特許第6552589号(P6552589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6552589その場水和のための不織セメント系複合材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552589
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】その場水和のための不織セメント系複合材料
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/02 20060101AFI20190722BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20190722BHJP
   C04B 16/06 20060101ALI20190722BHJP
   E04G 23/02 20060101ALN20190722BHJP
   E02D 17/20 20060101ALN20190722BHJP
【FI】
   B32B5/02 Z
   C04B28/02
   C04B16/06 A
   !E04G23/02 Z
   !E02D17/20 103B
【請求項の数】11
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2017-243567(P2017-243567)
(22)【出願日】2017年12月20日
(62)【分割の表示】特願2014-540044(P2014-540044)の分割
【原出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2018-79697(P2018-79697A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2018年1月11日
(31)【優先権主張番号】61/554,377
(32)【優先日】2011年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/703,618
(32)【優先日】2012年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514109374
【氏名又は名称】コルテックス コンポジッツ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】クラスノフ,クーレン イー.
(72)【発明者】
【氏名】モバシャー,バージン
(72)【発明者】
【氏名】ボナクダー,アブーザー
(72)【発明者】
【氏名】バーク,ニール エス.
(72)【発明者】
【氏名】リー,デヴィッド エス.
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】モリス,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ,マルク
【審査官】 高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/086618(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B
C04B2/00−32/02;40/00−40/06
E02D17/00−17/20
E04C5/00−5/20
E04G23/00−23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その場水和のためのセメント系複合材料であって、前記複合材料が、
第1の側面および第2の側面を有する構造層であって、前記構造層が不織構造に配置されかつ複数の開口の間隙を画定する、構造層と、
前記構造層の前記複数の開口の間隙の内部に配置されるセメント質材料であって、前記セメント質材料が複数のセメント質粒子を含む、セメント質材料と、
前記構造層の前記第1の側面に沿って配置される封緘層と、
前記構造層の前記第2の側面に沿って配置され、前記複数のセメント質粒子が前記構造層から移動するのを防ぐように構成される閉じ込め層と、を備える、その場水和のためのセメント系複合材料
【請求項2】
前記構造層が前記不織構造に配置される複数の繊維を含み、前記複数の繊維が前記複数の開口の間隙を協働的に画定する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記封緘層が、不透水封緘層である、請求項1に記載の複合材料。
【請求項4】
前記閉じ込め層が、水和前または水和後のいずれかで除去可能なシートを備える、請求項1に記載の複合材料。
【請求項5】
前記閉じ込め層が、前記構造層の対向する前記第2の側面に沿って配置されるコーティングを備え、前記コーティングが、前記複数のセメント質粒子が前記構造層から移動するのを防ぐように配置される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項6】
前記閉じ込め層が、水溶性でありそれによって前記閉じ込め層が水和時に分解する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項7】
記複数の繊維は、ランダムなまたは不均一な構成で配置される、請求項に記載の複合材料。
【請求項8】
前記複数の繊維は均一な構成で配置され、かつ前記複数の繊維が互いに間隔を空けた複数の離散ノードを形成するように配置され、それによって前記複数の繊維が、前記複数の離散ノードの間に前記複数の開口の間隙を協働して画定する、請求項2に記載の複合材料。
【請求項9】
前記封緘層または前記閉じ込め層のうちの少なくとも1つが、前記封緘層または前記閉じ込め層のうちの少なくとも1つとの穿刺をすることなく前記構造層と結合する、請求項1に記載の複合材料。
【請求項10】
(i)前記封緘層が、前記第1の側面と溶接、接着固定若しくは溶融されているか、または
(ii)前記閉じ込め層が、前記構造層の第2の側面と溶接、接着固定若しくは溶融されている、
請求項1に記載の複合材料。
【請求項11】
前記封緘層が、構造層と一体的に形成される、請求項1に記載の複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年11月1日に出願された米国特許仮出願第61/554,377号、および2012年9月20日に出願された米国特許仮出願第61/703,618号の利益を主張するものであり、これらは、参照によりこれら全体を本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、織物および繊維強化セメント系複合材料を含む、複合材料に関する。具体的には、本出願は、その場(in−situ)(すなわち、所定の場所において、現地で、建設現場において、など)水和の可能な可撓性のプレファブ式織物および繊維強化セメント系複合材料に関する。その場水和は、複合材料が、複合材料のプレファブ特質を損なうことなく配置されると同時に、液体が、局所に塗布され、セメント質材料と反応するのを可能にする。このようなセメント系複合材料は、セメント質材料が、従来型の混合手順を要することなしに、複合材料内で凝結および硬化するのを可能にする。
【背景技術】
【0003】
従来型の織物強化複合材料は、少なくとも1層の二次元の織物と、コンクリートの層とを一般に含んで、積層複合材を形成する。このような積層複合材料は、優れた面内特性を呈し得るが、厚さ方向(すなわち、複合材料の平面に直交する方向)に補強がないために、あるいは層の付着が弱いために、層間特性は劣る。この不足のために、複合材料は、層間応力を経る場合に損傷や剥離を被る。従来型の複合材料は、性能を改善するために平織物または複数槽の織物を含むが、これらのシステムは、依然として、負荷下において容易に破損することもある。
【0004】
その他のセメント系複合材料は、2つの層の間にセメント質材料を捕捉するように構成される織りまたは編みの三次元織物を含む。このような織りまたは編みの三次元織物は、セメント質材料をその場水和のために固定するように、独立には機能しないこともある。これらの織りまたは編みの層は、セメント質材料を捕捉する前に、その他の層の間に形成されなければならないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の1つの例示的な実施形態は、その場水和のためのセメント系複合材料であって、第1の側面、第2の側面、および不織構造に配置される複数の繊維を含むメッシュ層と、メッシュ層内に配置される複数のセメント質粒子を有するセメント質材料と、メッシュ層の第1の側面に沿って配置され、複数の不織繊維に結合される封緘層と、メッシュ層の第2の側面に沿って配置され、複数のセメント質粒子がメッシュ層から移動するのを妨げるように構成される閉じ込め層とを有する、その場水和のためのセメント系複合材料に関する。
【0006】
本開示の別の例示的な実施形態は、その場水和のためのセメント系複合材料であって、第1の側面、第2の側面、および第1の側面と第2の側面との間において不織構造に配置される複数の繊維を含むメッシュ層と、メッシュ層内に配置される複数のセメント質粒子を有するセメント質材料と、メッシュ層の第1の側面に沿って配置され、複数の不織繊維に結合される封緘層と、メッシュ層の第2の側面に沿って配置され、複数のセメント質粒子がメッシュ層から移動するのを妨げるように構成されるコーティング層とを含む、その場水和のためのセメント系複合材料に関する。
【0007】
本開示のさらに別の例示的な実施形態は、セメント系複合材料の製造方法に関する。方法は、第1の側面、第2の側面、および不織構造に配置され、かつシートおよびロールのうちの少なくとも1つで配置される複数の繊維を有するメッシュ層を提供するステップであって、メッシュ層内および複数の不織繊維間の容積が開口空間を画定する、メッシュ層を提供するステップと、メッシュ層の第1の側面に結合される膜を提供するステップと、セメント質材料をメッシュ層の開口空間内に配置するステップと、閉じ込め層をメッシュ層の第2の側面に沿って位置付けるステップとを含む。
【0008】
本開示は、同様の参照番号が同様の要素を指す添付の図面と併用されて、以下の詳細な説明により、より完全に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】運河の覆工施工において、作業者が不織セメント系複合材料を設置している透視図である。
図2】可撓性の不織セメント系複合材料の分解透視図である。
図3】巻かれた不織セメント系複合材料の透視図である。
図4】不織セメント系複合材料の概略断面図である。
図5】不織セメント系複合材料の製造機械および方法の側面図である。
図6】不織セメント系複合材料の表面内に開口を画定し得るローラーシステムの透視図である。
図7】不織セメント系複合材料の表面内に開口を画定し得るローラーシステムの透視図である。
図8】不織セメント系複合材料の隣接するセクションを結合するのに用いられる様々な接合方法の側面図である。
図9】不織セメント系複合材料の隣接するセクションを結合するのに用いられる様々な接合方法の側面図である。
図10】不織セメント系複合材料の隣接するセクションを結合するのに用いられる様々な接合方法の側面図である。
図11】不織セメント系複合材料の隣接するセクションを結合するのに用いられる様々な接合方法の側面図である。
図12】隣接する不織セメント系複合材料の構造層の間の空間を充填するための方法の側面図である。
図13】不織セメント系複合材料の様々な構造の応力対変位の実験データのグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施形態を詳細に図示する図面に進む前に、当然のことながら、本出願は、説明または図示される詳細または方法論に限定されてはならない。また、当然のことながら、用語は、説明の目的のみのためであり、限定するものとみなされるべきではない。
【0011】
複合材料層
不織セメント系複合材料は、従来型の材料(例えば、繊維、鉄筋など)で強化されたコンクリート、従来型の一方向織物強化コンクリート複合材料、および織りまたは編みの三次元織物コンクリート複合材料に対して、構造上の性能を向上し得る。不織セメント系複合材料は、構造的な層に埋め込まれる、またはこれにより閉じ込められる乾燥セメント混合物を含み、これは、セメント質材料が、その場水和後、その通常の凝結および強度獲得プロセスを経て、強固な複合材料を生成するのを可能にする。このような不織の構造的な層は、独立に形成され、組み合う繊維(interlocking fibers)を含んでもよく、これは、自立する材料を形成する。不織セメント系複合材料は、等しい容積単位当たりの構造上の性能を高め、より廉価であり、労働コストを削減し、また従来型のコンクリートまたはコンクリート複合材料よりも処理が少なくて済む解決法を提供し得る。さらに、不織繊維は、荷重のエネルギーを繊維中に分散することによって、耐荷重能力を改善する。不織繊維はまた、セメント相における亀裂面を橋渡しして、亀裂抵抗を高め、亀裂を局所に留めて亀裂伝播を抑制する。
【0012】
不織セメント系複合材料の水和は、その場で(すなわち、所定の場所で、現場で、など)開始されてもよい。したがって、不織セメント系複合材料は、包装済みの構造(例えば、シート、ロールなど)の可撓性の複合材料として、場所(例えば、運河など)に輸送され、現地で水和されてもよい。このような不織セメント系複合材料は、商業的、水分保持、および作用上の利益を提供し得る。例として、不織セメント系複合材料は、図1に示されるような運河の覆工を形成するために適用されてもよい。不織セメント系複合材料のためのその他のアプリケーションは、その他のアプリケーションの中でも、以下、すなわち、低流量から大流量までの流路、送水用開水路、用水路および排水溝、低湿地帯、管渠、突堤、防波堤、堤防、土手、貯水池、砂防ダム、遮集溝、水平ドレーン、河川復旧および雨水管理、護岸および隔壁洗掘防止、埋立層形成およびキャッピング、ブラウンフィールドの層形成およびキャッピング、縦坑補強、構造補強、飛行場またはヘリポート建設、出艇用斜面、柱および梁の補強、管補修、油田覆工、集水池、池の覆工、竪穴の覆工、廃水ラグーンの覆工、傾斜地強化、雪溜まり強化、タイバック強化、盛り土の覆工、浜および海岸線の修復、路面、道路、歩道、通路として、覆工形成、コンクリート防水、住居またはその他の建造物のための材料、造園、基礎覆工、床張り材、プール建設、パティオ建設、屋根、断熱および耐候、スタッコの代替として、騒音減衰、および壁式および盛り土構造の保持を含んでもよい。
【0013】
図2の例示的な実施形態によれば、複合材料は、不織セメント系複合材料10として示されているが、複数の層を含む。図2に示すように、このような層は、透水層20として示されている閉じ込め層と、セメント質層30として示されているセメント質層と、構造層40として示される三次元容積層(すなわち、メッシュ)と、不透水層50として示されている不透水(例えば、封緘)層とを含む。例示的な実施形態によれば、透水層20、セメント質層30、構造層40、および不透水層50は、互いに隣接して配置され、シートへと組み立てられて、不織セメント系複合材料10を形成してもよい。図2に示すように、構造層40は、透水層20と不透水層50との間に挟まれていてもよい。例示的な実施形態によれば、水和前、不織セメント系複合材料10の厚さは、0.5から4.0センチメートルの間であってもよい。しかしながら、例として、添加剤がセメント質層30に含まれる場合(例えば、膨張セメントなど)、その場水和後、不織セメント系複合材料10の厚さは、2.0インチを超えてもよい。例示的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10は、透水層20または不透水層50を含まないが、セメント質層30を閉じ込める構造層40を含む。以下により詳細に説明するように、セメント質層30は、透水層20などの閉じ込め層の使用なしで、構造層40内で硬化し得ることが実験的に確認されている。このような複合材料は、複合材料を出入りする水の流れを制御するように設計された構造層40を含み得る。例示的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10内への水の制御は、その他の層を構造層40に結合することによって行われてもよい。
【0014】
例示的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10は、一緒に結合される層を含む。このような結合は、水和前の層の間における相対的な動きを低減し得る(例えば、製造プロセスの間、輸送の間、据え付けの間など)。例として、不透水層50は、構造層40と結合されてもよい(例えば、融合される、一体的に形成される、溶接される、接着剤で固定される、溶融される、など)。例示的な実施形態によれば、透水層20は、構造層40と結合される。このような結合は、透水層20と構造層40との間における荷重伝達を促進することによって、不織セメント系複合材料10の構造上の特性を改善し得る。例示的な実施形態によれば、構造層40を透水層20または不透水層50と結合することは、層の間における荷重伝達を促進することによって、不織セメント系複合材料10の構造上の特性を改善し得る。
【0015】
代替的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料は、セメント質層30が構造層40内に配置された後に加熱されて、構造層40を融合する(例えば、収縮包装する、圧縮する、など)。例として、不織構造層40は、その中に配置される0.5インチのセメント質層30を有して、1.0インチ厚から始まってもよい。加熱後、構造層40は、0.5インチ厚に収縮し得る。例示的な実施形態によれば、構造層40の一部分(例えば、融合した部分)は、透水層20、不透水層50、または透水層20および不透水層50の両方と入れ替わってもよい。
【0016】
次に、図3の例示的な実施形態を参照すると、不織セメント系複合材料10は、可撓性のシートに配置されてもよい。図3に示すように、透水層20、構造層40、および不透水層50は、それぞれ可撓性であり、互いに隣接して配置される。例示的な実施形態によれば、可撓性の層のこのような組み合わせは、不織セメント系複合材料10が巻かれて、輸送を容易にし、かつ、透水層20を通って移動するセメント質材料の量を減らすのを可能にする。代替的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10は、別の構造(例えば、積み重ねし得る様々なシート、予め形成された形状を有するシートなど)に配置されてもよい。
【0017】
代替的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料は、異なる複数の層を含んでもよい。例として、不織セメント系複合材料は、不透水層と、構造的な層と、セメント質材料の混合物を含むセメント質層とを含んでもよい。このような複合材料は、構造的な層を利用して、セメント質材料を保持してもよいし、除去可能層を含んで、輸送の間、および複合材料10の適用において、セメント質材料を保持してもよいし、またはセメント質材料を保持するように設計された別のシステムを含んでもよい。様々な代替的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10は、透水層20および不透水層50を含んでもよいし、不透水層50のみを含んでもよいし、透水層20のみを含んでもよいし、または透水層20も不透水層50も含まなくてもよい。
【0018】
さらに別の代替的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料は、不織セメント系複合材料全体を通って延在するカットアウトボイド(cutout voids)を含んでもよい。例として、カットアウトボイドは、流体が、硬化後に複合材料を通って流出するのを可能にする。カットアウトボイドを有する不織セメント系複合材料は、ボイドを形成することによって、複合材料を製作する前または後のいずれかに、構造的な層またはその他の層に製造されてもよい。例示的な実施形態によれば、カットアウトボイドは、いかなる形状でも形成できる(例えば、三角形、円形、楕円形、菱形、正方形、矩形、八角形など)。カットアウトボイドから除去された複合材料の容積は、前複合材料容積の1から90パーセントの間に規定し得る。
【0019】
構造層
図2から図4の例示的な実施形態によれば、構造層40は、不織セメント系複合材料10の作用を促進するために設計された特定の特性を有する三次元材料を備える。例として、構造層40のこうした特性は、その他の特性のなかでも、低密度、高ボイド空間、および不連続性を含み得る。これらの特性は、その他の特徴のなかでも、不織セメント系複合材料10の強度および輸送性を改善する。不織構造に配置された紐を有する構造層40はまた、セメント質層30内の収縮亀裂の発現率および重要度を抑制することが観察されている。こうした抑制は、不織繊維が、セメント相内の亀裂面を橋渡しすることによって、亀裂の伝播を制限することからもたらされ得る。
【0020】
図4の例示的な実施形態を参照すると、構造層40は、紐42として示されている、複数の不連続な繊維を含む。図4に示すように、紐42は、(例えば、ランダムに分布された、規則正しく配置された、特定のパターンで配置された、不均一に分布された、など)不織構造に配置される。このような構造層40は、構造的に自立する材料を備えてもよい。紐42は、交差する、重なり合う、またはその他の方法で互いに結びつくところで結合されてもよい。例示的な実施形態によれば、構造層40は、高い開口マット材料を備える(例えば、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、ナイロンなどで作られる研磨パッドなど)。このような開口マット材料は、米国特許第2,958,593号、第3,537,121号、および第4,437,271号に説明され、これらは、参照によりこれら全体を本明細書に組み込まれる。例示的な実施形態によれば、重なり合わない紐42の間の距離は、0.5ミクロンから数ミリメートルまでの間である。
【0021】
図4に示すように、構造層40は、間隙容量(例えば、開口容積、ボイド容積、など)を含む。これは、構造層40内に形成され、紐42の間の間隙容量によって画定されるボイド44として示されている。例示的な実施形態によれば、ボイド44は、構造層40の80から99.8容量パーセントの間に相当する。代替的な実施形態によれば、ボイド44は、構造層40の95から99.8容量パーセントの間に相当する。ボイド44から構成される構造層40の容積は、密度、重量、および構造層40および不織セメント系複合材料10のその他の特性に影響を与える。
【0022】
さらに、図4の例示的な実施形態を参照すると、セメント質層30は、構造層40のボイド44内に配置されている。図4に示すように、セメント質層30は、粒子32として示されている複数の構成物質を含む。例示的な実施形態によれば、セメント質層30は、物理的な振動、圧縮、または振動および圧縮の両方、あるいは別のプロセスを用いて、ボイド44内に位置付けられてもよい。加えて、セメント質層30が圧縮される程度は、セメント質層30を通って水を流す能力、セメント質層30の水和、凝結、および硬化に要する時間、不織セメント系複合材料10の強度、およびセメント質材料が透水層20を通って移動する可能性に影響を与え得る。より密度の高い構造層40は、不織セメント系複合材料の輸送および取扱い中におけるセメント質層30の損失を低減し得ることが実験的に確認されている。
【0023】
例示的な実施形態によれば、構造層40は、セメント質層30を支持する(すなわち、保持する、閉じ込める、補強する、など)。例として、構造層40の紐42は、ボイド44内のセメント質層30を物理的に支持し得る。セメント質層30を支持する紐42の寸法、形状、または向きを変えることは、不織セメント系複合材料10の構造上の特性または水和の特性を改善し得る。例えば、紐42がより高密度に配置された状態での、わずかに少ない開口空間(例えば、ボイド44が構造層40の80から95容量パーセントの間)は、構造層40の強度を改善し得るが、充填するのをより難しくし、これは、不織セメント系複合材料10の製造効率を低下させ得る。
【0024】
代替的な実施形態によれば、構造層40の密度は、横、縦、および厚さ方向のうちの少なくとも1つにおいて推移する(すなわち、変化する)。一実施形態では、構造層40は、構造層40の内側部分で形成される、より多くの開口の間隙容量(例えば、構造層40の95から99.8パーセントの間)と、構造層40の外側部分(すなわち、構造層40の外側に沿った構造的な材料のより密度の高い部分)に向かって形成される、より少ない開口の間隙容量(例えば、構造層40の80から95パーセントの間)とを含む。可変の密度を有する任意の実施形態において、推移は、一様であってもよいし、非一様であってもよい。例示的な実施形態によれば、構造層40の一部分(例えば、より密度の高い部分)は、透水層20、不透水層50、または透水層20および不透水層50の両方を補う、またはこれと入れ替わってもよい。
【0025】
代替的な実施形態によれば、構造層40は、ボイドパターンを含んでもよい(例えば、構造層40を通って切られる形状、構造層40内に形成される三次元ボイドなど)。このようなボイドパターンは、切削、形成、または別のプロセスを介して構造層40に形成されてもよい。ボイドパターンは、構造層40の一次製造の間に、またはその後二次的な製造プロセスとして形成されてもよい。例示的な実施形態によれば、ボイドパターンは、ランダムに分布される、または順に形成される(例えば、ハニカムなど)。ボイドパターンは、セメント質層30を構造層40に配置するのに要する時間を減らす、その場水和後の複合材料10の物理的特性を改善する、またはその他の利点を提供する。
【0026】
例示的な実施形態によれば、構造層40は、不織セメント系複合材料10のその他の層のものとは別に、独立の機械的特性を有してもよい。例として、こうした機械的特性は、その他の既知の特性のなかでも、引張強度、破断伸度、および引裂強度を含み得る。これらの機械的特性は、例えば、厚さ、長さ、または紐42の間の結合に基づいて変わり得る。例示的な実施形態によれば、構造層40の厚さは、0.25インチから3インチの間である。このような構造層40の重量はまた、0.5から10オンス毎平方フィートの間であってもよい。
【0027】
構造層40の機械的特性はまた、紐42の組成によって影響を受け得るが、これは、様々な既知の材料から製造されてもよい。例示的な実施形態によれば、紐42はポリプロピレンである。代替的な実施形態によれば、紐42は、別の材料である(例えば、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、ナイロン、ポリプロピレン、ココナツ繊維、セルロース繊維、その他の合成材料、その他の天然材料など)。構造層40の弾性係数および幾何形状は、不織セメント系複合材料10の柔軟性に影響し得る。より低い弾性係数またはより多い開口の幾何形状のうちの1つを有するこのような構造層40は、(例えば、出荷のため、セメント質材料を閉じ込めるため、など)不織セメント系複合材料10の柔軟性を高め得る(例えば、より小さい曲率半径)。
【0028】
代替的な実施形態によれば、コーティングは、繊維の少なくとも一部分の周囲に配置されてもよい。例として、コーティングは、構造層40の様々な特性(例えば、強度、耐久性など)を改善するように構成されてもよい。さらなる例として、コーティングは、構造層40内の繊維の付着強度、透水層20および不透水層50に対する構造層40の付着強度、およびその場水和後、セメント質層30に対する構造層40の付着強度を改善してもよい。例として、コーティングは、研磨粒子コーティング(例えば、Scotch-Brite(登録商標) heavy duty研磨パッドと同様)、耐紫外線性を提供するコーティング、セメント質材料から紐42を保護する(例えば、耐アルカリ性が向上された)コーティング、または、さらに別のコーティングを含んでもよい。
【0029】
代替的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10は、構造層40に結合される(例えば、融合される、一体的に形成される、接合される、など)スクリム覆工(例えば、補強材、ジオテキスタイル、ジオグリッド、別の不織材料、織物状材料など)を含む。スクリム覆工は、構造層40の1つまたは2つ以上の表面に結合されてもよいし、または、構造層40内に配置されてもよい。透水層20と類似の材料から作られるスクリム覆工は、透水層20の構造層40への付着を改善し得る(例えば、スクリムが付着界面に沿って配置されるとき)。スクリム覆工は、その場水和の前および後の両方における構造層40および不織セメント系複合材料10の引張強度を改善し得る。例として、緩く組み合わされた構造層40は、分離してしまう傾向を有し得るが、スクリム覆工は、構造層40を補強して、そのような分離を防ぎ得る。
【0030】
代替的な実施形態によれば、構造層は、一緒に結合された複数の不織部分を含んでもよい。複数の不織部分は、異なる材料であってもよいし、異なる密度を有してもよいし、または、その他の特徴のある特性を有してもよい。例示的な実施形態によれば、第1の不織部分は、第1の不織部分とは異なる特性を有する1つまたは2つ以上の追加的な不織部分と結びつき得る。一部の実施形態では、第1の不織部分は、別の不織部分とより合わされる。その他の実施形態では、第1の不織部分は、別の不織部分に積み重ねられる。例示的な実施形態によれば、様々な部分が互いに結合され得る(例えば、融合される、一体的に形成される、接合される、など)。異なる不織部分を含む構造層は、その場水和の前および後の両方において、不織セメント系複合材料の横、縦、および厚さ方向(すなわち、複合材料の平面に直交する方向)のうちの少なくとも1つにおいて固有の機械的および構造的特性を提供し得る。例として、局所的な強度を提供するように構成される、短い紐を有する第1の不織部分であって、耐久性を提供し、かつ構造層の分離を防止するように構成される、より長い紐を有する第2の不織部分の中に配置される(すなわち、より合わされる)第1の不織部分である。第1および第2の不織部分は、一緒に、強度および耐久性の両方を不織セメント系複合材料に提供し得る。
【0031】
セメント質層
再び図2から図4の例示的な実施形態を参照すると、セメント質層30は、水和プロセスを通じてひとたび流体(例えば、水)に曝されると凝結および硬化する材料を含む。例示的な実施形態によれば、セメント質層30は、構造層40内に配置され、その場水和後、その通常の凝結および硬化プロセスを経る。
【0032】
凝結プロセスは、セメント質層30が流体(例えば、水)と相互作用したならば開始され得る。このような水和および凝結プロセスは、セメント質層30を粉末から固形物に変える。凝結が、硬化物を生み出す一方で、養生は、不織セメント系複合材料10の強度を改善し得る。例示的な実施形態によれば、セメント質層30の圧縮強度は、2から5千ポンド毎平方インチの間である。代替的な実施形態によれば、セメント質層30は、高性能なセメント構成成分および添加剤で改良されて、5千ポンド毎平方インチを上回る強度の値を獲得する。
【0033】
例示的な実施形態によれば、水和プロセスを開始するために、水がセメント質層30に添加される。作業者は、その場で、不織セメント系複合材料10の表面に局所的に水を加えて、セメント質層30を凝結および硬化させてもよい。一部の実施形態では、その場水和は、不織セメント系複合材料10が、不織セメント系複合材料10の強度を損なうことなく、水平、ある角度で配置、または湾曲した表面を覆って配置される場合に発生し得る。例示的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10は、水平に対して90度までの角度で配置されたとしても水和され得る。より急な角度(例えば、より急な平面の角度、湾曲した表面の急傾斜の部分など)で配置される不織セメント系複合材料10の一部分は、水和に、より大量の水を要し得ることが実験的に確認されている。このような追加的な水は有利であり得るが、それは、加えられた水の一部分が、不織セメント系複合材料10中を、これに吸収されることなく流れるためである。これらまたはその他の実施形態では、セメント質層30は、材料分離および部リーディングなしで凝結し得る。
【0034】
水和された不織セメント系複合材料10の特性は、セメント質層30の構成要素の粒径によって影響を受け得る。例として、粒径および密度は、セメント質層30の均質性に影響し得、それによって、不織セメント系複合材料10の様々な特性(例えば、強度、柔軟性など)に影響を与える。例示的な実施形態によれば、セメント質層30の構成粒子は、ほぼ同じ粒径を有する(例えば、150ミクロン以内)。代替的な実施形態によれば、セメント質層30の構成粒子は、0.5から450ミクロンの間で可変の異なる寸法(すなわち、150ミクロンよりも大きい変動)を有する。様々な寸法の粒子を有するセメント質層30は、セメント質層30内における充填を改善し、開口空間を最小化し得る。
【0035】
例示的な実施形態によれば、セメント質層30材料は、単一の材料(例えば、ポルトランドセメントなど)を含む。代替的な実施形態によれば、セメント質層30は、セメント、補助セメント質材料(例えば、フライアッシュ、シリカフューム、スラグ、メタカオリンなど)、骨材(例えば、細骨材、粗骨材、砂など)、および添加剤(例えば、繊維、可塑剤、硬化促進剤、凝結遅延剤、高吸水性ポリマーなど)などの材料の混合物を含む。例示的な実施形態によれば、セメント質層30は、近似的に、25パーセントのポルトランドセメント、25パーセントの高アルミナセメント(例えば、Quix)、48パーセントの細骨材、および2パーセントの非塩化物硬化促進剤を備える。以下に説明するように、この混合比は、不織セメント系複合材料10内で使用するために特に適することが実験的に確認されている。
【0036】
別の例示的な実施形態によれば、セメント質層30は、添加剤を含む。このような添加剤は、セメントのその他の特性のなかでも、機械的特性(例えば、強度、凝結時間、養生要件、熱膨張係数など)または耐久性を改善するために用いられてもよいし、あるいは、セメント質材料の一部分の代わりに用いられてもよい。例示的な実施形態によれば、添加剤は、特定の混合比で添加されるポゾラン材料(例えば、フライアッシュ、ボトムアッシュ、シリカフューム、スラグ、メタカオリンなど)を含む。
【0037】
例示的な実施形態によれば、セメント質層30は、外周養生プロセスを用いて養生される。例として、このような外周養生プロセスは、湛水を含む。様々な代替的な実施形態によれば、外周養生プロセスは、その他の既知の方法のなかでも、散水、湿潤バーラップ、堰板、養生剤、吸収砂、および促進養生を含む。代替的な実施形態によれば、親水性材料(例えば、紙、セルロースベースの材料など)で形成される透水層20は、水を保持することによって養生を改善して、セメント質層30の流体への曝露を長引かせ得る。代替的な実施形態によれば、開口の少ない、コーティング材料から形成される透水層20は、セメント質層30からの水の蒸発を抑制することによって、養生を改善し得る。
【0038】
さらに別の代替的な実施形態によれば、セメント質層30は、内部養生プロセスを用いて養生される。例示的な実施形態によれば、セメント質層30は、内部水養生を用いて養生され、ここでは、セメント質層30は、セメント混合物に対する養生剤として働く化学成分を含む。このような化学成分は、製造プロセス中にセメント質層30に導入される骨材または新しい化学成分のいずれか(例えば、添加剤、高吸収性ポリマー、特定の骨材など)を含んでもよい。さらに、親水性添加剤(例えば、高吸収性ポリマーなど)は、セメント質層30内への水の浸入を促進することによって養生を改善し得る。例示的な実施形態によれば、構造層40は、水を開口空間内に保持(例えば、固定、捕捉など)して、セメント質層30の養生を改善する。代替的な実施形態によれば、構造層40は、親水性であり(例えば、吸収剤など)、水のセメント質層30内への吸収を促進する。
【0039】
透水層
再び図4の例示的な実施形態を参照すると、透水層20は、セメント質層30を保持しながら、不織セメント系複合材料10内への流体(例えば、水など)の分散を促進する。透水層20は、透水層20を通る流体の流れを管理する特定の特性を含んでもよい。例示的な実施形態によれば、特定の特性は、セメント質材料が、構造層40から移動することなしに、セメント質層30の水和を可能にする(例えば、その場水和前の取扱いの間、その場水和の間など)。その他の実施形態では、特定の特性はまた、水和および硬化プロセスの間、セメント質層30の混合比を保つ。さらに、透水層20は、セメント質材料に一貫した圧力を加えることによって、セメント質層30の締固めのレベルを保つ。例示的な実施形態によれば、セメント質層30の10重量パーセント未満は、その場水和の前に透水層20を通って移動する。一部の実施形態では、セメント質層30の10重量パーセントまでが、その場水和後の不織セメント系複合材料10の構造的な性能を損なうことなく、透水層20を通って移動し得る。
【0040】
例示的な実施形態によれば、透水層20は、織物状または不織の同じ系統のポリオレフィンを構造層40として備える(例えば、ポリプロピレン)。両方の層を類似の材料で製造することは、透水層20の構造層40への結合(例えば、溶融、超音波溶接、接着剤など)を容易にし、付着強度を改善する。代替的な実施形態によれば、透水層20および構造層40は、異なる材料を備えるが、依然として結合され得る(例えば、接着剤で、など)。例として、透水層20は、紫外線に対する耐性を有するサンドブラストファブリック(sand blasting fabric)を備えてもよい(例えば、TenCate社製white FR/UV sandblasting fabric 27600、Colbond社製NW6ポリプロピレンファブリックなど)。例示的な実施形態によれば、透水層20の重量は、約6オンス毎平方ヤードである。代替的な実施形態によれば、透水層20は、0.16から0.32オンス毎平方フィートの間の重量のGeorgia−Pacific社製Grade 354 Airtexを備える。
【0041】
例示的な実施形態によれば、透水層20は、その他の特徴のなかでも、特定の形状、面積、頻度、または間隔を有する複数の開口を含む。例として、開口は、不織セメント系複合材料10の特定のアプリケーションに応じて、特定の形状(例えば、円形、卵形、矩形など)を有し得る。例示的な実施形態によれば、開口の寸法もまた、指定されてもよい。例として特大の開口は、その場水和の前にセメント質層30のふるい分けをし得る。逆に、小さな開口のセメント質層30の水和は、遅過ぎるか、不完全になり得る。例示的な実施形態によれば、開口は、15ミクロン未満の粒子が不織セメント系複合材料10から移動するのを防ぎ、また0.001から3平方ミリメートルの面積となるように設計される。
【0042】
例示的な実施形態によれば、開口の頻度が指定されて、セメント質層30内への水の移動を促進してもよい。例示的な実施形態によれば、透水層20は、平方インチ当たり1から1万2千の間の開口を含む。代替的な実施形態によれば、透水層20は、開口を含まない透水性材料である(例えば、繊維状の材料、紙など)。
【0043】
例示的な実施形態によれば、透水層20は、製造プロセスの間に構造層40に結合される。このような透水層20は、不織セメント系複合材料10の寿命の間中、構造層40に結合されたままにはならない取り外し可能な製品として設計されてもよい。例示的な実施形態によれば、透水層20は、不織セメント系複合材料10の輸送の間、セメント質層30を固定する閉じ込めシート(例えば、生分解性の紙、水溶性プラスチックなど)を備える。一部の実施形態では、閉じ込めシートは、不織セメント系複合材料10が、現場に配置される前、またはその後に取り外されてもよい。このような閉じ込めシートの取り外しは、その場水和の前後のいずれかで起こり得る。どちらの実施形態においても、透水層20は、セメント質層30内への水の流れを促進する様に設計される流路(例えば、穿孔)を含んでもよい。代替的な実施形態によれば、透水層20は、取り外されず、不織セメント系複合材料10の構造的な性能を損なうことなく、現場において風化により浸食される。代替的な実施形態によれば、透水層20は、コーティングで処理して(例えば、耐紫外線のためなど)、現場における耐用年数を延ばす。
【0044】
さらに別の代替的な実施形態によれば、透水層20はコーティングを備えてもよい(例えば、エラストマーコーティング、アクリル系コーティング、ブチルゴムコーティング、hypalon(登録商標)コーティング、neoprene(登録商標)コーティング、シリコーンコーティング、改質アスファルトコーティング、アクリル系塗料コーティング、ウレタンコーティング、ポリウレタンコーティング、ポリ尿素コーティング、飲用水のために認可された様々なコーティングのうちの1つ、2つまたは3つ以上のコーティング材料の任意の組み合わせなど)。このようなコーティングは、様々な既知の技術(例えば、吹き付けなど)を介して、単一成分または複数成分のうちの1つの形態で塗布されて、材料が、透水性および不透水性のうちの1つのコーティングへと乾燥する(すなわち、凝結する、硬化する、など)ようにしてもよい。例示的な実施形態によれば、透水層20は、Versaflex社製AquaVers 405であり、0.07から2.0ミリメートルの間の厚さを有する。代替的な実施形態によれば、コーティングは、低い弾性係数および5から1000パーセントの間の伸び率を有する別の材料である。代替的な実施形態によれば、プライマーは、透水層20が吹き付けられる前に、構造層40の側面に塗布されて、付着強度を改善してもよい(例えば、エポキシプライマー、アクリル系プライマーなど)。代替的な実施形態によれば、追加的な処理コーティングは、透水層20に塗布されてもよい(例えば、透水層20のテクスチャ、色などの変更のため)。一部の実施形態では、追加的な処理コーティングは、初期コーティングの後、塗布されてもよい。さらにその他の実施形態では、追加的な処理コーティングは、上述の透水層20のための様々なその他の材料を覆って塗布される(例えば、織物状または不織ポリオレフィンなど)。
【0045】
例示的な実施形態によれば、透水層20に用いられるコーティング材料は、三次元ボイドを含む。このような三次元ボイドは、セメント質層30を不織セメント系複合材料10内に固定するように構成される側壁を備えてもよい。例示的な実施形態によれば、三次元ボイドは、円錐形である。このような円錐形をした三次元ボイドは、水を引き込むための、透水層20の外面に沿う、より大きい断面積と、セメント質材料が不織セメント系複合材料10の外に移動するのを防ぐための、セメント質層30に近接する、より小さい断面積とを含む。代替的な実施形態によれば、三次元ボイドは、別の形状(例えば、四面体など)であってもよい。様々な形状(例えば、三角形、円形、楕円形、菱形、正方形、矩形、八角形など)を有する開口もまた、コーティングに形成されてもよい。
【0046】
透水層20がコーティングを備える場合、三次元ボイドまたは開口(例えば、四面体形、菱形など)は、不織セメント系複合材料10が巻かれる際に部分的に閉鎖してもよい。部分的に閉じる開口は、セメント質材料をよりよく固定し得る(例えば、輸送中など)。特定の形状(例えば、四面体形、菱形など)は、その他の形状よりもよりしっかりと閉鎖し得る。巻くことによって曲率半径が増大すると、透水層20にかかる張力は増大し、また、湾曲の方向にコーティングを変形させる。このような変形は、湾曲の反対方向に、三次元ボイドまたは開口の寸法(例えば、直径など)を減少させる。例示的な実施形態によれば、三次元ボイドまたは開口は、広げた時には、その元の形状および寸法に戻る。
【0047】
代替的な実施形態によれば、材料除去ツール(例えば、レーザ、電子線、ブレードなど)で三次元ボイドまたは開口を形成することは、三次元ボイドまたは開口におけるコーティング材料を完全に除去する。このようなプロセスは、三次元ボイドまたは開口が、閉鎖したり、再び埋まったりするのを防ぐ。その他の方法(例えば、先の尖った道具など)で形成される開口は、再び埋められて、その後の処理を要し得る。
【0048】
代替的な実施形態によれば、透水層20は、透水性材料を乾燥するコーティング材料から製造されて、水和水の移動の促進に開口を要さないようにする。しかしながら、穿孔は、透水性材料を備える透水層20に加えられて、セメント質層30の水和をさらに促進してもよい。代替的な実施形態によれば、構造層40の側面は、コーティングによって完全におおわれていないが、それにもかかわらず、セメント質材料を閉じ込め、水和を可能にする(例えば、別個の三次元ボイドまたは開口を要することなしに)。
【0049】
例示的な実施形態によれば、透水層20は、構造層40の側面上に吹き付けられ、その後、開口は、透水層20内に画定される(例えば、先の尖った道具を有するローラで、先の尖った道具を有するプレートで、など)。シート、吹き付けによって塗布される製品、または別の製品のどれで提供されても、透水層20はまた、テクスチャ(例えば、コーティング内の研磨剤など)または透水層20を横断して移動する物体(例えば、車両、人など)のためのトラクションを改善し得るように設計された摩擦係数を含む。代替的な実施形態によれば、透水層20は、平滑面、不織セメント系複合材料10内への水の流れを促進するように設計された表面、または装飾的な仕上がりを有してもよい。
【0050】
不透水層
ふたたび図4の例示的な実施形態を参照すると、不透水層50は、セメント質層30および水和水を、セメント質材料と相互作用させた後、劣化させることなく保持可能な材料を備える。図4に示すように、不透水層50は、構造層40の側面(例えば、下側の面)に沿って結合される。不透水層50が構造層40の下側の面に沿って配置される場合、不透水層50は、曲げ応力または引張応力の一部分を経ることがある。このような位置は、不織セメント系複合材料10の強度および延性を改善し得る。一部の実施形態では、不透水層50は、流体を浸出させることなく、構造層40に結合され得る可撓性材料(例えば、不織セメント系複合材料10を巻くのを助けるため)を備えるシートである。代替的な実施形態によれば、不透水層50は、構造層40に、一体的に形成される、あるいはその他の方法で連結されてもよい。代替的な実施形態によれば、不透水層50は、セメント質層30を特定の化学物質への曝露から保護してもよい(例えば、現場の土によってもたらされる流酸塩から、など)。
【0051】
代替的な実施形態によれば、不透水層50は、ジオメンブレンを備える。このようなジオメンブレンは、様々な材料を備え得る(例えば、シンセティックシート、単層膜、防水に用いられる別のタイプの膜など)。例示的な実施形態によれば、ジオメンブレンは、0.075から2.5ミリメートルの間の厚さを有するポリオレフィンフィルムを備える。例示的な実施形態によれば、不透水層50は、穿刺抵抗および引張強度をその他の材料に対して改善する押出ポリプロピレンまたは強化ポリプロピレンを備える。(例えば、不織ポリエステル織物で外部補強される、ポリエステルスクリムで内部補強される、織物で補強される、不織布で補強される、時御グリッド、またはその他の方法で補強される)強化材料は、より薄い膜の使用を可能にし、それによって、不織セメント系複合材料10の全重量または厚さを低減する。具体的な例示的なポリプロピレンフィルムには、Colbond社製TT422およびTG 4000またはFirestone社製UltraPly TPO XR 100が含まれる。
【0052】
代替的な実施形態によれば、不透水層50は、別の材料を備えてもよい(例えば、瀝青ジオメンブレン、エチレンプロピレンジエン単量体、低密度、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ尿素およびポリプロピレンなど)。不透水層50のために選択された材料は、柔軟性、設置手順、寿命、および不織セメント系複合材料10の性能を改善する特性を有し得る。例として、ポリ塩化ビニルは、柔軟であり、破れずに不整地に適合する。例示的な実施形態によれば、特定の製造技術、引張強度、および延性は、不織セメント系複合材料10の特定のアプリケーションに最も良く適合するように、不透水層50のために選択されてもよい。
【0053】
さらに別の代替的な実施形態によれば、不透水層50は、様々な既知の技術(例えば、吹き付けなど)を介して塗布され得るコーティングを備えてもよい(例えば、エラストマーコーティング、アクリル系コーティング、ブチルゴムコーティング、hypalon(登録商標)コーティング、neoprene(登録商標)コーティング、シリコーンコーティング、改質アスファルトコーティング、アクリル系塗料コーティング、ウレタンコーティング、ポリウレタンコーティング、ポリ尿素コーティング、飲用水のために認可された様々なコーティングのうちの1つ、2つまたは3つ以上のコーティング材料の任意の組み合わせなど)。当然のことながら、厚さ、材料選択、および透水層20に関するその他の説明は、不透水層50に適用可能である。例示的な実施形態によれば、透水層20、不透水層50、および不織セメント系複合材料10の側面は、同じコーティング材料を備える。代替的な実施形態によれば、透水層20および不透水層50は、異なる材料を備える。どちらの実施形態においても、透水層20および不透水層50は、同時に適用されてもよいし、あるいは引き続いて適用されてもよい。
【0054】
さらに別の代替的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料10は、不透水層50を含まず、その代わりに、追加的な透水層を含む。このような透水層は、不織セメント系複合材料10を基板(例えば、既存のコンクリート構造体など)に融合させ得る。例として、透水性材料は、セメント質層30をその場水和後に部分的に拡散させ、下部の基板に付着させ得る。外周養生プロセス、内部養生プロセス(例えば、液体ポリマー添加剤などの化合物を用いて行われる養生など)、またはセメント質層30における様々な添加剤は、不織セメント系複合材料10と基板との間の付着をさらに改善し得る。
【0055】
製造および設置
次に図5を参照すると、不織セメント系複合材料は、機械100として示されているライン組み立て機械を用いて製造されている。機械100は、連続作動してもよいし(すなわち、材料をある期間一定の速さで通過させる)、機械100に材料が供給され、(例えば、機械100にある動作をさせるために)停止され、その後再び供給される割出動作モードを行ってもよい。図5に示すように、機械100は、供給装置110として示されている最初の材料のロールを含む。例示的な実施形態によれば、供給装置110は、ギア減速機112およびモータ113として示されている回転装置と、モータに結合される芯部分と、材料114として示されている、芯部分に巻かれたある長さの材料とを有する回転システムを備える。ギア減速機112およびモータ113による芯部分の回転が、材料114をロールから供給させることを認識されたい。
【0056】
例示的な実施形態によれば、材料114は、構造的な層の底面に沿って配置される不透水層を有する複合材料を備える。例として、製造業者は、その他の代替的手段のなかでも、別の供給業者から不透水層および構造的な層を有する材料114を受け取ってもよいし、あるいは、これらの層を予め組み立ててもよい。代替的な実施形態によれば、材料114は、構造的な層を含まない(例えば、不透水層のみを含む、など)。このような材料114を受ける組み立て機械は、その後(例えば、別個のステップとして、など)、構造的な層を不透水層の第1の側面に沿って配置するように構成される追加的な構成要素を含んでもよい。さらに別の代替的な実施形態によれば、材料114は、不透水層を含まない(例えば、構造的な層のみを含む、など)。このような材料114を受ける組み立て機械は、その後、不透水層を構造的な層の第1の側面に沿って配置するように構成される追加的な構成要素を含んでもよい。
【0057】
再び図5の例示的な実施形態を参照すると、機械100は、材料114を、セメント質ディスペンサ130として示されているディスペンサに供給する。図5に示すように、セメント質ディスペンサ130は、容器132として示されるホッパと、材料114上に、それがセメント質ディスペンサ130の下を通過する際に、セメント質材料を堆積するように構成される分配器136として示されている分配端部とを含む。一部の実施形態では、分配器136は、形状(例えば、矩形、調整可能など)にされて、材料114上へのセメント質材料の均一な分配を容易にしてもよい。
【0058】
図5に示すように、セメント質ディスペンサ130からセメント質材料を受け取った材料114は、その後、振動台135として示されている締固め機の上を通過する。例示的な実施形態によれば、振動台135からの振動は、セメント質材料を材料114の構造層内に締め固めて(すなわち、充填する、含浸する、など)、一様なセメント質層を形成する。図5の例示的な実施形態によれば、機械100は、ローラ137として示されている物理的締固め機を含む。一部の実施形態では、ローラ137は、200から10,000ポンド毎平方インチの間の圧力で、材料114を圧縮するように構成される。このようなローラ137は、振動台135と入れ替わってもよいし、あるいは機械100内において、振動台135の前、後、もしくはこれと共に配置されてもよい。ローラ137はまた、機械100を通って材料114を移動し得る。代替的な実施形態によれば、機械100は、液圧プレスまたはその他のタイプの物理的締固め機を含む。代替的な実施形態によれば、機械100は、セメント質材料を構造層内に吸引するように構成される真空システムを取り入れる(例えば、複合材料が不透水層を含まない場合)。図5に示すように、機械100は、第2のセメント質ディスペンサ130および振動台135を含んで、追加的なセメント質材料を材料114の構造層内に分配し、締固める。
【0059】
一部の実施形態では、機械100は、材料114(すなわち、構造層の頂部)内の紐の少なくとも一部分(例えば、0.5ミリメートル、1ミリメートル、2ミリメートルなど)を曝す、または洗浄するように構成される回転ブラシ140をさらに含む。例示的な実施形態によれば、締固められたセメント質材料の一部分を除去すること、または不織紐を洗浄することは、さらに十分に、透水層などの追加的な層を、構造的な層に付着させることができる。代替的な実施形態によれば、不織紐の曝露または洗浄は、別の装置を用いて達成されてもよい(例えば、空気ノズル、真空システムなど)。さらに別の代替的な実施形態によれば、機械100は、回転ブラシ140を含まない(例えば、セメント質ディスペンサ130および振動台135は、完全に構造的な層をセメント質材料で充填しない、不織紐の洗浄が必要とされない、など)。
【0060】
再び図5の例示的な実施形態を参照すると、密度測定システム150として示されている測定装置で品質測定が行われてもよい。例として、密度測定システム150は、材料114を秤量するように構成される秤、または材料114の密度を測定するための超音波装置を含んで、セメント質ディスペンサ130が好適な量のセメント質材料を提供したことを確認してもよい。代替的な実施形態によれば、品質はその他の方法で確かめられてもよく、機械100は、密度測定システム150を含まなくてもよい。別の代替的な実施形態は、構造層から延びる繊維の長さを判定するように構成される測定装置を利用して、適切なレベルのセメント質材料が分配されたか確認する。密度測定結果が規格外の場合、機械100は、故障モードに入ってもよい(例えば、材料114の処理を停止することによって、警報を鳴らすことによって、など)。作業者は、手動でセメント質材料を材料114に加え、機械を故障モードから解除し、機械100を再始動してもよい。代替的な実施形態によれば、機械100は、適切な量のセメント質材料を自動的に加えて、密度を規格内にさせ得る。
【0061】
図5に示すように、機械100は、噴霧器160として示されている塗布器で、コーティングを材料114上に堆積させて、上部閉じ込め層を形成してもよい。上述したように、このようなコーティングは、エラストマーコーティング、アクリル系コーティング、ブチルゴムコーティング、hypalon(登録商標)コーティング、neoprene(登録商標)コーティング、シリコーンコーティング、改質アスファルトコーティング、アクリル系塗料コーティング、ウレタンコーティング、ポリウレタンコーティング、ポリ尿素コーティング、飲用水のために認可された様々なコーティングのうちの1つ、2つまたは3つ以上のコーティング材料の任意の組み合わせ、またはさらにその他のコーティングを含んでもよい。一部の実施形態では、コーティングは、セメント質ディスペンサ130によって材料114内に提供されたセメント質材料を固定するように構成される。単一の噴霧器が、ある軌道上で、材料114中を移動するように構成されてもよいし、1つまたは2つ以上の噴霧ユニットが固定され、かつ材料114の頂部、側面、および端部のうちの少なくとも1つにコーティングを塗布するように構成されてもよい。例示的な実施形態によれば、コーティングは、単一成分または複数成分のうちの1つに塗布され、硬化セクション170に沿って移動するにつれて、硬化(すなわち、乾燥、凝結など)し得る。
【0062】
代替的な実施形態によれば、フィルム、シート、またはその他の構成の材料は、機械100によって塗布されて、上部閉じ込め層を形成してもよい。このようなフィルムまたはシートは、材料114の構造層に溶融、溶接、または接着固定されてもよい。例示的な実施形態によれば、溶融するステップには、上部閉じ込め層、側面閉じ込め層、または構造層の頂部部分の温度を融点直下まで上げるステップと、その後、上部および側面閉じ込め層を材料114に塗布するステップとが含まれる。代替的な実施形態によれば、超音波溶接するステップには、上部閉じ込め層を構造層に対して圧縮するステップと、その後、閉じ込め層を折り、材料114の側面および端部を封緘するように構成されるアームを有する超音波溶接機の下に、材料114を通過させるステップが含まれる。さらに別の代替的な実施形態によれば、上部または側面閉じ込め層は、構造層に接着固定されてもよい。
【0063】
図5の例示的な実施形態によれば、開口および圧痕は、穿孔機180として示されている穿孔機で上部閉じ込め層内に画定される。上述したように、このような三次元ボイドまたは開口は、セメント質材料を不織セメント系複合材料内に閉じ込めながら(例えば、輸送、現場での取り扱いなどの間)、水和プロセスを促進するように構成されてもよい。例示的な実施形態によれば、穿孔機180は、三次元ボイドまたは開口を生成するように構成される、上述したものなどのレーザ(例えば、連続、パルスなど)または電子線を含む。このような穿孔機180は、不透水層、構造的な層、または材料114の上層に接触することなく、またはこれを損傷することなく、三次元ボイドまたは開口を作成し得る。穿孔機180は、材料114の幅および表面速度に応じて、1つまたは2つ以上のレーザを有してもよい。
【0064】
代替的な実施形態によれば、穿孔機180は、圧力が加えられた際に、上部閉じ込め層を刺すための先の尖った道具を含む。このような先の尖った道具は、好適な穿孔の寸法、形状、および頻度を作成するように配置されてもよい。一部の実施形態では、先の尖った道具の長さは、構造的な層および不透水層のうちの少なくとも1つの損傷を防ぐように指定され得る。図5に示すように、穿孔機180は、垂直に移動するように構成され、上部閉じ込め層と物理的に相互作用して、複数の穿孔を作成するプレスを含んでもよい。
【0065】
図6の代替的な実施形態によれば、複数の開口および圧痕は、ローラ182として示されている回転式穿孔機を用いて形成され得る。図6に示すように、ローラ182は、材料114の底部に圧力をかけるように構成される下部ローラ183として示されている底部ローラと、とげのあるローラ184として示されている上部ローラとを含む。一部の実施形態では、材料114は、初期の製造プロセスの間、下部ローラ183ととげのあるローラ184との間に引き込まれる。
【0066】
代替的な実施形態によれば、作業者は、初期の製造プロセスの後に、図6のローラ182として示されているローラを用いて穿孔を作成してもよい。作業者の使用するローラは、手動で操作されてもよいし、あるいは、ローラ182の動作を容易にするように構成される駆動システムを含んでもよい。一部の実施形態では、ローラ182は、現場で不織セメント系複合材料10を広げるのに用いられる機器に結合されて、材料114が、下部ローラ183ととげのあるローラ184との間に引き込まれて、現場で開口を形成するようにする。図7に示すように、複数の穿孔は、ローラ186として示されているローラを用いて作業者によって代替的に加えられてもよい。このようなローラ186は、不織セメント系複合材料を配置前または後のいずれかにおいて、作業者によって利用され得る。
【0067】
例示的な実施形態によれば、機械100は、材料114の側面および端部を封緘するように構成される封緘システムを含む。このような封緘システムは、材料114の側面および端部にコーティングを塗布するように構成される追加的な噴霧器、不透水膜の一部分を側面および端部の上に折り畳むように構成されるローラ、または別のシステムを含んでもよい。例示的な実施形態によれば、材料114の側面および端部を封緘することは、セメント質材料を材料114内にさらに閉じ込め、それが構造層から移動するのを防止する(例えば、取扱い、輸送、設置などの間)。
【0068】
再び図5の例示的な実施形態を参照すると、機械100は、処理済みローラ120として示されている巻取りロールを含む。図5に示すように、処理済みローラ120は、芯部分の周囲に配置された、材料124として示されている大量の処理済み材料を含む。例示的な実施形態によれば、芯部分は、ギア減速機122およびモータ123として示されている駆動部に結合される。一部の実施形態では、ギア減速機122およびモータ123は、回転して、機械100を通して材料114を引く駆動力を加える。例示的な実施形態によれば、材料124は、処理済みローラ120上に配置された前ロールとして、またはそれが養生セクション170を通って移動してきた後のいずれかにおいて、真空封緘される。代替的な実施形態によれば、材料114のシートは個別に真空封緘されてもよいし、あるいは1つの積み重ねられたグループとして真空封緘されてもよい。このような封緘は、不織セメント系複合材料の輸送および取扱いを容易にする。
【0069】
次に、図8Aから図11Eの例示的な実施形態を参照すると、2つのシートまたはロールの不織セメント系複合材料10は、初期の製造プロセスの間(すなわち、作業者が製品を受け取る前)、または設置前もしくは後にオペレータによって、のいずれかで一緒に接合されてもよい。各シートは、1から15フィートの間の幅を有してもよく、また1から200平方フィートの間の面積を有する正方形、矩形、またはその他の形状に構成されてもよい。各ロールは、1から20フィートの間の幅、ならびに10から1000フィートの間の長さを有してもよい。
【0070】
隣接する不織セメント系複合材料10のシートまたはロールを接合するために、様々な重ね構造が利用されて、連続的で防水の表面または耐水の表面を生じ得る。図8Aから図8Dに示すように、シートまたはロールは、不透水層50を有し、これは、透水層20の縁部を越えて、横方向に外へ延在し、それによって、隣接する不織セメント系複合材料10の底面を受けるように構成される上面を有するフランジを作成する。図9Aから図9Cの代替的な実施形態によれば、隣接する不織セメント系複合材料10は、両方とも、透水層20の縁部を越えて、横方向に外へ延在する不透水層50を含み、それによって、一組のフランジを作成する。例示的な実施形態によれば、フランジの長さは、0.5インチから8.0インチの間である。
【0071】
図10Aから図11Eのさらに別の代替的な実施形態によれば、隣接する不織セメント系複合材料10は、不透水層50を含み、これは、透水層20の縁部を越えて、横方向に外へ延在しない。このような複合材料は、不織セメント系複合材料10の表面に(例えば、線として、パターンで、など)塗布される接着剤で、または裏当て(例えば、別材の不透水膜など)で接合されてもよい。代替的な実施形態によれば、接着剤は、不織セメント系複合材料10の一部分に、または裏当てに固定されるシートの形態で適用されてもよい。当然のことながら、不織セメント系複合材料10の様々な接触面は、エッチングされてもよいし、研磨されてもよいし、その他の方法で摩耗されて、接着接合部の付着強度を改善してもよい。
【0072】
図8C図9C、および図10Cのさらに別の代替的な実施形態によれば、隣接する不織セメント系複合材料10は、裏当てまたはフランジのいずれかと共に、一緒に溶接されてもよい(例えば、熱風、超音波などで)。溶接を用いる実施形態では、フランジは、好ましくは、溶接ホーンの幅よりも長い、等しい長さを有する。(図8C図9C、および図10Cに具体的に示す)。現場における溶接は、不透水層または不織セメント系複合材料のその他の層を損傷することなく溶接するための適切な距離を設定するための案内部を有し得る可搬式溶接機(例えば、熱風、超音波など)を用いて作業者によって達成され得る。このような可搬式溶接機はまた、一定の動きを容易にし、それによって溶接された接合部の品質を改善するローラを含んでもよい。さらに別の代替的な実施形態によれば、隣接する不織セメント系複合材料10は、フランジを含まず、その代わりに、図10Dに示されているようなモルタルもしくは接着剤で、または図11D図11Eに示されているような杭で接合される。
【0073】
図12Aから図12Eの例示的な実施形態によれば、接合された不織セメント系複合材料10は、図12Aの結びつくフランジの上方に形成された空間200として示される間隙を有してもよい。図12bに示すように、接合部は、空間200内に配置された構造層210として示される不織材料によって補強される。例示的な実施形態によれば、構造層210の一部分は、隣接する不織セメント系複合材料10のフランジに結合されてもよい(例えば、接着固定される、超音波溶接される、溶融される、など)。代替的な実施形態によれば、接合部は、構造層210を含まなくてもよいし、あるいは別のタイプの補強材を含んでもよい。
【0074】
図12Cに示すように、セメント質層220として示されているセメント質材料は、構造層210内に配置される。例示的な実施形態によれば、セメント質層220は、上述のセメント混合物を備えてもよいし、より高速に凝結するセメント質材料を備えてもよいし、より一層の靭性のためにより高い体積分率で繊維を有するセメント質材料を備えてもよいし、あるいはラテックスを含んで、接合部の延性を改善する。このようなセメント質層220は、構造層210内で締固めされてもよい(例えば、移動式の締固め機で、または物理的に締固めされる、など)。代替的な実施形態によれば、セメント質層220は、構造層210なしで、空間200内に配置されてもよい。
【0075】
どちらの実施形態においても、製造業者または作業者は、その後、セメント質層を水和して、図12Dに示されているように、水和された層230を形成し得る。このようなセメント質層220の水和は、不織セメント系複合材料10の水和後、または水和と共に生じ得る。図12Eの例示的な実施形態によれば、コーティング240が塗布される。このようなコーティング240は。その場水和後に塗布されてもよいし、滑り止め表面を提供してもよいし、あるいは別の目的を果たしてもよい。代替的な実施形態によれば、親水性のゴム製止水板は、空間200内に配置される。このようなシーラントは、Adeka ultra seal MC−2010mnを含み得る。
【0076】
実験的試験
出願者らは、本出願において開示される主題の開発過程において、いくつかの実験を行った。第1の実験は、不織セメント系複合材料の透水層、構造的な層、セメント質層、および不透水層について、様々な材料および構造を評価した。様々な実験中、各層について試験した材料を、以下に説明する。第1の実験では、セメント質材料と不織構造層との組み合わせが、従来型のセメント系複合材料と比べて、予期しないほど高い強度を有する複合材料を提供することを確認した。本実験はまた、不織セメント系複合材料の様々な層について様々な例示的な材料および混合物を提供した。
【0077】
第1の実験の第1の部分は、セメント質材料の一定の混合物を用いて、透水層について様々な材料を試験した。このような材料には、Propex(NW401、NW601、およびNW801不織ジオテキスタイルならびにNM104−F織物状ジオテキスタイル)により提供されたジオテキスタイルシステム、Nilex Civil Environmental Group(NW1601不織ジオテキスタイル、GT 4X4 HF、200ST、および315ST織物状ジオテキスタイル、C−125浸食防止ブランケット、ならびにP−300およびP550浸食防止芝生)により提供されたジオテキスタイルシステム、Innegra Technologies(2800d、Absecon14343、Absecon14430、およびVEL1200)により提供されたジオテキスタイルシステム、ポリプロピレン織物、およびニット織物を含めた。
【0078】
第1の部分は、上述の製品の組み合わせを、セメント系複合材料の様々なサンプルに組み立てることを含んだ。セメント質材料は、従来、流体(例えば、水)と混合され、その後、材料が堅固な構造に凝固する型枠内に堆積される。本実験はまず、セメント質材料が、セメント質材料を水と前もって混ぜることなしに、適切な水和、凝固、および硬化を経ることを検証した。具体的には、第1の部分は、直径3インチ、深さ0.25インチである円板の上に配置された透水層材料のそれぞれを用いる、サンプルの構築を含んだ。円板を、ポルトランドセメントとふるいにかけられた細骨材との組成を有する乾燥セメント質材料で充填した。
【0079】
乾燥セメント質材料を、液圧プレスで5秒間、締固めた。水に24時間浸すことにより、なかでも、補強不足のために、一部のセメント質材料内で亀裂が生じたことと、混合または撹拌なしでも、いくつかのサンプルは適切に水和されたこととを含み、様々な水和が観察された。不透水膜で覆われた対照群サンプルは、水和しなかった。
【0080】
本実験の第2の部分は、一定の透水層を用いて、13のセメント混合物を試験した。サンプルは、上述の方法で作成された。このような混合物には、以下の材料、すなわち、ポルトランドセメント(タイプI/II)、凝結時間が約5分の水硬性セメント、凝結時間が約15分の膨張セメント、パッチングモルタル、細砂、フライアッシュ、細粘結砂(fine bonded sand)、石膏、塩化カルシウム、高吸収性ポリマー、乾燥促進剤、乾燥流動化剤、およびQwixを含めた。試験した組み合わせおよび関係するサンプルの観察結果を表1に示す。
【表1】
【0081】
第1の実験の第3の部分は、同じセメント混合物を用いて、不織セメント系複合材料の構造層について22の材料を試験した。このような材料には、その他のタイプの材料のなかでも、オープンセルスポンジ状発泡体、架橋繊維状発泡体、繊維状材料、および不織繊維状材料を含めた。具体的には、試験した材料には、Foam Factory(例えば、1.0インチ厚速乾発泡体、1.0インチ厚超ソフト発泡体、1.0インチ厚ポリスチレン発泡体、0.5インチ厚ポリ発泡体、0.5インチ厚1.7ポンドポリエチレン、0.5インチ厚2.2ポンドポリエチレン、および0.5インチ厚ミニセル発泡体)、Mesa Sells(0.5インチ厚ソフト発泡体、0.5インチ厚レイヤード発泡体、および1.0インチ厚繊維状発泡体)、Home Depot(0.5インチ厚空気調節スポンジ発泡体、および1.0インチ厚空気調節スポンジ発泡体)、ACE Hardware(0.25−0.5インチ厚ヘビーデューティスクラブ繊維状発泡体、0.25−0.5インチ厚スクラブスポンジ繊維状発泡体、および0.25−0.5インチ厚クリーナパッド繊維状発泡体)、Marvel Materials(0.25−0.5インチ厚産業用スクラブ繊維状発泡体)、およびGrainer Industrial Supply(0.25−0.5インチ厚合成またはスチールウール発泡体パッド)によって製造された、またはそこで購入された製品を含めた。試験した材料および関係する観察結果を下記表2に示す。
【表2】
【0082】
第1の実験の第3の部分は、表2の構造層材料のそれぞれを用いる、4インチ角のサンプルの構築を含んだ。各サンプルには、一定の透水層と、不透水層と、振動および圧力のそれぞれを用いて構造層内に配置されたセメント質材料の混合物とを含めた。既知の量の水を複合材料サンプルに加えた。これは、その後、蒸発を防止し、養生プロセスを促進するために、プラスチックシートで覆った。三点曲げ試験を用いて各複合材料サンプルの曲げ強度を試験することによって、本実験のこの部分を終えた。例示的な応力対変位のグラフ300は、図13に示されている。ここで、データセット310、320、330、および340は、表2のサンプルB−16、B−18、B−20、およびB−21に対応する。
【0083】
第1の実験の第4の部分は、様々なサンプルの強度および靱性を試験した。これには、好適な不織構造的層、一定の透水性および不透水層、ならびにセメント質材料の様々な混合物を含めた。各サンプルを、水セメント質材料比0.5に水和した。混合物および対応する7日強度および靱性の値を、下記表3に示す。例示的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料のセメント質層は、近似的に、25パーセントのポルトランドセメント、25パーセントのQwix、48パーセントの細骨材、および2パーセントの非塩化物硬化促進剤を含む。
【表3】
【0084】
第1の実験の第5の部分は、不織セメント系複合材料の不透水層について様々な材料を試験した。この層について試験した材料には、Kevlarベース薄膜と、CLI Clear−Water社製の製品(例えば、0.92ミリメートル厚強化ポリエチレン、1.02ミリメートル厚高密度ポリエチレン、1.02ミリメートル厚鎖状低密度ポリエチレン、およびXR−5)とを含めた。
【0085】
第1の実験の最後の部分は、異なる材齢で、3つの同じ不織セメント系複合材料を試験した。下記表4に示すように、その場水和後1日、7日、および28日の時点で、曲げ強度および曲げ靱性を試験した。
【表4】
【0086】
第2の実験は、不織セメント系複合材料の透水層、構造的な層、およびセメント質層について、様々な材料および構造を評価した。第2の実験の様々な部分には、第1の実験の手順にしたがって用意したいくつかのサンプルを含めた。第2の実験の結果を下記表5および表6に示す。具体的には、第2の実験では、コーティングされた、またはコーティングされていないマイクロファイバ(例えば、0.1ミリメートル未満の長さ、かつ10ミクロン未満の直径を有する紐)は、セメント質材料と混合して、靱性を強化し得ることが分かった。表5の混合物6、9、および10において、拡散を改善するために、0.1ミリメートルの呼び長さ、5ミクロンの直径、およびコーティングを有する、高密度ポリエチレンから製造された繊維を用いた。例示的な実施形態によれば、不織セメント系複合材料は、混合物5bに説明される材料の組み合わせを備えるセメント質層を含み、また、上述のポリエチレン繊維を含む。
【表5】



【表6】
【0087】
本明細書において用いられるように、「近似的に」、「約」、「実質的に」の語、および同様の語は、本開示の主題が関係する技術分野の当業者にとって一般的かつ認められた用法と調和して、幅広い意味を有することが意図される。本開示を吟味する当業者には当然のことながら、これらの語は、特定の特徴の説明が、これらの特徴の範囲を、提供される正確な数値範囲に制限することなしに、説明され、請求されるのを可能とするように意図される。したがって、これらの語は、説明され、請求される本主題の実体がなく重要でない修正または変更は、添付の特許請求の範囲に列挙した本発明の範囲内であるとみなされることを示しているとして解釈されなければならない。
【0088】
様々な実施形態を説明するために本明細書に用いられる「例示的な」の語は、このような実施形態が、予想される実施形態の予想される例、または表現、または説明、あるいはこれらの組み合わせである(そしてこのような語は、このような実施形態が必然的に非凡または最高の例であることを含むように意図されない)ことを示すように意図されることに注意されたい。
【0089】
本明細書で用いられる「結合される」、「接続される」などの語は、2つの部材の互いへの直接的または間接的な接合を意味する。このような接合は、固定であってもよいし(例えば、永久)、あるいは可動であってもよい(例えば、取り外し可能または解除可能)。このような接合は、2つの部材、または2つの部材および任意の追加的な中間部材が、単一の一体的な本体として、互いに一体的に形成されて、あるいは、2つの部材、または2つの部材および任意の追加的な中間部材が、互いに取り付けられて、達成されてもよい。
【0090】
様々な要素の向きは、その他の例示的な実施形態に応じて変化してもよいことと、このような変形が、本開示によって包含されるように意図されることとを認識されたい。
【0091】
例示的な実施形態において示されるシステムおよび方法の要素の構築および構成は、一例にすぎないことに注意することが重要である。ほんの数例の本開示の実施形態を詳細に説明してきたが、本開示を吟味する当業者は、列挙された本主題の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなしに、多くの修正が可能であることを容易に理解する(例えば、様々な要素の寸法、大きさ、構造、形状および比率における変化、パラメータの値、取り付け方法、材料の使用、色、向きなど)。例えば、一体的に形成されたとして示されている要素は、複数の部分または要素から構築されてもよい。囲まれた領域の要素およびアセンブリの両方、またはいずれか一方は、十分強度または耐久性を提供する任意の多種多様の材料から、任意の多種多様な色、テクスチャ、および組み合わせで構築されてもよいことに注意されたい。加えて、本主題の記述において、「例示的な」の語は、代表例、具体例、または例証として作用することを意味するように用いられてもよい。「例示的」ものとして本明細書に説明されるいかなる実施形態または設計も、必ずしも、その他の実施形態または設計よりも好適な、または有利なものとして解釈されないことがある。むしろ、例示的の語の使用は、具体的に、概念を提示するように意図され得る。したがって、すべてのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれるとして意図される。任意のプロセスまたは方法ステップの順番またはシーケンスは、代替的な実施形態にしたがって、変更または並べなおされてもよい。任意のミーンズプラスファンクション節は、列挙した機能を実施するものとして本明細書に記載した構造を含むものとし、構造的に同等なものだけでなく同等な構造も含むものとする。好適およびその他の例示的な実施形態の設計、運用条件、および構成において、本開示の範囲から、あるいは添付の特許請求の範囲の精神から逸脱することなく、その他の置き換え、修正、変更、および省略がなされてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13