【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、独立請求項によって解決される。有利な構成は、特に、それぞれ自体で又は互いの異なる組合せで本発明の様相を表現し得る従属請求項に記載されている。
【0011】
プレート状の物体、特にスラブ及びシートを反転するための本発明によるシステムは、旋回軸を中心として旋回可能に配置されかつ反転すべきプレート状の物体のフラット面と物理的に接触可能である少なくとも1つの反転アームと、別の旋回軸を中心として旋回可能に配置されかつ反転すべきプレート状の物体の別のフラット面と物理的に接触可能である少なくとも1つの別の反転アームとを有し、両旋回軸が、互いに平行で互いに間隔を置いて配置され、駆動可能な少なくとも1つの偏心装置を有し、この偏心装置によって、旋回軸の一方の位置が、反転過程前及び/又は反転過程中に調整可能である。
【0012】
本発明によれば、少なくとも一方の旋回軸の位置は、特に連続的に調整されるが、両旋回軸は、不断に互いに平行に配置されている。旋回軸の位置を調整するための少なくとも1つの偏心装置の本発明による使用により、旋回軸の位置は、旋回軸に対して垂直に配置された平面内に位置する円形軌道上で調整され得る。これにより、旋回軸を中心として旋回可能に配置された反転アームの旋回軸に作用する軸受部分は、上昇、降下、他方の旋回軸へ向かう又は他方の旋回軸から離間するように移動され得る。また、円形軌道上の垂直及び水平の極端位置の間の旋回軸の多くの中間位置が、任意に可能である。旋回軸の位置調整時に、反転軸自身の位置は、不変のままである。
【0013】
他方の旋回軸へ向かう又は他方の旋回軸から離間するような旋回軸の移動により、旋回軸を中心として旋回可能に配置された反転アームと、他方の旋回軸を中心として旋回可能に配置された反転アームとの間の間隔は、特に連続的に変化させ得る。これにより、システムは、非常に正確に反転すべきプレート状の物体のそれぞれの厚さに適合され得る。これにより、一方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームから他方の旋回軸に旋回可能に配置された旋回アームへのプレート状の物体の引渡し時のプレート状の物体の折れ曲がりが、十分に回避され得る。これは、反転に伴う騒音発生の十分な低減を伴う。
【0014】
本発明によるシステムによる一方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームの他方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームへのその引渡し時のプレート状の物体の折れ曲がりの十分な回避により、システムの軸受における衝撃及び打撃が十分に低減される。これにより、摩耗部品、特に軸受の寿命が高められ、これにより、システムは、従来の反転器よりも高い寿命を備える。加えて、これは、整備コスト及び修理コストの軽減を伴う。
【0015】
加えて、本発明によるシステムによる一方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームから他方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームへのその引渡し時のプレート状の物体の折れ曲がりの十分な回避により、折れ曲がりに起因するプレート状の物体内の振動及びこれに伴う騒音発生は、十分に低減され得る。更に、折れ曲がりに起因するプレート状の物体のフラット面の損傷は、十分に回避され得る。
【0016】
旋回軸の位置は、少なくとも一方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームから他方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームへのプレート状の物体の引渡しの時点の互いに平行に配置された旋回軸の間の間隔が、最適にプレート状の物体のそれぞれの厚さに適合されているように、反転過程前及び/又は反転過程中に調整され得る。しかしながらまた、旋回軸の間の間隔のこの適合は、早期の時点で、例えば反転過程の前又は開始時に行なわれ得る。反転すべきプレート状の物体の異なる厚さへの旋回軸の間の間隔を適合させるため、プレート状の物体のソフトで衝撃のない引渡しを実現するためのアルゴリズムが、使用もしくは計算ユニット上で実行され得る。反転すべきプレート状の物体の異なる厚さへの旋回軸の間の間隔のこのような適合は、反転過程中も行なわれ得る。
【0017】
本発明によるシステムは、別個の(“スタンドアロン”)システムとして形成すること、又は、特に自動的に作動するプレート状の物体を検査するための検査ラインに統合すること、ができる。
【0018】
一方の旋回軸を中心として旋回可能に配置された反転アームは、他方の旋回軸に旋回可能に配置された反転アームに依存せず又はこの反転アームと同期して旋回可能であり得る。旋回軸に、特に逆方向に旋回可能に配置された反転アームの移動の同期は、この同期した旋回のために設けられた電気式、油圧式又は空圧式の駆動装置の相応の構成を介して行なわれ得る。
【0019】
本発明によるシステムは、旋回軸の一方を中心として旋回可能に配置された2つ以上の反転アームを備え得る。これら反転アームは、互いに依存せずに移動可能とし得るか、少なくとも1つの結合要素を介して互いに不動に連結し得る。
【0020】
反転過程前及び/又は反転過程中の旋回軸の一方の位置を調整するため、本発明によるシステムは、依存せず又は同期して駆動可能な2つ以上の偏心装置を備え得る。両旋回軸の位置も、それぞれ少なくとも1つの駆動可能な偏心装置を介して相応に、特に連続的に調整でき、これは、プレート状の物体の反転に伴う騒音発生の更に十分な低減と、本発明によるシステムの更に持続的な構成とを伴う。少なくとも1つの駆動可能な偏心装置は、電気式、油圧式又は空圧式の駆動装置によって駆動され得る。
【0021】
有利な構成によれば、駆動可能な偏心装置は、位置不動に配置された1つの反転軸と、少なくとも1つのラジアル軸受を介してこの反転軸上に配置された駆動可能な少なくとも1つの偏心ブッシュとを有し、反転アームの一方が、少なくとも1つのラジアル軸受を介して、駆動可能な偏心ブッシュと結合されている。駆動可能な偏心装置は、反転軸と結合された各反転アームのために、駆動可能な偏心ブッシュを備えることができ、この偏心ブッシュは、同期して又は互いに依存せずに駆動可能である。後者は、システムによる異なる寸法(長さ、厚さ、幅)を有するプレート状の物体の同時の反転を可能にする。偏心ブッシュの駆動時に、この偏心ブッシュは、位置不動に配置された反転軸を中心として回転される。この場合、“位置不動に配置された”は、反転軸は、その空間的な位置を変えないが、その長手方向中心軸を中心として回転可能に配置できることを意味する。ラジアル軸受の少なくとも1つは、ラジアル滑り軸受又はラジアル転がり軸受として形成することができる。
【0022】
選択的な有利な構成によれば、駆動可能な偏心装置は、位置不動でその長手方向中心軸を中心として回転可能に配置された1つの駆動可能な反転軸と、この反転軸上に配置されかつ回転不能にこの反転軸と結合された少なくとも1つの偏心体とを有し、反転アームの一方が、少なくとも1つのラジアル軸受を介して偏心体と結合されている。駆動可能な偏心装置は、反転軸と結合された各反転アームのために、偏心体を備え、この偏心体は、反転軸の駆動によって同期して移動可能である。ラジアル軸受は、ラジアル滑り軸受又はラジアル転がり軸受として形成することができる。システムのこの構成に対して選択的に、駆動可能な反転軸は、少なくとも1つのクランクピンを有するクランクシャフトの形式により形成することができ、このクランクピンには、少なくとも1つの反転アームが、なくとも1つのラジアル軸受を介して可動に配置されている。
【0023】
別の有利な構成によれば、システムは、反転すべきプレート状の物体のそれぞれの厚さを測定するための少なくとも1つの測定ユニットと、通信技術的にこの測定ユニットと接続可能な少なくとも1つのシステム電子機器とを備え、システム電子機器は、駆動可能な偏心装置を、反転すべきプレート状の物体のそれぞれ測定された厚さに依存して駆動するために形成されている。これにより、反転すべきプレート状の物体のそれぞれの厚さの検出に応じて、全自動化された反転過程が、プレート状の物体のそれぞれ測定された厚さに対して最適な旋回軸の間の間隔を設定するシステムによって実施され得る。システム電子機器は、別個に形成すること又は検査ラインの電子機器に統合することができる。相応の測定ユニットは、システムが別個のスタンドアロンシステムとして形成されている場合に特に有効である。システムが検査ラインに統合されている場合、測定ユニットは省略できる。何故なら、反転すべきプレート状の物体のそれぞれの厚さは、上位に置かれた制御装置の材料追跡システムを介してシステムへ引き渡さなければならないからである。それにもかかわらず、検査ラインに統合されたシステムは、相応の測定ユニットを備えることができる。
【0024】
更に、システムが、旋回軸の一方を中心として旋回可能に配置された少なくとも2つの反転アームを備え、各反転アームに、互いに依存せずに制御可能で
その制御を介してそれぞれの反転アームが旋回軸を中心として旋回可能である、制御可能な固有の駆動ユニットが付設されている場合が有利である。これにより、プレート状の物体を反転するために、十分な数の反転アームを使用することができるが、同じ旋回軸を中心として旋回可能な残りの反転アームは、反転に関与していない。制御可能な駆動ユニットは、電気式、油圧式又は空圧式に形成することができる。
【0025】
有利には、システムは、旋回軸の一方を中心として旋回可能に配置された少なくとも2つの反転アームを備え、これら反転アームが、少なくとも1つの結合要素を介して互いに不動に結合され、結合要素の反転すべきプレート状の物体の側に、少なくとも1つの機械的な減衰要素が配置されている。結合要素を介して、2つ以上の反転アームが1つのグループにまとめられ得る。反転アームは、2つ以上の結合要素を介して互いに不動に結合することができる。減衰要素により、例えばシートの形態のプレート状の物体が、その反転時に振動させられることを回避でき、これは、回避すべき騒音発生を伴う。減衰装置により、このような振動は、緩和することができる。減衰要素は、少なくとも部分的にエラストマーから形成することができる。2つ以上の減衰要素を、相応にプレート状の物体の振動を減衰するために使用することもできる。
【0026】
別の有利な構成によれば、システムは、駆動可能な少なくとも2つの偏心装置を備え、
・ これら偏心装置が、位置不動に配置されたそれぞれ1つの反転軸を備え、これら反転軸上に、それぞれ少なくとも1つの駆動可能な偏心ブッシュが、少なくとも1つのラジアル軸受を介して配置され、それぞれ少なくとも1つの反転アームが、少なくとも1つのラジアル軸受を介してそれぞれの駆動可能な偏心ブッシュと結合され、反転軸が、互いに整列するように配置されているか、
・ 位置不動でその長手方向中心軸を中心として回転可能に配置されたそれぞれ1つの駆動可能な反転軸を備え、これら反転軸上に、それぞれの反転軸と回転不能に結合されたそれぞれ少なくとも1つの偏心体が配置され、それぞれ少なくとも1つの反転アームが、少なくとも1つのラジアル軸受を介してそれぞれの偏心体と結合され、反転軸が、互いに整列するように配置されている。
【0027】
これにより、システムの搬入側及び/又は搬出側に、互いに依存せずに駆動可能な少なくとも2つの偏心装置を配置することができるので、システムによって、同時に、異なる寸法、特に異なる厚さを有する2つ以上のプレート状の物体を反転することができる。システムは、相応の駆動可能な複数の偏心装置を備えることもできる。
【0028】
旋回軸を中心として旋回可能に配置されかつ反転すべきプレート状の物体のフラット面と物理的に接触可能である少なくとも1つの反転アームと、別の旋回軸を中心として旋回可能で、反転すべきプレート状の物体の別のフラット面と物理的に接触可能である少なくとも1つの別の反転アームとを備え、両旋回軸が、互いに平行で互いに間隔を置いて配置されている反転システムを使用してプレート状の物体、特にスラブ及びシートを反転するための本発明による方法によれば、少なくとも一方の旋回軸の位置が、反転過程前及び/又は反転過程中に少なくとも1つの偏心装置によって調整される。
【0029】
この方法とは、システムに関して前で述べた利点が相応に結びついている。本発明による方法によれば、両旋回軸の位置も、それぞれ少なくとも1つの偏心装置によって反転過程前及び/又は反転過程中に、特に連続的に調整され得る。
【0030】
有利な構成によれば、反転すべきプレート状の物体のそれぞれの厚さが測定され、旋回軸の位置が、反転過程前及び/又は反転過程中に、少なくとも1つの偏心装置によって、反転すべきプレート状の物体の測定された厚さに依存して調整される。この構成とは、システムの相応の構成に関して前で述べた利点が相応に結びついている。
【0031】
別の有利な構成によれば、旋回軸の一方を中心として旋回可能に配置された少なくとも2つの反転アームが、共に又は互いに依存せずに旋回軸を中心として旋回可能である。後者は、プレート状の物体を反転するために十分な数の反転アームが使用されることを可能にするが、同じ旋回軸を中心として旋回可能な残りの反転アームは、反転に関与していない。
【0032】
以下で、本発明を、添付図に関係させて好ましい実施例により模範的に説明するが、以下で表現される特徴は、それ自体でも、異なる互いの組合せでも、本発明の様相を表現し得る。