特許第6552691号(P6552691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6552691
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   A63F5/04 611A
   A63F5/04 603D
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-140922(P2018-140922)
(22)【出願日】2018年7月27日
【審査請求日】2018年9月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】薮本 道人
(72)【発明者】
【氏名】西山 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一彦
(72)【発明者】
【氏名】森 穂積
(72)【発明者】
【氏名】羽川 信也
(72)【発明者】
【氏名】井上 勉
(72)【発明者】
【氏名】矢野 卓
【審査官】 森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−158792(JP,A)
【文献】 特開2003−047707(JP,A)
【文献】 特開2001−293229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機において、
遊技の進行を制御する制御手段が搭載された制御基板と、
遊技の進行に関する状態の変化を検出して信号を出力するセンサと、
前記制御基板に搭載され、前記信号を受けて点灯する少なくとも1つの点灯素子と、
前記制御基板、前記センサおよび前記点灯素子に電源供給する電源と、
前記電源による電源供給動作をオン、オフする電源スイッチと、
を備え、
前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されたときに、所定時間、前記点灯素子が点灯し、
前記点灯素子は、
一端および他端の端子を備え、
前記電源スイッチのオンにより前記センサに電源供給されている間は、前記一端および前記他端が同電位に保持され、
前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されることで、前記センサの前記信号が出力される出力端子のロジック値が反転することに伴い、前記他端の電位が変化するとともに、前記一端の電位の変化は前記他端の電位の変化率と異なる変化率となることにより、前記一端および前記他端に規定値以上の電位差が生じて前記点灯素子に電流が流れて点灯する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技機において、
遊技の進行を制御する制御手段が搭載された制御基板と、
遊技の進行に関する状態の変化を検出して信号を出力するセンサと、
前記制御基板に搭載され、前記信号を受けて点灯する少なくとも1つの点灯素子と、
前記制御基板、前記センサおよび前記点灯素子に電源供給する電源と、
前記電源による電源供給動作をオン、オフする電源スイッチと、
を備え、
前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されたときに、所定時間、前記点灯素子が点灯し、
前記センサを前記電源に接続する第1電源配線と、前記点灯素子を前記電源に接続し、
前記第1電源配線とは異なる配線である第2電源配線とをさらに備える
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技機において、
遊技の進行を制御する制御手段が搭載された制御基板と、
遊技の進行に関する状態の変化を検出して信号を出力するセンサと、
前記制御基板に搭載され、前記信号を受けて点灯する少なくとも1つの点灯素子と、
前記制御基板、前記センサおよび前記点灯素子に電源供給する電源と、
前記電源による電源供給動作をオン、オフする電源スイッチと、
を備え、
前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されたときに、一定した所定時間、前記点灯素子が点灯し、その後消灯する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記遊技機は、前面が開放された筐体と当該筐体の開放部分の開閉を行う前面扉とを備え、
前記電源スイッチは、前記前面扉の開放時に操作可能となるように配設され、
前記点灯素子は、前記センサが前記前面扉の開閉操作以外の状態の変化を検出して出力
する前記信号により点灯する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記センサは、受光部と発光部とを備える光学センサである
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にセンサの検出/非検出状態を可視化する点灯素子を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機では、遊技機の動作を制御するための、例えばCPU、RAM、ROMの各種部品や、搭載されているセンサの検出状態および非検出状態を可視化するための点灯素子が実装された基板(メイン制御基板やサブ制御基板)が、合成樹脂性の基板ケースの内部に収容されている。
【0003】
センサの状態を報知する点灯素子は、遊技機に搭載された各種センサが遊技機の状態変化を検出した場合に点灯することにより遊技機の動作状態を通知するものである。例えば、メダルを投入したことを検出する投入センサが、メダル投入口にメダルが投入されたことを検出すると、対応する点灯素子を点灯させてセンサによりメダル投入が検出されたことを報知するもののほか、同様に、メダルが払出されたことを検出する払出センサが、ホッパーから払出されたことを検出すると、対応する点灯素子を点灯させてセンサによりメダル払出が検出されたことを報知するものなどがある。このようにセンサに対応した点灯素子を設けることにより、例えば、メダルが投入されたにも関わらず点灯素子が点灯しない場合、ショートの発生やセンサに対する不正行為がなされたことを容易に見抜くことができる。
【0004】
このようなセンサによる検出を点灯素子により報知する機能を有する遊技機には、例えば、特許文献1のように、制御基板上に照明装置(LED)を備え、該照明装置の点灯により機器のセンサによる検出を容易に報知することができる遊技機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−34424号公報(段落0088〜0089等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、センサが所定の検出状態となったときに対応する照明装置(LED)が点灯する場合、LEDに不具合が発生すると、センサの検出状態を報知できなくなる恐れがある。この場合、LEDを試点灯させて、LEDが正常に動作していることを確認するようにすればよいが、例えば、ドア開放時や電源投入時に試点灯させると、LEDに対応した箇所に異常が発生したと誤認する恐れがある。また、センサが検出状態となったときにLEDを消灯する一方、非検出時にLEDを点灯させておくことも考えられるが、消費電力や部品寿命の観点から適切ではない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電源供給を停止したときにセンサの出力に対応して点灯素子を所定時間点灯させることにより、点灯素子の動作確認を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる一の遊技機は、遊技機において、遊技の進行を制御する制御手段が搭載された制御基板と、遊技の進行に関する状態の変化を検出して信号を出力するセンサと、前記制御基板に搭載され、前記信号を受けて点灯する少なくとも1つの点灯素子と、前記制御基板、前記センサおよび前記点灯素子に電源供給する電源と、前記電源による電源供給動作をオン、オフする電源スイッチと、を備え、前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されたときに、所定時間、前記点灯素子が点灯し、前記点灯素子は、一端および他端の端子を備え、前記電源スイッチのオンにより前記センサに電源供給されている間は、前記一端および前記他端が同電位に保持され、前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されることで、前記センサの前記信号が出力される出力端子のロジック値が反転することに伴い、前記他端の電位が変化するとともに、前記一端の電位の変化は前記他端の電位の変化率と異なる変化率となることにより、前記一端および前記他端に規定値以上の電位差が生じて前記点灯素子に電流が流れて点灯することを特徴としている
【0011】
この構成によれば、電源スイッチのオフにより電源供給が停止されたときに、点灯素子が所定時間点灯することにより、点灯素子の点灯により点灯素子の動作状況を容易に確認することができる。また、センサが複数種類ある場合に、各種センサごとに点灯素子を対応して設けることにより、電源供給停止時に決められた点灯順に各種センサに対応する点灯素子を点灯させることにより、各種センサそれぞれに対応した点灯素子の動作状況の確認を効率的に行うことができる。また、点灯素子の点灯のために別途部品や制御を用意する必要がなく、安価な構成により、電源供給停止時に点灯素子を所定時間点灯させることが可能になる。
【0014】
また、本発明にかかる他の遊技機は、遊技機において、遊技の進行を制御する制御手段が搭載された制御基板と、遊技の進行に関する状態の変化を検出して信号を出力するセンサと、前記制御基板に搭載され、前記信号を受けて点灯する少なくとも1つの点灯素子と、前記制御基板、前記センサおよび前記点灯素子に電源供給する電源と、前記電源による電源供給動作をオン、オフする電源スイッチと、を備え、前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されたときに、所定時間、前記点灯素子が点灯し、前記センサを前記電源に接続する第1電源配線と、前記点灯素子を前記電源に接続し、前記第1電源配線とは異なる配線である第2電源配線とをさらに備えることを特徴としている
【0015】
この構成によれば、電源スイッチのオフにより電源供給が停止されたときに、点灯素子が所定時間点灯することにより、点灯素子の点灯により点灯素子の動作状況を容易に確認することができる。また、センサが複数種類ある場合に、各種センサごとに点灯素子を対応して設けることにより、電源供給停止時に決められた点灯順に各種センサに対応する点灯素子を点灯させることにより、各種センサそれぞれに対応した点灯素子の動作状況の確認を効率的に行うことができる。また、センサと点灯素子を異なる配線によって電源に接続することにより、センサおよび点灯素子への電源供給の停止タイミングが異ならせることができるため、電源供給停止時に点灯素子を点灯させることができる。また、センサが複数種類あり、これらのセンサに対応して点灯素子を設ける場合には、各種センサと電源とを接続する第1電源配線として、センサごとに異なる配線を用いて電源に接続することにより、電源供給停止時にそれぞれのセンサに対応する点灯素子をあらかじめ決められた順序で点灯させることが可能になる。
また、本発明にかかるさらに他の遊技機は、遊技機において、遊技の進行を制御する制御手段が搭載された制御基板と、遊技の進行に関する状態の変化を検出して信号を出力するセンサと、前記制御基板に搭載され、前記信号を受けて点灯する少なくとも1つの点灯素子と、前記制御基板、前記センサおよび前記点灯素子に電源供給する電源と、前記電源による電源供給動作をオン、オフする電源スイッチと、を備え、前記電源スイッチのオフにより前記センサへの電源供給が停止されたときに、一定した所定時間、前記点灯素子が点灯し、その後消灯することを特徴としている。
この構成によれば、電源スイッチのオフにより電源供給が停止されたときに、点灯素子が所定時間点灯することにより、点灯素子の点灯により点灯素子の動作状況を容易に確認することができる。また、センサが複数種類ある場合に、各種センサごとに点灯素子を対応して設けることにより、電源供給停止時に決められた点灯順に各種センサに対応する点灯素子を点灯させることにより、各種センサそれぞれに対応した点灯素子の動作状況の確認を効率的に行うことができる。
また、前記遊技機は、前面が開放された筐体と当該筐体の開放部分の開閉を行う前面扉とを備え、前記電源スイッチは、前記前面扉の開放時に操作可能となるように配設され、前記点灯素子は、前記センサが前記前面扉の開閉操作以外の状態の変化を検出して出力する前記信号により点灯するとしてもよい。
この構成によれば、前面扉を開放したときにのみ電源スイッチを操作できる状態になるため、電源スイッチのオフにより電源供給が停止されると、同時に前面扉の開閉操作以外の状態変化を検出するセンサに対応する点灯素子の動作状況を、点灯素子の点灯により容易に確認することができる。
【0016】
また、前記センサは、受光部と発光部とを備える光学センサであるとしてもよい。
【0017】
この構成によれば、特に不正行為の対象となりやすいセンサを非接触式センサである光学センサにより構成することで、不正行為の防止に効果的なセンサの動作確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態にかかるスロットマシンの斜視図である。
図2図1のスロットマシンの前面扉が開いた状態での斜視図である。
図3図1のスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図4図1のスロットマシンのメイン制御基板の概略図である。
図5図1のスロットマシンのセンサ、LED、および電源の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態にかかる遊技機の一例であるスロットマシン1について、図1図5を参照して説明する。
【0020】
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について図1図2を参照して説明する。
【0021】
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されるとともに、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0022】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、図1図2に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。これら左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、例えば、上段ライン、中段ライン、下段ライン、右上がりライン、右下がりラインの5ラインが入賞ラインとして設定されている。
【0023】
また、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成される図3に示すリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
【0024】
さらに、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
【0025】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、図2に示すように、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0026】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
【0027】
また、図2に示すように、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体13が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体13の下方には、図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。なお、筐体3内部には、メダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。また、ホッパーユニット43の左側には、図2に示すように、操作ボックス49が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り替える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、オンとオフとが切り替えられる設定変更開始処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図3参照)、設定変更時の設定値の切り替えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(図3参照)が設けられている。ただし、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源スイッチ50がオンにされると、リセットスイッチ52を用いた設定変更処理が開始される。
【0028】
また、電源スイッチ50のオンおよびオフによりメイン制御基板63、サブ制御基板73、投入センサ53、払出センサ54、および左・中・右位置センサ55L,55M,55Rへの電源供給の開始および停止を行う電源装置58(図3参照)が筐体3内操作ボックス49の奥に設けられている。この電源装置58により、各種センサ53,54,55L,55M,55R以外にも、メイン制御基板63や後述するサブ制御基板73に電源が供給される。
【0029】
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3を参照して説明する。図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25の近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0031】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0032】
また、投入センサ53、払出センサ54、および左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、それぞれ、発光部と受光部を有する光学センサにより構成される。特に、投入センサ53や払出センサ54は不正行為の対象となり易く、非接触式センサにより構成するのが望ましいことから、光学センサを採用している。
【0033】
また、投入センサ53、払出センサ54、および左・中・右位置センサ55L,55M,55Rに対応して、図4に示すメイン制御基板63に複数のLED62が搭載される。これらセンサ53,54,55L,55M,55Rがそれぞれ状態変化を検出(例えば、投入センサ53であればメダルの投入を検出)した場合、後に詳述するように、複数のLED62のうち、状態変化を検出したセンサに対応したものが点灯して状態変化の検出を報知する。なお、LED62が本発明の「点灯素子」に相当する。また、「点灯素子」はLED以外にも点灯することによりセンサの状態変化の検出を報知できるものであればよい。
【0034】
LED62は、図4に示すように、メイン制御基板63の一方面63A(メイン制御基板63の部品搭載面)に複数個設けられており、各LED62はそれぞれ、対応するセンサが検出状態となったときに点灯するよう配置されている。また、メイン制御基板63の一方面63Aには、メインCPU61の他、コネクタCN、集積回路ICや抵抗R、所定情報やデータを表示する複数の7セグメントLEDからなる表示器D等が搭載されている。なお、図4において、CSはメイン制御基板63を収納した透明樹脂製の基板ケース、Kは基板ケースCSを封印するかしめ部である。
【0035】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
【0036】
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61(本発明の「制御手段」に相当)、および各種センサに対応して点灯するLED62が実装されたメイン制御基板63(本発明の「制御基板」に相当)と、メイン制御基板63に実装されたメインCPU61から送信された情報に基づき所定の演出(例えば、遊技の進行に合わせた演出)に関する制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。メイン制御基板63、サブ制御基板73それぞれは、外部から不正にアクセスすることが困難なように、基板ケース内に収容された上、基板ケースが痕跡を残さずに開放することが困難なように厳重に封印されている。また、これらの基板ケースには、不正に開放されたことを視認することができるように、種々の対策が講じられている。メイン制御基板63を収容した基板ケースは図2に示すように筐体3内の後側壁に支持枠体13より高い位置に設置されており、サブ制御基板73を収容した基板ケースは図2に示すように筐体3内の左側壁にメイン制御基板63を収容した基板ケースと略同じ高さの位置に設置されている。
【0037】
メイン制御基板63のRAM65はスロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域が形成されている。
【0038】
また、メイン制御基板63のROM67は予め設定されたデータを含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
【0039】
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0040】
また、メイン制御基板63に実装された複数のLED62は、投入センサ53、払出センサ54、および左・中・右位置センサ55L,55M,55Rがそれぞれ状態変化を検出したときに対応するものが点灯し、状態変化の発生を報知するものであり、各種センサ53,54,55L,55M,55Rそれぞれに対応したLED62が配列してメイン制御基板63に実装されている。また、電源スイッチ50がオフ操作され、メイン制御基板63、投入センサ53、払出センサ54、および左・中・右位置センサ55L,55M,55Rへの電源供給が停止されたときに、各LED62がそれぞれ所定時間点灯するようになっており、LED62が所定時間点灯した後消灯する。電源供給停止後に所定時間だけLED62が点灯してから消灯することにより、これらセンサに対応するLED62の動作状況を確認することができる。たとえば、投入センサ53に対応するLED62が電源スイッチ50のオフ操作による電源供給停止後に点灯しない場合、当該LED62の故障、または当該LED62に対応する投入センサ53の異常の疑いがあることがわかる。
【0041】
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種の遊技情報等に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
【0042】
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について説明する。
【0043】
メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0044】
メインCPU61は、当選した当選役グループ(1または複数の役を構成役として有する。)の種類や役の入賞・非入賞等により、スロットマシン1が備える複数の遊技状態のうちいずれか一つの遊技状態にスロットマシン1の遊技を制御する。
【0045】
また、メインCPU61は、電源スイッチ50、変更処理開始スイッチ56、リセットスイッチ52に対する所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(獲得メダル数÷投入メダル数×100[%])の調整をするための設定(設定1〜設定6)を変更する。
【0046】
また、メインCPU61は、制御した遊技状態の種類、および、設定した設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブルから1つの役抽選テーブルを選択する。この役抽選テーブルには、予め設定された複数の当選役グループそれぞれについて、当選役グループと当該当選役グループが役抽選において当選となる抽選値の範囲とが対応づけて記憶されている。
【0047】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、役抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させ、発生させた乱数値を抽選値としてスタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出する。そして、メインCPU61は、選択した役抽選値テーブルと抽出した抽選値とを用いて当選役グループの当選かどうかの決定を行う。
【0048】
また、メインCPU61は、スタートスイッチ19が遊技者により操作されると、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させ、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。メインCPU61は、全てのリール13L,13M,13Rが定速回転となったときに、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効操作として受付ける状態となる。この状態で各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が遊技者により行われると、メインCPU61は、検出した各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置と、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(例えば押し順や操作タイミング)と、役抽選結果とに基づき、予め設定されているすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)の範囲内で各リール13L,13M,13Rが停止するように停止制御を行う。
【0049】
全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止した後、メインCPU61は、リール13L,13M,13Rの入賞ラインの図柄組合せが、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に対応する図柄組合せであるかどうかの判定を行い、入賞ラインの図柄組合せが当該役に対応する図柄組合せである場合は、当該役に入賞したと判定し、そうでない場合はハズレと判定する。メインCPU61は、役抽選により当選した当選役グループを構成する役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある役の入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。ただし、メインCPU61はクレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達していない場合は、払出数分だけクレジットメダルの枚数を増加させる。
【0050】
また、メインCPU61は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切り替える。
【0051】
また、メインCPU61は、設定値、遊技状態、役抽選結果に関する情報、図柄判定結果に関する情報、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、メダルの払出状態、前面扉5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態などスロットマシン1の状態を表すデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成し、生成したコマンドをサブ制御基板73のサブCPU71に送信する。なお、コマンドはメイン制御基板63からサブ制御基板73に一方通行で送信される。
【0052】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0053】
サブCPU71は、メイン制御基板63(メインCPU61)により送信された種々のデータを含むコマンドを受信する。そして、サブCPU71は、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、決定した演出の内容に応じて、例えば、液晶表示器27に動画等の画像を表示する表示制御を行ったり、スピーカ31L,31Rからの音声の出力制御を行ったり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅させる制御を行ったりする。
【0054】
(LEDおよび各センサの回路構成)
続いて、図5を参照して、LED62および各種センサと電源とを接続する回路構成について説明する。なお、各種センサは、上記したように投入センサ53、払出センサ54、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rであるが、図5では不正行為が行われ易い払出センサ54を光学センサ59により構成した場合について説明する。なお、光学センサ59は払出センサ54に限らず、その他のセンサであってもよい。
【0055】
図5に示すように、電源装置58と光学センサ59とは第1電源配線68により接続され、電源装置58とLED62とは降圧回路70を介して第1電源配線68とは異なる配線である第2電源配線69により接続されている。電源装置58とLED62との間には電源装置58の電圧を降圧する降圧回路70が配置されており、電源装置58から供給される7Vの電圧が降圧回路70により5Vに降圧されてLED62に供給される。また、光学センサ59はハーネス76によりメイン制御基板63に接続されている。
【0056】
電源スイッチ50がオン状態で電源装置58により電源が供給されているときには、第1電源配線68により光学センサ59に電流が流れ、光学センサ59を構成する発光部(LED)59Aが点灯している。そして、発光部59Aの点灯が光学センサ59を構成する受光部(フォトトランジスタ)59Bにより検出されて受光部59Bがオン状態になり、受光部59Bを介して電源装置58から接地電位側に電流が流れる。すなわち、光学センサ59の受光部59Bの出力端(エミッタ)からHigh信号が出力される状態にある。受光部59Bから出力されたHigh信号は、ハーネス76、抵抗78を経て、バッファ81を介してメインCPU61に入力され、受光部59BからのHigh信号に応じて、メインCPU61はクレジット表示器45の表示枚数を変化させないようにする。このとき、LED62の両端はプルアップ抵抗77により受光部59Bのエミッタと等電位に設定されているため電流が流れず、LED62は消灯したままとなっている。
【0057】
ところで、電源スイッチ50がオン状態で電源装置58により電源が供給されているときにメダルの払出が行われると、メダルが発光部59Aと受光部59Bとの間を通過することにより、光学センサ59の受光部59Bが遮蔽され、受光部59Bの出力端(エミッタ)がLowに反転するため、受光部59BからLow信号が出力される。受光部59Bから出力されたLow信号は、ハーネス76、抵抗78を経て、バッファ81を介してメインCPU61に入力され、受光部59BからのLow信号に応じて、メインCPU61は、精算による払出の場合はクレジット表示器45の表示枚数を減算して表示し、入賞に基づく払出の場合は払出表示器(図示省略)の表示枚数を減算する。このとき、降圧回路70、LED62、ハーネス76、抵抗79、接地80の通電路を経て電流が流れてLED62が点灯する。このため、メインCPU61のLow信号受信が、メインCPU61の払出指令に基づくメダルの払出によるものであれば、LED62の点灯が正常であることがわかる。一方、メインCPU61のLow信号受信が、メインCPU61の払出指令に基づかない不正なメダルの払出によるものであれば、メインCPU61でLED62の点灯が異常であると判断できる。
【0058】
他方、電源スイッチ50のオフ操作により電源装置58からの電源供給が停止されると、光学センサ59の電圧が降下し、光学センサ59の発光部(LED)59Aが消灯し、発光部59Aが消灯することにより受光部59Bの出力端(エミッタ)がLowに反転するため、受光部59BからLow信号が出力されることになる。このとき、降圧回路70を構成するLC成分による遅延時間や電源装置58と光学センサ59とLED62の配線の違いによる遅延時間により、電源スイッチ50のオフによる電源装置58の電源供給が停止されても降圧回路70の出力電圧は直ぐには低下せずに、所定の時間遅れをもってLED62に供給される電圧が徐々に低下する。このため、受光部59BのLow信号により、降圧回路70、LED62、ハーネス76、抵抗79、接地80の通電路を経て電流が流れる状態が保持される。そのため、電源装置58による電源供給の停止後しばらくはLED62に電流が流れ続けてLED62が点灯状態を継続する。その後、電源装置58からLED62へ供給される電圧も徐々に降下し、上記した遅延時間により定まる所定時間後にLED62への電源電圧が点灯状態に維持するために必要な電圧以下にまで低下するとLED62が消灯する。こうして、電源スイッチ50をオフにして電源装置58による電源供給が停止した後、LED62が所定時間だけ点灯する。このとき、メインCPU61は、電源電圧の低下によりリセット状態に入っているため、クレジットや払出枚数の減算処理は行わない。
【0059】
このように、電源スイッチ50のオフにより電源装置58による電源供給が停止した後、LED62への点灯状態を維持するために必要な電源供給が停止するまでのタイミングよりも、光学センサ59の発光部59Aへの電源供給が完全に停止するまでのタイミングの方が早いため、電源供給停止後であってもLED62が点灯状態を継続できることになる。このタイミングのずれは、上記したように降圧回路70を介してLED62への電源供給を行っていることと、電源装置58と光学センサ59およびLED62とを接続する配線が異なっている(第1電源配線68および第2電源配線69)ことに起因し、光学センサ59の電圧が完全に降下して発光部59Aが消灯状態となり受光部59Bの出力がLowに反転するまでの時間よりも、LED62の点灯状態を維持するために必要な電圧以下に降下するまでの時間の方が長くなる。
【0060】
また、第1電源配線68を光学センサ59の種類(投入センサ53、払出センサ54、および左・中・右位置センサ55L,55M,55R)によって異なる配線とすることにより、対応する光学センサ59の種類によって、例えば、電源供給停止時にLED62を予め設定された順序で点灯させるなど、LED62が点灯するタイミングが異なるような設定をすることも可能である。このようにすることで、LED62の点灯順が決まるため、注視する順序を意識することができ、点灯したかどうかを認識しやすくなる。
【0061】
したがって、上記した実施形態によれば、電源スイッチ50のオフにより電源装置58からの電源供給が停止されたときに、LED62が所定時間点灯するため、LED62が正常に動作していることの確認を容易に行うことができる。また、電源供給停止時にあらかじめ決められた順序で各種センサに対応するLED62を点灯させることにより、各種センサおよびLED62の点検を効率的に行うことができる。
【0062】
また、電源装置58と光学センサ59およびLED62との電源配線を異なる配線とすることにより、別途部品や制御を用意することなく、回路構成だけで電源供給停止時にLED62を点灯させることができる。さらに、電源装置58と光学センサ59とを接続する第1電源配線68を各種センサ(投入センサ53、払出センサ54、および左・中・右位置センサ55L,55M,55R)によって異なる配線にして供給電圧を変えることにより、電源供給停止時に、各種センサに対応するLED62をあらかじめ決められた順序で点灯させることができる。このようにすることで、LED62の点灯順が決まるため、注視する順序を意識することができ、点灯したかどうかを認識しやすくなる。
【0063】
また、光学センサ59が状態変化を検出していない通常状態ではLED62を消灯させ、電源供給停止時にLED62を点灯させることにより、LED62自体が正常に機能していることを容易に確認することができる。
【0064】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0065】
また、上記した実施形態では、スロットマシンを対象として説明したが、これに限定されるものではなく、パチンコ機などの他の遊技機にも適用することができる。
【0066】
また、上記した実施形態では、電源装置58とLED62との間に降圧回路70が設けられているが、別の部品や制御が設けられていてもよく、要するに電源供給の停止から所定時間だけLEDに電源を供給し続けることができる構成であればよい。例えば、ハーネス76の構成が異なっていたり、各構成要素の距離が異なっていたりしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態の内容を適宜組み合わせることができる。例えば、上記した実施形態では、各種センサが所定状態を検出したときにLED62を点灯させているが、LED62に代わり、例えば、表示器Dを構成する7セグメントLEDや電球等を用いることも可能である。
【0068】
本発明は、セキュリティ対策の必要な基板を備える遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…スロットマシン
58…電源装置
59…光学センサ
59A…発光部
59B…受光部
62…LED(点灯素子)
68…第1電源配線
69…第2電源配線
【要約】      (修正有)
【課題】電源供給停止時にセンサに対応する点灯素子を所定時間点灯させて、点灯素子の動作確認を容易に行えるようにした遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機に搭載されるセンサとして光学センサ59である場合に、光学センサ59は発光部59Aと受光部59Bとを備える。そして、光学センサ59が異常を検出したときに点灯するLED62がメイン制御基板に実装されている。LED62の両端電位は、光学センサ59が異常を検出していない通常状態においては等電位になるため、通常状態ではLED62は消灯している。電源装置58と光学センサ59とは第1電源配線68により接続され、電源装置58とLED62とは第2電源配線69により接続されており、電源装置58からの電源供給が停止した後の電圧降下のタイミングが異なることによって、電源供給停止時にLED62を所定時間点灯させることができる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5