特許第6552806号(P6552806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6552806スマート機器の無線送信を試験する方法と無線送信ネットワーク分析ツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552806
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】スマート機器の無線送信を試験する方法と無線送信ネットワーク分析ツール
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   G05B23/02 301P
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-231091(P2014-231091)
(22)【出願日】2014年11月13日
(65)【公開番号】特開2015-95265(P2015-95265A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2017年11月8日
(31)【優先権主張番号】14/079,583
(32)【優先日】2013年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ムルバリエビッチ
【審査官】 牧 初
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−527059(JP,A)
【文献】 特開平7−234257(JP,A)
【文献】 特開平10−133767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04−19/05
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマート機器の無線送信を試験する方法であって、
ハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツールによって、プロセスをモニターしている該スマート機器によって発生された該スマート機器の名前や場所を特定するタグと少なくとも一つのモニターされたパラメータを搬送している無線信号を該スマート機器から受信するが、該ツールが、第1のプロトコルに従って無線コンピュータネットワークによって送信されたネットワーク通信信号を分析し、且つ、該無線コンピュータネットワークの一又はそれ以上の特徴を特定するよう構成されており、該ツールが、該第1のプロトコルと異なる一又はそれ以上の第2のプロトコルに従って前記スマート機器の無線送信を更に同時に検知し、且つ、該無線送信によって搬送されたモニターされたパラメータを抽出するよう再構成されることと、
受信した無線信号の周波数と振幅を決定することと、
ノイズ信号を受信して、受信したノイズ信号の振幅を決定し、受信したノイズ信号と比較した受信した無線信号の信号対ノイズ比を決定することと、
受信した無線信号に一又はそれ以上の前記第2のプロトコルを適用して、受信した無線信号によって搬送された前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを読み取ることと、
前記ハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツールによって、受信した無線信号の周波数と振幅と受信した無線信号によって搬送されたタグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを表示することからなる方法。
【請求項2】
更に、受信したノイズ信号を分析して、該ノイズ信号を発生している機器のタイプを決定することからなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツールであって、
プロセスをモニターしているスマート機器から、プロセスをモニターしている該スマート機器によって発生された該スマート機器の名前や場所を特定するタグと少なくとも一つのモニターされたパラメータを搬送している無線信号を受信すると共にノイズ信号も受信する受信機であって該ツールが、第1のプロトコルに従って無線コンピュータネットワークによって送信されたネットワーク通信信号を分析し、且つ、該無線コンピュータネットワークの一又はそれ以上の特徴を特定するよう構成されており、該ツールが、該第1のプロトコルと異なる一又はそれ以上の第2のプロトコルに従って前記スマート機器の無線送信を更に同時に検知し、且つ、該無線送信によって搬送されたモニターされたパラメータを抽出するよう再構成される、受信機と、
受信した前記無線信号と受信した前記ノイズ信号をデジタル信号に変換する回路と、
デジタルデータと一又はそれ以上の操作プログラムとアプリケーションプログラムを保持するメモリと、
前記両プログラムを作動して、前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータと受信した前記無線信号の周波数と振幅を表すデータ信号を発生するプロセッサと、
受信した前記無線信号の周波数と振幅と受信した前記無線信号によって搬送されるタグと少なくとも一つのモニターされたパラメータを表示するディスプレイとからなるハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール。
【請求項4】
前記回路が、受信した前記無線信号と受信した前記ノイズ信号を、受信した無線信号によって搬送された前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータと受信した前記無線信号の周波数と振幅と受信した前記ノイズ信号の周波数と振幅を表すデジタルデータに変換するアナログーデジタル変換回路からなる前記請求項3に記載のハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール。
【請求項5】
前記メモリが、
(1)受信した前記無線信号によって搬送された前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを表すデジタルデータと、
(2)受信した前記無線信号の周波数と振幅を表すデジタルデータと、
(3)受信した前記ノイズ信号の周波数と振幅を表すデジタルデータを受信して記憶する前記請求項4に記載のハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール。
【請求項6】
前記メモリが、デジタル信号データを分析して、受信した前記無線信号のスペクトラムと受信した前記ノイズ信号のスペクトラムを決定するスペクトラムプログラムと、受信した無線信号によって搬送された前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを読み取る機器記述プロトコルプログラムを保持する前記請求項3に記載のハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記スペクトラムプログラムと機器記述プロトコルプログラムを実行して、受信した前記無線信号の周波数と受信した前記無線信号の振幅と受信した前記ノイズ信号の周波数と受信した前記ノイズ信号の振幅と受信した前記無線信号によって搬送された前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを決定する前記請求項6に記載のハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール。
【請求項8】
ハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツールであって、
プロセスをモニターしているスマート機器によって発生された該スマート機器の名前や場所を特定するタグと少なくとも一つのモニターされたパラメータを搬送している無線信号を受信すると共にノイズ信号も受信する受信機であって該ツールが、第1のプロトコルに従って無線コンピュータネットワークによって送信されたネットワーク通信信号を分析し、且つ、該無線コンピュータネットワークの一又はそれ以上の特徴を特定するよう構成されており、該ツールが、該第1のプロトコルと異なる一又はそれ以上の第2のプロトコルに従って前記スマート機器の無線送信を更に同時に検知し、且つ、該無線送信によって搬送されたモニターされたパラメータを抽出するよう再構成される、受信機と、
受信した前記無線信号と受信した前記ノイズ信号を、受信した前記無線信号によって搬送される前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータと受信した前記無線信号の周波数と振幅と受信した前記ノイズ信号の周波数と振幅を表すデジタルデータに変換するアナログーデジタル変換回路と、
受信した前記無線信号によって搬送される前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを表すデジタルデータと、受信した前記無線信号の周波数と振幅を表すデジタルデータと、受信した前記ノイズ信号の周波数と振幅を表すデジタルデータを保持するメモリと、
前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを表すデジタル信号データを分析して該受信した前記無線信号のスペクトラムを決定するためのスペクトラムプログラムと受信した前記無線信号によって搬送された前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを読み取るための機器記述プロトコルプログラムを含む一又はそれ以上のプログラムであって、前記メモリ内に記憶されているプログラムと、
前記スペクトラムプログラムと機器記述プログラムを作動して、受信した前記無線信号の周波数と振幅と受信した前記ノイズ信号の周波数と振幅と受信した前記無線信号によって搬送される前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを決定するプロセッサと、
受信した前記無線信号の周波数と振幅と受信した前記無線信号によって搬送される前記タグと少なくとも一つの前記モニターされたパラメータを表示するディスプレイとからなるハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学プラントなどにおいて、化学品や医薬品を調整するためのパラメータを感知又は制御するスマート機器の現場におけるスマート機器の無線送信を試験する方法とそれに用いる無線送信ネットワーク分析ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
化学プラントにおいて、化学品や医薬品を調整するためのパラメータを感知又は制御するもっとも新しいフィールド機器は、スマート機器である。スマート機器は、マイクロプロセッサーベースの装置であり、特別の機能性とデジタル補償を有しており、更に、複数のセンサータイプ又は複数の変数をサポートしている。このスマート機器は、温度、圧力、流量又は位置のような現実世界のパラメータを感知する一又はそれ以上の変換器を内蔵しており、その感知した値を表す電気信号を出力する。
【0003】
スマート機器は、Highway addressable remote transducerの頭文字であるHART又はフィールドバス(Fieldbus)のような産業上承認された一又はそれ以上の標準プロトコルを用いて、通信機やカリブレーターのような他の機器と通信する。HARTは、スマートフィールド装置とレガシーな4−20mAの配線を採用した制御システムの間の通信を可能にするハイブリッドなプロトコルのための業界標準である。ファウンデーションフィールドバスは、別の完全なデジタルプロトコルである。これらの及び他のプロトコルは、スマート機器に記憶された機器記述を用いている。このプロトコルは、化学プラントマネージャは、異なる製造者の機器を混在することを可能にしている。
【0004】
スマート機器は、一又はそれ以上のブロック又は機能ユニットを保有している。機能ユニットは、入力機能、出力機能又は制御機能を有している。各ブロックは、一又はそれ以上の関連するパラメータを有している。パラメータは、ブロック又は機器を特徴付けるか又はそれらに作用するか若しくはそれらに関連する属性である。パラメータの例としては、ブロックの種類又は機器の種類、ブロック又は機器の操作又は測定の最大範囲、ブロック又は機器のモード、ブロック又は機器の測定値などが含まれる。更に加えて、パラメータは(たとえば、温度のような)パラメータ名や、(たとえば、測定温度のような)特性値や、(たとえば、カ氏温度又は摂氏温度のような)測定に含まれる特性単位のような一又はそれ以上の特性を有している。
【0005】
各スマート機器は、機器記述(DD)を保持するコンピュータメモリを有している。機器記述(DD)は、スマート機器に関する情報を含む、スマート機器を操作するためのデバイスドライバーコンピュータプログラムである。機器記述(DD)は、通信機、カリブレーター、ホストアプリケーション又は制御システムによって必要な情報を提供して、スマート機器に配置された重要な機器情報に適切にアクセスしてそれを表示する。機器記述(DD)は、通信機と完全に通信するために必要なすべての情報とスマート機器についてのすべてのパラメータ情報を含んでいる。たとえば、機器記述(DD)は、タグ情報(任意の名称や機器に割り当てられた場所)や、一次的な変数(温度や圧力や流量や位置など)のようなモニターする基本的なパラメータや、二次的及び三次的なパラメータや調整制御にとって問題であり且つ重要な他の好適なパラメータを含んでいる。通信機又はカリブレーターはDDを読み込んで、DDを使ってスマート機器を介して操作して装置のタグ情報(名前/場所)とその一次的な変数と一次的なパラメータと二次的及び三次的なパラメータ若しくは他の好適なパラメータを含む情報を収集する。
【0006】
多くのスマート機器は、従来の有線通信ポートに加えて無線送受信機を備えている。プラントや施設が拡張された又はさもなければ改造された場合、通信センターと通信するためには無線スマート機器を用いることが一般的である。無線ネットワークを確立することは多くの場合安価で迅速である。
【0007】
通信センターとスマート機器を組み合わせた通信システムは、複雑な調整をするオペレータが複雑な調整を立ち上げ、変更し、モニターし、自動的に実行することを可能にする。各スマート機器は、通信センターから発せられたコマンドによって個別に制御されることもできる。このセンターは、ネットワーク内のすべてのスマート機器の操作と通信を同期する。スマート機器はそれぞれ同期されて、通信サイクルの同時通信部分において決められた時間にそのステータスを報告する。通信サイクルにおいては、個々の装置と通信センターとの間の非周期的な通信のために一又はそれ以上のタイムスロットを開けておく。通信ネットワークは、また、スマート機器によって送信されたアラームのために同期送信の中断を提供し、潜在的に危険な状況を示す。通信センターがスマート機器から予想されるステータス信号を受信しなかった場合、通信センターはその非送信装置に直接通信するように試みることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許文献1 : 特開2011−070673号公報
特許文献2 : 特開2003−244276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
通信センターが予想されるステータス信号を受信しなかったときでも、そのような不備は必ずしもスマート機器が機能していないことを意味するものではない。スマート機器の近傍での電磁ノイズがそのアクセスポイントへの通信と干渉することもあり得る。あるいはまた、スマート機器のステータスをリレーするための一又はそれ以上のアクセスポイントが故障している場合もあり得る。にもかかわらず、知らずに調整操作を続行することやスマート機器の制御を続行することは危険である。特に安全な運行にとって危険である。そのような場合、技術者を早急にスマート機器のところに送ってそれを点検して、それが稼働中であるか又はネットワーク通信に問題があるかを決定することもできる。スマート機器が予想されるように作動中であることを点検が示している場合、調整は続行可能である。したがって、無線ネットワークを分析してスマート機器の現場におけるスマート機器の無線出力を点検するツールが必要である。
【0010】
本発明の目的は、スマート機器の無線送信の試験方法とそれに用いるツールを提供することである。この発明の概要は、以下の発明の詳細な説明において詳述される概念を簡易な形式で抜粋するために提供されるものである。この発明の概要は、特許請求の範囲の記載事項の特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の記載事項の範囲を決定するときの補助として使用されることを意図するものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のスマート機器の無線送信を試験する方法は、プロセスをモニターしているスマート機器によって発生されたタグと一次的な変数の情報を搬送している無線信号を受信することと、受信した無線信号の周波数と振幅を決定することと、ノイズ信号を受信して、受信したノイズ信号の振幅を決定し、受信したノイズ信号と比較した受信した無線信号の信号対ノイズ比を決定することと、受信した無線信号に通信プロトコルを適用して、受信した無線信号によって搬送されたタグと一次的な変数の情報を読み取ることと、受信した無線信号の周波数と振幅と受信した無線信号によって搬送されたタグと一次的な変数の情報を表示することからなる。
【0012】
また、本発明のハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツールは、プロセスをモニターしているスマート機器によって発生されたタグと一次的な変数の情報を搬送している無線信号を受信すると共にノイズ信号も受信する受信機と、受信した無線信号と受信したノイズ信号をデジタル信号に変換する回路と、デジタルデータと一又はそれ以上の操作プログラムとアプリケーションプログラムを保持するメモリと、前記両プログラムを作動して、前記タグと一次的な変数と受信した無線信号の周波数と振幅を表すデータ信号を発生するプロセッサと、受信した無線信号の周波数と振幅と受信した無線信号によって搬送されるタグと一次的な変数の情報を表示するディスプレイとからなる。
【0013】
更に、本発明のハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツールは、プロセスをモニターしているスマート機器によって発生されたタグと一次的な変数の情報を搬送している無線信号を受信すると共にノイズ信号も受信する受信機と、受信した無線信号と受信したノイズ信号を、受信した無線信号によって搬送される情報と受信した無線信号の周波数と振幅と受信したノイズ信号の周波数と振幅を表すデジタルデータに変換するアナログーデジタル変換回路と、受信した無線信号によって搬送される情報を表すデジタルデータと、受信した無線信号の周波数と振幅を表すデジタルデータと、受信したノイズ信号の周波数と振幅を表すデジタルデータを保持するメモリであって、デジタル信号データを分析して信号のスペクトラムを決定するためのスペクトラムプログラムと受信した無線信号によって搬送された前記タグと一次的な変数の情報を読み取るための機器記述プロトコルプログラムを含む一又はそれ以上のプログラムを記憶するメモリと、前記スペクトラムプログラムと機器記述プログラムを作動して、受信した無線信号の周波数とその振幅と受信したノイズ信号の周波数とその振幅と受信した無線信号によって搬送されるタグと一次的な変数の情報を決定するプロセッサと、受信した無線信号の周波数と振幅と受信した無線信号によって搬送されるタグと一次的な変数の情報を表示するディスプレイとからなる。
【0014】
本発明のハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツールは、スマート機器の機器記述(DD)に含まれるタグ情報とスマート機器によって発生されて無線ネットワークの一又はそれ以上のアクセスポイントに同時送信された一次的な変数の情報を搬送する無線信号を受信する受信機を有している。このツールは、また、アナログーデジタル変換回路を有しており、アナログーデジタル変換回路が無線信号とノイズ信号を無線信号によって搬送される情報と無線信号の周波数と振幅とノイズ信号の周波数と振幅を表すデジタルデータに変換する。このツールは、予備のアナログーデジタル変換回路を有するか、または、内蔵アナログーデジタル変換回路を有するデジタル信号プロセッサを有しても良い。このツールは、他の電気的な構成要素として、アナログーデジタル変換回路によって変換されたデジタルデータやスペクトラムプログラムやプロトコルプログラムを保持するためのメモリを含んでいる。
【0015】
スペクトラムプログラムが、デジタル信号データを分析して、信号のスペクトラムを決定する。代表的なスペクトラムは、離散フーリエ変換プロセスを実行して無線信号をサンプリングし、そして、送受信機の搬送信号の周波数と振幅を提供する。スペクトラムプログラムは、また、ノイズを分析して、周波数と振幅のデータを提供すると共に、同様にノイズの原因となる装置のタイプを特定する。プロトコルプログラムは、プロセッサが無線信号によって搬送されるタグ情報と一次的な変数情報を読んでそれらを表示することを可能にする。メモリ内のプログラムは、各プログラムの各工程とツールを操作している技術者から受け取った入力に関連してプロセッサ上で作動される。処理されたプログラムの結果は表示されて、無線信号の周波数と振幅と無線信号によって搬送されるタグ情報と一次的な変数情報とノイズ信号の周波数と振幅と可能性のあるノイズ源を表示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、化学プラントなどのプロセス通信ネットワークにおいてノイズの原因となる装置のタイプを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の上記の諸相や付随する多くの効果は、以下の添付の図面と合わせて考慮することで以下の発明の詳細な説明に関連してもっと良く理解されるので、より容易に評価されることとなる。
【0018】
図1図1は、プロセス通信ネットワークの略図である。
図2A図2Aは、無線送信ネットワーク分析ツールの表面図である。
図2B図2Bは、無線送信ネットワーク分析ツールの裏面を示す、斜視図である。
図3図3は、スマート機器近傍の無線送信ネットワーク分析ツールの略図である。
図4図4は、スマート機器近傍の無線送信ネットワーク分析ツールの電気的及び電子的な構成要素の略図である。
図5図5は、無線送信ネットワーク分析ツールのメインスクリーンの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1からはじめて、プロセス通信ネットワーク200は、多数のスマート機器から情報を受信したり、また、それらに情報を送信したりするための通信センター50を有している。複数のスマート機器が建物の一フロアの一部、そのフロア全体、複数のフロア及び/又は複数の建物を占有しているプロセス施設の至る所に配置されていることがある。プロセス施設内のスマート機器の数は、数百又は数千になることもある。無線送信が一又はそれ以上の現場L1、L2、…、Lnには入り込むこと又はそこから出ることを阻む一又はそれ以上のバリア40(壁や天井やフロア)を有することが通常である。各現場においても、現場L1におけるSD11、SD12、…、SD1Nのような数多くのスマート機器が存在する。各現場において、現場L1におけるAP1のような一又はそれ以上のアクセスポイントが存在する。各アクセスポイントは、ケーブル52.1のような適切な通信ケーブルを介して通信センター50に接続されている。現場のスマート機器からの送信がアクセスポイントによって受信され、通信ケーブル52.Nを経由して通信センター50に送られる。通信センター50からスマート機器SDNNのいずれか一つへの送信は、通信ケーブル52.Nを経由して所定のスマート機器に送られる。そのようなネットワーク200が一又はそれ以上のルーターやハブやブリッジや他のネットワーク機器を含んでいて、個々のスマート機器と通信センター50の間の通信を確立し及び保持することがあることを当業者は理解する。ネットワーク200における通信は、HARTやフィールドバスのような一又はそれ以上の産業上の標準プロトコル、又は、プロセス業界で承認されている他のプロトコルに従って、wi−fi通信用のIEEE標準802.11と共に行われる。
【0020】
図2A図2Bは、ハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール100を示している。このツール100の前面は、フルカラーディスプレイ26と数多くの入力キーとツール100を用いる技術者に合図を送るための一又はそれ以上の発光ダイオード(LED)を有する。キー21はオン/オフキーである。キー22は、利用者がディスプレイ26に示された選択をすることを可能にする。キー23は、ナビゲーションキーである。キー24は、以前のスクリーンを示す。キー25はソフトキーであり、それぞれのキーの機能はディスプレイ26においてキーの上に表示される。LED27は、ツール100が無線ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続しようとするときには点滅するが、ツール100が無線LANに接続されているときには点滅せずに明るいままである。LED28は、ツール100がデータを送信するときに点滅する。キー29は、ディスプレイ26をそのホーム画面に戻すために用いられる。キー30は、ロッカスイッチである。その左側を押すと、現状の一連の試験の間に収集されたデータがすべて消去される。このことは、メモリ内にセーブされた試験結果を消去するものではない。その右側を押すと、セッションファイル内にすべてのデータをセーブする。LED31は、ツール100がACアダプタに接続されたときにオンとなる。LED32は、電池が充電されているときは赤であるが、電池が完全に充電されたときには緑となる。USBポート33は、ツール100をパーソナルコンピュータに接続するために使用される。ジャック34は、必要な場合、補助アンテナを取り付けるためのコネクタである。
【0021】
図3に関して、ツール100は、技術者によって代表的なスマート機器150の現場L1に搬送される。このスマート機器150は、導管140内の圧力、温度、流量又は流体の他のパラメータをモニターするための変換器を有することもある。スマート機器150は、図示しない、電気エネルギー源を有し、プロセッサ153や変換器T1,T2(156,157(図4参照))や送受信機122を含む電気的な構成要素を操作するための電力を提供する。スマート機器150は、一つのタイプのノイズ71を発するDCモータ70と別のタイプのノイズ73を発する変圧器72を含む、一又はそれ以上の電磁干渉源(ノイズ源)の近傍に配置されることもある。
【0022】
図4に関して、ツール100は、プロセッサ103とスマート機器の送受信機122からの入力信号を受信する送受信機3を含むコントローラ102を有する。プロセッサ103は、マイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサでもよい。もしプロセッサ103がマイクロプロセッサである場合、当業者に周知の他の適切な回路によって、スマート機器150の出力を表す信号がアナログ信号からデジタル信号に変換される。その代わりとして、プロセッサ103はデジタル信号プロセッサでもよく、アナログーデジタル変換回路を内蔵していても良い。どちらの場合でも、プロセッサ103は論理演算を行うと共に、一又はそれ以上のプログラムの命令を実行する。オペレータ入力機106は、図2に関連して上述の入力キーやナビゲーションキーやソフトキーを表している。ツール100は、メモリシステム104とディスプレイ26を有している。
【0023】
ツール100の特定の構成とタイプに依存して、メモリシステム104は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EEPROM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術のような、揮発性又は不揮発性のメモリの形式でのシステムメモリを含むこともできる。システムメモリがプロセッサ103によって直ちにアクセス可能であり、及び/又は、カレントに操作されるデータ及び/又はプログラムモジュールを主に記憶することを当業者は理解する。これに関して、プロセッサ103は、プログラム命令の実行をサポートすることにより、ツール100の計算器センターとして役に立つ。
【0024】
メモリシステム104は、情報を記憶することができる技術を用いて実装された、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれでも良く、取り出し可能なメモリでも取り出し不可のメモリでも良い。メモリシステム104に記憶される情報は、プロセッサ103によってアクセスされるべきプログラムモジュールとデータを含むが、これらに限定されるわけではない。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか又は特定のアブストラクトデータタイプを実装するルーティン、アプリケーション、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。ここに記載したシステムメモリと他のメモリが各種のコンピュータ読み取り可能な記録媒体の単なる例示であることは明らかである。
【0025】
メモリシステム104は、スペクトラムプログラム105を保持するように構成しても良い。スペクトラムプログラム105は、プロセッサ又は補助回路内のプロセッサと回路によって操作可能であり、搬送波によって搬送された情報から搬送波を分離する。搬送波によって搬送された情報は、スマート機器150のタグや一次的な変数情報である。搬送波は、離散フーリエ変換プロセスを適用してツール100によって受信された信号を有限期間においてサンプリングすることによって、デジタルデータに変換される。このようなプログラムは当業者にとって周知である。それらは、検出された信号の周波数と振幅を示すデータを出力する。電気機器からのノイズが、比較的に一定の大きさの広範囲のスペクトラム信号としてたびたび検出される。
【0026】
メモリシステム104は、無線送受信機3によって受信された情報を記憶するように構成されても良い。情報がメモリシステム104に届いたとき、プロセッサ103は、命令を実行して直ちに受信した情報からその情報、そして、オペレーティングプログラムとアプリケーションプログラムを表示するように構成しても良い。メモリシステム104は、スマート機器150の無線送受信機122によって同時送信された一次的な数値データを受信及び表示するために、HART,フィールドバス又は他のプロトコル通信インタフェースプロトコルのような機器記述通信プロトコル107を保持している。
【0027】
スマート機器150は、無線送受信機122から入力情報を受信するためにプロセッサ153を有するコントローラ154を有する。スマート機器150は、校正機器と通信機器のような他の機器と通信するための入力ジャック(図示せず)を有しても良い。
【0028】
スマート機器150の特定の構成とタイプに依存して、メモリシステム155は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EEPROM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術のような、揮発性又は不揮発性のメモリの形式でシステムメモリを含むこともできる。システムメモリがプロセッサ153によって直ちにアクセス可能で、及び/又は、カレントに操作されるデータ及び/又はプログラムモジュールを主に記憶することを当業者は理解している。これに関して、プロセッサ153は、プログラム命令の実行をサポートすることにより、スマート機器150の計算器センターとして役に立つ。
【0029】
メモリシステム155は、情報を記憶することができる技術を用いて実装された、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれでも良く、取り出し可能なメモリでも取り出し不可のメモリでも良い。メモリシステム155に記憶される情報は、プロセッサ153によってアクセスされるべきプログラムモジュールとデータを含むが、これらに限定されるわけではない。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか又は特定のアブストラクトデータタイプを実装するルーティン、アプリケーション、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。ここに記載したシステムメモリと他のメモリが各種のコンピュータ読み取り可能な記録媒体の単なる例示であることは明らかである。特に、スマート機器150は、HART、フィールドバス、又は、他のプロトコル通信インタフェースプログラムを含む、スマート機器150のためのすべてのDDを含んだメモリセクション又はモジュール155を有する。
【0030】
メモリシステム155は、図示しない入出力(I/O)ターミナル又は無線送受信機122を介して通信センター50、校正機器又は通信機器によって受信された情報を記憶するように構成されても良い。情報がメモリシステム155に届いたとき、プロセッサ153は、命令を実行して直ちに受信した情報からその情報、そして、オペレーティングプログラムとアプリケーションプログラムを表示するように構成しても良い。
【0031】
無線データリンク層は、自動プロトコル(HARTやファウンデーションフィールドバスなど)とIEEE802.11を組み合わせて、プロセスタスクの要件を満足する。IEEE802.11は、(wi−fiとして知られている)無線通信を用いるローカルエリアネットワークのための規格であり、パーソナルコンピュータネットワークに広く実装されている。ツール100はIEEE802.11規格を用いてネットワークを分析することができる。
【0032】
wi−fi試験用の市販の機器が数多く存在し、IEEE802.11規格の下で作動する機器を検出し、分析し、そして試験する。それらのうちのいずれか一つが、後述されるような適切な変更により無線送信ネットワーク分析ツールに変換されうる。そのようなwi−fiテスターの一つが、この出願の出願人であるフルークコーポレーション製のAirCheck(商標)Wi−Fiテスターである。このテスターは、周波数と各周波数における信号の振幅とチャンネルの使用と接続問題源の位置を試験するスペクトラム分析器を含んでいる。AirCheck(商標)Wi−Fiテスターは、2.4GHz帯において802.11b/g/nネットワーク上で作動し、5GHz帯において802.11a/nネットワーク上で作動する。番号802.11の後の添え字aとbとgとnは、802.11ジェネラルスタンダードのサブセットである。AirCheck(商標)Wi−Fiテスター及び他の同等のテスターは、一又はそれ以上の通信プロトコル105をメモリシステム104に加えてプロセッサ103と送受信機3がHART、フィールドバス又は他の自動プロトコル上で送信されたタグと一次的な変数を受信できるようにすることによって、ハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール100に変換される。
【0033】
図5に関して、ツール100のディスプレイ26は、それぞれ、ネットワークとアクセスポイントとチャンネルとツールのためのサブメニュー111−114を有するメイン画面110を有する。プロセス施設には一又はそれ以上のネットワークを有することもある。技術者は、ツール100の前面のナビゲーション選択キーを用いてネットワークメニュー111を選択することによって特定のスマート機器150に行き着く。ネットワーク内で一度、技術者はアクセスポイントサブメニュー112を選択することによって特定のアクセスポイントを選択することができる。このメニューは、ネットワーク200に対してのアクセスポイントのリストと特定された各アクセスポイントの信号強度を表示する。技術者が特定のアクセスポイントを選択し、そして、ディスプレイ26が信号強度とノイズ強度と信号対ノイズ比(SN比)を表示する。所定のアクセスポイントにとって、スマート機器150は特定のチャンネルであっても良く、そのチャンネルはチャンネルサブメニュー113を用いて選択され、各チャンネルに関連する装置を表示する。技術者がスマート機器の近くにいるときは、ツールサブメニュー114を形成する一又はそれ以上のツールが選択されてスマート機器150について問題があればその問題を分析する。
【0034】
チャンネルサブメニュー113のチャンネル画面は所定のチャンネルを用いたスマート機器のリストを表示する。ツールサブメニュー114上で、技術者はツール100に命じてスマート機器をリストアップし、そして、ディスプレイがスマート機器のリストを表示する。ツールサブメニュー114は、また、目的のスマート機器を測定するためにも用いられる。所定のセッションで、ツール100は、送受信機122の周波数と、送受信機122によって送信された無線信号の強度と、スマート機器150に近傍のノイズ強度と、送受信機の無線信号の信号対ノイズ比を測定し、ノイズ信号を分析してノイズを発生している機器のタイプを特定し、スマート機器150のタグを特定し、スマート機器150の送受信機122によって送信された一次的な変数を読み込む。ノイズが検出されたときには、図示しない、他のサブメニューが用いられてノイズ信号を分析しAC又はDC電気機器のようなそのノイズ源を特定する。ツール100は、また、スマート機器150によって同時送信されたタグと一次的な変数情報を記録することもある。
【0035】
スマート機器150は、タグと、カレントな変数の値とゼロ値又は下限値とその上限値を含む一次的な変数のデータを周期的に送信する。スマート機器150は、T1(156)のための圧力変換器を有し、その装置タグとカレントな圧力と、ゼロ値と、上限値を周期的に同時送信する。たとえば、変換器T1はカレントな値として100psiの一次的な値を出力し、ゼロ値として50を出力し、そして、上限値として150を出力する。しかしながら、ローカルなノイズ又は欠陥のあるアクセスポイントがそのステータス送信を阻止することもあり得る。送受信機の送受信範囲内にいる技術者は、ツール100を用いて、スマート機器150の周波数と、信号強度と、基本的なタグと、ステータス情報を感知する。点検の終わりにおいて、技術者はスマート機器150のステータスとスマート機器150によって同時送信された一次的な値を通信センター50に報告する。
【0036】
運転中、技術者はツール100のディスプレイ26を読みそして操作しながら、ツール100とスマート機器150の間の距離Dを詰める。スマート機器150の送受信機122が作動中であれば、技術者は送受信機3を介してその送信を検出する。より特別には、ディスプレイ26は、スマート機器150の周波数と、信号強度と、そのタグと一次的な変数に関するいくつかの限定的なデータを表示する。ツールは、また、スマート機器150近傍にノイズ71,73があるか否かを表示し、そのノイズを分析してDCモータ70か、変圧器72か、AC又はDC発電機か、ACモータか、開閉装置か又はハイパワーな送電線を含む(但しそれらの限定されるものではない)他の電気機器によってノイズが生成されたのか否かを決定する。ツール100は、また、アクセスポイントの性能を試験し分析するためにも役立つ。
【0037】
本発明の好適な実施の形態が示され説明されてきたが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、その改変と変形が当業者によって行われることが可能である。加えて、各種の実施の形態の諸相が全体又はその位置において交換可能であることは理解されるべきである。更に、上記の説明が例示のみを目的とするものであって、特許請求の範囲に記載された発明を制限することを意図するものではないことを当業者は認識している。上記説明され特許請求の範囲に記載されたのと実質的に同じ方法で実質的に同じ結果を達成するために他の及び均等な構成要素や工程が用いられうることを当業者は理解している。
【符号の説明】
【0038】
3・・・送受信機、40・・・バリア、50・・・通信センター、70・・・DCモータ、72・・・変圧器、100・・・ハンドヘルド無線送信ネットワーク分析ツール、102・・・コントローラ、104・・・メモリシステム、110・・・メイン画面、111・・・サブメニュー、112・・・アクセスポイントサブメニュー、113・・・チャンネルサブメニュー、114・・・ツールサブメニュー、122・・・送受信機、140・・・導管、150・・・スマート機器1、154・・・コントローラ、155・・・メモリシステム、156・・・変換器、157・・・変換器、200・・・プロセス通信ネットワーク
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5