(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552610
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】握持を容易にする異軸ペン
(51)【国際特許分類】
B43K 7/00 20060101AFI20190722BHJP
B43K 21/00 20060101ALI20190722BHJP
B43K 23/008 20060101ALI20190722BHJP
B43K 3/00 20060101ALI20190722BHJP
B43K 23/12 20060101ALI20190722BHJP
B43K 25/02 20060101ALI20190722BHJP
B43K 29/00 20060101ALI20190722BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
B43K7/00 100
B43K21/00 A
B43K23/008
B43K3/00 C
B43K3/00 F
B43K3/00 H
B43K23/12
B43K25/02
B43K29/00 N
B43K29/00 Q
B43K29/00 Z
G06F3/03 400F
【請求項の数】38
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-514757(P2017-514757)
(86)(22)【出願日】2014年10月29日
(65)【公表番号】特表2017-521290(P2017-521290A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】CN2014089833
(87)【国際公開番号】WO2015180404
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2017年5月11日
(31)【優先権主張番号】201410239723.7
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516359148
【氏名又は名称】劉 保伸
【氏名又は名称原語表記】LIU, Bao−Shen
(73)【特許権者】
【識別番号】516359159
【氏名又は名称】劉 宥嘉
【氏名又は名称原語表記】LIU, Yu−Chia
(73)【特許権者】
【識別番号】516359160
【氏名又は名称】張 連林
【氏名又は名称原語表記】ZHANG, Lianlin
(73)【特許権者】
【識別番号】516359171
【氏名又は名称】南京捷豹▲パン▼公用品有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANJING J−POWER OFFICE SUPPLIES CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 保伸
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−114432(JP,A)
【文献】
特開2005−199624(JP,A)
【文献】
特開平10−315679(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0101844(US,A1)
【文献】
国際公開第00/072724(WO,A1)
【文献】
特表2002−512569(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0074669(US,A1)
【文献】
実開平6−39487(JP,U)
【文献】
特開平6−293198(JP,A)
【文献】
特開2000−132318(JP,A)
【文献】
実開平3−116990(JP,U)
【文献】
実開昭58−44913(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3129713(JP,U)
【文献】
特開2011−005772(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102745002(CN,A)
【文献】
中国実用新案第2317087(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不規則形状及び中空状を呈するチャックと、
中空状の管体であり、前記チャックに取り付けられ、異軸部と、握持部と、末端部を備え、該異軸部の一端がチャックに組み合わされ、該異軸部における、チャックと反対する他端に異軸突起が設けられ、該握持部は、異軸部の異軸突起の近傍に連接されるように、異軸部と異なる軸線上に設けられ、該末端部は、握持部における、異軸部と反対する一端に取り付けられる、ケースと、
前記異軸部の側壁から突出して離れる方向に斜めに延設される、少なくとも1つの第1指受け部と、を有することを特徴とする握持を容易にする異軸ペン。
【請求項2】
少なくとも1つの第2指受け部を有し、該少なくとも1つの第2指受け部は、中指が宛がわれるように、ケースにおける異軸部と握持部にまたがる位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項3】
2つの前記第2指受け部を有し、該2つの第2指受け部がそれぞれ2つの方向に斜めに向かうと共に、互いに組み合わせるように形成されることを特徴とする請求項2に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項4】
前記ケースの異軸部及び握持部はそれぞれ組立てにより構成され、
前記少なくとも1つの第2指受け部は異軸部に設けられ、
前記異軸部と握持部との間に、少なくとも1つのリングが設置され、該リングに前記第2指受け部が設けられることを特徴とする請求項3に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2指受け部が凹面であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項6】
2つの前記リングを有し、
2つの前記第2指受け部を有し、
該リングに前記第2指受け部が設けられ、該2つの第2指受け部がハート状となるように互いに組み合わされることを特徴とする請求項4に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項7】
前記ケースに少なくとも1つの滑り止め部が設置され、該少なくとも1つの滑り止め部は、異軸部と握持部との接触箇所から握持部へ延出するように設けられ、その厚さは握持部へ行くにつれて次第に厚くなり、幅は握持部へ行くにつれて次第に広くなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項8】
前記チャックは、先端部及び連接部を備え、該先端部を貫通するように先端開口が形成され、該チャックの外周面に突出縁が形成され、該先端開口と連通すると共に突出縁を貫通するように挿設穴が形成され、また、該連接部の断面面積が先端部の断面面積よりも大きく、該チャックにフランジが設けられ、
前記ケースの異軸部がフランジに当接するようにチャックの連接部に組み合わされ、該異軸部の壁を貫通するように異軸部の中空部分と連通する固定穴が形成され、
クリップが、着脱可能にチャック及びケースに取り付けられ、固定凸部及び挿設凸部を備え、該固定凸部は、異軸部の固定穴に挿設され、該挿設凸部は、前記クリップにおける、固定凸部と反対する端に設けられ、且つ突出縁の挿設穴に挿設されることを特徴とする請求項1に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項9】
キャップが、チャックに組み合わされ、チャックを収納するための開口端を備え、該開口端と反対する他端にスタイラス部が設置されることを特徴とする請求項1に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項10】
前記キャップは、外殻体及び内殻体を備え、該外殻体は中空状を呈し、両端にそれぞれ開口を有し、該内殻体は、外殻体の内部に嵌め込まれ、
前記スタイラス部は中空状を呈し、キャップに向かって外殻体に取り付けられ、一端に開口を有することを特徴とする請求項9に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項11】
衣類のポケットに掛止するために、前記ケースにさらに掛止部材が設けられることを特徴とする請求項7に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項12】
前記末端部にUSBフラッシュドライブが設置され、
前記ケースの握持部に、USBフラッシュドライブに対応するUSBソケットが設けられることを特徴とする請求項11に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1指受け部及び異軸部の異軸突起に湾曲状突出面が設けられることを特徴とする請求項1に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項14】
不規則形状及び中空状を呈するチャックと、
中空状の管体であり、前記チャックに取り付けられ、異軸部と、握持部と、末端部を備え、該異軸部の一端がチャックに組み合わされ、該異軸部における、チャックと反対する他端に異軸突起が設けられ、該握持部は、異軸部の異軸突起の近傍に連接されるように、異軸部と異なる軸線上に設けられ、該末端部は、握持部における、異軸部と反対する一端に取り付けられる、ケースと、
中指が宛がわれるように、前記ケースにおける異軸部と握持部にまたがる位置に少なくとも1つの第2指受け部と、を有し、
前記少なくとも1つの第2指受け部は2つの第2指受け部であり、該2つの第2指受け部がそれぞれ2つの方向に斜めに向かうと共に、互いに組み合わせるように形成されることを特徴とする握持を容易にする異軸ペン。
【請求項15】
前記ケースの異軸部及び握持部はそれぞれ、組立てにより構成され、
前記異軸部と握持部との間に、少なくとも1つのリングが設置され、該リングに前記第2指受け部が設けられることを特徴とする請求項14に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第2指受け部が凹面であることを特徴とする請求項14又は15に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項17】
2つの前記リングを有し、
2つの前記第2指受け部を有し、
該リングに前記第2指受け部が設けられ、該2つの第2指受け部がハート状となるように互いに組み合わされることを特徴とする請求項15に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項18】
指を宛がえるために、少なくとも1つの第1指受け部が前記異軸部の側壁から突出して離れる方向に斜めに延設されることを特徴とする請求項14に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第1指受け部及び異軸部の異軸突起に湾曲状突出面が設けられることを特徴とする請求項18に記載の握持を容易にする異軸ペン
【請求項20】
前記ケースに少なくとも1つの滑り止め部が設置され、該少なくとも1つの滑り止め部は、異軸部と握持部との接触箇所から握持部へ延出するように設けられ、その厚さは、握持部へ行くにつれて次第に厚くなり、幅は、握持部へ行くにつれて次第に広くなることを特徴とする請求項14乃至18の何れか1項に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項21】
前記チャックは、先端部及び連接部を備え、該先端部を貫通するように先端開口が形成され、該チャックに突出縁が形成され、該先端開口と連通すると共に突出縁を貫通する挿設穴が形成され、また、該連接部の断面面積が先端部の断面面積よりも大きく、該チャックにフランジが設けられ、
前記ケースの異軸部がフランジに当接するようにチャックの連接部に組み合わされ、該異軸部の壁を貫通するように異軸部の中空部分と連通する固定穴が形成され、
クリップが、着脱可能にチャック及びケースに取り付けられ、固定凸部及び挿設凸部を備え、該固定凸部は、異軸部の固定穴に挿設され、該挿設凸部は、前記クリップにおける、固定凸部と反対する端に設けられ、且つ突出縁の挿設穴に挿設されることを特徴とする請求項14に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項22】
キャップが、チャックに組み合わされ、チャックを収納するための開口端を備え、該開口端と反対する他端にスタイラス部が設置されることを特徴とする請求項14に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項23】
前記キャップは、外殻体及び内殻体を備え、該外殻体は中空状を呈し、両端にそれぞれ開口を有し、該内殻体は、外殻体の内部に嵌め込まれ、
前記スタイラス部は中空状を呈し、キャップに向かって外殻体に取り付けられ、一端に開口を有することを特徴とする請求項22に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項24】
衣類のポケットに掛止するために、前記ケースにさらに掛止部材が設置されることを特徴とする請求項19に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項25】
前記末端部にUSBフラッシュドライブが設置され、前記ケースの握持部に、USBフラッシュドライブに対応するUSBソケットが設けられることを特徴とする請求項14に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項26】
不規則形状及び中空状を呈するチャックと、
中空状の管体であり、前記チャックに取り付けられ、異軸部と、握持部と、末端部を備え、該異軸部の一端がチャックに組み合わされ、該異軸部における、チャックと反対する他端に異軸突起が設けられ、該握持部は、異軸部の異軸突起の近傍に連接されるように、異軸部と異なる軸線上に設けられ、該末端部は、握持部における、異軸部と反対する一端に取り付けられる、ケースと、
前記ケースにおける異軸部と握持部との接触箇所から握持部へ延出するように設けられ、その厚さは握持部へ行くにつれて次第に厚くなり、幅は握持部へ行くにつれて次第に広くなる、少なくとも1つの滑り止め部を有することを特徴とする握持を容易にする異軸ペン。
【請求項27】
少なくとも1つの第2指受け部を有し、該少なくとも1つの第2指受け部は、中指が宛がわれるように、ケースにおける異軸部と握持部にまたがる位置に設けられることを特徴とする請求項26に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項28】
2つの前記第2指受け部を有し、該2つの第2指受け部がそれぞれ2つの方向に斜めに向かうと共に、互いに組み合わせるように形成されることを特徴とする請求項27に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項29】
前記ケースの異軸部及び握持部はそれぞれ組立てにより構成され、該異軸部と握持部との間に、少なくとも1つのリングが設置され、該リングに前記第2指受け部が設けられることを特徴とする請求項28に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項30】
前記少なくとも1つの第2指受け部が凹面であることを特徴とする請求項27乃至29の何れか1項に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項31】
2つの前記リングを有し、
2つの前記第2指受け部を有し、該リングに前記第2指受け部が設けられ、該2つの第2指受け部がハート状となるように互いに組み合わされることを特徴とする請求項29に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項32】
指を宛がえるために、少なくとも1つの第1指受け部が前記異軸部の側壁から突出して離れる方向に斜めに延設されることを特徴とする請求項26または27に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項33】
前記少なくとも1つの第1指受け部及び異軸部の異軸突起に湾曲状突出面が設けられることを特徴とする請求項32に記載の握持を容易にする異軸ペン
【請求項34】
前記チャックは、先端部及び連接部を備え、該先端部を貫通するように先端開口が形成され、該チャックに突出縁が形成され、該先端開口と連通すると共に突出縁を貫通する挿設穴が形成され、また、該連接部の断面面積が先端部の断面面積よりも大きく、該チャックにフランジが設けられ、
前記フランジにケースの異軸部が当接するようにチャックの連接部に組み合わされ、該異軸部の壁を貫通するように異軸部の中空部分と連通する固定穴が形成され、
クリップが、着脱可能にチャック及びケースに取り付けられ、固定凸部及び挿設凸部を備え、該固定凸部は、異軸部の固定穴に挿設され、該挿設凸部は、前記クリップにおける、固定凸部と反対する端に設けられ、且つ突出縁の挿設穴に挿設されることを特徴とする請求項26に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項35】
キャップが、チャックに組み合わされ、チャックを収納するための開口端を備え、該開口端と反対する他端にスタイラス部が設置されることを特徴とする請求項26に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項36】
前記キャップは、外殻体及び内殻体を備え、該外殻体は中空状を呈し、両端にそれぞれ開口を有し、該内殻体は、外殻体の内部に嵌め込まれ、
前記スタイラス部は中空状を呈し、キャップに向かって外殻体に取り付けられ、一端に開口を有することを特徴とする請求項35に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項37】
衣類のポケットに掛止するために、前記ケースにさらに掛止部材が設置されることを特徴とする請求項32に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【請求項38】
前記末端部にUSBフラッシュドライブが設置され、
前記ケースの握持部に、USBフラッシュドライブに対応するUSBソケットが設けられることを特徴とする請求項26に記載の握持を容易にする異軸ペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に持ちやすい異軸ペンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存の異軸ペンは、ペンのケースと芯の先端を異なる軸線上に配置し、該ケースにおける芯の先端近傍に握持部を備え、使用者がその握持部を持って異軸ペンで書く。このような既存の異軸ペンは人間工学的であり、芯の先端が紙と垂直となるように持つことによりスムーズ書くことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
使用する時は、異軸ペンの姿勢を調整し続ける必要があるが、長時間に亘って同じ姿勢を維持することはできないため、書いた字が汚くなってしまう。つまり、使用者が異軸ペンの姿勢に慣れないと共に、正しい持ち方も出来ないことから、既存の異軸ペンを改良する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した問題を解決するために、本発明の握持を容易にする異軸ペンを開発し、使用者の指を位置させて握持を容易にするメリットを備え、左利きでも右利きでも使用することができる。
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンは、チャックと、ケースと、少なくとも1つの指受け部を有する。該チャックが不規則形状及び中空状である。該ケースは、中空状の管体であり、チャックに取り付けられ、異軸部と、握持部と、末端部を備え、該異軸部の一端がチャックに組み合わされ、該異軸部における、チャックと反対する他端に異軸突起が設けられ、該握持部は、異軸部の異軸突起の近傍に連接されるように、異軸部と異なる軸線上に設けられ、該末端部は、握持部の異軸部と反対する一端に取り付けられる。該少なくとも1つの指受け部は、異軸部の側壁に斜めに延設される。該少なくとも1つの指受け部及び異軸部の異軸突起に湾曲状突出面が設けられる。
【0006】
さらに、少なくとも1つの指受け部を有し、該少なくとも1つの指受け部は、ケースにおける異軸部と握持部と接触箇所且つ異軸部の異軸突起と反対する側に設けられることが好ましい。
【0007】
さらに、少なくとも1つの滑り止め部を有し、該少なくとも1つの滑り止め部は、ケースに設置され、また、異軸部と握持部との接触箇所から握持部へ延出するように設けられ、その厚さは握持部へ行くにつれて次第に厚くなり、幅は握持部へ行くにつれて次第に広くなることが好ましい。
【0008】
さらに、キャップを有し、該キャップは、チャックに組み合わされ、中空状を呈し、チャックを収納するための開口端を備え、該開口端と反対する他端にスタイラス部が設置されることが好ましい。
【0009】
さらに、クリップ部材を有し、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンは、クリップ部材により衣類のポケットに掛止することができる。該クリップ部材が握持部と末端部との間に設置される。
また、前記末端部にUSBフラッシュドライブ(universal serial bus, USB)が設置され、前記ケースの握持部に、USBフラッシュドライブに対応するUSBソケットが設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
(1)使用者は自然に、指受け部、滑り止め部、指受け部に、人指し指、親指、中指を位置させることが出来ることから、握持姿勢を長時間に亘り維持させることが出来ると共に、ケースの滑りや、指の滑りを防止することも出来るので、異軸ペンを正しく持って字を綺麗に書くことが出来る。そのうち、使用者が人指し指により力を入れて異軸ペンを持つ時、異軸ペンのケースからの反力による親指に滑り止めの効果が生じる。また、既存の異軸ペンを握持する時には、3本の指に同時に力を入れなければならないが、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンは、人間工学に基づく構成であると共に、滑り止めの効果にも優れ、更に、両側にそれぞれ指受け部、滑り止め部、指受け部が設置されることから、右利きでも左利きでも使用することができる。
【0011】
(2)本発明に係る握持を容易にする異軸ペンは、スタイラス部を設置できることから、タッチペンとして使用することができ、普通のスタイラスペンに比べ、持ちやすくて、人間工学的に基づいた構成であり、視界の邪魔を減少することが出来る。
【0012】
(3)本発明に係る握持を容易にする異軸ペンはさらに、末端部にUSBフラッシュドライブ(universal serial bus, USB)が設置されると共に、ケースの握持部に、USBフラッシュドライブに対応するUSBソケットが設けられることから、多機能を有し、また、USBフラッシュドライブをパソコンに接続したまま忘れてしまったら、異軸ペンにUSBフラッシュドライブが付いていないことをすぐ分かることから、USBフラッシュドライブを取り戻して紛失することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図5】本発明の第一実施例において、芯を交換する第一操作を示す側面視断面図である。
【
図7】本発明の第一実施例において、芯を交換する第二操作を示す側面視断面図である。
【
図8】本発明の第一実施例において、右利きの使用者が使用する状態を示す正面図である。
【
図9】本発明の第一実施例において、左利きの使用者が使用する状態を示す正面図である。
【
図10】本発明の第一実施例において、右利きの使用者が使用する状態を示す側面図である。
【
図11】本発明の第一実施例において、左利きの使用者が使用する状態を示す側面図である。
【
図12】本発明の第一実施例において、右利きの使用者が使用する状態を示す平面図である。
【
図13】本発明の第一実施例において、左利きの使用者が使用する状態を示す平面図である。
【
図15】本発明の第二実施例において、右利きの使用者が使用する状態を示す正面図である。
【
図16】本発明の第二実施例において、左利きの使用者が使用する状態を示す正面図である。
【
図19】本発明の第三実施例において、右利きの使用者が使用する状態を示す正面図である。
【
図22A】本発明の第六実施例における指受け部を示す第一外形図である。
【
図22B】本発明の第六実施例における指受け部を示す第二外形図である。
【
図22C】本発明の第六実施例における指受け部を示す第三外形図である。
【
図22D】本発明の第六実施例における指受け部を示す第四外形図である。
【
図22E】本発明の第六実施例における指受け部を示す第五外形図である。
【
図22F】本発明の第六実施例における指受け部を示す第六外形図である。
【
図23】本発明の第七実施例の部分分解斜視図である。
【
図27】本発明の第七実施例において、右利きの使用者が使用する状態を示す正面図である。
【
図28】本発明の第七実施例において、左利きの使用者が使用する状態を示す正面図である。
【
図29】本発明の第八実施例におけるキャップの底面図である。
【
図31】本発明の第八実施例において、キャップを掛止部材に掛止した状態を示す側面図である。
【
図32】本発明の第八実施例において、掛止部材を一方のスロットに係合させた状態を示す正面図である。
【
図33】本発明の第八実施例において、掛止部材を他方のスロットに係合させた状態を示す正面図である。
【
図34】本発明の第九実施例の部分拡大分解斜視図である。
【
図35】本発明の第九実施例の部分拡大側面断面図である。
【
図36】本発明の第九実施例の部分拡大側面図である。
【
図37】本発明の第十実施例の部分拡大分解側面図である。
【
図38】本発明の第十実施例の部分拡大側面断面図及びその端面断面図である。
【
図39】本発明の第十実施例において、タッチパネルを操作する状態を示す説明図である。
【
図40】本発明の第十実施例において、右利きの使用者がタッチパネルを操作する状態を示す説明図である。
【
図41】本発明の第十一実施例の分解側面断面図である。
【
図42】本発明の第十一実施例の側面断面図である。
【
図43】本発明の第十一実施例において、芯を交換する操作を示す側面断面図である。
【
図48】本発明の第十六実施例の一部を省略した側面図である。
【
図50】本発明の第十八実施例の部分分解側面図である。
【
図51】本発明の第十八実施例において、指受け部材を調整する操作を示す底面図である。
【
図52】本発明の第十九実施例において、指受け部材を組み合わせた状態を示す底面図である。
【
図53】本発明の第十九実施例において、指受け部材が離間した状態を示す底面図である。
【
図54】本発明の第二十実施例におけるキャップを示す側面断面図である。
【
図55】本発明の第二十一実施例の部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の適切な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1乃至
図5に示すように、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンは、チャック10と、ケース20と、クリップ30と、キャップ40と、芯50と、少なくとも1つの指受け部60を有する。
【0016】
前記チャック10は、不規則形状を呈し、先端部11及び連接部12を有し、該先端部11は、先端開口111と、突出縁112と、挿設穴113を備え、そのうち、先端開口111は、先端部11を貫通するように形成され、その内部に芯50を収納することができ、該突出縁112は、先端部11の外周面に形成され、該挿設穴113は、突出縁112を貫通するように形成され、該挿設穴113における先端開口111の近傍に掛け穴1131が形成され、該掛け穴1131によりクリップ30が着脱可能に取り付けられる。尚、本実施例においては、挿設穴113が先端開口111と連通し、該掛け穴1131が先端開口111と連通するように挿設穴113の内壁に形成されることが好ましい。
【0017】
前記連接部12の断面面積は、先端部11の断面面積よりも大きく、該連接部12における、挿設穴113の近傍にフランジ121が設けられ、挿設穴113と離れた箇所にタブ122が延設される。
前記ケース20は、チャック10の連接部12に取り付けられ、一端に開口を有し、他端が封閉した中空状の管体であり、異軸部21と、握持部22と、末端部23を備え、該異軸部21は、中空状且つ不規則形状を呈し、その一端がフランジ121に当接するように連接部12に組み合わされ、該一端の形状は連接部12の形状に対応している。
【0018】
尚、前記の異軸部21における、チャック10と反対する他端に異軸突起が設けられると共に、連接部12に凹部が形成されることにより、該異軸部21の異軸突起が連接部12の凹部に嵌め込まれて強固に組み合わされ、一方、異軸部21に凹部が形成されると共に、連接部12に異軸突起が設けられることにより、該連接部12の異軸突起が異軸部21の凹部に嵌め込まれて強固に組み合わされることが好ましい。
前記異軸部21は、ノッチ211と、固定穴212と、異軸突起を備え、そのうち、ノッチ211は、異軸部21の外周面における、挿設穴113と対応する箇所に凹設され、該ノッチ211にタブ122が係合され、該固定穴212は、異軸部21の壁を貫通するようにノッチ211に形成され、該異軸突起は、異軸部21における、チャック10と反対する側に設けられる。
【0019】
前記握持部22は、使用者が握持するために、異軸部21の異軸突起の近傍に連接され、異軸部21と異なる軸線上に設けられる。尚、本実施例においては、握持部22が異軸部21と一体に成形され、前記握持部22における、異軸部21と反対する一端近傍の外周面にネジ山が形成される。
前記末端部23は、握持部22における、異軸部21と反対する一端に取り付けられ、すなわち、該末端部23の内周面にネジ山が形成され、該末端部23がネジ山により握持部22のネジ山に螺合される。
また、他の実施例においては、前記異軸部21、握持部22、末端部23が一体に成形されてもよい。
【0020】
前記クリップ30は、細長状を呈し、着脱可能にチャック10及びケース20に取り付けられ、固定凸部31及び挿設凸部32を備え、該固定凸部31は、クリップ30をノッチ211に位置させるために、異軸部21の固定穴212に挿設され、該挿設凸部32は、クリップ30における、固定凸部31と反対する端に設けられ、且つ自由端及び非自由端を備え、該自由端の周長が非自由端の周長よりも長く、該非自由端が2つの部分に分けられて圧縮弾性を備え、該挿設凸部32は、チャック10に取り付けられ、掛け部321を備え、該掛け部321は、挿設穴113の掛け穴1131に挿設される。この構成によれば、チャック10とケース20とを強固に結合でき、また、前記クリップ30の挿設凸部32近傍の一端を引くとクリップ30を取外すことができる。
【0021】
前記キャップ40は、中空状を呈し、開口端及び封止端を備え、その形状がチャック10の先端部11の形状に対応することにより、チャック10の先端部11に組み合わされる。また、他の実施例においては、前記キャップ40の内周面に係合凸部が設けられ、前記先端部11の外周面に凹部が形成され、該キャップ40の係合凸部が先端部11の凹部に嵌め込まれて強固に結合され、更に、前記キャップ40の内周面に凹部が形成され、前記先端部11の外周面に突出部が設けられ、該突出部がキャップ40の凹部に嵌め込まれて強固に結合され、更に、該キャップ40に凹部41が凹設され、該凹部41にクリップ30の挿設凸部32近傍の一端が収容される。
【0022】
図4に示すように、前記芯50の一端がチャック10の先端開口111から突出すると共に、他端がケース20の末端部23に当接するように、チャック10及びケース20に貫設される。
【0023】
図5乃至
図7に示すように、前記芯50を交換する時は、まずキャップ40をチャック10から取外し、クリップ30における挿設凸部32の近傍の一端を引いて挿設凸部32の掛け部321を掛け穴1131から引き出せば、チャック10をケース20から取り外すことができる。そして、新たな芯50を交換した後、チャック10を、連接部12を介して再びケース20の異軸部21に組み合わせ、クリップ30の挿設凸部32を挿設穴113に挿し込むことによって、チャック10をケース20に組み合わせる。この構成によれば、芯50の交換をスムーズに行うことができるので、操作上の利便性が高い。
【0024】
図1乃至
図3に示すように、少なくとも1つの指受け部60は、使用者の人指し指を支えるものであり、異軸部21の側壁に斜めに延設され、また、該指受け部60及び異軸部21の異軸突起に湾曲状突出面が設けられる。尚、本実施例においては、右利きまたは左利きでも使用可能とするように、それぞれ両側に位置する三角形の2つの指受け部60を有することが好ましい。
また、他の実施例においては、その異軸部21に1つの指受け部60しか有しない。
【0025】
本発明に係る握持を容易にする異軸ペンを使用する時、使用者のペンを持つ習慣によって、右利きの使用者が右手で、左利きの使用者が左手での人指し指を使って指受け部60に宛がえる。その指受け部60と異軸部21との結合方法が上述した実施例に制限されることはない。その指受け部60は、異軸部21と一体に成形されると共に、異軸部21に凸設されてもよく、また、該指受け部60の外周面に湾曲状突出面が形成されてもよく、すなわち、使用者の人指し指を支えれば、如何なる形で形成されてもよい。
【0026】
図8、
図10、
図12は、右手で握持を容易にする異軸ペンを握持した状態を示す説明図であり、これからも分かるように、ケース20の上部を手の親指と人指し指が合流する箇所に固定し、ケース20の下部を手の親指と人指し指で挟み込むように握持すれば、握持を容易にする異軸ペンをスムーズにコントロールすることができる。また、人指し指は指受け部60の湾曲突出面に対応するように宛てがわれる。
また、人指し指を指受け部60に押し付けると(
図8に示した矢印の方向)、握持を容易にする異軸ペンからの反力により親指に滑り止めの効果が生じる。
一方、既存の異軸ペンを使用する時は、親指、人指し指、中指に相当な力を入れて異軸ペンを押付けるように握持する必要があるが、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンを使用する時は、指を握持を容易にする異軸ペンに軽く押付ければしっかりと握持することができると共に、滑り止めの効果にも優れ、また、指受け部60を所定の位置に設置することから、人指し指が直接に異軸部21に接触する必要がない。
【0027】
図9、
図11、
図13は、左利きの使用者が握持を容易にする異軸ペンを握持した場合の説明図であり、この構成によれば、指を湾曲突出面に押し当てる。
尚、本実施例の握持を容易にする異軸ペンの両側に、2つの指受け部60が配置されることから、右利きまたは左利きのどちらでも適用できる。
前記クリップ30がケース20の異軸部21の前側に、前記2つの指受け部60がケース20の異軸部21の両側に設置されていることから、右利きでも左利きでもクリップ30に邪魔されることはない。
【0028】
図14に示すように、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンはさらに、少なくとも1つの滑り止め部70を有し、該少なくとも1つの滑り止め部70は、ケース20の異軸部21に設けられ、該滑り止め部70により親指の発汗時のケース20に対する滑りを防止する。また、該少なくとも1つの滑り止め部70は、ケース20の異軸部21と握持部22との接触箇所から握持部22へ延出するように設けられる。
【0029】
前記少なくとも1つの滑り止め部70の厚さは、握持部22へ行くにつれて次第に厚くなり、幅は、握持部22へ行く次第に広くなる。また、前記少なくとも1つの滑り止め部70はそれぞれ台形を呈すると共に、ゴムなどの軟質材料からなり、着脱可能にケース20に取り付けられる。
また、前記少なくとも1つの滑り止め部70及びケース20の結合構造は、例えば、該少なくとも1つの滑り止め部70に結合凸部が設けられ、該ケース20に凹部が形成され、該滑り止め部70の結合凸部がケース20の凹部に嵌め込まれる構造であってもよく、又は、該滑り止め部70に凹部が形成され、該ケース20に結合凸部が設けられ、該ケース20の結合凸部が滑り止め部70の凹部に嵌め込まれる構造であってもよく、又は、該少なくとも1つの滑り止め部70が粘着材によりケース20に固定されてもよく、又は、該少なくとも1つの滑り止め部70がケース20と一体に成形されてもよい。尚、前記少なくとも1つの滑り止め部70は、複数本のリブ71を含む。
【0030】
図15及び
図16はそれぞれ、右利き及び左利きの使用者が握持を容易にする異軸ペンを握持した状態を示す説明図であり、この実施例では、何れの使い方も、人指し指を指受け部60の湾曲突出面に宛がうと共に、親指を滑り止め部70に宛がうように握持を容易にする異軸ペンを握持する。
そのうち、人指し指で指受け部60を押付けると(
図15及び
図16の下向き矢印)、握持を容易にする異軸ペンが滑り止め部70により反力を生じる(
図15及び
図16の上向き矢印)。このように、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンは、滑り止め部70が設置され、そこに親指の面の殆どが接触するので、親指がケース20に対して滑り止め効果を得られる。
【0031】
図15及び
図16に示すように、その指受け部60及び滑り止め部70はそれぞれ対向する側に設置されることから、持ちやすいと共に、滑り止めの効果も具備している。
【0032】
図17乃至
図19に示すように、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンはさらに、少なくとも1つの指受け部80を有し、該少なくとも1つの指受け部80は、ケース20における中指と接触する箇所に斜めに設けられると共に、異軸部21と握持部22との接触箇所且つ異軸部21における、異軸突起と反対する側に設けられる。
【0033】
三角法投影測定により描いた
図18に示すように、前記少なくとも1つの指受け部80には凹状の表面を有することから、中指を指受け部80に宛がえるように位置決めることができる。尚、本実施例における少なくとも1つの指受け部80の数量は1つであり、使用者が右手で握持を容易にする異軸ペンを握持する場合には、その指受け部80の傾斜方向は、使用者の利き手に合わせて形成されることから、右利きの使用者に適用するものである。
【0034】
図20の実施例では、その少なくとも1つの指受け部80の数量は2つであり、該2つの指受け部80が交互に設けられ、中指を位置決めるための蝶々の形状を呈している。
また、
図21に示すように、前記少なくとも1つの指受け部80の数量は、1つであり、該指受け部80は、ハート状で、中指を宛がえるように位置決めることができる。なお、
図22A乃至
図22Fに示すように、前記指受け部80は、蝶々や、トマト、りんご、コップ、文字模様、ハート、花などの形状であってもよい。一方、他の実施例においては、その指受け部80が、動物や、植物、日常用品、手紙、服などの形状であってもよく、つまり、その指受け部80の形状は、必要に応じて自由に変更することができるが、ハート形状を呈し、軟質材料からなる一体成形のものであることが好ましい。
【0035】
更に、その他の実施例において、その指受け部80は、着脱可能に握持を容易にする異軸ペンに取り付けられ、その指受け部80に結合凸部が設けられ、ケース20に凹部が形成され、該結合凸部がケース20の凹部に嵌め込まれてもよく、または、該指受け部80に凹部が形成され、ケース20に結合凸部が設けられ、その結合凸部が指受け部80の凹部に嵌め込まれてもよい。
【0036】
さらに、
図23及び
図24に示すように、その握持部22の上端における対向する両方に2つの握持部22が形成され、握持を容易にする異軸ペンをポケットに掛止して携帯しやすくするために、ケース20にさらに掛止部材90が設置され、該掛止部材90は、装着リング91及びクリップ92を備え、そのうち、装着リング91は、円環状を呈し、握持部22と末端部23との間に挟設され、すなわち、握持部22の上部または末端部23の下部に設置され、その内周面における、握持部22のスロット222と対応する箇所に凸部911が設けられる。
【0037】
右利きまたは左利きの使用者に対応するために、凸部911が選択可能に2つのスロット222のうちの1つに取り付けられ、前記クリップ92はベルト状を呈する。
【0038】
図25及び
図27に示すように、使用者が右手で握持を容易にする異軸ペンを握持する場合は、凸部911が、使用者に対して左側の滑り止め部70に対応するように、左側のスロット222に取り付けられ、反対に、使用者が左手で握持を容易にする異軸ペンを握持する場合は、凸部911が、使用者に対して右側の滑り止め部70に対応するように、右側のスロット222に取り付けられる。この構成によれば、使用者がどちらの手で握持を容易にする異軸ペンを握持しても、掛止部材90が親指から離れることはないと共に、掛止部材90の位置及び方向を簡単に且つ精確に調整することができる。
【0039】
図29乃至
図33に示すように、第八実施例では、キャップ40の凹部41にクリップ30が着脱可能に取り付けられると共に、該凹部41の幅がシャフト93の幅と同一であることから、該キャップ40がチャック10をカバーしてもよく、掛止部材90をカバーしてもよい。尚、この構成によれば、そのクリップ92がキャップ40の内部に収納されるため、キャップ40の紛失防止できる。
【0040】
図34乃至
図38に示すように、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンを多機能にするために、キャップ40にさらに、導電性材質からなるスタイラス部100が設置される。
【0041】
図34乃至
図36に示すように、前記スタイラス部100は、連接ユニット101によりキャップ40に取り付けられ、該連接ユニット101の一端がキャップ40の内部に嵌め込まれると共に、該連接ユニット101の他端がスタイラス部100に連結される。この構成によれば、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンをタッチペンとして使用することもできる。
【0042】
図37及び
図38に示すように、本実施例におけるキャップ40は、内殻体42及び外殻体43を備え、該内殻体42は、チャック10に取り付けられ、中空状を呈し、一端に開口端を有すると共に、他端に封止端を有し、ボタン421と、連接柱422と、細長穴423と、少なくとも2つの脇部424と、挿設穴を備え、そのうちボタン421は、内殻体42の開口端の近傍に位置するように、内殻体42の内壁に凸設され、該連接柱422は、内殻体42の封止端から延出するように設置され、該細長穴423は、連接柱422の軸方向に沿って連接柱422を貫通するように形成され、この構成によれば、連接柱422は圧縮弾性を備え、該少なくとも2つの脇部424は、連接柱422における細長穴423の近傍に凸設され、その脇部424の厚さは、内殻体42の封止端へ行くにつれて次第に薄くなり、該脇部424と内殻体42の封止端との間に一定の距離を有し、前記外殻体43は、挿設凸部32に組み合わされる。
【0043】
前記外殻体43は、中空状を呈し、両端にそれぞれ開口が形成され、2本の制限部431と、進入口432と、連接柱433を備え、該2本の制限部431は、外殻体43の内周面に径方向に凸設され、該進入口432は、制限部431の間に形成され、該制限部431の間の隙間は、脇部424の最大外径よりも小さく、該連接柱433は、外殻体43における、内殻体42の挿設穴と対応する箇所に凸設される。
【0044】
前記スタイラス部100は、導電性材料からなると共に、中空状を呈し、一端に開口端が、他端に封止端が設けられ、該開口端の内周長は、連接柱422の最大周長よりも短く、該スタイラス部100の外壁に2つの連接ユニット101が凹設される。
また、組立てる時は、前記制限部431をそれぞれ連接ユニット101の内部に設置するため、スタイラス部100を外殻体43に装着することができる。前記連接柱422が進入口432及び細長穴423が進入口432を通過して制限部431に係合される。
【0045】
更に、前記脇部424の厚さは、内殻体42の封止端へ行くにつれて次第に薄くなるため、連接柱422が変形して進入口432を通過しやすくなり、また、前記制限部431及びスタイラス部100は、脇部424と内殻体42の底部との間に保持される。
【0046】
一方、本発明に係る握持を容易にする異軸ペンをタッチペンとして使用する場合は、通常の異軸ペンの持ち方と同様に、異軸部21の上部
を握持する。また、
図39及び
図40に示すように、異軸部21の底部を握持してもよい。
この構成によれば、ケース20が、親指と人指し指との合流箇所に位置し、つまり、人指し指が指受け部80に位置し、中指が指受け部60に位置する。尚、スタイラス部100の底面がタッチパネルにピッタリと接触することができ、また、該スタイラス部100とタッチパネルとの接触面積が小さくしてもよい。
【0047】
本発明の握持を容易にする異軸ペンは、芯50を嵌め込めることが出来ると共に、インク補充や鉛筆削りを必要としない複数の替芯を備える、ロケット鉛筆であってもよく、
図41及び
図42に示すように、そのロケット鉛筆は、チャック10Aと、ケース20と、クリップ30と、複数の芯50Aを有し、そのうちチャック10Aは、中空状を呈し、区画部13により第一チャネル14と第二チャネル15に区画され、該第一チャネル14は、異軸部21及び異軸突起の近傍に形成され、第一凹部141と、芯保持部142と、止め部143を備え、該第一凹部141は、チャック10Aの外壁に形成され、該芯保持部142は、チャック10Aの先端部11に形成され、該止め部143は、区画部13と直交し、且つ第一チャネル14に伸びるように区画部13に設けられ、前記第二チャネル15は、第一チャネル14の近傍に形成され、押出し部151及び制限突起152を備え、該押出し部151は、芯保持部142の近傍に形成され、該制限突起152は、異軸部21に対応するように第二チャネル15の外壁に設けられる。尚、本実施例においては、ケース20が第一実施例のケース20よりもサイズが小さく、その末端部23の両端にそれぞれ開口端が形成され、該末端部23における、握持部22と反対する一端に押込み穴231が形成される。
【0048】
前記ケース20はさらに、芯ケース24を備え、該芯ケース24は、第二チャネル15と連通するようにケース20の内部に設置され、その両端にそれぞれ開口端を有し、内周面に2つのブロック241が凸設される。前記クリップ30は、殆ど第一実施例のクリップ30と同じである。また、前記芯50Aはそれぞれ芯ケース24の内部に設置され、その各芯50Aの外径は、芯ケース24の内径よりもやや長く、それらの芯50Aが一直線に排列するように順に嵌め込まれる。そのうち、最前の芯50Aをブロック241に接触するように位置させる。該各芯50Aの外径が押込み穴231の大径箇所の内径よりも少し大きいので、芯50Aを押込み穴231から末端部23に嵌め込んで装着することが出来る。
【0049】
更に、前記各芯50Aの外径は、芯保持部142の最大内径よりも大きいことから、芯50Aを芯保持部142に位置決めて保持することができるので、チャック10Aを、クリップ30及び制限突起152により芯ケース24に取り付けることができる。
【0050】
図43に示すように、芯50Aを交換する時は、芯保持部142から芯50Aを取外してから押込み穴231から芯ケース24に押し込めば、すべての芯50Aが前方の押出し部151へ向って移動すると同時に、先頭の芯50Aが押出し部151から押出されるので、該芯50Aを芯保持部142に装着すれば、握持を容易にする異軸ペンを使用することができる。つまり、芯50Aを交換する
時には、クリップ30及びケース20を取外す必要がないので、操作が非常に便利且つ簡単である。
尚、そのロケット鉛筆を持ちやすくするために、第一実施例と同様に、指受け部60と、滑り止め部70と、指受け部80を設置することが好ましい。
【0051】
図44に示すように、2つの指受け部60はそれぞれ、ケース20の両側に設けられる。
図45に示すように、2つの指受け部60及び2つの滑り止め部70はそれぞれ、ケース20の両側に設けられる。
図46に示すように、2つの指受け部60はそれぞれ、ケース20の両側に設けられると共に、指受け部80がケース20に形成される。
図47に示すように、2つの指受け部60及び2つの滑り止め部70はそれぞれ、ケース20の両側に設けられると共に、指受け部80がケース20に形成される。
図48に示すように、2つの指受け部60はそれぞれ、ケース20の両側に設けられると共に、掛止部材90がケース20の握持部22と末端部23との間に設置される。
【0052】
図49に示すように、指受け部60と、滑り止め部70と、指受け部80と、掛止部材90を有すると共に、キャップ40の底部にさらにスタイラス部100が取り付けられ、必要に応じて、指受け部60、滑り止め部70、指受け部80をケース20の一側または両側に設けてもよい。
つまり、前記指受け部60、滑り止め部70、指受け部80は、必要に応じて、例えば、ケース20の両側に設けてもよく、右利きまたは左利きの使用者に応じるために、ケース20の一側に設けてもよい。
【0053】
前記実施例における、指受け部80、握持部22、異軸部21は、一体成形でもよく、それぞれ組立てて構成してもよい。
図50及び
図51に示すように、その握持部22A、異軸部21A、指受け部60はそれぞれ、取外して分解することができ、つまり、該握持部22A及び異軸部21Aは、螺合柱210及びネジ穴(図示せず)により互いに組み合わされ、該螺合柱210は、異軸部21または握持部22に設けられ、その外径は異軸部21の外径よりも小さい。
【0054】
図51に示すように、指受け部材80Aはリング81Aに設けられ、該リング81Aは、回転可能に螺合柱210に環装され、使用時は、リング81Aを螺合柱210に対して回転させれば、指受け部材80Aの位置を調整することができる。
【0055】
さらに、
図52に示すように、2つの指受け部80B及び指受け部80Cが互いに組み合わせることによりハート状とし、また、互いに離間させれば、ブロークンハートの形状とすることも可能であり、使用者の好みによって指受け部80B、指受け部80Cを調整することができる。
【0056】
キャップ40Aの他の側面断面図である
図54に示すように、軟質のプラスチックのスタイラス部100Aは、連接柱422A及び外殻部43Aに接着されてもよく、前記の構造と異なっても構わない。この構成によれば、スタイラス部100Aに連接柱422Aを挿設させるための穴が形成されることから、スタイラス部100Aが、スタイラス部100Aに作用する力による変形することを防止できる。
【0057】
図55及び
図56に示すように、末端部23BにUSBフラッシュドライブ230B(universal serial bus, USB)が設置され、握持部22Bにおける末端部23B端に2つの保持凸部223Bが設けられ、保持凸部223Bの間にUSBソケット224Bが設けられ、掛止部材90Aが装着リング91Aにより保持凸部223Bに取り付けられ、該装着リング91Aの内周面に、2つの対応凹部910Aが軸方向に凹設され、該USBフラッシュドライブ230Bが保持凸部223Bとの間に位置すると共に、掛止部材90Aの対応凹部910Aに嵌め込まれる。この構成によれば、携帯しやすく、紛失し難い、USB付きの握持を容易にする異軸ペンを提供することができる。
なお、
図57に示すように、チャック10S、ケース20S、異軸部21Sは、3Dプリンターで一体成形されてもよい。その芯50Sをケース20Sに嵌め込むことが出来る。
【符号の説明】
【0058】
10 チャック
11 先端部
111 先端開口
112 突出縁
113 挿設穴
12 連接部
121 フレンジ
20 ケース
21 異軸部
212 固定穴
22 握持部
23、23B 末端部
230B USBフラッシュドライブ
224B USBソケット
30 クリップ
31 固定凸部
32 挿設凸部
40 キャップ
42 内殻体
43 外殻体
60 指受け部
70 滑り止め部
80、80A 指受け部
81A リング
90 掛止部材
100 スタイラス部