導体板の下側面が、内部空間の方に向けられているよう真空装置に配置されており、そして第一のチャネルが、特に上側面、又は下側面に対して垂直に、導体板を通って上側面から下側面に向かって推移していると有利である。下側面は、内部空間の境界を形成することが可能であり、又は、第一のチャネルが内部空間内に開口していることが可能であるよう、ハウジングの外側面に配置されていることが可能である。
【0030】
本発明の好ましい発展形においては、真空部材の第一の接続部内に開口する第一のチャネルが、壁部内に形成される開口部(この開口部は、壁部を通って内部空間内に延在している)を設けられているよう、導体板の下側面が、ハウジングの壁部の外側面に配置されている。
【0031】
第二のチャネルは、好ましくは、導体板の側方の縁部において、又は上側面において外部空間へと開口している。
【0032】
「導体板」の概念は、広く解されるべきである。その際、これは、導体性でない材料からなり、この材料が電気的に導体性の材料からなる領域(例えば導通部、又は導体パスのようなもの)を有するというキャリアプレートの形式のものであることが可能である。そのような電気的に導体性の領域を有さない導体板も、導体板と見られることが可能である。好ましくは、導体板は、従来の意味での導体板、つまり基板、又は「プリントサーキットボード」である。
【0033】
導体板は、特にその上側面、又は下側面に対して平行に推移する複数の層を有し得る。当該層は、好ましくは、電気的に導体性でない材料から形成されている。これは、好ましくは、高い真空密度、及び/又は低いガス放出性を有する。導体板の少なくとも一つの表面上には、電気的に導体性の材料からなる少なくとも一つの導体パスが設けられていることが可能である。
【0034】
導体板は、少なくとも三つの層を有することが可能であり、そして、チャネル部分は、中央の層のうちの一つの中を推移することが可能である。好ましくは、第二のチャネルは、少なくとも部分的に中央の層内を推移し、そして導体板の上側面及び下側面に対して平行に推移する。
【0035】
真空装置は、任意の真空引き可能な各装置であることが可能である。例えば、真空ポンプに接続可能なレシーバーであり、又は漏れ探査装置である。
【0036】
以下に本発明を、添付の図面を参照しつつ好ましい実施形に基づいて説明する。