【文献】
HARDER, J. Chiel den,Off-Resonance Supression for Multispectral MR Imaging Near Metallic Implants,Mangetic Resonance in Medicine,2014年 1月31日,URL,https://doi.org/10.1002/mrm.25126
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像生成部は、前記画像に対してスライス位置歪み補正処理を行って、スライス方向の位置の歪みが補正された画像を更に生成する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記画像生成部は、更に、リードアウト方向に対する歪み補正処理を行って、スライス方向の位置の歪み及びリードアウト方向の位置の歪みが補正された画像を更に生成する、請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記画像生成部は、VAT(View Angle Tilting)を用いてリードアウト方向の前記位置の歪みを補正する、請求項7に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、磁気共鳴イメージング装置の実施形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング(MRI)システムの概略構成図である。
【0010】
図1に示すMRI装置100は、ガントリ10(概略的断面図で示す)および互いに接続される様々な関連システムコンポーネントを含む。少なくともガントリ10は通常、シールドルーム内に設置される。
図1に示す1つのMRIシステムのジオメトリは、実質的に同軸円筒状に配置された、静磁場B
0磁石12、Gx、GyおよびGz傾斜磁場コイルセット14、ならびに全身用RFコイル(Whole Body RF Coil:WBC)16を含む。この円筒状に配置された要素の水平軸線に沿って、患者テーブル11によって支持された患者9の胸部を実質的に取り囲むように示されたイメージングボリューム18がある。イメージングボリューム18において、より小型のRFコイル19が患者9の胸部により近接して結合して示される。RFコイル19は表面コイルまたはアレイコイル(AC)等であることができ、頭蓋、上肢、肩、肘、手首、膝、脚、胸部、脊椎等の特定の身体部分用にカスタマイズまたは成形することができる。MRIシステム制御部22は、MRIシーケンス制御部30と連動する。MRIシーケンス制御部30は、Gx、Gy、Gz傾斜磁場コイルドライバ32、ならびにRF送信部34およびT/R36すなわち、送信/受信スイッチ(同じRFコイルが送信および受信の両方に用いられる場合)を制御する。MRIシーケンス制御部30は金属要素補正―シーケンスのために格納されたプログラムコード構造50を含み、これは後に他の(例えば、従来のまたは公知である診断用)MRIシーケンスとともに用いることができる。MRIシステム制御部22はさらに所望によりプリンタ28、キーボード26およびディスプレイ24と連動することができる。
【0011】
種々の関連システムコンポーネントは、MRIデータ処理装置42(μP,I/O、メモリ)に入力を提供する(RF)受信部40を含み、MRIデータ処理装置42は加工画像データを生成するように構成され、この加工画像データはディスプレイ24に送信される。MRIデータ処理装置42はまた、MRI画像メモリ46に格納された金属要素の存在下で予め収集されたデータ収集にアクセスし、プログラムコード構造50ならびに画像再構成プログラムコード構造44等のMR画像データを補正する/補うように構成される。
【0012】
図1は、プログラムコード構造50を一般化して説明した図である。プログラム記憶装置(プログラムコード構造)50では、格納されたプログラムコード構造(例えば、グラフィカルユーザインタフェースを定義し、グラフィカルユーザインタフェースへの操作者からの入力を受信するため等)が、MRIシステムの種々のデータ処理コンポーネントにアクセス可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に格納される。プログラムコード構造50はセグメント化され、必要に応じて、種々の関連システムコンポーネントの異なる要素に少なくとも部分的に直接接続される。
【0013】
図1は、本明細書に記載される例示的実施形態を実践するためにいくつかの変更を伴うMRIシステムの簡略図を示す。システムコンポーネントは様々な「ボックス」の集合体に分割され、例えば、高速アナログ/デジタル変換、フーリエ変換およびアレイ処理を実行することが可能な多数のデジタル信号処理装置、マイクロプロセッサおよび専用処理回路を含むことができる。これら処理装置の各々はクロック式の「状態マイン」であり、物理的データ処理回路は各クロックサイクル(または所定数のクロックサイクル)が起こると、ある物理的状態から別の物理的状態に進行する。
【0014】
動作中に処理回路(例えば、CPU、レジスタ、バッファ、演算装置等)の物理的状態があるクロックサイクルから別のクロックサイクルに少しずつ変化することができるだけでなく、関連付けられたデータ記憶媒体(例えば、磁気記憶媒体のビット記憶部位)の物理的状態も、このようなシステムの動作中にある状態から別の状態に移りかわる。例えば、金属要素補正イメージング再構成プロセスの終了時に、物理的記憶媒体内のアレイ状のコンピュータ可読アクセス可能データ値記憶部位は、何らかの前の状態(例えば、すべてが一様に「0」値またはすべてが「1」値)から新しい状態に転換されることになるであろう。この場合、かかるアレイの物理的部位の物理的状態は、最小値と最大値の間でばらつき、現実の物理的事象および状態(例えば、画像化されたボリューム空間全体にわたる患者の内部物理的構造)を表している。かかるアレイ状の記憶データ値は、物理的構造を表すものであり、さらにはそれを構成する。これは、命令レジスタへのロードと、種々の関連システムコンポーネント20の1つ以上のCPUによる実行が逐次的に行われたときに、動作状態の特定のシーケンスを生成し、それをMRIシステム内部で遷移させる特定の構造のコンピュータ制御プログラムコードの場合と同様である。
【0015】
下記の実施形態により、データ収集を処理する改善された方法およびMR画像を形成し表示する改善された方法を提供する。
【0016】
図2は、実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。まず、MRIシーケンス制御部30はMRIシステム制御部22を通して操作者からの入力を受信し、イメージングスキャン条件およびスキャンする被検体または生体の位置を設定する(S−101)。次に、MRIシーケンス制御部30はスキャンする領域に基づいて患者テーブル11を適切な位置へ移動させる(S−102)。
【0017】
次に、MRIシーケンス制御部30は様々な種類の準備スキャンを実行する(S−103)。例えば、準備スキャンとして、アレイ方向における各コイル要素(または各チャネル)の感度を示すプロファイルデータを収集するスキャン、各コイル要素(または各チャネル)の感度分布を示す感度マップを収集するスキャン、RFパルスの中心周波数を得るためのスペクトルデータを収集するスキャン、静磁場の均一性を調整するために補正コイル(図示されていない)に流す電流値を収集するスキャンを挙げることができる。感度マップは画像生成処理前に収集されればよく、以下で論じるイメージングスキャン前に収集される必要はない。
【0018】
次に、MRIシーケンス制御部30は、パルスシーケンスの選択および印加を制御し、生体のある断面のMRデータを収集する(S−104)。例えば、MRIシーケンス制御部30はスピンエコー(Spin Echo:SE)パルスシーケンスを使用してMRデータを収集する。断面が収集される生体の部分は脚、胴体、上肢および頭部を含む、任意の所望の部分であることができる。収集された画像データはMRIデータ処理装置42により受信され、MRIデータ処理装置42はデータをサンプリングして画像または画像セットを生成する(S−105)。スライス方向に金属により引き起こされた歪みを有するこの画像の例を
図3に示す。
【0019】
図3は、スライス(z)方向における信号の歪みを表す図である。図の縦軸zはスライス方向、横軸yは、例えば位相エンコード方向を表す。y方向の領域102及び106では、金属によるアーチファクト(メタルアーチファクト)が存在せず、従って、メタルアーチファクトの起因するスライス位置歪の大きさは、0となる。y方向の領域104では、メタルアーチファクトが存在し、この結果、信号に歪みが表れる。具体的には、スライス位置歪み100が、信号に表れる。
【0020】
本実施形態では、画像はスライス方向において歪みの所定の閾値範囲を超える1つ以上の部分を含むため、MR画像収集は金属要素補正スキャンに進む(S−106)。
【0021】
S−106の詳しい手順については後述するが、まずはじめに、S−106において、MRIシーケンス制御部30が実行するパルスシーケンスの概略について説明する。
【0022】
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、例えば、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部と、シーケンス制御部としてのMRIシーケンス制御部30と、MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部とを備える。MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、スライス方向で与えられた区間に対して、当該区間に対応する再収束RFパルスの周波数帯域を算出する。MRIシーケンス制御部30は、スライス励起RFパルスと共に勾配磁場を印加した後に、算出部が算出した周波数帯域の再収束RFパルスを印加するシーケンスを実行する。MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部は、シーケンスの実行により収集されたデータを基に画像を生成する。
図4は、実施形態に係るパルスシーケンスの第1の例である。MRIシーケンス制御部30は、S106において、かかるパルスシーケンスを実行する。
【0023】
MRIシーケンス制御部30は、例えば、第1の時刻において、選択勾配磁場Gssを印加するとともに、スライス励起RFパルス(第1RFパルス)を励起して、スライス方向の所定の位置を選択的に励起する。この時、例えば、第1RFパルスのフリップ角は、90度となる。MRIシーケンス制御部30は、例えば、第2の時刻において、再収束RFパルス(第2RFパルス)を印加する。この結果、第1の時刻からディフェイズされた信号が、データ収集時刻においてリフェーズし、大きな信号値(スピンエコー)が生成される。例えば、第2RFパルスのフリップ角は、180度となる。
【0024】
ここで、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、第2の時刻において、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部が算出した周波数帯域の再収束RFパルスを印加する。ここで、算出部は、スライス方向で与えられた区間に対して、当該区間に対応する再収束RFパルスの周波数帯域を算出する。この算出方法については後述する。
【0025】
印加する再収束RFパルスの周波数帯域が所定の範囲に限定されることで、当該所定の範囲の周波数帯域に対応した信号のみが、データ収集時刻においてリフェーズされ、収集される。周波数帯域と、スライス方向の位置には一定の対応関係があることから、MRIシーケンス制御部30は、印加する第2RFパルスの周波数帯域を制御することによって、スライス方向の所定の位置(所定の領域)に係る信号を収集することができる。
【0026】
MRIシーケンス制御部30は、所定の時間後に生成されたスピンエコーを、所定の収集シーケンスを用いて収集する。その後、MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部は、シーケンスの実行により収集したデータを基に画像を生成する。このようにして、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、z周波数エンコーディング(z−frequency encoding)を行うことができる。
【0027】
また、別の例として、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、例えば、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部と、MRIシーケンス制御部30と、MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部とを備える。算出部は、スライス方向で与えられた区間に対して、当該区間に対応するスライス励起RFパルスの周波数帯域を算出する。MRIシーケンス制御部30は、算出部が算出した周波数帯域のスライス励起RFパルスを印加した後に再収束励起RFパルスと共に勾配磁場を印加するシーケンスを実行する。画像生成部は、シーケンスの実行により収集されたデータを基に画像を生成する。
図5は、実施形態に係るパルスシーケンスの第2の例である。MRIシーケンス制御部30は、S106において、かかるパルスシーケンスを実行する。
【0028】
MRIシーケンス制御部30は、例えば、第1の時刻において、スライス励起RFパルス(第1RFパルス)を印加する。例えば、第1RFパルスのフリップ角は、90度となる。ここで、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、第1の時刻において、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部が算出した周波数帯域のスライス励起RFパルスを印加する。ここで、算出部は、スライス方向で与えられた区間に対して、当該区間に対応するスライス励起RFパルスの周波数帯域を算出する。この算出方法については後述する。
【0029】
印加するスライス励起RFパルスの周波数帯域が所定の範囲に限定されることで、当該所定の範囲の周波数帯域に対応した信号のみが、データ収集時刻においてリフェーズされ、収集される。周波数帯域と、スライス方向の位置には一定の対応関係があることから、MRIシーケンス制御部30は、印加するスライス励起RFパルスの周波数帯域を制御することによって、スライス方向の所定の位置(所定の領域)に係る信号を収集することができる。
【0030】
MRIシーケンス制御部30は、続いて、例えば、第2の時刻において、選択勾配磁場Gssを印加するとともに、再収束RFパルス(第2RFパルス)を励起して、スライス方向の所定の位置の信号を選択的にリフェーズする。例えば、第2RFパルスのフリップ角は、180度となる。この結果、所定の周波数帯域に対応して励起された所定のスライス位置に対応する信号であって、第1の時刻からディフェイズされた信号のうち、第2の時刻において選択された信号が、データ収集時刻においてリフェーズし、大きな信号値(スピンエコー)が生成される。
【0031】
MRIシーケンス制御部30は、第2の時刻から所定の時間後に生成されたスピンエコーを、所定の収集シーケンスを用いて収集する。その後、MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部は、シーケンスの実行により収集したデータを基に画像を生成する。このようにして、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、z周波数エンコーディング(z−frequency encoding)を行うことができる。
【0032】
ここで、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、スライス方向での与えられた区間を、歪みの許容量を表すパラメータである歪み補正の所定の閾値範囲に基づいて定める。ここで、歪み補正の所定の閾値範囲は、患者の特定のスキャンに対して許容可能な歪みレベルに基づいて調整することができる。例えば、金属インプラントに隣接した生体に関する情報を得ることが必要とされるため低レベルの歪みがMR画像に要求される場合、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、歪み補正の所定の閾値範囲を、大きい数に設定する。対照的に、より大きな歪みでも十分であれば、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、小さい歪みが好ましい場合よりも所定の範囲を小さく調整することができる。MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、メタルアーチファクトに起因するスライス位置歪みの大きさの最大値より小さいスライス方向の区間を与えられた区間として設定する。一例として、スライス方向の区間を、メタルアーチファクトに起因するスライス位置歪みの大きさの最大値より十分小さな区間に、例えば10分の1の大きさの区間に、設定する。
【0033】
実施形態では、1つ以上の部分が所定の範囲のスライス軸を超えているかどうかの判断はMRIデータ処理装置42に含まれる算出部によって行われるが、実施形態はこれに限定されず、この判断はディスプレイ24上の画像を見てからユーザによって行われてもよい。
【0034】
歪みを引き起こす1つ以上の金属要素とは、例えば、MRイメージングを受ける患者内または患者に接した任意の部分に存在する金属物質である。これら金属物質の例としては、ステープルおよびその他の手術用具、歯冠および充填物等の歯科要素、プレート、ねじおよびピン等の固定デバイス、股関節インプラントおよび人工膝等の人工関節、ならびにペースメーカーおよびその他の埋め込み可能な電気デバイスがあるが、実施形態はこれに限られない。実施形態はMRイメージングを受ける患者内または患者に接したいかなる部分の金属物質にも適用可能である。
【0035】
上述したS―106の処理の手順の詳細について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
図6は、
図2のフローチャートにおいて任意で実行される金属要素補正のフローチャートである。MRIデータ処理装置42に含まれる算出部が、歪みが1つ以上の金属要素により引き起こされていると判断すると、金属要素補正の第1ステップとして、MRIシーケンス制御部30は、励起パルスであり得る第1RFパルスを選択し(S−106−1)、次いで第2RFパルスを選択する(S−106−2)。第1RFパルス及び第2のRFパルスとして、MRIシーケンス制御部30は、
図4のように、第1RFパルスとして、スライス選択印加パルスを選択勾配磁場と共に印加してもよい。或いは、MRIシーケンス制御部30は、第2RFパルスとして、バンド幅(帯域幅)が制限された再収束パルスを印加してもよい。一方、MRIシーケンス制御部30は、
図5のように、第1RFパルスとして、バンド幅(帯域幅)が制限されたスライス励起印加パルスを印加してもよい。また、MRIシーケンス制御部30は、第2RFパルスとして再収束パルスを、選択勾配磁場と共に印加してもよい。第1RFパルスおよび第2RFパルスは、予め設定された所定の値に基づいて選択することができるか、または第1RFパルスおよび第2RFパルスは、断面厚等の所望の画像特徴に基づいて選択することができる。
【0036】
続いて、MRIシーケンス制御部30は、例えば、第1RFパルスを印加する(S−106−3)。この第1RFパルスにより患者の断面を励起するが、この断面はステップS−104にて収集された患者の断面と同一の断面である。
【0037】
次いで、MRIシーケンス制御部30は、第2RFパルスをある帯域幅(BW
再収束)で印加する(S−106−4)。第1RFパルスは、第2RFパルスと同一のまたは異なる周波数であり得る。この第2RFパルスは、患者の断面において少なくとも1つのエコーを形成する。この第2RFパルスは少なくとも1つの完全なまたは部分的なエコーを形成する任意のパルスであり得る。この第2RFパルスの例には180°の再収束RFパルスが含まれるが、他の実施例では、180°の再収束RFパルスに比べてより小さいスピンエコー信号が許容可能であれば、またはより小さい熱エネルギー付与が望ましいのであれば、この第2RFパルスを用いて任意の好適なRFエコー、例えば180°以下、例えば約120°の角度、約140°の角度、約160°の角度等のスピンエコーを形成できる。この第2RFパルスはまた、任意のスピンエコー、すなわち刺激エコーまたはハーンエコーを形成することができる任意のパルスであり得る。
【0038】
この第2RFパルスは、患者断面において第1RFパルスによって励起されたスピン磁気モーメントを少なくとも部分的に再収束させる。本実施形態では、第2RFパルスは1つのエコーを形成するものとして記述されているが、他の実施形態では、RFパルスのトレインは高速スピンエコー(Fast Spin Echo:FSE)において等、2つ以上のエコーを形成することができる。
【0039】
また、別の例として、ステップS106−3において、MRIシーケンス制御部30は、第1RFパルスをある帯域幅(BW
RF)で印加してもよい。同様に、この断面はS−104にて収集された患者の断面と同一の断面である。この場合、続いて、MRIシーケンス制御部30は、第2RFパルスとして、再収束パルスを、選択勾配磁場と共に印加する(S−106−4)。同様に、第1RFパルスは、第2RFパルスと同一のまたは異なる周波数であり得る。この第2RFパルスは、患者の断面において少なくとも1つのエコーを形成する。この第2RFパルスは少なくとも1つの完全なまたは部分的なエコーを形成する任意のパルスであり得る。この第2RFパルスの例には180°の再収束が含まれるが、実施形態はこれに限られず、また、任意のスピンエコー、すなわち刺激エコーまたはハーンエコーを形成することができる任意のパルスであり得る。
【0040】
ステップS−106−3の第1RFパルスおよびステップS−106−4の第2RFパルスの一方は空間選択的であり、他方は非空間選択的である。S−104での勾配はステップS−106−3またはステップS−106−4のうちの一方の勾配と同一であるため、S−104にて予めパルスシーケンスを受けた患者の断面はパルスを再度受けることになる。
【0041】
さらに、オフレゾナンスなスピン磁気モーメントはS−106−4における第2RFパルスにより再収束されない。オフレゾナンスなスピン磁気モーメントが再収束されないことを確実にするために、好適なクラッシャー勾配を含むことができる。
【0042】
さらに、ステップS−106−4の第2RFパルスは、例えばステップS−106−3の第1RFパルスとは異なる独立した周波数で印加され、このことにより2つのRFパルス間の周波数の差ができる。この周波数の差を空間選択的な勾配で除することによって、式(1)により再収束された断面の位置を求める。ここで、第1RFパルスと第2RFパルスとの周波数の差はΔf
nであり、z軸に沿った位置(スライス方向の位置)はz
nであり、選択勾配はG
ssである。
【0044】
すなわち、第1RFパルスと第2RFパルスとの周波数の差Δf
n及び選択勾配G
ssから、対応するスライス方向の位置z
nを算出することができる。逆に、スライス方向の位置が与えられたとき、選択勾配G
ssを基に、対応する第1RFパルスと第2RFパルスとの周波数の差Δf
nを算出することができ、周波数の差の値と第1RFパルスの周波数の値を基に、第2RFパルスの周波数の値を算出することができる。同様に、周波数の差の値と第2RFパルスの周波数の値を基に、第1RFパルスの周波数の値を算出することができる。
【0045】
例えば
図4の場合のように、第1RFパルスが空間選択的である場合、断面(スライス方向の位置)zの選択は式(2)、式(3)に従って行われる。ここで、第1RFパルスの周波数オフセットはf
1であり、第2RFパルスの周波数オフセットはf
2であり、選択磁場の勾配はG
ssであり、未知のバックグラウンド勾配(金属の存在により引き起こされる磁化率効果による)はxである。
【0046】
f
1=G
ssz+x ・・・(2)
f
2=x ・・・(3)
【0047】
適用された選択磁場の勾配G
ssならびに周波数オフセットf
1およびf
2は既知である。次いで、式(2)における未知のx項をf
2で置き換える。(式(4)〜式(6))
【0048】
f
1=G
ssz+f
2 ・・・(4)
z=(f
1−f
2)/G
ss ・・・(5)
z=Δf/G
ss ・・・(6)
【0049】
例えば
図5の場合のように、第1RFパルスが非空間選択的である場合、断面(スライス方向の位置)zの選択は式(7)及び式(8)に従って行われる。ここで、第1RFパルスの周波数オフセットはf
1であり、第2RFパルスの周波数オフセットはf
2であり、選択磁場の勾配はG
ssであり、未知のバックグラウンド勾配(金属の存在により引き起こされる磁化率効果による)はxである。
【0050】
f
1=x ・・・(7)
f
2=G
ssz+x ・・・(8)
【0051】
次いで、式(8)におけるx項をf
1で置き換える。(式(9)〜式(11))
f
2=G
ssz+f
1 ・・・(9)
z=(f
2−f
1)/G
ss ・・・(10)
z=Δf/G
ss ・・・(11)
【0052】
例えば
図4のような場合のように、第1RFパルスが空間選択的な場合、患者の断面厚Δzは次式に従って、再収束RFパルスの帯域幅BW
再収束及び選択磁場の勾配G
ssの関数として、以下のように求められる。
【0053】
Δz=BW
再収束/G
ss ・・・(12)
【0054】
また、逆に、再収束パルスの帯域幅BW
再収束は、選択磁場の勾配G
ss及び厚さΔzの関数として、以下のように求められる。
【0055】
BW
再収束=G
ss×Δz ・・・(13)
【0056】
また、例えば、スライス方向の位置zがz
1≦z≦z
2を満たす区間に対して、対応する再収束パルスの満たすべき帯域fは、以下のように求められる。
【0057】
G
ss×z
1≦f≦G
ss×z
2 ・・・(14)
【0058】
このように、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、スライス方向の与えられた区間に対して、当該区間に対応する再収束RFパルスの周波数帯域を算出することができる。
【0059】
また、例えば
図5のような場合のように、第1RFパルスが空間非選択的な場合でも、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、同様の計算によりスライス励起RFパルスの帯域幅BW
RFを算出することができる。
【0060】
第2RFパルスは、患者断面において第1RFパルスによって励起されたスピン磁気モーメントを制御された厚さ(Δz)にて再収束させるため、データの一部のみが画像から得られる(例えば、
図3に示す画像における、領域102又は領域106)。
図7Aは、収集される信号データの一例である。
図7Aに示すように、断面の収集された信号データは、選択されたz
1位置に基づく2つの矩形領域110および112内にある。ここで、2つの領域(Δz)の高さはBW
再収束値(または、BW
RF値)およびスライス選択勾配によって制御される。領域110および112はz=0付近で収集された信号データを表し、
図3の領域104に示す歪んだ領域の信号データは含んでいない。したがって、領域114は信号データを全く含んでいない。領域110および112の外のその他の信号データは収集されず、弁別されない。
【0061】
図6に戻って、第2RFパルスの印加S−106−4後の次のステップでは、第1断面から得た信号データがMRIデータ処理装置42にて再構成され、画像を形成する(S−106−5)。本実施形態では、MRIデータ処理装置42は、所定の閾値未満の画像データが収集されたかどうかを判断する。
図6に示されている例では、第1RFパルスの印加(S−106−3)および第2RFパルスの印加(S−106−4)後に所定の閾値未満の画像データが収集されたが、実施形態はこれに限られない。例えば他の実施形態では、収集された画像データは所定の閾値以上であり、さらなるパルスの印加はされない。例えば、第1RFパルスおよび第2RFパルスの印加後に収集された画像データが所定の閾値以上である実施形態では、
図7Aの領域110および112の上端は所定の閾値に対応する。
【0062】
十分な信号データが収集されたかについての閾値は、例えば、金属アーチファクト近傍の信号データをどのくらい必要とするかに応じたプリセット値である。収集された信号データが所定の設定値または所定の調節可能値を超える場合、金属要素補正スキャン(
図2のS−106)が完了し、プロセスは
図2のS−107に進む。本実施形態では、MRIデータ処理装置42により判断されたように、収集された信号データが所定の閾値範囲を下回るため、励起パルスであり得る第3RFパルス(S−106−6)が印加され、次いで第4RFパルス(S−106−7)がステップS−106−3およびS−106−4と同一の患者の断面に印加される。
【0063】
本実施形態では、この後続の組のRFパルス(S−106−6およびS−106−7)において、選択的であるいずれかのパルス(S−106−6またはS−106−7)にステップS−106−3およびS−106−4の最初のパルスシーケンスと同じ周波数オフセットが印加される。S−106−7の第4RFパルスの再収束帯域幅(第2のBW
再収束)は、第1のBW
再収束と同一の帯域幅または異なる帯域幅であり得る。第3RFパルスおよび第4RFパルスのうち少なくとも一方は、第1RFパルスおよび第2RFパルスの一方または両方と異なる周波数を有する。
【0064】
この第4RFパルスは、第2RFパルスと同様に、少なくとも1つの完全なまたは部分的エコーを形成する任意のパルスであり得る。この第4RFパルスの例には180°の再収束が含まれるが、他の実施例では、180°の再収束パルスに比べてより小さいスピンエコー信号が許容可能であれば、またはより小さい熱エネルギー付与が望ましいのであれば、この第4RFパルスを用いて任意の好適なRFエコー、例えば180°以下、例えば約120°の角度、約140°の角度、約160°の角度等のスピンエコーを形成できる。この第4RFパルスはまた、任意のスピンエコー、すなわち刺激エコーまたはハーンエコーを形成することができる任意のパルスであり得る。
【0065】
また、第1RFパルス及び第2RFパルスの場合と同様に、別の例として、MRIシーケンス制御部30は、第3RFパルスとして選択励起パルスをある帯域幅で印加し、第4RFパルスとして、再収束パルスを、勾配磁場と共に印加してもよい。
【0066】
この第2のRFパルスの組(第3RFパルス及び第4RFパルスの組)により、患者の第2断面にて少なくとも1つのエコーが形成される。これらのステップS−106−6およびS−106−7はS−106−3およびS−106−4に類似しているが、新しい周波数帯域のRFパルスの組により決定される。第3RFパルス及び第4RFパルスの印加は、異なる空間的位置または部分、すなわち第1断面と重なるかまたは異なる位置にて行われる。第3RFパルスは第4RFパルスと同一のまたは異なる周波数であり得る。
【0067】
ステップS−106−6の第3RFパルスおよびステップS−106−7の第4RFパルスの一方は空間選択的であり、他方は非空間選択的である。S−106−6およびS−106−7にて励起される第2断面の空間的位置は、S−106−6の第3RFパルスとS−106−7の第4RFパルスとの周波数の差の変化、または第2のBW
再収束(または第2のBW
RF)の変化によって制御される。これらの値のそれぞれは経験もしくは所定のスケジュールに基づいてユーザによって選択され得るか、または患者毎に自動的に設定され得る。第2断面の位置は、S−106−6の第3RFパルスとS−106−7の第4RFパルスとの間の周波数および第2のBW
再収束(または第2のBW
RF)の変化に基づいてスライス軸において弁別され得る。
【0068】
図7Bは、収集される信号データの一例である。例えば、
図7Bは、S−106−6およびS−106−7から得た信号データ結果である。
図7Bに示す実施例では、信号データが収集された断面は、選択されたスライス位置z
2を中心とした2つの矩形領域内にあり、ここで、2つの領域の高さ(Δz)は第2BW
再収束(または第2のBW
RF)およびスライス選択勾配によって制御される。本実施形態では、このΔzは
図7Aに示すΔzと同一であるが、他の実施形態では、第2BW
再収束を第1BW
再収束と異なるように変更する(または第2のBW
RFを第1のBW
RFと異なるように変更する)ことによって、異なるΔz値をステップS−106−6およびS−106−7にて使用することができる。
【0069】
本実施例では、
図7Bの縦方向下側の境界線は
図7Aの縦方向上側の境界線と同一であるため、本実施例では断面の重複が起こらない。しかし他の実施形態では、これらの断面は重なり得るか、またはデータ収集されない領域により分離され得る。
【0070】
図7Cは、統合される信号データの一例である。次のステップ(S−106−8)では、
図7Cに示すように、断面のスタックを統合して三次元ボリュームにする任意の適切な方法を使用して、ステップS−106−3およびS−106−4により第1断面で得られた信号データを統合して、ステップS−106−6およびS−106−7により第2断面で得られた信号データを平積みする。
【0071】
本実施形態では、データの完全な所定の閾値範囲が2組のRFパルス(S−106−3およびS−106−4、ならびにS−106−6およびS−106−7)により収集される場合を説明した。しかし、例えば、所定の閾値範囲はさらに大きいものであってもよく、かつさらなる組のRFパルスを印加してもよい。
【0072】
例えば、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成の一例として、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、スライス方向の与えられた全体区間を、複数の区間に分割し、複数の区間それぞれに対応する再収束RFパルスの周波数帯域をそれぞれ算出する。MRIシーケンス制御部30は、複数の区間それぞれにおいて、シーケンスを、複数の区間それぞれで算出部が算出した再収束RFパルスの周波数帯域を用いて実行する。また、MRIデータ処理部42に含まれる画像生成部は、複数の区間それぞれにおけるシーケンスの実行により複数の区間それぞれで収集されたデータを統合して、全体区間に係る3次元画像を生成する。ここで、複数の区間は、オーバーラップしてもよく、すなわち、全体区間に属するすべての点が、複数の区間のうち少なくとも一つに含まれるような複数の区間に分割すれば十分である。
【0073】
また、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成の別の例として、MRIデータ処理装置42に含まれる算出部は、スライス方向で与えられた全体区間を、複数の区間に分割し、複数の区間それぞれに対応するスライス励起RFパルスの周波数帯域をそれぞれ算出する。MRIシーケンス制御部30は、複数の区間それぞれにおいて、シーケンスを、複数の区間それぞれで算出部が算出したスライス励起RFパルスの周波数帯域を用いて実行する。また、MRIデータ処理部42に含まれる画像生成部は、複数の区間それぞれにおけるシーケンスの実行により得られた複数の区間それぞれについてのデータを統合して、全体区間に係る3次元画像を生成する。ここで、複数の区間は、オーバーラップしてもよく、すなわち、全体区間に属するすべての点が、複数の区間のうち少なくとも一つに含まれるような複数の区間に分割すれば十分である。
【0074】
かかる構成を用いることにより、一例として、算出部は、スライス方向の与えられた撮像範囲を、複数の区間に分割し、当該複数の区間それぞれに対して対応する再収束RFパルスやスライス励起RFパルスの周波数帯域を決定する。MRIシーケンス制御部30は、それらの周波数帯域でパルスを印加することで、複数の区間それぞれに対応したデータ、例えば2次元データの一つのスタックを得ることができる。その後、後述する画像生成部が、これらの2次元データのスタックを統合することで、3次元ボリュームデータを得ることができる。
【0075】
次に、MRIデータ処理装置42はMRデータの画像再構成処理および画像処理を実行し、表示するための画像データを生成する。S−107にて、生成された画像データをディスプレイ24に表示することができる。加えて、画像データはさらにMRI画像メモリ46内に格納することができる。
【0076】
生成された画像の一例として、例えば
図7Aや
図7Bのように、一つの2次元スタックで収集されたデータ、又は
図7Cのように、二つの2次元スタックで収集されたデータ、又は、全体区間を複数の区間に分割し、複数の区間それぞれで得られたデータを統合することで得られた3次元ボリュームデータなどがある。また、生成された画像の別の例として、例えば、1次元、2次元或いは3次元領域の各点について、各点が金属要素補正の対象になるか否かを示したデータ、或いは、金属要素補正の対象となる領域を示したデータであってもよい。
【0077】
十分な数の信号データが本実施形態にて収集され、統合された画像がMRIデータ処理装置42により形成されるため、画像化された断面の結果がS−107にてディスプレイ24に表示され、所望によりMRI装置100は引き続き生体の他の位置を画像化できる。生体の他の場所の得られた画像データは金属要素補正済み領域と組み合わせて、S−107にて金属要素補正スキャンのため画像の歪みが低減されたか、または歪みのない患者の所望の位置の画像が得られる。すなわち、MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部は、生成された画像に対してスライス位置歪み補正処理を行って、スライス方向の位置の歪みが補正された画像を更に生成する。
【0078】
原則的に、上記実施形態で例示された特定の処理順序は単なる例である。所望であれば、特定のステップについて順序を変える、かつ/または組み合わせることができる。さらに、特定のパルスシーケンスは所望のスキャン時間および所望の画像品質等の種々の必要条件に基づいて変更できる。これらのパルスシーケンスは、とりわけ、スピンエコー(Spin Echo:SE)シーケンス、高速スピンエコー(Fast Spin Echo:FSE)シーケンス、高速非対称スピンエコー(Fast Asymmetric Spin Echo:FASE)シーケンス、シングルショットFSEシーケンス(Single Shot Fast Spin Echo:SSFSE)、もしくはハーフフーリエSSFSEシーケンス(Half Fourier Acquisition Single-Shot Turbo Spin-Echo:HASTE)またはスピンエコーベースエコープラナーイメージング(Spin-Echo based Echo Planar Image:SE−EPI)を含む、任意の好適なパルスシーケンスであることができる。さらに、任意の形成された画像は所望の画像結果に基づくPD、T1またはT2強調画像であることができる。
【0079】
また、MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部は、更にリードアウト方向に対する歪み補正処理を行って、スライス方向の位置の歪み及びリードアウト方向の位置の歪みが補正された画像を更に生成してもよい。特に、金属要素補正は視野角傾斜(View Angle Tilting:VAT)と組み合わせることができる。換言すると、MRIデータ処理装置42に含まれる画像生成部は、VAT(View Angle Tilting)を用いてリードアウト方向の位置の歪みを補正する。VATは、読み出しの間スライス選択軸に適用される勾配を含み、振幅はスライス選択勾配の振幅と等しい。VATパルスシーケンスでは、スライス選択勾配と振幅が等しい、読み出し中のスライス選択(例えば、z)軸の勾配を用いて、プレーン内歪みを取り除くか、または実質的に取り除く。
【0080】
このとき、スライスは、有効的にθ=tan
−1*Gz/Gxの角度だけ傾斜していると考えることができる。
【0081】
これによりスライス選択方向でのずれが生じ、リードアウト方向でのずれを相殺する。VATはイメージングプレーンのオフレゾナンススピンをすべて位置合わせできる。
【0082】
さらに、リードアウト中に、S−106−3またはS−106−4のうちの一方の間提供される勾配と同一のスライス選択勾配を提供することによりVATは達成され得る。VATの本実施例では、励起断面におけるすべてのスピンの周波数は、RF励起帯域幅内で維持されるが、これは断面におけるボクセルの傾斜を超えたプレーン内の歪みを回避するのに十分な低さである。
【0083】
また、
図1は閉鎖型MRIシステムの例を全体的に示しているが、本開示の実施形態は、画像および行われるイメージングの種類の必要条件に基づいて、開放型MRIシステムおよびテーブル型MRIシステムに適用可能である。
【0084】
また、MRIシーケンス制御部30は、2以上の再収束RFパルスを印加してもよい。
【0085】
上記実施形態では、医学的診断画像装置であるMRI装置100が種々の処理を実行する例を説明してきたが、実施形態はこれに限定されない。例えば、MRI装置100および画像処理装置を含む画像処理システムは上記の種々の処理を実行できる。画像処理装置は例えば、ワークステーション、画像記憶装置(画像サーバ)、画像保管通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)のビューアおよび電子カルテシステム内の種々の装置である。
【0086】
上記実施形態では、MRI装置100はMRIシーケンス制御部30により収集を実行する。一方で、MRIデータ処理装置42は、MRI装置100またはネットワークを介して画像サーバから収集したMRデータおよびk空間データを受信する、または記憶媒体を介して操作者によるMRデータおよびk空間データ入力を受信し、これらのデータをMRI画像メモリ46内に格納する。その後、MRIデータ処理装置42は上記の種々の処理、例えば、記憶ユニットに格納されるMRデータおよびk空間データに関する金属要素補正の適用を実行できる。
【0087】
上記実施形態に記載されている処理ステップはプログラムに基づいて実行できる。コンピュータはプログラムを予め格納し、上記実施形態のMRI装置100により達成されるような効果を得るプログラムを読み込むように構成され得る。上記本実施形態に記載されている命令は、コンピュータが実行できるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクまたはハードドライブ等)、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RW等)、半導体メモリまたは任意の好適な記憶媒体に記録され得る。
【0088】
コンピュータが記憶媒体からプログラムを読み込み、プログラムに記述された命令をCPUで実行すると、MRI装置100の動作が実現できる。さらに、コンピュータがプログラムを収集するかまたは読み込むときに、コンピュータはネットワークを介してプログラムを収集するかまたは読み込みことができる。
【0089】
記憶媒体、データベース管理ソフトウェア等のミドルウェア(Middleware:MW)およびネットワーク等からコンピュータまたは組み込みシステムにインストールされたプログラムの命令に基づいてコンピュータで動作するオペレーティングシステム(Operating System:OS)は、上記実施形態を実現させるために各処理の一部を実行できる。さらに、記憶媒体はコンタピュータまたは組み込みシステムから独立した媒体に限られず、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network :LAN)、インターネットまたは任意の他の好適なネットワークを介して送信されるプログラムをダウンロードすることにより格納される、または一時的に格納される記憶媒体を含む。さらに、上記実施形態の処理が複数の媒体によって実行される場合は、記憶媒体は1つの媒体に限定されない。
【0090】
上記の本実施形態のコンタピュータまたは組み込みシステムは上記本実施形態の各処理を実行し、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、または好適な処理装置、または複数の装置がネットワークによって接続されているシステム等の任意の構成であることができる。本実施形態のコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されず、情報処理装置、マイクロコンピュータまたは別の好適な処理装置に組み込まれた演算処理装置であることができ、コンピュータとはプログラムによって本実施形態の機能を実現可能な1つ以上の装置を表す。
【0091】
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置によれば、アーチファクトによる歪みを少なくしつつ撮像を行うことができる。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。