(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のコンピュータが、前記手動輸液プログラムと前記古い自動プログラムとの前記差異をリモートサーバに保存するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
前記輸液ポンプが、前記古い自動プログラムと前記手動輸液プログラムとの前記比較に基づいて精度のスコアを決定するようにさらに構成され、前記精度のスコアが、前記手動輸液プログラムの許容レベルを含む、請求項1に記載のシステム。
前記輸液ポンプが、前記古い自動プログラムと前記手動輸液プログラムとの前記比較から報告を生成するようにさらに構成され、前記報告が、前記手動輸液プログラムの完了時刻および前記古い自動プログラムの完了時刻の時間差と、前記手動輸液プログラムおよび前記古い自動プログラムの許容レベルを含む精度のスコアと、介護者の評価との1つまたは複数を含む、請求項1に記載のシステム。
前記輸液ポンプが、前記手動輸液プログラムを前記第1のコンピュータに送信するようにさらに構成され、前記第1のコンピュータが、前記手動輸液プログラムおよび介護者の識別データを保存するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
前記第1のコンピュータが、前記手動輸液プログラムを前記古い自動プログラムと比較して、前記手動輸液プログラムの許容レベルを含む精度のスコアを決定するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
前記第1のコンピュータが、前記手動輸液プログラムと前記古い自動プログラムとの前記比較から報告を生成するようにさらに構成され、前記報告が、前記手動輸液プログラムの完了時刻および前記古い自動プログラムの完了時刻の時間差と、前記手動輸液プログラムの許容レベルを含む精度のスコアと、介護者の評価との1つまたは複数を含む、請求項1に記載のシステム。
前記第1のコンピュータを介して、輸液自動プログラムをリモートソースから受信することであって、前記輸液自動プログラムが、IV薬物容器情報、輸液ポンプ情報、および輸液プログラム設定を含むことと、
前記輸液自動プログラムを前記輸液ポンプに送信することと、
前記第1のコンピュータが前記輸液自動プログラムを前記輸液ポンプに送信できない場合に、前記輸液自動プログラムをキューに入れることであって、前記キューに入れた輸液自動プログラムが、古い自動プログラムになることと、
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明は、本発明の少なくとも1つの実施形態を実施するために現在考えられる最良の形態のものである。この説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の一般的原理を説明する目的のためだけに行われる。本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0023】
図1に、輸液ポンプを介して薬剤を投与するためのシステムの例示的な概略図を示す。
図1に示された薬剤管理システム(MMS:medication management system)は、薬剤管理ユニット(MMU:medication management unit)3108と、典型的には病院環境の1つまたは複数の情報システムまたはコンポーネントと連携して動作する、輸液ポンプ3130などの医療デバイスとを備える。
【0024】
容器3102内の静脈(IV:Intravenous)流体および/または薬剤3100は、
図1に示されたシステムを用いて患者3104に投与することができる。例示的な
図1に示されたシステムは、機械可読情報を入力し読み取る装置としてバーコードおよびバーコードリーダを利用しているが、当業者であれば、情報を読み取るまたは入力するための他の装置が利用できることを理解するであろう。機械可読証印(indicia)または識別情報は、送信機、無線周波数識別(RFID:radio frequency identification)タグ、またはトランスポンダによって提供し、無線周波数受信機または送受信機によって読み取ることができる。また、システムは、デジタル写真または画像化およびスキャン技術を利用することができる。また、網膜パターン、音声、皮膚、指紋などを含む人間の生体データは、適切なスキャナまたは受信機によって認識することができる。また、POCクライアント3126は、そのような証印を認識するように構成された識別受信機32を備えることができ、これはMMS内に設けることができる。
【0025】
特定の態様では、容器3102内のIV流体および/または薬剤3100は、特定の病院の慣例に従って薬剤師により一意の輸液指示識別バーコードを有する新たなまたは補足のラベルが与えられてもよい。具体的には、容器3102上のバーコード化された情報などの薬物容器固有の識別情報は、患者氏名、患者番号、薬剤が処方された医療記録番号を含む患者識別情報、IV容器3102内の薬剤名または溶液などの薬剤識別情報、病院で作成または割り当て可能なユニバーサル識別情報、流体および/または薬剤3100を患者3104に投与するように輸液ポンプをプログラミングする際に使用する動作パラメータなどの医療デバイス投与情報、ならびに/あるいは上記情報項目の1つまたは複数などの薬剤指示情報、および/または特定の患者3104に固有であって、特定の患者に対する薬剤指示の一部であってもよい他の薬剤指示情報を含むことができる。バーコード識別される容器3102内のIV流体および/または薬剤3100は、薬剤情報および他の情報、たとえば国立疾病センター(NDC:National Disease Center)コード、期限情報、薬物相互作用情報などを含む既存の一意のバーコード識別子と共に、様々な製造供給元により病院に供給され得る。
【0026】
本開示のいくつかの態様では、容器3102のユニバーサル識別情報は、容器に関連する指示を単独で識別する一意の薬剤指示識別子とすることができる。他の態様では、容器3102上の識別情報は、患者ID(たとえば医療記録番号)と、患者のコンテキスト内でのみ一意である指示IDとの両方を含む複合患者/指示コードとすることができる。特定の態様では、容器3102上の識別情報は、薬剤IDを含むことができる。特定の病院内で、薬局によって患者に調合または包装される全ての薬剤は、複合患者/指示ID、または一般的には同一の病院内に存在しないユニバーサルに一意の指示IDのいずれかを含むことができる。薬剤IDのみの選択肢は、介護時に直接床在庫から看護師によって引き出される薬剤のみに使用され得る。
【0027】
図1で特定されるシステムは、薬物ライブラリエディタ(DLE:drug library editor)またはDLEコンピュータ3106、たとえばノートブック、デスクトップまたはサーバコンピュータを備えることができる。DLEコンピュータ3106は、
図1でDLEクライアントとして示された、DLE端末、コンピュータまたはワークステーション3106上で動作するDLEソフトウェアを備えることができる。上述のように、薬剤管理ユニット(MMU:medication management unit)またはコンピュータ3108、たとえばサーバは、MMUサーバ3108にインストールされ、その上で動作するMMUソフトウェアを有することができる。薬物ライブラリおよび他のデータベースは、MMUサーバ3108、別のサーバ、および/または遠隔地に格納することができる。
【0028】
病院情報システム(HIS:hospital information system)3110は、ケーブル敷設、インターフェース、および/またはイーサネット(登録商標)接続によって接続された1つまたは複数のコンピュータを含むことができる。代替的には、無線接続および通信を、全体的または部分的に使用することができる。サーバは、データおよび様々なアプリケーションプログラムまたはモジュール、たとえば、限定はされないが、入院退院および転院(ADT:admission−discharge−and−transfer)用モジュール3112、コンピュータ制御医師指示入力(CPOE:computerized physician order entry)モジュール3114、および薬局情報システム(PIS:pharmacy information system)モジュール3116を記憶するための処理能力およびメモリを提供する。病院の職員、たとえば入院事務員3118、医師3120、および薬剤師3122はそれぞれ、データを入力し、情報にアクセスし、報告を行い、他の作業を完了するために、サーバに接続されたクライアントワークステーションを介してこれらのモジュールにアクセスする権限が与えられ得る。
【0029】
図1に示された実施形態では、HIS3110は、サーバもしくはポイントオブケア(POC:point of care)コンピュータ3124(バーコードポイントオブケアサーバまたはコンピュータとも呼ばれる)を含むPOCシステム3125を含むこともでき、またはPOCコンピュータ3124は、HIS3110と分離することができる。POCコンピュータ3124は、ポイントオブケア(POC)システム3125(バーコードポイントオブケアシステムまたはBPOCとも呼ばれる)の一部として機能することができ、病院の至る所に配置された複数の無線通信ノードを介して、無線通信プロトコル、たとえばIEEE801.11、IEEE802.11、またはBluetooth(登録商標)を利用して無線通信を行うことが可能であってもよい。POCコンピュータ3124は、介護者により持ち運ばれるポータブルシック(thick)クライアントPOCまたは入力デバイス3126と無線通信することができる。POCクライアントデバイス3126は、かなりの格納、表示および処理能力を備える携帯情報端末(PDA)とすることができる。POCクライアントデバイスは、そのメモリに記憶された様々なプログラムを、POCコンピュータ3124とはある程度独立して実行することができる。
【0030】
図1の一実施形態では、MMUサーバ3108は、DLEクライアントデスクトップコンピュータ/ワークステーション3106、およびMMUクライアントコンピュータ/ワークステーション3128に配線接続することができる。代替的には、MMUおよびDLEクライアント機能は、単一のクライアントコンピュータ/ワークステーションに組み合わせることができ、または単一の組み合わせられたMMU/DLEサーバ上でMMUサーバ3108と共存することができる。MMUサーバ3108は、患者の病室または処置エリアから離れた場所に存在することができる。たとえば、MMUサーバ3108は、他の病院サーバおよびコンピュータ機器を有する安全で環境制御された情報技術室に存在することができ、そのクライアント端末は、薬局、生物医工学エリア、ナースステーション、または病棟監視エリア内に配置することができる。1つのMMUサーバ3108が、多数の輸液ポンプ3130を監視し、調整し、これらと通信することができる。たとえば、一実施形態では、MMUサーバ3108上で動作するMMUのソフトウェアは、最大千個の輸液ポンプを同時にサポートすることができる。
【0031】
図1の実施形態では、POCコンピュータシステム3125内のクライアントPDA3126は、POCサーバ3124を介してMMUサーバ3108と通信することができる。MMUサーバ3108は、POCシステム3125によって利用される同じ無線ノード84と、輸液ポンプ3130上または内の接続エンジンおよびアンテナとを介して、輸液ポンプ3130とインターフェースを取る、または無線通信することができる。輸液ポンプ3130およびPOCクライアント3126の間の通信は、MMUサーバ3108およびPOCサーバ3124を介して行うことができる。MMUコンピュータ3108は、関連するメモリに、輸液ポンプ3130の論理IDと、ネットワークIDまたはインターネットプロトコル(IP)アドレスとの両方を記憶し、それによってMMUコンピュータ3108のみが、輸液ポンプ3130と直接無線通信することができる。代替的には、MMU3108は、ポンプ3130に関するIPアドレスおよび他の情報をPOCシステム3125に提供して、POCシステム3125およびポンプ3130の間の直接通信を容易にすることができる。
【0032】
病院へ入院した時に、入院事務員3118または同様の職員は、各患者3104に関する人口統計学(demographic)情報を、HISシステム3110の関連するメモリに記憶されたHISデータベースのADTコンピュータまたはモジュール3112の関連するメモリに入力することができる。各患者3104には、たとえば、患者固有の識別情報とも呼ばれる、患者を識別する一意の文字セット、典型的には患者IDまたは医療記録番号を表すバーコードまたはRFIDタグなどの識別子3103を含み得る、患者識別リストバンド、ブレスレットもしくはタグ112(または他の患者識別デバイス)を発行することができる。また、リストバンド、ブレスレットまたはタグ112は、患者固有の識別情報の一部として、患者の医師の氏名、血液型、アレルギーなどの機械可読または人間可読形式の他の情報を含むことができる。
【0033】
患者の医師3120は、HISシステム3110内のCPOEコンピュータ端末またはモジュール3120に指示を入力することにより、治療を処方することができる。処方される指示は、開始時刻、停止時刻、許容可能な用量の範囲、生理学的標的、経路、および投与部位を指定することができる。流体または薬剤の輸液の指示の場合、指示は様々な形式で書くことができるが、典型的には、患者の氏名、患者ID番号、一意の薬剤指示または処方箋番号、薬剤名、薬剤濃度、用量または投薬量(dosage)、頻度、および所望の投与時刻を含む。この情報は、CPOEコンピュータ3124のメモリに入力することができ、少なくともPOCサーバまたはコンピュータ3124に関連付けられたメモリに記憶することができる。
【0034】
また、薬剤指示は、薬局内のPISコンピュータ3116に電子的に配信することができ、関連付けられたメモリに記憶することができる。薬剤師3122は、処方された指示を選別し、これを薬剤を投与する指示に翻訳し、適切な添加剤および/または必要な希釈剤によって薬剤または流体を調合することができる。薬剤師3122は、薬剤または薬物容器3102に薬物容器固有の識別情報3101を有するラベル102を準備し貼ることができる。一実施形態では、ラベルは、HIS3110、PIS3116および/またはPOCコンピュータ3125において特定の患者ID番号および薬剤指示番号に結び付けられるかまたは関連付けられ得る一意の連続して割り当てられた「調剤ID番号」のみを機械可読(バーコード、RFIDなど)形式で含む。他の実施形態では、ラベルは、医療記録番号であってもよい、指示IDおよび患者IDを含む複合識別子を機械可読形式で含むことができる。他の実施形態では、ラベルは、バーコードまたは機械可読形式で患者IDを全く含まず、薬剤IDのみを機械可読形式で含む。他の実施形態は、臨時または事後の指示を伴う緊急投与のために、一般的には手術室、緊急治療室、または病棟に貯蔵される「床在庫」の品目に有用であり得る。他の実施形態では、ラベルは、調剤ID番号、患者ID、薬物名、薬物濃度、容器容積、輸液予定量(「VTBI:volume−to−be−infused」)、速度または期間などを含むがこれらに限定されない医療デバイス固有の投与情報を機械可読および/または人間可読形態で含むことができる。3つの変数VTBI、速度および期間のうちの2つだけが、定義されることが必要とされ得、その理由は、3つ目は、他の2つが知られている場合に計算することができるためである。ラベル付けされた薬剤は、患者の病室または処置エリア付近の病棟またはフロアの安全な指定された一時保管(staging)場所または移動薬物カートに運ぶことができる。薬剤指示保留調剤または投与は、HISシステム3110およびPOCシステム3125内の作業リストに掲示し、関連付けられたメモリに記憶することができる。
【0035】
介護者3132(たとえば、看護師)は、POCクライアント3126に関連付けられた識別受信機32を用いて、自分の介護者識別バッジ116(または他の介護者識別デバイス)上の介護者固有の識別情報3133またはバーコードをスキャンし、パスワードを入力することができ、それによって、介護者はシステムにログインし、介護者はPOCクライアント3126を介してPOCシステム3125から看護師の作業リストにアクセスすることが許可される。看護師のバッジ116内の情報は、本明細書では介護者固有の識別情報と呼ばれることがある。介護者3132は、IV薬物が特定の病室の特定の患者3104に投与される予定であることを、作業リストから閲覧することができる。介護者3132は、薬局および/または患者の病室の近くの一時保管エリアから、薬剤を含む必要な補給品を取得する。
【0036】
介護者3132は、補給品を患者のベッドサイドまで運び、輸液ポンプ3130をオンにし、ネットワーク接続(たとえば、Wi−Fiなどの無線接続)が存在することをポンプ3130上のネットワーク接続アイコンが示していることを確認し、ポンプ上で適切な臨床診療エリア(CCA:clinical care area)を選択し、輸液のために患者3104および輸液ポンプ3130に対して定位置に必要に応じて設定される、IVバッグ、容器またはバイアル3102、および任意の関連するチューブを取り付けることができる。ポンプ3130またはポンプのユーザインターフェース画面上の他の接続アイコンは、MMUサーバ3108への有線または無線接続が存在することを示すことができる。POCクライアントPDA3126と一体の識別受信機/読取機を用いて、介護者3132は、患者の識別リストバンド、ブレスレットもしくはタグ112または他の患者識別デバイス上のバーコードをスキャンすることができる。その特定の患者に関連する作業リストは、PDA3126の画面に表示することができる。作業リストは、他の経路(経口、局所など)によって他の形態の処置または薬剤を与える指示も含むこともできるものであるが、HISからPOCサーバ3124を介して取得し、POCクライアントPDA3126に無線で伝達することができる。一実施形態では、リストは、スキャンされた患者IDを、POCサーバ3124のメモリ内の指示についての患者IDと照合することによって生成される。他の実施形態では、後述のように、指示情報は、以下のステップを通じて、POCサーバ3124のメモリ内の関連する指示について、薬物容器固有の識別情報をスキャンすることによって取得することができる。
【0037】
介護者3132は、PDA3126を用いて薬剤容器3102上の薬剤容器固有の識別情報3101を含む薬剤バーコードラベル102をスキャンすることができる。PDA3126は、作業リスト上のIV投与作業を強調表示し、スキャンされた薬剤容器固有の識別情報、たとえば調剤ID情報を薬剤容器3102からPOCサーバ3124に送信することができ、POCサーバ3124は、薬剤容器固有の識別情報、たとえば調剤IDを用いて、指示詳細の残りを共に引き出し、PDA3126に返送する。次いで、PDA3126は、その画面上にIV文書形式を表示することができる。IV文書形式画面の片側は、「指示された」通りの指示詳細を表示することができ、反対側は、輸液ポンプ3130からの状況報告のために確保することができる。以下に説明するように、輸液ポンプ3130からの状況報告は、POCサーバ3124およびMMUサーバ3108を介してPDA3126に送信することができる。IV文書形式画面の下部は、介護者3132に(輸液ポンプ3130のバーコードをスキャンするなどの)指示を与えるか、またはポンプが動作しているか停止しているかを識別することができる。
【0038】
次いで、介護者3132は、輸液ポンプ3130(またはポンプがマルチチャネルポンプである場合はポンプチャネル)に関連付けられたバーコードラベル92をスキャンすることができる。バーコードラベル92は、デバイスまたはチャネルの論理名および/または論理アドレスなどの医療デバイス固有の識別情報3131を含むことができる。次いで、POCシステム3125は、自動的に情報を「指示詳細」を含むプログラムポンプ要求に束ね、一実施形態では、介護者3132とさらに対話することなく、この情報をMMUサーバ3108に送信する。
【0039】
プログラムポンプ要求は、(HIS/POCシステム形式で)以下の情報:論理ポンプID、ポンプ区画、ポンプチャネルID、基準デバイスアドレス、介護者ID、介護者の氏名、患者/個人ID(HIS識別子)、患者の氏名、患者の生年月日および時刻、患者の性別、患者の体重、患者の身長を含み得るトランザクションIDと、病室、ベッド、および建物(臨床診療エリアすなわちCCAを含む)を含み得る遭遇IDとの少なくとも一部を含むことができる。また、プログラムポンプ要求は、指示情報または「指示詳細」、たとえば、指示ID、開始日/時刻、停止日/時刻、投与経路、速度、輸液の期間(輸液終了)、総輸液予定量(VTBI:Volume to be Infused)、臨時指示インジケータ、およびHIS薬物名またはHISジェネリック薬物名、HIS薬物識別子またはHISジェネリック薬物ID、Rxタイプ(添加剤またはベース)、強度w/units、量w/unitsを含む構成要素を含むことができる。さらに、プログラムポンプ要求は、患者管理鎮痛法(PCA:Patient Controlled Analgesia)指示限定情報、たとえば、PCAモード−PCA限定、連続限定、またはPCAおよび連続、ロックアウト間隔(分単位)、PCA連続速度、PCA用量、負荷用量、用量限度、用量限度時間w/units、バイアルまたはシリンジ中の総量、および指示コメントを含むことができる。
【0040】
MMU3108は、PDA3126の要求についてHISシステム3110またはPOCシステム3125によって許可される広い範囲の単位の表現を、MMU3108および輸液ポンプ3130で許可されるはるかに限られた単位のセットにマッピングまたは変換することができる。たとえば、PDA3126の要求は、「g、gm、gramまたはgrams」を表現することができ、MMU3108および/または輸液ポンプ3130は、「grams」しか受け入れることができない。輸液ポンプ3130の投与パラメータまたは輸液ポンプ3130の設定は、プログラムポンプ要求の対応する指示情報または「指示詳細」からマッピングまたは変換される。
【0041】
MMU3108は、関連付けられたメモリに、論理ID、輸液ポンプ3130のシリアル番号または他の識別子、この例では無線ネットワークであるネットワーク上の輸液ポンプ3130の対応する現在のネットワーク(静的または動的)アドレス(インターネットプロトコル(IP)アドレス)またはIDを記録するマッピングまたは変換テーブルを記憶することができる。MMU3108は、変換テーブルにおいて、輸液ポンプ3130の所与の識別子をネットワークアドレスに変換しまたは関連付け、ネットワークIPアドレスを、要求したPOCシステム3125またはデバイスに提供することができてもよい。また、MMU3108は、スキャンされた輸液ポンプ3130に適用可能な薬物ライブラリを、関連付けられたメモリに記憶する、および/またはこれを調べることができ、また、薬物ライブラリから、ポンププログラム要求からの薬物IDおよび強度を、所望の強度または濃度の薬剤のインデックス番号に変換することができる。輸液の期間は、POCシステム3125から数時間および数分で来る場合があり、輸液器が認識するのにわずか数分に変換することができる。ボリュームまたはVTBIを丸めて、値固有および輸液器固有の桁数を小数点の右側に提供することができる。(薬物の)単位は、適切な場合には百万単位に変換することができる。患者の体重は変換され、輸液器固有のルールに従って丸められるか、または輸液器に送信されなくてもよい。
【0042】
MMU3108がプログラムポンプ要求からの情報を輸液ポンプ設定または投与パラメータおよび輸液ポンプ3130に許容可能な形式の他の情報に変換すると、MMU3108は、コマンドメッセージを輸液ポンプ3130に無線でダウンロードすることができる。輸液ポンプ3130に病院で確立された薬物ライブラリの最新の適切なバージョンがまだ搭載されていない場合、MMU3108もまた、薬物ライブラリを輸液ポンプ3130に自動的にダウンロードすることができる。病院で確立された薬物ライブラリを生物医学技師または薬剤師3122によって行われる別個のプロセスで維持して、輸液ポンプ3130のプログラミング、ならびに他の輸液ポンプ動作パラメータ、たとえばライン内の空気、閉塞圧などについてのデフォルトアラーム設定に制限を課すことができる。薬物ライブラリは、輸液ポンプ3130内の様々な薬物投与パラメータに対して許容可能な範囲あるいはハードおよび/またはソフト制限を設定することができる。
【0043】
また、MMU3108は、輸液ポンプの内部オペレーティングシステムソフトウェアの新たなバージョン、パッチ、またはソフトウェア更新を輸液ポンプにダウンロードすることができる。輸液設定または投与パラメータおよびMMU3108からの他の情報は、輸液ポンプ3130のメモリに入力することができ、輸液ポンプ3130の設定は、介護者3132が情報および設定を手動で入力したかのように、輸液器のプログラミング画面に自動で入力することができる。輸液ポンプ3130の画面は、薬物ライブラリのインデックス番号、患者の体重(該当する場合)、速度、VTBI、および期間に基づいて、薬物の名称および薬物濃度を入力することができる(最後の3つの変数の2つのみがMMU3108によって送信され、その理由は、ポンプ3130は3つ目を他の2つから計算できるためである)。コマンドメッセージが受信されたことを示すために、確認信号の返信メッセージを、輸液ポンプ3130によってMMU3108に送信することができる。この時点で、必要であれば、介護者3104は、コマンドメッセージに含まれていなかった任意の追加の輸液設定またはオプションの情報を手動で入力することができる。
【0044】
次いで、輸液ポンプ3130は、開始ボタンを押して輸液ポンプ3130を開始させるように、介護者3132に促すことができる。介護者3132が開始ボタンを押した場合、輸液設定がプログラムされた確認画面を確認のために提示することができ、自動プログラム承認メッセージをMMUサーバ3108に送信して、要求なしで転送し(すなわち、ほぼリアルタイムでプッシュされる)、または要求またはポーリングされた場合にPOCシステム3125に提供することができる。介護者3132が確認するためのボタンを押した場合、輸液ポンプ3130は、プログラムされた設定に従って流体を投与し始めることができる。輸液ポンプ3130は、状況メッセージをMMU3108に送信して、輸液ポンプ3130が正常に自動プログラムされ、介護者3132によって確認および開始され、現在流体を投与していることを示すことができる。この情報は、輸液ポンプに表示することもできる。MMU3108は、輸液が進行するに連れて定期的に、またはアラームが発生した場合に、輸液ポンプ3130から無線でログおよび状況メッセージを受信し続けることができる。
【0045】
MMU3108は、(MMU形式で)PoCサーバ3124を介してPDA3126に初期状況メッセージの一部を報告して、輸液ポンプ3130が自動プログラムされ、介護者3132が設定を確認したことを示すことができる。MMU3108は、実際の速度、VTBIおよび期間をPOCシステム3125および/または輸液ポンプ3130に伝達することができる。PDA画面および/または輸液ポンプの下部の表記は、輸液ポンプ3130が動作していることを示すことができる。輸液ポンプ3130は、ポンプ情報が指示された情報と一致するかまたは許容可能に対応する場合、視覚、音声または他のタイプの肯定信号を比較し与えることができる。ポンプ情報が指示と一致するか否かの初期決定は、MMU3108で行い、POCサーバ3124を介してPDA3126に伝達することができる。代替的には、POCサーバ3124または輸液ポンプ3130は、必要な比較を行うことができる。ポンプ情報が指示と一致しない場合、輸液ポンプ3130は、エラーメッセージを含み得る視覚、音声または他のタイプの否定信号をディスプレイ88に出力することができる。
【0046】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、コンピュータネットワークインタフェースを含む第1のコンピュータ、たとえば薬剤管理ユニット(MMU)3108と、少なくとも1つの輸液ポンプ3130とを含む。1つまたは複数の実施形態では、第1のコンピュータは、少なくとも1つの輸液ポンプ3130とコンピュータネットワークインタフェースを介して通信する。
【0047】
1つまたは複数の実施形態として、第1のコンピュータは、少なくとも1つの輸液自動プログラムをリモートソースから受信する。少なくとも1つの実施形態では、リモートソースは、病院情報システム、薬局情報システムまたは薬剤投与システムを含むことができ、第1のコンピュータは、薬剤管理ユニット(MMU)3108、たとえばHospira MedNetソフトウェアが搭載されたサーバを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液自動プログラムは、IV薬物容器情報、輸液ポンプ情報、および輸液プログラム設定の1つまたは複数を含むことができる。
【0048】
少なくとも1つの実施形態では、第1のコンピュータは、少なくとも1つの輸液自動プログラムを少なくとも1つの輸液ポンプ3130に送信する。1つまたは複数の実施形態では、第1のコンピュータが少なくとも1つの輸液自動プログラムを少なくとも1つの輸液ポンプ3130に送信できない場合に、第1のコンピュータは、少なくとも1つの輸液自動プログラムをキューに入れることができる。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130が第1のコンピュータと通信する場合に、第1のコンピュータは、少なくとも1つの古い自動プログラムを少なくとも1つの輸液ポンプ3130に送信する。
【0049】
本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1人の介護者3132から少なくとも1つの手動輸液プログラムを受信することができる。1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの手動輸液プログラムは、完了した手動輸液プログラムまたは動作中の手動輸液プログラムの1つまたは複数を含むことができる。
【0050】
介護者3132は、指示が所望のように開始された、または任意の変更が許容される場合に、見直しし、輸液ポンプ3130上の保存ボタンを押すように促され得る。MMU3108は、輸液ポンプ3130から状況、イベント、差異および変更情報を受信し、そのような情報をPOCシステム3125に渡すことができる。別の後続のステップにおいて、看護師は、記録に電子的に署名することができ、POCクライアントPDA3126上の送信ボタンを押して、患者の電子薬剤記録(EMR:electronic medication record)または薬剤投与記録(MAR:medication administration record)に情報を送信する。
【0051】
ここで
図2および
図3を参照すると、フローチャートはさらに、本開示の態様による、輸液ポンプ3130における介護者(たとえば、看護師などの介護者3132)に、患者3104への流体および/または薬剤3100の投与の状況を通知するためのシステムおよび方法を示す。一実施形態では、POCシステム3125は、輸液ポンプ設定を含むプログラムポンプメッセージをMMUコンピュータ3108に送信し、MMUコンピュータ3108は、ターゲットの輸液ポンプ3130をその識別子に従って検索し、輸液ポンプ設定をポンプ3130に中継する。他の実施形態では、POCシステム3125が輸液ポンプ3130を自動プログラミングしている場合、POCコンピュータ3124および/またはPOCクライアント3126を含むPOCシステム3125は、輸液ポンプ3130をプログラミングする許可をMMU3108に要求することができる。MMUコンピュータ3108はこの権限を与えることができ、次いでPOCシステム3125は、MMUコンピュータ3108による介入なしに、輸液ポンプ3130と直接通信することができる。MMUコンピュータ3108は、少なくとも輸液ポンプ3130の状況を表示し、報告を生成する目的のために、輸液ポンプ3130から非同期または同期のほぼリアルタイムの状況メッセージおよびイベントログを継続的に受信し、この情報を関連付けられたメモリに保存することができる。
【0052】
本開示の特定の態様では、
図2および
図3に示されたワークフローを開始する前に、介護者3132はまず、POCシステム3125を用いて介護者のIDバッジ116の識別子をスキャンするように要求され得る。次いで、POCシステム3125は、介護者3132が有効なPOCシステム3125ユーザであるか否かを決定することができる。また、POCシステム3125は、介護者3132にパスワード、ユーザ名、および/または他の情報を入力するように要求することができる。
【0053】
図2および
図3に示されているように、介護者3132は、患者のリストバンドをスキャンし(ステップ201)、IVバッグをスキャンし(ステップ203)、輸液ポンプをスキャンする(ステップ205)ことによって、輸液ポンプ3130を自動的にプログラミングするためのワークフローを開始することができる。ステップ201では、介護者3132は、POCクライアント3126の識別受信機32などのスキャナを用いて、患者のリストバンド、ブレスレット、またはタグ112上の識別子をスキャンすることができる。患者IDは、医療記録番号、アカウント番号、または治療施設が患者を積極的に識別するために使用する何らかの他の識別子であり得るが、POCクライアント3126内のメモリに保持することができる。
【0054】
ステップ203では、介護者3132は、POCクライアント3126を用いて、IVバッグ3102上の識別ラベル102上の識別子3101をスキャンすることができる。容器ID3101は、バーコード、RFIDタグなどの機械可読証印を含むことができる。HIS3110またはPOCシステム3125が、比較の目的のために、患者のリストバンド、ブレスレット、もしくはタグ112(または他の患者識別デバイス)上の患者IDをスキャンするか、またはそのような患者ID情報に頼ることなく、関連薬剤指示に関する情報を取り出すことができるように、容器ID3101は、ユニバーサルに一意の指示IDとすることができる。代替的には、容器IDは、患者IDまたはその一部と、その特定の患者に関連する指示IDとを含む複合IDとすることができる。代替的には、容器IDは、指示入力または薬局情報システムによって生成することができる絶対的または一意の薬局指示識別子とすることができる。代替的には、デキストロース、生理食塩水または他の溶液などの病棟または患者診療フロアに貯蔵される一般的に使用される容器について、容器IDは、薬剤名、濃度(該当する場合)および量を含むがこれらに限定されない薬剤固有の情報のみを含む薬剤IDとすることができる。
【0055】
ステップ205では、介護者3132は、POCクライアント3126を用いて輸液ポンプ3130またはポンプのチャネル上のバーコードラベル92またはRFIDタグをスキャンすることによって、識別子に関する医療デバイス固有の識別情報3131を取得することができる。したがって、POCクライアント3126は、ポンプIDまたは識別子情報を受信するまたは取り込むことができる。ステップ201、203、および205は、任意の順序で実行することができる。たとえば、介護者3132は、最初にステップ203を、続いてステップ201および205を実行することができ、または最初にステップ205を、続いてステップ203および201を実行することができる、といった具合である。
【0056】
図2および
図3に示されるように、ステップ201、203、および205において介護者3132によりスキャンされた情報は、患者の電子カルテ(EMR:electronic medical record)および/またはバーコード薬剤投与(BCMA:barcode medication administration)に送信することができる。特定の態様では、介護者3132は、POCクライアント3126でスキャンを実行した後、POCクライアント3126上のボタン(たとえば「開始」または「完了」ボタン)を選択することができる。ボタンを選択することによって、POCクライアント3126に、スキャンされた情報をEMR/BCMAに送信させることができる。BCMAは、たとえば、POCシステム3125を備えることができる。
【0057】
受信されたスキャンされた情報に基づいて、HIS3110内のEMR/BCMAは、入院退院および転院(ADT)システム3112から受信した患者の人口統計学情報と、薬局情報システム(PIS)3116から受信した患者または薬剤についての輸液指示とを検索することができる。POCシステム3125内のソフトウェアは、BCMA技術分野において慣行であるように、正しい薬物が正しい患者に正しい速度で正しい用量で正しい時刻に正しい経路で、許可されたまたは正しい介護者によってなどとして投与されることを保証するように、様々な安全性確認、比較または照合機能を実施することができる。次いで、BCMA/POCシステム3125は、輸液ポンプ設定を含む自動プログラミングメッセージをMMU3108に送信する。
【0058】
ステップ209において、自動プログラミングメッセージに含まれるポンプ識別情報に基づいて、MMU3108は次いで、輸液ポンプのネットワーク位置を調べて、自動プログラミングメッセージに含まれる輸液ポンプ設定を受信するように標的化されたポンプを決定することができる。
【0059】
ステップ211において、MMU3108は、ポンプのIPアドレスを用いて輸液ポンプ3130に輸液ポンプ設定を送信することができる。ステップ213において、輸液ポンプ3130は、輸液ポンプ設定を受信し、次いでインストールされた薬物ライブラリに対して、輸液プログラム設定を検証することができる。換言すれば、輸液ポンプ3130は、患者3104についての受信されたプログラム設定が、薬物ライブラリに提供された情報と整合していることを保証することができる。
図2に示されたステップ215、217、および219は、プログラム設定がポンプ3130の薬物ライブラリで指定された許容可能な設定と整合していると輸液ポンプが決定した後に行うことができる例示的なステップを示す。以下でさらに論じられるように、
図3に示されたステップ315、317、および319は、プログラム設定がポンプ3130の薬物ライブラリで指定された許容可能な設定と整合していないと輸液ポンプが決定した後に行うことができる例示的なステップを示す。
【0060】
図2に示されるように、ステップ215において、プログラム設定が薬物ライブラリと整合していることを輸液ポンプ3130が確認した後に、輸液ポンプは、たとえば表示画面88などでプログラム設定を入力することができる。輸液ポンプ3130は、薬物名、薬物濃度、容器容積、VTBI、速度または期間などの1つまたは複数のプログラム設定を表示画面88に表示することができる。また、輸液ポンプ3130は、看護師に対する表示されたプログラム設定の確認要求を表示することができる。
【0061】
ステップ217において、介護者3132は、表示された輸液プログラム設定が正しく入力されたことを見直しし確認することができる。介護者3132は、いくつかの態様では、輸液プログラム設定が正しく入力されたことの確認を示すために、輸液ポンプ3130のボタンを選択するように要求され得る。これに応答して、輸液ポンプ3130は、介護者3132が最後に確認されたプログラムされたポンプ設定に従って輸液を開始させることが可能になる開始ボタンを画面88に表示することができる。介護者3132は、ステップ219において、開始ボタンを選択して輸液プログラムを開始させることができる。
【0062】
ここで
図3を参照すると、ワークフローステップは、輸液ポンプ設定が薬物ライブラリに格納された設定と整合していない例示的な処理を示す。
図3に示された処理は、
図2と同じステップ201、203、205、207、209、211、および213を備える。しかしながら、
図3に示された自動プログラミングワークフローは、
図2では実施されない例示的なステップ315、317、319、321、323および325を備え、これらは、ステップ213において、輸液ポンプ3130が、輸液プログラム設定が薬物ライブラリと整合していないと決定した後に実施することができ、またはステップ321、323および325の場合は、手動プログラムが許容可能であるが、たとえば手動輸液の後または間に到着した古い自動プログラムとおそらく正確には一致しない場合に実施することができる。実施形態は、一般的に、これらのイベントを分析および保存し、自動プログラムが到着したが、自動プログラムと比較して正確であろうと許容可能であろうと、輸液ポンプを手動でプログラムすることに介護者が成功したことを介護者に通知することもできる。
【0063】
ステップ315において、輸液ポンプ3130は、エラーメッセージを表示することができる。ステップ315aにおいて、エラーメッセージは、MMU3108に報告することができる。ステップ315bにおいて、エラーメッセージは、MMUサーバ3108を介してEMR/POCシステム3125に中継し報告することができる。代替的に、エラーメッセージは、病院で利用可能な任意の有線または無線ネットワークを介してポンプ3130からEMR/POCシステム3125に直接報告することができる。最も重要なことは、エラーメッセージを輸液ポンプ3130の表示画面88にて、またはその上に表示できることである。したがって、介護者がそのときにPOCクライアントまたは病院内の他のコンピュータシステムへのアクセスが限られているかまたはできない場合であっても、ポンプ3130において自動プログラミングエラーが通知されることになる。以下でより詳細に論じられるように、エラーメッセージは、介護者3132に自動プログラミング要求の拒否を通知することができる。エラーメッセージは、エラーコードおよびエラー原因の簡単な説明を含むことができる。エラーメッセージは、エラーメッセージに応答して介護者3132が実施するための推奨アクションをさらに含むことができる。たとえば、キーパッドがロックされている場合、輸液ポンプ3130は、「キーパッドがロックされているので、自動プログラムは有効ではありません」というエラーメッセージKLO00017を出力することができる。また、輸液ポンプ3130は、同じ画面上に推奨または推薦アクション、たとえば「キーパッドをロック解除してください」を表示することができる。例示的なコード番号、説明および推薦アクションを含むエラーの表が以下の表1に含まれている。
【0064】
表1−自動プログラムに関するメッセージおよび推奨アクション
【表1】
【0065】
ステップ317において、介護者3132は、輸液ポンプ3130に表示されたエラーメッセージを見直し、これに対応することができる。介護者3132は、自動プログラミング要求の修正、ポンプ3130で推奨されたアクションの実行、および/またはエラーメッセージおよび推奨アクションの拒否または消去の少なくとも1つを含む応答を提供することができる。ステップ317で受信されたエラーメッセージに対する応答に基づいて、ポンプ3130は、ステップ319において動作を実行することができる。たとえば、上記のエラーメッセージおよび推奨アクション「キーパッドをロック解除してください」を表示した後、輸液ポンプ3130は、キーパッドがロック解除されたという応答を介護者3132から受信することができる。キーパッドをロック解除する介護者の行動は、それ自体が、ステップ317におけるエラーメッセージへの応答としての役割を果たすことができる。その後、ステップ319で実行される動作は、輸液ポンプが、
図2に示されたステップ219と類似または同一の輸液プログラムを開始することを含むことができる。したがって、ステップ317において介護者3132が推奨アクションを実行することでエラーメッセージに応答した場合、輸液ポンプ3130は、ステップ319において、要求された輸液自動プログラムを自動的に開始することができる。介護者3132は、輸液ポンプ3130上で用量、速度、VTBI、期間等のプログラム設定を調整することによって、エラーメッセージに応答することができる。
【0066】
いくつかの態様では、介護者3132は、ステップ315で表示されたエラーメッセージを拒否または無効化することができる。介護者3132は、ソフト制限違反の場合に、ステップ317でエラーメッセージを無効化することができる。いくつかの限度違反は、特殊な無効化コードの入力、または第2の介護者または監督職員からのコードの入力を必要とし得る。本発明の他の態様では、輸液ポンプ3130は、ポンプチャネルが「既に使用中」であるというエラーメッセージを表示することができる。介護者3132は、ポンプが使用中でないことを調査し決定することができる。介護者3132は、エラーメッセージを拒否し、ポンプチャネルが現在使用中でないことを示す応答を送信することができる。次いで、ポンプ3130は、ステップ213に戻って、インストールされた薬物ライブラリに対して輸液プログラム設定を検証するか、またはステップ219において輸液プログラムを自動的に開始することができる。
【0067】
特定の態様では、介護者3132は、所定の時間内に輸液ポンプ3130に応答を入力しない場合がある。この所定の時間内に応答がないことは、それ自体が、エラーメッセージ317への応答としての役割を果たすことができる。具体的には、輸液ポンプ3130は、所定の時間後にタイムアウトするように(たとえば、MMUによってポンプにダウンロードされたユーザカスタマイズされた薬物ライブラリの構成設定を介して、製造者または病院によって)構成することができる。所定の時間は、約15秒、30秒、35秒、または任意の他の時間とすることができる。輸液ポンプ3130がタイムアウト期間(または所定の時間)内に応答を受信しない場合、輸液ポンプ3130は、自動プログラムを拒否し、表示画面88に前の画面またはホーム画面を表示することができる。この場合、ステップ319で行われる動作は、エラーメッセージを消去し、ポンプ3130に前の画面またはホーム画面を表示することを含むことができる。
【0068】
1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1人の介護者3132から受信された少なくとも1つの手動輸液プログラムを保存し実行する。ステップ321において、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1つの古い自動プログラムを、完了したまたは動作中の少なくとも1つの手動輸液プログラムと比較する。
【0069】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの手動輸液プログラムは、輸液ポンプで入力する、および/または少なくとも1つの輸液ポンプ3130に格納されたライブラリに提供された場合にアクセスすることができる。1つまたは複数の実施形態では、比較は、たとえば輸液予定量、速度、またはシステムで利用可能な任意の他の特性などの、輸液投与パラメータおよび輸液ポンプ動作パラメータを含むパラメータ照合論理および輸液投与の概算時間に基づくことができる。
【0070】
少なくとも1つの実施形態として、少なくとも1つの輸液ポンプは、輸液ポンプ動作パラメータと輸液投与パラメータとを比較して、少なくとも1つの古い自動プログラムと少なくとも1つの手動輸液プログラムとの間の潜在的一致を識別する。1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、1つまたは複数の設定可能なルールを用いて潜在的一致を評価することができ、潜在的一致が事前定義された許容範囲内であるか否かを決定する。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、潜在的一致が事前定義された許容範囲内である場合に、少なくとも1つの手動輸液プログラムを少なくとも1つの輸液ポンプ3130上で実行し続けることができる。ニューラルネットワーク、ルールベース、閾値または範囲ベースを含む任意のタイプの論理を利用して、古い自動プログラムと比較した場合に、許容可能な手動プログラムが実行されたか、実行中であるかを決定することができる。
【0071】
ステップ323では、1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1つの手動輸液プログラムと、少なくとも1つの古い自動プログラムとの差異をリモートサーバまたはMMU3108内に保存し、後で分析および/またはデータマイニングを行うことができるようにする。これにより管理システムは正確な介護者を決定することができ、またはこれを利用して、自動プログラムと比較するとわずかに異なるが許容可能である手動プログラムからより良い診療成果がもたらされるか否かを決定することができるだけでなく、所与のサービスレベルを維持しながら、たとえば、より短い患者の滞在、またはより少ない薬物総使用量でコスト削減を行うことができるかを決定することができる。任意の他の大規模なデータ分析は、手動プログラムおよび古い自動プログラムならびに患者、薬物、輸液予定量、速度、または任意の患者特性、たとえば年齢もしくは滞在時間に関連する任意のパラメータまたは任意の他のパラメータを比較する場合に、本発明に関連している。
【0072】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、潜在的一致の中の許容可能な潜在的一致として少なくとも1つの手動輸液プログラムを示す第1のイベントアラートをリモートで保存し、少なくとも1つの手動輸液プログラムが許容可能な潜在的一致であるので、非実行プログラムとして少なくとも1つの自動プログラムを示す第2のイベントアラートをリモートで保存する。
【0073】
ステップ325において、1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、第1のイベントアラートを用いて、許容可能な少なくとも1つの手動輸液プログラムを少なくとも1人の介護者3132に任意選択で通知することができ、第2のイベントアラートを用いて、少なくとも1つの自動プログラムを非実行プログラムとして少なくとも1人の介護者3132に任意選択で通知することができる。
【0074】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1つの輸液ポンプ上にキーおよび表示画面88または入力/出力タッチ画面88を備えるグラフィカルユーザインタフェースを含むことができ、それによって少なくとも1人の介護者3132が、グラフィカルユーザインタフェースを介して少なくとも1つの手動輸液プログラムを入力することができる。
【0075】
1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも介護者3132の識別データを保存することができる。本発明の少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1人の介護者3132からの少なくとも1つの手動輸液プログラムを少なくとも1つの古い自動プログラムと比較して、精度のスコアを決定する。少なくとも1つの実施形態では、精度のスコアは、少なくとも1人の介護者からの少なくとも1つの手動輸液プログラムの許容レベルを含むことができる。
【0076】
本発明の1つまたは複数の実施形態として、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1つの手動輸液プログラムと少なくとも1つの古い自動プログラムとの比較から、少なくとも1つの報告を生成することができる。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130によって生成される報告は、少なくとも1つの手動輸液プログラムの完了時刻および少なくとも1つの古い自動プログラムの完了時刻の時間差と、少なくとも1つの手動輸液プログラムおよび少なくとも1つの古い自動プログラムの輸液投与パラメータ間の許容レベルを含む精度のスコアと、少なくとも1人の介護者3132の評価との1つまたは複数を含むことができる。
【0077】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1人の介護者3132の精度/有効性の履歴または評価は、前記少なくとも1人の介護者3132から受信された少なくとも1つの手動輸液プログラムが、許容可能である、および/または少なくとも1つの自動プログラムよりも正確または有効であるかを決定することができる。少なくとも1つの古い自動プログラムは、(ポンプ上に静的に存在するかまたは自動プログラムと共に動的に提供される)照合論理を用いて集約され、少なくとも1つの輸液ポンプ3130における少なくとも1人の介護者3132から受信された少なくとも1つの手動輸液プログラムと比較される。この比較によって、少なくとも1人の介護者3132について、自動プログラム適合性情報/評価、または全体的な自動プログラム適合性情報/評価への寄与が生成される。少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、続いて、輸液ポンプを自動プログラムする次の試行時に、少なくとも1人の介護者3132について、少なくとも1つの介護者3132適合性情報(評価)を表示することになる。自動プログラム適合性情報は、ポンプのメモリに保存され、ポンプに表示されるか否かにかかわらず、続いて第1のコンピュータ、他の医療デバイスもしくは輸液ポンプまたはリモートコンピュータに送信または中継して、格納、分析、表示または使用できるようにすることができる。
【0078】
1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、少なくとも1つの手動輸液プログラムを少なくとも1人の介護者3132から第1のコンピュータに送信することができる。少なくとも1つの実施形態では、第1のコンピュータは、少なくとも1人の介護者3132からの少なくとも1つの手動輸液プログラムを保存することができ、少なくとも1人の介護者3132の識別データを保存することができる。1つまたは複数の実施形態では、第1のコンピュータは、少なくとも1人の介護者3132からの少なくとも1つの手動輸液プログラムを少なくとも1つの古い自動プログラムと比較して、精度または有効性のスコアを決定することができる。少なくとも1つの実施形態では、精度のスコアは、少なくとも1人の介護者3132からの少なくとも1つの手動輸液プログラムの許容レベルを含むことができる。
【0079】
本発明の1つまたは複数の実施形態として、第1のコンピュータは、少なくとも1つの手動輸液プログラムと少なくとも1つの古い自動プログラムとの比較から、少なくとも1つの報告を生成することができる。少なくとも1つの実施形態では、第1のコンピュータによって生成される報告は、少なくとも1つの手動輸液プログラムの完了時刻および少なくとも1つの古い自動プログラムの完了時刻の時間差と、少なくとも1つの手動輸液プログラムおよび少なくとも1つの古い自動プログラムの輸液投与パラメータ間の許容レベルを含む精度のスコアと、少なくとも1人の介護者3132の評価との1つまたは複数を含むことができる。
【0080】
図4に、表示画面88を備える例示的な輸液ポンプ3130の拡張図(enhanced view)を示す。
図5および
図6で与えられた例示的な画面は、表示画面88に表示することができる。輸液ポンプ3130は、エラーメッセージ、エラーコード、および推奨アクションを表示画面88に表示することができる。表示画面88は、複数のエリアまたは領域、たとえば状況領域88A、作業領域88B、およびメッセージ領域88Cを含む。ポンプは、メモリ、プロセッサ、クロック(リアルタイムまたはそれ以外)、および他のコンポーネントを備えることができる。メモリは、コンピュータ実行可能プログラム命令を記憶することができる。また、プロセッサは、コンピュータ実行可能プログラム命令を実行することができ、それによってプロセッサに、本開示に記載の1つまたは複数のステップを実行させることができる。
【0081】
図5および
図6に、表示画面88にエラーメッセージを表示するための例示的な流れ図を示す。マルチチャネル輸液ポンプ3130をオンにする前に、カセットを最初に輸液器に設置することが必要とされてもされなくてもよい。介護者3132は、カセットをポンプ3130のドアに設置し、次いで扉を閉めることができる。次に、看護師は、オン/オフボタン、たとえば
図4に示されたオン/オフボタン405を押すことによって、輸液ポンプ3130をオンにすることができる。オン/オフボタン405が押された後、輸液ポンプ3130は、その起動プロセスを開始することができる。起動処理の後に、これは最大で数分かかることがあるが、輸液ポンプ3130は、自動プログラミング要求を受け入れるために準備することができる。
【0082】
この時点で、輸液ポンプ3130は、画面501を表示することができる。表示画面501は、本明細書では、A/B画面またはホーム画面と呼ばれることがある。
図5に示されるように、画面501は、チャネルAおよびチャネルBについての投与情報、たとえば、速度および輸液済量または輸液予定量(VTBI)を(作業領域88Bまたは他の場所に)表示することができる。自動プログラミング要求がまだ受信されていないので、投与情報の初期値は、画面501に示されるように0に設定することができる。また、ホーム画面501は、選択されたCCA(ここでは、輸液済量または輸液予定量(VTBI)の直下に「ICU」と示され、これは集中治療室を表す)を表示することができる。また、ホーム画面501は、介護者3132によって行われ得る指示または推奨アクションを表示することができる。たとえば、画面501は最初に、
図5に示されるように、推奨アクション「プログラムするラインA/Bを選択してください」を表示することができる。推奨アクションは、手動または自動プログラム要求を提出するために、取るべき次のステップを介護者3132にアラートすることができる。特定の態様では、輸液ポンプ3130は、推奨アクションを画面88に、画面に表示された他の情報とは異なる色および/または異なるシェーディングで表示することができる。
図5および
図6に示された例示的な画面は、たとえば、推奨アクションを黒シェーディングを有する白テキストで表示し、黒テキストおよび白シェーディングで表示された他の情報とは対照的である。また、推奨アクションは、各画面の特定のセクション、領域またはエリアに、たとえば、
図5および
図6に示された各画面の下部付近にあるメッセージ領域に表示することができる。
【0083】
輸液ポンプ3130に表示される画面は、他のインジケータ、たとえば、バッテリー寿命インジケータ563(これは、ポンプ3130に残っているバッテリー寿命の量を示し得る)と、無線信号インジケータ565(これは、ポンプ3130における無線信号接続の強度を示し得る)と、双方向矢印561(これは、MMUおよびポンプの間の接続、ひいてはMMUサーバ3108との間で情報をアップロードおよびダウンロードするポンプ3130の能力を示し得る)とを含むことができる。
【0084】
図5および
図6に示された画面は、様々な入力オプションをさらに含むことができる。入力オプションは、画面の下部の行(たとえば、
図5および
図6に示された推奨アクションの直下)に提示することができる。各入力オプションは、介護者3132によって選択され得るオプションとすることができる。いくつかの態様では、介護者3132は、画面自体をタッチして入力オプションを選択することができ、他の態様では、介護者3132は、入力オプションの直下の対応するソフトキーまたはボタンを選択することができる。
図4の画面88の下の三角形および入力オプションを参照されたい。他のオプションおよびテキスト、たとえば「OK」、「続行」、「拒否」、「はい」、「いいえ」、「待機」、「待機確認」、「遅延開始」、「A/Bに戻る」などを、メッセージ領域88Cに表示し、介護者によって、タッチ可能画面または表示されたオプションまたはテキストの下の対応するソフトキーを用いて選択することができる。画面501における表示、および推奨アクション「プログラムするラインA/Bを選択してください」に応答して、介護者3132は、入力オプション「A」、入力オプション「B」、または入力オプション「設定/量/CCA」のいずれかを選択することができる。オプション「設定/量/CCA」を選択することによって、設定、量の表示方法(輸液済量対輸液予定量すなわちVTBI)、または輸液ポンプ3130用のCCAを介護者3132が編集できる画面を輸液ポンプ3130に表示させることができる。オプション「A」または「B」のいずれかを選択することによって、その選択されたチャネルについて自動プログラムシーケンスを開始することができる。
【0085】
ステップ551では、輸液ポンプ3130は、自動プログラミング要求が受信されたか否かを決定することができる。換言すれば、輸液ポンプ3130は、
図1−3に関連して説明されたステップ、特にステップ201、203、205、207、209、および211が行われたか否かを決定することができる。
【0086】
ステップ553において、輸液ポンプ3130は、自動プログラム薬物指示を「薬物選択なし」に変更する必要があるか否かを決定することができる。ステップ553において実行される分析は、輸液ポンプ3130が、ステップ213においてインストールされた薬物ライブラリに対して輸液プログラム設定を検証する場合に実行することができる様々な分析の一例である。したがって、ポンプ3130がその検証ステップ213を実行する場合に、ポンプ3130が実行可能な複数の検証アクションの1つが、介護者3132によって選択された薬剤が選択されたCCA用の薬物ライブラリに格納されているか否かを決定することを含むことができる。たとえば、介護者3132は、自動プログラミングの前に、CCA「ICU」を選択することができる。次いで、介護者3132は、ステップ203においてPOCクライアント3126を用いて薬剤を選択またはスキャンすることができる。ポンプ3130が、ICU CCAについての自動プログラミング要求を受信した後、ポンプ3130は、ステップ213において、その薬物ライブラリに格納されたインストールされた設定に対して、プログラム設定を検証することができる。検証ステップの1つは、選択またはスキャンされた薬剤が、ICU CCA用の薬物ライブラリに格納された薬剤の中に含まれているか否かを決定することを含むことができる。換言すれば、ポンプ3130のプロセッサは、自動プログラミング要求で与えられた薬物名、濃度および投薬単位と、ポンプで選択されたまたはアクティブな特定の臨床診療エリアについての薬物ライブラリ内の同じパラメータとの比較を行う。薬物ライブラリにおいて、選択された薬剤が、ICU CCAで使用可能なリスト化された薬剤の中にない場合、ポンプ3130は、置換アラートエラーメッセージとして「薬物選択なし」を出力するようにプログラムすることができる。ステップ553において、ポンプ3130が、指示を「薬物選択なし」に変更しなければならないと決定した場合、画面503などのエラーメッセージを表示することができる。
【0087】
介護者3132が、ポンプ3130でエラーの原因を迅速に決定し、エラーに応答して後続のアクションを実行することができるように、エラーメッセージは、エラーの簡単な説明を含むことができる。画面503で与えられた例では、ポンプ3130のプロセッサは、選択された臨床診療エリアすなわちCCAについて、ポンプの薬物ライブラリ中の薬物リストに対して、薬物名、濃度、投薬単位、または薬物IDの比較を行い、エラーメッセージ「自動プログラムはCCA(ICU)で使用できない薬剤を含んでいます」、および「この指示について、薬剤『薬物選択なし』に置換されています」を表示画面88に表示することができる。ポンプ3130は、状況領域または画面503上の他の場所に「置換アラート」を表示して、エラーが発生したことを介護者3132に通知することができる。次いで、エラーメッセージは、エラーの正確な原因(ここでは、選択されたCCA、およびカスタマイズ可能な薬物ライブラリに記載された病院の成功事例に従って、CCAで利用できるように計画されていない薬剤を自動プログラムが含んでいたこと)を介護者3132に通知することができる。また、いくつかの態様では、エラーメッセージは、エラーに応答してポンプ3130により実行されたアクションを表示することができる(ここでは、ポンプのプロセッサによって薬剤が「薬物選択なし」に置換されており、その理由は、選択されたCCAについての薬物ライブラリのエントリ内に薬剤との一致を発見しなかったためである)。
【0088】
また、メッセージ領域または画面503上の他の場所に示されているのは、推奨アクション「薬物選択なしで続行するか、またはプログラムを拒否してください」である。推奨アクションは、入力オプション「続行」を選択して、薬剤が薬物選択なしに置換された自動プログラム要求を続行するか、または入力オプション「拒否」を選択して、自動プログラム要求をキャンセルする必要があることのいずれかを介護者3132に通知することができる。入力オプションは、画面503に示されるように、推奨アクションの直下に表示することができる。介護者3132が「拒否」オプションを選択した場合、ポンプ3130は、自動プログラム要求を拒否し、ホーム画面501などの前の画面を表示することができる。自動プログラム要求の拒否に関するメッセージは、MMUサーバ3108に送信することができ、次いでMMUサーバ3108は、メッセージをPOCシステム3125に中継する。特定の態様では、画面503は、所定の時間の間、たとえば約30秒間表示することができる。応答または入力オプションが所定の時間内に選択されなかった場合、ポンプ3130は、自動的に自動プログラミング要求を拒否し、画面501を表示することができる。代わりに、介護者3132が「続行」入力オプションを選択した場合、ポンプ3130は、自動プログラムされた投与情報の残りが、画面505に示されるように、作業領域88Bまたは他の場所においてポンプ画面88上で事前入力された画面505を表示することができる。画面505において、介護者3132は、投与情報、たとえば速度、VTBI、および期間を編集することができる。画面505は、画面の上部の状況領域88Aの中または近くに「薬物選択なし」を表示し、画面88の下部のメッセージ領域88Cに推奨アクション「キーパッドで値を入力してください」を表示し続けることができる。また、ポンプ3130は、その値が編集されている場合があるフィールド(ここでは、たとえば、VTBIにmLで「500」)を強調表示することができ、またはタッチもしくは他のキーによってアクティブ化された場合にそのようにすることができる。介護者3132は、
図4に示されるように、ポンプ3130に設けられたキーパッド401上でこれらの値を入力することができる。
【0089】
ステップ555において、ポンプ3130は、開始ボタン403(
図4)がユーザにより選択または押下されたか否かを決定することができる。そうであれば、ポンプ3130は、画面507等の画面を表示することができる。画面507は、輸液プログラム設定が正しく入力されたことを介護者3132が確認するステップ217と関連し得る。介護者3132は、入力オプション「いいえ」を選択して、画面505に戻り、表示された投与情報値の1つまたは複数を編集することができる。代替的には、介護者3132は、「待機」の入力オプションを選択して、所定のまたは設定可能な時間の間待機することによって、薬剤投与の確認を待つことができる。「はい」の入力オプションが選択された場合、ポンプ3130は、ステップ219において輸液プログラムを開始させることができ、画面509を表示することができる。画面509は、選択されたチャネル(ここでは、チャネルA)で選択された速度(ここでは、250mL/hr)で薬剤がポンプ中であることを介護者3132に通知し、現在の輸液済量(ここでは0.1mL)を表示することができる。また、画面509は、推奨アクション「プログラムするラインA/Bを選択してください」を表示することができ、それによって介護者3132は、編集するか、またはチャネルAまたはBについての他の自動プログラム要求を提出することができる。特定の態様では、チャネルAは、薬剤を投与するための一次チャネルとすることができ、チャネルBは、薬剤を投与するための二次ラインとすることができる。
【0090】
図6に、ポンプ3130に表示される画面の流れ図の他の例を示す。
図6に示された一連の画面は画面601から始まり、画面601は、
図5に示された画面509と類似し得る。
図6に与えられた例では、介護者3132は、チャネルAがポンプ中であっても、ポンプ3130において自動プログラムを要求することができる。ここで、ポンプ3130は、ドーパミン、血圧を制御するための一般的に処方される血管作動性薬剤をポンプ中である。ドーパミンは、この例では70kgである患者の体重に基づいて処方される。ドーパミンは、250mLの容器に400mgの濃度で供給される。処方用量は5.0mcg/kg/minであり、これをポンプが13.1mL/hrの速度に変換する。ポンプ3130は、これまでに240mLをポンプしている。
図5のステップ551と同様に、ポンプ3130は、ステップ651において、チャネルAについて自動プログラミング(AP)要求が受信されたか否かを決定することができる。要求は、ステップ201、203、205、207、209および211が行われた後に、受信することができる。ステップ213において、ポンプ3130は、薬物ライブラリに格納されたプログラム設定に対して、輸液プログラム設定を検証することができる。いくつかの態様では、ポンプ3130は、ポンプ内にハードコーディングされた設定に対して、輸液プログラム設定をさらに検証することができる。
図2または
図3の検証ステップ213は、チャネルAについての自動プログラム要求が、同じ薬剤用のものであるか、またはチャネルAで現在投与中の薬剤の許容可能な代替品用のものであるかをポンプ3130が決定することが可能な
図6のステップ653を含むことができる。一態様では、「同じ薬剤」の概念は、名前(ジェネリックまたはブランド)と、濃度および投薬単位の1つまたは複数とによってで同じである薬剤を含むことができる。チャネルAの自動プログラム要求の薬剤がドーパミンである場合、これは問題がない場合があり、不一致薬剤/濃度エラー(上記表1のコードMCD00006)をトリガしない場合がある。しかしながら、たとえばモルヒネなどの異なるまたは非同等な薬剤が、ステップ651で受信された自動プログラム要求で指定されているとポンプがステップ653で決定した場合、ポンプ3130は、画面603上に示されるエラーメッセージを表示する。
【0091】
画面603は、状況領域または画面の他の領域に「拒否アラート」を表示して、介護者3132にエラーを通知することができる。また、画面603は、「受信された自動プログラムは、プログラムされたラインで投与中のものと異なる薬剤を含んでいました」などのエラーメッセージを作業領域または他の領域に表示することができる。このように、介護者3132に、エラーおよびエラーの原因が存在することをポンプ3130において通知することができる。いくつかの態様では、このエラーメッセージは、チャネルで投与中の薬剤、ならびに/あるいは薬剤指示の濃度および/または投薬単位などの他の情報を表示することもできる。たとえば、画面603のエラーメッセージは、「受信された自動プログラムは、プログラムされたラインで投与中の[ドーパミン]とは異なる薬剤[モルヒネ]を含んでいました」、または「受信された自動プログラムは、プログラムされたラインで投与中の[ドーパミン400mg/250mL]とは異なる薬剤を含んでいました」を表示することができる。また、画面603は、メッセージ領域または他の領域にこのエラーメッセージに対する推奨アクション、この場合は、「この指示を今拒否しますか、または自動拒否を待ちますか?」を表示することができる。ポンプ3130は、1つまたは複数の入力オプション、たとえば自動プログラム指示を拒否するオプションを画面603に提供することができる。介護者3132は、「拒否」オプションを選択して、画面509に戻ることができる。代替的には、介護者3132は、入力オプションを全く選択しなくてもよく、その場合、ポンプ3130は、タイムアウト期間後に、たとえば約30秒後に、自動プログラム指示を自動的に拒否することができる。
【0092】
ステップ653において、自動プログラミング要求の薬剤がチャネルAで現在ポンプ中の薬剤と同じもしくは同等である、または少なくとも1つの手動輸液プログラムが許容可能であるとポンプ3130が決定した場合、ポンプ3130は画面605を表示することができる。上記で論じられた画面505と同様に、画面605によって、介護者3132は、濃度、速度、VTBI、および期間などの投与情報値の設定を修正することができる。また、画面605に示されているのは、入力オプション「遅延開始」である。介護者3132は、「遅延開始」入力オプションを選択して、自動プログラム薬剤のポンピングを開始する、後の時間を選択することができる。代替的には、介護者3132は、「A/Bに戻る」入力オプションを選択して、画面509に戻ることができる。
【0093】
ステップ655において、ポンプ3130は、(
図4に示された)開始ボタン403が選択されたか否かを決定する。そうであれば、ポンプ3130は、画面607を表示することができる。介護者3132は、上記で論じられた画面507と同様に、画面607に表示された情報を見直すことができてもよい。次いで、介護者3132は、「はい」の入力オプションを選択して、ステップ217において、輸液プログラム設定が正しく入力されたことを検証することができる。これに応答して、ポンプ3130は、ステップ219において輸液プログラムを開始することができ、輸液ポンプ3130は、画面609を表示することができる。
【0094】
たとえば画面503および603などの画面にポンプ3130によって表示され得るエラーメッセージのいくつかの他の例が、ここでさらに詳細に論じられる。特定の態様では、ポンプ3130は、たとえば、MMU、HIS、BCMA、EMR、およびPOCシステムからの外部介入なしで、ステップ213においてエラーを決定することができる。いくつかの場合では、ポンプ3130は、エラーメッセージを表示した後に自動プログラミング指示を続行させることができる。また、ポンプ3130は、当事者、たとえばMMU、HIS、BCMA、EMR、およびPOCシステムに、エラーおよび表示されたエラーメッセージを通知することができる。当業者は、本明細書で開示されたエラーメッセージが例示的であり、本開示の範囲から逸脱することなく修正できることを理解するであろう。
【0095】
ポンプ3130は、エラーメッセージ、たとえば上記の表1でエラーコードNTA00003に関連付けられた、「受信された自動プログラムは期間情報を含んでおり、この投薬単位で投与の期間を漸増することはできません」を表示することができる。漸増された期間値を有する自動プログラムメッセージを輸液器が受信した場合にこのエラーメッセージが表示され、これは、通常は時間ベースの代替的な投薬単位を有する薬剤用のものである。たとえば、プログラムに関与する薬物が時間ベースの代替的な投薬単位を有する場合、介護者は、期間を変更することが許可されておらず、その理由は、そのようなアクションが、関連する用量を変更することになるためである。例としては、限定はされないが、mcg/kg/minで投与されるニトログリセリンまたはドーパミンなどの血管作用薬、units/kg/hourで投与されるヘパリンなどの抗凝固剤、Units/kg/dayで投与されるインスリンなどの糖尿病管理薬、およびmg/m2/dayで投与されるタキソールなどの腫瘍溶解薬が含まれる。このタイプのエラーが生成される特定の薬物または薬物のカテゴリは、病院によって、ユーザカスタマイズ可能な薬物ライブラリにおける選好に応じて確立することができる。同じ画面で、ポンプ3130は、推奨アクション、たとえば、「今OKを押すか、またはこの画面が自動的に消えるのを待ってください」を表示することができる。「OK」の入力オプションを選択するか、またはタイムアウト期間後に画面が自動的に消えるのを待った後、ポンプ3130は、ホームA/B画面を表示することができる。
【0096】
本開示のいくつかの態様では、ポンプ3130は、「受信された自動プログラムは、必要な情報を全ては含んでいませんでした」などのエラーメッセージを表示することができる。一般的に、自動プログラミングメッセージは、最低でも次の情報:ポンプチャネル、薬物名および濃度を含む必要がある。これらの要素、パラメータまたは設定の1つまたは複数が欠落している場合、上記のエラーメッセージが表示される。同じ画面で、ポンプ3130は、推奨アクション、たとえば、「今OKを押すか、またはこの画面が自動的に消えるのを待ってください」を表示することができる。上記で論じられたように、「OK」の入力オプションを選択するか、またはタイムアウト期間後に画面が自動的に消えるのを待った後、ポンプ3130は、ホームA/B画面を表示することができる。
【0097】
ポンプ3130は、「受信された自動プログラムは、システムの限度を超える値を含んでいます。またはその値によって、計算されるパラメータがシステムの限度を超えます。」などのエラーメッセージを生成し表示するようにプログラムすることができる。1つまたは複数のシステムの限度は、ポンプ3130にハードコーディングする、および/または薬物ライブラリに含めることができる。システムの限度は、速度に関係することができる。たとえば、ポンプ3130は、999mL/hrの最大速度でポンプすることができてもよい。999mL/hrを超える速度、たとえば2000mL/hrの自動プログラム要求が受信された場合、ポンプ3130は、エラーメッセージを表示することができる。同様のシステムの限度が、期間、VTBI等の他の情報について存在することができる。エラーメッセージと共に、ポンプ3130は、推奨アクション、たとえば、「今OKを押すか、またはこの画面が自動的に消えるのを待ってください」を表示することができる。
【0098】
いくつかの例では、ポンプ3130は、「自動プログラムが、未確認のプログラミングデータを含むラインのものです」などのエラーメッセージを表示することができる。これは、介護者が、プログラミングデータを確認する前に、他の患者または同僚を助けるために緊急で呼び出された場合に、発生し得る。また、ポンプ3130は、対応する推奨アクション「自動プログラムを再提出してください。全ての未確認データが消去されます。」を表示することができる。したがって、エラーメッセージに応答して、介護者3132は、自動プログラムを再提出するか、または自動プログラムを拒否することができる。ユーザが自動プログラムを再提出することを選択した場合、以前に入力された未確認データの全てが消去され、その後、再提出された自動プログラムからのデータで置き換えられる。介護者が自動プログラムを拒否した場合、未確認データは維持され、ユーザは、最後に使用された入力画面またはホームA/B画面に連れて行かれる。
【0099】
ポンプ3130は、「部分的にプログラムされたラインのために、自動プログラムが拒否されました」というエラーメッセージを画面603に生成することができる。薬物がライン用に選択され、ラインプログラムが消去または確認されていない場合に、ラインが部分的にプログラムされる。カセットがインストールされたポンプが開始された。CCAが選択された。同じまたは異なる薬物を含む新たなIVバッグが吊るされた。ユーザは、ポンプにおいてラインの1つおよび薬剤を手動で選択する。次いで、ユーザは、プログラミングシーケンスの途中で、自動プログラム処理に切り替え、薬物容器上のバーコードがスキャンされ、指示が送信される。ラインA用の標準的な自動プログラムは輸液器に送信され、輸液器は、手動プログラムが既に部分的に入力されていたので、自動プログラムを拒否する。同じ画面で、推奨のアクションコースが表示される:「[消去]を押し、自動プログラムを再提出してください。全ての未確認のデータが消去されます。」
【0100】
介護者3132は、特定のチャネルについてポンプ3130で「待機」入力オプションを選択することができる。待機入力オプションは、特定のチャネルまたは輸液ラインでプログラム済みの輸液を、最大72時間までの不定の時間、一時停止するために選択される。介護者が、輸液が開始されるべき時間について不明である場合、輸液が開始される前に、待機オプションを使用することができる。たとえば、介護者は、ポンプを設定することができ、これをプログラムすることができるが、患者はまだ自分のベッドにいない場合がある。しかしながら、プログラムされた輸液の開始前に所定の遅延を挿入する遅延開始オプションとは異なり、待機オプションは、プログラムされた輸液の実行中に選択することもできる。これは、以前にプログラムされ開始された輸液プログラムが、自動プログラミングメッセージまたは要求によって輸液ポンプ設定の新たなセットに自動的に取って代わられることは、ほとんどの場合、望ましくないであろう。したがって、ポンプ3130は、既に待機モードにあるチャネルまたはラインについての自動プログラム要求を受け付けなくてもよい。要求が待機中のラインについて受信された場合、ポンプ3130は、「自動プログラムが、待機中のラインのものです」などのエラーメッセージを表示することができる。同様に、ポンプ3130は、「遅延開始」モードにあるチャネルまたはラインについての自動プログラム要求を受け付けなくてもよい。上記で論じられたように、「遅延開始」によって、介護者3132は、後の時間(X分またはX時間後)に自動的に開始される自動プログラム設定を入力することができ、ここで後の時間は、介護者3132により事前決定され、知られており、選択されたものとすることができる。ポンプ3130が、「遅延開始」モードにあるラインについての自動プログラムの要求を受信した場合、ポンプ3130は、「自動プログラムが、遅延開始のラインのものです」などのエラーメッセージを表示することができる。待機および遅延開始の両方のエラーメッセージについて、ポンプ3130は、推奨アクション、たとえば、「このラインを消去し、自動プログラムを再提出してください」を表示することができる。この推奨アクションは、「待機」または「遅延開始」モードのいずれかにあるラインを消去し、次いで自動プログラム要求を再提出するように介護者3132に助言することができる。
【0101】
ポンプ3130は、エラーメッセージ「自動プログラムが、投与を停止または阻止するアクティブなアラームを有するラインのものであるので、自動プログラムはこのアラーム条件では有効ではありません」を表示することができる。ポンプ3130は、様々な状況または条件に関してアラームを出力することが可能であってもよい。たとえば、ポンプ3130のバッテリーがほとんど切れており、電源に接続されていない場合がある。他の例では、優先度の高いアラームが進行中である場合がある。このような状況の間に、ポンプ3130は、自動プログラム要求を受け入れなくてもよく、エラーメッセージと共に、推奨アクション「アラーム条件を消去し、自動プログラムを再提出してください」を表示することができる。アラームを消去することは、アラームを発生させる条件を除去すること(たとえば、ポンプのバッテリーを交換または充電すること)を備えることができる。
【0102】
PLUM輸液ポンプの独自の同時投与機能によって、2つの異なる薬剤が、ポンプの上流の2つの異なるソース容器から、実質的に同時に単一のラインを介してポンプの下流の患者に投与され得る。また、ポンプは、ラインAおよびBから薬剤の投与をそれぞれ前後に、またはその逆に切り替えることができ、これにより、別々であるが協調している「ピギーバック」投与が可能かつ便利になる。しかしながら、これは、自動プログラミングの観点からいくつかのかなり複雑なシナリオにつながり得る。多くの物事が誤った方向に進み、エラーにつながることがあり、これには、失敗、意図しない結果または問題が含まれる。従来は、これらのエラーの多くは、ポンプにおいて、またはその表示画面上で、介護者に伝達されていなかったであろう。上記から、ポンプが999mL/hrの速度制限を有し得ることを思い出して頂きたい。ポンプは、特定の低流量制限も有することができる。したがって、特定の態様では、ポンプ3130は、「自動プログラムが同時性違反のため有効ではありません。投与A+Bが各ラインで500mL/hrより大きいか、または0.5mL/hr未満です。」などのエラーメッセージを表示することができる。ポンプは物理的には単一のラインで999mL/hrが可能であるが、同時投与が2つのライン(AおよびB)によって行われる場合、ラインAおよびBのそれぞれについて、500mL/hrしか許可されない。そうでなければ、各ラインが500mL/hr以上を投与するようにプログラムされているならば、999mL/hrのポンプシステムの速度制限が超過されることになる。また、各ラインは、適切なポンプ動作のために、少なくとも0.5mL/hr以上で投与するようにプログラムされなければならない。上記で論じられたように、同じ画面で、ポンプ3130は、推奨アクション、たとえば、「今OKを押すか、またはこの画面が自動的に消えるのを待ってください」を表示することができる。ポンプのユーザにとってより明確にするために、同時性違反についての具体的な原因を明記することができる。たとえば、エラーメッセージは、具体的な原因に応じて、「500mL/hrを超えるA+Bの投与」または「0.5mL/hr未満の投与A+B」を読み込むことができる。同時性エラーも同様に、様々な状況に起因し得る。たとえば、自動プログラムが、同時性違反のために拒否され得るのは、ラインAまたはラインBについて、Bが同時に動作しているときに新たなIVバッグもしくは容器または速度の変更が要求された場合であり、これは同時実行性違反となり、すなわち、2つのライン合計で500mL/hrを超える投与、または各ラインで0.5mL/hr未満の投与となる。代替的には、同時性違反は、ラインBで最初の同時投与をプログラムすることを最初に試みた場合に、発生することがある。エラーメッセージは、自動プログラムの拒否を引き起こした特定の状況をより明確に示すように調整することができる。
【0103】
いくつかの態様では、輸液ポンプ3130は、別々であるが協調している直列のピギーバック投与で、ラインAを介して一次薬剤をポンプし、ラインBを介して二次薬剤をポンプするように構成することができる。いくつかの場合では、ラインBへの自動プログラム要求が、ラインAでポンプ中の薬剤の中断を引き起こす場合がある。これは、ラインAでポンプ中の薬剤が、ドーパミン、ヘパリンまたはインスリンを含むがこれらに限定されない重要な薬剤など、極めて重要である場合に特に、望ましくないであろう。したがって、輸液ポンプ3130が、ステップ651でラインBへの自動プログラムを受信した場合に、輸液ポンプ3130は、ステップ653において、そのラインまたは他のラインの薬剤が中断可能であるか否かを決定することができる。回答が肯定的である場合、処理は、画面605、ステップ655などに続くことができる。回答が否定的である場合、ポンプ3130は、「自動プログラムが、ラインBについて有効ではありません。ラインAで投与中の薬剤を中断することはできません。」などのエラーメッセージを画面603に表示することができる。同様に、輸液ポンプ3130は、「自動プログラムがラインAについて有効ではありません。自動プログラム内の薬剤が中断可能ではなく、ラインBがピギーバック輸液を投与します。」などのエラーメッセージを表示することができる。これに対応して、ポンプ3130は、推奨アクション「今OKを押すか、またはこの画面が自動的に消えるのを待ってください」を表示することができる。
【0104】
ポンプ3130は、同じ推奨アクションを「自動プログラムの患者の体重が、他のラインで投与しているプログラムの患者の体重と一致しないので、自動プログラムが有効ではありません」などのエラーメッセージと共に画面に表示することができる。輸液ポンプ3130は、患者用に入力された体重または予想される体重の範囲が、複数のラインの間で整合していない場合、このまたは同様のエラーメッセージを生成することができる。たとえば、看護師は、次いで、ラインAにおいて患者について75kgの体重を入力し、ラインBにおいて同じ患者について7.5kgの体重を入力する場合がある。これらの整合しない体重によって、輸液ポンプ3130に、エラーメッセージを表示させる場合がある。同様に、ポンプ3130は、「自動プログラムの患者の身長が、他のラインで投与しているプログラムの患者の身長と一致しないので、自動プログラムが有効ではありません」などのエラーメッセージを表示することができる。この場合、ポンプ3130は、薬剤を受けている患者の身長または予想される身長の範囲が、ラインAおよびラインBと整合することを保証することができる。同様に、ポンプ3130は、「自動プログラムのBSAが、他のラインで投与しているプログラムのBSAと一致しないので、自動プログラムが有効ではありません」などのエラーメッセージを表示することができる。BSAとは、体の表面積を意味し、通常、患者の体重および身長に基づいて推定または計算される。また、BSAは、時々、BMIまたは体重指数と表現されることがあり、いくつかの薬物はこれに基づいて投与される。
【0105】
先に論じられたように、介護者3132は、手動ポンプ3130を手動でプログラムするか、または自動プログラム要求を提出する前に、CCAを入力するように要求され得る。CCAが受信されていないか、または薬物ライブラリに格納されていないCCAが受信された場合、輸液ポンプ3130は、「CCAが輸液器で選択されていないので、自動プログラムが有効ではありません」などのエラーメッセージを表示することができる。また、ポンプ3130は、たとえば「CCAを選択し、自動プログラムを再提出してください」などのアクションを推奨することができる。
【0106】
ポンプ3130は、
図4に示されるように、キーパッドのロックを備えることができる。キーパッドがロックされている場合、ポンプ3130は、キーパッド上のボタンを選択して提出されたコマンドを受信しなくてもよい。また、キーパッドがロックされている場合、ポンプ3130は、自動プログラミング要求を受け取らなくてもよい。これらの場合において、ポンプ3130は、「キーパッドがロックされているので、自動プログラムは有効ではありません」などのエラーメッセージを表示することができる。また、輸液ポンプ3130は、たとえば「キーパッドをロック解除してください」などの推奨アクションを表示することができる。介護者3132がキーパッドをロック解除した後、ポンプ3130は自動的に自動プログラミング要求を受け入れることができる。
【0107】
以下で論じられる残りのエラーメッセージは、推奨アクション、たとえば、「今OKを押すか、またはこの画面が自動的に消えるのを待ってください」と共に表示することができる。上記で論じられたように、「OK」の入力オプションを選択するか、またはタイムアウト期間後に画面が自動的に消えるのを待った後、ポンプ3130は、ホームA/B画面を表示することができる。
【0108】
いくつかの場合では、ポンプ3130は、「受信されたパラメータでは有効な用量とならないので、自動プログラムが有効ではありません」などのエラーメッセージを生成し表示することができる。3つのパラメータまたは変数、ボリューム、(流)速および期間のうちの2つが、ポンプ3130に提供された場合、そのプロセッサは、用量を計算することができる。通常、特定の投薬量が、医師により対象化または指示されている場合、それは患者の体重に基づいている。薬物は、所与の量の希釈剤中の分量または質量として、たとえば5mg/1000mL IV容器として、利用可能であってもよい。有効な用量をもたらす流速および期間の値の組み合わせが存在しない場合、このエラーメッセージが生成される。
【0109】
輸液ポンプ3130は、「VTBIが0の場合、速度を漸増できないので、自動プログラムは有効ではありません」などのエラーメッセージを表示することができる。介護者3132が、ポンプされる薬剤の速度を入力しつつ、0mlの輸液される薬剤の総量も入力した場合に、このエラーメッセージを表示することができる。したがって、ポンプ3130は、0を超えるVTBIを必要とし得る。自動プログラムは、現在動作中のプログラムへの変更、すなわち「漸増」とすることができる。しかしながら、輸液するために残されたVTBIがプログラムに存在しない場合、輸液されるために残された量が存在しないので、速度または他のパラメータは実質的に変更されないことがある。同様に、輸液ポンプ3130は、「自動プログラムは、確認されたプログラムを有しないラインについての漸増であるので、有効ではありません」などのエラーメッセージを表示することができる。漸増は、定義により、現在動作中のまたは既にプログラムされた輸液における速度、期間またはVTBIの変更である。したがって、確認済の以前のプログラムを有する後まで、ラインまたはポンプチャネルの漸増または変更を自動プログラムすることはできない。
【0110】
特定の態様では、ポンプ3130は、「自動プログラムが、多段階または負荷用量プログラムを有するラインについて、有効ではありません」などのエラーメッセージを表示することができる。ラインが多段階輸液または負荷用量プログラムでビジー状態である場合は、任意の新たな自動プログラム要求を受信し実行可能となる前に、そのプログラムを完了または消去しなければならない。
【0111】
輸液ポンプ3130は、「自動プログラムが、不完全なまたは破損したデータのために、Hospira MedNetによって拒否されました」などのエラーメッセージを表示することができる。これは、チェックサムの失敗またはハンドシェイクの失敗によって強調され得る。自動プログラムメッセージの一部が、何らかの理由で失われているか、または破損している場合がある。
【0112】
ポンプ3130は、「この輸液器についての自動プログラムは、薬物ライブラリの非互換性のために、Hospira MedNetによって拒否されました」などのエラーメッセージを表示することができる。自動プログラムメッセージ用のデバイスマニフェストで特定された薬物ライブラリが認識されていない。換言すれば、自動プログラムのマニフェストに記載されたアクティブな薬物ライブラリは、MMUサーバ3108および/またはポンプ自体が、ポンプ内にある適切な薬物ライブラリであると考えるものと一致していない。たとえば、薬物ライブラリは、ポンプのタイプおよび薬物ライブラリのバージョンを含むことができる識別子(場合により、英数字の文字列)を有する。何らかの理由で、薬物ライブラリのバージョンは、自動プログラム要求の薬物ライブラリ識別子が輸液ポンプに現在ある薬物ライブラリと一致しないように、輸液ポンプおおびMMUの間の同期から外れることができる。
【0113】
図7に、本開示の態様による処理700のフローチャートを示す。処理700は、
図4に示された輸液ポンプ3130を用いて行うことができる。ステップ701は、自動プログラミング要求を受信することを備えることができ、ここで自動プログラミング要求は、IVバッグまたは薬物容器情報、たとえば薬物名、濃度、または他の薬物識別情報、および輸液ポンプ情報、ならびに任意選択で患者識別情報を含むことができる。ステップ703は、用量、流速、期間および量を含むがこれらに限定されない、輸液プログラム設定、パラメータまたは変数を受信することを備えることができる。ステップ705は、輸液プログラム設定を薬物ライブラリプログラム設定と比較することを備えることができ、ここで薬物ライブラリプログラム設定は、輸液ポンプに格納された薬物ライブラリで提供されるソフト(超過可能)制限およびハード(超過不可能)制限を課すルールセットに含まれる。ステップ707は、比較に基づいて、輸液プログラム設定が薬物ライブラリプログラム設定と整合しているか整合していないかを決定することを備えることができる。
【0114】
ステップ709は、輸液プログラム設定が、薬物ライブラリ設定と整合していないとの決定に基づいて、エラーメッセージを生成することを備えることができる。ステップ711は、画面を表示することを備えることができ、ここで画面はエラーメッセージおよび推奨アクションを含む。いくつかの態様では、
図1−6に関連して上記で論じられた他のステップを実行することができる。
【0115】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、比較に基づいて、輸液プログラム設定が薬物ライブラリプログラム設定と整合している場合、ステップ713において、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、受信された少なくとも1つの古い自動プログラムを、少なくとも1つの完了したまたは動作中の手動輸液プログラムと、輸液投与パラメータおよび輸液ポンプ動作パラメータを含むパラメータ照合論理および輸液投与の概算時間に基づいて比較して、先に論じられたように、少なくとも1つの以前に完了したまたは動作中の手動輸液プログラムが、潜在的な一致に基づいて許容可能であるか否かを決定する。
【0116】
ステップ715において、1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの輸液ポンプ3130は、許容可能に完了したまたは動作中の手動輸液プログラムを保存して、後で分析できるようにする。少なくとも1つの実施形態では、ステップ715において、少なくとも1つの輸液ポンプは、許容可能な少なくとも1つの完了したまたは動作中の手動輸液プログラムを、少なくとも1つの自動プログラムの代わりに、許容可能なプログラムとして少なくとも1人の介護者3132に任意選択で通知することができる。
【0117】
記載された実施例および実施形態の多数の修正および変形が、上記の教示に照らして可能であることは当業者には明らかであろう。開示された実施例および実施形態は、例示の目的でのみ提示されている。他の代替的実施形態は、本明細書で開示された特徴の一部または全部を含むことができる。たとえば、第1のコンピュータは、MMU3108が輸液ポンプ3130と通信する必要がないように、HIS/POC内または医療施設の内外の他のコンピュータシステム内にあってもよい。したがって、本発明の真の範囲内に入ることができる全てのそのような修正および代替的実施形態を網羅することが意図されている。