特許第6552911号(P6552911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552911
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】送風用断熱ホース
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/153 20060101AFI20190722BHJP
   B32B 1/08 20060101ALI20190722BHJP
   B32B 15/085 20060101ALI20190722BHJP
   F16L 11/24 20060101ALI20190722BHJP
   F16L 11/12 20060101ALI20190722BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   F16L59/153
   B32B1/08 B
   B32B15/085 Z
   F16L11/24
   F16L11/12 Z
   F24F13/02 H
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-159303(P2015-159303)
(22)【出願日】2015年8月12日
(65)【公開番号】特開2017-36811(P2017-36811A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2018年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108498
【氏名又は名称】タイガースポリマー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉富 義樹
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−170073(JP,A)
【文献】 特開2011−080512(JP,A)
【文献】 特開2009−287770(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/119297(WO,A1)
【文献】 特開平08−247348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 59/00 − 59/22
F16L 9/00 − 11/26
B32B 1/00 − 43/00
F24F 13/00 − 13/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内ホースと外ホースとを含む積層構造を有する送風用断熱ホースであって、
内ホースは、ホース壁とらせん状接合体とを含み、
ホース壁は、らせん状に捲回配置された樹脂ラミネート金属箔により構成され、前記樹脂ラミネート金属箔が、ポリプロピレン樹脂の樹脂層とアルミニウム箔が積層された樹脂ラミネート金属箔であり、
らせん状接合体はポリプロピレン樹脂製であり、樹脂ラミネート金属箔のつなぎ目に沿って、つなぎ目にまたがって配置されて
樹脂ラミネート金属箔のポリプロピレン樹脂とらせん状接合体のポリプロピレン樹脂とが溶着して、樹脂ラミネート金属箔の樹脂層とらせん状接合体が接合一体化されており、
外ホースは、樹脂繊維集合体からなる断熱層と、断熱層を包む樹脂製の表皮層と、断熱層の内側に配置される内皮層とを含んで構成され
外ホースの断熱層がポリエステル繊維製の不織布により構成され、
外ホースの表皮層及び内皮層が柔軟性を有する塩化ビニル樹脂により構成され、
外ホースの内皮層と内ホースのホース壁とが互いに対向配置され、かつ、
外ホースの内皮層と内ホースのらせん状接合体の外周部とが互いに接するように配置されている
送風用断熱ホース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性を有する断熱ホースに関する。特に、空気などの送風用途に使用される断熱ホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
送風用断熱ホースは、例えば、空調機器などに使用されている。また、乾燥機などにおいて、熱い空気(熱気)を送風するために送風用断熱ホースが使用されることもある。断熱ホースは、送られる空気の温度変化を抑制するために、断熱性を有している。
【0003】
例えば、特許文献1には、通気性の内層と、内層の外側に形成された吸音性発泡樹脂層と、さらに外側に形成された断熱性発泡樹脂層とを有する吸音断熱ホースが開示されている。この吸音断熱ホースは空調装置などの送風用に使用される。
また、特許文献2および特許文献3には、外側樹脂層と内側樹脂層の間に金属層が挟み込まれるように積層された樹脂ラミネート金属箔によりダクト壁を構成した耐熱性ダクトが開示されている。この技術によれば、樹脂層と金属箔との層間はがれが未然予防される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−170073号公報
【特許文献2】特開2011−190988号公報
【特許文献3】特開2011−080512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の吸音断熱ホースにおいて、送風される空気の温度が高くなると、ホースの耐久性が低下するおそれがある。すなわち、ホースの各部に使用されている樹脂材料や樹脂に配合されている可塑剤などが、高温により劣化が促進され、ホースの耐久性を低下させるおそれがある。
【0006】
特に、ホースの長さが長くなると、ホースの出口側で所定の空気の温度が得られるように、ホース入口側の空気の温度を高める必要があるため、ホースの空気入口側で、高温によるホースの劣化が顕著になりやすい。
【0007】
一方、特許文献2や特許文献3に開示された、耐熱性ダクトは、金属層(金属箔)を有するダクトであるため、断熱性は期待できない。
【0008】
本発明の目的は、高温で使用する際にも耐久性の高い送風用断熱ホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者は、鋭意検討の結果、断熱ホースを積層構造として、ホースの内側に金属箔をらせん状に設けると、ホースの入口側と出口側の温度差が小さくなることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
【0010】
本発明は、内ホースと外ホースとを含む積層構造を有する送風用断熱ホースであって、内ホースは、ホース壁とらせん状接合体とを含み、ホース壁は、らせん状に捲回配置された樹脂ラミネート金属箔により構成され、前記樹脂ラミネート金属箔が、ポリプロピレン樹脂の樹脂層とアルミニウム箔が積層された樹脂ラミネート金属箔であり、らせん状接合体はポリプロピレン樹脂製であり、樹脂ラミネート金属箔のつなぎ目に沿って、つなぎ目にまたがって配置されて、樹脂ラミネート金属箔のポリプロピレン樹脂とらせん状接合体のポリプロピレン樹脂とが溶着して、樹脂ラミネート金属箔の樹脂層とらせん状接合体が接合一体化されており、外ホースは、樹脂繊維集合体からなる断熱層と、断熱層を包む樹脂製の表皮層と、断熱層の内側に配置される内皮層とを含んで構成され、外ホースの断熱層がポリエステル繊維製の不織布により構成され、外ホースの表皮層及び内皮層が柔軟性を有する塩化ビニル樹脂により構成され、外ホースの内皮層と内ホースのホース壁とが互いに対向配置され、かつ、外ホースの内皮層と内ホースのらせん状接合体の外周部とが互いに接するように配置されている送風用断熱ホースである(第1発明)。
【発明の効果】
【0012】
本発明の送風用断熱ホース(第1発明)によれば、高温の気体を送風する際のホースの耐久性が高められる。
【0013】
さらに、第1発明によれば、ホースの可撓性がより良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の送風用断熱ホースの一部断面図である。
図2】第1実施形態の送風用断熱ホースの製造方法を示す模式図である。
図3】第2実施形態の送風用断熱ホースの一部断面図である。
図4】内ホースの他の形態例を示す断面図である。
図5】内ホースのさらに他の形態例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照しながら、乾燥機において熱風を送るための送風用断熱ホースを例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
【0016】
図1には、第1実施形態の送風用断熱ホース1の一部断面図を示す。ホースの上側半分を断面で示し、下側半分を外観で示している。また、内ホース2の断面を拡大して示している(A部拡大図)。送風用断熱ホース1は可撓性を有しており、その内部に空気を通流させることができる。送風用断熱ホース1は、各種送風用管路の構成部材として使用できるが、その用途の詳細は特に限定されない。送風用断熱ホース1は、例えば、乾燥機や空調装置などにおける温風や熱風等の送風に利用できる。
【0017】
送風用断熱ホース1は、内ホース2と外ホース3とを含む積層構造を有する。本実施形態においては、内ホース2の外周に接するように、外ホース3が設けられている。送風用断熱ホース1は、内ホース2と外ホース3以外の部材、例えば、他の断熱層、気密層などや、ホースの最外層に設けられる保護ブレード層を備えていてもよい。
【0018】
内ホース2の構成について説明する。内ホース2は、円筒状の可撓性ホースである。内ホース2は、ホース壁21と樹脂製のらせん状接合体22とを含んで構成される。らせん状接合体22は、ホース壁がバラバラにならないように一体に保つと共に、内ホース2の円筒形状を維持する補強体を兼ねている。
内ホースのホース壁21は、樹脂ラミネート金属箔をらせん状に捲回配置して構成されている。すなわち、ホース壁21は、金属箔25の両面に樹脂層26,26をラミネートした樹脂ラミネート金属箔を所定幅に裁断した条帯がらせん状に巻かれて、円筒状に形成されたものである。
【0019】
そして、樹脂ラミネート金属箔のつなぎ目部分に沿って、すなわち樹脂ラミネート金属箔製の条帯の側縁部に沿って、らせん状接合体22が配置されている。また、らせん状接合体22は、樹脂ラミネート金属箔のつなぎ目部分にまたがるように、すなわち互いに隣接する樹脂ラミネート金属箔製条帯の側縁部にまたがるように配置されている。
樹脂ラミネート金属箔は、樹脂層26,26の部分で、合成樹脂製のらせん状接合体22と接合されている。換言すると、樹脂層26,26とらせん状接合体22が接合一体化されており、金属箔25は、樹脂層26,26を介して、らせん状接合体22と接合一体化されている。
【0020】
金属箔25としては、アルミニウム箔のほか、ステンレス箔、銅箔などの金属箔や、金属の薄板が使用できる。軽量で可撓性に優れるホースとするため、金属箔25としてアルミニウム箔が好ましく使用できる。金属箔25をラミネートする樹脂層26,26には、ポリエチレン(PE)樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂やエチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂が使用でき、あるいは、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂やアクリル樹脂、フェノール樹脂などといった熱硬化性樹脂が使用できる。好ましくはポリプロピレン樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が使用できる。金属箔25への樹脂層26のラミネートは、両面に行ってもよいし、片面だけであってもよい。本実施形態においては、ホース壁21を構成する樹脂ラミネート金属箔製の条帯は、アルミニウム箔の両面にポリプロピレン樹脂が積層された積層構造となっている。
【0021】
らせん状接合体22を構成する合成樹脂は、金属箔25をラミネートしている樹脂層26,26と接合可能な樹脂材料であれば、特に制限はないが、接着性や溶着性の観点から、ラミネートされている樹脂材料と同種の樹脂材料を使用することが好ましい。本実施形態においては、らせん状接合体22の材料としてポリプロピレン樹脂が使用されている。特に、ホモタイプのポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。
【0022】
らせん状接合体22と樹脂ラミネート金属箔製条帯のラミネート樹脂層26の接合一体化は、例えば、本実施形態のように、熱溶着により行うことができる。接合一体化は、熱溶着に限定されるものではなく、接着剤を利用して行っても良い。接着剤は溶剤を使用した接着剤や2液型などの反応性の接着剤やホットメルト系接着剤などが使用できる。
【0023】
内ホース2は、ホース壁21とらせん状接合体22以外の部材を含んでいてもよい。例えば、ホース軸方向でらせん状接合体22の中間位置に配置されるように、金属や樹脂製のらせん状補強体をホース壁21の表面に取り付けてもよい。あるいは、ホース壁21の内側、もしくは外側に、補強糸や織布、不織布などの補強層を一体化してもよい。
【0024】
次に、外ホース3について説明する。外ホース3は、円筒状の可撓性ホースである。外ホース3は、樹脂繊維集合体からなる断熱層31と、断熱層の外周を包む樹脂製の表皮層32とを含んで構成されている。
【0025】
断熱層31は、所定断面を有する樹脂繊維集合体製の条帯がらせん状に捲回配置されて円筒状に形成されている。樹脂繊維集合体としては、ポリエステル樹脂繊維製の不織布が好ましく使用されるが、他の樹脂繊維、例えばポリプロピレン繊維やポリアミド繊維を用いたわたや不織布であってもよい。また、断熱層31の形態は、必ずしもらせん状である必要はない。
【0026】
断熱層31の外周面は、柔軟性を有する樹脂製の表皮層32により包まれている。表皮層32はホースの内側と外気との間を隔てるよう、円筒状に設けられ、断熱層31を外側から包んで保持する。本実施形態においては、外ホース3は、さらに、内皮層33とらせん状に設けられる縦壁34を有しており、断熱層31は、表皮層32と内皮層33の間に挟まれるように設けられている。表皮層32と内皮層33は、同じ樹脂で構成され、表皮層32と内皮層33に間にらせん状の縦壁34が設けられる。表皮層32と内皮層33、縦壁34によりらせん状の中空空間が形成されて、その中空空間に断熱層31を構成する樹脂繊維集合体製の条帯が収容されている。なお、内皮層33とらせん状の縦壁34は必須ではなく、断熱層31を表皮層32で覆うだけの構造で外ホース3を構成してもよい。
【0027】
表皮層32や内皮層33、縦壁34を構成する樹脂材料は、柔軟性を有しており、この柔軟性が外ホースの可撓性に寄与している。樹脂材料は、塩化ビニル樹脂や、エチレン酢酸ビニル樹脂、熱可塑性エラストマーやゴム等であってもよい。本実施形態においては、これらは、適度な柔軟性を有する(例えば、硬度がデュロAで60〜90の範囲にある)軟質塩化ビニル樹脂により構成されている。軟質塩化ビニル樹脂は、可塑剤を含むものであってもよい。
【0028】
断熱層31を構成する樹脂繊維や、表皮層32や内皮層33、縦壁34を構成する樹脂材料は、耐熱性に優れる樹脂繊維や樹脂材料を選択することが好ましい。例えば、表皮層に軟質塩化ビニル樹脂を使用する場合には、重合度が2000〜5000の高重合度塩化ビニル樹脂に耐熱性の可塑剤を添加したものを用いてもよい。
【0029】
上記送風用断熱ホース1は、図2に示すように、公知のホース成形軸SFTを利用したいわゆるスパイラル成形法によって製造することができる。このホース成形軸SFTは、供給された材料を所定のピッチでらせん状に捲回しながら送り出して、ホースなどの管体を連続成形できる。
【0030】
まず、所定の積層構造を有するシート状あるいはフィルム状の樹脂ラミネート金属箔を所定幅で裁断し、内ホース2のホース壁21となるべき可撓性条帯T21を準備する。
得られた条帯T21をホース成形軸SFTに供給する。すると、条帯T21は、その両側縁部が互いにつき合わせられるように、ホース成形軸SFTに螺旋状に巻きつけられ、円筒状になる。条帯T21の両側縁部が互いに重なり合いながららせん状に捲回されるように、条帯T21の幅を調整してもよい。
【0031】
一方で、らせん状接合体22となるべき樹脂材料を押出機に供給し、所定の断面形状となるように半溶融状態の樹脂ひもT22として押出して、ホース成形軸SFTに供給する。可撓性条帯T21の両側縁部が突きあわせられた部分にまたがるように、樹脂ひもT22が条帯T21の外側に供給され巻きつけられる。すると、ダクト成形軸上SFTで、可撓性条帯T21の側縁部において、金属箔25をラミネートしている樹脂層26,26と樹脂ひもT22(らせん状接合体22)とが溶着し、接合一体化されて内ホース2が完成する。本実施形態においては、ラミネートされた樹脂層26と樹脂ひもT22を熱溶着しているが、必要に応じてこの接合一体化に接着剤を用いてもよい。
【0032】
引き続き、内ホース2の外側に外ホース3を形成する。表皮層32や内皮層33、縦壁34となるべき樹脂材料を、半溶融状態で、幅広のフィルム状の樹脂帯T32として押し出して、ホース成形軸SFT上でスパイラル成形されつつある内ホース2の外側に供給して、らせん状に捲回する。好ましくは、樹脂帯T32の幅は、スパイラル成形のらせんのピッチの3倍程度にされる。表皮層32や内皮層33、縦壁34の形成と同時に断熱層31の形成を行うために、樹脂帯T32が先行して巻かれた部分と、次の周回で後続して樹脂帯T32が巻かれる部分の間に挟まれるように、断熱層31となるべき樹脂繊維集合体製の条帯T31を供給する。この様に、樹脂帯T32と条帯T31を供給すると、上記のような表皮層32、内皮層33、縦壁34を有し、これらの間に樹脂繊維集合体製条帯T31が収容されて断熱層31となった外ホース3が形成される。
このようにして、内ホース2の外側に外ホース3が配置された積層構造の送風用断熱ホース1が連続成形される。
【0033】
第1実施形態の送風用断熱ホース1の作用及び効果について説明する。送風用断熱ホース1においては、内ホース2のホース壁21が、樹脂ラミネート金属箔をらせん状に捲回配置することによって形成されている。このため、送風用断熱ホース1の内周面に沿って、金属箔25がらせん状に配置されている。
【0034】
従来技術においては、ホースの中を熱気が通流していくと、ホース外部との温度差により、ホース内から外に熱が逃げて、熱気の温度が下がっていく。そのため、ホースの入り口側と出口側とを比べると、ホース入口側の温度が高くなっていた。このため、ホース出口側で所望の温度の熱気を送るためには、ホース入口側に供給する熱気の温度を高めざるを得ず、特にホース入口側で、高温によるホースの耐久性低下が起こりやすかった。特に、外ホースの構成材料が樹脂である場合には、樹脂の熱老化や可塑剤の変質や劣化等が起こり、ホースの高温耐久性が損なわれやすかった。
【0035】
上記実施形態の送風用断熱ホース1においては、ホース内周面に沿って、金属箔25がらせん状に配置されているため、この金属箔に沿って熱が流れうる。そのため、ホース軸方向で、温度の高かったホース入口側から温度が低いホース出口側に向かって熱が流れることになる。この熱の流れにより、ホース入口側とホース出口側の温度差が小さくなる。
【0036】
そのため、上記実施形態の送風用断熱ホース1においては、ホース出口側で所望の温度の熱気を得るために必要となる、ホース入口側に供給すべき熱気の温度を下げることができる。したがって、高温によるホース入口側の外ホースの強度低下が抑制され、ホースの耐久性が向上する。すなわち、送風用断熱ホース1においては、内ホース2のホース軸方向の熱伝導性を利用して、外ホース3の耐久性を改善することができる。この効果は、送風用断熱ホース1の全長が長くなった場合に、特に顕著なものとなる。
【0037】
また、上記実施形態の送風用断熱ホース1においては、内ホース2のホース壁21は、樹脂ラミネート金属箔をらせん状に捲回配置して構成され、さらに樹脂ラミネート金属箔のつなぎ目が、樹脂層26,26とらせん状接合体22が溶着されて接合一体化されているため、内ホース2のホース壁21が良好な気密性を有する。この良好な気密性により、ホースを流れる熱気が外ホースまで漏れ出すことが未然に防止され、高温の熱気を流した際のホースの耐久性向上により効果的である。
【0038】
また、上記実施形態の送風用断熱ホース1のように、内ホース2のホース壁が、ポリプロピレン樹脂によりラミネートされたアルミニウム箔により構成され、内ホースのらせん状接合体がポリプロピレン樹脂製であり、ホース壁のポリプロピレン樹脂とらせん状接合体のポリプロピレン樹脂が溶着されている構成であると、気密性を有する内ホースが効率的に製造できる。また、ラミネートされた樹脂層26にポリプロピレン樹脂が使われていると、耐薬品性にも優れ、高温での成分抽出もなく、好適である。
【0039】
そして、上記実施形態の送風用断熱ホース1のように、ポリプロピレン樹脂を含む内ホース2が、塩化ビニル樹脂とポリエステル繊維で構成される外ホースの内側に配置されることにより、内ホースのポリプロピレン樹脂が紫外線によって劣化しにくくなり、内ホース2の耐久性も向上する。
【0040】
また、上記実施形態の送風用断熱ホース1のように、外ホース3が、さらに、断熱層31の内側に配置される柔軟性を有する塩化ビニル樹脂製の内皮層33を含み、外ホース3の内皮層33と内ホース2のホース壁21とが互いに対向配置されるように構成されていると、塩化ビニル樹脂製の内皮層33とポリプロピレン樹脂の内ホースの外周部分(第1実施形態においてはらせん状接合体の外周部)とが互いに滑りやすくなり、ホースの可撓性の向上にも寄与する。
【0041】
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
【0042】
図3には第2実施形態の送風用断熱ホース4を示す。本実施形態のように、内ホース2と外ホース3との間に、第2の断熱層41を設けてもよい。内ホース2や外ホース3の構成は第1実施形態と同様である。第2の断熱層41には、外ホース3の断熱層31よりも耐熱性に優れるものを採用することもでき、そのようにすると、高温の熱気を送る際の外ホース3の耐久性がより向上する。
【0043】
図4、及び図5には内ホースの他の実施形態を示す。第1実施形態や第2実施形態の送風用断熱ホースにおいて、内ホースを、このような構造の内ホースとしてもよい。
【0044】
図4に示す内ホース2’においては、らせん状接合体27が、樹脂ラミネート金属箔の裏側まで回り込んで、金属箔の両面において、樹脂層26,26とらせん状接合体27とが溶着一体化されている。かかる構成の内ホース2’においては、金属箔25とラミネートされた樹脂層26,26が剥離しにくくなり、内ホース2’自体の耐久性が向上する。
【0045】
図5に示す内ホース2’ ’においては、樹脂ラミネート金属箔が、両側縁部で折り返されるように捲回配置されていて、らせん状接合体28が、樹脂ラミネート金属箔が折り返された部分を覆うように設けられている。そして、金属箔の両面に存在する樹脂層26,26の両方に対し、らせん状接合体28が溶着一体化されている。かかる構成の内ホース2’ ’においても、金属箔25と樹脂層26,26が剥離しにくくなり、内ホース2’ ’自体の耐久性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
送風用断熱ホースは、例えば熱風を用いた乾燥機において熱風を送るホースとして使用でき、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0047】
1 送風用断熱ホース
2 内ホース
21 ホース壁
25 金属箔
26 樹脂層
22 らせん状接合体
27,28 らせん状接合体
3 外ホース
31 断熱層
32 表皮層
33 内皮層
34 縦壁
41 第2の断熱層
図1
図2
図3
図4
図5