特許第6552625号(P6552625)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552625
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】車両及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/22 20071001AFI20190722BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20190722BHJP
   B60W 20/00 20160101ALI20190722BHJP
   B62D 53/04 20060101ALI20190722BHJP
   B60D 1/01 20060101ALI20190722BHJP
   B60D 1/26 20060101ALI20190722BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20190722BHJP
【FI】
   B60K6/22ZHV
   B60W10/08 900
   B60W20/00
   B62D53/04 Z
   B60D1/01
   B60D1/26
   B60L50/16
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-538719(P2017-538719)
(86)(22)【出願日】2015年12月9日
(65)【公表番号】特表2018-509328(P2018-509328A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】EP2015079103
(87)【国際公開番号】WO2016116215
(87)【国際公開日】20160728
【審査請求日】2017年9月21日
(31)【優先権主張番号】14/604,357
(32)【優先日】2015年1月23日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン シュワンク
(72)【発明者】
【氏名】リー ジアン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー ミアシュ−ヴィーマース
【審査官】 鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第10101342(DE,A1)
【文献】 国際公開第2014/208028(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0013188(US,A1)
【文献】 特開平6−336966(JP,A)
【文献】 特開2014−223899(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102008051982(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00−50/16
B60K 6/20− 6/547
B60D 1/01
B60D 1/26
B60L 1/00− 3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータを備えたマイルドハイブリッド車の制御方法であって、
前記電気モータは、選択的にトルクを出力し、前記マイルドハイブリッド車の内燃機関の動作中に電力を得るために選択的に発電機として動作するように配置されている、方法において、
前記方法は、
前記マイルドハイブリッド車の外部の位置からアクセス可能なインタフェースであって、前記内燃機関が動作禁止され且つ前記電気モータのみが前記マイルドハイブリッド車の少なくとも1つの駆動輪へ動力を供給するように動力供給が制限される非駆動モードで、前記マイルドハイブリッド車を動作させるように制御するために構成されたインタフェースを設けることと、
前記インタフェースを介して人間の操作者から入力を受け取ることと、
前記入力に応答して、前記マイルドハイブリッド車を前記非駆動モードで前記電気モータの動力のみによって動作させることと、
を含み、
前記方法はさらに、
前記マイルドハイブリッド車に取り付けられるヒッチを設けること
を含み、
前記マイルドハイブリッド車を前記非駆動モードで前記電気モータの動力のみによって動作させることは、ヒッチ連結器と前記ヒッチとをアライメントすることを含む、
方法。
【請求項2】
前記方法はさらに、前記インタフェースへの前記入力に応答して前記マイルドハイブリッド車を操舵することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マイルドハイブリッド車はさらに、イグニッションコントロール部を備えており、
前記方法はさらに、前記イグニッションコントロール部からのキーの除去に応答して前記インタフェースを非動作状態からイネーブルすることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インタフェースは、前記マイルドハイブリッド車と一体であり、又は、前記マイルドハイブリッド車の外部に接続されており、
前記方法はさらに、前記インタフェースを動作させる前に当該インタフェースに前記キーを配置することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記インタフェースは、前記マイルドハイブリッド車の外部から分離しており、
前記マイルドハイブリッド車を前記電気モータの動力のみによって動作させる前に、前記方法はさらに、前記インタフェースから無線信号を送信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マイルドハイブリッド車を前記電気モータの動力のみによって動作させることは、前記内燃機関を動作させずに前記電気モータを用いて当該内燃機関のクランク軸を回転させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
マイルドハイブリッド車であって、
内燃機関と、
選択的にトルクを出力し、前記内燃機関の動作中に電力を得るために選択的に発電機として動作するように配置された電気モータと、
前記マイルドハイブリッド車の外部パネル上又は当該外部パネル外部に配置されており、前記電気モータの動作を制御するための信号を供給するように構成されたインタフェースと、
前記マイルドハイブリッド車に取り付けられたヒッチと、
を備えており、
前記信号に応答して、前記内燃機関が動作禁止され且つ前記電気モータのみが前記マイルドハイブリッド車の少なくとも1つの駆動輪へ動力を供給するように動力供給が制限される非駆動モードで、前記マイルドハイブリッド車が動作するように構成されており、
前記マイルドハイブリッド車が前記非駆動モードで前記電気モータの動力のみによって動作することは、ヒッチ連結器と前記ヒッチとをアライメントすることを含む、
マイルドハイブリッド車。
【請求項8】
前記インタフェースはさらに、前記マイルドハイブリッド車の少なくとも1つの駆動輪を操舵するように構成されている、
請求項に記載のマイルドハイブリッド車。
【請求項9】
前記インタフェースは、前記マイルドハイブリッド車の外部パネルから分離しており、前記電気モータの動作を制御するための無線信号を供給するように構成されている、
請求項に記載のマイルドハイブリッド車。
【請求項10】
前記電気モータは、一体化されたスタータジェネレータである、
請求項に記載のマイルドハイブリッド車。
【請求項11】
前記インタフェースは、前記マイルドハイブリッド車の後部側の当該マイルドハイブリッド車の外部パネル上に配置されている、
請求項に記載のマイルドハイブリッド車。
【請求項12】
マイルドハイブリッド車のヒッチをヒッチ連結器とアライメントするように当該マイルドハイブリッド車を制御する方法であって、
前記マイルドハイブリッド車の内燃機関と電気モータとからの最大出力の利用により連続走行するための通常駆動モードで前記マイルドハイブリッド車を動作させることと、
前記マイルドハイブリッド車の外部パネル上又は当該外部パネルの外側に配置されるインタフェースを設けることと、
前記インタフェースが通信関係を確立するように前記インタフェースを非動作状態からイネーブルすることにより、前記電気モータの動作を制御するための当該インタフェースへの人間による入力が送信され、前記インタフェースの前記イネーブルにより、前記マイルドハイブリッド車の動作が、通常駆動モードから、前記内燃機関が動作禁止され且つ前記電気モータのみが前記マイルドハイブリッド車の少なくとも1つの駆動輪へ動力を供給するように動力供給が制限される非駆動モードに移行することと、
前記マイルドハイブリッド車を前記非駆動モードで動作させるための、前記インタフェースへの前記人間による入力に応答して、前記ヒッチが前記ヒッチ連結器とアライメントするまで前記電気モータの動力のみによって前記マイルドハイブリッド車前記非駆動モードで動作させることと、
前記インタフェースをディスエーブルすることと、
を含む方法。
【請求項13】
前記方法はさらに、前記インタフェースへの前記人間による入力に応答して前記マイルドハイブリッド車を操舵することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記マイルドハイブリッド車はさらに、イグニッションコントロール部を備えており、
前記方法はさらに、前記イグニッションコントロール部からのキーの除去に応答して前記インタフェースをイネーブルすることを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記インタフェースは、前記マイルドハイブリッド車と一体であり、又は、前記マイルドハイブリッド車の外部に接続されており、
前記方法はさらに、前記インタフェースを動作させる前に当該インタフェースに前記キーを配置することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記インタフェースは、前記マイルドハイブリッド車の外部から分離しており、
前記電気モータを前記非駆動モードで動作させる前に、前記方法はさらに、前記インタフェースから無線信号を送信することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記電気モータを前記非駆動モードで動作させることは、前記内燃機関を動作させずに前記電気モータを用いて当該内燃機関のクランク軸を回転させることを含む、
請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景技術
汚染削減を対象とする政府規制の増加と、車両燃料の経済性の向上とに伴い、多くの自動車製造者及びサプライヤが、燃料削減技術の改善及び進歩に焦点を当てている。進歩の一分野は、マイルドハイブリッド車を製造するために車両の内燃機関と小型電気モータとの製造者の連携を有する。マイルドハイブリッド車は一般的には標準的なハイブリッド車と同様に機能し、回生ブレーキ能力を有する。しかし、電気モータは、内燃機関によって生成される出力を補足できるが、電気モータはそれ自体では車両に動力を与えることができないので、電動のみの駆動モードは存在しない。
【背景技術】
【0002】
車両は、当該車両の後部に取り付けられるトレーラヒッチを備えることができ、これは通常、牽引ボール、牽引フック、トレーラループ又は牽引ピントルとして実現されている。大型トラックも、他の代替的なトレーラヒッチ、第5の車輪を備えることができ、これはトラックの台床に取り付けられる。トレーラヒッチは、特に閉鎖型又はオープントレーラ、車両及びレジャー用キャンプカーを含む種々の物を牽引するため、ヒッチ連結器とアライメントする。ヒッチとヒッチ連結器とをアライメントするためには、しばしば、運転者に指示を与えるために車両の後部付近に位置する第2の個人、見張り者の補助の下で、車両操作者が車両を正確にバックさせなければならないことが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
本発明は一側面では、電気モータを備えたマイルドハイブリッド車の制御方法を開示するものであり、当該電気モータは、選択的にトルクを出力し、当該マイルドハイブリッド車の内燃機関の動作中に電力を得るために選択的に発電機として動作するように配置されている。車両の外部からアクセス可能な位置に、インタフェースが設けられている。インタフェースは、マイルドハイブリッド車の非駆動動作を制御するために構成されている。このインタフェースを介して人間の操作者から入力を受け取る。この入力に応答して、マイルドハイブリッド車は当該マイルドハイブリッド車の電気モータの動力のみによって動作する。
【0004】
本発明は他の一側面では、内燃機関と電気モータとを備えたマイルドハイブリッド車を開示するものであり、当該電気モータは、選択的にトルクを出力し、当該内燃機関の動作中に電力を得るために選択的に発電機として動作するように配置されている。車両の外部パネル上又は当該外部パネルの外側に、インタフェースが配置されている。このインタフェースは、電気モータの動作を制御するための信号を供給するように構成されている。当該信号に応答して、マイルドハイブリッド車の電気モータのみが、車両の少なくとも1つの駆動輪へ動力を供給するように構成されている。
【0005】
本発明は、さらに他の一側面では、マイルドハイブリッド車のヒッチをヒッチ連結器とアライメントするように当該マイルドハイブリッド車を制御する方法を開示する。マイルドハイブリッド車の内燃機関と電気機械とからの最大出力の利用により連続走行するための通常駆動モードで、マイルドハイブリッド車を動作させる。マイルドハイブリッド車の外部パネル上又は当該外部パネルの外側に、インタフェースが配置されている。非動作状態からこのインタフェースが通信関係を確立することをイネーブルし、これにより、電気モータの動作を制御するための当該インタフェースへの人間による入力が送信され、インタフェースの前記イネーブルにより、マイルドハイブリッド車の動作が通常駆動モードから、マイルドハイブリッド車が電気モータのみを介して動力を受け取ることにのみ制限される非駆動モードに移行する。マイルドハイブリッド車を非駆動モードで動作させるための、インタフェースへの人間による入力に応答して、ヒッチがヒッチ連結器とアライメントするまで電気モータを動作させる。インタフェースはディスエーブルされる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ヒッチ及びインタフェースを備えた車両並びにヒッチ連結器の概略的な上面図である。
図2】ヒッチ及び無線インタフェースを備えた車両並びにヒッチ連結器の概略的な上面図である。
図3】ヒッチとヒッチ連結器とをアライメントするように図1又は図2の車両を制御する方法を示すフローチャートである。
【0007】
本発明の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は本願において、以下の説明に記載され又は添付図面に示された構成要素の詳細な構成及び配置に限定されないと解すべきである。本発明は他の実施形態でも実施可能であり、かつ、種々の態様で実用化又は実施することができる。また、ここで使用した表現や用語は説明のためのものであり、これらも、本発明を限定するものとしてみなすべきではないと解すべきものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
図1は、内燃機関24及び電気モータ28を有するマイルドハイブリッドパワートレインを備えた車両20を示している。電気モータ28は、蓄積した電気エネルギーを回転運動又はトルクに変換するモータとしてだけでなく、選択的に、運動エネルギーの存在下(例えば、車輪回転)で電力を得る発電機としても動作し得る電気機械である。内燃機関24は、車両20を駆動するときに少なくとも1つの車輪32に動力を供給するように構成されている。車両20は、図示のように4つの車輪32を備えているが、他の構成では、車輪の他の数も任意に選択することができる。車輪32のうち1つ又は複数は、駆動輪とすることができる(例えば、前輪駆動、後輪駆動、総輪駆動等)。電気モータ28は、電池36に電気的に接続されており、選択的に内燃機関24を補助することができる。しかし、電気モータ28は、内燃機関24によって生成される出力を補足することはできるが、電気モータ28はそれ自体では車両20に動力を与えることができないので、電気モータ28単独では車両20を駆動することができない。一部の構成では電気モータ28は、内燃機関24を非動作状態から始動するように動作し得るスタータジェネレータとして構成されている。電気モータ28は、内燃機関24と一体化することができ(例えば、一体化されたスタータジェネレータ)、又は、モータ28は、内燃機関24に着脱可能な別個の部品とすることができる。一体化しているか否かにかかわらず、電気モータ28が動作するときには常に、内燃機関24のクランク軸が必ず回転するように、内燃機関24と電気モータ28とを機械的に直接接続することができる。内燃機関24を介して電気モータ28を車輪32に接続するのではなく、内燃機関24より下流にある、ドライブトレインの他の代替的な機械要素を介して、電気モータ28を車輪32に接続することもできる。例えば、車両20の変速機、車軸及び駆動軸のうち1つに、任意選択的にこれと一体化して、電気モータ28を設けることができる。
【0009】
内燃機関24は、イグニッションコントロール部40に電子的に接続されている。イグニッションコントロール部40は、車両20の電気系統システムを動作させるために構成されたユーザ操作可能な入力装置である。イグニッションコントロール部40は、複数のモード間で移行するように構成されている。図1に示されているように、イグニッションコントロール部40は、ロックモードと付属品モードとオンモードとスタートモードとを有するキー方式のイグニッションスイッチとして実現することができる。
【0010】
ロックモードは、キーをイグニッションコントロール部40から除去することを許容するものである。スタートモードは、スタータモータのソレノイドを動作させて内燃機関24がクランク回転及び始動し得るようにする、一時的なモードである。スタートモードは、ユーザによって圧力が加えられている間のみ作動する。ユーザの圧力が除去されると、イグニッションコントロール部40はオンモードに安定する。オンモードにあるときにおいて、車両20の操作者又は「運転者」によって要求された場合、内燃機関24は、当該内燃機関24からの出力と電気モータ28からの出力との最大補完の利用により連続走行を行うための通常駆動モードで動作することができる。キー方式のイグニッションスイッチに代えて、イグニッションコントロール部40をプッシュスタートイグニッション装置(例えば、押しボタン又はトグル装置)として実現することもできる。
【0011】
車両20はさらに、ヒッチ44も備えている。ヒッチ44は、車両20のポストから延在してシャシーに接続されている球体の牽引ボールとして示されている。ヒッチ44は、カップ形の部分を有するヒッチ連結器48によって受容されるように構成されている。これに代えてヒッチ44を、ヒッチ構成の中でも特に、牽引フック、トレーラループ、牽引ピントルとして構成することもできる。ヒッチ44をヒッチ連結器48に取り付けるためには、ヒッチ44とヒッチ連結器48とを互いに連結できるように、これら2つをアライメントしなければならない。例えば、その後の取付けのために球状の牽引ボールの直ぐ上にカップ状部分が来るように、牽引ボールを鉛直方向においてヒッチ連結器48とアライメントしなければならない。
【0012】
車両20の外部パネル56(例えば、車体パネル、バンパー、トラック台床若しくはテールゲート等)上又は外部に、インタフェース52が設けられている。インタフェース52は、外部環境に完全に露出することができ、又は、少なくとも部分的に隠すことができ、又は、露出位置と少なくとも部分的に隠れる位置との間でトグル切替えすることができる。インタフェース52は、ボタン、トグル、スイッチ等の有形の入力部を備えることができる。これと共に又はこれに代えて、インタフェース52は、例えば、タッチスクリーン及びトラックパッド等の容量式又は感圧式の入力部を備えることもできる。さらにインタフェース52は、音声認識又はジェスチャ認識等の非物理的なやりとりを測定する入力装置を備えることもできる。インタフェース52は、車両20の外部パネル56に物理的に接続することができる(例えば、一体的に固定又は係留することができる)。インタフェース52は、コントローラ64によって選択的にイネーブルされた場合にのみ電気モータ28の動作を制御するための信号を供給するように、電気的に接続されている。これに代えて、図2に示されているように、車両20Bに無線インタフェース52Bが設けられている。この無線インタフェース52Bはインタフェース52と同様であるが、電気モータ28の動作を制御するために車両20Bと無線で通信するように(例えば、図示されていない受信器を介してコントローラ64と無線で通信するように)構成されている。図示されていないが、インタフェース52,52Bを介して、車両20の操舵可能な車輪32を操縦できるように、コントローラ64を車両20,20Bの操舵アセンブリに結合することもできる。
【0013】
図3は、図1乃至図2のヒッチ44とヒッチ連結器48とをアライメントする方法を示すフローチャートである。図3では、図1の符号を参照するが、図3の方法は、図2の車両20Bにも適用することができる。操作者は、車両20の外部において車両20の後端部60付近に、ヒッチ44及びヒッチ連結器48が見える位置にいる。ステップ120において、インタフェース52をイネーブルする。このことは、イグニッションコントロール部40からキーを除去してインタフェース52にキーを挿入することを含み得る。これに代えて、許可された操作者のみによって操作がなされることを保証するため、インタフェース52は、特定の順序で操作されることを要する複数のボタン(例えば、有形のボタン、スクリーン上のボタン等)を備えることもできる。さらに、インタフェース52をイネーブルするために、コントローラ64によって音声コマンドを認識することもできる。これに代わる他の入力手法も、インタフェース52と共に使用することができる。指定されたイネーブル動作に応答して、コントローラ64はインタフェース52と電気モータ28との電気的接続を確立し、これにより、電気モータ28の動作はインタフェース52からの入力のみに応答して制御される。
【0014】
車両20は、インタフェース52がイネーブルされたときに非駆動モードで動作することができる。内燃機関24は動作禁止され、車両20は非駆動モードで電気モータ28単独で動作する。非駆動モードは、通常駆動における車両の最大能力より低い能力に車両20を制限するモードである。制限された非駆動モードでは、車両20の動作を、許容可能な総走行距離(駆動輪の1回転、車両の長さ1つ分、等)、最大速度(例えば、時速1マイル未満、駆動輪の毎分10回転、等)又は双方に制限することができる。
【0015】
インタフェース52がイネーブルされた後、ステップ124において、操作者は、所望の車両動作に基づいて、インタフェース52に入力を与える。例えば、ヒッチ44とヒッチ連結器48とをアライメントするために車両20をバックすべきであると操作者が判断した場合、入力は、インタフェース52上の、車両20の後端部60を向いた方向矢印のユーザ接触を含み得る。ステップ128において、この入力によってインタフェース52に対し、電気モータ28へ信号を供給することが通知される。車両20が無線インタフェース52Bを備えている場合には、無線インタフェース52Bが電気モータ28の動作を制御するための無線信号を供給する。この信号に応答して、電気モータ28は、非駆動モードで車両20を動作させる。非駆動モードにおいて電気モータ28によって達成される車両20の動作は、ステップ132において車両20の駆動輪32を前進方向及び/又は後進方向に回転させることと、任意選択的に、ステップ136において車両20の操舵可能な車輪32を操舵することとを含み得る。
【0016】
ステップ140において、操作者は、ヒッチ44がヒッチ連結器48とアライメントしているか否かを点検する。ヒッチ44がヒッチ連結器48とアライメントしていない場合、本方法はステップ124へ戻り、操作者によって更なる入力がインタフェース52に与えられる。ヒッチ44がヒッチ連結器48とアライメントしている場合、ステップ144においてインタフェース52をディスエーブルする。インタフェース52のディスエーブルは、ステップ120においてインタフェース52をイネーブルした動作のアンドゥ操作を含むことができる。キーをインタフェース52から除去すること、ボタン若しくはスイッチを押圧し若しくはトグル切替えすること、又は、音声コマンド若しくはジェスチャコマンドが、インタフェース52をディスエーブルすることができる。その後、ステップ148において、車両20がさらに動作するのを阻止するため、車両20を自動的又は操作者によってパーキングモードにする。
【0017】
ヒッチとヒッチ連結器とをアライメントするプロセスは、従来は、車両の操作者と、車両の外部に位置する見張り者とを必要としていた。見張り者は、ヒッチ及びヒッチ連結器の双方が見える位置に立ち、車両の操作者とやりとりして、ヒッチとヒッチ連結器とを正確にアライメントするための方向及び距離を与える。かかるプロセスは2人の個人を必要とし、車両の操作者は、見張り者の指示をペダルの踏込み及びステアリングホイールの回転に変換しなければならない。自律車両制御は近年開発されてきており、ヒッチとヒッチ連結器との完全自動のアライメントに適したものとなり得る可能性があるが、自律制御技術は揺籃期にあり、その複雑性とコスト上の理由により通常駆動中は未だ運転者の操作を必要とする現在の車両に実装することは実用的ではない可能性がある。それに対して、本発明は、最小限の追加コスト及びハードウェアで、マイルドハイブリッドパワートレインの設計上の主機能外で機能するためにマイルドハイブリッドパワートレインにおいて電気機械の利点を生かして更なる有用な機能を提供し得る、全く新規の動作モードを効率的に実現するように、既存のマイルドハイブリッド車を変換することができる。
図1
図2
図3