(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
(地域防災情報システムの構成)
図1は本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システムの構成を示す図である。
本実施の形態の地域防災情報システムは、火災警報器10と、移報アダプタ20と、屋外警報装置30と、中継機40と、親機50と、ゲートウェイ60と、クラウドサーバー70とを備えている。
なお、屋外警報装置30は、本発明における「住戸警報装置」に相当する。
【0013】
火災警報器10、及び移報アダプタ20は、所定の地域内における住戸Hにそれぞれ1つ又は複数設けられる。
これら1つ又は複数の火災警報器10及び移報アダプタ20は、無線信号の送受信を行うことができる機器によりグループを構成しており、本実施の形態では、親となる火災警報器10をグループ内に1台設け、残りの機器を子としている。
図1では住戸H内を1グループとしているが、例えば住戸H内に複数のグループを構成することもできる。また、特に限定するものではないが、基本的には親となる火災警報器10は、グループ内のすべての機器と通信できる位置に設けられている。そして、他の火災警報器10等からの警報信号等を受信すると、グループ内の他の機器に対して再送信して確実に連動させるようにする。また、例えばグループ内の各機器は、通信元、通信先を特定するために、グループ内において固有に設定されたアドレスをそれぞれ有する。
【0014】
火災警報器10は、例えば火災等を検出すると音、表示等による警報を行い、利用者(例えば居住者)に報知する。また、グループ内の他の火災警報器10から火災に係る警報信号を受信すると、連動して警報を発する。
【0015】
移報アダプタ20は、火災に係る信号(警報信号)を屋外警報装置30に移報(出力)するための装置である。本実施の形態の移報アダプタ20は、火災等を検出する機能は有していないが、火災警報器10からの信号に基づいて、連動して警報を行うことができるものとする。また、移報アダプタ20にも火災警報器10と同様に固有のアドレスが設定されており、通信においては子の機器として扱われる。
【0016】
屋外警報装置30は、所定の地域内における住戸Hの屋外に設けられる。例えば、屋外警報装置30は、住戸Hの外壁面や住戸Hの近傍の構造物等に設置される。また、屋外警報装置30は、後述する火災確認ボタン331等に人の手が届く位置に設置される。この屋外警報装置30は、移報アダプタ20から移報された警報信号を含む通信情報、火災確定信号を含む通信情報、及び誤報信号を含む通信情報の少なくとも1つを無線通信により送信する装置である。屋外警報装置30から送信される通信情報には、各種の信号とともに、当該屋外警報装置30の識別IDが付加される。なお、屋外警報装置30の識別IDに代えて又はこれに加えて、当該住戸Hにおける火災警報器10のグループに固有に設定されたアドレス(グループID)を付加しても良い。
【0017】
中継機40は、所定の地域内に設けられ、屋外警報装置30からの通信情報を受信して再送信する装置である。
親機50は、例えば地域内の管理部C(後述)に設けられ、屋外警報装置30及び中継機40の少なくとも一方からの通信情報を受信する装置である。この親機50は、ゲートウェイ60を介して通信回線(例えばインターネット71)に接続される。
ゲートウェイ60は、親機50が取得した警報信号を含む通信情報のプロトコル変換を行い、通信回線(例えばインターネット71)を経由してクラウドサーバー70へ通信情報を送信する。
【0018】
屋外警報装置30、中継機40、及び親機50の間の無線通信は、例えば特定小電力無線を使用して、プロアクティブ型のルーティングプロトコルを採用したアドホックネットワークシステムを用いている。このようなアドホックネットワークシステムは、中継機能を利用したマルチホップ通信方式により、通信エリアを逐次的に拡張することが可能となる。
なお、屋外警報装置30、中継機40、及び親機50の間の無線通信の方式はこれに限るものではなく、任意の通信方式を用いることができる。また、中継機40を省略して、屋外警報装置30と親機50とが直接通信するようにしても良い。
【0019】
図2は本発明の実施の形態1に係る屋外警報装置30、中継機40、及び親機50の配置位置を示す図である。
図2に示すように、中継機40は、例えば地域内における屋外の支柱等の上部に設置される。親機50は、例えば地域内においてインターネット71への接続環境が整っている管理部Cの建屋近傍の屋外に設置される。
中継機40及び親機50は、互いに通信可能な位置に配置される。また、中継機40は、少なくとも1つの屋外警報装置30との間で通信可能な位置に配置される。これにより地域内の各住戸Hに配置された屋外警報装置30は、中継機40及び親機50の少なくとも一方との間で通信を行うことが可能となる。
なお、屋外警報装置30に中継機40の機能を持たせ、他の住戸Hの屋外警報装置30から送信された通信情報を屋外警報装置30が中継するようにしても良い。
【0020】
なお、本実施の形態においては、中継機40を介して、屋外警報装置30と親機50とが無線通信する場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、屋外警報装置30と親機50とを有線により接続しても良い。
また、中継機40や親機50を介さず、各屋外警報装置30が直接、ゲートウェイ60を介してインターネット71に接続するようにしても良い。
【0021】
再び
図1において、クラウドサーバー70は、インターネット71に接続され、電子メールを送受信する機能を有している。クラウドサーバー70は、例えばPOP3(Post Office Protocol Version 3)およびSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等のプロトコルに準拠した通信により、インターネット71を介して、地域内の居住者が所持する1つ又は複数の情報端末80宛に電子メールを送信する。
クラウドサーバー70は、クラウドコンピューティングシステムの機能によって構成されている。ここで、クラウドコンピューティングシステムとは、システム提供者などが保有する1つ又は複数のネットワーク機器に、ソフトウェアやユーザーが利用する情報などを格納しておき、ユーザーが保有する端末からネットワークにアクセスすることで、当該ソフトウェアや情報を用いた機能を利用可能とする技術である。
なお、本実施の形態では、クラウドサーバー70がクラウドコンピューティングシステムの機能によって構成されている場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、同様の機能を実現するソフトウェアや情報が記憶された情報処理装置(所謂サーバー)によって構成しても良い。なおこの場合には、親機50とサーバーとを直接又は所定のインターフェースを介して接続するようにしても良い。
【0022】
情報端末80は、例えば、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータなど、電子メールを送受信する機能を有する機器である。
【0023】
次に、地域防災情報システムを構成する各機器の詳細について説明する。
【0024】
(火災警報器10)
図3は本発明の実施の形態1に係る火災警報器10の回路構成を示す図である。
図3において、火災警報器10は、制御回路101、電池102、電源回路103、電池電圧検出回路104、送受信回路105、アンテナ106、火災検出回路107、警報音制御回路108、表示回路109及び点検・警報停止スイッチ120を備える。
【0025】
制御回路101は、入力される信号等に基づいて処理を行い、火災警報器10が有する回路等の制御を行う。例えば、火災検出回路107からの信号に基づいて、警報音制御回路108、表示回路109を動作させて音、表示によって火災に係る警報等を行う。送受信回路105を介して、グループ内における他の機器との通信処理を行う。記憶素子121は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、制御回路101が実行する処理に係るプログラム、自己及びグループ内の他の機器に設定されたアドレス、属するグループのグループID等の各種データを格納している。
【0026】
電池102は、電源回路103に直流電源を供給する。電源回路103は、電池102の電圧を所定電圧に制御し、火災警報器10の各回路に供給する。電池電圧検出回路104は、電池102の印加に係る電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路101に出力する。
【0027】
電池電圧検出回路104からの電圧検出信号に基づいて、電池残量が低下したこと、電池切れの閾値を超えたことを判断すると、制御回路101は、警報音制御回路108と表示回路109を駆動させて電池切れ等を報知させる。
【0028】
送受信回路105は、無線信号を送受信するためのアンテナ106に接続されている。送受信回路105は、アンテナ106を介して入力された(送られた)無線信号を処理し、自己のアドレスが通信先のデータとして含まれている(通信先としてすべてのアドレスとしている場合も含む)と判断した場合には受信処理を行う。自己のアドレス以外の無線信号と判断した場合には受信処理を行わない。受信処理した信号は、制御回路101へ出力する。また、送受信回路105は、制御回路101の処理に係る状態信号等の送信処理を行う。
【0029】
火災検出回路107は、火災現象に基づく煙や熱等の物理的変化を検出して検出内容に応じた信号を制御回路101に出力する。ここでは、特に詳細に区別することなく、火災の検出に係る信号を出力するものとして説明する。
【0030】
警報音制御回路108は、ブザー・スピーカ等(図示せず)から警報音を発生させる動作を制御する回路である。表示回路109は、例えば発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。ここでは、表示灯の点灯制御を行う回路であるものとして説明するが、例えば、火災警報器10が文字、数字等を表示できる表示手段を有している場合には、文字等を表示させる制御を行うようにしてもよい。
【0031】
点検・警報停止スイッチ120は、利用者が火災警報器10に連動点検を行わせるために押下するスイッチである。また、別構成にすることもできるが、本実施の形態では、火災に係る警報時において、利用者が火災に係る警報を停止させるためのスイッチも兼ねているものとする。さらに、例えば半押し又は全押し、短押し又は長押し等で区別することにより、スイッチの使い分けを行うことができる。
【0032】
(移報アダプタ20)
図4は本発明の実施の形態1に係る移報アダプタ20の回路構成を示す図である。
図4において、移報アダプタ20は、火災警報器10と同様に、制御回路201、電池202、電源回路203、電池電圧検出回路204、送受信回路205、アンテナ206、警報音制御回路208、表示回路209及び点検・警報停止スイッチ220を備える。これらの回路等は、基本的には前述した火災警報器10の対応する回路等と同様の動作を行う。ただし、システムにおける役割の違いから、制御回路201は、火災警報器10の制御回路101の処理とは異なる処理を行う場合がある。また、制御回路201は記憶素子221を有し、制御回路201が実行する処理のプログラム、自己及びグループ内の他の機器に設定されたアドレス等の各種データを格納している。そして、火災警報器10と異なり、火災等の検出を行うものではないため、本実施の形態の移報アダプタ20は、火災検出回路107に対応する回路は有していないものとする。
【0033】
また、本実施の形態の移報アダプタ20は、移報出力回路230、火災警報音出力設定スイッチ231及び移報出力設定スイッチ232を有している。移報出力回路230は屋外警報装置30へ火災に係る警報信号等を含む移報信号を出力(送信)するための構成である。なお、移報出力回路230は屋外警報装置30等に有線接続されているが、無線接続であってもよい。
【0034】
また、火災警報音出力設定スイッチ231は、移報アダプタ20において、警報音(火災警報音)を発生させるか否かを設定するためのスイッチ(ディップスイッチ等の設定手段)である。このため、本実施の形態の移報アダプタ20は、他の音(例えば電池切れ、センサ異常、通信異常等の異常報知に係る音等)については、火災警報音出力設定スイッチ231の設定に関係なく発生させるものとする。また、本実施の形態の火災警報音出力設定スイッチ231による設定の変更は、電源が投入されたとき、リセットボタン(図示せず)等によりリセットされた際に有効となる。このため、通常時にスイッチを切り換えても設定は変更されないものとする。
【0035】
移報出力設定スイッチ232は、例えば連動点検時において、移報出力回路230から移報信号を出力するか否かを設定するためのスイッチである。ここでは、移報出力設定手段をスイッチで構成するが、例えば要求に合わせて施した設定を記憶素子221にデータベースとして記憶させておく等、特にスイッチに限定するものではない。これについては火災警報音出力設定スイッチ231についても同様である。
【0036】
(屋外警報装置30)
図5は本発明の実施の形態1に係る屋外警報装置30の回路構成を示す図である。
図5において、屋外警報装置30は、制御回路301、電池302、電源回路303、電池電圧検出回路304、送受信回路305、アンテナ306、警報音制御回路308、表示回路309、火災確認ボタン331、誤報確認ボタン332、及び移報入力回路330を備える。
【0037】
制御回路301は、入力される信号等に基づいて処理を行い、屋外警報装置30が有する回路等の制御を行う。例えば、移報入力回路330からの信号に基づいて、警報音制御回路308、表示回路309を動作させて音、表示によって火災に係る警報等を行う。また制御回路301は、例えば、移報入力回路330からの信号に基づいて、警報信号又は誤報信号と識別IDとを含む通信情報を生成する。生成した通信情報は、送受信回路305を介して、中継機40及び親機50との通信処理を行う。記憶素子321は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、制御回路301が実行する処理に係るプログラム、自己に設定されたアドレス(識別ID)等の各種データを格納している。なお、屋外警報装置30の識別IDは、システム内の屋外警報装置30において固有に設定される。
【0038】
電池302は、電源回路303に直流電源を供給する。電源回路303は、電池302の電圧を所定電圧に制御し、屋外警報装置30の各回路に供給する。電池電圧検出回路304は、電池302の印加に係る電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路301に出力する。
なお、本実施の形態では、電池302から直流電源を供給する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、電源回路303を商用電源(AC100V等)に対応する構成とし、電池302に代えて商用電源を供給するようにしても良い。
【0039】
電池電圧検出回路304からの電圧検出信号に基づいて、電池残量が低下したこと、電池切れの閾値を超えたことを判断すると、制御回路301は、表示回路309を駆動させて電池切れ等を報知させる。
【0040】
送受信回路305は、無線信号を送受信するためのアンテナ306に接続されている。送受信回路305は、制御回路301が生成した通信情報を所定の通信方式の無線信号に変調して送信する。
【0041】
警報音制御回路308は、ブザー・スピーカ等(図示せず)から警報音を発生させる動作を制御する回路である。表示回路309は、例えば発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。ここでは、表示灯の点灯制御を行う回路であるものとして説明するが、これに限らず、文字、数字等を表示させる制御を行うようにしてもよい。
【0042】
移報入力回路330は移報アダプタ20からの火災に係る警報信号等を含む移報信号を入力(受信)するための構成である。なお、移報入力回路330は移報アダプタ20に有線接続されているが、無線接続であってもよい。
【0043】
火災確認ボタン331は、住戸Hの屋外から操作可能に構成されている。火災確認ボタン331は、住戸Hの屋外からの操作により、火災確定信号を含む通信情報を送信させるためのボタンである。
誤報確認ボタン332は、住戸Hの屋外から操作可能に構成されている。誤報確認ボタン332は、住戸Hの屋外からの操作により、火災警報器10からの警報信号が誤報であった旨の誤報信号を含む通信情報を送信させるためのボタンである。
【0044】
図6は本発明の実施の形態1に係る屋外警報装置30の外観の一例を示す図である。
図6に示すように、屋外警報装置30は、筐体の正面に、火災確認ボタン331と誤報確認ボタン332とが配置されている。
火災確認ボタン331は例えば赤色のランプつきボタンなどによって構成されている。なお、屋外警報装置30が警報信号を受信した場合にはランプを点滅させ、屋外警報装置30から火災確定信号を送信している場合にはランプを点灯状態にするなど、動作状態によってランプの点灯状態を変更するようにしても良い。
誤報確認ボタン332は例えば緑色のランプつきボタンなどによって構成されている。なお、屋外警報装置30が警報信号を受信した場合にはランプを点滅させ、屋外警報装置30から火災確定信号を送信している場合にはランプを消灯状態にするなど、動作状態によってランプの点灯状態を変更するようにしても良い。
このように、火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332の色及び点灯状態を変更することで、操作に不慣れな居住者や住戸Hの周辺に居合わせた者などでも直感的に操作を行うことができる。
【0045】
なお、上記構成に加え、屋外警報装置30に、住戸Hの屋外から操作可能な点検ボタンを設けても良い。制御回路301は、点検ボタンが操作されたとき、警報音制御回路308及び表示回路309の少なくとも一方を動作させて警報を発報させる。また、制御回路301は、点検動作である旨の情報を含む通信情報を生成し、送受信回路305から送信するようにしても良い。このとき後述する警報信号の配信動作と同様に中継機40、親機50、ゲートウェイ60、およびインターネット71を経由してクラウドサーバー70に伝送するようにしても良いし、この場合さらに点検結果を電子メールによって住戸Hの居住者に送信するようにしてもよい。これにより、住戸Hの屋外から点検操作を行うことができるようになる。
なお、点検ボタンを別途設けずに、火災確認ボタン331又は誤報確認ボタン332が点検ボタンを兼ねるようにしても良い。例えば半押し又は全押し、短押し又は長押し等で区別することにより、ボタンの使い分けを行うことができる。
【0046】
(中継機40)
図7は本発明の実施の形態1に係る中継機40の回路構成を示す図である。
図7において、中継機40は、制御回路401、充電電池402、電源回路403、電池電圧検出回路404、送受信回路405、アンテナ406、太陽電池407、及び充電切換回路408を備える。
【0047】
制御回路401は、入力される信号等に基づいて処理を行い、中継機40が有する回路等の制御を行う。例えば、送受信回路405が受信した通信情報に、自己の識別IDを含めた通信情報を生成する。生成した通信情報は、送受信回路405を介して、他の中継機40及び親機50との通信処理を行う。記憶素子421は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、制御回路401が実行する処理に係るプログラム、自己に設定されたアドレス(識別ID)等の各種データを格納している。なお、中継機40の識別IDは、システム内の中継機40において固有に設定される。
ここで、制御回路401は、送受信回路405が受信した無線信号の受信電界強度の情報を付加した通信情報を生成するようにしても良い。この受信電界強度の情報は、親機50を介してクラウドサーバー70に送られ、最も強い電波を受信した中継機40の位置を、火災等の警報信号を送信した屋外警報装置30に最も近い中継機40として検出するようにしても良い。なお、中継機40は、自身よりも先に中継した中継機40からの通信情報を中継する場合は、自身よりも先に中継した中継機40の識別IDと受信電界強度の情報に後続して、自身の識別IDと受信電界強度の情報とを付加した通信情報を生成するようにするとよい。これにより、クラウドサーバー70は、複数の中継機40を経由した通信情報であっても、先頭の中継機IDにおける受信電界強度の情報を比較すれば、最も強い電波を受信した中継機40の位置を、火災等の警報信号を送信した屋外警報装置30に最も近い中継機40として検出することができる。また、中継機40は、自身よりも先に中継した中継機40からの通信情報を中継する場合は、少なくとも自身の受信電界強度の情報を付加しないようにしても同様な効果を奏することができる。また、同様な効果を奏するその他の構成を採用することもできる。
【0048】
送受信回路405は、無線信号を送受信するためのアンテナ406に接続されている。送受信回路405は、屋外警報装置30及び他の中継機40から送信された通信情報を受信する。また、制御回路401が生成した通信情報を所定の通信方式の無線信号に変調して送信する。
【0049】
充電電池402は、電源回路403に直流電源を供給する。電源回路403は、充電電池402の電圧を所定電圧に制御し、中継機40の各回路に供給する。電池電圧検出回路404は、充電電池402の印加に係る電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路401に出力する。
【0050】
太陽電池407は、充電切換回路408を介して充電電池402に接続される。制御回路401は、電池電圧検出回路404からの電圧検出信号に基づいて、一定の電圧を下回る場合には、充電切換回路408を動作させて太陽電池407と充電電池402とを接続させて太陽電池407からの電力を充電電池402に供給させる。また、一定の電圧を超えた場合には、充電切換回路408を動作させて太陽電池407と充電電池402との接続を遮断させて充電を停止させる。
なお、本実施の形態では、充電電池402及び太陽電池407から直流電源を供給する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、電源回路403を商用電源(AC100V等)に対応する構成とし、充電電池402及び太陽電池407に代えて商用電源を供給するようにしても良い。
【0051】
(親機50)
図8は本発明の実施の形態1に係る親機50の回路構成を示す図である。
図8において、親機50は、中継機40と同様に、制御回路501、充電電池502、電源回路503、電池電圧検出回路504、送受信回路505、アンテナ506、太陽電池507、及び充電切換回路508を備える。これらの回路等は、基本的には前述した中継機40の対応する回路等と同様の動作を行う。ただし、システムにおける役割の違いから、制御回路501は、中継機40の制御回路401の処理とは異なる処理を行う場合がある。また、制御回路501は記憶素子521を有し、制御回路501が実行する処理のプログラム、自己に設定されたアドレス等の各種データを格納している。
また、親機50は、情報出力回路530を有している。情報出力回路530は、ゲートウェイ60に通信情報を出力(送信)するための構成である。情報出力回路530は、例えば、RS232C等のシリアル通信方式のインターフェースにより構成される。なお、情報出力回路530とゲートウェイ60との間は有線接続されているが、無線接続であってもよい。
【0052】
(クラウドサーバー70)
図9は本発明の実施の形態1に係るクラウドサーバー70の記憶情報700の構成を示す図である。
図9において、クラウドサーバー70には、屋外警報装置30の識別IDと、住戸名と、電子メールアドレスの情報とを有する記憶情報700が予め記憶されている。
屋外警報装置30の識別IDは、屋外警報装置30固有の識別情報であり、屋外警報装置30が送信する警報情報に付加される情報である。
住戸名は、屋外警報装置30の識別IDに対応する住戸を識別する情報である。例えば居住者の氏名等の情報である。なお、住戸名の情報は省略しても良い。
電子メールアドレスは、屋外警報装置30の識別IDに対応して記憶され、所定の地域内の居住者が所持する1つ又は複数の情報端末80の電子メールアドレスの情報である。ここで、「居住者が所持する」とは、地域内の居住者及びこれに準ずるものが電子メールの情報内容を確認しうる情報端末80を言うものであり、居住者が実際に手にしている情報端末80に限定されるものではない。また、必ずしも情報端末80が常に地域内に存在している場合に限定されるものではない。例えば携帯可能な情報端末80であれば地域外に存在する場合があり得ることは勿論のことである。
【0053】
なお、本実施の形態では屋外警報装置30の識別IDに対応して電子メールアドレスの情報が記憶される場合を説明するが、これに限らず、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。例えば、屋外警報装置30の識別IDに代えて、火災警報器10のグループアドレス(グループID)を用いても良い。
【0054】
なお、ゲートウェイ60には商用電源が供給されるが、停電等により電源供給が遮断された場合に、電源供給を実施する無停電電源装置を設けるようにしても良い。
これにより、本実施の形態における地域防災情報システムを構成する、火災警報器10、移報アダプタ20、屋外警報装置30、中継機40、親機50、及びゲートウェイ60は、電池又は無停電電源装置から電源が供給されることとなり、例えば災害などにより商用電源からの供給が停止した場合であっても動作を継続することができる。
また、クラウドサーバー70は、住戸Hが存在する地域とは別の位置に設けられたネットワーク機器によって構成されるため、当該地域において停電等が発生したとしても電源供給が遮断されることはない。また、当該地域において自然災害が発生した場合などでもクラウドサーバー70の機能が失われることがなく、より信頼性の高い地域防災情報システムを構築できる。さらに、クラウドコンピューティングを利用する場合、サーバー装置単体を購入する場合の費用よりも廉価であることが一般的であり、地域防災情報システムを導入する者(自治体など)の費用負担を軽減することが可能となる。
【0055】
(動作)
次に、本実施の形態1における地域防災情報システムの動作について説明する。
【0056】
(警報動作)
火災警報器10の制御回路101は、火災検出回路107から信号が入力されたかどうかを判断する。火災検出による信号が入力されたものと判断すると、警報音制御回路108を動作させて、火元となる火災である旨の音声等を発生させ、表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる火元警報を行わせる。そして、送受信回路105に、グループ内の他の機器に警報を連動させるための連動制御信号を、アンテナ106を介して送信させる。
一方、火災警報器10の制御回路101は、アンテナ106、送受信回路105を介して、他の火災警報器10からの連動制御信号を受信すると、警報音制御回路108を動作させて他の場所での火災である旨の音等を発生させ、表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる連動警報を行わせる。
【0057】
なお、警報を行った後、点検・警報停止スイッチ120が押下されると、警報音制御回路108による音の発生、表示回路109による表示を停止させ、火元警報又は連動警報を停止させる。また、送受信回路105に、他の機器の連動警報を停止させるための連動警報停止信号を送信させる。
火災警報器10の制御回路101は、アンテナ106、送受信回路105を介して、他の火災警報器10または移報アダプタ20からの連動警報停止信号を受信すると、警報音制御回路108による音の発生、表示回路109による表示を停止させ、連動警報を停止させる。
【0058】
移報アダプタ20の制御回路201は、アンテナ206、送受信回路205を介して、火災警報器10からの連動制御信号を受信すると、移報出力回路230に火災に係る警報の移報信号(警報信号)を出力させる。また、このとき、火災警報音出力設定スイッチ231がオンになっている場合には、警報音制御回路208、表示回路209を動作させて連動警報を行わせる。
【0059】
なお、点検・警報停止スイッチ220が押下され、警報停止の指示がなされると、または火災警報器10からの連動警報停止信号を受信すると、火災警報音出力設定スイッチ231の設定に応じて、警報音制御回路208による音の発生、表示回路209による表示を停止させ、連動警報を停止させる。
また、自身の点検・警報停止スイッチ220が押下された場合は、送受信回路205に、他の機器の連動警報を停止させるための連動警報停止信号を送信させる。
ここで、火元の火災警報器10は、火災を検出しなくなった場合は、火元警報を停止するとともに、他の機器の連動警報を停止、及び移報アダプタ20による火災に係る警報の移報信号(警報信号)の出力を停止させるための復旧信号を送信する。他の機器である他の火災警報器10及び移報アダプタ20は、復旧信号を受信すると、連動警報を停止するとともに、移報アダプタ20は、火災に係る警報の移報信号(警報信号)の出力を停止させる。これにより、屋外警報装置30には、警報信号を受信していない状態(移報アダプタ20からの移報信号の入力停止状態)に復旧するので、後述するように、誤報確認ボタン332の操作が有効となる。
【0060】
(警報信号の配信動作)
屋外警報装置30の制御回路301は、移報入力回路330に移報アダプタ20からの移報信号が入力されたと判断すると、警報音制御回路308を動作させて当該住戸Hで火災が発生した旨の音等を発生させるとともに、警報信号と当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し、送受信回路305に送信させる。なお、このとき、表示回路309を動作させて警報信号を送信している旨を表示させるようにしても良い。
【0061】
中継機40の制御回路401は、アンテナ406、送受信回路405を介して、屋外警報装置30又は他の中継機40からの通信情報を受信すると、受信した通信情報に自己の識別IDを含めた通信情報を生成し、送受信回路405に送信させる。なお、送受信回路405が受信した無線信号の受信電界強度の情報を付加した通信情報を生成するようにしても良い。なお、ここでは受信した通信情報に自己の識別IDや受信電界強度の情報を付加する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、受信した通信情報(無線信号)を増幅・成形して再送信のみを行うようにしても良い。
【0062】
親機50の制御回路501は、アンテナ506、送受信回路505を介して、屋外警報装置30又は中継機40からの通信情報を受信すると、情報出力回路530に通信情報を出力させる。ゲートウェイ60は、親機50から入力された通信情報のプロトコル変換を行い、インターネット71を経由してクラウドサーバー70に当該通信情報を送信する。
【0063】
クラウドサーバー70は、親機50から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号と識別IDと、予め記憶した記憶情報700とに基づき、電子メールを生成して送信する。
通信情報に含まれる信号が警報信号である場合、当該住戸の火災警報器10が火災等を検出した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報を電子メールの本文とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする電子メールを生成する。
なお、この電子メールは、本発明における「第1の電子メール」に相当する。
【0064】
なお、通信情報に中継機40の識別IDが付加されている場合には、中継機40の識別IDの情報を電子メール本文に付加しても良い。なお、複数の中継機40から屋外警報装置30の識別IDが同一の通信情報を取得した場合には、クラウドサーバー70は、無線信号の受信電界強度の情報に基づき、最も強い電波を受信した中継機40の位置を、火災等の警報信号を送信した屋外警報装置30に最も近い中継機40として検出し、この中継機40の識別IDを電子メール本文に付加するようにしても良い。
【0065】
図10は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する電子メールの一例を示す図である。
例えば
図10に示すように、通信情報に含まれる信号が警報信号である場合には、電子メールの件名を「緊急メール」とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして、電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅から火災通報を受信しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。○○さん宅へ駆け付けて火災の有無を確認して下さい。」などの文章を生成する。
【0066】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、電子メールの内容は、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。
【0067】
情報端末80は、インターネット71を介して、クラウドサーバー70から配信された電子メールを受信する。そして、情報端末80を所持する居住者は、受信した電子メールの内容から、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認する。
【0068】
以上のように本実施の形態においては、火災警報器10からの警報信号を、屋外警報装置30、中継機40、親機50を介してクラウドサーバー70へ送信し、所定の地域内の居住者が所持する情報端末80に対して、火災等を検出した旨の情報を含む電子メールを送信するので、地域内で発生した火災等の警報信号を地域内の居住者が共有することができる。
【0069】
(火災確定信号の配信動作)
上述した警報信号の配信動作における電子メールによって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した居住者は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する。そして、住戸Hにおいて実際に火災等が発生している場合、屋外に設置された屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作する。なお、上記電子メールを確認した居住者に限らず、住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作しても良い。
住戸Hへ駆け付けた居住者および住戸Hの周辺に居合わせた者は、初期消火活動や避難誘導などを迅速に実施すると共に、公設消防などへ連絡する。
【0070】
火災確認ボタン331が操作されると、屋外警報装置30の制御回路301は、火災確定信号と、当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し、送受信回路305に送信させる。
屋外警報装置30から送信された通信情報は、上述した警報信号の配信動作と同様に、中継機40、親機50、ゲートウェイ60、およびインターネット71を経由してクラウドサーバー70に伝送される。
【0071】
クラウドサーバー70は、親機50から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合、当該住戸Hに火災が発生した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報を電子メールの本文とし、火災確定信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする電子メールを生成して送信する。ここで、「電子メールアドレスの全て」とは、火災確定信号の配信先として予め設定した電子メールアドレスの全てを言うものであり、クラウドサーバー70に記憶されている電子メールアドレスの全てに限定されるものではない。少なくとも、当該住戸Hの屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレス以外の電子メールアドレスを含んでいれば良い。
なお、この電子メールは、本発明における「第2の電子メール」に相当する。
【0072】
図11は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する電子メールの一例を示す図である。
例えば
図11に示すように、通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合には、電子メールの件名を「火災発生メール」とし、火災確定信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全てを宛先とする。そして、電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で火災が発生しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」などの文章を生成する。
【0073】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、電子メールの内容は、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。
【0074】
情報端末80は、インターネット71を介して、クラウドサーバー70から配信された電子メールを受信する。そして、情報端末80を所持する居住者は、受信した電子メールの内容から、地域内の住戸で火災等が発生した旨を確認する。
【0075】
以上のように本実施の形態においては、火災確認ボタン331が操作されると、地域内の住戸で火災等が発生した旨の情報を含む電子メールを、所定の地域内の居住者が所持する情報端末80の全てに送信するので、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0076】
(誤報信号の配信動作)
上述した警報信号の配信動作における電子メールによって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した居住者は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する。そして、住戸Hにおいて実際に火災等が発生していない場合(火災状態から復旧した場合)、屋外に設置された屋外警報装置30の誤報確認ボタン332を操作する。なお、上記電子メールを確認した居住者に限らず、住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の誤報確認ボタン332を操作しても良い。
【0077】
警報信号を受信していない状態(火災状態から復旧した状態)で誤報確認ボタン332が操作されると、屋外警報装置30の制御回路301は、誤報信号と、当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し、送受信回路305に送信させる。
屋外警報装置30から送信された通信情報は、上述した警報信号の配信動作と同様に、中継機40、親機50、ゲートウェイ60、およびインターネット71を経由してクラウドサーバー70に伝送される。
【0078】
なお、警報信号を受信している状態(移報アダプタ20からの移報信号が入力状態、つまり火災状態から復旧していない状態)の場合には、屋外警報装置30は、誤報確認ボタン332が操作されても、誤報信号を含む通信情報を送信しない。このような動作により、実際には火災が発生している場合に誤報確認ボタン332が操作されたとしても、誤報信号を含む情報が送信されることがなく、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0079】
クラウドサーバー70は、親機50から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号が誤報信号である場合、当該住戸Hの火災警報器10からの警報信号が誤報である旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報を電子メールの本文とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする電子メールを生成する。
なお、この電子メールは、本発明における「第5の電子メール」に相当する。
【0080】
図12は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する電子メールの一例を示す図である。
例えば
図12に示すように、通信情報に含まれる信号が誤報信号である場合には、電子メールの件名を「誤報通知メール」とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして、電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅からの火災通報は誤報です。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」などの文章を生成する。
【0081】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、電子メールの内容は、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。
【0082】
情報端末80は、インターネット71を介して、クラウドサーバー70から配信された電子メールを受信する。そして、情報端末80を所持する居住者は、受信した電子メールの内容から、当該住戸Hの火災警報器10からの警報信号が誤報である旨を確認する。
【0083】
以上のように本実施の形態においては、誤報確認ボタン332が操作されると、当該住戸Hの火災警報器10からの警報信号が誤報である旨の情報を含む電子メールを、情報端末80に送信するので、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0084】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を電子メールによって配信する動作を説明したが、電子メールを確認した居住者が当該住戸へ駆け付けられない場合もある。また複数の情報端末80へ電子メールを送信した場合、電子メールを確認した複数の居住者のうち、当該住戸への駆け付けが可能である者の有無が不明である。
本実施の形態2では、情報端末80から、住戸への駆け付けが可能である旨の情報を取得する動作について説明する。
なお、本実施の形態2における地域防災情報システムの各機器の構成は上記実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
以下、本実施の形態2における地域防災情報システムの動作について、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0085】
(駆け付け可能情報の配信動作)
警報信号の配信動作によって、情報端末80は、クラウドサーバー70から配信された電子メール(以下「第1の電子メール」という)を受信する。そして、情報端末80を所持する居住者は、受信した第1の電子メールの内容から、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認する。なお、本実施の形態2においては、警報信号を配信する情報端末80が複数である。
【0086】
上記第1の電子メールによって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した居住者は、該当する住戸Hへ駆け付けることが可能である場合、情報端末80から、住戸Hへ駆け付け可能である旨の情報を送信する操作を行う。
例えば、情報端末80からクラウドサーバー70の電子メールアドレスに対して、電子メールを返信させる操作を行う。なお、住戸Hへ駆け付け可能である旨の情報を送信する操作は、これに限定されず任意の操作でよい。例えば、Webブラウザなどを用いて情報端末80からクラウドサーバー70へアクセスして、住戸Hへ駆け付け可能である旨の情報を送信しても良い。
【0087】
クラウドサーバー70は、第1の電子メールを送信した複数の情報端末80の少なくとも1つから、住戸Hへ駆け付け可能である旨の情報を取得した場合、第1の電子メールを送信した他の情報端末80へ、他の居住者が住戸Hへ駆け付け可能である旨の情報を含む電子メール(以下「第3の電子メール」という)を送信する。
【0088】
例えば、第3の電子メールの件名を「駆け付け確定メール」とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして、電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、住戸Hへ駆け付け可能である旨の情報を送信した情報端末80の電子メールアドレスと、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅へ△△さんが駆け付け可能です。」などの文章を生成する。
【0089】
情報端末80は、インターネット71を介して、クラウドサーバー70から配信された第3の電子メールを受信する。そして、情報端末80を所持する他の居住者は、受信した第3の電子メールの内容から、他の居住者が、火災等の警報が発生した住戸へ駆け付け可能である旨を確認する。
【0090】
以上のように本実施の形態2においては、第1の電子メールを複数の情報端末80へ送信する場合に、火災等の警報が発生した住戸へ駆け付け可能である居住者の有無を他の居住者が確認することができる。これにより、例えば当該住戸へ駆け付ける者がいない場合に、第1の電子メールを確認した居住者が、近隣住民などの他の者に連絡するなどの行動を取ることができる。
【0091】
(警報信号の転送動作)
クラウドサーバー70は、第1の電子メールを送信したあと所定の時間(例えば1分)内に、住戸へ駆け付け可能である旨の情報の返信がない場合、第1の電子メールを送信した情報端末80以外の情報端末80へ、地域内の住戸の火災警報器10が火災等を検出した旨の情報を含む電子メール(以下「第4の電子メール」という)を送信する。
【0092】
例えば、第4の電子メールの件名を「緊急メール」とし、駆け付ける者がいない場合の転送先として予め設定した電子メールアドレスを宛先とする。そして、電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅から火災通報を受信しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。○○さん宅へ駆け付けて火災の有無を確認して下さい。」などの文章を生成する。
なお、第4の電子メールには、他の居住者が住戸へ駆け付けられない旨の情報を含めても良い。例えば本文に「○○さん宅の居住者は駆け付けることができません。代わりに○○さん宅へ駆け付けて火災の有無を確認して下さい。」などの文章を含めても良い。
【0093】
以上のように本実施の形態2においては、第1の電子メールを確認した居住者が、住戸へ駆け付けることができない場合に、他の居住者に対して、地域内で発生した火災等の警報信号を転送することができる。
【0094】
実施の形態3.
上記実施の形態1及び2では、情報端末80を用いて住戸で発生した火災等の情報を通知する形態について説明したが、例えば高齢者など情報端末80等の操作に不慣れな居住者も存在する。また、予め登録した情報端末80を所持した者以外にも地域内に居合わせた者に対して火災等の情報を迅速に伝達し、地域内の居住者及び居合わせた者が協力して避難行動や消火活動等を迅速に行われるようにしたいという要望もある。
本実施の形態3では、地域内に警報を鳴動させる防災音響ユニットを備えた地域防災情報システムについて説明する。
以下、本実施の形態3における地域防災情報システムの構成及び動作について、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0095】
図13は本発明の実施の形態3に係る地域防災情報システムの構成を示す図である。
図13に示すように、実施の形態3に係る地域防災情報システムは、上記実施の形態1の構成に加え、防災音響ユニット90を備えている。
防災音響ユニット90は、防災サイレン設備又は防災放送設備などの設備と、これらの設備を起動させる起動装置とから構成されている。防災サイレン設備又は防災放送設備は、例えば、火災情報、自然災害情報、警戒宣言、避難勧告などの緊急防災情報をサイレン又は音声で広域に報知するため、広域避難場所、区役所・支所、小学校、消防署等に設定されている設備である。起動装置は、インターネット71に接続され、通信情報を受信する機能を有するコンピュータにより構成され、防災サイレン設備及び防災放送設備を作動させるリレー機器等に対して作動信号を出力可能に構成されている。
【0096】
図14は本発明の実施の形態3に係る屋外警報装置30、中継機40、親機50、及び防災音響ユニット90の配置位置を示す図である。
図14に示すように、防災音響ユニット90は、例えば地域内における屋外の支柱等の上部に設置される。防災音響ユニット90は、例えば地域内の全域に警報が伝達される位置に配置される。なお、防災音響ユニット90を地域内に複数設けても良い。
【0097】
(防災音響ユニット90の鳴動動作)
上記実施の形態1で説明した警報信号の配信動作における電子メールによって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した居住者は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する。そして、住戸Hにおいて実際に火災等が発生している場合、屋外に設置された屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作する。なお、上記電子メールを確認した居住者に限らず、住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作しても良い。
【0098】
火災確認ボタン331が操作されると、屋外警報装置30の制御回路301は、火災確定信号と、当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し、送受信回路305に送信させる。
屋外警報装置30から送信された通信情報は、上述した警報信号の配信動作と同様に、中継機40、親機50、ゲートウェイ60、およびインターネット71を経由してクラウドサーバー70に伝送される。
【0099】
クラウドサーバー70は、親機50から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合、防災放送動作信号を含む通信情報を、インターネット71を介して防災音響ユニット90へ送信する。
防災音響ユニット90は、クラウドサーバー70からの通信情報に防災放送動作信号が含まれている場合、地域内の広域に警報を鳴動させる。
【0100】
なお、クラウドサーバー70は、上記実施の形態1で説明した火災確定信号の配信動作における電子メールを用いて、防災音響ユニット90を動作させるようにしても良い。例えば、クラウドサーバー70の記憶情報700に、防災音響ユニット90の起動装置の電子メールアドレスを予め記憶させる。そして、クラウドサーバー70は、上述した動作と同様に、親機50から火災確定信号を受信すると電子メールを生成し、起動装置に対して電子メールを送信する。
起動装置は、受信した電子メールを解析して、火災等の通報であると判断すると、リレー機器に作動信号を出力して、防災サイレン設備及び防災放送設備の少なくとも一方を起動させる。なお、受信メールが火災等の通報であるか否かの判断は、例えば、電子メール文中に所定の文字列(例えば「火災発生メール」)が含まれている場合に火災等の通報であると判断する。
【0101】
以上のように本実施の形態3においては、防災音響ユニット90によって、地域内の広域に警報を伝達することができ、例えば高齢者など情報端末80等の操作に不慣れな居住者や、情報端末80を所持していない者に対しても、火災等の情報を迅速に伝達することができる。
また、火災確認ボタン331が操作されると、防災音響ユニット90の警報が鳴動するので、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0102】
なお、本実施の形態3においても、上記実施の形態2で説明した、駆け付け可能情報の配信動作、警報信号の転送動作を行ってもよい。
【0103】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、屋外に設置した屋外警報装置30の火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332によって、火災確定信号の配信動作及び誤報信号の配信動作を行った。
本実施の形態4では、火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332の操作に代えて、情報端末80からの通信情報を用いて火災確定信号の配信動作及び誤報信号の配信動作を行う形態について説明する。
【0104】
なお、本実施の形態4における地域防災情報システムの各機器の構成は上記実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
なお、本実施の形態4においては、屋外警報装置30の火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332を設けない構成としても良い。また、屋外警報装置30を屋内に設けても良い。また、屋外警報装置30から警報を発報せずに、通信情報の転送のみを行う構成でも良い。
【0105】
以下、本実施の形態4における地域防災情報システムの動作について、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0106】
(火災確定信号の配信動作)
上記実施の形態1で説明した警報信号の配信動作における電子メール(第1の電子メール)によって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した居住者は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する。
そして、住戸Hにおいて実際に火災等が発生していることを確認した居住者は、情報端末80から火災確定信号を含む通信情報を送信する操作を行う。
例えば、Webブラウザなどを用いて情報端末80からクラウドサーバー70へアクセスして、火災確定信号を含む通信情報を送信する。なお、火災確定信号を含む通信情報を送信する操作は、これに限定されず任意の操作でよい。例えば、第1の電子メールに対して電子メールを送信する操作を、火災確定信号を含む通信情報を送信する操作としても良い。
【0107】
クラウドサーバー70は、情報端末80から取得した通信情報を解析し、通信情報に火災確定信号が含まれる場合、当該住戸Hに火災が発生した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報を電子メールの本文とし、火災確定信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする電子メールを生成して送信する。ここで、「電子メールアドレスの全て」とは、火災確定信号の配信先として予め設定した電子メールアドレスの全てを言うものであり、クラウドサーバー70に記憶されている電子メールアドレスの全てに限定されるものではない。少なくとも、当該住戸Hの屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレス以外の電子メールアドレスを含んでいれば良い。
なお、この電子メールは、本発明における「第2の電子メール」に相当する。
【0108】
(誤報信号の配信動作)
上記実施の形態1で説明した警報信号の配信動作における電子メール(第1の電子メール)によって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した居住者は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する。
そして、住戸Hにおいて実際に火災等が発生していない場合(火災状態から復旧した場合)、居住者は、情報端末80から誤報信号を含む通信情報を送信する操作を行う。
例えば、Webブラウザなどを用いて情報端末80からクラウドサーバー70へアクセスして、誤報信号を含む通信情報を送信する。なお、誤報信号を含む通信情報を送信する操作は、これに限定されず任意の操作でよい。例えば、クラウドサーバー70の電子メールアドレスに対して、所定の文字列(例えば「誤報」など)が含まれる電子メールを送信する操作を、誤報信号を含む通信情報を送信する操作としても良い。
【0109】
クラウドサーバー70は、情報端末80から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号が誤報信号である場合、当該住戸Hの火災警報器10からの警報信号が誤報である旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報を電子メールの本文とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする電子メールを生成する。
なお、この電子メールは、本発明における「第5の電子メール」に相当する。
【0110】
以上のように本実施の形態4では、屋外警報装置30の火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332の操作に代えて、情報端末80からの通信情報を用いて火災確定信号の配信動作及び誤報信号の配信動作を行うので、例えば火災等によって屋外警報装置30が破損した場合又は屋外警報装置30へ近づけない場合であっても火災確定信号を配信することができる。
【0111】
なお、本実施の形態4においても、上記実施の形態2で説明した、駆け付け可能情報の配信動作、警報信号の転送動作を行ってもよい。
また、上記実施の形態3のシステム構成において、本実施の形態4における火災確定信号の配信動作を適用しても良い。
【0112】
なお、上記実施の形態1〜4の構成に加え、住戸Hの居住者が所持する非常ボタン装置を設ける構成としても良い。
この非常ボタン装置は、上記屋外警報装置30における火災確認ボタン331と同様の機能を有しており、上記火災確定信号に代えて、緊急通報信号を含めた通信情報を送信する。この上述した動作と同様に、中継機40、親機50を介して、クラウドサーバー70へ伝送される。クラウドサーバー70は、上記火災確定信号を受信した場合と同様の動作を実施する。
このような構成により、例えば独居高齢者などの居住者が体調に異変が生じた場合に、当該非常ボタン装置を操作することで、地域内の他の居住者に対して緊急通報を行うことができる。
【0113】
実施の形態5.
本実施の形態5では、住戸Hに設けられた火災警報器10と、住戸Hの屋外に設けられた屋外警報装置30とを備えた警報システムについて説明する。
【0114】
図15は本発明の実施の形態5に係る警報システムの構成を示す図である。
図15に示すように、本発明の実施の形態5に係る警報システムは、火災警報器10と、移報アダプタ20と、屋外警報装置30とを備えている。
なお、屋外警報装置30は、本発明における「住戸警報装置」に相当する。
【0115】
火災警報器10、移報アダプタ20、及び屋外警報装置30の構成は、上記実施の形態1の構成と同様である。
なお、本実施の形態5においては、屋外警報装置30の送受信回路305及びアンテナ306を設けない構成としても良い。
【0116】
(動作)
次に、本実施の形態5における警報システムの動作について説明する。
【0117】
(警報動作)
火災警報器10の制御回路101は、火災検出回路107から信号が入力されたかどうかを判断する。火災検出による信号が入力されたものと判断すると、警報音制御回路108を動作させて、火元となる火災である旨の音声等を発生させ、表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる火元警報を行わせる。そして、送受信回路105に、グループ内の他の機器に警報を連動させるための連動制御信号を、アンテナ106を介して送信させる。
一方、火災警報器10の制御回路101は、アンテナ106、送受信回路105を介して、他の火災警報器10からの連動制御信号を受信すると、警報音制御回路108を動作させて他の場所での火災である旨の音等を発生させ、表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる連動警報を行わせる。
【0118】
なお、警報を行った後、点検・警報停止スイッチ120が押下されると、警報音制御回路108による音の発生、表示回路109による表示を停止させ、火元警報又は連動警報を停止させる。また、送受信回路105に、他の機器の連動警報を停止させるための連動警報停止信号を送信させる。
火災警報器10の制御回路101は、アンテナ106、送受信回路105を介して、他の火災警報器10または移報アダプタ20からの連動警報停止信号を受信すると、警報音制御回路108による音の発生、表示回路109による表示を停止させ、連動警報を停止させる。
【0119】
移報アダプタ20の制御回路201は、アンテナ206、送受信回路205を介して、火災警報器10からの連動制御信号を受信すると、移報出力回路230に火災に係る警報の移報信号(警報信号)を出力させる。また、このとき、火災警報音出力設定スイッチ231がオンになっている場合には、警報音制御回路208、表示回路209を動作させて連動警報を行わせる。
【0120】
なお、点検・警報停止スイッチ220が押下され、警報停止の指示がなされると、または火災警報器10からの連動警報停止信号を受信すると、火災警報音出力設定スイッチ231の設定に応じて、警報音制御回路208による音の発生、表示回路209による表示を停止させ、連動警報を停止させる。
また、自身の点検・警報停止スイッチ220が押下された場合は、送受信回路205に、他の機器の連動警報を停止させるための連動警報停止信号を送信させる。
ここで、火元の火災警報器10は、火災を検出しなくなった場合は、火元警報を停止するとともに、他の機器の連動警報を停止、及び移報アダプタ20による火災に係る警報の移報信号(警報信号)の出力を停止させるための復旧信号を送信する。他の機器である他の火災警報器10及び移報アダプタ20は、復旧信号を受信すると、連動警報を停止するとともに、移報アダプタ20は、火災に係る警報の移報信号(警報信号)の出力を停止させる。これにより、屋外警報装置30には、警報信号を受信していない状態(移報アダプタ20からの移報信号の入力停止状態)に復旧するので、誤報確認ボタン332の操作が有効となる。
【0121】
屋外警報装置30の制御回路301は、移報入力回路330に移報アダプタ20からの移報信号が入力されたと判断すると、警報音制御回路308を動作させて当該住戸Hで火災が発生した旨の音等を発生させる。なお、このとき、表示回路309を動作させて警報を行っている旨を表示させるようにしても良い。
なお、この警報動作では、表示回路309の表示のみを行い、警報音を発生させない動作でも良い。
【0122】
(火災確定動作)
上述した警報動作によって、居住者は、当該住戸Hでの火災発生の有無を確認する。そして、住戸Hにおいて実際に火災等が発生している場合、直ちに屋外に避難し、屋外に設置された屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作する。なお、居住者に限らず、住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作しても良い。
住戸Hへ駆け付けた居住者および住戸Hの周辺に居合わせた者は、初期消火活動や避難誘導などを迅速に実施すると共に、公設消防などへ連絡する。
【0123】
火災確認ボタン331が操作されると、屋外警報装置30の制御回路301は、警報音制御回路308による警報を保持する。なお、このとき、上記警報動作とは異なる警報を行うようにしても良い。例えば警報音をより大きくするなどしても良い。また、上記警報動作で表示のみ行う場合には、火災確認ボタン331が操作されると警報音制御回路308を動作させて警報音を発生させる。
【0124】
以上のように本実施の形態においては、住戸の屋外に屋外警報装置30を設置したので、住戸の居住者に加えて周辺の住戸の居住者及び周辺に居合わせた者等に、火災等の警報を伝達することができる。
また、火災確認ボタン331が操作されると、屋外警報装置30の警報が保持されるので、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0125】
(誤報信号の配信動作)
上述した警報動作によって、居住者は、当該住戸Hでの火災発生の有無を確認する。そして、住戸Hにおいて実際に火災等が発生していない場合(火災状態から復旧した場合)、屋外に設置された屋外警報装置30の誤報確認ボタン332を操作する。なお、居住者に限らず、住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の誤報確認ボタン332を操作しても良い。
【0126】
警報信号を受信していない状態(火災状態から復旧した状態)で誤報確認ボタン332が操作されると、屋外警報装置30の制御回路301は、警報音制御回路308及び表示回路309の動作を停止させ、警報を復旧させる。
【0127】
以上のように本実施の形態においては、誤報確認ボタン332が操作されると、屋外警報装置30の警報が復旧するので、誤報である場合には早期に警報を停止させ、火災等の警報の確実性を向上することができる。
なお、警報信号を受信している状態(移報アダプタ20からの移報信号が入力状態、つまり火災状態から復旧していない状態)の場合には、屋外警報装置30は、誤報確認ボタン332が操作されても、警報を復旧しない。このような動作により、実際には火災が発生している場合に誤報確認ボタン332が操作されたとしても、警報が停止することがなく、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0128】
また、前記各実施の形態では、火災警報器10は火災を検出すると、システム内の他の機器に対して連動制御信号を送信し、その後、火災を検出しなくなったときに、システム内の他の機器に対して復旧信号を送信する場合を例に説明したが、火災警報器10は火災を検出すると、システム内の他の機器に対して連動制御信号を送信し続け、その後、火災を検出しなくなったときに、システム内の他の機器に対する連動制御信号の送信を停止する構成とすることもできる。つまり、「復旧信号」とは連動制御信号の送信の停止を含むものである。このとき、他の機器は連動制御信号を受信した状態から、連動制御信号を受信しなくなったときに、復旧信号を受信したと判断することができ、移報アダプタ20においては、火災に係る警報の移報信号(警報信号)の出力を停止させることができる。
【0129】
なお、前記各実施の形態では、火災警報器10が送信した無線信号を移報アダプタ20が受信して、移報アダプタ20が屋外警報装置30に移報信号を出力(送信)する構成としているが、これに限定せず、屋外警報装置30が移報アダプタ20の機能を備え、火災警報器10が送信した無線信号を屋外警報装置30が受信する構成としてもよい。
【0130】
また、前記各実施の形態では、火元の火災警報器10が火災を検出しなくなった場合に復旧信号を送信し、これを受信した屋外警報装置30は、誤報確認ボタン332の操作ボタンが有効になる構成としているが、これに限定せず、一旦屋外警報装置30が火災に係る警報の移報信号(警報信号)を受信した場合には、誤報確認ボタン332の操作が有効(誤報信号送信および屋外警報装置30の警報停止)となる構成としても良い。なお、この場合、誤報確認ボタン332の操作によって火災警報器10は復旧せず、火元の火災警報器10が火災を検出(非火災による誤検出を含む)していれば、火災に係る警報を維持し、火災警報器10の点検・警報停止スイッチ220の操作によって警報を停止する構成とする。