特許第6553043号(P6553043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553043エンベロープウイルス又はウイルスベクターを精製するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553043
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】エンベロープウイルス又はウイルスベクターを精製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/02 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   C12N7/02ZNA
【請求項の数】28
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-540514(P2016-540514)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公表番号】特表2017-503486(P2017-503486A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】FR2014053406
(87)【国際公開番号】WO2015092287
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2016年11月21日
(31)【優先権主張番号】1362835
(32)【優先日】2013年12月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】503197304
【氏名又は名称】ジェネトン
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ブデファ,ドリス
(72)【発明者】
【氏名】メルテン,オットー−ヴィルヘルム
(72)【発明者】
【氏名】フェナール,ダヴィド
【審査官】 竹内 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−524887(JP,A)
【文献】 特表2009−534030(JP,A)
【文献】 特表2008−518972(JP,A)
【文献】 Teresa Rodrigues,Journal of Biotechnology,2007年,Vol.127,pp.520-541
【文献】 Capto Core 700 [online],GE Healthcare Life Sciences Data File 28-9983-07 AA,2012年 3月,pp.1-4,[retrieved on 2017-09-14]. Retrieved from the Internet: <URL: htts://www.gelifesciences.co.jp/catalog/pdf/28998307.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 7/00−7/08
CAplus/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰イオン交換クロマトグラフィー工程を含む、GaLV−TRでシュードタイプ化されたレンチウイルスを精製するためのプロセスであって、該クロマトグラフィー中に使用される緩衝液が、
−pHが6未満、又は
−pHが6以上であり、かつ更にスクロースを含む、
プロセス。
【請求項2】
前記陰イオン交換クロマトグラフィーの緩衝液のpHが6未満であり、かつスクロースも含む、請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記緩衝液のpHが5.5と6との間に含まれる、請求項1記載のプロセス。
【請求項4】
pHが5.5又は6に等しい、請求項記載のプロセス。
【請求項5】
前記陰イオン交換クロマトグラフィー工程の前に、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を行なう、請求項1〜のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項6】
限外ろか/ダイアフィルトレーション工程がタンジェンシャルフローろ過である、請求項記載のプロセス。
【請求項7】
前記限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程が、5.5と7.5との間に含まれるpHを有する1つ又はいくつかの緩衝液の使用を含む、請求項又は記載のプロセス。
【請求項8】
1つ又はいくつかの緩衝液が、スクロースを含む、請求項7記載のプロセス。
【請求項9】
GaLV−TRでシュードタイプ化されたレンチウイルスを産生する細胞の細胞培養物の培養培地からGaLV−TRでシュードタイプ化されたレンチウイルスを精製するための、請求項1〜8のいずれか一項記載のプロセスであって、
(a)該細胞培養培地の清澄化;
(b)清澄化されたウイルスのための限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程;
(c)陰イオン交換クロマトグラフィー;
(d)排除クロマトグラフィー
を含む、プロセス。
【請求項10】
工程(a)が、捕捉閾値が0.2と0.45μmとの間に含まれる捕捉フィルター上での培養培地のろ過によって行なわれる、請求項9記載のプロセス。
【請求項11】
工程(b)が、タンジェンシャルフローろ過を用いて行なわれる、請求項9又は10記載のプロセス。
【請求項12】
工程(d)が、300と1,000kDaとの間に含まれる排除サイズを有する排除樹脂の使用を含む、請求項9〜11のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項13】
前記排除クロマトグラフィーに使用される樹脂が、排除及び吸着の2つの機能を有するマルチモード樹脂である、請求項9〜12のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項14】
限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を含む、GaLV−TRでシュードタイプ化されたレンチウイルスを精製するためのプロセスであって、該工程が、スクロースを含有する緩衝液を使用することによって行なわれる、プロセス。
【請求項15】
限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程がTFF工程である、請求項14記載のプロセス。
【請求項16】
精製されたウイルスが、中性培地中で、又は、やや酸性の培地中で産生される、請求項1〜15のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項17】
精製されたウイルスが、pH6とpH7との間に含まれるpHで産生される、請求項16記載のプロセス。
【請求項18】
スクロースが、緩衝液中に、1.5重量%と15重量%との間に含まれる濃度で存在する、請求項1〜17のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項19】
スクロースが、緩衝液中に、2重量%と5重量%との間に含まれる濃度で存在する、請求項18記載のプロセス。
【請求項20】
スクロースが、緩衝液中に、5重量%の濃度で存在する、請求項19記載のプロセス。
【請求項21】
スクロースが、タンジェンシャルフローろ過及び陰イオン交換クロマトグラフィー中に使用される緩衝液中に存在する、請求項1〜20のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項22】
スクロースが、精製プロセスの全工程における緩衝液中に存在する、請求項1〜21のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項23】
前記プロセス中に使用される緩衝液がまた、マグネシウム塩を含む、請求項1〜22のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項24】
マグネシウム塩が、塩化マグネシウムである、請求項23記載のプロセス。
【請求項25】
緩衝液が、0.1mMと5mMとの間に含まれる濃度で、マグネシウム塩を含む、請求項23又は24記載のプロセス。
【請求項26】
緩衝液が、1と3mMとの間に含まれる濃度で、マグネシウム塩を含む、請求項25記載のプロセス。
【請求項27】
緩衝液が、2mMの濃度でマグネシウム塩を含む、請求項26記載のプロセス。
【請求項28】
前記陰イオン交換クロマトグラフィーが、弱陰イオン交換カラムクロマトグラフィー及び/又は陰イオン交換カラムクロマトグラフィーである、請求項1〜13及び2127のいずれか一項記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンベロープウイルスを精製するためのプロセスに関する。本発明のプロセスは、GMPに従いかつ臨床等級のウイルスを得ることを可能とする条件下でのエンベロープウイルスの大規模な回収に有用である。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(特にHIV−1)由来のレンチウイルスベクターは、遺伝子療法に最も使用されるベクターの一部である。これらのベクターは、一般的に、他のウイルス:テナガザル白血病ウイルス(GALV:(GaLV−TR糖タンパク質))、水疱性口内炎ウイルス(VSV−g)、麻疹ウイルス(すなわちMV)に由来する糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されている。VSV−Gタンパク質を用いてシュードタイプ化されたレンチウイルスベクターの臨床バッチを精製するためのプロセスが記載されている(非特許文献1)。しかしながら、他のエンベロープタンパク質、より詳細にはGaLV又はMV由来の糖タンパク質、を用いてシュードタイプ化されたウイルスベクターは広くは使用されていない。なぜなら、満足できる精製プロトコールが現時点で全く得られていないからである。このタイプのシュードタイプ化ベクターの精製を主に制限している障壁は、特定の膜糖タンパク質の不安定性及び脆弱性に関連している。しかしながら、これらのベクターは、VSV−Gタンパク質を用いてシュードタイプ化されたベクターよりも指向性が狭い点で特に興味深い。例えば、GALVに由来する糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されたベクターは、より限定された指向性を有し、より詳細には造血幹細胞を標的とする。それ故、GALV糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されたベクターを精製するための効率的なプロセスを利用可能とすることは、遺伝子療法の分野において大きな課題である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Schweizer and Merten, 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、本発明者らは、臨床使用のためのウイルス調製物の産生を目指した、エンベロープウイルス、特にエンベロープ糖タンパク質GaLVを用いて又は他のエンベロープタンパク質によってシュードタイプ化されたウイルスを精製するためのプロセスの開発を提案した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、前記精製の収率に対する、エンベロープウイルスの精製中に使用される溶液のpHの影響、及び特定の添加剤のプラスの影響の、本発明者らによってなされた予期せぬ観察からもたらされる。
【0006】
本発明は特に、酸性緩衝液が陰イオン交換クロマトグラフィー中に使用される場合の、エンベロープウイルスの精製の顕著な改善の観察からもたらされる。それ故、本発明の目的は、陰イオン交換クロマトグラフィーを含むエンベロープウイルスを精製するためのプロセスであり、該クロマトグラフィー中に使用される緩衝液のpHは6未満である。
【0007】
特に、pHは、5.5と6との間に特に含まれ得る。一代替によると、陰イオン交換クロマトグラフィー中に使用される緩衝液のpHは6以上であり、更にポリオールを含む。
【0008】
本発明者らは、エンベロープウイルスを精製するためのプロセスの1つ又はいくつかの工程中に使用される1つ又はいくつかの緩衝液中にポリオールを添加することによって、精製収率の実質的な増加を得ることが可能であったことを示すことができた。特に、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程、次いで陰イオン交換クロマトグラフィーを含む精製の収率の改善は、このクロマトグラフィー中に使用される緩衝液がポリオールを含む場合に観察される。
【0009】
本発明者らはまた、精製中に使用される陰イオン交換クロマトグラフィー工程及び限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程、特にタンジェンシャルフローろ過(TFF)の順序の逆転を提案する。陰イオン交換クロマトグラフィーの前に限外ろ過/ダイアフィルトレーション、特にTFFを適用することにより、エンベロープベクターの精製収率の実質的な改善が可能となる。それ故、本発明は、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程、特にTFF工程、次いで陰イオン交換クロマトグラフィー工程をこの順序で含む、エンベロープウイルスを精製するためのプロセスに関する。
【0010】
更に、本発明は、エンベロープウイルスを精製するためのプロセスに関し、該プロセスは、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程、特にTFF工程を含み、該工程は、ポリオールを含有する緩衝液を使用することによって行なわれる。
【0011】
本発明はより詳細には、GaLVに由来する糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されたウイルスの精製に適合される。本発明が利用できるようになるまでは、このタイプの糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されたウイルスは、「精製不可能」と考えられていた。これらのウイルスベクターに対して行なわれた様々な研究は、GaLVシュードタイプ化ベクターの脆弱性のために、未精製ベクターの生調製物を適用した。予期せぬことに、本発明者らは、本発明のプロセスを用いて精製収率の実質的な改善を示すことができた。本発明者らはまた、このプロセスが、他のエンベロープ糖タンパク質を用いて、特にVSV−G及びMV糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されたウイルスの精製収率の改善も可能とすることを示すこともできた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】LV−GaLV−TRレンチウイルス粒子を精製するための2つのプロセス:プロセス(A)は、タンジェンシャルフローろ過工程後に1回の排除クロマトグラフィー工程(ゲルろ過)を適用する単純化されたプロセスであり;プロセス(B)は、例えば臨床使用のためのベクターを産生する目的で、プロセス(A)の使用中よりも高い純度を得ることを目的としたより精巧なプロセスである。
図2】混入タンパク質の除去における、500kDa及び750kDaのカットオフ値を有する膜の比較(SDS−PAGE(上)及びウェスタンブロット抗p24(下))。ウェスタンブロット上の全ての試料について、24/25kDaバンド(=p24)がよく見られる:1)サイズマーカー;2)750kDaでのダイアフィルトレーション(a)(試験1);3)750kDaでのダイアフィルトレーション(b)(試験2);4)68,338gで3時間の超遠心分離(培養培地X−vivo 20への再懸濁);5)500kDaでのダイアフィルトレーション(a)(試験1);6)500kDaでのダイアフィルトレーション(b)(試験2);7)LV−GaLV−TRベクターを含有する培養上清。
図3】室温で保存された、GFPをコードするLV−GaLV−TRベクターの安定性に対するNaClの影響。ベクターを室温(RT)でpH7.0(PBS)で4時間インキュベートした。陰イオン交換クロマトグラフィー工程を最適化するために、本発明者らは生理食塩水NaCl培地中でベクターの安定性を試験した。このために、ベクターを、UF/DF工程後に、様々なNaCl濃度を有するpH7.0のPBS緩衝液中で、室温で4時間インキュベートした。次に、ベクターをHCT116細胞上で滴定した。48時間後、細胞をFACS(フローサイトメトリー)に通過させ、GFPの発現率を測定した。
図4】陰イオン交換クロマトグラフィー工程後の感染性レンチウイルスベクターの精製収率に対する、溶出緩衝液のpH及び塩分の影響。ベクターの調製物を、(低級)陰イオン交換クロマトグラフィーの様々な基材の評価に使用するために、HEK293T細胞のトランスフェクションによって産生し、清澄化し、そしてTFFによる濃縮/ダイアフィルトレーションにかけた。様々な基材を評価した:トヨパール650C DEAE、CIM D(DEAE)及びPorosD。100%の収率は、先に行なわれたTFF工程後の感染力価に等しい。
図5-1】排除クロマトグラフィー(Capto Core 700)によるGaLV−TRレンチウイルスベクター調製物の精製。レンチウイルス調製物3mLを濃縮/ダイアフィルトレーションにかけ、次いで、Capto Core 700(4.5mL)カラムを通した。PBS緩衝液(pH7.0)、5%スクロース、2mM MgClを、カラム及び製剤の平衡化のためにこの工程中に使用した。画分1mLを収集し、ベクター濃度(TU)について分析した:a)画分ごとの力価(TU)、画分4〜9についてのベクターの累積量、及び画分4〜9についての累積回収率(%)を示す、クロマトグラム;
図5-2】b)全ての画分のウェスタンブロット;c)全ての画分のSDS−PAGE。
図6】MOI 20由来のHIV−GaLV−TRベクターを用いてのCD34+SC細胞(臍帯血)の形質導入。未精製:粗生成物HIV−GaLV−TRを用いて形質導入されたCD34+細胞のフローサイトメトリーによって決定されたGFPを発現している細胞の比率;DF/UF:粗生成物のTFFによる精製及び濃縮後に得られたHIV−GaLV−TRベクターの調製物を用いて形質導入されたCD34+細胞のフローサイトメトリーによって決定されたGFPを発現している細胞の比率。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔発明の詳細な説明〕
エンベロープウイルス及びベクターの産生
エンベロープウイルス又はベクターの産生は当技術分野の技術水準において周知である。当業者は、特にAnsorge et al. 2010; Schweizer and Merten 2010; Rodrigues et al. 2011によって示されたこの分野における一般的な知識を参照し得る。
【0014】
産生されたウイルスは、特に、エンベロープウイルスベクターである。ウイルスベクターは、特に、レトロウイルス、特にレンチウイルスに由来する。産生されたレトロウイルスベクターは特に、アルファレトロウイルス(例えばトリ白血病ウイルスに対するALV)、ベータレトロウイルス(例えばマウス乳癌ウイルスに対するMMTV)、ガンマレトロウイルス(例えばマウス白血病ウイルスに対する様々なタイプのMLV)、デルタレトロウイルス(例えばヒトTリンパ球向性ウイルスに対する様々なタイプのHTLV)、イプシロンレトロウイルス(例えばウォールアイ皮膚肉腫ウイルスに対するWDSV)、スプーマウイルス(例えばヒト泡沫状ウイルスに対するHFV、及びサル泡沫状ウイルスに対するSFV)、霊長類レンチウイルス、例えば様々なタイプのヒト免疫不全ウイルス(ヒト免疫不全ウイルスに対するHIV)、様々なタイプのサル免疫不全ウイルス(サル免疫不全ウイルスに対するSIV)、又は非霊長類の哺乳動物レンチウイルス、例えばウマ伝染性貧血ウイルス(ウマ伝染性貧血ウイルスに対するEIAV)、ネコ免疫不全ウイルス(ネコ免疫不全ウイルスに対するFIV)、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(ヤギ関節炎脳炎ウイルスに対するCAEV)、又はヒツジ・ビスナ・マエディウイルス(ビスナマエディウイルスに対するVMV)に由来する。
【0015】
特定の実施態様によると、エンベロープウイルス、特にレトロウイルスベクター、特にレンチウイルスベクターはシュードタイプ化されている、すなわち、それは、レトロウイルス粒子が由来するウイルスとは異なるウイルスに由来するエンベロープ糖タンパク質、改変されたエンベロープ糖タンパク質、又はキメラエンベロープ糖タンパク質を含む。特定の実施態様によると、レトロウイルスベクターは、水疱性口内炎ウイルス(VSV−G)、麻疹ウイルス(麻疹ウイルスに対するMV)、又は改変されたMVウイルス(特に抗CMHII抗体を用いて改変された)、ヒヒ内在性ウイルス(BaEV)、又はテナガザル白血病ウイルス(GALV)に由来するエンベロープ糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されているが、当業者は、他のウイルスエンベロープ糖タンパク質の使用も考え得る(Frecha et al. 2008)。特定の実施態様によると、エンベロープウイルス、特にレトロウイルスベクター、より詳細にはレンチウイルスベクターは、改変されたエンベロープ糖タンパク質、例えばGALVTR(GALVエンベロープ糖タンパク質、ここではビリオン内のC末端が、両種指向性ヒト白血病ウイルスA−MLVのエンベロープ糖タンパク質のC末端で置換され、これにより、レンチウイルス粒子へのエンベロープ糖タンパク質の非常に効率的な取り込みが可能となる)を用いてシュードタイプ化されている(Christodoulopoulos and Cannon 2001)。特定の実施態様によると、エンベロープウイルス、特にレトロウイルスベクター、より詳細にはレンチウイルスベクターは、標的細胞の表面の所定の受容体の特異的標的化を可能とするための、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の可変領域をコードする融合タンパク質(一本鎖可変フラグメントではscFv)又はアンキリンリピートドメインを含むタンパク質(設計アンキリンリピートタンパク質に対するDARPins)が挿入されている麻疹ウイルスのエンベロープ糖タンパク質などのキメラエンベロープ糖タンパク質を用いてシュードタイプ化される(Anliker et al. 2010; Muench et al. 2011)。特定の実施態様によると、レンチウイルスベクターは、GALVウイルス、水疱性口内炎ウイルス(例えばVSV−Gエンベロープタンパク質)、又は麻疹ウイルスに由来するエンベロープを用いてシュードタイプ化されているが、当業者は他のエンベロープタンパク質の使用も考え得る。
【0016】
エンベロープウイルスは更に、そのゲノムに導入された目的の導入遺伝子を含有し得る。勿論、目的の導入遺伝子は、エンベロープウイルスベクターが意図される具体的な用途に依存する。例えば、治療用RNAをコードする目的の導入遺伝子(例えば、標的RNA配列又はDNA配列のアンチセンス相補的RNAをコードする目的の導入遺伝子)、病態を患う被験体において欠損若しくは欠失しているタンパク質をコードする遺伝子療法の導入遺伝子、又はDNAを用いてのワクチン法のために使用される導入遺伝子、すなわち、その発現が該タンパク質に対するレシピエント生体のワクチン法を誘導するタンパク質をコードする導入遺伝子に言及する。特定の実施態様によると、遺伝子療法に使用され得るエンベロープウイルスベクターが産生され、次いで精製される。使用される産生プロセスは有利には、GLPに適合し、エンベロープウイルスベクター、特にレトロウイルスベクター、特にレンチウイルスベクター、特にシュードタイプ化レンチウイルスベクター(特に、レトロウイルスについてはGALVエンベロープタンパク質、又はレンチウイルス、VSV−G、若しくはMVについてはGALVTRを用いてシュードタイプ化された)の大規模な産生を企画する可能性を与える。
【0017】
レンチウイルスベクターの産生のための好ましい実施態様によると、4つの以下の配列を宿主細胞に導入する:レンチウイルス遺伝子gagpolを含む発現カセット、レンチウイルス遺伝子revを含む発現カセット、レンチウイルスLTR−5’とレンチウイルスLTR−3’との間に含まれる目的の導入遺伝子の発現カセット、及びエンベロープ糖タンパク質(単数又は複数)の発現カセット。
【0018】
特定の実施態様では、エンベロープウイルス、特にレトロウイルスベクター、より詳細にはレンチウイルスベクターは、エンベロープウイルスの産生のために必要とされる1つ又はいくつかの配列を発現している安定な株(Miller 2001; Rodrigues et al. 2011)、例えばエンベロープ糖タンパク質VSV−Gを用いてシュードタイプ化されたHIV−1に由来するレンチウイルスベクターを構成的に産生するヒト産生株GPRG−EF1α−hγOPT(Greene et al. 2012)、又は例えばエンベロープ糖タンパク質GaLVを用いてシュードタイプ化されたMLVガンマレトロウイルスベクターを構成的に発現するマウス産生株PG13−MFG−GFP(Miller et al. 1991)から産生される。特定の実施態様では、エンベロープウイルスは、ウイルスの産生に必要とされる配列をコードする1つ又はいくつかのプラスミドを用いて一過性にトランスフェクトされた哺乳動物宿主細胞から産生される。レンチウイルスベクターの産生を可能とする一代替によると、該配列を、4つのプラスミドを用いて細胞に導入する:レンチウイルスgagpol遺伝子を含む発現カセットを有する1つのプラスミド、レンチウイルスrev遺伝子を含む発現カセットを有する1つのプラスミド、レンチウイルスLTR−5’とLTR−3’との間に含まれる目的の導入遺伝子の発現カセットを含む1つの導入プラスミド、及びエンベロープ糖タンパク質(単数又は複数)の発現カセットを有する1つのプラスミド。
【0019】
宿主細胞は、エンベロープウイルスの産生を可能とする任意の細胞から選択され得る。特定の実施態様によると、該細胞は、ヒト細胞(HEK293、HEK293T、HEK293FT、Te671、HT1080、CEM)、ネズミ科細胞(NIH−3T3)、イタチ科細胞(Mpf)、イヌ科細胞(D17)から選択される(Miller and Chen 1996; Miller 2001; Merten 2004; Rodrigues et al. 2011; Stacey and Merten 2011)。
【0020】
細胞を、哺乳動物細胞の培養に適しかつエンベロープウイルスの産生に適した培地中で培養する。培地に更に、適切な濃度で添加された、当技術分野において周知である添加剤、例えば抗生物質、血清(特にウシ胎児血清など)を補充し得る。使用される培地は、特に、血清を含んでいても、無血清でもよい。哺乳動物細胞のための培養培地は当技術分野において周知である。そのようなものとして、DMEM培地(ダルベッコ改変イーグル培地)、RPMI1640又は様々な培養培地の混合物、例えばDMEM/F12、又は無血清培地、例えばoptiMEM(登録商標)、optiPRO(登録商標)、opti−SFM(登録商標)、CD293(登録商標)、FreestyleF17(登録商標)(Life Technologies)、又はEx−Cell(登録商標)293(Sigma-Aldrich)を言及することができる。
【0021】
一過性にトランスフェクトされた細胞を使用したプロセスにおいて、プラスミドのトランスフェクションを可能とする任意の薬剤を使用し得る。特に、リン酸カルシウム又はポリエチレンイミンが使用され得るが、他の薬剤も当業者によって考えられ得る(Ansorge et al. 2010)。条件(特にプラスミド(単数又は複数)の量、プラスミド間の比、プラスミド(単数又は複数)とトランスフェクション剤の比、培地の種類など)及びトランスフェクション時間は、産生されるウイルスの特徴及び/又は導入用プラスミドに導入された導入遺伝子に応じて当業者によって適応され得る。
【0022】
次いで、エンベロープウイルスを、当技術分野において周知である方法に従って培養上清から収集する。
【0023】
特定の実施態様によると、使用される培養培地は、細胞を培養してウイルスを産生するために当技術分野の技術水準において慣用的に使用される中性pH(例えば、7と7.4との間に含まれ、特に7、7.1、7.2、7.3又は7.4)を有する。特定の実施態様によると、使用される産生プロセスは、やや酸性の培地中における産生細胞の培養を含む。当技術分野の技術水準は、細胞の最適な培養並びにエンベロープウイルス及びベクターの最適な産生のための必要条件として培養培地の中性を示しているが、やや酸性の条件が、逆に、エンベロープウイルス、特にレンチウイルス、特にシュードタイプ化レンチウイルス(例えば、タンパク質GaLV(又はGaLVTR)、VSV−G、又は麻疹ウイルスエンベロープタンパク質を用いてシュードタイプ化)の産生を有意に向上させる可能性を与えたことが発見された。
【0024】
一代替によると、エンベロープベクターの産生は、やや酸性の条件下で達成される。「やや酸性の条件」という表現は、5と6.8との間、特に5.5と6.5との間、より詳細には5.8と6.2との間に含まれる水性溶液のpHを示す。特定の実施態様によると、培養培地のpHは約6である。選択されたpHはまた、使用される培養培地の緩衝力にも依存し、当業者は一般的な知識を考慮して容易に決定することができる。当業者は、溶液のpHを、特に細胞培養培地のpHを変更することができる。当業者は特に、該溶液に、酸性、特に強酸、例えば塩酸の溶液を導入し得る。必要であれば、塩基、特に強塩基、例えば水酸化ナトリウムの溶液を、所望の値を達成するためにpHを上昇させることによってpHを再調整するために使用することができる。
【0025】
特定の実施態様によると、エンベロープウイルスの産生は、以下の工程を含む:
−該エンベロープベクターの産生のために、又は構成的に若しくは誘導後にベクターを産生する安定な産生細胞の使用のために必要とされる、配列をコードする、1つ又はいくつかのプラスミドを用いてのHEK293T細胞の一過性トランスフェクション;
−pHが約6又は約7である適切な培地中での該細胞の培養;
−培養上清中へのエンベロープウイルスの収集。
【0026】
この実施態様の一代替によると、産生されたエンベロープウイルスは、4つのプラスミドを用いて細胞をトランスフェクションした後に産生されたレンチウイルスである:レンチウイルスgagpol遺伝子を含む発現カセットを有する1つのプラスミド、レンチウイルスrev遺伝子を含む発現カセットを有する1つのプラスミド、レンチウイルスLTR−5’とLTR−3’との間に含まれる目的の導入遺伝子の発現カセットを含む1つの導入用プラスミド、及びエンベロープ糖タンパク質(単数又は複数)の発現カセットを有する1つのプラスミド。一代替によると、エンベロープタンパク質は、GaLVウイルスに由来するか(特にレンチウイルスベクターのために改変された糖タンパク質GaLVTR)、VSVウイルスに由来するか(特にVSV−Gエンベロープ)、又は麻疹ウイルスに由来する(MV)。
【0027】
エンベロープウイルス及びベクターの精製
本出願の実施例から分かるように、産生されたエンベロープウイルスの精製収率は、該精製中に使用される緩衝液のpH条件を適応させることによって顕著に改善され得る。
【0028】
特に、エンベロープウイルスは、非常に有利には、陰イオン交換クロマトグラフィー中の酸性緩衝液の使用を含む、新規プロセスに従って精製され得る。したがって、本発明は特に、エンベロープウイルスを精製するためのプロセスに関し、該プロセスは、陰イオン交換クロマトグラフィー工程を含み、この陰イオン交換クロマトグラフィー工程中に使用される緩衝液(単数又は複数)のpHは6.9以下である。エンベロープウイルスは特に、該エンベロープウイルスを産生している細胞の細胞培養物の培養培地から精製され得る。特定の実施態様では、陰イオン交換クロマトグラフィー工程中に使用される緩衝液(単数又は複数)のpHは、4.5と6.2との間(特に、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1又は6.2に等しい)、より詳細には5と6との間(特に5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい)に含まれる。特定の実施態様によると、pHは5と6との間、又は5と5.9との間に含まれ、pHはより詳細には5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8又は5.9に等しい。特に、pHは5.5と6との間(例えば5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい)に含まれ、pHはより詳細には約5.5(例えば5.4、5.5又は5.6)又は6(例えば5.9、6、又は6.1)、更により詳細には5.5である。陰イオン交換クロマトグラフィーの前に又は後に、好ましくは前に、限外ろ過工程、特に限外ろ過/ダイアフィルトレーション、特にタンジェンシャルフローろ過を行ない得る。一実施態様によると、陰イオン交換クロマトグラフィーが、限外ろ過よりも先である。代替的な実施態様によると、限外ろ過は陰イオン交換クロマトグラフィーよりも先であり、後者の実施態様が好ましい。
【0029】
本発明者らはまた、緩衝液のpHが6以上、特にpHが6と8との間(特に、pHが6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8.0に等しい)に含まれる場合に、陰イオン交換クロマトグラフィー中に使用される該緩衝液中へのポリオール、特にスクロースの使用の利点を示した。それ故、本発明はまた、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程、次いで陰イオン交換クロマトグラフィー工程を含む、エンベロープウイルスを精製するためのプロセスに関し、該クロマトグラフィーは、ポリオールを含有している、pHが6以上、特にpHが6と8との間、より詳細には7と8との間に含まれる(特にpHが7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8.0に等しい)緩衝液を使用することによって行なわれる。
【0030】
限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程、より詳細にはTFF中に使用される緩衝液(単数又は複数)はまた、酸性、中性、又は塩基性の緩衝液であり得る。
【0031】
当業者は、エンベロープウイルスの精製工程中に使用される溶液のpH、特に緩衝液のpHを変更することができる。当業者は特に、pHを下げるために又はpHを調整するために、該溶液中に、酸、特に強酸、例えば塩酸の溶液を導入し得る。必要であれば、塩基、特に強塩基、例えば水酸化ナトリウムの溶液を、塩基性pHを得るために、又は所望の酸性値を得るためにpHを上げることによってpHを再調整するために使用し得る。勿論、当業者は、所望のpHで適切な緩衝力を有する溶液を得るための適切な製剤の使用を確保する。
【0032】
限外ろ過/ダイアフィルトレーション装置上に若しくはその中に、又は陰イオン交換クロマトグラフィーカラム上にローディングされた溶液は、ベンゾナーゼを用いて、及び/又は低速遠心分離及び/又は清澄化で前処理されていてもよい、細胞培養上清に対応し得る。前処理されていてもよい培養上清は、「精製緩衝液」には対応しないことが理解される。しかしながら、そのpHはまた、必要であればそれをローディングする前に調整され得る。産生が、中性又は酸性のpHで行なわれた場合、前処理されていてもよい培養上清は直接ローディングされ得るか、又は、そのpHをそれをローディングする前に下げるか若しくは上げてもよい。それをローディングする前に前処理されていてもよい培養上清への添加剤の添加を企画することも可能である。例えば、この工程後直ちに、ポリオール、抗酸化剤(特にL−ヒスチジン、L−メチオニン、L−システイン、グルタチオン、又はビタミンC)、金属塩、特にマグネシウム塩、例えばMgCl若しくはMgSO、又は任意の他の適切な添加剤を加えることが可能である。
【0033】
特定の実施態様によると、前処理されていてもよい培養上清を、pHを調整することなく、添加剤を添加することなく、限外ろ過/ダイアフィルトレーション装置上に若しくはその中に、又はクロマトグラフィーカラム上に直接ローディングする。酸性、塩基性、又は中性のpH緩衝液が、限外ろ過/ダイアフィルトレーション装置の平衡化のために、及び/又は限外ろ過/ダイアフィルトレーション若しくは陰イオン交換クロマトグラフィーそれ自体を行なうために事前に使用されてもよく、好ましくは使用される。
【0034】
一代替によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程は、TFF工程である。この代替では、ダイアフィルトレーションは緩衝液を用いて達成され、その緩衝液のpHは上記に考察された条件に従って調整されている。したがって、使用される緩衝液は、酸性緩衝液、特にpHが6未満の緩衝液、又は4.5と6.2との間(特に、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1又は6.2に等しい)、特に5と6との間(特に5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい)に含まれるpHを有する緩衝液、特にpH5.5〜6を有する緩衝液(特に5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい)、より詳細にはpH5.5の緩衝液であり得る。一代替では、使用される緩衝液は、ポリオールを含む、6以上、特に6と8との間(特に、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8.0に等しいpH)、より詳細には7と8との間(特に7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8.0に等しいpH)に含まれるpHを有する緩衝液である。
【0035】
限外ろ過工程中及びダイアフィルトレーション工程中に使用される緩衝液は、異なっていても同一でもよい。特定の実施態様では、限外ろ過工程は、pHが約7の緩衝液(特に、6.8と7.2との間のpH(例えば6.8、6.9、7.0、7.1又は7.2に等しい)、より詳細にはpH7を有する緩衝液)を用いて成し遂げられ、ダイアフィルトレーションは、4.5と6.2との間のpH(特に4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1又は6.2に等しい)、特に5と6との間に含まれるpH(特に5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい)、より詳細には5.5と6との間に含まれるpH(特に5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい)を有する緩衝液、特に5.5に等しいpHを有する緩衝液を用いて成し遂げられる。
【0036】
一実施態様では、精製プロセスは、陰イオン交換クロマトグラフィー工程、次いで限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を含む。別の実施態様では、精製プロセスは、限外ろ過工程、次いで陰イオン交換クロマトグラフィー工程を含む。
【0037】
特定の実施態様では、精製プロセスは:
(a)細胞培養培地の清澄化;
(b)限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程;
(c)陰イオン交換クロマトグラフィー;
(d)排除クロマトグラフィー
を含み、工程(b)及び(c)は逆でもよい。好ましい実施態様では、工程(c)は工程(b)の後である。
【0038】
本出願の図1は、本発明に記載の精製プロセスの好ましい実施態様の工程を要約する。
【0039】
特定の実施態様によると、1回目の清澄化工程は、捕捉閾値が0.2と0.8μmとの間に含まれるフィルター、特に0.45μmのフィルター上での培養上清のろ過によって、及び、ろ液へのエンベロープウイルスの回収によって行なわれる。一実施態様によると、清澄化は、様々な捕捉閾値を有するフィルターがつながっているもの、例えば0.8、0.45、及び0.2μm、又はさもなければ0.65及び0.2μmのフィルターが連続しているものを用いて成し遂げられる。この清澄化工程の前に、培養上清の低速遠心分離工程を行なってもよい。この工程における遠心分離速度は、特に、500×gと1,000×gとの間に含まれ得る。
【0040】
特定の実施態様によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程は、特に、タンジェンシャルフローろ過によって成し遂げられる。この実施態様によると、タンジェンシャルフローろ過は、孔の排除サイズが300と800kDaとの間、特に500と750kDaとの間の、中空糸膜、又は平面膜、又はスパイラル型膜カセットを用いて行なわれ得る。別の実施態様によると、孔の排除サイズは、少なくとも300、400、500、600、又は700kDaであるか、又は800kDaである。好ましい実施態様によると、タンジェンシャルフローろ過のために使用される膜は、750kDaの孔の排除サイズによって特徴付けられる。特定の実施態様によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程の終了時に、エンベロープウイルス、特に清澄化工程のろ液中に存在するエンベロープウイルスは、可能な最小限の容量まで、例えば少なくとも5倍、少なくとも10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、又は60倍濃縮される。例えば、エンベロープウイルスは、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程の終了時に36.6倍又は50倍濃縮される。別の実施態様によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程は、混入物の積載量を70%超、80%超、85%超、90%超、又は95%超で減少させることを可能とする。特定の実施態様によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程は、以下のように行なわれる:1回目の濃縮、例えば、25倍の濃縮(特に、500mLの容量から20mLの容量となることによって)を行ない、続いて、ポリオール及び/又は1つ若しくはいくつかの抗酸化剤を含有している又は含有していない少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は更には少なくとも10倍容量の酸性緩衝液、例えば10倍容量の緩衝液を用いてのダイアフィルトレーションを行ない、次いでこの工程の後に、2回目の濃縮工程が、特に可能な最小限の容量となるまで、例えば50倍の濃縮を達成するために行なわれる。
【0041】
陰イオン交換クロマトグラフィー基材は、当技術分野において周知である。本発明はより詳細には、カラム上又は膜上に、より詳細にはカラム上に陰イオン交換クロマトグラフィーを適用する。好ましい実施態様は、低級陰イオン交換クロマトグラフィー(特にDEAE(D)−ジエチルアミノエチル、PI−ポリエチレンイミン)の適用を含む。したがって、DEAEカラムから選択された基材の使用を言及することができる。一例として、モノリスCIM D(BIAseparation)、PorosD50(Life Technologies)、サルトバインド(Sartorius)、トヨパール650C DEAE(Tosoh)の基材などを言及することができる。好ましい実施態様では、陰イオン交換クロマトグラフィーの基材は、圧縮性の基材よりも良好な収率が得られる可能性を与える、圧縮不可能な基材、例えばモノリスCIM D及びPorosD50基材である。陰イオン交換クロマトグラフィー中に使用される緩衝液のpHが6未満である場合、該緩衝液はポリオールを含有しているか又は含有していない。特に、この工程中におけるpH5.5の緩衝液の使用によって、ポリオールの添加を必要とすることなく、約100%の収率のGALVTRシュードタイプ化レンチウイルスベクターを得ることができたことが観察された。この優れた収率レベルは今日まで得られておらず、以前に考察された理由のために特に有利であるこのタイプのベクターの大規模使用を企画する可能性を与える。ポリオールの添加は、この収率に対してプラス又はマイナスな影響を全く示さなかったが、しかしその添加は、溶出されたベクターの安定化のために企画され得る。使用される緩衝液のpHが6以上、特に6と8との間に含まれる場合には、ポリオールの添加は精製収率を有意に向上させる。したがって、本発明によると、陰イオン交換クロマトグラフィー緩衝液のpHが約6と約8との間に含まれる場合、前記のpHのものはポリオールを含有している。
【0042】
一実施態様では、限界ろ過工程から、より詳細には限界ろ過/ダイアフィルトレーションから精製及びろ過された溶液を、まずポリオールを含有していてもよいpH6未満の平衡緩衝液を用いて平衡化させておいたクロマトグラフィー基材に堆積させる。平衡緩衝液及びローディング緩衝液は特に、0と250mMとの間に含まれるNaCl濃度を含有し得る。これらの緩衝液は、特に、pH5〜6(例えば、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0、特にpH5.5)、5%スクロース、2mM MgClを有するビス−トリス20mM緩衝液、又は、ポリオールを含有する、6以上、特に6と8との間に含まれるpH(6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9又は8.0に等しいpH)を有する平衡緩衝液、例えばpH7、5%スクロースを有するPBS緩衝液、又はpH8、5%スクロース、2mM MgClを有するビス−トリス−プロパンに対応する、化合物であり得る。緩衝液を適切な速度(例えば1カラム容量/分、又は4cm/分)で導入する。次いで、カラムを平衡緩衝液を用いて洗浄し、最後に溶出する。特定の実施態様によると、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムの溶出は、ポリオールを含むか又は含まない緩衝液を用いて、特に0.3M NaCl、20mMビス−トリス(pH5〜6、特に5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい、特にpH5.5)、5%スクロース、2mM MgClを有する緩衝液を用いて2工程で行なわれ、ベクターの溶出は、ポリオールを含むより大きなイオン力を有する緩衝液を用いて、特に650mM NaCl、20mMビス−トリス(pH6)、5%スクロース、2mM MgClを有する緩衝液を用いて行なわれる。それ故、本発明によるプロセスは有利には、従来使用される塩濃度と比較して、カラムからベクターを溶出するのに必要とされる塩の量の低減を可能とする。特定の実施態様によると、溶出は、450mMと1,000mMとの間に含まれるNaCl濃度を含む緩衝液を用いて行なわれる。この実施態様の一代替によると、溶出緩衝液は、450と800mMとの間のNaCl、2%と8%との間の、より詳細には5%のポリオール(特にスクロース)を含有し、該緩衝液は5.5と6との間のpHを有する(特に2mM MgClを含有していてもよいビス−トリス緩衝液)。
【0043】
別の実施態様によると、陰イオン交換クロマトグラフィー基材の溶出は、2段階で行なわれ、第一工程は、産物の混入物を除去するために、適用された事前溶出に相当する。1回目の溶出の緩衝液は、例えば、0と450mMとの間に含まれる濃度のNaClを含む(特に、緩衝液が、6以下、特に5と6との間に含まれるpH、より詳細には5.5又は6.0に等しいpHを有する場合には、0と350mMとの間;又は、緩衝液が7以上のpHを有する場合には、0と450mMとの間)。次いで、2回目の溶出は、クロマトグラフィー基材からウイルス(例えばウイルスベクター)を回収するために適用される。2回目の溶出緩衝液のpHが5と6との間に含まれ、より詳細にはpH5.5を有する場合、例えば、塩濃度は450と800mMとの間に含まれ得る。2回目の溶出緩衝液のpHが7以上である場合、塩濃度は600と1,000mMとの間に含まれ得る。
【0044】
陰イオン交換クロマトグラフィー基材のための1回の溶出工程を含む、特定の実施態様によると、以下の工程が適用される:
i)陰イオン交換クロマトグラフィー基材上に、限外ろ過工程の終了時に得られた溶液をローディング、該溶液は特に以下である:
−5.5と6との間に含まれるpHであり、かつ0と200mMとの間のNaCl濃度を含むか;
−又は、pH7であり、NaCl濃度が0と350mMとの間に含まれるか;のいずれか
ii)陰イオン交換クロマトグラフィー基材からウイルス、特にウイルスベクターを緩衝液を用いて溶出:
−又は、5.5と6との間のpHであり、かつ450と800mMとの間に含まれるNaCl濃度を含むか;
−又は、pH7であり、NaCl濃度が600と1,000mMとの間に含まれる。
【0045】
陰イオン交換クロマトグラフィー基材のための2つの溶出工程を含む、別の特定の実施態様によると、以下の工程が適用される:
i)陰イオン交換クロマトグラフィー基材上に、限外ろ過工程の終了時に得られた溶液をローディング、該溶液は加えられたNaClを全く含まない、
ii)陰イオン交換クロマトグラフィー基材の1回目の溶出(混入物を除去するために)、1回目の溶出緩衝液は、
−5.5と6との間に含まれるpHであり、0と350mMとの間のNaCl濃度を含むか;
−又は、pH7であり、NaCl濃度が0と450mMとの間に含まれるか;のいずれか
iii)陰イオン交換クロマトグラフィー基材の2回目の溶出(ウイルス、特にウイルスベクターを回収するために)、2回目の溶出緩衝液は:
−5.5と6との間に含まれるpHであり、かつ450と800mMとの間のNaCl濃度を含むか;
−又は、pH7であり、NaCl濃度が600と1,000mMとの間に含まれるか;のいずれか。
【0046】
画分の評価のために及び画分の選択のために続いて精製プロセスにかけられ、カラムには、出口に、UV280nm吸光度リーダー、伝導率計、プロッタ、及びフラクションコレクターの装備されたクロマトグラフが装備されていてもよい。
【0047】
排除クロマトグラフィー工程は優先的には、陰イオン交換クロマトグラフィー工程の直後に行なわれる。使用された排除樹脂は、300と1,000kDaとの間、特に500と800kDaとの間に含まれる排除サイズを有する。特定の実施態様によると、使用された排除クロマトグラフィーカラムは、500、700、又は800kDaの排除サイズによって規定される。更に、特定の実施態様では、この工程のために使用されるカラムは、マルチモード樹脂、特に、排除ゲル及び吸着ゲルの2つの機能(疎水性相互作用によって並びに基材の正電荷によって)を有する樹脂を含む。このようなものとして、カラムCapto Core700(GE HealthCare)を言及することができる。一実施態様では、クロマトグラフィーゲルは圧縮不可能な基材である。陰イオン交換クロマトグラフィーからのエンベロープウイルス又はベクターの試料をカラムにローディングし、次いで、製剤化用緩衝液を適切な速度で、例えば0.5mL/分の速度で注入する。回収しようとする画分を、280nmのUV吸光度リーダーを用いてカラムの出口で測定する。
【0048】
1つの態様によると、本発明は、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程、特にTFFを含む、エンベロープウイルスを精製するためのプロセスに関し、該工程は、ポリオールを含有している緩衝液を用いて行なわれる。本発明者らは、限外ろ過/ダイアフィルトレーション緩衝液中にポリオールを加えることによって、精製収率(実施例中の、以下の表2)を有意に増加させることができることを示し、これはこれまで報告されたことがなかった。この工程中に使用され得るポリオール及びその濃度を以下に明記する。限外ろ過工程中及びダイアフィルトレーション工程中に使用される緩衝液は、異なっていても同じでもよい。特定の実施態様では、限外ろ過工程は、pH約7を有する緩衝液(特に6.8と7.2との間に含まれるpH(例えば6.8、6.9、7.0、7.1又は7.2に等しい)、より詳細にはpH7の緩衝液)を用いて行なわれ、ダイアフィルトレーションは、6未満のpH、又は4.5と6.2との間(特に4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1又は6.2に等しい)に含まれるpHを揺する緩衝液、特に5と6との間に含まれるpH、より詳細には5.5と6との間に含まれるpHを有する緩衝液(特に5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9又は6.0に等しい)、より詳細には5.5又は6に等しいpHを有する緩衝液、特に5.5に等しいpHを有する緩衝液を用いて行なわれる。タンジェンシャルフローろ過は、中空糸膜、又は平面膜、又はスパイラル型膜カセットを用いて行なわれ得、その孔排除サイズは300と800kDaとの間、特に500と750kDaとの間に含まれる。別の実施態様によると、孔排除サイズは、少なくとも300、400、500、600、又は700kDa、又は800kDaである。好ましい実施態様によると、タンジェンシャルフローろ過のために使用される膜は、750kDaの孔排除サイズによって特徴付けられる。特定の実施態様によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程の終了時に、エンベロープウイルス、特に清澄化工程のろ液に存在するエンベロープウイルスは、可能な最小限の容量まで、例えば少なくとも5倍、少なくとも10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、又は60倍濃縮される。例えば、エンベロープウイルスは、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程の終了時に36.6倍又は50倍濃縮される。別の実施態様によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程は、混入物の積載量を70%超、80%超、85%超、90%超、又は95%超だけ減少させる。特定の実施態様によると、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程は、以下のように行なわれる:1回目の濃縮、例えば、25倍の濃縮(特に、500mLの容量から20mLの容量とすることによって)を行ない、次いで、ポリオール及び/又は1つ若しくはいくつかの抗酸化剤を含有しているか又は含有していない、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍又は更には少なくとも10倍の容量の酸性緩衝液を用いての、例えば10倍容量の緩衝液を用いてのダイアフィルトレーションを行ない、次いでこの工程の後に2回目の濃縮工程を、特に可能な最小限の容量になるまで行ない、例えば50倍の濃縮を成し遂げる。
【0049】
限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程の後に又は前に、陰イオン交換クロマトグラフィー工程を行ない得るか、又は、上記に詳述された条件に従って排除クロマトグラフィー工程を行ない得る。
【0050】
特定の実施態様によると、精製プロセスは、研究等級のエンベロープウイルスの産生のためである。この場合、陰イオン交換クロマトグラフィー工程は省略してもよい(よって、プロセスは、例えば、上記の工程(a)、(b)及び(d)を含む)。別の実施態様によると、プロセスは、臨床等級のウイルスを精製するためである。後者の場合、陰イオン交換クロマトグラフィー工程が好ましくは含まれる。更に、排除クロマトグラフィー工程の後に、特にろ過膜を用いて、特に0.22μm以下の捕捉閾値を有する膜を用いての、滅菌ろ過工程を行ない得る。
【0051】
本発明の内容において、「ポリオール」という用語は、少なくとも3〜6個のヒドロキシル基、特に8個のヒドロキシル基で置換された、3〜18個の炭素原子、特に3〜12個の炭素原子を含む、鎖状、環状、又は二環式炭素質分子を定義する。ポリオールは、例えば、アルドース又はケトース単糖、特にテトロース、ペントース、又はヘキソースであり得る。特に、以下の単糖ポリオールを言及することができる:エリトロース、トレオース、リボース、アラビノ―ス、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース。ポリオールは、本発明の実施に使用され得る、他のポリオールの非制限的なリストを形成する、以下の二糖又は三糖から選択され得る:セロビオース、ゲンチオビオース、イヌロビオース、イソマルトース、イソマルツロース、コージビオース、ラクトース、ラクツロース、ラミナリビオース、ロイクロース、マルトース、マルツロース、メリビオース、ニゲロース、ロビノース、ルチノース、スクロース、ソホロース、トレハロース、トレハルロース、ツラノース、エルロース、フコシルラクトース、ゲンチアノース、イヌロトリオース、1−ケストース、6−ケストース、マルトトリオース、マンノトリオース、メレジトース、ネオケストース、パノース、ラフィノース、ラムニノース(rhamninose)。特定の実施態様では、ポリオールは、ラフィノース、イソマルトトリオース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、グルコース、及びグリセロールから選択される。特定の実施態様では、ポリオールはスクロースである。
【0052】
ポリオール濃度は非常に変化し得、特に、この工程中に適用される様々な緩衝液のそれぞれに対して異なり得る。ポリオール濃度は、特に、1%と15%(w/v)との間、特に1.5%と10%との間、特に2%と8%との間、より詳細には2%と5%との間に含まれ得る。特定の実施態様では、陰イオン交換クロマトグラフィーの1つ又はいくつかの緩衝液中のポリオール濃度は5%(w/v)である。特定の実施態様では、精製プロセス中に使用される全ての緩衝液は、ポリオール、特にスクロースを特に5%(w/v)で含む。したがって、この実施態様によると、該プロセスは、TFF工程、陰イオン交換クロマトグラフィー工程、及び排除クロマトグラフィー工程を含み得、その工程中に使用される全ての緩衝液はポリオールを含む。別の実施態様では、TFF工程及び陰イオンクロマトグラフィーの緩衝液はポリオールを含むが、排除クロマトグラフィーカラムの平衡化及び溶出のために使用される緩衝液は、全くポリオールを含まず、これらの緩衝液は、組成が治療の目的及び完成品の投与法に大きく依存するであろう製剤化用緩衝液に相当する。
【0053】
別の実施態様では、本発明のプロセス中に使用される1つ又はいくつかの緩衝液、特に限外ろ過/ダイアフィルトレーション及び/又は陰イオン交換クロマトグラフィー中に使用される緩衝液は、マグネシウム塩、特に塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウムを含む。各々の緩衝液中のマグネシウム塩の濃度、特に塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウムの濃度は、各々の緩衝液とは独立して、0.1mMと5mMとの間、特に1と3mMとの間に含まれ得、特に2mMであり得る。
【0054】
別の実施態様では、本発明のプロセス中に使用される1つ又はいくつかの緩衝液は、フリーラジカルを失活させるために、L−His、L−Met、L−Cys、グルタチオン、又はビタミンCを含む。各々の緩衝液中のこれらの成分の濃度は、各々の緩衝液とは独立して、0.1mMと20mMとの間に含まれ得る。
【0055】
本発明に記載の精製プロセスはまた、試料(単数又は複数)をヌクレアーゼ、特にベンゾナーゼで処理する1つ又はいくつかの工程を含み得る。ヌクレアーゼは、各工程の前又は後に使用され得る。一実施態様では、ヌクレアーゼ、特にベンゾナーゼは、プラスミドトランスフェクション工程後に産生細胞の培養培地中に使用される。
【0056】
一実施態様によると、1つ又はいくつかの精製工程は、室温未満の温度で、特に2と12℃との間、より詳細には4℃と10℃との間に含まれる温度で行なわれる。特定の実施態様によると、1つ、いくつか、又は全ての精製工程は約4℃で行なわれる。
【0057】
一実施態様によると、本発明の方法に従って精製されたエンベロープウイルスは、エンベロープ組換えウイルスである。好ましくは、エンベロープウイルスは、シュードタイプ化組換えレトロウイルス、より詳細にはレンチウイルスであり、ここでのエンベロープタンパク質は、GaLVウイルスに由来するか(特に、レンチウイルスベクターのために改変されたGaLVTR糖タンパク質)、VSVウイルスに由来するか(特にVSV−Gエンベロープ)、又は麻疹ウイルスに由来する(MV)。特に好ましい一代替では、本発明の方法に従って精製されたエンベロープウイルスはシュードタイプ化組換えレトロウイルス、より詳細にはレンチウイルスであり、ここでのエンベロープタンパク質は、GaLVウイルスに由来する(特に、レンチウイルスベクターのために改変されたGaLVTR糖タンパク質)。
【実施例】
【0058】
本出願に報告された研究は、第7次欧州共同体フレームワーク計画(FP7/2007−2013)を介して222878番の下で助成金による恩典を受けた。
【0059】
材料及び方法
細胞:
HEK293T細胞株及びHCT116細胞株(結腸直腸癌細胞CCL−247;入手源:ATCC)を、2〜10%のウシ胎児血清(FCS)(Life Technologies)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(Gibco)(DMEM+グルタマックス)中で5%COの存在下で37℃で培養する。培養培地:塩酸(HCl37%、Sigma-Aldrich)の添加によってpH6.0で緩衝化し、次いで、Corning(登録商標)1,000mLのフィルター(0.22μmPES(ポリエーテルスルホン))を用いてろ過した、DMEM/FCS。
【0060】
ウイルスベクターの産生:
様々な糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されたHIV−1由来のウイルスベクターは、Merten et al.(2011)によって記載されているような4つのプラスミドによる、293T細胞におけるリン酸カルシウムを用いての一過性の四重トランスフェクションによって産生される。2×10個の293T細胞を、1,760cmのハイパーフラスコ(Corning)中のDMEM10%FCS 550mLに蒔いた(Kutner et al. 2009)。24時間後、培養培地を、トランスフェクション培地の中でDNA/CaCl/HBS複合体を合わせることによって、該トランスフェクション培地と交換する。4つのプラスミド:gagpol(pKLgagpol)136μg、rev(pKrev)52.25μg、トランスジェニックプラスミド(pCCL−eGFP)206.8μg、各シュードタイプに対して適切なエンベローププラスミド:LV−GaLV−TRを作製するためのGaLV−TR:pBA.GALV−TR/Ampho−Kana(テナガザル白血病ウイルス)223μg;LV−VSV−gを作製するためのVSV−GpMDG(水疱性口内炎ウイルス−g)68.13μg;LV−MVを作製するためのpFΔ30及びpHCMH2(麻疹ウイルスの改変されたエンベロープタンパク質)40μg及び14μg;十分量のHO 18mL及びTE0.1× 8.9mLを、CaCl(2.5M)3mLと混合し、次いでHBS2X 30mLを加え、複合体の形成を4分間待ち、混合物を培養培地に加える。16時間後、上清を、2%FCS 15Uベンゾナーゼ(Merck)及び2mM MgCl(Sigma-Aldrich)の新たな培地と交換する。トランスフェクションから48時間後に収集を行ない、酢酸セルロース(CA)1L(Corning)中の上清を0.45μmのフィルターでろ過する。
【0061】
レトロウイルスベクターMLV−GaLVはPG13細胞によって産生される。これらは、MLV−GaLVベクターを産生する細胞であり(Miller et al. 1991)、細胞を、2〜10%FCSを補充したダルベッコ改変イーグル培地(Gibco)(DMEM+グルタマックス)中で37℃で5%COで維持する。ベクターの収集は、培養培地を交換してから24時間後に行なう。次に、酢酸セルロース(Corning)中の産物の上清を、0.45μmのフィルターで清澄化する。
【0062】
タンジェンシャルフローろ過(TFF)によるウイルスベクターの濃縮
この工程は、産物の上清を濃縮し、次いでプロセスの継続のために培養培地を適切な緩衝液と交換することからなる。
【0063】
限外ろ過(UF)は、UFカセットの調製、及び0.5バールで20℃での標準水透過性能NWPの決定後に行なわれる。次いで、膜を、他のpHでの濃縮/ダイアフィルトレーションを行なうために(例えば、PBS、pH7.0、5%スクロース、2mM MgCl)、pH6.0、5%スクロース、2mM MgClのビス−トリス緩衝液、又は、他の緩衝液を用いて平衡化する。全プロセスは約4℃で行なわれ、濃縮しようとする産物のタンクをアイスボックスに入れる。
【0064】
原理:まず20mLの容量まで濃縮し、次いでイオン交換クロマトグラフィーにローディングするために10倍容量の緩衝液(この場合、10×20mL)を用いてのダイアフィルトレーションが行なわれる。これらの工程の後に、可能な最小限の容量(この場合では10mL)まで2回目の濃縮を行なう。
【0065】
Kros-Flow research II TFFシステム(Spectrum)を使用することによる、750kDa、410cm2の膜:「中空糸膜カートリッジ」(GE Healthcare、参照番号:UFP750-E3MA)。
【0066】
膜の完全性を確認した後、ベクターの濃縮は初期容量500mLの粗上清から始め、500mLから20mLまで膜によって濃縮する。
【0067】
濃縮された産物を、緩衝液A 200mL(濃縮液20mLを10回ダイアフィルトレーションすることを目的として)に対してダイアフィルトレーションする。これは、25倍の濃縮係数を示す。ダイアフィルトレート液の最終容量は10mLである。この場合、濃縮係数は50倍である。
【0068】
陰イオン交換クロマトグラフィー:
第一の手順では、陰イオン交換クロマトグラフィー工程を、TFFの下流で行なう。いくつかのクロマトグラフィー基材を試験する:一体型カラムCIMD DEAE、CIMD Q(BIAseparation, Villach, Austria)、カラム容量:1mL;サルトバインドD 75MA、容量:2.1mL(Sartorius Stedim Biotech);Poros PI、カラム容量:4mL;Poros D 50、カラム容量:4mL、Poros HQ、カラム容量:4mL(LifeTechnologies)、トヨパール650C DEAE、カラム容量:2mL(Tosoh)。
【0069】
試験しようとするカラムを、280UV吸光度リーダー、伝導率計、プロッタ(Chart recorder 1327, Bio-Rad)、及びフラクションコレクター(Model 2110, Bio-Rad)の装備されたBiologic-LPクロマトグラフ(Biorad)に接続する。
【0070】
5カラム容量(5CV)の緩衝液Aを2mL/分で用いてカラムを平衡化する。試料をカラムにローディングした後、カラムを、所望のpHに依存して、表Aに従って、5CVの適切な平衡緩衝液で洗浄する。次いで2工程の溶出を行なう:ベクターの溶出のための、0.3M NaCl、20mMビス−トリス、5%スクロース、2mM MgCl(pH6.0)及び次いで650mM NaCl、20mMビス−トリス、5%スクロース、2mM MgCl(pH6.0)。5%スクロース及びMgCl(2mM)の存在下(5%)並びに非存在下で適切な緩衝液(例えばビス−プロパン、PBS、L−Hisなどの緩衝液を含む)を使用することによって、3つの他のpHも試験する(pH5.5、7.0、及び8.0)。
【0071】
最後に、画分を、650mM NaClでベクターと共に溶出する混入している塩及びタンパク質を除去するためにゲルろ過カラム(排除クロマトグラフィー)に直ちにローディングする。
【0072】
第二の手順では、清澄化された産物の上清を、これらの条件下におけるクロマトグラフィーの収率を評価するために、事前の限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を全く行なうことなく、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムPorosDにローディングする。使用される平衡緩衝液のpHは5.5であり、5%スクロース及び2mM MgClを含有する。
【0073】
排除クロマトグラフィー:
これは、プロセスA及びBのための滅菌ろ過前の最終工程である(図1)。この工程は、使用されるゲル(例えば、750kDa、又はさもなくば500kDa)よりも小さなサイズを有する混入物を除去することからなる。Captocore700カラムをこの工程のために使用した。これは以下の2つの機能を有するゲルである:排除クロマトグラフィー及び吸着ゲルクロマトグラフィー。
【0074】
ローディングを開始する前に、カラムを1M NaOHを用いて衛生的にし、製剤化用緩衝液を用いて平衡化する。UF/DF産物(プロセスA)、又は陰イオン交換クロマトグラフィー(AXC)のクロマトグラフィーピークに対応する画分(プロセスB)を、カラムにローディングする。8mL(UF/DF、又はAXC画分)を、0.5mL/分の流速でローディングする。次に、製剤化用緩衝液を、0.5mL/分(5CVの製剤化用緩衝液)で注入する。画分はUVピークに対応し、収集し(約16mL)、次いで0.22μmのフィルター上でろ過する(滅菌ろ過)。試料を−80℃で保存する。
【0075】
ウイルスベクターの滴定:
レポーター遺伝子eGFPを有するベクターの形質導入単位(TU)でのウイルス力価を、HCT116細胞の形質導入によって分析する。形質導入から72時間後に、細胞を、以前に記載されているように(Pfeifer et al. 2009)、力価(TU/mL)を決定するためにFACSに通す。ウイルス粒子の物理的分析のために、キットELISAp24(PerkinElmer)を、業者の説明書に従ってレンチウイルスのキャプシドタンパク質p24を定量するのに使用した。
【0076】
臍帯血液細胞CD34+の形質導入:
CD34+細胞を、免疫磁気選択法(Miltenyi Biotec)によって臍帯血から単離する。CD34+細胞の培養及び形質導入は、記載のように(Charrier et al. 2011)成し遂げられる:まず細胞を、培地X−Vivo20(Lonza)中で一晩かけて予め刺激し、サイトカインを補充する。予め活性化された細胞を48ウェルプレートに蒔く(5×10個の細胞/100μl)。形質導入は、8μg/mLのベクトフシン(vectofusine)−1の存在下で精製されたベクター100μl(10のTU)を添加することによって成し遂げられる。6時間のインキュベート後、分化培地1mL(10%血清を、記載のように(Charrier et al. 2011)サイトカイン(hSCF、h−Il−3 h−Flt3 h−Il−6)の存在下で補充されたX−VIVO−20)を各ウェルに加え、5日後に、形質導入効率を、FACSによってGFPの発現を測定することによって評価する(FC500, BD Biosciences)。
【0077】
SDS−Pageウェスタンブロット:
レンチウイルスベクターを含有している培養試料又は精製された試料を、SDS−PAGE及びウェスタンブロットによって分析して、p24キャプシドタンパク質の存在を検出する。p24タンパク質の顕現を、LI−CORによって開発された方法に従って、Odyssey装置及びOdyssey2.1ソフトウェアパッケージを用いて行なう。使用される一次抗体は、HIVのp24キャプシドタンパク質の検出のための抗p24抗体(Santa-Cruz 番号SC−57823)である。抗体を、0.1%PBS1×−Tween+ブロッカーOdyssey(1:1)中1/200の希釈度で使用する。Li−CORの蛍光色素「Dey800」と結合させて使用される二次ヤギ抗体は、一次抗体に対して指向される。
【0078】
残留タンパク質及び特定の残留DNAの定量:
全タンパク質を、標準物質として血清アルブミンを用いてブラッドフォード法(Bio-Rad)によって定量する。試験は、業者の説明書に従って実施される。
【0079】
残留DNA:プラスミドを起源とする及び/又は宿主細胞から生じる残留DNAの定量は、定量PCRによって成し遂げられる。試料をプロテイナーゼK(Roche)で処理し、次いでDNAをシステム:MagNA Pure ADN及びウイルスNA小容量キット(MagNA Pure 96 Roche)を使用することによって抽出する。次いで、定量リアルタイムPCRをカナマイシンの遺伝子のための特異的プライマーを用いて行ない、プラスミドを起源とする残留DNAを検出する。宿主細胞に由来する残留DNAを検出するために、E1A遺伝子を標的化するプライマーを使用する。絶対的な定量は、定量PCRによって増幅された領域を含有し、かつコピー数が公知である、基準プラスミドと比較して行なわれる。
【0080】
【表1】
【0081】
結果
本発明は、精製されたウイルス粒子の良好な収率及び良好な品質を確保しつつ、GaLV−TR、VSV−G、麻疹ウイルスなどの様々なエンベロープ糖タンパク質を有する、一過性トランスフェクションによって又は安定でシュードタイプ化された産生細胞を用いて産生された、HIV−1に由来するか又は他のレトロウイルスに由来するレンチウイルスベクター、及びPG13などの安定な細胞から産生されたγ−レトロウイルスベクターGaLVのための新規精製プロトコールの開発及び確立に関する。この開発は、本質的にであって排他的ではないが、以下の3つの精製技術に基づく:TFF(タンジェンシャルフローろ過)、陰イオン交換クロマトグラフィー、及び排除クロマトグラフィー。様々な組合せを図1に示す。
【0082】
細胞の培養及び清澄化:
これらの工程は、定期的に培地が交換され、レンチウイルスベクターの産生を誘導するために3個又は4個のプラスミド(レンチウイルスの「ヘルパー」機能及び組換えベクターの配列を与える)でトランスフェクトされなければならないHEK293又はHEK293Tなどの細胞を用いての連続培養における、レトロウイルスベクターの安定かつ持続的な産生によって特徴付けられる、PG13などの安定な細胞を使用することによる、レトロウイルス及びレンチウイルスベクターの産生からなる。一過性産生は時間が限られ、トランスフェクションから数日後における1回又は数回の収集が可能である。力価は一般的に、ベクターの構成(配列)に依存するがエンベロープタンパク質にも依存する。以下の力価は、これらの産生系を用いて得ることができる(表1)。
【0083】
【表2】
【0084】
あらゆる更に他の処理の前に、産物の上清中に存在する細胞片及び凝集物を除去することが可能である。従来的には、0.45μmのフィルター(酢酸セルロース)を使用する。この工程の収率は80±5%である。しかしながら、当業者は、類似の挙動及び収率によって特徴付けられる、他の膜又は連続した膜を使用してもよい。
【0085】
タンジェンシャルフローろ過:
タンジェンシャルフローろ過は、限外ろ過及びダイアフィルトレーション(UF/DF)の2つの連続した工程を含む。これらの両方の工程は、サイズが、使用される膜の孔の排除サイズよりも小さい大部分の混入物を除去する可能性を与える。このUF/DF工程はまた、ウイルス粒子を濃縮し、精製しようとする産物の容量を減少させる可能性を与える。750kDaの孔の排除サイズを有する110cmの膜(GE HealthCare)を使用した。UFを開始するために、様々な濃度のスクロース(特に5%スクロース(重量/容量))、及び様々な濃度のMgCl(特に2mM MgCl(最終濃度))を、清澄化した産物に加える。次に、UF濃縮工程を、流速80mL/分、7プサイグで行なう。TFFタンクをアイスボックスに入れ、UF/DF中の低温を確保する。ダイアフィルトレーション工程は、UF中に500mLから20mLへと容量を減少させた後に開始する。DFのために、200mL(濃縮産物の10倍容量)のダイアフィルトレーション緩衝液:PBS、5%スクロース、2mM MgClを使用する。この工程の終了時に、20mLのUF/DF産物を50mLのCorningチューブに回収する。緩衝液の選択は、調製物の用途又は濃縮/ダイアフィルトレーション後の工程の最適条件に依存する(例えば、この場合、他の緩衝液、例えばビス−トリス(pH6.0)、5%スクロース、2mM MgClを使用し得る)(表A参照)。試料を、Fenard et al.(2013)によって記載されているようなHCT116細胞上で滴定する。
【0086】
濃縮/ダイアフィルトレーション条件の最適化のための研究:
1.レンチウイルス粒子は、80〜120nmの範囲の直径を有し、このことは濃縮/ダイアフィルトレーションのために使用され得る膜の孔サイズは、最大で約50nm(又は750kDa)までの範囲であり得ることを意味する。本発明の範囲内において、500kDa及び750kDaのカットオフサイズを評価した。収率(TU)は以下であった:750kDaの膜については64%の収率(TU)に対して、500kDaの膜については34%の収率(TU)。
【0087】
図2は、500kDa及び750kDaのカットオフ値を有する膜を使用することによるタンジェンシャルろ過後のベクターの調製物についての電気泳動ゲル(SDS−PAGE及びウェスタンブロット)を示す。750kDaの膜を使用した時に得られたより高い収率に加えて、750kDaのカットオフ値(図2、第2列、第3列)は、混入しているタンパク質の除去に関して、500kDaの膜(図2、第5列、第6列)の使用と比較してプラスの効果を有することは明らかである。更に、750kDaの膜を用いて作製された濃縮液は、粗上清で観察されたよりもはるかに弱いタンパク質バンドを含有している。
【0088】
2.タンジェンシャルろ過工程は、レトロウイルス/レンチウイルス粒子の失活をもたらすずり磁場の発生によって特徴付けられるので、これらのベクターの機能を維持するためにこの工程を最適化することが必要であった。タンジェンシャルろ過の有害条件からレンチウイルスベクターを保護するために、様々な濃度のポリオールの添加が評価された。
【0089】
【表3】
【0090】
これらの結果は明らかに、スクロース及びMgClの存在下でLV−GaLV−TRベクターを含有している上清の濃縮/ダイアフィルトレーションを行なう利点を示す。最善の収率は、2%〜5%の濃度のスクロースで得られる(表2)。
【0091】
更に、中程度のスクロース濃度の使用は、濃縮しようとする試料がより粘性が低いという利点を有する。なぜなら、高いスクロース濃度(10%〜15%)は粘度の増加をもたらすからである。
【0092】
3.機能的ベクターのタンジェンシャルろ過及び収率に対する、pH及びその影響の評価
本出願人によって提出された出願FR1358909において、様々なエンベロープタンパク質を用いてシュードタイプ化されたエンベロープベクターの産生が、pH6.0の使用時に増加する(2倍まで)ことが示された。タンジェンシャルろ過の効率に対する、レンチウイルスベクターを含有している上清のpHの選択の影響を評価することを決断した。この脈絡において、2つの異なるpHを、GaLV−TFシュードタイプ化レンチウイルスベクターの濃縮/ダイアフィルトレーション中に評価した(pH6及びpH7)(表3)。7.0から6.0へのpHの低減により、収率は約10%低減した(73.6%から64%に)。しかしながら、この収率は依然として許容されるものであり、それ故、酸性pHでの濃縮/ダイアフィルトレーションを想定することが可能である。
【0093】
【表4】
【0094】
4.GaLV−TRレンチウイルスベクターの濃縮/ダイアフィルトレーションのための最善条件の同定
GaLV−TRレンチウイルスに関して、最善の濃縮/ダイアフィルトレーション(タンジェンシャルろ過)条件は以下であった:LV−GaLV−TRベクター(1L)を、5%スクロース及び2mM MgClの存在下で0.45μmの酢酸セルロース膜を通して清澄化し、続いてTFF工程(カートリッジ750kDa、410cm)を行ない、容量を低減させて20mL(50倍)に達する。次いでダイアフィルトレーション工程を、容量200mLの適切な緩衝液(例えば、ビス−トリス20mM pH6.0、5%スクロース、及び2mM MgCl、又はPBS pH7.0、5%スクロース及び2mM MgCl)に対して行なう。
【0095】
LV−GaLV−TRベクターのためのこの工程の収率は、550mLの初期容量の粗生成物に対して86%±5%である。濃縮生成物の容量は15mLであり、濃縮係数は36.6倍であり、混入物の除去は90%超を達成した。
【0096】
5.様々なエンベロープタンパク質を用いてシュードタイプ化された他のレトロウイルス及びレンチウイルスベクターの濃縮/ダイアフィルトレーションのために確立されたタンジェンシャルろ過条件の評価
科学文献において、レトロウイルス及びレンチウイルスベクターの指向性を研究及び改良するために、様々なエンベロープタンパク質が評価された。この脈絡において、GaLV−TRレンチウイルスベクターの濃縮/ダイアフィルトレーションのために確立された条件を、様々なエンベロープタンパク質を用いてシュードタイプ化されたレトロウイルス及びレンチウイルスベクターの濃縮/ダイアフィルトレーションについて評価した(表4)。GaLV−TRシュードタイプ化レンチウイルスベクターを用いて得られた結果が基準として示されている。
【0097】
【表5】
【0098】
表4で提示された結果は、様々なエンベロープタンパク質を用いてシュードタイプ化されたレトロウイルス又はレンチウイルスベクターを、pH7.0でスクロース及びMgClの存在下において濃縮し得、これにより、LV−GaLV−TRについては約74%から、VSVgについては約100%までの範囲の収率が得られることを示す。pH6.0の使用に関しては、VSVgを用いてシュードタイプ化されたベクターについては全く差異が観察されなかった。
【0099】
GaLV−TRシュードタイプ化レンチウイルスベクターに関して、これらのベクターは、タンジェンシャルろ過中にpH7.0においてより安定であることが判明する。濃縮/ダイアフィルトレーション収率は90%超であったが、GaLV−TRレンチウイルスベクターについての収率は約74%であった。
【0100】
陰イオン交換クロマトグラフィー:
タンジェンシャルフローろ過による濃縮/ダイアフィルトレーション工程は、タンパク質及びDNAの積載量をかなり低減させ(上記参照)、このことはクロマトグラフィーのリガンドへの接近に関して精製しようとするベクターの競合物質であり得る混入物のかなりの割合が低減されることを意味する。原則的に、その後の用途に応じて、精製を検討する際に2つの異なる方法を想像することが可能である。それらは図1に示されている:1回の排除クロマトグラフィー工程を適用する単純化されたプロセス(図1のA)、及び臨床使用のためのレンチウイルスベクターを調製するための追加の陰イオン交換クロマトグラフィー工程を適用するより精巧なプロセス(図1のB)。
【0101】
様々なクロマトグラフィーの可能性が続いて展開されている:
TFF UF/DF工程後に、混入物を低減させ、ウイルス粒子を良好に分離するために、陰イオン交換クロマトグラフィー工程を追加する。この技術は、pH及び塩濃度に応じて、その等電点に従って生体分子の分離を可能とする。それ故、所与のpH値において、捕捉された生体分子を脱離するために特定の塩濃度(しばしばNaCl)が必要とされ、この濃度は、生体分子とリガンドとの間の相互作用力に従って選択されなければならない:この相互作用が大きいほど、塩濃度(塩分)は高くなければならない。更に、クロマトグラフィー緩衝液のpHが、精製しようとする生体分子種の等電点に近いほど、クロマトグラフィーリガンドから生体分子を脱離するために必要とされる塩は少ない。しかしながら、レトロウイルス及びレンチウイルスベクターは、塩濃度に依存してその感染力を急速に失うことが知られている(Segura et al. 2006によって概説されている)。それ故、第一段階で、様々なNaCl濃度に対するレンチウイルスベクターの安定性を評価した。
【0102】
1.GaLV−TRレンチウイルスベクターの安定性に対する塩分の影響:
上記に示されているように、クロマトグラフィーカラムによって捕捉された生体分子の溶出はしばしば、塩勾配(NaClを含有している緩衝液)を用いて又は塩濃度(NaCl)を増加させる工程を用いて成し遂げられる。それ故、NaCl濃度の影響を評価するために、TFF後のレンチウイルスベクターのインキュベーション試験を、50mMから1,500mMの範囲の様々なNaCl濃度で室温で4時間かけて行なった。図3は、NaCl濃度による室温でのレンチウイルスベクターの感染力を、全くNaClを加えない条件又はNaClを加えずに4℃でインキュベートされた同じベクター調製物と比較して示す。この試験は明らかに、50mMと1Mとの間に含まれるNaCl濃度が、GaLV−TRレンチウイルスベクターの安定性に対してやや有害な作用を及ぼし、感染力は29.52%(50mM NaCl)から43.86%(1M NaCl)(4℃で保存された調製物に対する比率)の範囲で低下することを示す。他方で、1.5M NaClの濃度は、ベクターの調製物を室温で4時間保存した場合には63.8%の感染力の低下をもたらす。NaClを加えずに20℃(室温)で4時間保存しても、4℃での保存と比較して、ベクターの感染力は約23%とある程度減少することを注記すべきである。
【0103】
これらの結果は、最大の感染力を維持するために、可能な最も低い塩分を用いて、それ故、理想的には1M未満のNaClを用いて、クロマトグラフィー基材のGaLV−TRレンチウイルスベクターを溶出することが不可欠であることを意味する。更に、また、低温(理想的には4℃〜10℃)で精製全体(全工程)を行なうことが好ましい。
【0104】
2.様々な陰イオン交換クロマトグラフィー基材(AEX)の評価:
本発明者らは、低級陰イオン交換クロマトグラフィー基材(DEAD(D))を使用して、特にクロマトグラフィーカラムから該ベクターを脱離させるために必要とされる塩濃度を減少させようと試みることによって、このタイプの基材によるベクターの失活を制限することが可能であるかどうかを決定した。PG13細胞(MLV−GaLV)の培養物から濃縮された上清を使用した予備試験においては、DEAE(東ソーTSKゲルDEAE 5PW)に基づいたクロマトグラフィー基材の使用により、収率が僅か16%であった(溶出中に失活を引き起こす強力すぎる相互作用に因る)強力な交換体(GE HealthCareのQセファロースFF)の使用中よりも高い約71%という感染性ベクターの収率をもたらすことを示すことが可能であった。この例では、レトロウイルスベクターの脱離のために必要とされる塩濃度は、それぞれ655mM及び915mMであった。これらの結果に基づいて、低級陰イオン交換体が、展開の継続のために選択された:いくつかのクロマトグラフィー基材を評価した:モノリスCIM D(DEAE)、PorosD50(Life Technologies)、サルトバインド(Sartorius)(Bandeira et al. 2012)、トヨパール650C DEAE(Merten et al. 2011)。
【0105】
予備試験として、GaLV−TRレンチウイルスベクターの精製を目的として、3つの基材をpH5.5又は6.0及び7.0において評価した。pH5.5又は6.0及び7.0で試験された全ての基材について、低いpHの選択(5.5又は6.0)が、感染性ベクターの収率の点で有益であった:CIM D DEAE基材に関しては、収率は、クロマトグラフィーに使用される緩衝液のpHを7.0から6.0へと減少させる間に23%(pH7.0)から64%(pH6.0)まで増加した(図4)。類似した結果が、サルトバインド75D(5.8%から15.6%まで収率が増加)及びPorosDの基材(32%(pH7.0)から80.2%(pH6.0)及び約100%(pH5.5)まで収率が増加)、並びにトヨパール650Cゲル(23%(pH7.0)から89%(pH5.5)まで収率が増加)について観察された(図4)。更に、基材からベクターを脱離するために、溶出緩衝液の塩分は、pH6.0でのクロマトグラフィー中により低くあることが可能であった(それ故、レンチウイルスベクターにとってはより穏やかである)。pH6.0で使用されるPorosD基材に関しては、ベクターの溶出は650mM NaClで達成される(以下参照)。全体的な効率の点では、「現代的な」基材(より最近になって開発され、クロマトグラフィー中により少ないずり応力(本質的には他の基材よりも大きな多孔度に起因する)を発生し、モノリスCIM D DEAE又はPorosDのような、緩衝液の流速の変更中における基材の非圧縮性によって特徴付けられる)は、膜(サルトバインド75D)を有する基材又は圧縮性ゲル(トヨパール650C)に基づいた基材の収率よりも高い収率を示した。
【0106】
最後に、最近の基材で選択が行なわれた。なぜなら、ベクターを分離し回収するその効率が、より従来の基材と比較してより高かったからであった。それ故、これらのどちらの支持体もより広く評価され、レンチウイルスベクターを精製するためにその使用が最適化された。CIM D DEAE及びPorosDのどちらの支持体も、60%を超える興味深い収率を有する。溶出は、650mM NaCl、ビス−トリス、5%スクロース、2mM MgCl、pH6.0で行なわれる。溶出緩衝液(PBS)のpHを7.0まで上昇させることにより、7%未満の数値まで収率の低下が引き起こされるが、PBSに5%スクロースを添加することにより、約7%から40%への有意な増加が引き起こされる。しかしながらこの場合、1Mを超えるNaCl濃度を使用することが必要である。実際に、pH7.0ではベクターを溶出するために(追加のスクロースを含まない緩衝液)、約1.5MのNaClがPBS中に必要であることが観察され、これがおそらく低収率の原因である。ウイルス粒子の安定性に対する塩濃度のマイナス効果が知られている(Segura et al. 2005)。
【0107】
3.PorosD基材を使用することによるクロマトグラフィーの効率に対する様々なpH値の評価:
pHを、5%スクロースの存在下及び非存在下において5.5〜8.0の範囲内で変化させた。5%スクロースの存在は、pHが5.5を超える場合には陰イオン交換クロマトグラフィー工程中の収率にプラスの効果を及ぼす(例:PorosD)(表5)。収率に対するスクロースの存在のプラスの効果は、pH5.5ではもはや観察されない。他方で、スクロースの存在は、pH8.0においては、約58%の感染性ベクターの回収のために不可欠である。6.0から7.0の範囲のpHの使用中に、収率は52〜65%であり、最善の収率(約100%)はpH5.5で得られる。
【0108】
一般的に、5%スクロースの存在は、レンチウイルスベクターの溶出を開始するのに必要とされる塩分の減少と、必要とされるNaCl濃度の約25mMの減少をもたらす。
【0109】
【表6】
【0110】
4.第一工程として陰イオン交換クロマトグラフィーを含む代替的な手順の評価:
本発明者らは、清澄化工程の直後に陰イオン交換クロマトグラフィー工程を適用した時に得られた収率を評価した。これらの条件下で観察された収率は、限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程を、清澄化と陰イオン交換クロマトグラフィーとの間に適用した場合よりも低い。それ故、後者の手順が、その後の精製のために選択された。
【0111】
排除クロマトグラフィー:
排除クロマトグラフィーは、その分子サイズに従って生体分子を分離するために選択された方法であり、これにより、粒子を混入物から分離することが可能となる。
【0112】
ろ過用ゲルCapto Core700(GE HealthCare)を使用したが、他の基材も考えられ得る。この工程は、前の工程の緩衝液を所望の製剤化用緩衝液で置換し、750kDa未満のサイズの混入分子を除去し、ローディングしようとする試料の希釈を回避することを可能とする。このクロマトグラフィー工程は、タンジェンシャルフローろ過後に(濃縮/ダイアフィルトレーション−プロセスA)又は陰イオン交換クロマトグラフィー工程後に(プロセスB)直接使用され得る(図1)。レンチウイルスベクターを含有しているタンジェンシャルフローろ過からの試料又は陰イオン交換クロマトグラフィー画分からの試料を、排除クロマトグラフィーカラムにローディングする。どちらの場合においても、この工程の収率は、その後の使用のために保持された画分に応じて86%±4である。
【0113】
図5は、ゲル(Capto Core700)ろ過によるレンチウイルスベクター(タンジェンシャルフローろ過によって濃縮及びダイアフィルトレーションにかけられた)の精製を示す。ベクターの溶出ピークは、緩衝液の前の通路に見られ、画分4〜9でカラムから出て、これはカラムに最初にローディングされたベクターの量の約70%を網羅する(図5a)。図5B及び5Cは、電気泳動(ウェスタンブロット、SDS−PAGE)による各画分の分析を示し、これは明らかに混入しているバンドがないこと(図5c)及びレンチウイルスベクターのキャプシドタンパク質p24に相当する24〜25kDaにおけるバンドの存在を示す。
【0114】
収率及び純度:
最も重要なパラメーターは、全収率、並びに、混入タンパク質及び混入DNAの積載量の低減時のレンチウイルスベクター調製物の純度に関する。
【0115】
臨床使用のためのレンチウイルスベクターの精製を目的とした手順B(TFF、陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX)及び排除クロマトグラフィー(SEC)を含む)に関して(図1)、収率は約50%であり、この手順は混入タンパク質の99.9%除去及び混入DNAの99.9%除去を可能とする。
【0116】
研究に使用するためのレンチウイルスベクターの精製を目的とした手順A(TFF及び排除クロマトグラフィー(SEC)を含む)(図1)はより単純である。なぜなら、それは陰イオン交換クロマトグラフィー工程を含まないからである。全収率は、精製工程数の減少のためにより高く、60.2%を達成し、この単純化された手順の残留DNA混入物の除去は96.17%の次元であり、混入タンパク質の99.63%の減少が観察される。
【0117】
標的細胞の形質導入の実践例:
CD34+細胞の形質導入:
精製ベクターの品質を決定するために、臍帯血細胞CD34+を形質導入する。細胞を、サイトカインで予め刺激した18時間後に解凍する。形質導入を6時間かけて行なう。次に、細胞を、5日間、分化培地に入れる。次いで細胞を、GFPの発現率を測定するために、FACS FC500(BD Biosciences)に通過させる。以下の結果が典型的には得られる(図6):レンチウイルスベクター(GaLV−TR)の濃縮/ダイアフィルトレーションによる精製により、CD34+細胞の形質導入効率(GFPを発現している細胞の比率として表現される)は、粗上清の使用時の9%から、濃縮/ダイアフィルトレーションにかけられたLVベクターの調製物の使用時の70%まで増加する。
【0118】
麻疹ウイルスの改変されたエンベロープを用いてシュードタイプ化されたレンチウイルスベクターの精製
麻疹ウイルスのエンベロープの改変された糖タンパク質を用いてシュードタイプ化(MVシュードタイプ化)されたレンチウイルスベクターの精製プロセスをここに記載する。上記に示された手順に従って産生されたLV−MV−CMHII(CMHII=抗CMHII抗体)レンチウイルスベクターを、以下の工程に従って精製する:
【0119】
1)TFF工程を用いての濃縮/ダイアフィルトレーション
−使用する膜:1リットルの産物の精製のための、GE 番号UFP−750−E−3MA 110cm2
−ダイアフィルトレーション緩衝液:PBS((pH7.0)、2mM MgCl、5%スクロース)
−容量の低減:500mL/1,000mLから20mLへ、緩衝液をダイアフィルトレーション緩衝液と交換する。
感染性ベクターの収率:64〜70%
【0120】
2)排除クロマトグラフィー(ゲルろ過):
−使用するカラム:CaptoCore700 4.7mL
−製剤化用緩衝液:PBS、5%スクロース、2mm MgCl、又はさもなくば5%スクロース及び2mM MgClを含有しているX−vivo又はHANKS
−10CVの製剤用緩衝液を用いてのカラムの平衡化
−TFFからの濃縮液を、0.5mL/分の速度でCaptoCore700カラムにローディング
−20CVの製剤化用緩衝液を用いてのカラムの洗浄
−ODピークに対応する試料の収集(50倍で容量21mL)
感染性ベクターの収率:90%超(TU)
【0121】
この精製の全収率は、感染性ベクター60〜63%であり、これは、精製についての、それ故、改変されたMV糖タンパク質を用いてシュードタイプ化されたレンチウイルスベクターの利用についての大きな進歩を示す。
【0122】
参考文献
【表7】
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6