(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド機構は、前記バネホルダの手前端側に回動可能に連結される第1アームと、前記バネホルダの奥端側に回動可能に連結される第2アームとを備える平行リンク機構であることを特徴とする請求項1記載のICカードリーダ。
前記回動ストッパの先端側には、前記カードの幅方向を回転の軸方向として回転可能なローラが取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のICカードリーダ。
【背景技術】
【0002】
従来、カードリーダの内部にカードを回収するカードの回収機能を備える接触式のICカードリーダが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のICカードリーダには、カード挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路が形成されている。このICカードリーダは、カード搬送路でカードを搬送するカードの搬送機構と、カードに形成されるIC接点の外部接続端子に接触するIC接点バネと、IC接点バネを保持する接点ホルダと、接点ホルダをカード挿入口側へ付勢する引張りコイルバネとを備えている。接点ホルダは、昇降フックと、昇降フックをカード搬送路に向かって付勢する圧縮コイルバネとを備えている。接点ホルダには、突起が形成されており、この突起は、カードリーダ本体に設けられたガイド溝に挿入されている。
【0003】
また、特許文献1に記載のカードリーダでは、カードリーダ本体に、圧縮コイルバネの付勢力に抗してカード搬送路から離れる方向へ昇降フックを移動させるフック押上部材が設けられている。このカードリーダでは、圧縮コイルバネに付勢された昇降フックは、カード搬送路で搬送されるカードが当接する位置に配置されており、昇降フックに当接したカードがカードリーダの奥側へ搬送されると、接点ホルダの突起およびガイド溝の作用で、接点ホルダがカードリーダの奥側へ移動しながらカード搬送路に近づく方向へ移動して、カードの外部接続端子にIC接点バネが接触し、データの通信が行われる。
【0004】
また、特許文献1に記載のカードリーダでは、接点ホルダよりもカードリーダの奥側へカードが搬送されることで、カードの回収が行われる。カードの回収が行われるときには、カードの外部接続端子にIC接点バネが接触している状態からさらにカードリーダの奥側へカードが搬送される。カードがカードリーダの奥側へさらに搬送されると、接点ホルダがカードリーダの奥側へ移動して、昇降フックがフック押上部材に接触する。昇降フックがフック押上部材に接触すると、昇降フックがカード搬送路から離れる方向へ移動して、接点ホルダよりもカードリーダの奥側へカードを搬送できる状態になる。この状態でさらにカードがカードリーダの奥側に搬送されて、カードが回収される。
【0005】
また、従来、ICカードの処理装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の処理装置は、カードが積層されて収容されるスタッカと、スタッカから送り出されたカードが搬送されるカード搬送路と、カード搬送路でカードを搬送するカードの搬送機構と、カードの外部接続端子に接触するIC接点バネと、IC接点バネを保持する接点ホルダとを備えている。接点ホルダは、2本のアームを有する平行リンク機構に連結されている。2本のアームのうちの一方のアームには、接点ホルダをスタッカ側へ付勢する引張りコイルバネが取り付けられている。また、接点ホルダには、スタッカから送り出されるカードの端部が当接する当接部が形成されている。
【0006】
特許文献2に記載の処理装置では、スタッカからカードが送り出されるときには、接点ホルダの当接部は、カード搬送路で搬送されるカードが当接する位置に配置されている。
スタッカから送り出されたカードが当接部に当接し、その後、スタッカから遠ざかる方向へさらに搬送されると、平行リンク機構の作用で、接点ホルダがカードの搬送方向に移動しながらカード搬送路に近づく方向へ移動して、カードの外部接続端子にIC接点バネが接触し、データの通信が行われる。また、この処理装置では、カードがさらにスタッカから遠ざかる方向へ搬送されると、接点ホルダがカードの搬送方向へ移動しながらカード搬送路から離れる方向へ移動する。接点ホルダがカード搬送路から離れる方向へ移動すると、接点ホルダの当接部もカード搬送路から離れる方向へ移動するため、カードは、接点ホルダが配置された箇所を通過してさらにスタッカから遠ざかる方向へ搬送される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のICカードリーダでは、カードの回収を行うときに、カードの表面にIC接点バネが接触したままの状態で、カードリーダの奥側へさらにカードが搬送されるため、IC接点バネによってカードが傷つけられる。ここで、特許文献2に記載の接点ホルダおよび平行リンク機構を特許文献1に記載のICカードリーダに採用すれば、カードの回収を行うときに、カードの移動に伴ってIC接点バネがカードから離れていくため、カードの回収を行うときのカードの傷の発生を抑制することが可能になる。
【0009】
しかしながら、特許文献2の接点ホルダおよび平行リンク機構を特許文献1に記載のICカードリーダに採用した場合、カードの回収を行うときには、接点ホルダが配置された箇所をカードが通過できるように、カード搬送路から離れる方向へ平行リンク機構によって接点ホルダの全体を大きく移動させる必要がある。そのため、このICカードリーダでは、接点ホルダの全体を大きく移動させるための大きなスペースが必要になり、その結果、ICカードリーダが大型化する。
【0010】
そこで、本発明の課題は、カードの回収機能を有する接触式のICカードリーダにおいて、カードを回収する際の、IC接点バネに起因するカードの傷の発生を抑制することが可能であっても、小型化することが可能なICカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードの表面に形成されるICチップの外部接続端子に接触するIC接点バネを有する接触式のICカードリーダにおいて、ICカードリーダの、カードの挿入口が形成される側を手前側とし、その反対側を奥側とし、挿入口から挿入されたカードの厚さ方向の一方側を第1方向側とし、その反対側を第2方向側とすると、挿入口から挿入されたカードが搬送されるカード搬送路と、カード搬送路でカードを搬送するカード搬送機構と、IC接点バネを有するIC接点ブロックと、カード搬送路に対するIC接点ブロックの姿勢を一定に保った状態でIC接点ブロックが移動するようにIC接点ブロックを案内するガイド機構と、手前側へIC接点ブロックを付勢するブロック付勢部材と、IC接点ブロックの手前側への移動範囲を規制する第1ストッパと、IC接点ブロックの奥側への移動範囲を規制する第2ストッパとを備え、ガイド機構は、ブロック付勢部材の付勢力によってIC接点ブロックが第1ストッパに当接するとともにカード搬送路に配置されるカードから離れる待機位置と、カード搬送路に配置されるカードの外部接続端子とIC接点バネとが接触する通信位置と、IC接点ブロックが第2ストッパに当接するとともにカード搬送路に配置されるカードから離れるカード排出位置とにIC接点ブロックが移動するようにIC接点ブロックを案内し、待機位置にあるIC接点ブロックおよびカード排出位置にあるIC接点ブロックは、通信位置にあるIC接点ブロックよりも第1方向側に配置され、IC接点ブロックは、IC接点バネを保持するブロック状のバネホルダと、バネホルダの奥端側に取り付けられるとともにカードの搬送方向とカードの厚さ方向とに直交するカードの幅方向を回動の軸方向として回動可能な回動ストッパと、回動ストッパがバネホルダから第2方向側へ突出してカード搬送路を塞ぐ閉鎖位置に向かって回動ストッパを付勢するストッパ付勢部材とを備え、カード搬送機構によって奥側へ搬送されるカードの奥端が待機位置にあるIC接点ブロックの回動ストッパに当接すると、回動ストッパがカードに押されてIC接点ブロックが奥側に向かって待機位置から通信位置に移動し、通信位置に移動したIC接点ブロックの回動ストッパに当接するカードがカード搬送機構によってさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパがカードに押されてIC接点ブロックが奥側に向かって通信位置からカード排出位置に移動し、カード排出位置に移動したIC接点ブロックの回動ストッパに当接するカードがカード搬送機構によってさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパが第1方向側かつ奥側へ回動して、カードが奥側に向かって回動ストッパの第2方向側を通過することを特徴とする。
【0012】
本発明のカードリーダでは、IC接点ブロックは、第1ストッパに当接するとともにカード搬送路に配置されるカードから離れる待機位置と、カード搬送路に配置されるカードの外部接続端子とIC接点バネとが接触する通信位置と、第2ストッパに当接するとともにカード搬送路に配置されるカードから離れるカード排出位置とに、カード搬送路に対するIC接点ブロックの姿勢を一定に保った状態で移動する。また、本発明では、通信位置に移動したIC接点ブロックの回動ストッパに当接するカードがカード搬送機構によってさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパがカードに押されてIC接点ブロックが奥側に向かって通信位置からカード排出位置に移動する。そのため、本発明では、カードを奥側に搬送してカードを回収する際に、カードの移動に伴ってIC接点バネがカードから離れていく。したがって、本発明では、カードを回収する際の、IC接点バネに起因するカードの傷の発生を抑制することが可能になる。
【0013】
また、本発明では、IC接点ブロックは、バネホルダの奥端側に取り付けられるとともにカードの幅方向を回動の軸方向として回動可能な回動ストッパと、回動ストッパがバネホルダから第2方向側へ突出してカード搬送路を塞ぐ閉鎖位置に向かって回動ストッパを付勢するストッパ付勢部材とを備えており、カード排出位置に移動したIC接点ブロックの回動ストッパに当接するカードがカード搬送機構によってさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパが第1方向側かつ奥側へ回動して、カードが奥側に向かって回動ストッパの第2方向側を通過する。そのため、本発明では、特許文献2に記載の処理装置のようにIC接点ブロックに固定されているストッパの第2方向側をカードが通過できるまでIC接点ブロックの全体を移動させる場合と比較して、IC接点ブロックの全体の移動量を小さくしてもIC接点ブロックの奥側へカードを通過させることが可能になる。すなわち、本発明では、カードを回収するためにIC接点ブロックの奥側へカードを通過させることが可能であっても、IC接点ブロックの移動量を小さくすることが可能になる。したがって、本発明では、IC接点ブロックを移動させるためのスペースを小さくすることが可能になり、その結果、ICカードリーダを小型化することが可能になる。すなわち、本発明では、カードを回収する際の、IC接点バネに起因するカードの傷の発生を抑制することが可能であっても、ICカードリーダを小型化することが可能になる。
【0014】
本発明において、ガイド機構は、たとえば、バネホルダの手前端側に回動可能に連結される第1アームと、バネホルダの奥端側に回動可能に連結される第2アームとを備える平行リンク機構である。
【0015】
本発明において、バネホルダの奥端側には、第2方向側へ突出する固定ストッパが形成され、固定ストッパの第2方向への突出量は、閉鎖位置にあるときの回動ストッパの第2方向への突出量よりも少なくなっており、通信位置にIC接点ブロックがあるときには、固定ストッパは、カードの奥端が固定ストッパに当接可能な位置に配置され、カード排出位置にIC接点ブロックがあるときには、固定ストッパは、カードよりも第1方向側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、固定ストッパは、通信位置にIC接点ブロックがあるときに、カードの奥端が固定ストッパに当接可能な位置に配置されているため、ICカードリーダを小型化するために回動可能な回動ストッパがバネホルダに取り付けられていても、カードの外部接続端子とIC接点バネとを接触させてデータの通信を行う際には、固定ストッパによってカードを所定の位置に確実に停止させることが可能になる。また、このように構成すると、固定ストッパは、カード排出位置にIC接点ブロックがあるときにカードよりも第1方向側に配置されているため、IC接点ブロックの奥側へカードを通過させる際に固定ストッパが支障になることはない。
【0016】
本発明において、固定ストッパは、カードの幅方向における回動ストッパの両側に形成されていることが好ましい。このように構成すると、カードの幅方向における回動ストッパの片側に固定ストッパが形成されている場合と比較して、カードの外部接続端子とIC接点バネとを接触させてデータの通信を行う際のカードの傾き(具体的には、カードの厚さ方向から見たときのカードの搬送方向に対する傾き)を抑制することが可能になる。
【0017】
本発明において、カード搬送路は、第1方向側から第2方向側へ向かって突出し搬送されるカードを案内するガイド部を備え、ガイド部はIC接点ブロックが通信位置にあるときの固定ストッパとカードの搬送方向において重なる位置に配置され、ガイド部の第2方向側の端部は、IC接点ブロックがカード排出位置にあるときの固定ストッパの第2方向側の端部よりも第2方向側に配置され、IC接点ブロックが通信位置からカード排出位置に移動する間に、カードはガイド部の第2方向側を通過することが好ましい。このように構成すると、ガイド部は、IC接点ブロックが通信位置からカード排出位置に移動する過程で、奥側に搬送されるカードの先端側に第1方向側から当接して、カードと固定ストッパとの間に生じる摩擦力によって上側に持ち上がるカードの先端を固定ストッパの第2方向側の端部よりも第2方向側へ押すことができる。従って、カードの移動に伴ってより確実に固定ストッパとカードの先端を分離させ、IC接点ブロックの奥側へより確実にカードを排出させることが可能になる。
【0018】
本発明において、回動ストッパの先端側には、カードの幅方向を回転の軸方向として回転可能なローラが取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、カードを回収する際の、回動ストッパに起因するカードの傷の発生を防止することが可能になる。
【0019】
本発明において、ICカードリーダは、IC接点ブロックよりも奥側に、かつ、カード搬送路よりも第2方向側に配置されるカードの回収ボックスを備え、回動ストッパは、奥側に向かって回動ストッパの第2方向側を通過するカードをストッパ付勢部材の付勢力によって回収ボックスに向かって押すことが好ましい。このように構成すると、回動ストッパを利用して、回収ボックスにカードを確実に回収することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明では、カードの回収機能を有する接触式のICカードリーダにおいて、カードを回収する際の、IC接点バネに起因するカードの傷の発生を抑制することが可能であっても、ICカードリーダを小型化することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(カードリーダの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるICカードリーダ1の概略側面図である。
図2は、
図1に示すカード2の平面図である。
【0024】
本形態のICカードリーダ1(以下、「カードリーダ1」とする)は、カード2に記録されたデータの読取およびカード2へのデータの記録の少なくともいずれか一方を行うための装置である。具体的には、カードリーダ1は、カード2とデータの通信を行うために、カード2の表面に形成されるICチップの外部接続端子2aに接触するIC接点バネ3を有する接触式のICカードリーダである。また、本形態のカードリーダ1は、必要に応じてカード2をカードリーダ1の内部に回収するカード2の回収機能を備えている。このカードリーダ1は、所定の上位装置(図示省略)に搭載されて使用される。
【0025】
カードリーダ1は、カードリーダ本体4と、カード2を回収するための回収ボックス5とを備えている。カードリーダ本体4には、カード2の挿入口7から挿入されたカード2が搬送されるカード搬送路8が形成されている。カードリーダ本体4は、カード搬送路8でカード2を搬送するカード搬送機構9と、IC接点バネ3を有するIC接点ブロック10と、IC接点ブロック10を案内するガイド機構としての平行リンク機構11とを備えている。また、カードリーダ本体4は、図示を省略する磁気ヘッドを備えている。
【0026】
本形態では、
図1等に示すX方向でカード2が搬送される。すなわち、X方向は、カード搬送路8で搬送されるカード2の搬送方向である。また、X方向に直交する
図1等のZ方向は、カード搬送路8で搬送されるカード2の厚さ方向(すなわち、挿入口7から挿入されたカード2の厚さ方向)であり、X方向とZ方向とに直交する
図1等のY方向は、カード搬送路8で搬送されるカード2の幅方向である。以下の説明では、X方向を「前後方向」、Y方向を「左右方向」、Z方向を「上下方向」とする。また、挿入口7が形成されるX1方向側を「手前(前)」側、その反対のX2方向側を「奥(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、その反対のZ2方向側を「下」側とする。本形態では、上下方向と鉛直方向とが一致するように、カードリーダ1が配置されている。また、本形態の上側(Z1方向側)は、カード2の厚さ方向の一方側である第1方向側であり、下側(Z2方向側)は、その反対側である第2方向側である。
【0027】
カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の略長方形状の塩化ビニール製のカードである。カード2には、磁気データが記録される磁気ストライプ(図示省略)が形成されている。また、カード2には、ICチップ(図示省略)が内蔵されており、カード2の表面には、外部接続端子2aが形成されている。外部接続端子2aは、
図2に示すように、カード2の長手方向の一端2b側に形成されている。カード2は、外部接続端子2aが形成された面が上側を向くとともに、カード2の長手方向が前後方向と略一致した状態で、かつ、カード2の長手方向の一端2b側からカードリーダ本体4に挿入される。なお、カード2には、磁気ストライプが形成されていなくても良い。この場合には、カードリーダ本体4は、磁気ヘッドを備えていなくても良い。
【0028】
カード搬送路8は、左右方向から見たときの形状が直線状となるように形成されている。カード搬送機構9は、カード2を搬送する駆動ローラ14およびパッドローラ15を備えている。駆動ローラ14とパッドローラ15とは、上下方向で対向するように配置されている。駆動ローラ14は、プーリやベルト等の動力伝達機構(図示省略)を介して駆動用のモータ(図示省略)に連結されている。パッドローラ15は、駆動ローラ14に向かって付勢されている。
【0029】
回収ボックス5は、上面が開口する略直方体の箱状に形成されている。この回収ボックス5は、カードリーダ本体4の奥側に配置されている。また、回収ボックス5は、カード搬送路8よりも下側に配置されている。
【0030】
(IC接点ブロック、平行リンク機構およびその周辺部分の構成)
図3は、
図1に示すIC接点ブロック10および平行リンク機構11の斜視図である。
図4は、
図3に示すIC接点ブロック10および平行リンク機構11を別の方向から示す斜視図である。
図5、
図6は、
図1に示すIC接点ブロック10の動きを説明するための図である。
図7は、
図1に示す回動ストッパ19の作用を説明するための図である。
【0031】
IC接点ブロック10は、カードリーダ本体4の奥端側に配置されている。また、IC接点ブロック10は、IC接点バネ3が上側からカード搬送路8に臨むように配置されている。このIC接点ブロック10は、IC接点バネ3を保持するブロック状のバネホルダ18と、バネホルダ18の奥端側に回動可能に取り付けられる回動ストッパ19と、回動ストッパ19を付勢するストッパ付勢部材としてのネジリコイルバネ20(
図3参照)とを備えている。
【0032】
平行リンク機構11は、IC接点ブロック10の上側に配置されている。この平行リンク機構11は、バネホルダ18の手前端側に回動可能に連結される第1アームとしてのアーム21と、バネホルダ18の奥端側に回動可能に連結される第2アームとしてのアーム22とを備えている。また、カードリーダ本体4は、手前側へIC接点ブロック10を付勢するブロック付勢部材としてのネジリコイルバネ24と、IC接点ブロック10の手前側への移動範囲を規制する第1ストッパとしてのストッパ25と、IC接点ブロック10の奥側への移動範囲を規制する第2ストッパとしてのストッパ26とを備えている。なお、
図5〜
図7では、ネジリコイルバネ24の図示を省略している。
【0033】
バネホルダ18は、上下方向に扁平な略直方体状に形成されている。このバネホルダ18は、カード搬送路8に上側から臨むように配置されている。バネホルダ18の上面側には、平行リンク機構11の一部を構成する後述の連結軸35が挿通される軸挿通部18aが形成されている。軸挿通部18aは、バネホルダ18の手前端側における左右の両端側部分の2箇所と、バネホルダ18の奥端側における左右の両端側の2箇所との合計4箇所に形成されている。また、軸挿通部18aは、上側へ突出するように形成されている。
【0034】
バネホルダ18の奥端側には、奥側に向かって突出する突出部18bが形成されている。突出部18bは、バネホルダ18の左右の両端側の2箇所に形成されている。突出部18bの奥端側(すなわち、バネホルダ18の奥端側)には、下側へ突出する固定ストッパ18cが形成されている。固定ストッパ18cの前面18d(
図4参照)は、前後方向に直交する平面状に形成されている。左右方向における2個の突出部18bの間には、回動ストッパ19の一部が配置される空間が形成されている。すなわち、固定ストッパ18cは、左右方向における回動ストッパ19の両側に形成されている。2個の突出部18bの奥端側には、固定軸30が固定されている。固定軸30は、固定軸30の軸方向と左右方向とが一致するように突出部18bに固定されている。
【0035】
回動ストッパ19は、略直方体のブロック状に形成されている。回動ストッパ19の上端側は、固定軸30に回動可能に保持されており、回動ストッパ19は、固定軸30を中心にして回動可能となっている。すなわち、回動ストッパ19は、左右方向を回動の軸方向として回動可能となっている。ネジリコイルバネ20には、固定軸30が挿通されている。このネジリコイルバネ20は、回動ストッパ19がバネホルダ18から下側へ突出してカード搬送路8を塞ぐ閉鎖位置19A(
図5(A)、(B)、
図6(A)に示す位置)に向かって回動ストッパ19を付勢している。すなわち、ネジリコイルバネ20は、固定軸30を中心にして、
図5、
図6の時計回りの方向(時計方向)へ回動ストッパ19を付勢している。なお、バネホルダ18には、回動ストッパ19の時計方向への回動範囲を規制するストッパ(図示省略)が形成されており、閉鎖位置19Aに回動ストッパ19があるときには、回動ストッパ19は、このストッパに当接して時計方向への回動を規制されている。
【0036】
閉鎖位置19Aにあるときの回動ストッパ19の下側への突出量は、固定ストッパ18cの下側への突出量よりも大きくなっている。すなわち、固定ストッパ18cの下側への突出量は、閉鎖位置19Aにあるときの回動ストッパ19の下側への突出量よりも小さくなっており、閉鎖位置19Aにあるときの回動ストッパ19の下端は、固定ストッパ18cの下端よりも下側に配置されている。また、回動ストッパ19の先端側には、軸31が取り付けられている。軸31は、軸31の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。軸31には、ローラ32が回転可能に取り付けられている。すなわち、回動ストッパ19の先端側には、左右方向を回転の軸方向として回転可能なローラ32が取り付けられている。ローラ32の一部は、回動ストッパ19の先端よりも回動ストッパ19の先端側へ突出している。
【0037】
平行リンク機構11は、上述のアーム21、22に加えて、アーム21、22の回動中心となる2本の回動中心軸34と、アーム21、22とバネホルダ18を連結するための2本の連結軸35とを備えている。アーム21とアーム22とは同形状に形成されている。アーム21は、回動中心軸34および連結軸35が取り付けられる2個の軸取付部21aと、2個の軸取付部21aを連結する連結部21bとを備えている。同様に、アーム22は、回動中心軸34および連結軸35が取り付けられる2個の軸取付部22aと、2個の軸取付部22aを連結する連結部22bとを備えている。
【0038】
軸取付部21a、22aは、略長円形の平板状に形成されており、軸取付部21a、22aの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。2個の軸取付部21aは、左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置され、2個の軸取付部22aは、左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。回動中心軸34は、回動中心軸34の軸方向と左右方向とが一致するように配置され、連結軸35は、連結軸35の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。
【0039】
回動中心軸34は、軸取付部21a、22aの一端側に取り付けられ、連結軸35は、軸取付部21a、22aの他端側に取り付けられている。回動中心軸34の両端側は、軸取付部21a、22aよりも左右方向の外側へ突出している。軸取付部21a、22aよりも左右方向の外側へ突出する回動中心軸34の両端側部分は、カードリーダ本体4のフレーム(図示省略)に取り付けられており、アーム21、22は、回動中心軸34を中心とする回動が可能となるように、カードリーダ本体4のフレームに保持されている。連結軸35は、バネホルダ18の軸挿通部18aに挿通されており、バネホルダ18とアーム21、22とは回動可能に連結されている。
【0040】
ネジリコイルバネ24には、アーム22に取り付けられる回動中心軸34が挿通されている。ネジリコイルバネ24は、アーム22に取り付けられる回動中心軸34を中心にして、
図5、
図6の時計方向へアーム22を付勢しており、アーム22を介して、IC接点ブロック10を手前側へ付勢している。ストッパ25、26は、カードリーダ本体4のフレーム(図示省略)に固定されている。ストッパ25は、バネホルダ18の前面が当接可能な位置に配置され、ストッパ26は、バネホルダ18の前面が当接可能な位置に配置されている。なお、ストッパ25は、アーム21が当接可能な位置に配置されても良い。また、ストッパ26は、アーム22が当接可能な位置に配置されても良い。
【0041】
平行リンク機構11は、カード搬送路8に対するIC接点ブロック10の姿勢を一定に保った状態でIC接点ブロック10が移動するようにIC接点ブロック10を案内する。
具体的には、平行リンク機構11は、
図5、
図6に示すように、左右方向から見たときに、カード搬送路8とバネホルダ18との平行状態が保たれた状態でIC接点ブロック10が移動するようにIC接点ブロック10を案内する。
【0042】
また、平行リンク機構11は、ネジリコイルバネ24の付勢力によってIC接点ブロック10がストッパ25に当接するとともにIC接点ブロック10がカード搬送路8に配置されるカード2から離れる待機位置10A(
図5(A)に示す位置)と、カード搬送路8に配置されるカード2の外部接続端子2aとIC接点バネ3とが接触する通信位置10B(
図5(B)に示す位置)と、IC接点ブロック10がストッパ26に当接するとともにカード搬送路8に配置されるカード2から離れるカード排出位置10C(
図6(A)に示す位置)とにIC接点ブロック10が移動するようにIC接点ブロック10を案内する。
すなわち、IC接点ブロック10は、平行リンク機構11に案内されて前後方向にスライドしながら上下動する。
【0043】
図5、
図6に示すように、待機位置10AにあるIC接点ブロック10およびカード排出位置10CにあるIC接点ブロック10は、通信位置10BにあるIC接点ブロック10よりも上側に配置されている。固定ストッパ18cは、
図5(B)に示すように、通信位置10BにIC接点ブロック10があるときには、カード2の奥端が固定ストッパ18cに当接可能な位置に配置されている。また、固定ストッパ18cは、
図6(A)に示すように、カード排出位置10CにIC接点ブロック10があるときには、カード2よりも上側に配置されている。すなわち、固定ストッパ18cは、カード排出位置10CにIC接点ブロック10があるときには、カード2の奥端が当接しない位置に配置されている。
なお、固定ストッパ18cは、待機位置10AにIC接点ブロック10があるときに、カード2の奥端が当接する位置に配置されても良いし、カード2の奥端が当接しない位置に配置されても良い。
【0044】
本形態では、カードリーダ1にカード2が挿入される前の待機時には、ネジリコイルバネ24の付勢力によってIC接点ブロック10は待機位置10Aに配置されている。また、この待機時には、回動ストッパ19は、閉鎖位置19Aにあり、カード搬送路8を塞いでいる。この状態で、挿入口7からカード2が挿入されると、カード搬送機構9によって奥側へカード2が搬送される。
【0045】
カード搬送機構9によって奥側へ搬送されるカード2の奥端が待機位置10AにあるIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接すると、回動ストッパ19がカード2に押されてIC接点ブロック10が奥側に向かって待機位置10Aから通信位置10Bに移動する(
図5(A)、(B)参照)。このときには、少なくともIC接点ブロック10が待機位置10Aから通信位置10Bに移動する過程の途中からカード2が固定ストッパ18cに当接して、固定ストッパ18cもカード2に押される。たとえば、ICチップの外部接続端子2aとIC接点バネ3とが接触するときから、カード2が固定ストッパ18cに当接して、固定ストッパ18cもカード2に押される。
【0046】
カードリーダ1において通常の処理が行われる場合には、IC接点ブロック10が通信位置10Bにある状態で、カード2とカードリーダ1との間のデータの通信が行われ、その後、カード2は、手前側に向かって搬送されて挿入口7から排出される。IC接点ブロック10が通信位置10Bにある状態で、カード2が手前側に向かって搬送されると、IC接点ブロック10は、ネジリコイルバネ24の付勢力によって待機位置10Aに移動する。
【0047】
なお、カードリーダ本体4には、IC接点ブロック10が通信位置10Bにあることを検知するための検知機構が設けられている。この検知機構は、たとえば、カードリーダ本体4に取り付けられる光学式センサと、バネホルダ18に形成される検出片とによって構成されており、バネホルダ18の検出片が光学式センサの発光素子と受光素子との間を遮ることで、IC接点ブロック10が通信位置10Bにあることが検知される。
【0048】
一方、カードリーダ1においてカード2が回収されるときには、通信位置10Bに移動したIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接するカード2がカード搬送機構9によってさらに奥側へ搬送される。通信位置10Bに移動したIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接するカード2がさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパ19がカード2に押されてIC接点ブロック10が奥側に向かって通信位置10Bからカード排出位置10Cに移動する(
図5(B)、
図6(A)参照)。このときには、IC接点ブロック10が通信位置10Bからカード排出位置10Cに移動する過程の途中まで、カード2が固定ストッパ18cに当接して、固定ストッパ18cもカード2に押される。
【0049】
また、カードリーダ1においてカード2が回収されるときには、カード排出位置10Cに移動したIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接するカード2がカード搬送機構9によってさらに奥側へ搬送される。カード排出位置10Cに移動したIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接するカード2がさらに奥側へ搬送されると、
図6(B)に示すように、回動ストッパ19が固定軸30を中心にして上側かつ奥側へ回動して(倒れて)、カード2が奥側に向かって回動ストッパ19の下側を通過する。すなわち、カード排出位置10Cに移動したIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接するカード2がさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパ19が
図5、
図6の反時計回りの方向(反時計方向)に回動して、カード2が奥側に向かって回動ストッパ19の下側を通過する。
このときには、ローラ32がカード2の上面に接触しており、カード2の移動に伴ってローラ32が回転する。
【0050】
このように、本形態では、IC接点ブロック10がストッパ26に当接するまでは(すなわち、IC接点ブロック10がカード排出位置10Cに到達するまでは)、回動ストッパ19に当接するカード2に回動ストッパ19が押されても、回動ストッパ19が回動しないように、ネジリコイルバネ20の付勢力が設定されている。なお、回動ストッパ19は、
図7に示すように、奥側に向かって回動ストッパ19の下側を通過するカード2をネジリコイルバネ20の付勢力によって回収ボックス5に向かって押している。すなわち、回動ストッパ19は、奥側に向かって回動ストッパ19の下側を通過するカード2を下側に押している。具体的には、ローラ32がカード2の上面に接触してカード2を下側に押している。
【0051】
また、カード搬送路8の奥端側には、カード搬送路8の上側から下側に向かって突出するとともにカード搬送機構9によって搬送されるカード2を案内するガイド部40が設けられている。すなわち、ガイド部40は、カード2をカード搬送路8の下側へ案内する。また、ガイド部40は、カード搬送路8を形成するカードリーダ本体4のフレーム(図示省略)と一体に形成され、左右方向において、IC接点ブロック10、駆動ローラ14およびパッドローラ15と異なる位置に形成されている。すなわち、ガイド部40、IC接点ブロック10、駆動ローラ14およびパッドローラ15とは互いに干渉しないように配置されている。また、ガイド部40は、IC接点ブロック10が通信位置10Bにあるときに、固定ストッパ18cと前後方向において重なる位置に形成されている。より詳しくは、ガイド部40は、IC接点ブロック10が上下方向において最も下側にあるときの固定ストッパ18cに当接するカード2の先端と、前後方向において重なる位置に配置されている。また、ガイド部40の下端は、IC接点ブロック10がカード排出位置10Cにあるときには、固定ストッパ18cの下端よりも上下方向において下側に配置されている。
【0052】
カードリーダ1においてカード2が回収されるときに、IC接点ブロック10が通信位置10Bからカード排出位置10Cに移動する過程で、カード2が固定ストッパ18cに当接して、固定ストッパ18cを押す場合、固定ストッパ18cと固定ストッパ18cに当接するカード2の先端との間に摩擦力が生じ、カード2と固定ストッパ18cとが分離せずにカード2の先端がカード搬送路8の上側に持ち上がる。このとき、ガイド部40は、カード2の先端側の上面に当接して、上側に持ち上がるカード2の先端を固定ストッパ18cの下端よりも下側へ相対的に押し下げている。カード2の奥側への移動に伴って、カード2の先端はガイド部40に案内されることで固定ストッパ18cから離れて、回動ストッパ19の先端側、すなわちローラ32へ案内される。その結果、カード2は、ガイド部40の下側を通過し、上述のように回動ストッパ19の作用により排出され回収ボックスに確実に回収される。
【0053】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、IC接点ブロック10は、ストッパ25に当接するとともにカード搬送路8に配置されるカード2から離れる待機位置10Aと、カード搬送路8に配置されるカード2の外部接続端子2aとIC接点バネ3とが接触する通信位置10Bと、ストッパ26に当接するとともにカード搬送路8に配置されるカード2から離れるカード排出位置10Cとに、カード搬送路8に対するIC接点ブロック10の姿勢を一定に保った状態で移動する。また、本形態では、通信位置10Bに移動したIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接するカード2がさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパ19がカード2に押されてIC接点ブロック10が奥側に向かって通信位置10Bからカード排出位置10Cに移動する。そのため、本形態では、カード2を奥側に搬送してカード2を回収する際に、カード2の移動に伴ってIC接点バネ3がカード2から離れていく。したがって、本形態では、カード2を回収する際の、IC接点バネ3に起因するカード2の傷の発生を抑制することが可能になる。
【0054】
また、本形態では、カード排出位置10Cに移動したIC接点ブロック10の回動ストッパ19に当接するカード2がさらに奥側へ搬送されると、回動ストッパ19が固定軸30を中心にして上側かつ奥側へ回動して、カード2が奥側に向かって回動ストッパ19の下側を通過する。そのため、本形態では、IC接点ブロック10に固定されているストッパの下側をカード2が通過できるまでIC接点ブロック10を移動させる場合と比較して、IC接点ブロック10の移動量を小さくしてもIC接点ブロック10の奥側へカード2を通過させることが可能になる。すなわち、本形態では、カード2を回収するためにIC接点ブロック10の奥側へカード2を通過させることが可能であっても、IC接点ブロック10の移動量を小さくすることが可能になる。したがって、本形態では、IC接点ブロック10を移動させるためのスペースを小さくすることが可能になり、その結果、カードリーダ1を小型化することが可能になる。
【0055】
本形態では、通信位置10BにIC接点ブロック10があるときに、固定ストッパ18cは、カード2の奥端が固定ストッパ18cに当接する位置に配置されている。したがって、本形態では、カードリーダ1を小型化するために回動可能な回動ストッパ19がバネホルダ18に取り付けられていても、カード2の外部接続端子2aとIC接点バネ3とを接触させてデータの通信を行う際に、固定ストッパ18cによってカード2を所定の位置に確実に停止させることが可能になる。また、本形態では、固定ストッパ18cは、カード排出位置10CにIC接点ブロック10があるときに、カード2よりも上側に配置されているため、IC接点ブロック10の奥側へカード2を通過させる際に固定ストッパ18cが支障になることはない。
【0056】
本形態では、固定ストッパ18cは、左右方向における回動ストッパ19の両側に形成されている。そのため、本形態では、左右方向における回動ストッパ19の片側に固定ストッパ18cが形成されている場合と比較して、カード2の外部接続端子2aとIC接点バネ3とを接触させてデータの通信を行う際のカード2の傾き(具体的には、上下方向から見たときの前後方向に対するカード2の傾き)を抑制することが可能になる。
【0057】
本形態では、回動ストッパ19の先端側にローラ32が取り付けられており、カード2が奥側に向かって回動ストッパ19の下側を通過するときには、ローラ32がカード2の上面に接触している。そのため、本形態では、カード2を回収する際の、回動ストッパ19に起因するカード2の傷の発生を防止することが可能になる。また、本形態では、回動ストッパ19が、奥側に向かって回動ストッパ19の下側を通過するカード2を回収ボックス5に向かって押しているため、回動ストッパ19を利用して、回収ボックス5にカードを確実に落とし込むことが可能になる。
【0058】
本形態では、カード搬送路8を搬送されるカード2に押されてIC接点ブロック10が通信位置10Bからカード排出位置10Cにかけて移動するときには、固定ストッパ18cに当接するカード2の先端が上側に持ち上がるように、固定ストッパ18cと固定ストッパ18cに当接するカード2の先端との間に摩擦力が働く。そのため、変型したカード2を搬送するような場合、固定ストッパ18cとカード2の先端が分離せず、ジャムが発生するおそれがある。本形態では、ガイド部40は、IC接点ブロック10が通信位置10Bにあるときに、固定ストッパ18cと、前後方向において重なる位置に形成される。また、ガイド部40の下端は、IC接点ブロック10がカード排出位置10Cにあるときに、固定ストッパ18cの下端よりも、上下方向において下側に配置されている。そのため、本形態では、ガイド部40は、IC接点ブロック10が通信位置10Bにあるときに、固定ストッパ18cより奥側にカード2が搬送されるとき、カード2の先端側の上面に当接して、摩擦力によって上側に持ち上がるカード2の先端を固定ストッパ18cの下端よりも下側へ押し下げている。従って、カード2の移動に伴ってより確実に固定ストッパ18cとカード2の先端を分離させ、IC接点ブロック10の奥側へカード2を排出させることが可能になる。
【0059】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0060】
上述した形態では、IC接点ブロック10を案内するガイド機構は、平行リンク機構11である。この他にもたとえば、カードリーダ本体4のフレームおよびバネホルダ18のいずれか一方に形成されるガイド溝と、カードリーダ本体4のフレームおよびバネホルダ18のいずれか他方に形成されてガイド溝に係合するピンとによって、IC接点ブロック10を案内するガイド機構が構成されても良い。この場合には、このガイド溝とピンとによって、IC接点ブロック10は、待機位置10Aと通信位置10Bとカード排出位置10Cとに案内される。
【0061】
上述した形態では、回動ストッパ19の先端側にローラ32が取り付けられているが、回動ストッパ19の先端側にローラ32が取り付けられていなくても良い。また、上述した形態では、固定ストッパ18cは、左右方向における回動ストッパ19の両側に形成されているが、固定ストッパ18cは、左右方向における回動ストッパ19の片側に形成されても良い。また、バネホルダ18に固定ストッパ18cが形成されていなくても良い。
【0062】
上述した形態では、回動ストッパ19は、ネジリコイルバネ20によって付勢されているが、回動ストッパ19は、引張りコイルバネ等の他のバネ部材によって付勢されても良い。また、上述した形態では、IC接点ブロック10は、ネジリコイルバネ24によって付勢されているが、IC接点ブロック10は、引張りコイルバネ等の他のバネ部材によって付勢されても良い。また、上述した形態では、カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードであるが、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0063】
上述した形態では、ガイド部40はカードリーダ本体4のフレームと一体に形成されているが、カードリーダ本体4のフレームに保持されるローラとして備えられていても良い。このような場合には、ガイド部40の下をカード2が通過するときに生じる摩擦を軽減できるため、カード2の傷の発生を抑制することが可能になる。