特許第6552854号(P6552854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552854
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】飲料サーバ
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20190722BHJP
   B67D 1/10 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   B67D1/08 Z
   B67D1/10
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-59433(P2015-59433)
(22)【出願日】2015年3月23日
(65)【公開番号】特開2016-179820(P2016-179820A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】517169285
【氏名又は名称】プレミアムウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】内藤 浩史
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−084155(JP,A)
【文献】 実開平04−085091(JP,U)
【文献】 特許第4681083(JP,B1)
【文献】 特開2014−008980(JP,A)
【文献】 特開2003−128194(JP,A)
【文献】 特開2014−172624(JP,A)
【文献】 特開2013−095497(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0170921(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00 − 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を貯留し、貯えられる飲料の水位より高い位置に空気口が形成されている貯留タンクと、
前記貯留タンクの下方にセットされ、前記貯留タンクに補給する飲料が入った交換可能なボトルと、
前記ボトルと前記貯留タンクとを接続し、前記ボトルから前記貯留タンクに飲料を汲み上げるポンプを備えた供給管と
記貯留タンクから飲料を取り出すコックと、
前記コックを開いたときに前記貯留タンクに飲料を汲み上げるように前記ポンプを制御する制御部と、
前記貯留タンク内の飲料が所定の水位になったときに前記空気口を閉じるフロート弁または電磁弁と、
を備え、
前記制御部は、前記ボトルをセットしたときに、前記貯留タンク内の水位が前記所定の水位より所定の閾値だけ高くなるまで、飲料を汲み上げるように前記ポンプを制御する飲料サーバ。
【請求項2】
前記貯留タンクへの空気の流入を防止するように前記空気口に設けられた逆弁を備える請求項に記載の飲料サーバ。
【請求項3】
前記制御部は、前記コックの開度に応じて前記貯留タンクへの飲料の汲み上げ量を変える請求項1又は2に記載の飲料サーバ。
【請求項4】
前記貯留タンクは、前記供給管に接続された冷水用タンクと、前記冷水用タンクの下方に位置し前記冷水タンクと管によって接続された温水用のタンクであり、
前記制御部は、前記冷水用タンクのコック及び前記温水用のコックの開閉に応じて、前記冷水用タンクに飲料を汲み上げるように前記ポンプを制御する請求項1乃至のいずれかに記載の飲料サーバ。
【請求項5】
前記ボトルは、飲料の流出に従って変形するボトルである請求項1乃至のいずれかに記載の飲料サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルに収容された飲料を供給する飲料サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ボトルに収容された水等の飲料を供給する飲料サーバが知られている。従来用いられている多くの飲料サーバは、ボトルをウォーターサーバの筐体の上部にセットするタイプの飲料サーバである。この飲料サーバでは、重力を利用して、ボトル内の飲料をウォーターサーバのタンクに落下させる。
【0003】
しかし、タンクを筐体の上部にセットすることは、女性や高齢者にとっては容易ではなく、ボトルの交換作業が大変であった。特許文献1は、こうした問題点を解決するために、ボトルを筐体の下部にセットするウォーターサーバを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−172624
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたウォーターサーバでは、ボトルから冷水タンクへの水の汲み上げの制御は、冷水タンク内の水位が予め設定された下限水位を下回ったときは、ポンプを駆動してボトルから冷水タンクに飲料水を汲み上げ、冷水タンク内の水位を上昇させるというものである(特許文献1、段落[0067]及び図12等)。したがって、冷水タンク内の水位が下限水位になるまでは、外部から冷水タンク内に空気が入ることになる。殺菌処理がなされていない外部の空気が冷水タンク内に入ると、雑菌の繁殖やカビの発生の原因となる。
【0006】
そこで、本発明は、上記背景に鑑み、ボトルをタンクの下方に設置した構成において、取水時に、タンクに外部から空気が入らない飲料サーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の飲料サーバは、飲料を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの下方にセットされ、前記貯留タンクに補給する飲料が入った交換可能なボトルと、前記ボトルと前記貯留タンクとを接続し、前記ボトルから前記貯留タンクに飲料を汲み上げるポンプを備えた供給管と、前記ポンプによる飲料の汲み上げを制御する制御部と、前記貯留タンクから飲料を取り出すコックとを備え、前記制御部は、前記コックを開いたときに前記貯留タンクに飲料を汲み上げるように前記ポンプを制御する。
【0008】
このようにコックを開いて貯留タンクから飲料を取り出すときに貯留タンクに飲料を汲み上げることにより、貯留タンク内に外部の空気を入れることなく飲料を供給できる。
【0009】
本発明の飲料サーバにおいて、前記貯留タンクには、貯えられる飲料の水位より高い位置に空気口が形成されており、前記貯留タンク内の飲料が所定の水位になったときに前記空気口を閉じるフロート弁または電磁弁を備え、前記制御部は、前記ボトルをセットしたときに、前記貯留タンク内の水位が前記所定の水位より所定の閾値だけ高くなるまで、飲料を汲み上げるように前記ポンプを制御してもよい。また、この飲料サーバは、前記貯留タンクへの空気の流入を防止するように前記空気口に設けられた逆支弁を備えてもよい。
【0010】
このように空気口を閉じた後も一定量の飲料を汲み上げることにより、貯留タンク内が若干加圧状態になり、貯留タンク内に外部から空気が入ることを防止できる。
【0011】
本発明の飲料サーバにおいて、前記制御部は、前記コックの開度に応じて前記貯留タンクへの飲料の汲み上げ量を変えてもよい。
【0012】
コックの開度が大きいときは汲み上げ量を大きく、開度が小さいときは汲み上げ量を小さくするといったようにコックに開度に応じて貯留タンクへの汲み上げ量を制御することで、貯留タンク内の水位を一定に保つことができる。
【0013】
本発明の飲料サーバにおいて、前記貯留タンクは、前記供給管に接続された冷水用タンクと、前記冷水用タンクの下方に位置し前記冷水タンクと管によって接続された温水用のタンクであり、前記制御部は、前記冷水用タンクのコック及び前記温水用のコックの開閉に応じて、前記冷水用タンクに飲料を汲み上げるように前記ポンプを制御してもよい。これにより、一つのポンプで貯留タンクへの空気の流入を防止した飲料サーバを構成できる。
【0014】
本発明の飲料サーバにおいて、前記ボトルは、飲料の流出に従って変形するボトルであってもよい。これにより、ボトル内にも空気を入れることなく飲料を供給できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の飲料サーバは、雑菌の繁殖やカビの発生の原因となる空気を貯留タンク内に入れることなく飲料を供給できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態のウォーターサーバの構成を示す模式図である。
図2】ウォーターサーバに初期入水を行うときの様子を示す模式図である。
図3】ウォーターサーバに初期入水を行うときの様子を示す模式図である。
図4】ウォーターサーバに初期入水を行うときの様子を示す模式図である。
図5】ウォーターサーバへの初期入水が完了したときの様子を示す模式図である。
図6】冷水を取り出すときの様子を示す模式図である。
図7】温水を取り出すときの様子を示す模式図である。
図8】制御部を説明するための図である。
図9】制御部によるポンプの制御を示す図である。
図10】ウォーターサーバに設置されるボトルの例を示す図である。
図11】(A)及び(B)は、ボトルから水を取り出したときにボトルが潰れる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態の飲料サーバについて、図面を参照しながら説明する。以下では、ボトルに入った水を供給するウォーターサーバを例として説明するが、本発明の飲料サーバは、水だけではなく、各種の飲料を供給するために適用することができる。
【0018】
図1は、実施の形態のウォーターサーバの構成を示す図である。ウォーターサーバは、筐体1を有し、筐体1の内部には、上方から、冷水タンク2、温水タンク3が設けられている。温水タンク3の下に、ボトル20がセットされる。図1においては、ボトル20が、冷水タンク2及び温水タンク3より小さく描かれているが、実際にはボトル20の方が大きい。
【0019】
本実施の形態のウォーターサーバは、ボトル20をセットする位置が筐体1の下部であり、ボトル20を高く持ち上げる必要がないので、女性や高齢者であっても容易にボトル20をセットすることができる。冷水タンク2には温水タンク3には、それぞれ給水のための冷水コック7と温水コック8が接続されている。
【0020】
図10は、ウォーターサーバにセットされるボトル20を示す図である。このボトル20は、上から見てほぼ正方形状で、下方に位置する底部21、側面を取り囲む胴部22、上面を覆う肩部24、肩部24の中心から円柱状に突出する首部23から構成され、首部23には密封のためのキャップ29が取り付けられている。底部21は、文字通りボトル20の底となる部分であり、単純な板状で、その外縁から壁状の胴部22が上方に突出している。胴部22は、底部21寄りの裾絞り部27と、この上の蛇腹部25で構成され、裾絞り部27は、底部21に近づくに連れて断面が絞り込まれている。また蛇腹部25は、複数の蛇腹26が上下に積層された構造で、個々の蛇腹26が押し潰されることで、蛇腹部25の高さが減少する。
【0021】
図11(A)は水Wの約半分が消費された段階のボトル20を示す図、図11(B)はほぼ全量の水Wが消費された段階のボトル20を示す図である。図11(A)では液面が蛇腹部25のほぼ中央に達しており、液面よりも上に位置する蛇腹26は、大気圧によって押し潰されており、さらに底部21も蛇腹部25の内部に引き込まれている。その後、液体Wの消費と共に蛇腹部26がさらに潰れていき、最終的には図11(B)のように蛇腹部25が完全に押し潰され、且つ蛇腹部25の内部に底部21や裾絞り部27が引き込まれており、容積が大きく減少する。なお、図11(A)において、33は、連通孔31を塞ぐために嵌め込まれた中栓である。
【0022】
図10に戻って、ボトル20の構成を説明する。胴部22の上には、ボトル20を覆う肩部24が形成されている。肩部24は、首部23に向けて突出する角錐状になっており、その強度を向上するため、複数のリブ28が形成されている。なお底部21から首部23までのボトル20全体は、PET樹脂を素材として一体的に製造されているが、キャップ29は密封性を確保する必要があり、他の素材を使用している。キャップ29の側面には割り溝30が形成されており、これを引き裂くことで、首部23からキャップ29だけを離脱できる構造になっている。
【0023】
図1に戻って、ウォーターサーバの構成について説明する。筐体1は、ボトル20を筐体1に出し入れするための扉40を備えている。扉40を開けてボトル20をウォーターサーバにセットし、セットした後に扉40を閉じる。ボトル20は首部23を下にしてウォーターサーバにセットされる。このとき、パイプ4がキャップ31に形成された連通孔31(図10参照)に挿入される。ボトル20の肩部24が支持台32(図11参照)によって保持されることによってボトル20は逆さに立つことになる。パイプ4は、供給管5を通じて冷水タンク2と接続されている。供給管5上には、ボトル20内の水を冷水タンク2に汲み上げるためのポンプ6が設けられている。
【0024】
冷水タンク2の上部には、空気口9が形成されている。空気口9には、フロート弁10が取り付けられており、冷水タンク2内の水位が所定の水位になると、空気口9が閉塞される。また、空気口9には、逆止弁41が設けられており、外部からの空気の流入を防止している。これにより、例えば、水面変化(波打ち等)があったときにも、冷水タンク2内への空気流入を防止できる。
【0025】
冷水タンク2と温水タンク3とは、給水管13によって接続されている。冷水タンク2側の給水管13の入口12は、冷水タンク2の底部ではなく、所定の高さに配置された円盤11の中央に設けられている。これにより、冷水タンク2内の円盤11の高さまで水が満たされたときに初めて温水タンク3に水が供給される。また、温水タンク3の上部と冷水タンク2の上部は、排気チューブ14によって接続されている。これによって、温水タンク3内の空気は、排気チューブ14と冷水タンク2を介して、冷水タンク2の空気口9から外部に出ていく。
【0026】
図8は、ウォーターサーバの制御部15を説明するための図である。ウォーターサーバは、ポンプ6による水の汲み上げを制御する制御部15を有している。制御部15は、冷水タンク2内の水位を計測する水位センサ16と、冷水コック7の開閉を検知する冷水コック開閉センサ17と、温水コック8の開閉を検知する温水コック開閉センサ18と、扉40の開閉を検知する扉センサ19とに接続されている。制御部15は、水位センサ16、冷水コック開閉センサ17、温水コック開閉センサ18、及び扉センサ19の検知結果に基づいて、ポンプ6による水の汲み上げ量を制御する。
【0027】
制御部15は、「給水モード」と「停止モード」の2つのモードを有する。給水モードは、ボトル20に水が残っている状態での動作モードであり、冷水タンク2内の水位を所定の水位L2(図5参照)に保つようにボトル20の水を汲み上げる。これに対し、停止モードは、ボトル20に残水がない状態での動作モードであり、ポンプ6の汲み上げ動作を行わない。給水モードから停止モードへの切り替えは、ポンプ6で汲み上げを行ったがポンプ6が空回りして水を汲み上げることができなかったときである。停止モードから給水モードへの切り替えは扉センサ19によって扉40が閉まったことを検知したときである。なお、給水モードにおいて扉40が閉まったことを検知したときは、給水モードのまま変化しない。
【0028】
図9は、制御部15によるポンプの制御の動作の例を示す図である。上述したとおり、ボトル20がウォーターサーバにセットされた後、扉40が閉じられる。制御部15は、扉40が閉じられたことを検知すると(S10でYES)、給水モードに移行し、水位センサ16によって計測した水位が水位L2に達するまでボトル20の水を汲み上げる(S11)。
【0029】
制御部15は、冷水タンク2の水位L2まで水を汲み上げることに成功したかどうかを判断し(S12)、汲み上げが成功しなかったときは(S12でNO)、ボトル20に残水がないと判断して、停止モードに移行し、扉40が閉じられるか否かの判断に戻る(S10)。水位L2までの汲み上げに成功した場合(S12でYES)、冷水コック7または温水コック8が開かれるかどうかの判断に移行する。すなわち、まず、冷水コック7が開いたかどうかを検知し(S13)、冷水コック7が開いたと判断された場合(S13でYES)、制御部15は、冷水コック7から出水される量の水をボトル20から汲み上げるようにポンプ6を制御する(S15)。これにより、冷水タンク2内の水位は所定の水位L2(図5参照)に保たれる。
【0030】
冷水コック7が開いたと判断されなかった場合には(S13でNO)、温水コック8が開いたかどうかを判断し(S14)、温水コック8が開いたと判断された場合(S14でYES)、制御部15は、温水コック8から出水される量の水をボトル20から汲み上げるようにポンプ6を制御する(S15)。これにより、冷水タンク2内の水位は所定の水位L2(図5参照)に保たれる。冷水コック7も温水コック8も開いていないと判断された場合(S13でNOかつS14でNO)、冷水コック7が開いたかどうかを判断するステップS13に移行する。
【0031】
制御部15は、冷水コック7または温水コック8が開いたことに続く汲み上げの処理(S15)において、汲み上げが成功したか否かを判断する(S16)。汲み上げが成功した場合には(S16でYES)、冷水コック7が開かれたか否かを検知するステップS13に戻る。汲み上げが失敗した場合には(S16でNO)、ボトル20に汲み上げるべき残水がないと判断し、停止モードに移行し、ボトル20の交換を待つ。すなわち、ウォーターサーバの扉40が閉じられたか否かの判断ステップS10に戻る。
【0032】
図2乃至図5は、ウォーターサーバにボトル20をセットして、冷水タンク2及び温水タンク3に初期入水が行われる様子を示す図である。なお、図2乃至図5は模式図であって、給水と共にボトル20が潰れる様子を示していないが、実際には、ボトル20から水が出た分だけボトル20は潰れる。
【0033】
図2に示すように、ウォーターサーバにボトル20がセットされると、ポンプ6によってボトル20内の水が冷水タンク2に汲み上げられる。このとき、フロート弁10は下がっているので、空気口9が開いており、水の流入と共に冷水タンク2内の空気は空気口9を通じて外部に出ていく。冷水タンク2への給水が進んで水位が円盤11の高さまでくると、図3に示すように、円盤11の中央にある給水管13の入口12から、温水タンク3へと水が供給される。このとき、温水タンク3への水の流入に伴って、温水タンク3内の空気は排気チューブ14を通じて冷水タンク2へと流れ、冷水タンク2の空気口9から外部へと出ていく。
【0034】
温水タンク3がいっぱいになると、冷水タンク2の水位は、円盤11より上に上がっていき、フロート弁10のフロートを押し上げる。図4に示すように、L1で示す位置まで水位が上がると、フロート弁10が閉じ、空気口9が閉塞される。冷水タンク2の水位がさらに上がって、図5に示すように、水位がL2に示す位置になると、制御部15はポンプ6による水の汲み上げを停止し、初期入水が完了する。このように、フロート弁10が閉じた後も入水を行うことにより、冷水タンク2内が若干加圧状態となり、外部からの空気の流入を効果的に防止できる。また、冷水タンク2または温水タンク3から取水して、水位が少し下がってもフロート弁10が開かないので、外部からの空気の流入の防止効果を高めることができる。
【0035】
図6は、冷水コック7からの取水時の様子を示す図である。冷水コック7を開けて、図6に示すように取水すると、それと同時に、制御部15はポンプ6を制御してボトル20内の水を冷水タンク2に汲み上げる。これにより冷水タンク2内の水位を保ち、フロート弁10を閉じた状態で、冷水タンク2に外部の空気を入れないで取水できる。
【0036】
図7は、温水コック8からの取水時の様子を示す図である。温水コック8を開けて、図7に示すように取水すると、それと同時に、制御部15はポンプ6を制御してボトル20内の水を冷水タンク2に汲み上げ、給水管13を通じて温水タンク3に流れ出た分の水を冷水タンク2に供給する。これにより、冷水タンク2内の水位を保ち、フロート弁10を閉じた状態で、冷水タンク2に外部の空気を入れないで温水を取水できる。
【0037】
本実施の形態のウォーターサーバは、冷水タンク2に外部から空気が入ることを防止しつつ取水できるので、雑菌の繁殖やカビの発生を防止することができる。なお、初期入水完了時に冷水タンク2内に存在する空気については、加熱殺菌を行うことができる。加熱殺菌には、本出願人が出願した特願2010−539083(WO2011/024390)に記載した方法を用いることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態のウォーターサーバについて実施の形態を挙げて説明したが、本発明のウォーターサーバは上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0039】
上記した実施の形態では、冷水タンク2内の水位がL1になったときに空気口9を閉じるための構成としてフロート弁10を用いたが、フロート弁10に代えて電磁弁を用いることとしてもよい。
【0040】
また、飲料サーバは、冷水コック7の開度を検知する冷水コック開度センサ、温水コック8の開度を検知する温水コック開度センサを備え、制御部15は、冷水コック7及び温水コック8の開度に応じた流量の水を汲み上げることとしてもよい。これにより、冷水タンク2内の水位の制御を適切に行える。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の飲料サーバは、ボトルから補給した飲料をタンクにいったん蓄えて供給する飲料サーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 筐体
2 冷水タンク
3 温水タンク
4 パイプ
5 供給管
6 ポンプ
7 冷水コック
8 温水コック
9 空気口
10 フロート弁
11 円盤
12 給水管の入口
13 給水管
14 排気チューブ
15 制御部
16 水位センサ
17 冷水コック開閉センサ
18 温水コック開閉センサ
19 扉センサ
20 ボトル
21 底部
22 胴部
23 首部
24 肩部
25 蛇腹部
26 蛇腹
27 裾絞り部
28 リブ
29 キャップ
30 割り溝
31 連通孔
32 支持台
33 中栓
40 扉
41 逆止弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11