(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552817
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】減少されたバンド幅を有する航法信号の処理を実行するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01S 19/35 20100101AFI20190722BHJP
G01S 19/33 20100101ALI20190722BHJP
G01S 19/24 20100101ALI20190722BHJP
【FI】
G01S19/35
G01S19/33
G01S19/24
【請求項の数】24
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-260115(P2014-260115)
(22)【出願日】2014年12月24日
(65)【公開番号】特開2015-121542(P2015-121542A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2017年10月24日
(31)【優先権主張番号】61/920,151
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/552,051
(32)【優先日】2014年11月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・レネン
【審査官】
渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0026039(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/098468(WO,A1)
【文献】
特表2011−512513(JP,A)
【文献】
特開平07−128423(JP,A)
【文献】
特表2013−541004(JP,A)
【文献】
特表2008−512883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01S 19/00 − 19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの航法信号の組合を受信する段階と、
前記組合された2つの航法信号の周波数を中間周波数に減少させる段階と、
前記中間周波数信号を複素信号に表現可能であるデジタル信号に転換する段階と、
前記中間周波数信号の周波数を近基底帯域で変換する段階と、
前記近基底帯域信号をフィルタリングする段階と、
前記フィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを使用者定義可能であるファクタによって減少させる段階と、
前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階と、を含み、
前記2つの航法信号のうちの少なくとも1つは、上位サイドローブと下位サイドローブとを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する方法。
【請求項2】
メモリ内に前記1つのサイドローブを格納する段階と、
航法のために前記1つのサイドローブを処理する段階と、を含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2つの航法信号の組合を受信する段階は、
グローバル位置システム(GPS)信号及びガリレオグローバル航法衛星システム(GNSS)バイナリオフセットキャリヤー(1、1)(BOC(1、1))信号を受信する段階を含み、ガリレオGNSS BOC(1、1)信号は、前記上位サイドローブと前記下位サイドローブとを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組合された2つの航法信号の周波数を中間周波数に減少させる段階は、
前記組合された信号をFs=48fxである信号に減少させる段階を含み、前記fx=1.0230625MHzである、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記中間周波数信号の周波数を近基底帯域に変換する段階は、
サイン信号とコサイン信号とを含むルックアップテーブルを利用してキャリヤーをミキシング(mixing)する段階を含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記近基底帯域信号をフィルタリングする段階は、
3MHzで前記近基底帯域信号をローパスフィルタリング(low−pass filtering)する段階を含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを使用者定義可能であるファクタによって減少させる段階は、
ファクタ6によってフィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを減少させることを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記減少されフィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階は、
前記上位サイドローブと前記下位サイドローブとの組合、前記上位サイドローブ、そして前記下位サイドローブの中で少なくともいずれか1つから前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号のサイドローブを選択することを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階は、
ルックアップテーブルによって選択された各サイドローブを乗算する段階と、
前記乗算の結果を合算する段階と、
前記合算の結果をフィルタリングする段階と、
前記フィルタリングの結果を2fx、2ビット、ガリレオ複素サンプルに再量子化する段階と、を含み、
前記ルックアップテーブルは、8fxクロック信号によって駆動される数値制御発振器(NCO)を利用して生成される、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階は、
前記フィルタリングされ、ミキシングされたデジタル信号をさらにフィルタリングする段階と、
前記フィルタリングされた信号をさらに減少させる段階と、
前記さらに減少された信号の結果を2fx、2ビット、GPS複素サンプルに再量子化する段階と、
前記2fx再量子化されたサンプルをマルチプレクシング(multiplexing)する段階と、をさらに含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記数値制御発振器は、
8fxクロック信号によって駆動される16ビットラッチの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、前記16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、前記16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、
前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第1加算器と、
8fxクロック信号の制御の下に前記マルチプレクシングされた結果と前記16ビットラッチの出力の合算値の出力とをラッチ(latch)する前記16ビットラッチと、
前記16ビットラッチの前記出力を26629に加えてコサイン信号を出力する第2加算器と、
前記16ビットラッチの前記出力を前記26629に加えた値の出力を“010000”に加えてサイン信号を出力する第3加算器と、をさらに含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項9に記載の方法。
【請求項12】
8fxクロック信号によって駆動される16ビットラッチの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、前記16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、前記16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、
前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第1加算器と、
8fxクロック信号の制御の下に前記マルチプレクシングされた結果と前記16ビットラッチの出力の合算値の出力とをラッチ(latch)する前記16ビットラッチと、
前記16ビットラッチの前記出力を26629に加えてコサイン信号を出力する第2加算器と、
前記16ビットラッチの前記出力を前記26629に加えた値の出力を“01000000”に加えてサイン信号を出力する第3加算器と、をさらに含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
2つの航法信号の組合を受信する受信機と、
前記受信機に連結され、前記2つの航法信号の組合の周波数を中間周波数に減少させる周波数減少ブロックと、
前記周波数減少ブロックに連結され、前記中間周波数信号を複素信号に表現可能であるデジタル信号への転換アナログ−デジタル変換機(ADCs)のアレイと、
前記アナログ−デジタル変換機のアレイに連結され、前記中間周波数信号の周波数を近基底帯域に変換する周波数変換機と、
前記周波数変換機に連結され、前記近基底帯域信号をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタに連結され、使用者が定義可能であるファクタに基づいて前記フィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを減少させるサンプリングレートレジューサと、
前記サンプリングレートレジューサに連結され、前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する信号変換機と、を含み、
前記2つの航法信号のうちの少なくとも1つは、上位サイドローブ及び下位サイドローブを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する装置。
【請求項14】
前記信号変換機に連結され、前記1つのサイドローブを格納するメモリと、
航法のために前記1つのサイドローブを処理するプロセッサと、をさらに含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記受信機は、
グローバル位置システム(GPS)信号及びガリレオグローバル航法衛星システム(GNSS)バイナリオフセットキャリヤー(1、1)(BOC(1、1))信号を受信し、前記ガリレオGNSS BOC(1、1)信号は、前記上位サイドローブ及び前記下位サイドローブを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記周波数減少ブロックは、
前記組合された信号をFs=48fxであり、fx=1.0230625MHzである信号に減少させる、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記周波数変換機は、
キャリヤーミキサーと、サイン信号とコサイン信号を含むルックアップテーブルとを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記フィルタは、
3MHzローパスフィルタを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記サンプリングレートレジューサは、 ファクタ6によって前記サンプリングレートを減少させる、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記信号変換機は、
前記上位サイドローブと前記下位サイドローブとの組合、前記上位サイドローブ、そして前記下位サイドローブの中で少なくともいずれか1つから前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号のサイドローブを選択する、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記信号変換機は、
ルックアップテーブルによって選択された各サイドローブを乗算する乗算器と、
前記乗算器に連結され、前記乗算の結果を合算する加算器と、
前記加算器に連結され、前記合算の結果をフィルタリングする第3フィルタと、
前記フィルタリングの結果を2fx、2ビット、ガリレオ複素サンプルに再量子化する再量子化器と、を含み、
前記ルックアップテーブルは、8fxクロック信号によって駆動された数値制御発振器を利用して生成される、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記信号変換機は、
前記サンプリングレートレジューサに連結され、前記フィルタリングされ、ミキシングされたデジタル信号をさらにフィルタリングする第4フィルタと、
前記第4フィルタに連結され、前記さらにフィルタリングされた信号を減少させる第3サンプリングレートレジューサと、
前記第3サンプリングレートレジューサに連結され、前記さらに減少された信号の結果を2fx、2ビット、GPS複素サンプルに再量子化する第2再量子化器と、
前記再量子化器及び前記第2再量子化器に連結され、前記2fx再量子化されたサンプルをマルチプレクシング(multiplexing)するマルチプレクサーをさらに含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記数値制御発振器は、
8fxクロック信号によって駆動される16ビットラッチの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、
前記マルチプレクサーに連結され、前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第2加算器と、
前記第2加算器に連結され、8fxクロック信号の制御の下で前記第2加算器の前記出力をラッチする前記16ビットラッチと、
前記16ビットラッチに連結され、前記16ビットラッチの結果を26629に加えてコサイン信号を出力する第3加算器と、
前記16ビットラッチの出力を26629に加えた値の出力を“010000”に加えてサイン信号を出力する第4加算器と、をさらに含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記数値制御発振器は、
8fxクロック信号によって駆動される16ビットの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、
前記マルチプレクサーに連結され、前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第2加算器と、
前記第2加算器に連結され、8fxクロック信号の制御の下で前記第2加算器の前記出力をラッチする前記16ビットラッチと、
前記16ビットラッチに連結され、前記16ビットラッチの結果を26629に加えてコサイン信号を出力する第3加算器と、
前記16ビットラッチの出力を26629に加えた値の出力を“01000000”に加えてサイン信号を出力する第4加算器と、をさらに含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のグローバル航法衛星システム(Global Navigation Satellite System、GSNN)の一端からの信号を処理するのに要求される資源を減少させる方法及び装置に関し、さらに具体的には次世代GNSS信号を効果的に処理する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のGNSS信号が開発されており、直ぐに実行される。しかし、次世代の信号は次のように受信するのに多い問題を有している。例えば、より高い受信サンプリングレート(sampling rates)に対する要求、より高いサンプリングレートに対する要求によってより大きい受信メモリ容量に対する要求、より高いサンプリングレートによって発生されたより広いバンド幅によって干渉に対してより高い敏感度を必要とすること、複数の信号相関関係ピーク(correlation peaks)を追跡するのに対するさらに大きくなった難しいさ、より多い複素相関関係関数(complex correlation function)を使用することによってより複数経路信号の相互作用がより複雑になったこと、そしてより多い複素相関関係関数を使用することによってより増加された測定範囲を要求されるようになったこと等がある。ここで説明される受信機(receiver)のような場合、増加された複素サンプリングレートは8fx vs. 2fxに、これは4のファクタの増加に該当する。さらに、複数の信号ピークの存在はピークを正確に追跡することをさらに難しくする。ピークを誤りに追跡することは大略150メートルの範囲エラーを引き起こす。現在のGNSS信号はガリレオGNSSバイナリオフセットキャリヤー(1、1)(BOC(1、1))とGPS(Global Positioning System) L1−C伝送とを含む。
図1はGPS及びガリレオ信号の一例を示すスペクトルであり、
図2は従来のGPS/ガリレオ受信機を示す図面である。
【0003】
図2で、アンテナ21はGPSとガリレオ衛星信号とを受信し、S
RF信号を出力する。出力信号S
RFは信号増幅、フィルタリング、周波数解析を遂行する無線周波数(Radio Frequency、RF)ブロック22を通過し、普通その中心周波数が合理的なサンプリングレートを有するように相当に減少されたS
IF信号が出力される。ここで提示される実施形態で、サンプリングレート(sampling rate)はFs=48fx=49.107MHzであり、ここで、fx=1.0230625MHzである。信号SIFは以後の複素信号(complex signal)を示すために2つのアナログーデジタルコンバータ(Analog to Digital Converters、ADCs)によってサンプリングされ、量子化される。デジタル化され、量子化された信号S
digitalは48fxの複素信号レート(complex signal rate)でデジタル信号処理器(digital signal preprocessor、DSP)24に伝えられる。デジタル信号処理器24は信号をさらにフィルタリングし、RF自動ゲイン制御(Automatic Gain Control、AGC)演算及び干渉緩和(interference mitigation)の機能を遂行する。デジタル信号処理器24の出力であるS
8fxは8fxの複素サンプリングレート(complex sampling rate)に減少される。信号格納メモリ25はデジタル信号処理器24に連結される。すべての受信されたGPS及びガリレオ衛星信号は信号格納メモリ25の8fxサンプルで存在する。各衛星処理(satellite processing)はGPS及びガリレオ信号が信号格納メモリ25に格納された後に遂行され、信号格納メモリ25に連結された最後のキャリヤーミキサー(final carrier mixer)26、信号格納メモリ25に連結された相関関係ブロック(correlation block)27、相関関係ブロック27に連結された信号推測メモリ(signal hypothesis memory)28、信号推測メモリ28に連結された信号獲得/追跡関数ブロック29を含む。相関関係ブロック27は適切なローカル拡散コード(local spreading code)又はL
codeを入力として受信する。
【0004】
特定衛星のための相関関係動作(correlation operation)は各衛星を逆拡散(de−spread)するためにローカル拡散コードの複製(replica)を使用する。各GPS衛星は各々コース/獲得(course/acquisition、C/A)拡散コードを有する。ガリレオBOC(1、1)信号のためのL
code表現はガリレオ衛星拡散コード及びサブキャリヤー(subcarrier)の組合でなされた互に異なる形式を有する。サブキャリヤーはガリレオ衛星信号を送信するために使用され、1.023MHzの矩形波(square wave)である。
図1に示したように、サブキャリヤーが伝送される部分はデュアル周波数サイドローブ(dual frequency sidelobes)を発生させる。BOC(1、1)と相関関係演算(correlate)を行うために、拡散コードだけでなく、局所的に発生された複製サブキャリヤーが
図3で説明されるように生成されなければならない。デジタル信号処理器24の出力は以後信号格納メモリ25に格納される。
【0005】
図3はGPS衛星受信のために局所的にL
codeを複製するL
code発生器31を示す図面であり、L
code発生器はガリレオメモリコード発生器32、サブキャリヤー発生器33、そしてガリレオ衛星信号のためにL
codeを局所的に複製するために局所的に複製されたサブキャリヤーとガリレオメモリコードとを乗算する乗算器34を含む。
【0006】
図4は48fxの複素サンプリングレートでサンプリングされたGPS/ガリレオ信号を受信するために複素ミキサー(complex mixer)41を含む
図2のデジタル信号処理器24の従来技術を示す図面である。48fxの複素サンプリングレートでサンプリングされたルックアップテーブルLUT42が複素ミキサー41に連結される。複素ミキサー41に連結されたローパスフィルタ43は48fxのサンプリングレートでサンプリングされた信号を受信する。ローパスフィルタ53に連結されたサンプリングレートレジューサ(sample rate reducer)44は48fxの複素サンプリングレートでサンプリングされた信号を8fxのサンプリングレートでサンプリングされた信号に減少させる。サンプリングレートレジューサ44に連結された再量子化器(re−quantizer)45は8fxの複素サンプリングレートでサンプリングされた2ビットの量子化されたGPS/ガリレオ信号を出力する。デジタル信号処理器24はGPS/ガリレオ信号の周波数を中間周波数(intermediate frequency:IF)(例えば、7fx)で基底帯域(baseband)に隣接するキャリヤー周波数(carrier frequency)に変換し、前記変換された信号を3MHzでローパスフィルタし、該当信号を2ビット(signal+magnitude)に再量子化する。サンプリングレートがローパスフィルタ43の出力での48fxでサンプリングレートレジューサ44の出力での8fxに減少されたことに注意する必要がある。
【0007】
したがって、新しいGNSS信号によって発生された問題、例えばより高いサンプリングレート、より広いバンド幅、複数の相関関係ピーク、クロス−相関関係問題、増加されたGNSS信号の複雑性等を解決するための方法、システム、装置が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,765,463号公報
【特許文献2】米国特許第6,728,325号公報
【特許文献3】米国特許公開第2007/0116098号明細書
【特許文献4】米国特許公開第2007/0258511号明細書
【特許文献5】米国特許公開第2009/012928号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は新しいGNSS信号によって発生できる問題を解決することにある。また、本発明の一目的は受信されないサイドローブと連関された干渉を避けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態による減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する方法は、2つの航法信号の組合を受信する段階と、前記組合された2つの航法信号の周波数を中間周波数に減少させる段階と、前記中間周波数信号を複素信号に表現可能であるデジタル信号に転換する段階と、前記中間周波数信号の周波数を近基底帯域で変換する段階と、前記近基底帯域信号をフィルタリングする段階と、前記フィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを使用者定義可能であるファクタによって減少させる段階と、前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階と、を含み、前記2つの航法信号少なくとも1つは、上位サイドローブと下位サイドローブとを含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する。
【0011】
実施形態として、メモリ内に前記1つのサイドローブを格納する段階と、航法のために前記1つのサイドローブを処理する段階と、を含む。
【0012】
実施形態として、前記2つの航法信号の組合を受信する段階は、グローバル位置システム(GPS)信号及びガリレオグローバル航法衛星システム(GNSS)バイナリオフセットキャリヤー(1、1)(BOC(1、1))信号を受信する段階を含み、ガリレオGNSS BOC(1、1)信号は、前記上位サイドローブと前記下位サイドローブとを含む。
【0013】
実施形態として、前記組合された2つの航法信号の周波数を中間周波数に減少させる段階は、前記組合された信号をFs=48fxである信号に減少させる段階を含み、前記fx=1.0230625MHzである。
【0014】
実施形態として、前記中間周波数信号の周波数を近基底帯域に変換する段階は、サイン信号とコサイン信号とを含むルックアップテーブルを利用してキャリヤーをミキシング(mixing)する段階を含む。
【0015】
実施形態として、前記近基底帯域信号をフィルタリングする段階は、3MHzで前記近基底帯域信号をローパスフィルタリング(low−pass filtering)する段階を含む、減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する。
【0016】
実施形態として、前記フィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを使用者定義可能であるファクタによって減少させる段階は、ファクタ6によってフィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを減少させることを含む。
【0017】
実施形態として、前記減少されフィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階は、前記上位サイドローブと前記下位サイドローブとの組合、前記上位サイドローブ、そして前記下位サイドローブの中で少なくともいずれか1つから前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号のサイドローブを選択することを含む。
【0018】
実施形態として、前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階は、ルックアップテーブルを参照してサイン及びコサイン信号と前記デジタル信号とをミキシングする段階と、前記ミキシングされたデジタル信号をフィルタリングする段階と、前記フィルタリングされ、ミキシングされたデジタル信号のサンプリングレートを減少させる段階と、前記ルックアップテーブルによって選択された各サイドローブを乗算する段階と、前記掛け算の結果を合算する段階と、前記合算の結果をフィルタリングする段階と、前記フィルタリングの結果を2fx、2ビット、ガリレオ複素サンプルに再量子化する段階と、を含み、前記ルックアップテーブルは、8fxクロック信号によって駆動される数値制御発振器(NCO)を利用して生成される。
【0019】
実施形態として、前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する段階は、前記フィルタリングされ、ミキシングされたデジタル信号をさらにフィルタリングする段階と、前記フィルタリングされた信号をさらに減少させる段階と、前記さらに減少された信号の結果を2fx、2ビット、GPS複素サンプルに再量子化する段階と、前記2fx再量子化されたサンプルをマルチプレクシング(multiplexing)する段階と、をさらに含む。
【0020】
実施形態として、前記数値制御発振器は、8fxクロック信号によって駆動される16ビットラッチの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、前記16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、前記16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第1加算器と、8fxクロック信号の制御の下に前記マルチプレクシングされた結果と前記16ビットラッチの出力の合算値の出力とをラッチ(latch)する前記16ビットラッチと、前記16ビットラッチの前記出力を26629に加えてコサイン信号を出力する第2加算器と、前記16ビットラッチの前記出力を前記26629に加えた値の出力を“010000”に加えてサイン信号を出力する第3加算器と、をさらに含む。
【0021】
実施形態として、8fxクロック信号によって駆動される16ビットラッチの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、前記16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、前記16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第1加算器と、8fxクロック信号の制御の下に前記マルチプレクシングされた結果と前記16ビットラッチの出力の合算値の出力とをラッチ(latch)する前記16ビットラッチと、前記16ビットラッチの前記出力を26629に加えてコサイン信号を出力する第2加算器と、前記16ビットラッチの前記出力を前記26629に加えた値の出力を“01000000”に加えてサイン信号を出力する第3加算器と、をさらに含む。
【0022】
本発明の実施形態による減少されたバンド幅を有する航法信号を処理する方法は2つの航法信号の組合を受信する受信機と、前記受信機に連結され、前記2つの航法信号の組合の周波数を中間周波数に減少させる周波数減少ブロックと、前記周波数減少ブロックに連結され、前記中間周波数信号を複素信号に表現可能であるデジタル信号への転換アナログ−デジタル変換機(ADCs)のアレイと、前記アナログ−デジタル変換機のアレイに連結され、前記中間周波数信号の周波数を近基底帯域に変換する周波数変換機と、前記周波数変換機に連結され、前記近基底帯域信号をフィルタリングするフィルタと、前記フィルタに連結され、使用者が定義可能であるファクタに基づいて前記フィルタリングされた近基底帯域信号のサンプリングレートを減少させるサンプリングレートレジューサと、前記サンプリングレートレジューサに連結され、前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号を選択して1つのサイドローブに変換する信号変換機と、を含み、前記2つの航法信号少なくとも1つは、上位サイドローブ及び下位サイドローブを含む。
【0023】
実施形態として、前記信号変換機に連結され、前記1つのサイドローブを格納するメモリと、航法のために前記1つのサイドローブを処理するプロセッサと、をさらに含む。
【0024】
実施形態として、前記受信機は、グローバル位置システム(GPS)信号及びガリレオグローバル航法衛星システム(GNSS)バイナリオフセットキャリヤー(1、1)(BOC(1、1))信号を受信し、前記ガリレオGNSS BOC(1、1)信号は、前記上位サイドローブ及び前記下位サイドローブを含む。
【0025】
実施形態として、前記周波数減少ブロックは、前記組合された信号をFs=48fxであり、fx=1.0230625MHzである信号に減少させる。
【0026】
実施形態として、前記周波数変換機は、キャリヤーミキサーと、サイン信号とコサイン信号を含むルックアップテーブルとを含む。
【0027】
実施形態として、前記フィルタは、3MHzローパスフィルタを含む。
【0028】
実施形態として、前記サンプリングレートレジューサは、ファクタ6によって前記サンプリングレートを減少させる。
【0029】
実施形態として、前記信号変換機は、前記上位サイドローブと前記下位サイドローブとの組合、前記上位サイドローブ、そして前記下位サイドローブの中で少なくともいずれか1つから前記減少され、フィルタリングされた近基底帯域信号のサイドローブを選択する。
【0030】
実施形態として、前記信号変換機は、ルックアップテーブルを参照してサイン及びコサイン信号と前記デジタル信号とをミキシングするキャリヤーミキサーと、前記キャリヤーミキサーに連結され、前記ミキシングされたデジタル信号をフィルタリングする第2フィルタと、前記フィルタに連結され、前記フィルタリングされ、ミキシングされたデジタル信号のサンプリングレートを減少させる第2サンプリングレートレジューサと、前記サンプリングレートレジューサに連結され、前記ルックアップテーブルによって選択された各サイドローブを乗算する乗算器と、前記乗算器に連結され、前記乗算の結果を合算する加算器と、前記加算器に連結され、前記合算の結果をフィルタリングする第3フィルタと、前記フィルタリングの結果を2fx、2ビット、ガリレオ複素サンプルに再量子化する再量子化器と、を含み、前記ルックアップテーブルは、8fxクロック信号によって駆動された数値制御発振器を利用して生成される。
【0031】
実施形態として、前記信号変換機は、前記サンプリングレートレジューサに連結され、前記フィルタリングされ、ミキシングされたデジタル信号をさらにフィルタリングする第4フィルタと、前記第4フィルタに連結され、前記さらにフィルタリングされた信号を減少させる第3サンプリングレートレジューサと、前記第3サンプリングレートレジューサに連結され、前記さらに減少された信号の結果を2fx、2ビット、GPS複素サンプルに再量子化する第2再量子化器と、前記再量子化器及び前記第2再量子化器に連結され、前記2fx再量子化されたサンプルをマルチプレクシング(multiplexing)するマルチプレクサーをさらに含む。
【0032】
実施形態として、前記数値制御発振器は、8fxクロック信号によって駆動される16ビットラッチの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、前記マルチプレクサーに連結され、前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第2加算器と、前記第2加算器に連結され、8fxクロック信号の制御の下で前記第2加算器の前記出力をラッチする前記16ビットラッチと、前記16ビットラッチに連結され、前記16ビットラッチの結果を26629に加えてコサイン信号を出力する第3加算器と、前記16ビットラッチの出力を26629に加えた値の出力を“010000”に加えてサイン信号を出力する第4加算器と、をさらに含む。
【0033】
実施形態として、前記数値制御発振器は、8fxクロック信号によって駆動される16ビットの最上位ビット(most significant bit)の制御の下で、変数K及びMをマルチプレクシングし、16ビットラッチ出力が1である時、Mを選択し、16ビットラッチ出力が0である時、Kを選択するマルチプレクサーと、前記マルチプレクサーに連結され、前記マルチプレクシングされた結果を前記16ビットラッチの出力に合算する第2加算器と、前記第2加算器に連結され、8fxクロック信号の制御の下で前記第2加算器の前記出力をラッチする前記16ビットラッチと、前記16ビットラッチに連結され、前記16ビットラッチの結果を26629に加えてコサイン信号を出力する第3加算器と、前記16ビットラッチの出力を26629に加えた値の出力を“01000000”に加えてサイン信号を出力する第4加算器と、をさらに含む。
【発明の効果】
【0034】
本発明は受信のためにBOC(1、1)の2つの周波数サイドローブの中で単なる1つを選択することが可能であり、これは1つのサイドローブを受信し、他のサイドローブを受信しないことが可能であることを意味する。このようにすることによって、本発明は受信されないサイドローブと連関された干渉を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】GPS及びガリレオ信号の一例を示すスペクトルである。
【
図2】従来のGPS/ガリレオ受信機を示す図面である。
【
図3】GPS衛星受信のために局所的にL
codeを複製するL
code発生器を示す図面である。
【
図4】48fxの複素サンプリングレートでサンプリングされたGPS/ガリレオ信号を受信するために複素ミキサーを含む
図2のデジタル信号処理器の従来技術を示す図面である。
【
図5】本発明の実施形態による改善されたデジタル信号処理器の一実施形態を示す図面である。
【
図6】従来技術でBOC(1、1)の受信と共に発生された相関関係関数を示す図面である。
【
図7】本発明の実施形態にしたがって発生されたガリレオ衛星の相関関係を示す図面である。
【
図8】
図5のガリレオ2fx関数ブロックのブロック図を示す図面である
【
図9】
図8の数値制御発振器の第1実施形態を示す図面である。
【
図10】オーバーフローと位相補正をする
図8の数値制御発振器の第2実施形態を示す図面である。
【
図11A】
図8の数値制御発振器によって生成されたサイン及びコサインであるルックアップテーブル信号のグラフを示す図面である。
【
図11B】
図11Aのルックアップテーブル信号の周波数スペクトルのグラフを示す図面である。
【
図12A】信号に位相補正が適用されないガリレオBOC(1、1)衛星信号の下位サイドローブを処理する
図5のガリレオ2fx関数ブロックの結果を示すグラフである。
【
図12B】位相補正が信号に適用される前にガリレオBOC(1、1)衛星信号の上位サイドローブを処理する
図5のガリレオ2fx関数ブロックの結果を説明するための図面である。
【
図13】30度(degree)の位相補正が適用された後にガリレオBOC(1、1)衛星信号の上位サイドローブを処理する
図5のガリレオ2fx関数ブロックの結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の多様な実施形態が添付された図面を参照してより詳細に説明される。以下の説明で、具体的な実施形態又は具体的な説明は単なる本発明の技術的思想を詳細に説明するためのものであって、本発明の技術的思想はこれに限定されない。したがって、本発明の技術分野において通常の知識を有する者は以下で説明される本発明の実施形態を利用して本発明の技術的思想の範疇内でこれを変形するか、或いは適用することができる。一方、よく公知された機能、関数、構成は明確であり、説明を簡単にするために省略される。
【0037】
本発明は現代化されたGNSS信号に適用される。現在、このような信号はガリレオBOC(1、1)及びGPS L1−C伝送を含む。しかし、未来にはさらに現代化されたGNSS衛星信号が伝送される可能性があり、本発明の技術的思想はこれにも適用されることができる。
【0038】
本発明はガリレオBOC(1、1)伝送に対して説明されることであり、これはE1−B伝送(例えば、データのためのガリレオキャリヤー信号E1内のチャンネルB)及びE1−C(例えば、範囲コード(ranging code)のためのガリレオキャリヤー信号E1内のチャンネルC)の全てを含む。このような信号はGPS L1コース/獲得(course/acquisition、C/A)伝送に対して“現代化”されている。ガリレオBOC(1、1)伝送のパワースペクトル密度はGPS L1 C/A伝送より大きく、ガリレオ伝送のための信号エネルギーの大部分はGPS伝送のための2MHzバンド幅と反対に4MHzバンド幅内に位置する。名目上のBOC(1、1)相関関係(correlation)の様子はGPS信号より複雑である。例えば、BOC(1、1)信号は3つのエネルギーピーク(peak)や、GPS L1 C/A伝送のためのエネルギーピークは1つである。
【0039】
本発明はGPS L1 C/Aコード−類似相関関係関数(correlation function)が生成されるようにガリレオBOC(1、1)信号を処理する。GPS−類似関数の生成は相関関係器(correlators)の空間獲得、複数−ピーク相関関係、複数経路(multipath)信号が存在する下で実行される問題を解決する。本発明は複数経路信号が存在する内でGPS L1 C/Aコードに同様に遂行される。
【0040】
本発明は信号のバンド幅を減少させるために周波数領域内でBOC(1、1)伝送の2つのサイドローブ(sidelobes)を結合する。これはBOC(1、1)サブキャリヤーを除去し、BOC(1、1)信号をGPS−類似関数に変更する。
【0041】
本発明は受信のためにBOC(1、1)の2つの周波数サイドローブの中で単なる1つを選択することが可能し、これは1つのサイドローブを受信し、他のサイドローブを受信しないことが可能であることを意味する。このようにすることによって、本発明は受信されないサイドローブと連関された干渉を避けることができる。
【0042】
図5は本発明の実施形態による改善されたデジタル信号処理器DSP50の一実施形態を示す図面である。本発明の技術的効果又は長所は
図5の改善されたデジタル信号処理器50を利用して
図2の従来のデジタル信号器24を取り替えることによって実現することができる。改善されたデジタル信号処理器50はGPS及びガリレオ衛星信号の組合を運営する。
【0043】
図5で、改善されたデジタル信号処理器50は
図5の複素ミキサー(complex mixer)51で
図2のアナログ−デジタル変換機(ADCs)のアレイによって生成されたS
digital信号を受信する。複素ミキサー51は
図4の従来デジタル信号処理器24の複素ミキサー41で受信されたことのように組合されたGPS/ガリレオ位相信号を複素ミキシング(complex mix)する動作を遂行する。
【0044】
図5のサイン(sine)とコサイン(cosine)ルックアップテーブル(LUT)52は複素ミキサー51に連結される。サイン/コサインルックアップテーブル52は
図4の従来技術のデジタル信号処理器24のサイン/コサインルックアップテーブル42のように複素ミキサー51にサイン及びコサイン信号の実行を提供する。
【0045】
図5の第1ローパスフィルタ53は複素ミキサー51の出力に連結される。第1ローパスフィルタ51は例えば、3MHzローパスフィルタであり、
図4のデジタル信号処理器24内のローパスフィルタ43と同様に複素ミキサー51の出力をフィルタリングする。
【0046】
図5の第1サンプリングレートレジューサ(sample−rate reducer)54は第1ローパスフィルタ53の出力に連結される。第1サンプリングレートレジューサ54は第1ローパスフィルタ53から受信された信号のサンプリングレートを6のファクタ(factor)に減少させ、これは
図4のデジタル信号処理器24内のサンプリングレートレジューサ44のように48fxから8fxに処理信号のサンプリングレートを減少させる。このような点では、
図5の改善されたデジタル信号処理器50は
図4のデジタル信号処理器24と一部類似である。
【0047】
ガリレオ2fx関数ブロック55は第1サンプリングレートレジューサ54の出力に連結される。ガリレオ2fx関数ブロック55は第1サンプリングレートレジューサ54によって遂行された8fxサンプリングされたガリレオ信号出力の2つのサイドローブを1つのサイドローブ2fxサンプリングされた信号に変換する。これは効果的にBOC(1、1)信号の信号バンド幅を減らし、BOC(1、1)のサブキャリヤーを除去することであって、その結果がGPSと類似に見えるようにする。さらに、ガリレオ2fx関数ブロック55は1回に単なる2つのサイドローブのみが処理されるようにすることによって処理されないサイドローブと関連された干渉を緩和させる。ガリレオ2fx関数ブロック55に対するさらに具体的な内容は
図8でさらに詳細に説明される。
【0048】
図5の第1再量子化器(first re−quantizer)56はガリレオ2fx関数ブロック55に連結される。第1再量子化器56はガリレオ2fx関数ブロック55の出力を2fx、2ビット(sign+magnitude)の量子化されたガリレオ複素サンプルに再量子化する。
【0049】
改善されたデジタル信号処理器50は2fx、2ビットに量子化されたGPS複素サンプルを生成するようにする。このようにするために、第2ローパスフィルタ57は第1サンプリングレートレジューサ54の出力に連結され、第2ローパスフィルタ57は1MHzで受信した信号をフィルタリングする。
【0050】
第2サンプリングレートレジューサ58は第2ローパスフィルタ57の出力に連結される。第2サンプリングレートレジューサ58は第2ローパスフィルタ57から受信された信号のサンプリングレートを4のファクタに減少させ、サンプリングレートを8fxから2fxに減少させる。
【0051】
第2再量子化器59は第2サンプリングレートレジューサ58に連結される。第2再量子化器59は第2サンプリングレートレジューサ58の出力を2fx、2ビット(sign+magnitude)の量子化されたGPS複素サンプルに再量子化する。
【0052】
マルチプレクサー60は第1再量子化器56の出力及び第2再量子化器59の出力に連結される。マルチプレクサー60に連結された制御信号は第1再量子化器56及び第2再量子化器59の出力の中でどちらが改善されたデジタル信号処理器50によって出力されるか否かを選択する。
【0053】
2fx複素サンプリングレートで改善されたデジタル信号処理器ブロック50によって出力された信号サンプルは
図2の信号格納メモリブロック25に伝送される。信号格納メモリブロック25はサンプルを格納し、複数の各衛星処理を容易にするためにより高いレート(例えば、多い場合に8fx)で
図2の以後のブロックを通じて再び使用されるようにする。各衛星処理は最後のキャリヤーミックス関数ブロック26及び相関関係ブロック27を通じた周波数変換、信号推測メモリブロック28を通じた格納、信号/追跡関数ブロック29を通じた信号獲得/追跡機能をさらに随伴する。具体的な位相のための相関関係ブロック27はローカル拡散コード複製(L
code)を使用して各衛星に逆拡散する。各GPS衛星は各々の1023 C/A拡散コードを有している。
【0054】
図6は従来技術でBOC(1、1)の受信と共に発生された相関関係関数(correlation function)を示す図面である。
【0055】
図7は本発明の実施形態にしたがって発生されたガリレオ衛星の相関関係(correlation)を示す図面である。これはGPS相関関係関数と非常に類似である。受信機の相関関係関数はすべての衛星の獲得及び追跡機能を駆動し、したがって本発明は以前に設計されたGPS獲得及び追跡機能がガリレオ衛星で使用するようにする。類似な様子を有する相関関係関数はまたマルチパス(multipath)の信号(例えば、urban canyon環境)があるところでガリレオ範囲(Galileo range)と範囲レート測定(range rate measurements)はGPSのそれと非常に類似することを意味する。これはより高い水準の航法カルマンフィルタ(Kalman Filter)がGPSとガリレオ衛星とに同様にチューニング(tuning)されるようにする。
【0056】
ガリレオ2fx信号の相関関係は現在単なるL
codeのためのガリレオメモリコードのみを使用する点に有意しなければならない。これは追加的なサブキャリヤー要素をそれ以上要求しない。根本的に、
図5のガリレオ2fx関数ブロック55はサブキャリヤーを除去した。
【0057】
図8は
図5のガリレオ2fx関数ブロックのブロック図を示す図面である。
【0058】
図8で、ガリレオ2fx関数ブロック55は第1乗算器81及び第2乗算器82で10ビットバス(bus)での8fxで複素サンプリングされた大略96.25KHzの中間周波数(intermediate frequency:IF)を受信する。
【0059】
ガリレオ2fx関数ブロック55はまた数値制御発振器(a numerically controlled oscillator、NCO)を含み、ここで数値制御発振器83は8fxでサンプリングされたクロック信号を受信し、fxは1.0230625MHzである。数値制御発振器83の出力は第1ルックアップテーブル84及び第2ルックアップテーブル85に連結される。
【0060】
第1ルックアップテーブル84及び第2ルックアップテーブル85は制御のための制御信号を受信し、制御信号は第1及び第2ルックアップテーブル84、85の中で1つのルックアップテーブル又は2つのルックアップテーブルの全てがガリレオ2fx関数ブロック55の所定動作に使用されるか、仮に単なる1つのルックアップテーブルのみが使用されれば、どのルックアップテーブルが使用されるか否かを制御するのに使用される。第1ルックアップテーブル84の5ビット出力バスは第1乗算器81に連結される。第2ルックアップテーブル85の5ビット出力バスは第2乗算器82に連結される。
【0061】
第1乗算器81及び第2乗算器82の14ビット出力バスは加算器86に連結される。加算器86の15ビット出力は1MHzのローパスフィルタ87に連結される。大略96.25KHzの中間周波数は、2fxで複素サンプリングされ、1MHzローパスフィルタ87の17ビット出力バスで示される。
【0062】
図8は下位(lower)又は上位(upper)ガリレオ周波数サイドローブ(sidelobes)が共に処理されるか、又は分離されて処理できることを示す図面である。仮に共に処理されれば、下位サイドローブは1.023MHzローカルキャリヤー表現(local carrier reprensentation)を通じてミックスされたキャリヤーであり、上位サイドローブは−1.023MHzローカルキャリヤー表現を通じてミックスされたキャリヤーであり、ここでキャリヤーミックスはサイドローブを近基底帯域(near baseband)に移動させる。その後、サイドローブが共に加えられる。組合された信号キャリヤーノイズ(combined signal carrier noise、CNO)密度損失(density loss)対してフル(full)BOC(1、1)の処理は大略1dBである。
図8のプロセシングアーム(arm)の中でいずれか1つをシャットオフ(shuttingoff)することは1つのサイドローブ(下位サイドローブ又は上位サイドローブ)が処理されるようにする。これは処理されないサイドローブの干渉を除去することによって干渉が緩和されるようにする。フルBOC(1、1)の処理に関するCNO損失は大略4dBである。
【0063】
図9は
図8の数値制御発振器NCO83の第1実施形態を示す図面である。数値制御発振器83は正確に1.023MHzでのローカル発振表現(local oscillator representation)を生成する。
【0064】
図9で、マルチプレクサー91は第1変数K及び第2変数Mを受信する。数値制御発振器83の出力周波数はKxFs/(2
N−M+K)であり、ここでK=2046、Fs=48fx=49.107MHzであり、Nは数値制御発振器83出力の長さ(例えば、16ビット)である。正確な周波数として、K=2046であり、2
N−M+K=16369であり、ここでN=16、M=51213である。
【0065】
マルチプレクサー91の出力は第1加算器92に連結される。第1加算器92の出力は16ビットラッチ93に連結される。16ビットラッチ93は8fxクロック信号を受信する。16ビットラッチ93の16ビット出力バスは第1加算器92に連結される。16ビットラッチ93の16ビット出力バスの第16ビット(又は16番目のビット、例えばd15)はd15=1である時、Mを選択し、d15=0である時、Kを選択するためのマルチプレクサー91の選択入力に連結される。
【0066】
16ビットラッチ93の16ビット出力バスはまた第2加算器94に連結される。第2加算器94は常数26629を受信する。第2加算器94の6ビット出力バスはコサイン信号を出力する
図8のガリレオ2fx関数ブロック55内のルックアップテーブルに連結された数値制御発振器83の出力であり、第3加算器95に連結される。
【0067】
図9の第3加算器95は“010000”ビットを受信し、これは位相補正(phase correction)を提供しない。第3加算器95の6ビット出力バスはサイン信号(sin signal)を出力する
図8のガリレオ2fx関数ブロック55内のルックアップテーブルに連結された数値制御発振器83の出力である。
【0068】
図10はオーバーフロー(overflow)と位相補正をする
図8の数値制御発振器83の第2実施形態を示す図面である。
【0069】
図10で、マルチプレクサー101は第1変数Kと第2変数Mとを受信する。数値制御発振器83の出力周波数はKxFs/(2
N−M+K)と同一であり、ここで、K=2046、Fs=48fx=49.107MHzであり、Nは数値制御発振器83出力の長さ(例えば、16ビット)である。正確な周波数として、K=2046であり、2
N−M+K=16369であり、ここでN=16、M=51213である。
【0070】
マルチプレクサー101の出力は第1加算器102に連結される。第1加算器102の出力は16ビットラッチ103に連結される。16ビットラッチ103はまた8fxクロック信号を受信する。16ビットラッチ103の16ビット出力バスは第1加算器102に連結される。16ビットラッチ103の16ビット出力バスの第16ビット(又は16番目のビット、例えばd15)はd15=1である時、Mを選択し、d15=0である時、Kを選択するためのマルチプレクサー101の選択入力に連結される。
【0071】
16ビットラッチ103の16ビット出力バスはまた第2加算器104に連結される。第2加算器104はまた常数26629を受信する。第2加算器94の6ビット出力バスはコサイン信号を出力する
図8のガリレオ2fx関数ブロック55内のルックアップテーブルに連結された数値制御発振器83の出力であり、第3加算器105に連結される。
【0072】
図10の第3加算器105は“01000000”ビットを受信し、これはオーバーフロー(overflow)及び位相補正(phase correction)を提供する。第3加算器105の6ビット出力バスはサイン信号(sin signal)を出力する
図8のガリレオ2fx関数ブロック55内のルックアップテーブルに連結された数値制御発振器83の出力である。
【0073】
図11Aは
図8の数値制御発振器83によって生成されたサイン(sin)及びコサイン(cos)であるルックアップテーブル信号のグラフを示す図面である。
図11Bは
図11Aのルックアップテーブル信号の周波数スペクトルのグラフを示す図面である。
【0074】
図12Aは信号に位相補正が適用されないガリレオBOC(1、1)衛星信号の下位サイドローブを処理する
図5のガリレオ2fx関数ブロックの結果を示すグラフである。
【0075】
図12Bは位相補正が信号に適用される前にガリレオBOC(1、1)衛星信号の上位サイドローブを処理する
図5のガリレオ2fx関数ブロックの結果を説明するための図面である。位相補正は後に信号に適用される。
【0076】
図13は30度(degree)の位相補正が適用された後にガリレオBOC(1、1)衛星信号の上位サイドローブを処理する
図5のガリレオ2fx関数ブロックの結果を示す図面である。位相補正は上位サイドローブが下位サイドローブに対する位相で回転する(rotate)ようにする。このような能力は受信機を通じて信号が進行する時に各々見えられる互いに異なる位相ローテーションによって引き起こされる2つのサイドローブの間のキャリヤー位相ミスマッチ(mismatch)を正しく訂正するのに使用される。これは下位サイドローブと上位サイドローブとが加える前に2つのサイドローブの位相がマッチされるのに助けを与える。
図13は位相補正が適用された後に上位サイドローブの位相がマッチされたことを示す。
【0077】
上述した説明は例示的なものとして理解しなければならず、本発明の技術的思想はこれに限定されないことが理解できる。本発明の技術分野で通常の知識を有する者は先に説明された本発明の各実施形態を利用する多様な適用例及び応用例があることが理解され、このような適用例及び応用例は全て本発明の範疇に含まれることもやはり理解できる。
【符号の説明】
【0078】
51 複素ミキサー
52 サイン/コサインルックアップテーブル
53 第1ローパスフィルタ
54 第1サンプリングレートレジューサ
55 ガリレオ2fx関数ブロック
56 第1再量子化器
57 第2ローパスフィルタ
58 第2サンプリングレートレジューサ
59 第2再量子化器
60 マルチプレクサー