(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベースと、2対の側板とを備え、前記側板と前記ベースとはヒンジ機構によって接続され、前記側板の下方に複数の延出部が設けられ、前記ベースに前記延出部と係合可能な複数の溝が設けられ、少なくとも1つの前記延出部および少なくとも1つの前記溝に前記ヒンジ機構が設けられる折り畳み式容器であって、
少なくとも1つの前記延出部には連続曲面輪郭がさらに設けられ、少なくとも1つの前記溝には少なくとも1つの係合面がさらに設けられ、
または、少なくとも1つの前記溝には連続曲面輪郭が設けられ、少なくとも1つの前記延出部には係合面が設けられ、
前記係合面は、前記連続曲面輪郭と係合し、
前記側板が折畳状態から開放状態へ変化する過程において、前記連続曲面輪郭と前記係合面との接触が維持され、
前記側板が折り畳み状態から開放状態へ変化する場合、前記連続曲面輪郭が前記係合面と内接することによって、前記ベースから前記側板に対して、前記延出部を下方へ運動させる垂直分力と前記ベースと平行な水平分力とに分解可能な合力を作用するように設けられる、
ことを特徴とする折り畳み式容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来の折り畳み式容器に存在している問題を解決するために、折り畳み式容器の側板における無秩序なヒンジの回転リセット構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明の1つの側面は、ベースと、2対の側板とを備え、前記側板と前記ベースとはヒンジ機構によって接続され、前記側板の下方に複数の延出部が設けられ、前記ベースに前記延出部と係合可能な複数の溝が設けられ、少なくとも1つの前記延出部および少なくとも1つの前記溝に前記ヒンジ機構が設けられる折り畳み式容器であって、少なくとも1つの前記延出部には連続曲面輪郭がさらに設けられ、少なくとも1つの前記溝には少なくとも1つの係合面がさらに設けられ、または、少なくとも1つの前記溝には連続曲面輪郭がさらに設けられ、少なくとも1つの前記延出部には係合面が設けられ、前記係合面は前記連続曲面輪郭と係合し、前記側板が折り畳み状態から開放状態へ変化する過程において、前記連続曲面輪郭と前記係合面との接触が維持される折り畳み式容器を提供する。
【0007】
好ましくは、前記折り畳み式容器の側板とベースとの折り畳み方式は、無秩序な折り畳み方式である。
【0008】
好ましくは、前記側板が折り畳み状態から開放状態へ変化する過程において、前記連続曲面輪郭と前記係合面との接触が維持される。
【0009】
好ましくは、前記側板が折り畳み状態から開放状態へ変化する過程において、前記連続曲面輪郭と前記係合面との接点が前記係合面に絶えずに移動する。
【0010】
好ましくは、前記連続曲面輪郭が設けられる前記延出部の少なくとも一方側に延出ブロックが設けられ、前記連続曲面輪郭は、前記延出ブロックに設けられる第1の側面であり、前記係合面が設けられる前記溝の対応する側に側溝が設けられ、前記側溝の上方に止め部が設けられ、前記係合面は、前記止め部の下側に設けられる第2の側面である。
【0011】
好ましくは、前記連続曲面輪郭は、前記側板が前記ベースに対して直立する場合に前記止め部の下側に密着するように設けられる第3の側面を更に備える。
【0012】
好ましくは、前記連続曲面輪郭は、前記側板の下面との間で一定の隙間が存在するように設けられる第3の側面を更に備える。
【0013】
好ましくは、前記第1の側面と前記第2の側面とは、前記側板が折り畳み状態から開放状態へ変化する場合、前記第1の側面が前記第2の側面と内接することによって、前記ベースから前記側板に対して、前記延出部を下方へ運動させる垂直分力と前記ベースと平行な水平分力とに分解可能な合力を作用するように設けられる。
【0014】
好ましくは、前記合力と前記水平分力とのなす角度が45度以下である。
【0015】
好ましくは、前記延出部の少なくとも一方側に案内ピンが設けられ、前記係合面は、前記案内ピンに設けられる第4の側面であり、前記溝の対応する側に側溝が設けられ、前記側溝の上方に止め部が設けられ、前記連続曲面輪郭は、前記止め部の下側に設けられる第5の側面である。
【0016】
好ましくは、前記案内ピンは円柱ピンであり、前記係合面は前記円柱ピンの外面である。
【0017】
好ましくは、前記ヒンジ機構は、前記延出部に設けられるヒンジピンと、前記溝に設けられる係合機構とを備える。
【0018】
好ましくは、前記延出部は、その一方側に前記ヒンジピンが設けられるとともに、他方側に前記連続曲面輪郭が設けられ、前記係合機構は、前記溝の一方側に設けられる直溝である。
【0019】
好ましくは、前記延出部の両側に前記連続曲面輪郭が設けられ、前記延出部の先端に前記ヒンジピンが設けられ、前記係合機構は、前記ヒンジピンと係合することによって前記ヒンジピンを前記係合機構に沿って上下移動させることができる。
【0020】
好ましくは、前記係合機構は、前記溝に設けられる案内柱であり、前記案内柱は、前記ヒンジピンと係合することによって前記ヒンジピンを前記案内柱に沿って上下移動させることができる。
【0021】
好ましくは、前記ヒンジピンの中間部に貫通孔が設けられ、前記案内柱は前記貫通孔を貫通するとともに前記貫通孔内に上下摺動することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、大型の折り畳み式容器の側板における無秩序なヒンジの回転リセット機構が開示され、接触、回転および変位などのカム機構を活用することにより、側板における無秩序なヒンジの回転過程における干渉、衝突などの問題を効率よく解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の折り畳み式容器を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1における側板が開放状態となった場合の折り畳み式容器の一部を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1における側板が折畳状態となった場合の折り畳み式容器を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1におけるヒンジ延出部を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施例1におけるヒンジ溝を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施例1におけるヒンジ溝を示す別の斜視図である。
【
図7】本発明の実施例1におけるヒンジ延出部がヒンジ溝に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施例1における側板が閉状態となったときにヒンジ延出部およびヒンジ溝を示す側面図である。
【
図9】本発明の実施例1におけるヒンジ延出部とヒンジ溝との係合を示す側面図である。
【
図10】本発明の実施例1におけるヒンジ延出部とヒンジ溝との係合を示す側面図である。
【
図11】側板の回転角度Aとヒンジピンの高度値Zとの関係を示す座標図である。
【
図12】本発明の実施例2におけるヒンジ延出部を示す分解斜視図である。
【
図13】本発明の実施例3におけるヒンジ延出部を示す斜視図である。
【
図14】本発明の実施例3におけるヒンジ溝を示す斜視図である。
【
図15】本発明の実施例3における側板が閉状態となったときにヒンジ延出部とヒンジ溝との係合を示す側面図である。
【
図16】本発明の実施例3におけるヒンジ延出部とヒンジ溝との係合を示す側面図である。
【
図17】本発明の実施例3におけるヒンジ延出部とヒンジ溝との係合を示す側面図である。
【
図18】本発明の実施例4における案内部およびヒンジ延出部を示す斜視図である。
【
図19】本発明の実施例4におけるヒンジ溝および案内溝を示す斜視図である。
【
図20】本発明の実施例5における案内部およびヒンジ延出部を模式的に示す斜視図である。
【
図21】本発明の実施例5における案内溝およびヒンジ溝を模式的に示す斜視図である。
【
図22】本発明の実施例6におけるヒンジ延出部を示す分解斜視図である。
【
図23】本発明の実施例6におけるヒンジ溝を示す斜視図である。
【
図24】本発明の実施例6におけるヒンジ延出部がヒンジ溝に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の目的、特徴および利点をより明確に理解できるように、図面を参照しつつ本発明の好適な実施例について詳細に説明する。なお、図示した実施例は、本発明の技術方案の実質的な精神を説明するためのものに過ぎなく、本発明の保護範囲を制限するものではない。
【0025】
以下、本明細書に使用される技術用語について説明する。
【0026】
「連続曲面輪郭」とは、例えば実施例1における延出ブロックにおける第1の側面、および実施例2における案内ピンの外面などのような部材または機構の外形を意味する。
「係合面」とは、例えば実施例1における第2の側面および実施例3における案内面などのような、連続曲面輪郭と係合することにより、側板における無秩序なヒンジの回転過程において発生する干渉を効率よく解決するための平面または曲面を意味する。
【0027】
「無秩序な折畳方式」とは、対向する2つの側板が同一の構造(または、扉が設けられてもそのほかの構造が同様である)となっているので、対向する側板のいずれかを先に折り畳むにもかかわらず、折畳動作を完成可能であることを意味する。
【0028】
「延出部」とは、例えば本発明の実施例におけるヒンジ延出部および案内部などのような側板から突出した部分を意味する。
【0029】
「溝」とは、例えば本発明の実施例におけるヒンジ溝および案内溝などのようなものを意味する。
【0030】
図1は、本発明の折り畳み式容器の構造を示す斜視図である。
図1に示すように、折り畳み式容器100は、ベース1と、2対の側板2、3と、カバー4とを備える。なお、折り畳み式容器100は、カバー4を備えず、側板2、3に扉が選択的に設けられてもよいことは、当業者にとっては自明なことである。
【0031】
図2および
図3は、本発明の折り畳み式容器の構造の一部を示す斜視図であり、そのうち、
図2における側板3が直立状態、
図3における側板3が折畳状態となっている。
図2および
図3に示すように、側板3を例として、側板3から延出した複数のヒンジ延出部31が、ベース1におけるヒンジ溝11と係合することにより、側板3をベース1に対する直立状態と折畳状態との間で回転させることができる。そして、対向する側板3のうちのいずれかを先に折り畳むにもかかわらず、対向する2つの側板3を平坦に折り畳ませることができ、すなわち、後ろに折り畳まれる側板3を先に折り畳まれた側板3に密着させることができる。この場合、ヒンジ延出部31が直立状態下の位置に対してヒンジ溝11において一定の距離を上昇した。
【0032】
以下、側板3における1つのヒンジ延出部31およびベースにおけるヒンジ延出部31と係合する1つのヒンジ溝11を基に、本発明の無秩序なヒンジの回転リセット構造を説明する。
【0033】
<実施例1>
以下、
図4〜
図11を参照しつつ本発明の実施例1を説明する。
【0034】
図4は、ヒンジ延出部31を示す斜視図である。
図4に示すように、ヒンジ延出部31は、全体として直方体状となっており、その一方の側面(図示方向)にヒンジピン311が設けられるとともに、他方の側面に延出ブロック312が設けられ、ヒンジピン311および延出ブロック312はそれぞれヒンジ延出部31の両側に位置している。また、延出ブロック312には、第1の側面3121および係合段差3122が設けられている。そして、延出ブロック312は、ベース1におけるヒンジ溝11の側溝に係合される(後に詳述する)。また、ヒンジ延出部31の先端に第3の側面313がさらに設けられることが好ましい。
【0035】
図5〜
図6は、ベース1におけるヒンジ溝11の構造を示す斜視図である。
図5〜
図6に示すように、ヒンジ溝11は、本体溝110と、本体溝110の一方側に位置する直溝111と、本体溝11の他方側に位置する側溝112とを備えている。そのうち、本体溝110は、ヒンジ延出部31を収容するためのものである。直溝111は、ヒンジピン311を回動および上下摺動可能なように収納するためのものである。側溝112は、延出ブロック312と係合し、かつ、側溝112の上方に止め部113が設けられ、延出ブロック312が側溝112に位置する場合、止め部113は、延出ブロック312の位置を限定する機能を発揮することにより、延出ブロック312が上方へ移動することを防止する。sまた、止め部113には、第2の側面1131がさらに設けられている。また、本実施例では、直溝111の底面が弧形状となるので、ヒンジピン311が直溝111内に回転しやすくなる。
【0036】
図7は、本発明のヒンジ延出部31がヒンジ溝11に実装された状態を示す斜視図である。
図8〜
図10は、側板3がベース1に対して回転運動する場合にヒンジ溝11におけるヒンジ延出部31の運動を示す図である。
【0037】
図7〜
図8に示すように、側板3をベース1に実装されると、ヒンジ延出部31はヒンジ溝11に位置し、そのうち、ヒンジピン311は、直溝111内に収容されるとともに、直溝111内において回動および上下摺動することができるので、側板3がベース1に対してある程度に回転および上下移動することができる。また、延出ブロック312は、側溝112に係合され、側板3が折畳状態となり、かつヒンジ延出部31がヒンジ溝11において一定の距離に引き上げられると、止め部113は延出ブロック312に接触することができるので、直溝111からのヒンジピン311の脱出が制限され、折畳状態下での側板3のベース1に対する上下移動距離を制御可能な範囲内に収まらせる。そして、この距離は、通常側板3の肉厚以上である。
【0038】
図9〜
図10に示すように、側板3は折畳状態から開放状態へ変化すると、第2の側面1131は、延出ブロック312における第1の側面3121に外接するように接触するので、ベース1から側板3に対して力fが発生し(側板3のヒンジピン311からベース1に対して力f’が発生する)、力fは、側板3のヒンジ延出部31を下方へ移動させる垂直分力および水平分力に分けることができるので、側板3の回転過程において、第2の側面1131と第1の側面3121との係合によってヒンジ延出部31を下方へ移動するように駆動させ、さらに
図10に示すような状態となる。そして、側板3は完全に直立状態となると、ヒンジ延出部の延出ブロック312がベース1の側溝113と係合し、ベース1における止め部113によってベース1に対する側板3の上方への移動が制限される。
【0039】
特に、延出ブロック312は第2の側面1131と接触すると、これによって発生した力fと横方向の分力とのなす角度aを圧力角aと言われ、この圧力角aが可変なものであることは言うまでもない。また、圧力角aは小さければ小さいほど、側板3全体が回転してヒンジ延出部31を下方へ移動する過程がスムーズになる。また、圧力角aの許容最大値は実際の構造および関係部材の材料によって変化するので、側板3がベース1に対して回転する所定の角度内に、第2の側面1131と係合する延出ブロック312の第1の側面3121が連続的な曲面であり、かつ圧力角aがその許容値以下であることは、当業者にとっては明らかなことである。
【0040】
また、本実施例では、
図9に示すように、延出ブロック312の第1の側面3121によって発生した圧力角aの最大値は45度であり、これによって発生した側板3の回転角度Aとヒンジピン311の高度値Zについてのカーブ図を
図11に示す。
【0041】
<実施例2>
本実施例は、実施例1と基本的に同様であるが、本実施例ではヒンジ延出部31のヒンジピン311は独立した部材であり、かつヒンジ延出部31の側面に着脱可能に実装されている点で異なっている。
【0042】
図12に示すように、ヒンジ延出部31には実装穴316が設けられ、実装時に、ヒンジピン311を実装穴316に挿入して固定させることにより、ヒンジピン311をヒンジ延出部31に接続させる。なお、ヒンジピン311は、本分野の常軌手段によってヒンジ延出部31に接続されるようにしてもよい。上記のように本分野の常軌方法によってヒンジピン311をヒンジ延出部31に接続させるような形態も本発明の保護範囲に含まれる。
【0043】
<実施例3>
以下、
図13〜
図17を参照しつつ本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1および実施例2と類似するものについては、実施例1および実施例2についての説明を参照し、ここではその説明を省略する。
【0044】
図13は、本発明の実施例3におけるヒンジ延出部31Aを示す斜視図である。
図13に示すように、本実施例のヒンジ延出部31Aは、全体として直方体状となっており、その一方側からヒンジピン31A1が延出するとともに、他方側から案内ピン31A2が延出しており、そのうち、ヒンジピン31A1は、ヒンジ溝11Aにおける直溝11A1と係合するためのものであり、案内ピン31A2は、ヒンジ溝11Aにおける第5の側面11A
3と係合するためのものである。具体的には、案内ピン31A2には第4の側面が設けられ(本実施例では、第4の側面は案合ピンの外面である)、当該第4の側面が第5の側面11A3に内接し、側板3は折畳状態から開放状態へ変化するときに、案内ピン31A2の外面と第5の側面11A3との接触点が変化しつつ、当該接触点は、案内ピン31A2の外面と第5の側面11A3との接点である。また、本実施例では、案内ピン31A2は、円柱ピンであるが、案合ピン31A2は、円柱ピンに限定されるものではなく、案内ピン31A2と第5の側面11A3との内接を実現できれば良い。
【0045】
図14は、本発明の実施例3におけるヒンジ溝11Aを示す斜視図である。
図14に示すように、本実施例のヒンジ溝11Aは、ベース1に形成されており、本体溝11A0および本体溝11A0の一方側に形成される直溝11A1を備え、ヒンジ延出部31は、主に本体溝11A0に収容され、ヒンジピン31A1は、直溝11A1に実装されるとともに、直溝11A1内において回転および上下摺動することができる。また、本体溝11A0の他方側に
側溝11A2が形成され、
側溝11A2の上方に止め部11A4が設けられ、止め部11A4の下側に第5の側面11A3が設けられ、第5の側面11A3は、案内ピン31A2の外面に係合するためのものである。
【0046】
図15は、本発明の実施例3における側板3が閉状態となったときにヒンジ延出部31Aとヒンジ溝11Aとの係合を示す側面図である。
図15に示すように、側板3は折畳状態となる場合、ヒンジピン31Aは直溝11A1内に位置し、側板3は折り畳まれた後に上方にあるものである場合、案内ピン31A2は第5の側面11A3と接触する。一方、側板3は折り畳まれた後に下方にあるものである場合、ヒンジピン31A1は直溝11A1の底部に位置する。
【0047】
図16〜
図17は、本発明の実施例3におけるヒンジ延出部31Aとヒンジ溝11Aとの係合を示す側面図である。
図16〜
図17に示すように、側板3は折畳状態から開放状態へ変化すると、ヒンジピン31A1は直溝11A1内に下方へ運動する。また、案内ピン31A2の外面が常に第5の側面11A3に接触し、かつ側板3の重心が上昇するにつれて、案内ピン31A2は第5の側面11A3に下方へ摺動する。一方、側板3は完全に開放状態となった場合、案内ピン31A2は第5の側面11A3の端末、すなわち第5の側面11A3とヒンジ溝11Aの内壁との接続箇所までに移動する。
【0048】
なお、本実施例では、実施例1および実施例2と比べて、ヒンジ溝11Aの厚さが大きくなり、すなわち側板3の厚さ方向に沿うヒンジ溝11Aの厚さが大きくなる。
【0049】
以下、
図18〜
図21を参照しつつ本発明の実施例4および実施例5を説明する。そのうち、実施例4および実施例5は、実施例1〜実施例3と比べて、主に側板の下方から少なくとも1つの案内部および複数のヒンジ延出部が延出している点で異なっている。また、側板の下方から2つの案内部が延出し、かつ当該2つの案合部がそれぞれ側板の下方の両端に位置することが好ましい。以下の説明では、1つのみの案内部を例として説明するが、側板の下方に複数の案内部が設けられてもよく、1つのみの案内部が設けられてよい。そして、当該案内部が側板の下方における位置は、実際の必要に応じて決定し、例えば側板の下方の中央部に1つの案内部が設けられ、または側板の下方に複数の案内部が等間隔に設けられるようにしてもよい。これと対応し、ベースにおける側板の案内部に対応する位置に、案内溝が設けられている。
【0050】
<実施例4>
図18は、本発明の実施例4における1つの案内部および1つのヒンジ延出部を模式的に示すものである。
図18に示すように、実施例4は、実施例1と比べて、主に側板3の下方から延出案内部31Bおよびヒンジ延出部32が一体的に延出している点で異なっている。そのうち、案内部31Bの両側にそれぞれ延出ブロック31B1が設けられ、延出ブロック31B1の構造および形状は、実施例1における延出ブロック312と同様であるので、ここではその説明を省略する。また、ヒンジ延出部32の両側にそれぞれヒンジピン321が設けられ、ヒンジピン321の形状および構造は、実施例1に述べたヒンジピン311と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0051】
図19は、本発明の実施例4におけるヒンジ溝および案内溝を示す斜視図である。そのうち、ヒンジ溝11Bの両側にそれぞれ直溝11B1が設けられ、直溝11B1は、ヒンジピン321と係合するためのものであり、その具体的な係合方式が実施例1におけるヒンジピン311と直溝111との係合方式と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0052】
また、案内溝12の両側にそれぞれ側溝121が設けられ、側溝121は、延出ブロック31B1と係合するためのものであり、側溝121の具体的な構造、形状、および延出ブロック31B1との係合方式は、実施例1における側溝112および側溝112と延出ブロック312との係合方式を参照する。
【0053】
<実施例5>
図20は、本発明の実施例5における1つの案内部および1つのヒンジ延出部を模式的に示すものである。
図20に示すように、実施例5は、実施例4と比べて、主にヒンジ延出部という点で異なっている。また、実施例5では、ヒンジ延出部32Aは、ヒンジピン32A1および凹み32A2を備え、ヒンジピン32A1は、凹み32A2に実装されるとともに凹み32A2内に回転することができる。具体的には、ヒンジピン32A1の両端にそれぞれ突出部32A3が設けられ、突出部32A2は凹み32A2に係合するとともに凹み32A2内に回動することがでる。そして、ヒンジピン32A1の中間部に貫通孔32A4が設けられている。
【0054】
図21は、本発明の実施例5における1つの案内部および1つのヒンジ溝を模式的に示すものである。また、ベース1において、案内部およびヒンジ延出部に対応する位置に案内溝12およびヒンジ溝11Bが設けられ、ヒンジ溝11B内に係合ピン11B1が設けられ、係合ピン11B1は、ヒンジ延出部32Aにおける貫通孔32A4と係合し、すなわち、係合ピン11B1は、貫通孔32A4に挿通されるとともに貫通孔32A4内に上下摺動することができる。
【0055】
また、本実施例における案内部31B1および案内溝12は、実施例4と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0056】
なお、本発明の案内部および案内溝は、実施例4および実施例5における形態のみに限定されるものではなく、例えば、実施例3における案内ピンの形態を本発明の案内部に使用してもよく、すなわち、案内部の両端に案内ピンが設置され、ベースに案内ピンと係合する構造が設置されることによって本発明の目的を実現するようにしても良い。勿論、案内部の一方側のみに案内ピンまたは延出ブロックが設置されても良い。また、1つの側板の下方に複数の案内部が設けられる場合、これらの案内部と対向する側のみに案内ピンまたは延出ブロックが設置されてもよく、これらの変形によっても本発明の目的を実現することができる。
【0057】
<実施例6>
以下、
図22〜
図24を参照しつつ本発明の実施例6を説明する。そのうち、
図22は、本発明の実施例6における1つの延出部を示す分解図であり、
図23は、本発明の実施例6における1つの溝を示すものであり、
図24は、本発明の実施例6における延出部と溝との係合関係を示すものである。
【0058】
また、
図22に示すように、延出部33は、側板3の下方から延出しており、ヒンジピン333および凹み332を備え、ヒンジピン333は、凹み332に実装されるとともに凹み332内に回転することができる。具体的には、ヒンジピン332の両端にそれぞれ突出部3331が設けられ、突出部3331は、凹み332に係合するとともに凹み332内に回動することができる。また、ヒンジピン333の中間部に貫通孔3332が設けられている。
【0059】
また、延出部33の両側にそれぞれ延出ブロック331がさらに設けられ、延出ブロック331の具体的な構造および形状は、実施例1における延出ブロック312と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0060】
図23に示すように、溝11は、本体溝11C0と、本体溝11C0の両側にそれぞれ位置する側溝11C2と、本体溝11C0に位置する係合ピン11C3とを備える。そのうち、本体溝110は、延出部33を収容するためのものであり、側溝11C2は、延出ブロック331に係合し、側溝11C2の上方に止め部11C4が設けられる。延出ブロック331が側溝11C2に位置する場合、止め部11C4は、延出ブロック331の位置を限定する機能を発揮して、延出ブロック331の上方への移動を防止する。また、止め部11C4には第2の側面11C5がさらに設けられている。また、係合ピン11C3は、本体溝内に設けられるとともに側板3の方向に沿って上方へ延出している。
【0061】
図24は、本発明の実施例6における延出部と溝との係合関係を示すものである。
図24に示すように、組立後、係合ピン11C3は、貫通孔3332を貫通するとともに貫通孔3332内に上下摺動することができる。また、側板3はベース1に対して折畳状態から開放状態へ変化すると、側板3の一方側が上昇するにつれて、ヒンジピン333は溝332内に回動するとともに係合ピン11C3に沿って上方へ摺動する。また、延出ブロック331は側溝11C2に係合し、その具体的な係合方式は、実施例1における延出ブロック312と側溝112との係合方式を参照する。
【0062】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明の実施例における延出ブロック、側溝および案内ピンと第5の側面とがそれぞれ側板3のヒンジ延出部およびベース1のヒンジ溝内に設けられているが、当該延出ブロック、側溝および案内ピンと第5の側面とがそれぞれ側板およびベースのほかの部位に設けられても良い。すなわち、本発明の延出ブロック、側溝および案内ピンと第5の側面とは、側板とベースとはヒンジ機構によって接続される折り畳み式容器のみに使用することではなく、側板およびベースが無秩序に折り畳み可能な折り畳み式容器であって、側板を折り畳むときに側板におけるある構造(例えば、側板がベースに対するバックル)がベースと干渉することで側板およびベースが損害される恐れがある場合であれば、本発明における延出ブロック、側溝および案内ピンと第5の側面とを設けることができる。また、本発明における連続曲面輪郭は、延出ブロックに設けられる第1の側面や止め部の下方に設けられる第5の側面に限定されることではない。
【0063】
以上、本発明の好適な実施例を詳細に説明したが、当業者は、本発明の上記内容を閲読した後、本発明に対して様々な修正または変更を実施することができることは、当業者にとっては自明なことである。これらの等価な形態も、本願の特許請求の範囲に含まれる。