(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6は、関連技術に係る潤滑油系統1Jを示す図である。
図6では、各部について模式的に示している。また、
図6では、潤滑油LOの流れについて、実線の矢印で併記している。
【0005】
潤滑油系統1Jは、
図6に示すように、油タンク10と油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを有しており、複数の軸受台100のそれぞれに設置された複数の軸受110のそれぞれに潤滑油LOを供給する。ここでは、潤滑油系統1Jは、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40とが直列に配列されており、油タンク10から潤滑油LOが油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40とを順次流れて、複数の軸受110のそれぞれに供給される。例えば、高圧タービンと中圧タービンと低圧タービンとを含む軸流式の蒸気タービンの各ロータ(図示省略)、および、発電機のロータ(図示省略)を回転自在に支持するように、複数の軸受110が設けられており、潤滑油系統1Jは、その複数の軸受110のそれぞれに潤滑油LOを供給する。
【0006】
潤滑油系統1Jを構成する各部の詳細について順次説明する。
【0007】
潤滑油系統1Jにおいて、油タンク10は、容器であって、潤滑油LOを貯蔵するように構成されている。具体的には、油タンク10は、容量が大きい容器であり、複数の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを貯蔵する。
【0008】
潤滑油系統1Jにおいて、油ポンプ20は、油タンク10に設置されている。油ポンプ20は、例えば、縦型油ポンプであって、複数が油タンク10の上部で支持されている。油ポンプ20は、油タンク10に貯蔵された潤滑油LOを吸込み口から吸い上げ、その潤滑油LOを昇圧させて吐出口から吐出するように構成されている。
【0009】
潤滑油系統1Jにおいて、油冷却器30は、配管L20(油供給ライン)を介して油ポンプ20に接続されており、油ポンプ20が吐出した潤滑油LOが、配管L20を流れて供給口に供給される。ここでは、潤滑油LOは、配管L20に設置された油圧調整弁V20によって油圧が調整された後に、油冷却器30に供給される。そして、油冷却器30は、その供給された潤滑油LOを冷却した後に、排出口から排出する。
【0010】
潤滑油系統1Jにおいて、軸受給油フィルタ40は、配管L30(油供給ライン)を介して油冷却器30に接続されており、油冷却器30で冷却された潤滑油LOが配管L30を流れて供給される。潤滑油LOは、軸受給油フィルタ40において異物が除去された後に、軸受給油フィルタ40の排出口から排出される。軸受給油フィルタ40は、配管L40(油供給ライン)を介して複数の軸受110のそれぞれに接続されており、軸受給油フィルタ40を通過した潤滑油LOが、配管L40を流れて複数の軸受110のそれぞれに供給される。軸受110に供給された潤滑油LOは、軸受台100から配管L100(戻り油ライン)を介して油タンク10に戻される。
【0011】
潤滑油系統1Jにおいて、油清浄機50は、配管L50a,L50bを介して油タンク10に接続されている。油清浄機50は、油タンク10から潤滑油LOが配管L50aを流れて供給される。そして、油清浄機50は、その供給された潤滑油LOを清浄化する。油清浄機50で清浄化された潤滑油LOは、配管L50bを流れて油タンク10に戻される。このように、油清浄機50は、油タンク10に貯蔵された潤滑油LOの清浄度を一定に保つために、潤滑油LOを循環させて清浄化する。
【0012】
上記のように、潤滑油系統1Jにおいては、油タンク10に貯蔵された潤滑油LOが、配管L10〜L40(油供給ライン)を介して、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40とを順次流れて、軸受110に供給される。つまり、油タンク10に貯蔵された潤滑油LOは、油ポンプ20に吸い上げられ、油冷却器30で冷却された後に、軸受給油フィルタ40を通過して、軸受110に供給される。そして、軸受110に供給された潤滑油LOが、配管L100(戻り油ライン)を介して、油タンク10に戻される。
【0013】
ここでは、軸受110に供給された潤滑油LOがヘッド差によって油タンク10に落下して戻るように、油タンク10は、各タービンの下方に設置されている。このため、上記の場合には、高さ方向において、潤滑油系統1Jを設置するための設置スペースが必要になる。
【0014】
この他に、上記の場合には、潤滑油系統1Jを設置する現地において、多くの配管を接続する接続作業や、その接続した配管を清掃するフラッシング作業等の作業が必要になる。その結果、現地での工事に膨大な時間および費用が必要になる。
【0015】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、設置スペースの低減、現地での工事時間の低減、および、現地での工事費用の低減等を実現可能な、潤滑油系統を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
実施形態の潤滑油系統は、
ロータを支持する軸受が設置され、潤滑油を貯蔵するように構成されている軸受台と、軸受台に貯蔵された潤滑油を吸い上げるように構成されている油ポンプとを有し、油ポンプに吸い上げられた潤滑油が前記軸受に供給される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
<第1実施形態>
[1]構成
図1は、第1実施形態に係る潤滑油系統1を示す図である。
図1では、
図6と同様に、各部について模式的に示していると共に、潤滑油LOの流れについて実線の矢印で併記している。
図1では、複数の軸受台100(
図6参照)のうち一の軸受台100を示しているが、他の軸受台100も同様である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の潤滑油系統1は、上記の関連技術の場合(
図6参照)と同様に、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを有する。しかしながら、本実施形態の潤滑油系統1は、上記の関連技術の場合と異なり、油タンク10(
図6参照)を有していない。また、本実施形態では、油ポンプ20、油冷却器30、軸受給油フィルタ40、および、油清浄機50が設置された位置が、上記の関連技術の場合と異なる。上記の点、および、関連する点を除き、本実施形態は、上述した関連技術の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
【0021】
本実施形態の潤滑油系統1は、軸受台100を有し、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とが軸受台100に設置されている。
【0022】
具体的には、軸受台100は、軸受台ベース101と軸受収容部102とを有する。
【0023】
軸受台100において、軸受台ベース101は、平坦な上面を含み、その上面に軸受収容部102が支持されている。そして、軸受台ベース101の上面に、油冷却器30、軸受給油フィルタ40、および、油清浄機50が支持されている。
【0024】
軸受台100において、軸受収容部102は、容器であって、内部において上方に位置する部分に軸受110を収容している。軸受収容部102においては、複数の油ポンプ20が上方に設置されている。本実施形態では、軸受収容部102は、潤滑油LOを貯蔵するように構成されている。ここでは、軸受収容部102は、一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを貯蔵する。
【0025】
本実施形態の潤滑油系統1では、軸受台100の軸受収容部102に貯蔵された潤滑油LOが油ポンプ20によって吸い上げられ、配管L20を介して油冷却器30に供給される。そして、その油ポンプ20から供給された潤滑油LOが油冷却器30で冷却される。そして、その油冷却器30で冷却された潤滑油LOは、配管L30を介して軸受給油フィルタ40に供給され、軸受給油フィルタ40において異物が除去される。そして、軸受給油フィルタ40を通過した潤滑油LOは、配管L40を介して、軸受収容部102に収容された軸受110に供給される。そして、その軸受110に供給された潤滑油LOは、配管L100(戻り油ライン)を介して、軸受収容部102に貯蔵された潤滑油LOに落下して混入する。
【0026】
本実施形態の潤滑油系統1において、油清浄機50は、配管L50a,L50bを介して軸受台100の軸受収容部102に接続されており、その軸受収容部102に貯蔵された潤滑油LOを循環させて清浄化する。
【0027】
[2]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油系統1は、関連技術の場合のように、容量が大きい油タンク10(
図6参照)を備えていない。本実施形態の潤滑油系統1では、軸受台100が潤滑油LOを貯蔵する。軸受台100は、一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを貯蔵するように構成されており、その軸受台100に貯蔵された潤滑油LOが軸受110に供給される。したがって、本実施形態では、潤滑油系統1を設置するための設置スペースを小さくすることができる。
【0028】
また、本実施形態の潤滑油系統1は、油タンク10(
図6参照)に接続する配管がない。この他に、本実施形態では、軸受台100に油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを設置している。このため、潤滑油系統1を設置する現地で各部の間に各配管を設けず、潤滑油系統1を製造する工場において事前に各部の間に各配管を設けることができる。その結果、本実施形態では、潤滑油系統1を設置する現地において、配管を接続する接続作業、および、その接続した配管を清掃するフラッシング作業等を減らすことができる。したがって、本実施形態では、現地での工事時間の低減、および、現地での工事費用の低減を容易に実現可能である。
【0029】
更に、工場で事前に各配管を各部に接続する場合には、配管の長さ等が予め定まっている。このため、油圧調整弁V20を用いずに、各部を流れる潤滑油LOの圧力を設計値にすることができる。したがって、本実施形態では、油圧調整弁V20が不要である。
【0030】
<第2実施形態>
[1]構成
図2A,
図2Bは、第2実施形態に係る潤滑油系統1bを示す図である。
図2Aおよび
図2Bでは、
図1と同様に、各部について模式的に示していると共に、潤滑油LOの流れについて、実線の矢印で併記している。
図2Aは、潤滑油系統1bの全体を示しており、
図2Bは、潤滑油系統1bを構成する複数の軸受台100のうち一の軸受台100を拡大して示している。
【0031】
図2A,
図2Bに示すように、本実施形態の潤滑油系統1bは、上記の第1実施形態の場合(
図1参照)と同様に、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを有すると共に、軸受台100を有する。本実施形態の潤滑油系統1bは、上記の第1実施形態の場合と同様に、油タンク10(
図6参照)を有していない。しかしながら、本実施形態では、油清浄機50が設置された位置が、上記の第1実施形態の場合と異なる。上記の点、および、関連する点を除き、本実施形態は、上述した第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
【0032】
本実施形態の潤滑油系統1bは、
図2Aに示すように、複数の軸受台100を有する。
図2Bに示すように、複数の軸受台100のそれぞれは、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40とのそれぞれが、第1実施形態の場合と同様に設置されている。
【0033】
具体的には、油ポンプ20は、
図2Bに示すように、軸受台100の軸受収容部102に複数が設置されている。軸受収容部102は、軸受110を収容している。これと共に、軸受収容部102は、その収容した一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを貯蔵している。
【0034】
油冷却器30、および、軸受給油フィルタ40は、
図2Bに示すように、軸受台100の軸受台ベース101の上面に設置されている。
【0035】
油清浄機50は、軸受台ベース101の上面に設置されていない。油清浄機50は、
図2Aに示すように、軸受台100以外の部分に設置されており、配管L50a,L50bを介して複数の軸受台100のそれぞれに接続されている。油清浄機50は、各軸受台100を構成する各軸受収容部102に貯蔵された潤滑油LOを清浄化するように構成されている。つまり、油清浄機50は、複数の軸受台100のそれぞれが貯蔵している潤滑油LOが供給され、その供給された潤滑油LOについて、まとめて清浄化する。
【0036】
[2]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油系統1bは、第1実施形態の場合と同様に、容量が大きい油タンク10(
図6参照)を備えていない。本実施形態の潤滑油系統1bは、一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを軸受台100の軸受収容部102に貯蔵している。したがって、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、潤滑油系統1bを設置するための設置スペースを小さくすることができる。
【0037】
本実施形態では、軸受台100に油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40とが設置されている。このため、潤滑油系統1を設置する現地で各部の間に各配管を設けず、潤滑油系統1bを製造する工場において事前に各部の間に各配管を設けることができる。その結果、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、潤滑油系統1bを設置する現地において、配管を接続する接続作業、および、その接続した配管を清掃するフラッシング作業等を減らすことができる。したがって、本実施形態では、現地での工事時間の低減、および、現地での工事費用の低減を容易に実現可能である。
【0038】
<第3実施形態>
[1]構成
図3A,
図3Bは、第3実施形態に係る潤滑油系統1cを示す図である。
図3Aおよび
図3Bでは、
図1と同様に、各部について模式的に示していると共に、潤滑油LOの流れについて、実線の矢印で併記している。
図3Aは、潤滑油系統1cの全体を示しており、
図3Bは、潤滑油系統1cを構成する複数の軸受台100のうち一の軸受台100を拡大して示している。
【0039】
図3A,
図3Bに示すように、本実施形態の潤滑油系統1cは、上記の第1実施形態の場合(
図1参照)と同様に、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを有すると共に、軸受台100を有する。本実施形態の潤滑油系統1cは、上記の第1実施形態の場合と同様に、油タンク10(
図6参照)を有していない。しかしながら、本実施形態では、油冷却器30が設置された位置が、上記の第1実施形態の場合と異なる。上記の点、および、関連する点を除き、本実施形態は、上述した第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
【0040】
本実施形態の潤滑油系統1cは、
図3Aに示すように、複数の軸受台100を有する。
図3Bに示すように、複数の軸受台100のそれぞれは、油ポンプ20、軸受給油フィルタ40、および、油清浄機50が、第1実施形態の場合と同様に設置されている。
【0041】
具体的には、油ポンプ20は、
図3Bに示すように、軸受台100の軸受収容部102の内部に複数が設置されている。軸受収容部102は、軸受110を収容している。これと共に、軸受収容部102は、その収容した一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを貯蔵している。
【0042】
軸受給油フィルタ40、および、油清浄機50は、
図3Bに示すように、軸受台100の軸受台ベース101の上面に設置されている。
【0043】
油冷却器30は、軸受台ベース101の上面に設置されていない。油冷却器30は、
図3Aに示すように、軸受台100以外の部分に設置されており、複数の軸受台100のそれぞれに接続されている。具体的には、油冷却器30は、各軸受台100に設置された各油ポンプ20に配管L20を介して接続されており、各油ポンプ20から潤滑油LOが供給される。そして、油冷却器30は、各油ポンプ20から供給された潤滑油LOについて、まとめて冷却する。これにより、潤滑油LOの温度を所定値に保持する。油冷却器30は、各軸受台100に設置された各軸受給油フィルタ40に配管L30を介して接続されており、油冷却器30で冷却した潤滑油LOが各軸受給油フィルタ40に供給される。
【0044】
[2]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油系統1cは、第1実施形態の場合と同様に、容量が大きい油タンク10(
図6参照)を備えていない。本実施形態の潤滑油系統1cは、一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを軸受台100の軸受収容部102に貯蔵している。したがって、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、潤滑油系統1cを設置するための設置スペースを小さくすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、軸受台100に油ポンプ20と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを設置している。このため、潤滑油系統1を設置する現地で各部の間に各配管を設けず、潤滑油系統1を製造する工場において事前に各部の間に各配管を設けることができる。その結果、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、潤滑油系統1を設置する現地において、配管を接続する接続作業、および、その接続した配管を清掃するフラッシング作業等を減らすことができる。したがって、本実施形態では、現地での工事時間の低減、および、現地での工事費用の低減を容易に実現可能である。
【0046】
<第4実施形態>
[1]構成
図4A,
図4Bは、第4実施形態に係る潤滑油系統1dを示す図である。
図4Aおよび
図4Bでは、
図1と同様に、各部について模式的に示していると共に、潤滑油LOの流れについて、実線の矢印で併記している。
図4Aは、潤滑油系統1dの全体を示しており、
図4Bは、潤滑油系統1dを構成する複数の軸受台100のうち一の軸受台100を拡大して示している。
【0047】
図4A,
図4Bに示すように、本実施形態の潤滑油系統1dは、上記の第1実施形態の場合(
図1参照)と同様に、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを有すると共に、軸受台100を有する。本実施形態の潤滑油系統1dは、上記の第1実施形態の場合と同様に、油タンク10(
図6参照)を有していない。しかしながら、本実施形態では、軸受給油フィルタ40が設置された位置が、上記の第1実施形態の場合と異なる。上記の点、および、関連する点を除き、本実施形態は、上述した第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
【0048】
本実施形態の潤滑油系統1dは、
図4Aに示すように、複数の軸受台100を有する。
図4Bに示すように、複数の軸受台100のそれぞれは、油ポンプ20、油冷却器30、および、油清浄機50が、第1実施形態の場合と同様に設置されている。
【0049】
具体的には、油ポンプ20は、
図4Bに示すように、軸受台100の軸受収容部102の内部に複数が設置されている。軸受収容部102は、軸受110を収容している。これと共に、軸受収容部102は、その収容した一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを貯蔵している。
【0050】
油冷却器30、および、油清浄機50は、
図4Bに示すように、軸受台100の軸受台ベース101の上面に設置されている。
【0051】
軸受給油フィルタ40は、軸受台ベース101の上面に設置されていない。軸受給油フィルタ40は、
図4Aに示すように、軸受台100以外の部分に設置されており、複数の軸受台100のそれぞれに接続されている。具体的には、軸受給油フィルタ40は、各軸受台100に設置された各油冷却器30に配管L30を介して接続されており、各油冷却器30から潤滑油LOが供給される。軸受給油フィルタ40は、各軸受台100の各油冷却器30から供給された潤滑油LOに含まれる異物について、まとめて除去する。つまり、軸受給油フィルタ40は、複数の軸受台100のそれぞれに貯蔵された潤滑油LOが油ポンプ20および油冷却器30を介して供給され、その供給された潤滑油LOが通過することによって異物を除去する。軸受給油フィルタ40は、各軸受台100に設置された各軸受110に配管L40を介して接続されており、軸受給油フィルタ40で異物を除去した潤滑油LOが各軸受110に供給される。
【0052】
[2]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油系統1dは、第1実施形態の場合と同様に、容量が大きい油タンク10(
図6参照)を備えていない。本実施形態の潤滑油系統1dは、一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを軸受台100の軸受収容部102に貯蔵している。したがって、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、潤滑油系統1dを設置するための設置スペースを小さくすることができる。
【0053】
また、本実施形態では、軸受台100に油ポンプ20と油冷却器30と油清浄機50とを設置している。このため、潤滑油系統1を設置する現地で各部の間に各配管を設けず、潤滑油系統1dを製造する工場において事前に各部の間に各配管を設けることができる。その結果、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、潤滑油系統1dを設置する現地において、配管を接続する接続作業、および、その接続した配管を清掃するフラッシング作業等を減らすことができる。したがって、本実施形態では、現地での工事時間の低減、および、現地での工事費用の低減を容易に実現可能である。
【0054】
<第5実施形態>
[1]構成
図5は、第5実施形態に係る潤滑油系統1eを示す図である。
図5では、
図1と同様に、各部について模式的に示していると共に、潤滑油LOの流れについて、実線の矢印で併記している。
図5では、
図1と同様に、複数の軸受台100(
図6参照)のうち一の軸受台100を示しているが、他の軸受台100も同様である。
【0055】
図5に示すように、本実施形態の潤滑油系統1eは、上記の第1実施形態の場合(
図1参照)と同様に、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とを有すると共に、軸受台100を有する。本実施形態の潤滑油系統1eは、上記の第1実施形態の場合と同様に、油タンク10(
図6参照)を有していない。しかしながら、本実施形態では、更に、ジャッキングオイルポンプ60が設置されている。上記の点、および、関連する点を除き、本実施形態は、上述した第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
【0056】
本実施形態の潤滑油系統1eでは、油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50との他に、ジャッキングオイルポンプ60が軸受台100に設置されている。
【0057】
ジャッキングオイルポンプ60は、油冷却器30、軸受給油フィルタ40、および、油清浄機50と同様に、軸受台100を構成する軸受台ベース101の上面に設置されている。ジャッキングオイルポンプ60は、タービンの起動時に軸受110の下部に潤滑油LOをジャッキングオイルとして供給して、タービンのロータを持ち上げるために設置されている。
【0058】
具体的には、ジャッキングオイルポンプ60は、配管L60aを介して、軸受収容部102に貯蔵された潤滑油LOを吸い上げる。そして、ジャッキングオイルポンプ60は、配管L60bを介して、その吸い上げた潤滑油LOを、軸受収容部102に収容された軸受110に供給する。これにより、タービンのロータが持ち上げられる。そして、その軸受110にジャッキングオイルとして供給された潤滑油LOは、配管L100(戻り油ライン)を介して、軸受収容部102に貯蔵された潤滑油LOに落下して混入する。
【0059】
[2]まとめ
以上のように、本実施形態の潤滑油系統1eは、第1実施形態の場合と同様に、容量が大きい油タンク10(
図6参照)を備えていない。本実施形態の潤滑油系統1eは、一の軸受110に対して必要な油量の潤滑油LOを軸受台100の軸受収容部102に貯蔵している。したがって、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、潤滑油系統1eを設置するための設置スペースを小さくすることができる。
【0060】
また、本実施形態では、軸受台100に油ポンプ20と油冷却器30と軸受給油フィルタ40と油清浄機50とジャッキングオイルポンプ60とを設置している。このため、潤滑油系統1を設置する現地で各部の間に各配管を設けず、潤滑油系統1を製造する工場において事前に各部の間に各配管を設けることができる。その結果、本実施形態では、潤滑油系統1を設置する現地において、配管を接続する接続作業、および、その接続した配管を清掃するフラッシング作業等を減らすことができる。したがって、本実施形態では、現地での工事時間の低減、および、現地での工事費用の低減を容易に実現可能である。
【0061】
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。