(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出タイミングに関する情報は、前記アップリンク信号の送信開始時刻に対応する受信電力測定開始時刻及び前記アップリンク信号の送信周期に対応する受信電力の測定周期を含む、
請求項2記載の通信中継システム。
親局装置、ハブ局装置及び複数の子局装置を有し、無線基地局と無線通信端末との間で通信の中継を行う分散アンテナシステムに用いられる通信中継システムで実行される方法であって、
各前記無線通信端末に予め割り当てられたアップリンク信号の検出タイミングに関する情報に対応する前記検出タイミングで前記子局装置における前記無線通信端末からの受信電波の受信電力を測定する過程と、
前記受信電力の測定結果に基づいて所定期間における前記無線通信端末からの無線信号に対応するトラフィックの有無を判定する過程と、
前記トラフィックが無いと判定された場合に、前記子局装置の検波回路を非駆動状態とする過程と、
を備えた方法。
親局装置、ハブ局装置及び複数の子局装置を有し、無線基地局と無線通信端末との間で通信の中継を行う分散アンテナシステムに用いられる通信中継システムをコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
各前記無線通信端末に予め割り当てられたアップリンク信号の検出タイミングに関する情報に対応する前記検出タイミングで前記子局装置において前記無線通信端末からの受信電波の受信電力を測定する手段と、
前記受信電力の測定結果に基づいて所定期間における前記無線通信端末からの無線信号に対応するトラフィックの有無を判定する手段と、
前記トラフィックが無いと判定された場合に、前記子局装置の検波回路を非駆動状態とする手段と、
して機能させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態の携帯電話通信ネットワークの概要構成ブロック図である。
以下の説明においては、携帯電話通信ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)通信規格に則って通信を行うものとする。
【0012】
携帯電話通信ネットワークNETは、図示しない関門交換機(Interconnecting Gateway Switch)を介して他接続事業者通信ネットワークENETとの間の相互接続を行い、当該接続事業者に属する携帯電話端末の接続制御を行う携帯電話コアネットワークCNETと、携帯電話コアネットワークCNETに接続され、後述の基地局の管理及び制御を行う複数の基地局制御装置BSCと、各基地局制御装置BSCに接続される複数の無線基地局(BTSと、対応する無線基地局BTSに同軸ケーブル等の通信ケーブルLCで有線接続された分散アンテナシステム(通信中継システム)1と、を備えている。
【0013】
本実施形態においては、分散アンテナシステム1は、いわゆる不感地帯の一種であるビルディングBLD内及び地下街UG内に配置されているものとする。
【0014】
図2は、実施形態の分散アンテナシステムの概要構成ブロック図である。
分散アンテナシステム1は、無線基地局BTSと通信ケーブルで接続された親局装置(MU:Master Unit)2と、親局装置2に光通信ケーブルを介して接続されるとともに、他のハブ局装置に対しても光通信ケーブルを介して接続された複数のハブ局装置(HU:Hub Unit)3と、携帯電話、スマートフォン等の無線通信端末4に対してアンテナ5を介して無線接続される複数の子局装置(RU:Remote Unit)6と、を備えている。
【0015】
上記構成において、各子局装置6には、アンテナ5がそれぞれ接続されている。なお、
図2においては、アンテナ5は、一つの子局装置6に対し、一つしか図示しないが、複数設けられている場合も含むものとする。
【0016】
[1]第1実施形態
図3は、第1実施形態の子局装置の機能ブロック図である。
子局装置6は、アンテナ5を介して無線通信端末4から受信した電波からLTEアップリンク信号ULを検出するアップリンク信号検出部11と、アップリンク信号検出部11の検出結果に対応する無線通信端末4から受信した電波の電力測定開始時刻を決定する電力測定開始時刻設定部12と、無線通信端末4から受信した電波の電力測定周期を決定する電力測定周期決定部13と、電力測定開始時刻設定部12が決定した電力測定開始時刻及び電力測定周期決定部13が決定した電力測定周期で定まるタイミングにおいて、アップリンク信号検出部11の検出したLTEアップリング信号ULに基づいて、トラフィックを判定するトラフィック判定部14と、を備えている。
【0017】
図4は、子局装置が電力測定開始時刻と周期を決定し、トラフィック判定を行う場合の通信シーケンスの一例の説明図である。
子局装置6のアップリンク信号検出部11は、アンテナ5を介してLTEアップリンク信号ULが入力されたことを検出する(ステップS101)。
【0018】
そして、LTEアップリンク信号ULが入力されたことを検出したアップリンク信号検出部11は、電力測定開始時刻決定部12に対して、電力測定開始時刻決定要求を送信する(ステップS102)。
【0019】
これにより、電力測定開始時刻決定部12は、電力測定開始時刻を決定し(ステップS103)、トラフィック判定部14に対して決定した電力測定開始時刻を送信する(ステップS104)。
【0020】
また、アップリンク信号検出部11は、電力測定開始時刻決定要求の送信後、電力測定周期決定部13に対して電力測定周期決定要求を送信する(ステップS105)。
これにより、電力測定周期決定部13は、電力測定周期を決定し(ステップS106)、トラフィック判定部14に対して決定した電力測定周期を送信する(ステップS107)。
【0021】
これらの結果、トラフィック判定部14は、受信した電力測定開始時刻と電力測定周期周期とに基づいて、LTEアップリンク信号ULの検出を行い、トラフィックの判定を行う(ステップS108)。
【0022】
ここで、LTEアップリンク信号の検出方法について説明する。
図5は、ランダムアクセスプリアンブル信号の時間/周波数配置の説明図である。
図6は、PUCCH、PUSCH、PUCCH RS、PUCCH RS、SRSのアップリンクフレームの概要構成説明図である。
【0023】
アップリンク信号検出部11は、電波を受信するまで常時検波を行う。子局はアップリンク信号検出部によりLTEアップリンク信号の検波を行い、電力測定開始時刻決定部により最初に受信した受信電力強度から閾値を元に屋内基地局へ向けられた電波または屋外無線基地局へ向けられた電波かの判断を行う。
【0024】
子局装置6は、アップリンク信号検出部、屋内基地局へ向けられた電波を受信する場合、LTEアップリンク信号を契機として検波タイミングを設定し、シンボル、スロット、サブフレーム、フレーム毎に検波を行う。
【0025】
LTEのアップリンク信号には、PUSCH(Physical Uplink Shard CHannel)、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)、PRACH(Physical Random Access CHannel)、RS(Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)がある。
これらのうち、PRACHは、最初に受信する信号であり本信号を用いる方法が考えられる。
【0026】
次に、電力測定周期の決定方法について説明する。
検波信号に基づいて、
図6に示すようなシンボル、スロット、サブフレーム、フレームを検出し、シンボル、スロット、サブフレーム、フレーム単位で電力測定周期を決定する。決定した電力開始時刻と周期において検出するアップリンク信号についてトラフィック判定部によりトラフィックの判定を行う。
【0027】
続いて、トラフィック判定部14におけるトラフィック判定方法について説明する。
図7は、複数の子局装置が屋外無線基地局への電波を受信する場合の説明図である。
図7において、屋内に配置された第1の子局装置6−1〜第3の子局装置6−3は、ハブ局装置3に接続されているものとする。
また、第1の無線通信端末4−1は、子局装置6−1との通信を試み、第2の無線通信端末4−2は、屋外無線基地局装置BTSoとの通信を試みるものとする。
【0028】
さらに、第1の子局装置6−1は、無線通信端末4−1の通信エリアA1内に位置し、第2の子局装置6−2は、無線通信端末4−2の通信エリアA2内に位置し、第3の子局装置6−3は、無線通信端末4−1の通信エリアA1内及び無線通信端末4−2の通信エリアA2内の双方に位置しているものとする。
【0029】
図8は、第1の子局装置が第1の無線通信端末に対応する受信電力から検出したアップリンク信号結果の一例を説明する図である。
図8において、縦軸は周波数、横軸は時間である。また、
図11は、無線アクセス方式としてSC−FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)を用いた場合のものである。
【0030】
図8の例の場合では、第1の子局装置6−1は、1サブフレーム(subframe)単位、または、1スロット(slot)単位でリソースブロック(Resource Block:RB)を指定することで第1の無線通信端末4(
図8中、端末1と表記)のリソースブロックに割当てられたLTEアップリンク信号ULを検出することが可能となっている。
【0031】
図9は、第2の子局装置が第2の無線通信端末に対応する受信電力から検出したLTEアップリング信号の一例を説明する図である。
図9において、縦軸は周波数、横軸は時間である。また、
図12は、無線アクセス方式としてSC−FDMAを用いた場合のものである。
【0032】
図9の例の場合では、
図8の場合と同様に、第2の子局装置6−2は、1サブフレーム単位、または、1スロット単位でリソースブロックを指定することで第2の無線通信端末4−2のリソースブロックに割当てられたLTEアップリンク信号を検出することが可能となっている。
【0033】
また、
図10は、第3の子局装置が第1の無線通信端末及び第2の無線通信端末に対応する受信電力から検出したLTEアップリング信号の一例を説明する図である。
図10において、縦軸は周波数、横軸は時間である。また、
図13は、無線アクセス方式としてSC−FDMAを用いた場合のものである。
【0034】
図10の例の場合では、第3の子局装置6−3は、1サブフレーム単位、または、1スロット単位でリソースブロックを指定することで第1の無線通信端末4−1のリソースブロックに割当てられたLTEアップリンク信号及び第2の無線通信端末4−2のリソースブロックに割当てられたLTEアップリンク信号を分離して検出することが可能となっている。
【0035】
図11は、TDDの送受切替タイミングに基づく、LTEアップリンク信号の電力測定開始時刻のタイミング決定方法の一例を説明する図である。
TDD(Time Division Duplex:時分割複信)方式におけるLTEアップリンク信号ULにおいては、送信と受信とは、一定時間で切り替えられる。
すなわち、送受切替タイミングが決まっているため、第1の無線通信端末4−1に着目する場合には、第1の無線通信端末4−1の送信期間以外の信号は検波対象から除外することが可能となる。
【0036】
すなわち、第1の無線通信端末4−1に着目している場合には、時刻t1、t3、t5のいずれかを電力測定開始時刻として設定することが可能であるが、時刻t2、t4、t6については、第1の無線通信端末4−1の非送信期間(=受信期間)に属するタイミングであるため、電力測定開始時刻として設定されることはなく、第2の形態通信端末装置4−2のLTEアップリンク信号の電力が第1の無線通信端末4−1のLTEアップリンク信号の電力測定に影響を与えることがなく、確実に電力測定を行うことができる。
【0037】
図12は、トラフィック判定方法の説明図である。
以下の説明においては、理解の容易のため、一つのリソースブロックRBにおいて、トラフィック検出タイミングが2回あるものとする。
図12において、LTEアップリンク信号検出タイミングを時刻t1〜t4としたとすると、
図12(a)に示すようにトラフィックが小さい場合には、時刻t1及び時刻t3においては、トラフィックありと検出される。
【0038】
しかしながら、時刻t2、時刻t4の場合には、トラフィック無しと検出される。
すなわち、確率1/2でトラフィック無しと検出されることとなるので、最終的にはトラフィックが小さいと判定されることとなる。
【0039】
これに対し、
図12(b)に示すようにトラフィックが大きい場合には、時刻t1〜時刻t4のいずれにおいてもLTEアップリンク信号ULを検出することができるので、最終的にはトラフィックが大きいと判定されることとなる。
以上の説明のように、トラフィック把握を正確に行うことで、ノイズ値NFの改善やより最適なセル分割等の効果が期待できる。
【0040】
ここで、ノイズ値NFの改善について説明する。
ノイズ値NF改善への効果に影響を与えるパラメータとしては、以下のものが考えられる。
(1)屋外無線基地局に対して電波を送信する無線通信端末4の数
(2)無線通信端末4が屋外無線基地局に対して送信する電波を受信する子局装置3の数
(3)無線通信端末4の発呼タイミング
(4)屋内の無線基地局または屋外無線基地局から受ける電波の受信強度の判定閾値
【0041】
本第1実施形態においては、LTEアップリンク信号ULを受信するタイミングに合わせて電力測定周期決定方法により決定した電力測定周期の間、電力を検出しない場合に子局装置の検波回路をオフ(非駆動状態)とする。
この結果、実効的な無線通信端末の台数を低減することができ、ノイズ値NFを改善することが可能となる。
【0042】
ここで、より具体的なノイズ値NFの改善について説明する。
図13は、ある1台の無線通信端末が屋外無線基地局と通信を試みている電波を屋内の子局装置が受信する場合に屋内の他の無線通信端末の通信トラフィックを測定する場合の説明図である。
【0043】
ここで、屋内の分散アンテナシステムと屋外無線基地局は、TDDを使用しているとし、屋外無線基地局と通信する無線通信端末4からの電波と屋内の分散アンテナシステムと通信する無線通信端末4からの電波を子局装置3では異なるタイミングで受信するものとする。以下の説明においても同様である。
【0044】
図14は、
図13の場合におけるトラフィック検出期間の説明図を示す。
図14においては、無線通信端末4−1(
図14中、端末1と表記)は、屋内の子局装置6−1との通信を行うために送信電力を屋内用に設定して(通信エリアA−1)通信を開始した場合を示している。この状態において、窓際に位置している無線通信端末4−2(
図14中、端末2と表記)が屋外無線基地局BTSoと通信を行うために送信電力を屋外用に設定して(通信エリアA−2)通信を開始したとすると、子局装置6−1は、無線通信端末4−1の通信エリアA−1及び無線通信端末4−2の通信エリアA−2の双方に含まれることとなり、無線通信端末4−1及び無線通信端末4−2の双方から電波を受信可能な状態となる。
【0045】
この状態において、子局装置6−1が無線通信端末4-1の通信トラフィックを測定しようとすると、無線通信端末4−1及び無線通信端末4−2を識別しない従来方式の場合には、子局装置6−1は、無線通信端末4−1からの受信電波により通信トラフィックを検出する時刻t3〜時刻t4のみならず、通信トラフィックの測定対象ではない無線通信端末4−2からの受信電波により時刻t1〜時刻t2及び時刻t5〜t6の時間帯も通信トラフィックの測定対象時間となってしまい、正しい通信トラフィックの測定が行えなかった。
【0046】
これに対し、本第1実施形態によれば、時刻t1〜時刻t6の期間においては、通信トラフィックの測定対象である無線通信端末4−1の送信時間帯である時刻t3〜時刻t4のみをトラフィック有りの時間帯とし、それ以外の時間帯(時刻t1〜時刻t3及び時刻t4〜時刻t6)は、通信トラフィック無しの時間帯として扱うので、確実に無線通信端末4−1のみの通信トラフィックを測定できる。
【0047】
図15は、ある2台の無線通信端末が屋外無線基地局と通信を試みている電波を屋内の子局装置が受信する場合に屋内の他の無線通信端末の通信トラフィックを測定する場合の説明図である。
【0048】
図16は、
図15の場合におけるトラフィック検出期間の説明図を示す。
図16においては、無線通信端末4−1(
図16中、端末1と表記)は、屋内の子局装置6−1との通信を行うために送信電力を屋内用に設定して(通信エリアA−1)通信を開始した場合を示している。この状態において、窓際に位置している無線通信端末4−2(
図16中、端末2と表記)及び無線通信端末4−3(
図16中、端末3と表記)が屋外無線基地局と通信を行うために送信電力を屋外用に設定して(通信エリアA−1、通信エリアA3)、それぞれ独自に通信を開始したとする。
【0049】
この場合には、子局装置6−1は、無線通信端末4−1の通信エリア(通信エリアA−1)、無線通信端末4−2の通信エリア(通信エリアA−2)及び無線通信端末4−3の通信エリア(通信エリアA−3)の全てに含まれることとなり、無線通信端末4−1、無線通信端末4−2及び無線通信端末4−3から電波を受信可能な状態となる。
【0050】
この状態において、子局装置6−1が無線通信端末4-1の通信トラフィックを測定しようとすると、無線通信端末4−1、無線通信端末4−2及び無線通信端末4−3を識別しない従来方式の場合には、子局装置6−1は、無線通信端末4−1からの受信電波により通信トラフィックを検出する時刻t5〜時刻t6のみならず、通信トラフィックの測定対象ではない無線通信端末4−2からの受信電波により時刻t1〜時刻t2及び時刻t7〜t8の時間帯及び通信トラフィックの測定対象ではない無線通信端末4−3からの受信電波により時刻t3〜時刻t4及び時刻t9〜t10の時間帯も通信トラフィックの測定対象時間となってしまい、正しい通信トラフィックの測定が行えなかった。
【0051】
これに対し、本第1実施形態によれば、時刻t1〜時刻t10の期間においては、通信トラフィックの測定対象である無線通信端末4−1の送信時間帯である時刻t5〜時刻t6のみをトラフィック有りの時間帯とし、それ以外の時間帯(時刻t1〜時刻t5及び時刻t6〜時刻t10)は、通信トラフィック無しの時間帯として扱うので、確実に無線通信端末4−1のみの通信トラフィックを測定できる。
【0052】
図17は、ある3台の無線通信端末が屋外無線基地局と通信を試みている電波を屋内の子局装置が受信する場合に屋内の他の無線通信端末の通信トラフィックを測定する場合の説明図である。
図18は、
図17の場合におけるトラフィック検出期間の説明図を示す。
図17においては、無線通信端末4−1は、屋内の子局装置6−1との通信を行うために送信電力を屋内用に設定して(通信エリアA−1)通信を開始した場合を示している。この状態において、窓際に位置している無線通信端末4−2〜4−4の3台の無線通信端末が屋外無線基地局と通信を行うために送信電力を屋外用に設定して(通信エリアA−2〜A−4)通信を開始したとする。なお、この場合においては、携帯通信用端末装置4−1、携帯通信用端末装置4−3及び携帯通信用端末装置4−4のタイムスロットが連続しているものとする。
そして、子局装置3は、無線通信端末4−1の通信エリア、無線通信端末4−2、無線通信端末4−3及び無線通信端末4−4の通信エリアの全てに含まれることとなり、無線通信端末4−1の通信エリア、無線通信端末4−2、無線通信端末4−3及び無線通信端末4−4の全てから電波を受信可能な状態となる。
【0053】
この状態において、子局装置3が無線通信端末4-1の通信トラフィックを測定しようとすると、無線通信端末4−1の通信エリア、無線通信端末4−2、無線通信端末4−3及び無線通信端末4−4を識別しない従来方式の場合には、子局装置3は、無線通信端末4−1からの受信電波により通信トラフィックを検出する時刻t5〜時刻t6のみならず、通信トラフィックの測定対象ではない無線通信端末4−2からの受信電波により時刻t1〜時刻t2及び時刻t7〜t8の時間帯、通信トラフィックの測定対象ではない無線通信端末4−3からの受信電波により時刻t3〜時刻t4及び時刻t9〜t10の時間帯及び通信トラフィックの測定対象ではない無線通信端末4−4からの受信電波により時刻t4〜時刻t5及び時刻t10〜t11の時間帯も通信トラフィックの測定対象時間となってしまっていた。
【0054】
特に時刻t3〜時刻t6においては、携帯通信用端末装置4−3、携帯通信用端末装置4−4及び携帯通信用端末装置4−1のタイムスロットが連続しているため、連続して長時間通信トラフィックが検出され、特に正しい通信トラフィックの測定が行えなかった。
【0055】
これに対し、本第1実施形態によれば、時刻t1〜時刻t10の期間においては、通信トラフィックの測定対象である無線通信端末4−1の送信時間帯である時刻t5〜時刻t6のみをトラフィック有りの時間帯とし、それ以外の時間帯(時刻t1〜時刻t5及び時刻t6〜時刻t10)は、通信トラフィック無しの時間帯として扱うので、確実に無線通信端末4−1のみの通信トラフィックを測定できる。
【0056】
ところで、上述の例に示すとおり、トラフィック無し時間Tno_tは、式(1)により算出できる。
Tno_t=ft−TENin×Num1−TENout×Num2 …(1)
【0057】
ここで、ft:信号送信周期
TENin:屋内基地局に対して電波を送信する無線通信端末の数
Num1:屋内基地局に対して電波を送信する無線通信端末の信号送信周期回数
TENout:屋外無線基地局に対して電波を送信する無線通信端末の数
Num2:屋外無線基地局に対して電波を送信する携帯通信端末装信号送信周期回数
である。
【0058】
式(1)からわかるように、屋内の子局装置が受信する屋外無線基地局への電波の端末台数が増加するほど、トラフィック無し時間の改善は従来方式と比較して増加すると考えられる。
【0059】
また、ノイズ値NF改善への効果に影響を与える2つ目のパラメータに端末が屋外無線基地局に対して送信する電波を受信する子局装置数がある。
図19は、一台の無線通信端末のみが屋外無線基地局に対して送信している電波を3台の子局装置が同時に受信する場合の説明図である。
【0060】
ここで、窓際に位置している無線通信端末4−1が屋外無線基地局BTSoと通信を行うために送信電力を屋外用に設定して(通信エリアA−11)、通信を開始したとする。
【0061】
この場合に、例えば、屋内における親局装置2の配下にある全子局装置6の台数を64台とする場合には、一台の無線通信端末4−1のみが屋外無線基地局BTSoに対して送信する電波のみを受信している3台の子局装置6−1〜6−3をオフ状態とすることが可能となり、ノイズ値NF改善率は3/64となる。
【0062】
ここで、屋外無線基地局BSToに対して電波を送信する無線通信端末の数TENoutが増加した場合について説明する。
図20は、6台の子局装置が屋外無線基地局に対して送信する電波を受信する場合の説明図である。
【0063】
屋外無線基地局BTSoに対して電波を送信する無線通信端末4−1、4−2の発呼タイミングが一致していない場合であっても、時間平均で考えると無線通信端末4が屋外無線基地局BSToに対して送信する電波を受信する子局装置6の数は
図19の場合と比較して2倍になると考えられる。
【0064】
例えば、屋内における全子局装置6の台数を64台とする場合に、時間平均で6台の子局装置6−1〜6−6をオフ状態とすることが可能となり、時間平均のノイズ値NF改善率は6/64となる。
無線通信端末4が屋外無線基地局BTSoに対して送信する電波を受信する子局装置6の数が増加するほど、NF改善率は増加すると考えられる。
【0065】
なお、NF改善への効果に影響を与える3つ目のパラメータとして、屋内基地局または屋外無線基地局から受ける電波の受信強度の判定閾値がある。
無線通信端末4と屋外無線基地局BTSoとの距離が近い場合、屋外無線基地局BTSoに対する無線通信端末4の電波強度は大きくなる。
【0066】
一方、無線通信端末4と屋外無線基地局BTSoとの距離が遠い場合、屋外無線基地局BTSoに対する端末の電波強度は小さくなり、屋内の親局装置2に接続された無線基地局BTSに対する(実質的には、子局装置6に対する)無線通信端末4の電波強度との差は小さくなる。
【0067】
したがって、実際にシステムを構築する場合には、屋内基地局または屋外無線基地局BTSoから受ける電波の受信強度の判定閾値を適切に設定する必要がある。
【0068】
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、各無線通信端末を識別して、子局装置における実際のトラフィックを把握することが可能となる。
【0069】
[2]第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。
本第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、ハブ局装置がトラフィック判別の制御を行う点である。
【0070】
図21は、第2実施形態の子局装置とハブ局装置の概要構成ブロック図である。
図21おいて、
図3の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第2実施形態の子局装置6は、アンテナ5を介して無線通信端末4から受信した電波からLTEアップリンク信号ULを検出するアップリンク信号検出部11と、アップリンク信号検出部11がLTEアップリンク信号を検出したタイミングに関する情報(以下、タイミング情報という)をハブ局装置3に送信するタイミング情報送信部21と、電力測定開始時刻及び電力測定周期を派部局装置から受信する電力測定開始時刻・周期受信部22と、ハブ局装置から受信した電力測定開始時刻及び電力測定周期で定まるタイミングにおいて、アップリンク信号検出部11の検出したLTEアップリング信号ULに基づいて、トラフィックを判定するトラフィック判定部14と、を備えている。
【0071】
ハブ局装置3は、複数の子局装置6(6−1〜6−m)からタイミング情報を受信して集約を行うタイミング情報集約部31と、子局装置6毎の伝送遅延時間データベースを保持した伝送遅延時間データベース32に基づいて子局装置6毎の伝送遅延時間の計算を行う伝送遅延時間計算部33と、タイミング情報集約部31が集約したタイミング情報に基づいて電力測定開始時刻を決定する電力測定開始時刻決定部34と、タイミング情報集約部が集約したタイミング情報に基づいて無線通信端末4から受信した電波の電力測定周期を決定する電力測定周期決定部35と、電力測定開始時刻決定部34が決定した電力測定開始時刻及び電力測定周期決定部35が決定した電力測定周期を子局装置6に送信する電力測定開始時刻・周期送信部36と、を備えている。
【0072】
図22は、ハブ局装置が電力測定開始時刻と周期を決定し、子局装置にトラフィック判定を行わせる場合の通信シーケンスの一例の説明図である。
子局装置6−1のアップリンク信号検出部11は、アンテナ5を介してLTEアップリンク信号ULが入力されたことを検出する(ステップS201)。
【0073】
そして、LTEアップリンク信号ULが入力されたことを検出したアップリンク信号検出部11は、タイミング情報送信部21に対して、LTEアップリンク信号ULが入力されたタイミング(アップリンク信号検出時刻)に関する情報であるタイミング情報を送信するように要求するタイミング情報送信要求を行う(ステップS202)。
これによりタイミング情報送信部21は、ハブ局装置3のタイミング情報集約部31に対して、タイミング情報を送信する(ステップS203)。
【0074】
タイミング情報集約部31は、複数の子局装置6−1〜6−mに対応する複数のタイミング情報を集約する(ステップS204)。
そしてタイミング情報集約部31は、伝送遅延時間計算部33に対して伝送遅延時間を計算させるため伝送遅延時間計算要求を行う(ステップS205)。
【0075】
これにより伝送遅延時間計算部33は、タイミング情報に対応するLTEアップリンク信号ULを検出した時刻と、タイミング情報を受信した時刻との差に基づいて伝送遅延時間を計算する(ステップS206)。
伝送遅延時間を計算した伝送遅延時間計算部33は、計算した伝送遅延時間とともに電力測定開始時刻決定要求を電力測定開始時刻決定部34に対して送信する(ステップS207)。
【0076】
これにより、電力測定開始時刻決定部34は、子局装置6毎の伝送遅延時間に基づいて、各子局装置6について、電力測定開始時刻を決定し、決定した電力測定開始時刻を対応する子局装置6に送信するように電力測定開始時刻・周期送信部36に対して電力測定開始時刻送信要求を行う(ステップS208)。
【0077】
これと並行して、伝送遅延時間計算部33は、計算した伝送遅延時間とともに電力測定周期決定要求を電力測定周期決定部35に対して送信する(ステップS209)。
これにより、電力測定周期決定部35は、各子局装置6について、電力測定周期を決定し、決定した電力測定周期を対応する子局装置6に送信するように電力測定開始時刻・周期送信部36に対して電力測定周期送信要求を行う(ステップS210)。
【0078】
これらの結果、電力測定開始時刻・周期送信部36は、子局装置6毎に対応する電力測定開始時刻・周期受信部22に対して、電力測定開始時刻及び電力測定周期を送信する(ステップS211)。
電力測定開始時刻・周期受信部22は、受信した電力測定開始時刻及び電力測定周期をトラフィック判定部14に通知するとともに、トラフィック判定要求を行う(ステップS212)。
【0079】
トラフィック判定要求を受け取ったトラフィック判定部14は、通知された電力測定開始時刻及び電力測定周期に基づいて、トラフィックの判定を行う。
【0080】
以上の説明のように、本第2実施形態によれば、ハブ局装置の管理下で、各無線通信端末を識別して、子局装置における実際のトラフィックを把握することが可能となる。
【0081】
[3]第3実施形態
次に第3実施形態について説明する。
本第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、親局装置がトラフィック判別の制御を行う点である。
【0082】
図23は、第3実施形態の子局装置、ハブ局装置及び親局装置の概要構成ブロック図である。
図23において、
図21の第2実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
図23においては、理解の容易のため、親局装置には、ハブ局装置3−1及びハブ局装置3−2が接続され、ハブ局装置3−1には、子局装置6−1及び子局装置6−2が接続され、ブ局装置3−2には、子局装置6−3及び子局装置6−4が接続されている場合を示している。
【0083】
第3実施形態の子局装置6(6−1〜6−4)は、アンテナ5を介して無線通信端末4から受信した電波からLTEアップリンク信号ULを検出するアップリンク信号検出部11と、アップリンク信号検出部11がLTEアップリンク信号を検出したタイミング情報をハブ局装置3に送信するタイミング情報送信部21と、電力測定開始時刻及び電力測定周期を派部局装置から受信する電力測定開始時刻・周期受信部と、ハブ局装置から受信した電力測定開始時刻及び電力測定周期で定まるタイミングにおいて、アップリンク信号検出部11の検出したLTEアップリング信号ULに基づいて、トラフィックを判定するトラフィック判定部14と、を備えている。
【0084】
ハブ局装置3は、複数の子局装置6(6−1〜6−m)からタイミング情報を受信して集約を行うタイミング情報集約部31と、集約したタイミング情報を親局装置に転送するタイミング情報転送部37と、親局装置から送信された電力測定開始時刻及び電力測定周期を子局装置6に転送する電力測定開始時刻・周期転送部38と、を備えている。
【0085】
親局装置2は、複数のハブ局装置3(3−1、3−2)からタイミング情報を受信して集約を行うタイミング情報集約部41と、子局装置6毎の伝送遅延時間データベースを保持した伝送遅延時間データベース42に基づいて子局装置6毎の伝送遅延時間の計算を行う伝送遅延時間計算部43と、タイミング情報集約部41が集約したタイミング情報に基づいて電力測定開始時刻を決定する電力測定開始時刻決定部44と、タイミング情報集約部41が集約したタイミング情報に基づいて無線通信端末4から受信した電波の電力測定周期を決定する電力測定周期決定部45と、電力測定開始時刻及び電力測定周期をハブ局装置3−1,3−2を介して子局装置6に送信するために送信する電力測定開始時刻・周期送信部46と、を備えている。
【0086】
図24は、親局装置が電力測定開始時刻と周期を決定し、トラフィック判定を子局装置に行わせる場合の通信シーケンスの一例の説明図である。
子局装置6−1のアップリンク信号検出部11は、アンテナ5を介してLTEアップリンク信号ULが入力されたことを検出する(ステップS301)。
【0087】
そして、LTEアップリンク信号ULが入力されたことを検出したアップリンク信号検出部11は、タイミング情報送信部21に対して、LTEアップリンク信号ULが入力されたタイミング(アップリンク信号検出時刻)に関する情報であるタイミング情報を送信するように要求するタイミング情報送信要求を行う(ステップS302)。
【0088】
これによりタイミング情報送信部21は、ハブ局装置3のタイミング情報集約部31に対して、タイミング情報を送信する(ステップS303)。
ハブ局装置3のタイミング情報集約部31は、複数の子局装置6(子局装置6−1〜6−2あるいは子局装置6−3〜6−4)に対応する複数のタイミング情報を集約する(ステップS304)。
【0089】
そしてタイミング情報集約部31は、タイミング情報転送部37に対して集約したタイミング情報を親局装置2に転送させるためにタイミング情報転送要求を行う(ステップS305)。
これによりタイミング情報転送部37は、親局装置2のタイミング情報集約部41に対してタイミング情報集約部31により集約されたタイミング情報を転送する(ステップS306)。
【0090】
この結果、親局装置2のタイミング情報集約部41は、複数のハブ局装置3−1〜3−2に対応する複数のタイミング情報を集約する(ステップS307)。
そしてタイミング情報集約部41は、伝送遅延時間計算部43に対して伝送遅延時間を計算させるため伝送遅延時間計算要求を行う(ステップS308)。
【0091】
これにより伝送遅延時間計算部43は、タイミング情報に対応するLTEアップリンク信号ULを検出した時刻と、タイミング情報を受信した時刻との差に基づいて伝送遅延時間を計算する(ステップS309)。
【0092】
伝送遅延時間を計算した伝送遅延時間計算部43は、計算した伝送遅延時間とともに電力測定開始時刻決定要求を電力測定開始時刻決定部44に対して送信する(ステップS310)。
【0093】
これにより、電力測定開始時刻決定部44は、子局装置6毎の伝送遅延時間に基づいて、各子局装置6について、電力測定開始時刻を決定し、決定した電力測定開始時刻を対応する子局装置6に送信するように電力測定開始時刻・周期送信部46に対して電力測定開始時刻送信要求を行う(ステップS311)。
【0094】
これと並行して、伝送遅延時間計算部43は、計算した伝送遅延時間とともに電力測定周期決定要求を電力測定周期決定部45に対して送信する(ステップS312)。
これにより、電力測定周期決定部45は、各子局装置6について、電力測定周期を決定し、決定した電力測定周期を対応する子局装置6に送信するように電力測定開始時刻・周期送信部46に対して電力測定周期送信要求を行う(ステップS313)。
【0095】
これらの結果、電力測定開始時刻・周期送信部46は、ハブ局装置3−1及びハブ局装置3−2の電力測定開始時刻・周期転送部38に電力測定開始時刻及び電力測定周期を送信する(ステップS314)。
【0096】
これにより、各電力測定開始時刻・周期転送部38は、子局装置6毎に対応する電力測定開始時刻・周期受信部22に対して、電力測定開始時刻及び電力測定周期を転送する(ステップS315)。
【0097】
この結果、電力測定開始時刻・周期受信部21は、受信した電力測定開始時刻及び電力測定周期をトラフィック判定部22に通知するとともに、トラフィック判定要求を行う(ステップS316)。
トラフィック判定要求を受け取ったトラフィック判定部14は、通知された電力測定開始時刻及び電力測定周期に基づいて、トラフィックの判定を行う。
【0098】
以上の説明のように、本第3実施形態によれば、親局装置の管理下で、各無線通信端末を識別して、子局装置における実際のトラフィックを把握することが可能となる。
【0099】
[4]実施形態の効果
以上の説明のように、上記各実施形態によれば、親局装置2に実効的に接続されている子局装置6の数を低減でき、親局装置2における合成NFを向上することができることがわかる。
【0100】
さらに、合成NFが向上し、改善されることにより、子局装置6の通信エリアを拡大することが可能となる。この結果、子局装置6の置局設計条件が変わり、分散アンテナシステム1を構成するのに必要となる子局装置6の数を低減でき、設置コストの低減が図れる。
【0101】
また、合成NFが向上することで、実質的に無線通信端末4のスループットが向上する。さらに合成NFが向上することで、上り信号のSNR(Signal Noise Ratio)が改善されるため、無線通信端末4の送信出力電力を抑制でき、無線通信端末4の電池の消耗を抑制できるので、使用可能時間を長くすることができる。さらには、電池寿命を改善することが可能となる。さらにまた、無線通信端末43の送信出力電力を抑制できるのに伴って、無線通信端末4から子局装置6に向かう上り信号の相互干渉を抑制でき、良好な通信が行える。
【0102】
本実施形態によれば、以上のような効果を奏することができるので、分散アンテナシステム1全体のシステムコストの低減も可能となる。
特に、LTE(Long term evolution)の通信規格に対応した分散アンテナシステム1であれば、伝送データを有する無線通信端末4がある場合に、当該無線通信端末4にトラフィックチャネルを多く割り当て、短時間でデータ伝送を完了するように動作するため、実際に上り信号を送信している無線通信端末4の数及び実質的な送信時間はそれほど多くないため、本実施形態の効果をより多く受けることが可能となる。
【0103】
以上の説明においては、通信に用いる周波数帯(バンド)が一つの場合を例として説明したが、昨今、分散アンテナシステム1で取り扱う周波数帯は複数(例えば、800MHz帯及び2.1GHz帯)となっており、子局装置6に入力されるアップリンク信号の周波数帯も複数となっている。このため、周波数帯毎に上記処理と同様の処理を行い、スイッチの制御についても周波数帯毎に独立して行うように構成することにより、周波数帯毎の独立した制御か可能となり、柔軟なリソース配分を行うことができる。
【0104】
また、利用可能な複数の周波数帯のうち、無線通信端末4による周波数帯の利用が無い場合等には、当該周波数帯について同期して子局装置6側あるいはハブ局装置3側もオフ状態とすることにより、子局装置6あるいはハブ局装置3の消費電力低減することが可能である。
【0105】
本実施形態の通信中継装置は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0106】
本実施形態の通信中継装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0107】
また、本実施形態の通信中継装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の通信中継装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の通信中継装置のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0109】
例えば、以上の説明においては、異なる種別の信号(異なる通信規格あるいは異なる通信プロトコル)として、W−CDMA信号とLTE信号を取り上げたが、本発明では、WiMAX信号や無線LAN信号等のその他の無線通信信号の場合にも適用可能である。