【課題を解決するための手段】
【0013】
いくつかの広範な教示によれば、イオン反応のための交差イオン経路型デバイスの方法および装置が開示される。
【0014】
様々な実施形態では、イオントラップおよび電子注入のための交差イオン経路型デバイスが開示される。この構成では、イオン経路と電子ビーム注入とが別にされている。
【0015】
様々な実施形態では、1組の非位相反転型および位相反転型の磁場付き線形RF場によって電子ビームが集束され得る。移動電子は、線形高周波4重極(RFQ)と磁場との結合領域によってデフォーカスされ得る。RF場の位相は、その後、デフォーカスされた電子が、再度集束されるように移動中に反転され得る。
【0016】
様々な実施形態では、電子ビーム注入による予測不可能なイオン運動不全を回避するデバイスが開示される。いくつかの実施形態では、電子ビームは集束され、これにより反応効率を高め、フィラメント電流を減少させることによってフィラメントの寿命を延長することができる。いくつかの実施形態では、TOF測定のための最適なデューティサイクルが実現されるように、連続的ECDまたはフロースルーECDが、行われ得る。
【0017】
様々な実施形態では、横型電子注入法を用いて電子ビーム障害を最小化するデバイスが開示される。いくつかの実施形態では、ECD反応を可能にするように磁場を有する十字型イオンガイド構造を利用するデバイスが開示される。
【0018】
様々な実施形態では、インライン構成を可能にするデバイスが提供される。いくつかの実施形態では、イオン注入および排出への電子ビーム障害を回避するデバイスが開示される。
【0019】
様々な実施形態では、従来のCIDベースのプロセスとの適合を可能にする連続的/フロースルー動作でECDが機能できるようにするデバイスが提供される。いくつかの実施形態では、ETDや陽子移動反応(PTR)等、他のイオン動作技法が同様に動作できるようにするデバイスが開示される。
【0020】
様々な実施形態では、高感度と分析が容易な単純解離スペクトルとを提供し得る、ECDによる前駆体イオンおよび生成物イオンの荷電制御を可能にするPTR用途にも利用することができるデバイスが提供される。
【0021】
様々な実施形態では、荷電種は、デバイス内に導入され得る。いくつかの実施形態では、荷電種は、フィラメント(タングステン、トリウム処理タングステン等)またはY
2O
3カソードを含む電子エミッタ等の電子源によって生成された電子である。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の軸端および第1の中心軸に沿って第1の経路軸端から距離をおいて配置された第2の軸端を含む第1の経路と、第1の軸端および第2の中心軸に沿って第2の経路の第1の軸端から距離をおいて配置された第2の軸端を含む第2の経路とを備える、イオンの反応装置が開示される。第1および第2の中心軸は実質的に互いに直交し、交点で交差する。本反応装置はまた、第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、第1の経路の第1の軸端と交点との間に配置された第1組の4重極電極を含み得る。第1組の電極は、第1の中心軸の第1の部分に沿ってイオンを案内する。本装置は、第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、第1の経路の第2の軸端と交点との間に配置された第2組の4重極電極をも含むことができる。第2組の電極は、第1の中心軸の第2の部分に沿ってイオンを案内する。第1組および第2組の電極は、第1の中心軸の直角方向に間隙を形成するように、互いに分離される。反応装置はまた、第1および第2組の電極にRF電圧を提供しRF場を生成するための電圧源と、RF電圧を制御するためのコントローラと、イオン源と、荷電種源とを含み得る。イオン源は、第1の経路の第1または第2の軸端のいずれかまたはその近傍に配置され、第1の経路の第1または第2の軸端のもう一方に向け、第1の中心軸に沿ってイオンを導入するためのものである。荷電種源は、第2の中心軸に沿って荷電種を導入するためのもので、第2の経路の第1もしくは第2の軸端のいずれかまたはその近傍に配置され、荷電種は間隙を通って交点に向かって移動する。
【0023】
いくつかの実施形態では、電子捕獲解離反応を実行するための方法が記載され、この方法は、第1の軸端と第1の中心軸に沿って第1の経路軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む第1の経路を提供するステップと、第1の軸端と第2の中心軸に沿って第2の経路軸端から距離を置いて配置される第2の軸端とを含む第2の経路を提供するステップと、第1および第2の中心軸が実質的に互いに直交し交点を有するように、第1および第2の中心軸を配置するステップと、第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、第1の経路の第1の軸端と交点との間に配置された第1組の4重極電極であって、第1の中心軸の第1の部分に沿ってイオンを案内するための第1組の4重極電極を提供するステップと、第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、第1の経路の第2の軸端と交点との間に配置された第2組の4重極電極であって、第1の中心軸の第2の部分に沿ってイオンを案内するための第2組の4重極電極を提供するステップと、第1組の電極を、第1の中心軸の直角方向に間隙を形成するように第2組の電極から離すステップと、第2の中心軸に平行な磁場を提供するステップと、第1組および第2組の電極にRF電圧を提供するステップと、第1組および第2組の電極によって生成されるRF場を制御するようにRF電圧を制御するためのコントローラを提供するステップと、第1の中心軸に沿って第1の経路の第1または第2の軸端のいずれかに正に荷電された複数のイオンを導入するステップと、第2の中心軸に沿って、第2の経路の第1または第2の軸端に電子を導入するステップであって、電子は、間隙を通って交点に向かって動くステップとを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、装置は、第2の中心軸に沿って平行な磁場を生成する磁場発生器を含んでもよい。いくつかの特定の実施形態では、イオンは正に荷電され、荷電種は電子である。電子は、好ましくは、タングステンもしくはトリウム処理タングステンのフィラメントから生成されるか、Y
2O
3カソードから生成され得る。他の実施形態では、荷電種は、試薬アニオンである。
【0025】
異なる実施形態は、第1の経路内で、イオンが導入される第1または第2の端部とは反対側の端部に配置または近接されたゲート電極の存在を含む。さらに異なる実施形態では、ゲート電極は、第1の経路の両端に配置または近接される。ゲート電極の1つは、装置内へのイオンの進入を制御するためのもので、もう一方のゲート電極は、イオンまたはイオンの反応生成物の除去を制御するためのものである。ゲート電極はまた、第2の経路の第1または第2の端部の両方にも配置または近接され得る。様々な実施形態では、装置は、ゲート電極を制御するためのコントローラをさらに備えることができる。
【0026】
装置および方法の実施形態はまた、第2の経路内の第1または第2の端部に配置または近接された、荷電種の集束のためのレンズの使用または提供を含み得る。
【0027】
選択的実施形態は、第2の経路内に位置し、荷電種が導入された端部とは反対側の端部に配置または近接されたレーザ源を含み得る。いくつかの実施形態では、レーザ源は、紫外線または赤外線のいずれかを提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、第2の経路の両端は、荷電種源を含み、荷電種は電子であり、1度に1つの荷電種源のみが操作可能である。
【0029】
いくつかの実施形態では、イオンは、荷電種源と相互作用し、相互作用は、電子捕獲解離、電子移動解離、または陽子移動解離を潜在的に引き起こし得る。
【0030】
選択的実施形態では、生成されたRF場は、周波数が約400kHz〜1.2MHzで、より具体的には、周波数が約800kHzである。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の経路内で、正に荷電されたイオンが導入される端部とは反対側にある端部またはそれに近接して、ゲート電極を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、ゲート電極は、開位置と閉位置との間を切り替え可能であり、開位置にあるとき、イオンまたはイオン反応生成物は通過することができ、閉位置にあるとき、イオンまたはイオン反応生成は通過することができない。このような方法はまた、ゲートが開のときとゲートが閉のときとの時間を制御するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲートは、連続的に開となるように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法は、電子がフィラメントを介して導入される場合、好ましくは、タングステンもしくはトリウム処理タングステンフィラメントのいずれかを含み、またはY
2O
3カソードで導入される。
【0033】
いくつかの実施形態では、装置は、該第1の複数の電極内の各電極が、第2の複数の電極の電極と対を成して電極対を形成するよう該電極に電圧を送達するように構成されたコントローラを含み得、各電極対内の各電極が反対の極性を有し、電極対のもう一方の電極と交点を横切って正反対にあり、それにより、該交点と該第2の経路の該第1の軸端との間で、該第1および該第2の複数の電極によって生成されるRF場は、該交点と該第2の経路の該第2の軸端との間で生成されるRF場に対して逆相となる。
【0034】
いくつかの実施形態では、電子は、該交点に近づくにつれてデフォーカス効果を、また該電子がこの該交点をいったん通過すると集束効果を経験する。
【0035】
様々な実施形態では、装置はまた、第2の経路の第1および第2の軸端の両方またはその近傍に配置されたゲート電極を含む。
【0036】
様々な実施形態では、第2の経路が、荷電種を集束させるため、第1または第2の軸端に配置または近接されたレンズを含む。
【0037】
様々な実施形態では、第2の経路は、該荷電種を導入するための該端部とは反対側の軸端に配置または近接される、レーザ源を含むまたは内部に配置し、該レーザ源は、該イオンまたは該荷電種にエネルギーを提供する。
【0038】
様々な実施形態では、レーザ源は、紫外線または赤外線を提供する。
【0039】
様々な実施形態では、第2の経路の両方の軸端は、荷電種源を含み、これらの荷電種源の1つのみが1度に操作可能である。
【0040】
様々な実施形態では、イオンは、荷電種と相互作用する。
【0041】
様々な実施形態では、相互作用は、電子捕獲解離、電子移動解離、または陽子移動解離を引き起こす。
【0042】
様々な実施形態では、イオン反応を実行するための方法が、開示され、第1の軸端と第1の中心軸に沿って第1の経路の軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む第1の経路を提供するステップと、第1の軸端と第2の中心軸に沿って第2の経路軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む第2の経路を提供するステップであって、該第1および第2の中心軸が互いに実質的に直交し交点を有する、ステップと、該第1の中心軸の周りに多重極配向に配列され、該第1の軸端と該交点との間に配置された第1の複数の電極を提供するステップであって、該電極は、該第1の中心軸の第1の部分に沿ってイオンを案内する、ステップと、第1の中心軸の周りに多重極配向に配列され、該第2の軸端と該交点との間に配置された第2の複数の電極を提供するステップであって、該電極は、該第1の中心軸の第2の部分に沿ってイオンを案内し、第1の複数の電極は、該第1の中心軸の直角方向に間隙を形成するように第2の複数の電極から離される、ステップと、該第2の中心軸に平行な磁場を提供するステップと、該第1および第2の複数の電極にRF電圧を提供するステップと、該第1および第2の複数の電極によって生成されるRF場を制御するようにRF電圧を制御するためのコントローラを提供するステップと、第1の中心軸に沿った第1の経路の第1または第2の軸端のいずれかに複数のイオンを導入するステップと、第2の中心軸に沿った第2の経路の第1または第2の軸端に荷電種を導入するステップであって、荷電種は、間隙を通って該交点に向かって動くステップとを含む。
【0043】
様々な実施形態では、本方法は、第1の経路内でイオンが導入される軸端とは反対側の軸端またはその近傍にゲートを提供するステップさらに含み、該ゲートは開および閉位置の間を切り替え可能であり、開位置にあるときには、該イオンまたは該イオン反応の生成物は通過でき、閉位置にあるときにはイオンまたはイオン反応の生成物は通過できない。様々な実施形態では、ゲートは、連続的に開である。
【0044】
様々な実施形態では、本方法は、ゲートが開のときおよびゲートが閉のときの時間の長さを制御するステップをさらに含む。様々な実施形態では、開位置および閉位置の時間の長さ間の比は、8ミリ秒:2ミリ秒である。他の実施形態では、開および閉位置の時間の長さ間の比は、3ミリ秒:7ミリ秒である。
【0045】
様々な実施形態では、イオンは正に荷電され得る一方、荷電種は電子であり得る。
【0046】
様々な実施形態では、1つまたは1つを上回る多重極は、4重極である。
【0047】
様々な実施形態では、本方法は、荷電種を集束させるために、該第2の経路の該第1または第2の軸端のいずれかまたはその近傍に配置されたレンズを提供するステップをさらに含む。
【0048】
様々な実施形態では、本方法は、荷電種が注入される端部とは反対側の軸端またはその近傍に、該イオンまたは荷電種のいずれかにエネルギーを提供するためのレーザ源を提供するステップをさらに含む。様々な実施形態では、レーザ源は、紫外線または赤外線である。
【0049】
様々な実施形態では、イオンは、荷電種と相互作用し、電子捕獲解離、電子移動解離、または陽子移動解離を引き起こし得る。
【0050】
様々な実施形態では、荷電種は、アニオンである。
【0051】
様々な実施形態では、イオンは、アニオンである。
【0052】
様々な実施形態では、例えば、レーザ光線を用いて光子を注入するようにも利用できるデバイスが、開示され、UV光解離および赤外線多光子解離(IRMPD)等の補完的な解離技術を提供し得る。
【0053】
様々な実施形態では、電子ビームは、連続モードで動作しているときに生成物イオンがECD装置から排出されるとき、オフにされ得る。
【0054】
様々な実施形態では、装置は、半または準連続モードで動作できる。
【0055】
様々な実施形態では、多重極に印加されるRF周波数は、400kHz〜1.2MHzの範囲内にあり、好ましくは、周波数は、800kHzである。
【0056】
様々な実施形態では、イオンの反応装置が、開示され、第1の軸端と第1の中心軸に沿って第1の経路軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む第1の経路と、第1の軸端と第2の中心軸に沿って第2の経路の第1の軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む第2の経路であって、第1および第2の中心軸は、実質的に互いに直交して、交点を有する、第2の経路と、第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、該第1の経路の該第1の軸端と交点との間に配置された第1組の4重極電極であって、該第1の中心軸の第1の部分に沿ってイオンを案内するための該第1組の4重極電極と、第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、該第1の経路の第2の軸端と該交点との間に配置された第2組の4重極電極であって、該第2組の4重極電極は、該第1の中心軸の第2の部分に沿ってイオンを案内し、第1組の電極は、該第1の中心軸の直角方向に間隙を形成するように第2組の電極から離されている、第2組の4重極電極と、該第2の中心軸に平行に沿った磁場を生成する磁場発生器と、RF場を生成するように該第1組および第2組の電極にRF電圧を提供するための電圧源と、RF電圧を制御するためのコントローラと、第1の経路の第1または第2のいずれかの軸端に配置または近接され、第1の中心軸に沿って、第1の経路の第1または第2のもう一方の軸端に向けてイオンを導入するためのイオン源と、第2の経路の第1または第2のいずれかの軸端に配置または近接され、第2の中心軸に沿って荷電種を導入するための荷電種源であって、該荷電種は、間隙を通して該交点に向かって動く荷電種源とを含む。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
第1の経路であって、前記第1の経路は、第1の軸端と、第1の中心軸に沿って前記第1の経路の軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む、第1の経路と、
第2の経路であって、前記第2の経路は、第1の軸端と、第2の中心軸に沿って前記第2の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含み、
前記第1および第2の中心軸は、実質的に互いに直交して、交点を有する、第2の経路と、
前記第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、前記第1の経路の前記第1の軸端と前記交点との間に配置された第1組の4重極電極であって、前記第1組の電極は、前記第1の中心軸の第1の部分に沿ってイオンを案内する、第1組の4重極電極と、
前記第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、前記第1の経路の前記第2の軸端と前記交点との間に配置された第2組の4重極電極であって、前記第2組の電極は、前記第1の中心軸の第2の部分に沿ってイオンを案内し、
前記第1組の電極は、前記第1の中心軸の直角方向に間隙を形成するように前記第2組の電極から離される、第2組の4重極電極と、
RF場を生成するように前記第1組および第2組の電極にRF電圧を提供するための電圧源と、
前記RF電圧を制御するためのコントローラと、
前記第1の経路の第1または第2のいずれかの軸端に配置または近接され、前記第1の中心軸に沿って、第1の経路の前記第1または第2の軸端のうちのもう一方に向けてイオンを導入するためのイオン源と、
第2の経路の第1または第2のいずれかの軸端に配置または近接され、第2の中心軸に沿って荷電種を導入するための荷電種源であって、前記荷電種は、前記間隙を通して前記交点に向かって動く荷電種源と、
を備える、イオンの反応装置。
(項目2)
前記コントローラは、前記第1の複数の電極内の各電極が、前記第2の複数の電極の電極と対を成して電極対を形成するよう、前記電極に電圧を送達するように構成され、各電極対内の各電極は、反対の極性を有し、電極対内のもう一方の電極と交点を横切って正反対にあり、前記交点と前記第2の経路の前記第1の軸端との間で前記第1および第2の複数の電極によって生成されるRF場は、前記交点と前記第2の経路の前記第2の軸端との間で生成されるRF場に対して逆相である、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記第2の中心軸に平行に沿った磁場を生成する磁場発生器をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目4)
前記イオンは、正に荷電され、前記荷電種は、電子である、項目3に記載の装置。
(項目5)
前記荷電種源は、フィラメントまたはY2O3カソードであり、随意に、前記フィラメントは、タングステンまたはトリウム処理タングステンフィラメントである、項目4に記載の装置。
(項目6)
前記荷電種は、試薬アニオンである、項目1に記載の装置。
(項目7)
前記第1の経路は、前記イオンが導入される前記第1または第2の軸端とは反対側の軸端に配置または近接されるゲートを含む、項目1に記載の装置。
(項目8)
前記第1の経路は、前記第1および第2の軸端の両方に配置または近接されるゲートを含み、前記ゲートの1つは、前記イオンの導入を制御するためのものであり、前記ゲートのもう一方が、前記イオンまたは前記イオンの反応生成物の除去を制御するためのものである、項目1に記載の装置。
(項目9)
前記装置は、前記第2の経路の第1および第2の軸端の両方またはその近傍にあるゲート電極をさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目10)
前記第2の経路は、前記荷電種を集束させるため、前記第1または第2の軸端に配置または近接されたレンズを含む、項目1に記載の装置。
(項目11)
前記第2の経路は、前記荷電種を導入するための前記端部とは反対側の軸端に配置または近接されるレーザ源を含み、前記レーザ源は、前記イオンまたは前記荷電種にエネルギーを提供する、項目1に記載の装置。
(項目12)
前記レーザ源は、紫外線または赤外線を提供する、項目11に記載の装置。
(項目13)
前記第2の経路の前記軸端の両方は、荷電種源を含み、前記荷電種は、電子であり、前記荷電種源のうちの1つのみが、1度に動作可能である、項目1に記載の装置。
(項目14)
前記イオンは、前記荷電種と相互に作用し、随意に、相互作用は、電子捕獲解離、電子移動解離、または陽子移動解離を引き起こす、項目1に記載の装置。
(項目15)
生成されるRF場は、約400kHz〜1.2MHzの周波数にある、項目1に記載の装置。
(項目16)
周波数は、約800kHzである、項目14に記載の装置。
(項目17)
電子捕獲解離反応を実行するための方法であって、
第1の経路を提供するステップであって、前記第1の経路は、第1の軸端と、第1の中心軸に沿って前記第1の経路の軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む、ステップと、
第2の経路を提供するステップであって、前記第2の経路は、第1の軸端と、第2の中心軸に沿って前記第2の経路の軸端から距離を置いて配置された第2の軸端とを含む、ステップと、
前記第1および第2の中心軸が互いに実質的に直交して、交点を有するように、前記第1および第2の中心軸を配置するステップと、
前記第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、前記第1の経路の前記第1の軸端と前記交点との間に配置された第1組の4重極電極を提供するステップであって、前記第1組の電極は、前記第1の中心軸の第1の部分に沿ってイオンを案内する、ステップと、
前記第1の中心軸の周りに4重極配向に配列され、前記第1の経路の前記第2の軸端と前記交点との間に配置された第2組の4重極電極を提供するステップであって、前記第2組の電極は、前記第1の中心軸の第2の部分に沿ってイオンを案内し、
前記第1組の電極は、前記第1の中心軸の直角方向に間隙を形成するように前記第2組の電極から離される、ステップと、
前記第2の中心軸に平行な磁場を提供するステップと、
前記第1組および第2組の電極にRF電圧を提供するステップと、
前記第1組および第2組の電極によって生成されるRF場を制御するようにRF電圧を制御するためのコントローラを提供するステップと、
前記第1の中心軸に沿った前記第1の経路の第1または第2の軸端のいずれかに、正に荷電された複数のイオンを導入するステップと、
前記第2の中心軸に沿った前記第2の経路の第1または第2の軸端に電子を導入するステップであって、前記電子は、前記間隙を通って前記交点に向かって動くステップと、
を含む、方法。
(項目18)
前記第1の経路内で前記軸端とは反対側の軸端またはその近傍にゲートを提供するステップをさらに含み、前記正に荷電されたイオンが、導入され、前記ゲートは、開および閉位置の間を切り替え可能であり、開位置にあるときには、前記イオンまたは前記イオン反応の生成物は通過でき、閉位置にあるときには、前記イオンまたは前記イオン反応の生成物は通過できない、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記ゲートは、連続的に開である、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記ゲートが開のときと前記ゲートが閉のときとの時間の長さを制御するステップをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記電子は、フィラメントまたはY2O3カソードを介して導入され、随意に、フィラメントは、タングステンまたはトリウム処理タングステンフィラメントである、項目17に記載の方法。
(項目22)
前記正荷電種を集束させるため、前記第2の経路の前記第1または第2の軸端のいずれかまたはその近傍に配置されたレンズを提供するステップをさらに含む、項目17に記載の方法。