特許第6552648号(P6552648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552648
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】抗菌組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/546 20060101AFI20190722BHJP
   A61K 31/431 20060101ALI20190722BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20190722BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20190722BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20190722BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   A61K31/546
   A61K31/431
   A61K9/08
   A61K9/14
   A61K47/18
   A61P31/04
   A61P43/00 121
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-564100(P2017-564100)
(86)(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公表番号】特表2018-516961(P2018-516961A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】IB2017051871
(87)【国際公開番号】WO2017168393
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2017年12月8日
(31)【優先権主張番号】201621011250
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】506224012
【氏名又は名称】ウォックハート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100193493
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 健史
(72)【発明者】
【氏名】ナンダンワル マノハール バブラオ
(72)【発明者】
【氏名】カンサガラ アトゥール
(72)【発明者】
【氏名】ナゴリ ラジェンドラ ナンドラル
(72)【発明者】
【氏名】パテル ムフテダール アハメド イフテカール
(72)【発明者】
【氏名】イェオレ ラヴィンドラ ダッタトラヤ
(72)【発明者】
【氏名】チャウハン バスカル
(72)【発明者】
【氏名】デオ ケシャヴ
(72)【発明者】
【氏名】パテル マヘシュ ヴィタルバイ
【審査官】 磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許第102743388(CN,B)
【文献】 中国特許出願公開第1565456(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0275552(US,A1)
【文献】 特表2018−516959(JP,A)
【文献】 特表2018−516953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/546
A61K 9/08
A61K 9/14
A61K 31/431
A61K 47/18
A61P 31/04
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非経口投与に適した医薬組成物であって、下記:(a)2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩を含み;経口投与前前記組成物のpHが6の範囲内ある、前記医薬組成物。
【請求項2】
非経口投与前に適合性の再構成希釈剤の添加によって再構成できる散剤の形態の、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
非経口投与にすぐに使える液剤の形態の、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
非経口投与前に適合性の再構成希釈剤の添加によってさらに希釈できる液剤の形態の、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
非経口投与前にボトル又はバッグに含まれる散剤の形態で、単位用量である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
非経口投与前にボトル又はバッグに含まれる液剤の形態で、単位用量である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩が、前記組成物中に混合物として又は別々の成分として存在する、請求項1記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の範囲
本発明は、細菌感染症の処置、制御又は予防のための抗菌組成物及び方法に関する。
【0002】
関連特許出願
本出願は、2016年3月31日に出願されたインド特許出願第201621011250号に対する優先権及びその利益を主張する。該出願の開示内容は、本明細書に完全に書き直したかのように、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
細菌によって引き起こされる感染症は、世界中で深刻な懸念の分野であり続けている。細菌感染症の処置、制御又は予防における重要な課題のひとつは、経時的に1種以上の抗菌薬への耐性を発現する細菌の能力である。典型的な抗菌薬に対して耐性を発現した該細菌の代表例としては、ペニシリン耐性肺炎球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が挙げられる。多くの場合、より新しい抗菌薬に切り替えることによって、新興薬剤耐性細菌の問題に取り組む。しかしながら、新しい抗菌薬の開発は費用がかかる可能性があり、細菌はそのうち、より新しい抗菌薬に耐性になることが多いので、常に恒久的な解決であるとは限らない。一般に、細菌は複製しながら非常に急速に増殖し、耐性遺伝子を伝えるそれらの能力のため、抗菌薬への耐性発現に効率的なことが多い。細菌は、βラクタマーゼの産生、ペニシリン結合タンパク質(PBP)の変異、排出ポンプの発現、及び外膜タンパク質又はポリンの発現減少を含めた種々のメカニズムを介して、現存する抗菌薬に耐性になる。例えば、種々のβラクタム系抗菌薬への継続曝露に反応して、細菌は、ペニシリン、セファロスポリン、モノバクタム及びカルバペネムさえに属する抗菌薬を加水分解できる数タイプのβラクタマーゼを発現させた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
細菌感染症、特に、1種以上の現存する抗菌薬への耐性を獲得した細菌に起因する感染症を処置するための新しい方法の開発に対する差し迫った必要性がある。少なくとも1種の抗菌薬及びタゾバクタムを含む組成物がPCT国際特許出願第PCT/IB2011/053398号に開示された。例えば、セフェピム及びタゾバクタムを含む組成物は、種々多様の細菌に対して相乗抗菌効果を示した。しかしながら、腹腔内投与時のセフェピムとタゾバクタムの併用は、静脈の炎症を引き起こした(静脈炎としても知られる効果)。発明者らは、今や驚くべきことに、投与前に特有量のアルギニン又はその医薬的に許容される塩を組成物に添加すれば、そしてまた投与中に組成物のpHをある一定の範囲内に注意深く維持することによって、静脈炎を引き起こすことなく、セフェピム及びタゾバクタムを含む組成物を使用できることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
従って、非経口投与に適した医薬組成物であって、下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩を含み;組成物中のアルギニン又はその医薬的に許容される塩の量が、非経口投与前に組成物のpHを4.5〜8の範囲内に維持するのに十分な量である、医薬組成物を提供する。
別の一般的態様では、細菌感染症の処置、制御又は予防用薬物の製造における本発明の医薬組成物の使用を提供する。
別の一般的態様では、対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、本発明の医薬組成物の非経口投与を含む方法を提供する。
さらに別の一般的態様では、下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギン又はの医薬的に許容される塩の、細菌感染症の処置、制御又は予防用薬物の製造における使用を提供する。
別の一般的態様では、対象の細菌感染症の処置又は予防方法であって、前記対象に下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を下記説明で述べる。本発明の他の特徴、目的及び利点は、特許請求の範囲を含めた下記説明から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
以下、例示実施形態を参照し、本明細書では特殊言語を用いて該実施形態を説明する。前述にかかわらず、それによって本発明の範囲を限定する意図でないことを理解すべきである。本明細書に示す発明特徴の変更及びさらなる修正、並びに関連技術の当業者及び本開示の所有権を有するものが気付くことになる、本明細書に示す本発明の原理の追加の応用は、本発明の範囲内とみなすべきである。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」には、内容が明白にそうでないと述べていない限り、複数の言及が含まれる。本明細書で引用する特許、特許出願、及び論文を含めた全ての参考文献は、参照によってそれらの全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
発明者らは、今や驚くべきことに、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を用いて細菌感染症を処置できることを発見した。また、本明細書に開示する組成物及び方法は、静脈炎に関連する問題を最小限にするか又は排除する。
【0007】
本明細書で使用する用語「医薬的に許容される塩」は、所与の化合物の、該遊離化合物の望ましい薬理活性を有し、かつ生物学的にもその他の点でも望ましくなくない1種以上の塩を指す。一般に、「医薬的に許容される塩」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適し、かつ妥当な利益/危険比で釣り合っている塩を指し、当該塩を包含する。医薬的に許容される塩は技術上周知である。例えば、参照によってその内容全体を本明細書に援用するS. M. Berge, et al. (J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 1977))は、種々の医薬的に許容される塩を詳述している。
本明細書で使用する用語「感染症」又は「細菌感染症」は、その成長が抑制されたら、対象にとって有益となる細菌が対象の中又は上に存在することを指し、包含する。そのようなものとして、細菌の存在を指すことに加えて、用語「感染症」は、望ましくない常在菌叢をも指す。用語「感染症」は、細菌によって引き起こされる感染症を包含する。
【0008】
本明細書で使用する用語「処置する」、「処置すること」又は「処置」は、予防及び/又は治療目的で、医薬組成物、又は1種以上の活性成分を含む薬物を投与することを指す。用語「予防処置」は、まだ感染していないが、感染しやすいか、又はそうでなくても感染のリスクがある対象を処置すること(細菌感染を予防すること)を指す。用語「治療処置」は、既に感染症を患っている対象に処置を施すことを指す。本明細書で使用する用語「処置する」、「処置すること」又は「処置」は、下記:(i)細菌感染症又は細菌感染症の1つ以上の症状を減らすか若しくは排除するため、又は(ii)細菌感染症若しくは細菌感染症の1つ以上の症状の進行を遅らせるため、又は(iii)細菌感染症若しくは細菌感染症の1つ以上の症状の重症度を下げるため、又は(iv)細菌感染症の臨床徴候を抑制するため、又は(v)細菌感染症の有害症状の徴候を抑制するために、追加の活性成分又は不活性成分の有無にかかわらず、本明細書で論じる組成物又は1種以上の活性成分を投与することをも指す。
本明細書で使用する用語「医薬的に有効な量」又は「治療的に有効な量」又は「有効量」は、治療効果を有する量を指すか、又は対象に治療効果を生じさせるのに必要な量である。例えば、活性成分又は医薬組成物の治療的に有効な量又は医薬的に有効な量は、臨床試験結果、モデル動物感染研究、及び/又はインビトロ研究(例えば寒天培地又はブロス培地における)によって判定し得るように、望ましい治療効果を生じさせるのに必要な活性成分又は医薬組成物の量である。医薬的に有効な量は、限定するものではないが、関与する微生物(例えば細菌)、対象の特性(例えば身長、体重、性別、年齢及び病歴)、感染症の重症度及び使用する抗菌薬又は活性成分の特定タイプを含めたいくつかの因子によって決まる。予防処置のためには、治療的又は予防的に有効な量は、微生物(例えば細菌)感染の予防に有効となる量である。望ましい治療効果又は結果をもたらすのに有効な量で本発明の活性成分及び/又は医薬組成物を使用する。
【0009】
用語「投与」又は「投与すること」には、例えば、感染部位に組成物又は活性成分を送達するのに役立つ任意の適切な方法によってといった、組成物、又は1種以上の活性成分の対象への送達が含まれる。投与方法は、種々の因子、例えば、医薬組成物の成分又は活性成分及び/若しくは不活性成分の性質、潜在的若しくは実際の感染部位、関与する微生物、感染症の重症度、対象の年齢及び健康状態等に応じて変わり得る。本発明の組成物又は活性成分を対象に投与する方法のいくつかの非限定例としては、経口、静脈内、局所、呼吸器内、腹腔内、筋肉内、非経口、舌下、経皮、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、腟内、遺伝子銃、経皮パッチ、点眼薬、点耳薬又は口腔洗浄薬が挙げられる。1種より多くの成分(活性又は不活性)を含む医薬組成物の場合、該組成物を投与する1つの方法は、成分を(例えば錠剤、カプセル剤、液剤、散剤等の適切な単位剤形の形態に)混合してから、該剤形を投与することによる。或いは、成分を、望ましい治療効果が達成されるようにこれらの成分が有益な治療レベルに達する限り、別々に(同時又は順々に)投与してもよい。
【0010】
用語「非経口投与」は、直接胃腸管に関わらない投与経路を指し、包含する。典型的に、非経口投与経路の典型的な非限定例としては、静脈内(静脈中へ)、動脈内(動脈中へ)、骨内注入(骨髄中へ)、筋肉内、脳内、くも膜下腔内、皮下投与がある。一般に、非経口投与は、胃腸管の直接関与なしで組成物又は活性成分を直接対象の中に注射又は注入することによって行なわれる。
本明細書で使用する用語「成長」は、1種以上の微生物の成長を指し、微生物(例えば細菌)の繁殖又は集団拡大を包含する。用語「成長」には、微生物を生かし続けるプロセスを含めた微生物(例えば細菌)の進行中の代謝プロセスの維持も含まれる。
本明細書で使用する用語「有効性」は、処置又は組成物若しくは1種以上の活性成分が対象に望ましい生物学的効果を生じさせる能力を指す。例えば、組成物又は抗菌薬の用語「抗菌有効性」は、組成物又は抗菌薬が対象の微生物(例えば細菌)感染症を処置又は予防する能力を指す。
本明細書で使用する用語「相乗的」又は「相乗作用」は、2種以上の薬剤の併用効果がそれらの個々の効果より大きくなるようなそれらの相互作用を指す。
【0011】
本明細書で使用する用語「抗菌薬」は、下記:(i)細菌の成長を抑制、低減又は防止すること;(ii)対象における細菌が感染を引き起こす能力を抑制又は低減すること;又は(iii)環境内で細菌が増加若しくは感染力を保持する能力を抑制又は低減することができるいずれの物質、化合物又は物質の組み合わせ若しくは化合物の組み合わせをも指す。用語「抗菌薬」は、細菌の感染力又は病原性を低下させ得る化合物をも指す。
本明細書で使用する用語「βラクタム抗菌薬」は、抗菌特性を有する化合物であって、それらの分子構造にβラクタム核を含有する化合物を指す。
本明細書で使用する用語「βラクタマーゼ」は、βラクタム環を分解するいずれの酵素若しくはタンパク質又はいずれの他の物質をも指す。用語「βラクタマーゼ」には、細菌によって産生され、かつβラクタム化合物中のβラクタム環を部分的又は全体的に加水分解する能力を有する酵素が含まれる。
本明細書で使用する用語「βラクタマーゼインヒビター」は、1種以上のβラクタマーゼ酵素の活性を部分的又は全体的に抑制できる化合物を指す。
【0012】
用語「医薬的に不活性な成分」又は「不活性成分」、「担体」又は「賦形剤」は、例えば、化合物の溶解度を高めるためといった化合物の投与を促進するために使用する化合物又は材料を指す。固体担体の典型的な非限定例としては、デンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、スクロース、及びカオリン等が挙げられる。液体担体の典型的な非限定例としては、滅菌水、生理食塩水、緩衝液、非イオン性界面活性剤、及び食用油、例えば油、落花生油及びゴマ油等が挙げられる。さらに、当技術分野で一般的に用いられる種々のアジュバントを含めてよい。これら及び他の該化合物は、文献、例えば、the Merck Index (Merck & Company, Rahway, N.J.)に記載されている。医薬組成物に種々の成分を含めるための考慮事項は、例えば、参照によってその内容全体をここに援用するGilman et al.(Eds.) (1990); Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed., Pergamon Press.に記載されている。
本明細書で使用する用語「対象」は、哺乳類を含めた脊椎動物又は無脊椎動物を指す。用語「対象」には、ヒト、動物、鳥類、魚類、又は両生類が含まれる。「対象」の典型的な非限定例としては、ヒト、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、ブタ、子ヒツジ、ラット、マウス及びモルモットが挙げられる。
【0013】
当業者は、本明細書に記載の化合物が、それらの医薬的に許容される塩、プロドラッグ、代謝物、エステル、エーテル、水和物、多形、溶媒和物、複合体、エナンチオマー、付加体又は同様の他の医薬的に許容される誘導体の形態を含めた種々の医薬的に許容される形態で一般的に存在し得るか又は使用できることを認めるであろう。従って、化合物への言及は、その医薬的に許容される塩、プロドラッグ、代謝物、エステル、エーテル、水和物、多形、溶媒和物、複合体、エナンチオマー、付加体又は同様の他の医薬的に許容される誘導体を含める意図である。例えば、用語「セフェピム」、「タゾバクタム」、又は「アルギニン」には、それらの医薬的に許容される塩、プロドラッグ、代謝物、エステル、エーテル、水和物、多形、溶媒和物、複合体、エナンチオマー、付加体又は同様の他の医薬的に許容される誘導体が含まれる。
セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩をそれぞれ個々に「活性成分」と称し、まとめて「活性成分」と称する。本明細書で使用する用語「医薬組成物」又は「組成物」は、本発明の組成物を指し、包含する。
【0014】
1つの一般的態様では、非経口投与用医薬組成物であって、下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩を含み;組成物中のアルギニン又はその医薬的に許容される塩の量が、非経口投与前に組成物のpHを4.5〜8の範囲内に維持するのに十分な量である、組成物を提供する。
一部の実施形態では、タゾバクタムはタゾバクタムナトリウムとして存在する。一部の他の実施形態では、セフェピムはセフェピム塩酸塩として存在する。一部の実施形態では、アルギニンはアルギニン塩酸塩として存在する。
一部の実施形態では、組成物のpHは、非経口投与前に約6〜約8の範囲内である。
一部の他の実施形態では、組成物のpHは、非経口投与前に約6.5〜約7.5の範囲内である。
一部の実施形態では、セフェピム又はその医薬的に許容される塩は、組成物中に約0.01グラム〜約10グラムの量で存在する。
一部の他の実施形態では、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩は、組成物中に約0.01グラム〜約10グラムの量で存在する。
【0015】
一部の実施形態では、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、及びタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩は、組成物中に下記量:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩
のいずれかの量で存在する。
【0016】
一部の実施形態では、本発明の組成物は、最良の活性成分として、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩から成る。
一部の実施形態では、アルギニン又はその医薬的に許容される塩は、本発明の組成物中に、セフェピム又はその医薬的に許容される塩1グラム当たり約0.50グラム〜約0.90グラムである量で存在する。
一部の他の実施形態では、アルギニン又はその医薬的に許容される塩は、本発明の組成物中に、セフェピム又はその医薬的に許容される塩1グラム当たり約0.70グラム〜約0.80グラムである量で存在する。
【0017】
一部の実施形態では、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩は、本発明の組成物中に、下記量:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.35グラム〜約0.40グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.525グラム〜約0.60グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.05グラム〜約1.2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.75グラム〜約2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩
のいずれか1つの量で存在する。
【0018】
本発明の医薬組成物は、1種以上の医薬的に許容される担体又は賦形剤又は不活性成分を含んでよい。該担体又は賦形剤又は不活性成分の典型的な非限定例としては、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウム、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、緩衝剤、潤沢剤、安定剤、結合剤等が挙げられる。
一部の実施形態では、本発明の組成物は、さらに1種以上の緩衝剤を含む。緩衝剤の典型的な非限定例としては、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム/炭酸マグネシウム共沈物、水酸化アルミニウム/炭酸水素ナトリウム共沈物、アルミニウムグリシナート、水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム合剤、リン酸アルミニウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、ギ酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、ホウ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、フタル酸カルシウム、リン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酒石酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、酢酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フタル酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸カリウム、クエン酸カリウム、メタリン酸カリウム、フタル酸カリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、コハク酸カリウム、酒石酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、合成ヒドロタルサイト、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、トロメタモール、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノ酸、例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン若しくは場合によりその活性異性体、若しくはそのラセミ混合物、アミノ酸の酸塩、アミノ酸のアルカリ塩又はその混合物が挙げられる。
【0019】
本発明の医薬組成物は、固体、半固体、エアロゾル、及び液体剤形を含めた種々の剤形に製剤化可能である。剤形の典型的な非限定例としては、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、座剤、エアロゾル剤、顆粒剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、注射用製剤等が挙げられる。所望により、本発明の組成物を調製し、包装してバルク形態又は単位剤形にすることもできる。
活性成分(セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩)が混合物で存在する単位剤形に組成物を製剤化してもよい。或いは、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩が別々の成分として存在する(例えば、3種全ての活性成分が別々のバイアル若しくは剤形中に存在し;1つのバイアル若しくは剤形にいずれか2種の活性成分が存在し、第3の活性成分は別のバイアル若しくは剤形中に存在する)単位剤形に組成物を製剤化してもよい。
【0020】
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、散剤又は液剤の形態で存在する。一部の他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、投与前に適合性の再構成希釈剤の添加により再構成可能な散剤又は液剤の形態で存在する。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、非経口投与前に適合性の再構成希釈剤の添加により再構成可能な散剤の形態で存在する。
一部の他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、非経口投与にすぐに使える液剤の形態で存在する。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、非経口投与前に適合性の再構成希釈剤の添加によりさらに希釈できる液剤の形態で存在する。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、非経口投与前にボトル又はバッグに含まれる単位用量として散剤の形態で存在する。一部の他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、非経口投与前にボトル又はバッグに含まれる単位用量として液剤の形態で存在する。
一部の他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、投与前に適合性の再構成希釈剤で希釈できる凍結組成物の形態である。
種々多様の再構成希釈剤を使用することができる。再構成希釈剤の典型的な非限定例としては、注射用水、0.9%塩化ナトリウム溶液、5%ブドウ糖溶液、生理食塩水等が挙げられる。
【0021】
別の一般的態様では、本発明の組成物を用いる細菌感染症の処置、制御又は予防方法を提供する。一部の実施形態では、対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、前記対象に有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の他の実施形態では、対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、本発明の医薬組成物の非経口投与を含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明の組成物を細菌感染症の処置、制御又は予防に使用する。一部の実施形態では、本発明の組成物を細菌感染症の処置、制御又は予防用薬物の製造に使用する。
一部の他の実施形態では、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を細菌感染症の処置、制御又は予防用薬物の製造に使用する。
一部の実施形態では、対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、前記対象に、下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩の、前記対象への非経口投与を含む方法を提供する。
【0022】
一部の実施形態では、本発明の方法において、セフェピム又はその医薬的に許容される塩を約0.01グラム〜約10グラムの量で投与する。
一部の他の実施形態では、本発明の方法において、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩を約0.01グラム〜約10グラムの量で投与する。
一部の他の実施形態では、対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、
4〜8の範囲内のpHを有する液剤の非経口投与を含み;前記液剤がセフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を含み;前記アルギニン又はその医薬的に許容される塩が、非経口投与前に組成物のpHを4.5〜8の範囲内に維持するのに十分な量で存在する、方法を提供する。
一部の実施形態では、細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又は医薬的に許容される塩を含む液剤の非経口投与を含み、前記液剤が、4.5〜8の範囲内のpHを有する、方法を提供する。一部の他の実施形態では、液剤は約6.5〜約7.5の範囲内のpHを有する。
【0023】
一部の実施形態では、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、及びタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩を下記量:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩
のいずれか1つの量で投与する。
【0024】
一部の他の実施形態では、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を下記量:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.35グラム〜約0.40グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.525グラム〜約0.60グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.05グラム〜約1.2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.75グラム〜約2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩
のいずれか1つの量で投与する。
【0025】
他の実施形態では、本発明の方法において、組成物又はその構成成分を所望部位に送達するのに役立つ任意の適切な方法によって本発明の組成物を投与する。活性成分の投与を用いる方法の場合、いずれの適切な方法によって活性成分を投与してもよい。投与方法は、種々の因子、例えば、活性成分若しくは組成物の性質、潜在的若しくは実際の感染部位、関与する微生物、感染症の重症度、対象の年齢及び健康状態等に応じて変わり得る。本発明の投与方法のいくつかの非限定例としては、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、気管内、直腸内等が挙げられる。
【0026】
本発明の組成物は、3種の活性成分:セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を含む。当業者は、これらの活性成分は、活性成分が一緒に(混合物中に)又は別々の成分として存在し得る種々の剤形に製剤化可能であることを認めるであろう。組成物中の活性成分を混合物として製剤化するときは、該組成物は、該混合物を投与することによって送達可能である。活性成分が混合物として生じるのではなく、別々の成分として生じる組成物又は剤形は、該組成物/剤形をいくつかの方法で投与することができる。1つの可能な方法では、活性成分を所望比率で混合してから、混合物を必要に応じて投与することができる。或いは、等価混合物の投与で達成したであろう同一又は等価の治療レベル又は効果を達成するのに適した量で活性成分を別々に投与することができる。必要ならば、1種以上の不活性成分を製剤化及び/又は投与中に使用することもできる。
一部の実施形態では、本発明の方法において、セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又は医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を同時又は順々に投与する。一部の実施形態では、本発明の組成物又は活性成分をキットの形態に詰める。組成物又は活性成分をボトル、バイアル、シリンジ、ボックス、バッグ等の1つ以上の容器に詰めてよい。キットに、中身の使用説明書を含めてもよい。
【0027】
本発明の組成物又は活性成分は、特殊要件又は望ましい治療効果に応じて異なる時間間隔で投与可能である。一部の実施形態では、本発明の組成物又は活性成分を1日1回、2回、3回又は4回投与する。一部の他の実施形態では、本発明の組成物又は活性成分を4時間毎、6時間毎、8時間毎、12時間毎又は24時間毎に投与する。
別の一般的態様では、細菌に起因する感染症のリスクのある対象に予防的に有効な量の本発明の組成物又は活性成分を投与することを含む、対象の予防処置に本発明の組成物又は活性成分を使用する。
一般に、本発明の組成物又は活性成分は、1種以上の既知抗菌薬又は組成物に対して耐性を示すものを含めた種々多様の細菌に起因する感染症に対して有効である。本発明の組成物及び方法を用いて処置、制御又は予防できる感染症の典型的な非限定例としては、大腸菌属(Escherichia)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、連鎖球菌属(Streptococcus)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、クレブシエラ属(Klebsiella)、モラクセラ属(Moraxella)、エンテロバクター属(Enterobacter)、プロテウス属(Proteus)、セラチア属(Serratia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、シトロバクター属(Citrobacter)、ステノトロホモナス属(Stenotrophomonas)、バクテロイデス属(Bacteroides)、プレボテラ属(Prevotella)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)に属する細菌によって引き起こされる感染症が挙げられる。
一般に、本発明の組成物又は活性成分は、例えば、皮膚及び軟部組織感染症、発熱性好中球減少症、尿路感染症、腹腔内感染症、気道感染症、肺炎(院内)、菌血症、髄膜炎、糖尿病性足感染症、骨関節感染症、手術部位感染症、赤痢菌感染症等を含めたいくつかの感染症の処置、制御又は予防に有用である。
当業者には、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、本明細書に開示する組成物及び/又は方法に各種の置換及び変更を加え得ることが容易に分かるであろう。例えば、当業者は、記載した一般的説明の範囲内で種々の異なる方法を用いて本発明を実施し得ることを認めるであろう。
【実施例】
【0028】
実施例
下記実施例は、現在最もよく分かっている本発明の実施形態を説明する。しかしながら、下記例は、当然のことながら、本発明の原理の適用の単なる例示又は説明である。当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく多くの変更並びに代替組成物、方法、及びシステムを案出することができる。添付の特許請求の範囲は、該変更及びアレンジメントを網羅する意図である。従って、本発明を特殊性と共に上述したが、下記実施例は、本発明の現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えるものに関連してさらなる詳細を提供する。
【0029】
実施例1
1種以上のβラクタマーゼを産生することが分かっている当該細菌を含めた種々の細菌株に対するタゾバクタムとのセフェピムの組み合わせの抗菌活性を、CLSI勧告通りに行なう定量的薬物拡散アッセイで調べた(Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI), performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing, 20th Informational Supplement, M100-S20, Volume 30, No.1, 2010)。
典型的研究では、適切な希釈後に一晩成長させた細菌培養を溶融冷却寒天培地に接種し、プレートに注いだ。抗菌薬を含有する6mm径のディスクを寒天表面の上部に置いた。周囲空気内35±2℃での16〜18時間のインキュベーション後に抑制ゾーンに基づく観察を行なった。全体的な手順はCLSI勧告通りに行なった。結果を表1に示す。これらのアッセイは、所与の抗菌薬又は組成物を用いて特定感染症を処置する可能性を決定する際にルーチン的に用いられる。一般に、感受性(S)範囲内のゾーン抑制値は、その株が当該抗菌薬又は組成物に感受性が高いことを示す。一般的に、ゾーン抑制値が耐性(R)範囲内であれば、検討中の抗菌薬又は組み合わせは該感染症の処置に有効でないと推定される。これらの組み合わせのCLSIに基づく感受性評価(病院/社会環境内での処置決定を導く)は、セフェピムとタゾバクタムの組み合わせがESBL株の感受性プロファイルを「耐性」から「感受性」に変換できることを示唆した。これは本発明のセフェピム-タゾバクタム組み合わせの好ましい臨床用途を示唆している。
【0030】
【表1】
【0031】
実施例2
12日の反復用量研究を行なって、セフェピム及びタゾバクタムを含む組成物の静脈内忍容性へのアルギニン効果を調べた。この研究には、それぞれ5匹の雄性ウィスターラット(160〜180グラム)を含む3群のラットを用いた。第1群のラット(群I)には注射用セフェピム(400mg/kg用量)を投与した。第2群のラット(群II)には注射用セフェピムとタゾバクタムナトリウムの組み合わせ(注射用水中400mg/kgの用量で各々のセフェピム及びタゾバクタム)を投与した。第3群のラット(群III)には、注射用セフェピムとタゾバクタムナトリウムにアルギニンを添加した組み合わせ(4mg/mlのアルギニンを含有する5mlの注射用水中400mg/kgの用量で各々のセフェピム及びタゾバクタム)を投与した。典型的手順では、新しいバイアルを毎日開け、所要量のアルギニン希釈剤を添加し、pHを記録した。さらにそれを0.9%生理食塩水で希釈して最終濃度を100mg/mLとしてpHを記録した。いずれの場合も静脈炎のための用量投与失敗を数えた。結果を表2に示す。ラットの場合、尾静脈完全性欠如のために失敗した投与試みを数えた。
表2に与えた結果から分かるように、失敗した投与試みの百分率は、約4.1〜4.2の範囲内のpHを有する注射用セフェピムの投与で約13.1%であった。注射用セフェピム及びタゾバクタムナトリウムを含有する液剤(約3.8〜4.1の範囲内のpH)の投与では、失敗した投与試みの百分率がさらに高かった(約15.1%)。驚くべきことに、注射用セフェピム及びタゾバクタムナトリウムを含有する同組成物にアルギニンを添加し、液剤のpHを投与前に約6〜約7.4内の範囲に調整したときには、失敗した投与試みが約3.1%に低下した。この研究は、組成物中へのアルギニンの添加かつpH作動範囲の調整後の投与試み失敗頻度低下(静脈炎発症低下)を確証する。
【0032】
実施例3
開示量で活性成分を含有するいくつかの組成物を散剤及び液剤の形態で調製した。一部の組成物は、開示範囲内のpHを有する液剤の形態でも調製した。
【0033】
【表2】
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕非経口投与に適した医薬組成物であって、下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩を含み;前記組成物中のアルギニン又はその医薬的に許容される塩の量が、非経口投与前に前記組成物のpHを約4.5〜約8の範囲内に維持するのに十分な量である、前記医薬組成物。
〔2〕前記組成物のpHが約6〜約8の範囲内である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕前記組成物のpHが約6.5〜約7.5の範囲内である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔4〕セフェピム又はその医薬的に許容される塩が、約0.01グラム〜約10グラムの量で存在する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔5〕タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩が、約0.01グラム〜約10グラムの量で存在する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔6〕下記:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩
のいずれか1つを含む、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔7〕アルギニン又はその医薬的に許容される塩が、前記組成物中に、セフェピム又はその医薬的に許容される塩1グラム当たり約0.50グラム〜約0.90グラムである量で存在する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔8〕アルギニン又はその医薬的に許容される塩が、前記組成物中に、セフェピム又はその医薬的に許容される塩1グラム当たり約0.70グラム〜約0.80グラムである量で存在する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔9〕セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を下記量:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.35グラム〜約0.40グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.525グラム〜約0.60グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.05グラム〜約1.2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.75グラム〜約2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩
のいずれか1つの量で含む、前記〔8〕に記載の医薬組成物。
〔10〕非経口投与前に適合性の再構成希釈剤の添加によって再構成できる散剤の形態の、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔11〕非経口投与にすぐに使える液剤の形態の、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔12〕非経口投与前に適合性の再構成希釈剤の添加によってさらに希釈できる液剤の形態の、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔13〕非経口投与前にボトル又はバッグに含まれる散剤の形態で、単位用量である、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔14〕非経口投与前にボトル又はバッグに含まれる液剤の形態で、単位用量である、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔15〕セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩が、前記組成物中に混合物として又は別々の成分として存在する、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔16〕前記〔1〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の医薬組成物の、細菌感染症の処置、制御又は予防用薬物の製造における使用。
〔17〕対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、前記〔1〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の医薬組成の非経口投与を含む、前記方法。
〔18〕前記組成物を1日1回、2回、3回又は4回投与する、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕前記組成物を6時間毎、8時間毎、12時間毎又は24時間毎に投与する、前記〔17〕に記載の方法。
〔20〕下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩の、細菌感染症の処置、制御又は予防用薬物の製造のための使用。
〔21〕対象の細菌感染症の処置、制御又は予防方法であって、前記対象に、下記:(a)セフェピム又はその医薬的に許容される塩、(b)タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び(c)アルギニン又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
〔22〕セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を、4.5〜8の範囲内のpHを有する液剤の形態で非経口投与する、前記〔21〕に記載の方法。
〔23〕前記液剤が、約6.5〜約7.5の範囲内のpHを有する、前記〔21〕に記載の方法。
〔24〕セフェピム又はその医薬的に許容される塩を約0.01グラム〜約10グラムの量で投与する、前記〔21〕〜〔23〕のいずれか1項に記載の方法。
〔25〕タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩を約0.01グラム〜約10グラムの量で投与する、前記〔21〕〜〔23〕のいずれか1項に記載の方法。
〔26〕セフェピム又はその医薬的に許容される塩、及びタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩を下記量:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩
のいずれか1つの量で投与する、前記〔21〕〜〔25〕のいずれか1項に記載の方法。
〔27〕セフェピム又はその医薬的に許容される塩、タゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及びアルギニン又はその医薬的に許容される塩を下記量:
(i)約0.50グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.50グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.35グラム〜約0.40グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ii)約0.75グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.75グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.525グラム〜約0.60グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(iv)約1.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.05グラム〜約1.2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(v)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vi)約2.5グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約2.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.75グラム〜約2グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(vii)約2グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約1.4グラム〜約1.6グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(viii)約1グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約0.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約0.70グラム〜約0.80グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;
(ix)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約3グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩;又は
(x)約3グラムのセフェピム又はその医薬的に許容される塩、約1.5グラムのタゾバクタム又はその医薬的に許容される塩、及び約2.1グラム〜約2.4グラムのアルギニン又はその医薬的に許容される塩
のいずれか1つの量で投与する、前記〔21〕〜〔25〕のいずれか1項に記載の方法。
〔28〕前記投与を1日1回、2回、3回又は4回行なう、前記〔20〕〜〔27〕のいずれか1項に記載の方法。
〔29〕前記投与を6時間毎、8時間毎、12時間毎又は24時間毎に行なう、前記〔20〕〜〔27〕のいずれか1項に記載の方法。