【文献】
JOURNAL OF THE INDIAN CHEMICAL SOC,1990年 9月,VOL:67, NR:9,PAGE(S):759 - 763
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
代謝疾患が、II型糖尿病、肥満、脂質異常症、例えば混合型または糖尿病性の脂質異常症、高コレステロール血症、低HDLコレステロール、高LDLコレステロール、高脂血症、高トリグリセリド血症、低血糖症、高血糖症、耐糖能異常、インスリン耐性、高インスリン血症、高血圧、高リポタンパク血症、メタボリックシンドローム、シンドロームX、血栓疾患、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症および狭心症、跛行、心臓発作、脳卒中などを含むその後遺症、腎臓病、ケトアシドーシス、腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、非アルコール性脂肪性肝疾患、例えば、脂肪症または非アルコール性脂肪肝炎(NASH)からなる群より選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
胃腸疾患が、炎症性大腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)、腸管損傷疾患、腸管バリア機能障害を含む疾患、及びハイパーモートルネミア(hypermotilenemia)または胃腸の運動過剰によって特徴づけられる胃腸疾患からなる群より選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
【背景技術】
【0002】
真性糖尿病としても既知の2型糖尿病(T2D)は、深刻さを増している健康問題である。近年の目算では、2000年には糖尿病を患う人が世界に1億7千1百万人おり、これが2030年までに3億6千6百万人に増大すると予測されている(Wild S, Roglic G, Green A, Sicree R, King H. Global Prevalence of Diabetes: Estimates for the year 2000 and projections for 2030. Diabetes Care. 2004, 27, 1047-1053)。過去20年間に開発された2型糖尿病のための古典的な治療は、2種類の経口血糖降下薬:インスリン分泌を刺激するスルホニル尿素及び、広範な効果を有するが、主に肝臓のインスリン耐性に作用するビグアニドに基づく。その後、グルコースの腸管吸収を低減するアルファグルコシダーゼ阻害剤(すなわちアカルボース)が開発された。チアゾリジンジオン(TZD)と呼称される新たなカテゴリーの分子が登場している。これらは、核内受容体ペルオキシソーム増殖剤応答性ガンマ受容体(PPARγ)の結合及び活性化により作用する。より最近では、腸によって分泌されるホルモンが血中グルコース恒常性の維持に役割を果たすとの認識が、いくつかの新規な薬剤群:インクレチンの類似体として作用するグルカゴン様ペプチド(GLP-1)、あるいはその半減期を安定化することでその分解酵素の阻害剤として作用するジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV阻害剤)の出現をもたらしている。GLP-1は、食後に起こるインスリン分泌の増大を引き起こすインクレチンホルモンであるが、胃運動の低減及び食欲抑制を含む広範な付加的作用を有することも知られており、このことは、生体内でのグルコース代謝に間接的に影響する(Drucker, D. J.; Sherman, S. I.; Bergenstal, R. M.; Buse, J. B., The safety of incretin-based therapies--review of the scientific evidence. J Clin Endocrinol Metab 2011, 96, 2027-2031. Baggio, L. L.; Drucker, D. J., Biology of Incretins: GLP-1 and GIP. Gastroenterology 2007, 132, 2131-2157)。これらの新たなインクレチンベースの医薬は、極めて好ましい副作用プロファイルおよび体重に対する中立的効果と関連する、非常に良好な有効性を備えるという利点を有する(Cefalu, W. T., Evolving treatment strategies for the management of type 2 diabetes. Am J Med Sci 2012, 343, 21-6. Gallwitz, B., Glucagon-like peptide-1 analogues for Type 2 diabetes mellitus: current and emerging agents. Drugs 2011, 71, 1675-88)。
【0003】
様々な血糖降下薬の使用にもかかわらず、現在の治療は、しばしば十分な血清グルコースの低下を達成できず、且つ/または多くの場合に低血糖発作、胃腸障害、体重増加、および経時的な有効性の喪失を含む欠陥を伴う(El-Kaissi, S.; Sherbeeni, S., Pharmacological management of type 2 diabetes mellitus: an update. Curr Diabetes Rev 2011, 7, 392-405)。
【0004】
これに関連して、胆汁酸受容体TGR5は、新進の且つ有望な治療標的と見なされている(Chen X Fau - Lou, G.; Lou G Fau - Meng, Z.; Meng Z Fau - Huang, W.; Huang, W., TGR5: A Novel Target for Weight Maintenance and Glucose Metabolism. Exp Diabetes Res. 2011, 2011: 853501. Pols Tw Fau - Noriega, L. G.; Noriega Lg Fau - Nomura, M.; Nomura M Fau - Auwerx, J.; Auwerx J Fau - Schoonjans, K.; Schoonjans, K., The bile acid membrane receptor TGR5: a valuable metabolic target. Dig. Dis. 2011, 29, 37-44. Porez, G.; Prawitt, J.; Gross, B.; Staels, B. J. Lipid Res. 2012, 53, 1723- 1737)。TGR5(Gpbar1またはM-BARとも呼称)(Maruyama, T.; Miyamoto, Y.; Nakamura, T.; Tamai, Y.; Okada, H.; Sugiyama, E.; Nakamura, T.; Itadani, H.; Tanaka, K., Identification of membrane-type receptor for bile acids (M-BAR). Biochem. Biophys. Res. Commun 2002, 298, 714-719. Kawamata, Y.; Fujii, R.; Hosoya, M.; Harada, M.; Yoshida, H.; Miwa, M.; Fukusumi, S.; Habata, Y.; Itoh, T.; Shintani, Y.; Hinuma, S.; Fujisawa, Y.; Fujino, M., A G Protein-coupled Receptor Responsive to Bile Acids. J. Biol. Chem. 2003, 278, 9435-9440)は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)ファミリーのメンバーである。 TGR5は、通常は胆汁酸の標的として知られていないものを含む、ヒトの組織において広く発現される。特に、TGR5は、脂肪組織、筋肉、および腸内分泌細胞において高度に発現される。一連の証拠が、エネルギー恒常性におけるTGR5の役割を支持する。実際、マウスへの胆汁酸の投与は、褐色脂肪組織におけるエネルギー消費を増加させ、食餌誘導肥満およびインスリン耐性を防止した。この効果は、不活性チロキシン(T4)を活性3,5,5'-トリヨードチロニン(T3)に変換する、2型ヨードチロニンデオダーゼ(D2)酵素のcAMP依存性細胞内誘導に起因すると見なされた。この経路によって、胆汁酸は、褐色脂肪組織および骨格筋におけるミトコンドリア機能の活性化を通じて、部分的にエネルギー消費を増加させ、よって肥満およびインスリン耐性を防止する(Watanabe, M.; Houten, S. M.; Mataki, C; Christoffolete, M. A.; Kim, B. W.; Sato, H.; Messaddeq, N.; Harney, J. W.; Ezaki, O.; Kodama, T.; Schoonjans, K.; Bianco, A. C; Auwerx, J., Bile acids induce energy expenditure by promoting intracellular thyroid hormone activation. Nature 2006, 439, (7075), 484-489)。エネルギー恒常性におけるTGR5の役割と一致して、雌性TGR5欠損マウスは、飼料栄養条件下において肥満ではないものの、高脂肪食餌を与えた場合には、野生型マウスと比較して体重増加を伴う有意な脂肪蓄積を示した(Maruyama, T.; Tanaka, K.; Suzuki, J.; Miyoshi, H.; Harada, N.; Nakamura, T.; Miyamoto, Y.; Kanatani, A.; Tamai, Y., Targeted disruption of G protein-coupled bile acid receptor 1 (Gpbarl/M- Bar) in mice. Journal of Endocrinology 2006, 191, 197-205)。さらに、TGR5に結合してこれを活性化するオリーブ油の成分であるオレアノール酸が、高脂肪食を与えられたマウスにおいてグルコースおよびインスリンレベルを低下させ、耐糖性を高めることが示された(Sato, H.; Genet, C; Strehle, A.; Thomas, C; Lobstein, A.; Wagner, A.; Mioskowski, C; Auwerx, J.; Saladin, R., Anti-hyperglycemic activity of a TGR5 agonist isolated from Olea europaea. Biochem. Biophys. Res. Commun 2007, 362, 793-798)。非常に興味深いことに、TGR5活性に影響を及ぼす化合物及び胆汁酸が、腸内分泌腸細胞からのGLP-1分泌を増加させることが示されている(Katsuma, S.; Hirasawa, A.; Tsujimoto, G. Bile acids promote glucagon-like peptide- 1 secretion through TGR5 in a murine enteroendocrine cell line STC- 1 Biochem. Biophys. Res. Commun. 2005, 329, 386-390)。より最近では、生体内における薬理学的並びに遺伝子的な機能獲得および機能喪失の研究の組み合わせを用いて、Thomasら(Thomas, C; Gioiello, A.; Noriega, L.; Strehle, A.; Oury, J.; Rizzo, G.; Macchiarulo, A.; Yamamoto, H.; Mataki, C; Pruzanski, M.; Pellicciari, R.; Auwerx, J.; Schoonjans, K., TGR5-mediated bile acid sensing controls glucose homeostasis. Cell Metab 2009, 10, 167- 177)により、TGR5シグナル伝達が生体内でもGLP-1放出を誘導し、肥満マウスにおいて肝臓および膵臓の機能改善及びグルコース耐性の強化をもたらすことが示された。したがって、TGR5の薬理学的標的設定は、糖尿病および関連代謝疾患の治療のための、有望なインクレチンベースの戦略を構成し得る。
【0005】
興味深いことに、TGR5は、腸内分泌L細胞におけるその発現およびそのインクレチン分泌促進活性に加えて、炎症細胞において発現されることも示されており、その活性化は、マウスにおいて抗炎症作用および抗アテローム性動脈硬化作用をもたらす。(Kawamata, Y.; Fujii, R.; Hosoya, M.; Harada, M.; Yoshida, H.; Miwa, M.; Fukusumi, S.; Habata, Y.; Itoh, T.; Shintani, Y.; Hinuma, S.; Fujisawa, Y.; Fujino, M., A G Protein-coupled Receptor Responsive to Bile Acids. J. Biol. Chem. 2003, 278, 9435-9440. Keitel, V.; Donner, M.; Winandy, S.; Kubitz, R.; Haussinger, D., Expression and function of the bile acid receptor TGR5 in Kupffer cells. Biochem Biophys Res Commun 2008, 372, 78-84. Pols, T. W. H.; Nomura, M.; Harach, T.; LoA Sasso, G.; Oosterveer, M. H.; Thomas, C; Rizzo, G.; Gioiello, A.; Adorini, L.; Pellicciari, R.; Auwerx, J.; Schoonjans, K., TGR5 Activation Inhibits Atherosclerosis by Reducing Macrophage Inflammation and Lipid Loading. Cell Metabolism 2007, 14, (6), 747-757)。
【0006】
天然または半合成胆汁酸を含むTGR5アゴニスト(Pellicciari, R.; Gioiello, A.; Macchiarulo, A.; Thomas, C; Rosatelli, E.; Natalini, B.; Sardella, R.; Pruzanski, M.; Roda, A.; Pastorini, E.; Schoonjans, K.; Auwerx, J., Discovery of 6-Ethyl- 23(S)-methylcholic Acid (S-EMCA, INT-777) as a Potent and Selective Agonist for the TGR5 Receptor, a Novel Target for Diabesity J. Med. Chem. 2009, 52, 7958.7961)、胆汁アルコール、トリテルペノイド化合物、例えばオレアノール酸、ベツリン酸(Genet, C. d.; Strehle, A.; Schmidt, C. 1.; Boudjelal, G.; Lobstein, A.; Schoonjans, K.; Souchet, M.; Auwerx, J.; Saladin, R. g.; Wagner, A. Structure-Activity Relationship Study of Betulinic Acid, A Novel and Selective TGR5 Agonist, and Its Synthetic Derivatives: Potential Impact in Diabetes J. Med. Chem. 2010, 53, 178-190)、ノミリン(Ono, E.; Inoue, J.; Hashidume, T.; Shimizu, M.; Sato, R. Anti-obesity and anti-hyperglycemic effects of the dietary citrus limonoid nomilin in mice fed a high-fat diet. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2011, 410, 677-681)、またはアビコリン酸および合成非ステロイド性小分子(Gioiello, A.; Rosatelli, E.; Nuti, R.; Macchiarulo, A.; Pellicciari, R., Patented TGR5 modulators: a review (2006 - present). Expert Opin Ther Pat 2012, 22, (12), 1399- 1414)が、近年記載されている。
【0007】
しかしながら、いくつかの全身性TGR5アゴニストに対して、安全性への懸念が最近述べられた。排せつの遅延、充填の増大、またはこれら作用の組み合わせによって拡大する胆嚢の過形成が、マウスモデルにおいて全身性TGR5アゴニストを研究している研究者によって報告された。Li, T.; Holmstrom, S. R.; Kir, S.; Umetani, M.; Schmidt, D. R.; Kliewer, S. A.; angelsdorf, D. J. The G protein-coupled bile acid receptor, TGR5, stimulates gallbladder filling. Mol. Endocrinol. 2011, 25, 1066-1071, Duan, H.; Ning, M.; Chen, X.; Zou, Q.; Zhang, L.; Feng, Y.; Zhang, L.; Leng, Y.; Shen, J., Design, Synthesis, and Antidiabetic Activity of 4-Phenoxynicotinamide and 4- Phenoxypyrimidine-5-carboxamide Derivatives as Potent and Orally Efficacious TGR5 Agonists. Journal of Medicinal Chemistry 2012, 55, (23), 10475.
【0008】
より最近では、全身アゴニストによる皮膚におけるTGR5刺激により、胆汁うっ滞の際に自然に生じる胆汁酸の効果に匹敵する、激しい掻痒が引き起こされることが報告されている(Alemi, F.; Kwon, E.; Poole, D. P.; Lieu, T.; Lyo, V.; Cattaruzza, F.; Cevikbas, F.; Steinhoff, M.; Nassini, R.; Materazzi, S.; Guerrero-Alba, R.; Valdez- Morales, E.; Cottrell, G. S.; Schoonjans, K.; Geppetti, P.; Vanner, S. J.; Bunnett, N. W.; Corvera, C. U., The TGR5 receptor mediates bile acid-induced itch and analgesia. The Journal of Clinical Investigation 2013, 123, (4), 1513)。このため、非毒性TGR5アゴニストの開発のためには、格段に低い全身暴露しか必要でないか、または全身暴露が全く必要でない可能性がある。
【0009】
国際特許出願公開WO 2011/071565号には、第四級アンモニウム部分を有する、イミダゾール及びトリアゾールベースのTGR5アゴニストが記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記の通り、本発明は、式Iの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物に関する。好ましい式Iの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、X、Y、Z、R
1-R
6、L
2、n、及びAが、以下に定義される通りのものである。
Xは、CHまたはNであり;
Yは、CR
1であり;
Zは、CR
2であり;
R
1及びR
2は、個別にH、メトキシ、クロロまたはフルオロであり、好ましくはメトキシまたはクロロであり、より好ましくは、R
1及びR
2がいずれもメトキシであり;
R
3は、Cl-C2-アルキルであり、好ましくはR
3はメチルであり;
R
4は、フェニルまたはピリジルであり、フルオロ、クロロ、ハロメチル、及びCl-C2-アルコキシからなる群、好ましくは、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、及びメトキシからなる群より選択される一つ以上の基によって置換されており;
R
5及びR
6は、個別にH、フルオロ、クロロ、またはメチルであり、好ましくはR
5及びR
6はいずれもハロであり、より好ましくはR
5及びR
6はいずれもフルオロであり;
L
2は、Oまたは-C≡C-であり;
nは、0または1であり;
Aは、SO
3H、N(R
7)
2(式中、R
7は、Hまたはメチル、好ましくはメチルである)、及び
【化8】
(式中、mは3から500である)、
【化9】
(式中、R
8は、メチルであり、Q
-はカウンターアニオンである)、
からなる群より選択され、好ましくは、Aは、N(R
7)
2(式中、R
7は、Hまたはメチル、好ましくはメチルである)、
【化10】
(式中、mは3から500である)、
【化11】
(式中、R
8は、メチルであり、Q
-はカウンターアニオンである)、
からなる群より選択され;
L
2-(CH
2)
n-Aは、Hである。
【0025】
特に好ましい式Iの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、L
2-(CH
2)
n-Aが、Hでないものである。実際のところ、いかなる理論にも束縛されることなく、本発明者らは、本明細書中に定義され、HではないL
2-(CH
2)
n-A部分が、本発明の化合物の腸における吸収を制限し、かくしてその全身作用を低下させると考えている。
【0026】
本発明の一実施態様においては、式Iの化合物は、式II:
【化12】
のもの及びその医薬品として許容される塩及びその溶媒和物であり、式中、X、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、L
2、n、及びAが、式Iについて以上に定義される通りのものである。
【0027】
好ましい式IIの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、R
4が、フルオロ、クロロ、ハロメチル、及びCl-C2-アルコキシからなる群、好ましくは、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、及びメトキシからなる群より選択される一つ以上の基によって置換されたフェニルであるものである。
【0028】
特に興味深い式IIの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、
・L
2がOであり、nが0であり、Aが、
【化13】
(式中、mは3から500である)
であるもの、
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、AがN(CH
3)
2であるもの、または
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、Aが[N(CH
3)
3]
+Q
-であるものである。
【0029】
一実施態様においては、上記の式IIの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、R
3がメチルであるものである。
【0030】
別の実施態様においては、式IIの化合物は、式III:
【化14】
の化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物であって、式中、X、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、L
2、n、及びAは、式Iについて以上に定義される通りのものであり、R
9、R
10、及びR
11は、個別に、H、フルオロ、クロロ、ハロメチル、及びC1-C2-アルコキシからなる群;好ましくは、H、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、及びメトキシからなる群より選択されるが、R
9、R
10、及びR
11の少なくとも一つがHではなく、好ましくは、R
9がフルオロであり、R
10及びR
11がいずれもHであることを条件とする。
【0031】
特に興味深い式IIIの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、
・L
2がOであり、nが0であり、Aが、
【化15】
(式中、mは3から500である)
であるもの、
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、AがN(CH
3)
2であるもの、
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、Aが[N(CH
3)
3]
+Q
-であるもの、及び/または
式中、R
1及びR
2が好ましくはいずれもメトキシであるもの、及び/または
式中、好ましくは、R
9がフルオロであり、R
10及びR
11がいずれもHであるものである。
【0032】
一実施態様では、上記式IIIの化合物は、式IIIa:
【化16】
のもの及びその医薬品として許容される塩及び溶媒和物であり、式中、X、R
1、R
2、R
5、R
6、R
9、R
10、R
11、L
2、n、及びAは、式IIIについて以上に定義される通りのものである。
【0033】
別の実施態様では、上記式Iの化合物は、式IV:
【化17】
のもの及びその医薬品として許容される塩及び溶媒和物であり、式中、X、Y、Z、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、式Iについて以上に定義される通りのものである。
【0034】
好ましい式IVの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、Y及びZがそれぞれCR
1及びCR
2であり、式中、R
1及びR
2がいずれもメトキシであり;且つ/またはR
3がメチルであり; 且つ/またはR
4が4-フルオロフェニルであり; 且つ/またはR
5及びR
6がいずれもフルオロであるものである。
【0035】
別の実施態様では、上記式Iの化合物は、式V:
【化18】
のもの及びその医薬品として許容される塩及び溶媒和物であり、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、L
2、n、及びAが、式Iについて以上に定義される通りのものである。
【0036】
特に興味深い式Vの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、
・L
2がOであり、nが0であり、Aが、
【化19】
(式中、mは3から500である)
であるもの、
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、AがN(CH
3)
2であるもの、または
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、Aが[N(CH
3)
3]
+Q
-であるものである。
【0037】
以上に定義される式Vの好ましい化合物及びその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、R
3がメチルであるものである。
【0038】
以上に定義される式Vの好ましい化合物は、式Va:
【化20】
のもの並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物であって、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、L
2、n、及びAが、式Vについて以上に定義される通りのものであり、R
9、R
10、及びR
11は、個別に、H、フルオロ、クロロ、ハロメチル、及びC1-C2-アルコキシからなる群;好ましくは、H、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、及びメトキシからなる群より選択されるが、R
9、R
10、及びR
11の少なくとも一つがHではなく、好ましくは、R
9がフルオロであり、R
10及びR
11がいずれもHであることを条件とする。
【0039】
別の実施態様においては、式Iの化合物は、式VI:
【化21】
のもの並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物であって、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、L
2、n、及びAが、式Iについて以上に定義される通りのものである。
【0040】
特に興味深い式VIの化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、
・L
2がOであり、nが0であり、Aが、
【化22】
(式中、mは3から500である)
であるもの、
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、AがN(CH
3)
2であるもの、または
・L
2がエチニレンであり、nが1であり、Aが[N(CH
3)
3]
+Q
-であるものである。
【0041】
以上に定義される式VIの好ましい化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、R
3がメチルであるものである。
【0042】
以上に定義される式VIの好ましい化合物は、式VIa:
【化23】
の化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物であって、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、L
2、n、及びAは、式VIについて以上に定義される通りのものであり、R
9、R
10、及びR
11は、個別に、H、フルオロ、クロロ、ハロメチル、及びC1-C2-アルコキシからなる群;好ましくは、H、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、及びメトキシからなる群より選択されるが、R
9、R
10、及びR
11の少なくとも一つがHではなく、好ましくは、R
9がフルオロであり、R
10及びR
11がいずれもHであることを条件とする。
【0043】
式I、II、III、IIIa、V、Va、VI、及びVIaの特に好ましい化合物並びにその医薬品として許容される塩及び溶媒和物は、式中、R
1及びR
2がいずれもメトキシであるものである。
【0044】
本発明の特に好ましい化合物は、下記の表1に挙げたものである。
【表1】
【0045】
本発明の化合物およびその医薬品として許容される塩および溶媒和物は、当業者に既知の反応を用いて様々な方法で調製することができる。 実施例部分に記載された反応スキームは、可能な様々なアプローチを例示する。
【0046】
本発明はさらに、TGR5のアゴニスト、好ましくは、全身活性が低いか全身活性を示さないTGR5のアゴニストとしての、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
【0047】
したがって、特に好ましい実施態様においては、本発明は、式Iおよびこれに従属する式の化合物、またはその医薬品として許容される塩及び溶媒和物、特に上記表1のものの、TGR5アゴニストとしての、特に全身活性が低いか全身活性を示さないTGR5のアゴニストとしての使用に関する。
【0048】
したがって、本発明の化合物は、TGR5関連疾患、例えば、代謝及び/または胃腸疾患の予防及び/または治療において有用である。
【0049】
然るに、本発明はまた、TGR5関連疾患、例えば、代謝及び/または胃腸疾患の予防及び/または治療における使用のための、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の使用に関する。換言すれば、本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の治療上の有効量を、これを必要とする患者に投与する工程を含む、TGR5関連疾患、例えば、代謝及び/または胃腸疾患の予防及び/または治療の方法に関する。好ましくは、前記患者は、温血動物であり、より好ましくはヒトである。
【0050】
本発明の意味における代謝疾患には、以下に限定されるものではないが、II型糖尿病、肥満、脂質異常症、例えば、混合型または糖尿病性の脂質異常症、高コレステロール血症、低HDLコレステロール、高LDLコレステロール、高脂血症、高トリグリセリド血症、低血糖症、高血糖症、耐糖能異常、インスリン耐性、高インスリン血症、高血圧、高リポタンパク血症、メタボリックシンドローム、シンドロームX、血栓疾患、心臓血管疾患、アテローム性動脈硬化症および狭心症、跛行、心臓発作、脳卒中などを含むその後遺症、腎臓疾患、ケトアシドーシス、腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、非アルコール性脂肪性肝疾患、例えば、脂肪症または非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が含まれる。
【0051】
好ましい実施態様では、前記代謝疾患は、II型糖尿病、脂質疾患、例えば、脂質異常症、高血圧、肥満、またはアテローム性動脈硬化症及びその後遺症である。
【0052】
特に好ましい実施態様では、前記代謝疾患は、II型糖尿病、脂質疾患、例えば、脂質異常症であり、好ましくはII型糖尿病である。
【0053】
本発明の意味における胃腸疾患には、以下に限定されるものではないが、大腸炎、潰瘍性大腸炎(UC)、およびクローン病(CD)を含むがこれらに限定されない炎症性腸疾患(IBD)、および過敏性腸症候群(IBS)、腸管傷害疾患、例えば、短腸症候群、腸管バリア機能不全を含む疾患、例えば、直腸炎及び回腸嚢炎、並びにあらゆるタイプの下痢を含むがこれらに限定されるものではない、ハイパーモートルネミア(hypermotilenemia)または胃腸の運動過剰によって特徴づけられる胃腸疾患が含まれる。
【0054】
好ましい実施態様においては、前記胃腸疾患は、大腸炎、潰瘍性大腸炎(UC)、およびクローン病(CD)を含むが、これらに限定されるものではない炎症性腸疾患(IBD)である。
【0055】
本発明はまた、TGR5関連疾患、例えば代謝疾患及び/または胃腸疾患の発症の遅延における使用のための、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物を提供する。換言すれば、本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の治療上の有効量を、これを必要とする患者に投与する工程を含む、TGR5関連疾患、例えば、代謝及び/または胃腸疾患の患者における発症を遅延させる方法を提供する。好ましくは、前記患者は温血動物であり、より好ましくはヒトである。前記代謝及び/または胃腸疾患は、好ましくは以上に定義したものである。
【0056】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の、TGR5関連疾患、特に代謝疾患及び/または胃腸疾患の発症の治療及び/または予防における使用のための医薬の製造のための使用を提供する。好ましくは、前記代謝及び/または胃腸疾患は、以上に定義したものである。
【0057】
本発明のさらなる特徴によれば、TGR5受容体活性を調節するための、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の治療上の有効量をこうした治療を必要とする患者に投与する工程を含む、前記患者における本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の使用が提供される。換言すれば、本発明はまた、こうした治療を必要とする患者におけるTGR5受容体活性の調節方法を提供し、この方法は、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の治療上の有効量を、前記患者に投与する工程を含む。好ましくは、前記患者は、温血動物であり、より好ましくはヒトである。
【0058】
一実施態様によれば、本発明の化合物、その医薬品として許容される塩または溶媒和物は、併用療法の一部として投与することができる。したがって、本発明の範囲内に含まれる実施態様には、有効成分としての本発明の化合物、医薬品として許容されるその塩または溶媒和物に加えて、追加の治療薬及び/または活性成分を含む、組成物及び医薬の併用が含まれる。しばしば併用療法と呼称されるこうした多剤療法は、TGR5受容体調節に関連するあらゆる疾患または症状、特にII型糖尿病、肥満、脂質異常症、例えば混合型または糖尿病性の脂質異常症、高コレステロール血症、低HDLコレステロール、高LDLコレステロール、高脂血症、高トリグリセリド血症、低血糖症、高血糖症、耐糖能異常、インスリン耐性、高インスリン血症、高血圧、高リポタンパク血症、メタボリックシンドローム、シンドロームX、血栓症、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症および狭心症、跛行、心臓発作、脳卒中などを含むその後遺症、腎臓疾患、ケトアシドーシス、腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、脂肪症または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの非アルコール性脂肪肝疾患の治療及び/または予防において使用してよい。こうした治療薬の併用は、治療を必要とする患者またはこうした患者となる危険性のある者における、上記リストの疾患の治療に関して、特に適切である。
【0059】
本発明のTGR5アゴニスト化合物またはその医薬品として許容される塩もしくは溶媒和物に加えて活性剤の使用を余儀なくさせ得る治療有効性の要件に加えて、補助療法、すなわち、本発明のTGR5受容体アゴニスト化合物によって行われる機能を補完し補充する治療法を表す有効成分を含む薬剤の組合せの使用が、強いられるかまたは大いに推奨される、さらなる根拠が存在し得る。補助治療の目的で使用される、適切な補充的治療剤には、TGR5受容体調節に関連する疾患または症状を直接治療または予防する代わりに、TGR5受容体に関連する基礎疾患または症状に直接起因するかまたは間接的に付随する疾患または症状を治療する薬剤が含まれる。
【0060】
しかるに、本発明の治療方法及び医薬品組成物は、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物を、単剤療法の形態で用いて良いが、前記方法及び組成物は、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物の一つ以上が別の一つ以上の治療剤と組み合わせて併用投与される、多剤療法の形態で使用してもよい。
【0061】
本発明はまた、本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物、及び少なくとも一つの医薬品として許容される担体、希釈剤、賦形剤、及び/または補助剤を含む医薬品組成物を提供する。上記の通り、本発明はまた、本発明の化合物に加えて、活性成分として医薬品として許容されるその塩または溶媒和物、さらなる治療剤、及び/または活性成分を含む医薬品組成物を網羅する。
【0062】
本発明の別の目的は、少なくとも一つの本発明の化合物またはその医薬品として許容される塩または溶媒和物を、活性成分として含む医薬である。
【0063】
一般的に、医薬品としての使用のためには、本発明の化合物は、少なくとも一つの本発明の化合物及び少なくとも一つの医薬品として許容される担体、希釈剤、賦形剤、及び/または補助剤、並びに、任意に一つ以上の更なる医薬品として活性な化合物を含む医薬品調製物として処方してよい。
【0064】
非限定的な例として、こうした製剤は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内、筋内、または皮下注射、あるいは静脈内注入)、局所投与(眼球を含む)、吸入、皮膚パッチ、インプラント、坐剤による投与に適した形態であってよい。こうした適切な投与形態(投与の方式によって、固体、半固体、または液体であってよい)、並びにその調製における使用のための方法及び担体、希釈剤、及び賦形剤は、当業者にとっては明らかであろう。Remington's Pharmaceutical Sciencesの最新版を参照されたい。
【0065】
(定義)
以下の定義および説明は、明細書および請求項の両方を含む本出願全体を通して使用される用語に関するものである。
【0066】
特記のない限り、本明細書における本発明の化合物へのあらゆる言及は、化合物そのもの並びに医薬品として許容されるその塩および溶媒和物を意味する。
【0067】
本発明の化合物を記載する場合、使用される用語は、特記のない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。
【0068】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。好ましいハロ基は、フルオロおよびクロロであり、フルオロが特に好ましい。
【0069】
「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、式CnH
2n+1のヒドロカルビル基を意味し、ここでnは1以上の数である。
【0070】
用語「ハロアルキル」は、単独でまたは組み合わせて、1つ以上の水素が以上に定義したハロゲンで置き換えられている、上記定義の意味を有するアルキル基を意味する。こうしたハロアルキル基の非限定的な例には、クロロメチル、1-ブロモエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1-トリフルオロエチルなどが含まれる。好ましいハロアルキル基はトリフルオロメチルである。
【0071】
塩基性官能基及び/または酸性官能基を含む本発明の化合物は、医薬品として許容される塩の形態であってよい。一つ以上の塩基性官能基を有する本発明の化合物の医薬品として許容される塩には、特にその酸付加塩が含まれる。適切な酸付加塩には、非毒性塩を形成する酸から形成される。その例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシリン酸塩が含まれる。一つ以上の酸性官能基を含む化合物は、例えば、以下に制限されるものではないアルカリ金属またはアルカリ土類金属に基づく無機塩基または有機塩基、例えば、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、環状アミン、または塩基性イオン交換樹脂などの医薬品として許容される塩基と共に、医薬品として許容される塩を形成することができる。一つ以上の塩基性官能基を含む化合物は、医薬品として許容される塩を形成することができ、例えば、アミン基は、アミン基を無機または有機塩基またはアルキル化剤、例えば、ハロゲン化アルキル(例えば、ヨウ化メチル)などと反応させることによって、アンモニウム基に変換することができる。本発明の化合物が酸性基ならびに塩基性基を含む場合、本発明の化合物はまた、内部塩を形成してもよく、こうした化合物は本発明の範囲内である。
【0072】
式Iの化合物の医薬品として許容される塩は、例えば以下のようにして調製することができる:
(i)式Iの化合物を所望の酸と反応させる;
(ii)式Iの化合物を所望の塩基と反応させる; または
(iii)式Iの化合物の一つの塩を適切な酸との反応によって、または適切なイオン交換カラムによって、別の塩に変換する。
【0073】
これらの反応はすべて、典型的には溶液中で行われる。塩は、溶液から沈殿し、濾過により回収されてもよく、または溶媒の蒸発によって回収されてもよい。塩中のイオン化度は、完全イオン化からほぼ非イオン化まで広範に亘り得る。
【0074】
用語「溶媒和物」は、本明細書中では、本発明の化合物および一つ以上の医薬品として許容される溶媒分子、例えば水またはエタノールを含む分子複合体を記載するために使用される。前記溶媒が水である場合、用語「水和物」が使用される。
【0075】
式Iの化合物への全ての言及は、その塩および溶媒和物への言及を含む。
【0076】
本発明の化合物は、先に定義した式Iの化合物を含み、そのすべての多形および晶癖、プロドラッグ、及び異性体(光学異性体、幾何異性体、及び互変異性体を含む)並びに式Iの同位体標識された化合物を含む。
【0077】
さらに、一般には本発明の化合物の塩に関しては医薬品として許容される塩が好ましいが、本発明が、その最も広い意味においては医薬品として許容されない塩をも含み、これらを例えば本発明の化合物の単離および/または精製において使用してよいことには留意されるべきである。例えば、光学活性酸または塩基で形成された塩を用いて、上記式Iの化合物の光学活性異性体の分離を促進できるジアステレオマー塩を形成することができる。
【0078】
「患者」という用語は、医療ケアを待っているかまたは受けている、あるいは、医療処置の対象であるかこれから対象となる温血動物を意味し、より好ましくはヒトを意味する。
【0079】
「ヒト」という用語は、両方の性別の、あらゆる発達段階の対象(すなわち、新生児、乳児、少年、青年、成人)を意味する。一実施態様では、ヒトは青年または成人であり、好ましくは成人である。
【0080】
用語「治療する」、「処置する」、および「治療」は、本明細書中で使用される場合、状態または疾患及び/またはそれに付随する症状を緩和または抑制することを含むことを意味する。
【0081】
本明細書中で使用される場合、用語「予防する」、「防止する」、および「予防」は、状態または疾患および/またはそれに付随する症状の発症を遅延または予防し、患者の状態または疾患への罹患を防止し、あるいは状態または疾患を罹患する、患者の危険性を低減する方法を意味する。
【0082】
本明細書中で使用される用語「治療上の有効量」(またはより単純に「有効量」)とは、これが投与される個体における所望の治療または予防上の効果を達成するために十分な活性剤または活性成分(例えばTGR5アゴニスト)の量を意味する。
【0083】
用語「投与」またはその変形(例えば、「投与する」)は、単独で、または医薬品として許容される組成物の一部として、活性剤または活性成分(例えば、TGR5アゴニスト)を、状態、症状、または疾患を治療または予防すべき患者に投与することを意味する。
【0084】
「医薬品として許容される」とは、医薬組成物の成分が互いに適合性があり、患者にとって有害でないことを意味する。
【0085】
本明細書中で使用される「アゴニスト」という用語は、受容体と結合した場合に細胞内応答を活性化するリガンドを意味する。
【0086】
本明細書中で使用される用語「医薬ビヒクル」は、医薬品として活性な作用剤がその中で処方および/または投与される溶媒または希釈剤として使用される、担体または不活性媒体を意味する。医薬ビヒクルの非限定的な例には、クリーム、ゲル、ローション、溶液、およびリポソームが含まれる。
【0087】
本明細書中で使用される「脂質障害」という用語は、混合型脂質異常症または糖尿病性異常脂質血症、高コレステロール血症、低HDLコレステロール、高LDLコレステロール、高脂血症、および高トリグリセリド血症などの脂質異常症を含むが、これらに限定されない任意の血漿脂質障害を意味する。
【0088】
本発明は、以下の実施例を参照してよりよく理解されよう。これらの実施例は、本発明の特段の実施態様の代表として挙げており、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0089】
(化学的実施例)
すべての試薬、溶媒、および出発物質は、商業的供給元から購入し、さらに精製することなく使用した。
1H NMRスペクトルは、Brucker Avance 300MHz分光計で、メタノール-d6、CDCl
3、またはDMSO-d6を溶媒として用いて記録した。
13C NMRスペクトルは100MHzで記録した。すべての結合定数は、ヘルツ(Hz)で測定され、化学シフト(δ)は百万分率(ppm)で示される。液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)は、C18 TSK-GEL Super ODS(2μm粒子サイズカラム、50×4.6mm)を用い、LCMS-MSトリプル四重極システム(Waters)を使用して行った。流速2mL/分で、98%H
2O/0.1%ギ酸から出発して5分以内に2%H
2O/98%MeOHに到達する(方法A)か、または流速1mL/分で、100%H
2O/0.1%ギ酸から出発して10分以内に5%H
2O/95%MeOHに到達する(方法B)LCMS勾配を使用した。純度(%)は、UV検出(215nM)を使用して逆相HPLCによって決定した。高分解能質量分析(HRMS)を、Waters LCT Premier XE(TOF)、ESIイオン化モードで、Waters XBridge C18(150×4.6mm、3.5μm粒径)を用いて行った。1mL/分の流速で、98%蟻酸アンモニウム緩衝液5mM(pH9.2)から出発して15分以内に95%CH
3CN/5%蟻酸アンモニウム緩衝液5mM(pH9.2)に到達する、LCMS勾配を使用した。
【0090】
溶媒、試薬、及び出発物質は、周知の化学物質供給業者、例えば、Sigma Aldrich、Acros Organics、Fluorochem、Eurisotop、VWR Internationalから購入した。以下の略称を使用する:
ACN::アセトニトリル、
DCM:ジクロロメタン、
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、
EtOAc:酢酸エチル、
EtOH:エタノール、
MeOH:メタノール、
RT:室温、
DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン、
TEA:トリエチルアミン、
Y:収率、
G:グラム、
Mg:ミリグラム、
L:リットル、
mL:ミリリットル、
μL:マイクロリットル、
mol:モル、
mmol:ミリモル、
h:時間、
min:分、
TLC:薄層クロマトグラフィー、
MW:分子量、
eq:当量、
μW:マイクロ波
THF:テトラヒドロフラン、
TFA:トリフルオロ酢酸、
Ac:アセチル、
tBu:tert-ブチル、
Rt:保持時間、
aq:水溶液。
【0091】
(5-アミノ-2-チオ-イミダゾール誘導体への一般経路)
【化24】
【0092】
(手順A)
丸底フラスコに、イソチオウレイド誘導体(1eq)、炭酸カリウム(1eq)、ヨウ化ナトリウム(0.5eq)、およびアセトニトリル(QS 0.2M)を加える。懸濁液を室温で10分間撹拌し、次にハロゲン化ベンジル(1eq)を加える。懸濁液を室温で一晩撹拌する。次いで、反応混合物を蒸発させる。残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHex/EtOAc)により精製する。
【0093】
(手順B)
丸底フラスコに、イソチオウレイド-アセトアミド誘導体(1eq)、酢酸エチル(QS 0.1M)、ジイソプロピルエチルアミン(6eq)、およびT3P(登録商標)(3eq)を導入する。反応混合物を還流下で24時間加熱する。数時間後、ジイソプロピルエチルアミンおよびT3P(登録商標)を、完了するまで数回加える。次いで、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3 aqおよびブラインで洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHex/EtOAc)により精製する。
【0094】
(手順C)
マイクロ波管に、イソチオウレイド-アセトアミド誘導体(1eq)、酢酸エチル(QS 0.1M)、ジイソプロピルエチルアミン(6eq)及び、T3P(登録商標)(3eq)を導入する。反応混合物をマイクロ波照射下、150℃で10分間加熱する。次いで、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3 aqおよびブラインで洗浄する。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHexからcHex/EtOAc)により精製する。
【0096】
(工程1:(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン(中間体1a))
250mLのフラスコに、35mLのメタノール(Na
2SO
4で乾燥)中、3gの3,4-ジメトキシアニリンおよび5.29gのナトリウムメトキシドを添加する。次いで、1.18gのパラホルムアルデヒドおよび15mLのメタノール(Na
2SO
4で乾燥)を添加する。モレキュラーシーブ(4オングストローム)を次いで加え、混合物を室温で一晩撹拌する。次いで0.74gの水素化ホウ素ナトリウムを加え、混合物を還流下で1時間加熱する。次いで、混合物を蒸発させ、酢酸エチルおよび水に溶解させ、2相を分離させる。次いで、水相を飽和NaHCO
3 aqの添加により塩基性化し、酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和飽和NaHCO
3 aq、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて2.67gの油性残渣(77%)を得る。これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
MS[M+H]
+m/z=168.0
1H-NMR(DMSO-d6):δ (ppm) 2.62 (d, 3H, J = 5.0Hz);3.61 (s, 3H);3.69 (s, 3H);5.20 (q, 1H, J = 4.9Hz);5.99 (Dd, 1H, J = 8.5Hz, J = 2.5Hz);6.22, (d, 1H, J = 2.5Hz);6.71 (d, lH, J = 8.5Hz).
【0097】
(工程2:2-クロロ-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(中間体1b))
250mLのフラスコに、45mLのDCM(Na
2SO
4で乾燥)中の2.67gの(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミンおよび7.9mLのDIPEAを導入する。溶液を0℃で攪拌する。次いで、30mLのDCM(Na
2SO
4で乾燥)中の2.4mLの塩化クロロアセチルの溶液をフラスコ内に滴下する。次いで混合物を蒸発乾固して褐色の残渣を得る。これを、さらに精製することなく次の工程で使用した。
MS[M+H]
+m/z=244.1
【0098】
(工程3:[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウムホルメート(中間体1c))
手順2により得られた2-クロロ-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミドに相当する残渣を、25mLのエタノール95°に溶解させ、320mLのアンモニア水を入れた500mLのフラスコに65℃で滴下して加える。反応混合物を蒸発乾固させる。次いで、残渣をDCMに溶解させ、HCOOH 1Mの水溶液で数回抽出する。次いで、水相を蒸発乾固させ、残渣をAcCN中で粉砕する。上清を蒸発乾固させて3.82gの褐色粉末を得る(2工程にわたる収率75%)。
MS[M+H]
+m/z=225.1
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.17 (s, 3H) ; 3.99 (s, 2H) ; 3.76-3.77 (m, 6 H) ; 6.90 (dd, 1H, J = 8.4 Hz, J = 2.2 Hz) ; 6.99-7.03 (m, 2H) ; 8.00 (brs, 3 H) ; 8.20 (s, 1H)
【0099】
(工程4:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(中間体1))
1.5gの4-フルオロフェニルイソチオシアネートおよび1.59mLのTEAを250mLのフラスコに15mLのエタノール中で加える。3.2gの[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウムホルメート(純度83%)を115mLのエタノールに溶解させ、1.33mLのTEAを添加し、混合物を室温で滴下する。添加後、反応は終了させる。反応混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(cHex/EtOAc)により精製して、2.8gの黄色を帯びた粉末(76%)を得る。
MS[M-H]
-m/z=244.1
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.49 (s, 3H) ; 3.78 (m, 6H) ; 4.00 (d, 2H, J = 4.1 Hz) ; 6.92 (Dd, 1H, J = 8.4 Hz, J =1.8 Hz) ; 7.01-7.03 (m, 2H) ; 7.15 (m, 2H) ; 7.45 (m, 2H) ; 7.73 (m, 1H) ; 9.90 (s, 1H)
【0101】
(工程5:2-[2-ベンジル-3-(4-フルオロフェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
手順Aに従い、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(中間体1)(195mg)および臭化ベンジル(85mg)を用いて、標題生成物を、精製なしに油性残渣として得る(259mg、98%)。
[M+H]
+m/z=468.0
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.17 (s, 3H) ; 3.69-3.76 (m, 8H) ; 4.14 (s, 2H) ; 6.61 (m, 3H) ; 6.88 (m, 1H) ; 6.95-7.01 (m, 4H) ; 7.22-7.31 (m, 5H).
【0102】
(工程6:[2-ベンジルスルファニル-3-(4-フルオロフェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Cに従い、2-[2-ベンジル-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(249mg)を使用して、標題生成物を、橙色粉末として得る(68mg、32%)。
MS [M+H]
+m/z = 450.0
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.92 (s, 3H) ; 3.75 (s, 3H) ; 3.81 (s, 3H) ; 4.26 (s, 2H) ; 6.09 (dd, J = 2.8 Hz, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.20 (d, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.68 (d, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.74- 6.78 (m, 2H) ; 6.89-6.95 (m, 2H) ; 7.04 (s, 1H) ; 7.19-7.29 (m, 5H)
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 38.7 ; 40.3 ; 55.9 ; 56.5 ; 99.9 ; 105.8 ; 112.4 ; 115.7 ; 115.9 (d, J = 22.8 Hz) ; 123.6 ; 127.4 ; 128.5 ; 129.0 ; 129.3 (d, J = 8.6 Hz) ; 130.7 ; 137.4 ; 139.2 ; 139.4 ; 142.7 ; 143.1 ; 149.5 ; 162.4 (d, J = 248.9 Hz).
【0104】
(工程5:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[2-(2,6-ジメチル-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
手順Aに従い、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(中間体1)(195mg)および2-(クロロメチル)-1,3-ジメチル-ベンゼン(77mg)を用いて、標題生成物を、精製なしに、油性残渣として得る(230mg、90%)。
MS [M+H]
+m/z = 496.0
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 2.25 (s, 6H) ; 3.18 (s, 3H) ; 3.68-3.77 (m, 5H) ; 4.14 (s, 2H) ; 6.69-7.05 (m, 11H).
【0105】
(工程6:(3,4-ジメトキシ-フェニル)-[2-(2,6-ジメチル-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-メチル-アミン)
手順Cに従い、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2- [2-(2,6-ジメチル-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(200mg)を使用して、標題生成物を橙色粉末として得る(63mg、34%)を得る。
MS [M+H]
+ m/z=478.0
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.28 (s, 6H) ; 2.95 (s, 3H) ; 3.78 (s, 3H) ; 3.82 (s, 3H) ; 4.34 (s, 2H) ; 6.15 (dd, J = 8.7 Hz, J = 2.7 Hz) ; 6.25 (d, J = 2.8 Hz) ; 6.70 (d, J = 8.7 Hz) ;6.86- 7.05 (m, 8H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 19.6 ; 33.3 ; 40.4 ; 56.0 ; 56.4 ; 100.1 ; 106.1 ; 112.4 ; 115.9 (d, J = 23.0 Hz) ; 123.4 ; 127.5 ; 128.3 ; 129.3 (d, J = 8.7 Hz) ; 130.8 ; 132.4 ; 137.6 ; 139.4 ; 140.0 ; 142.8 ; 143.1 ; 149.6 ; 162.3 (d, J = 250.2 Hz).
【0107】
(工程5:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[2-(2-フルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド] -N-メチル-アセトアミド)
手順Aに従い、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(中間体1)(195mg)および1-(ブロモメチル)-2-フルオロ-ベンゼン(94mg)を使用して、標題生成物を、精製なしに、油性残渣として得る(254mg、96%)。
MS [M+H]
+m/z=486.0
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.16 (s, 3H) ; 3.39-3.76 (m, 8H) ; 4.17 (s, 2H) ; 6.59-6.89 (m, 4H) ; 6.95-7.00 (m, 4H) ; 7.11-7.19 (m, 2H) ; 7.31 (m, 1H) ; 7.41 (m, 1H).
【0108】
(工程6:(3,4-ジメトキシ-フェニル)-[2-(2-フルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-メチル-アミン)
手順Cに従い、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[2-(2-フルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミドを使用して、標題生成物を、橙色粉末として得る(130mg、61%)。
MS [M+H]
+m/z=468.0
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 3.77 (s, 3H) ; 3.81 (s, 3H) ; 4.27 (s, 2H) ; 6.11 (dd, J = 8.7 Hz, J = 2.1 Hz, 1H) ; 6.22 (d, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.69 (d, J = 8.7 Hz) ; 6.79-6.84 (m, 2H) ; 6.90- 7.06 (m, 5H) ; 7.20-7.25 (m, 2H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 31.8 ; 40.3 ; 55.9 ; 56.5 ; 100.0 ; 105.8 ; 112.4 ; 115.5 (d, J = 21.5 Hz) ; 116.0 (d, J = 22.8 Hz) ; 123.8 ; 124.1 ; 124.7 (d, J = 14.8 Hz) ; 129.1 ; 129.2 ; 129.4 ; 130.7 ; 131.0 ; 139.1 ; 139.3 ; 142.7 ; 143.1 ; 149.6 ; 160.9 (d, J = 248.3 Hz) ; 162.4 (d, J= 249.8 Hz) .
【0110】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロフェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
手順Aに従い、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(中間体1)(940mg)および2-ブロモメチル-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(518mg)を用いて、標題生成物を、精製なしに、油性の残渣として得る(1.15g、91%)。
【0111】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
50mLのフラスコに、2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(500mg)、10mLのEtOAc、TEA(843μL)、およびT3P(登録商標)(1.77mL)を加える。次いで、反応混合物を還流下で28時間撹拌する。8時間後、TEA(843μL)およびT3P(登録商標)(1.77mL)を添加した。25時間後、TEA(422μL)およびT3P(登録商標)(885μL)を添加した。20mLのEtOAcで希釈した後、溶液を飽和NaHCO
3 aqおよびブラインで洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。標題生成物に相当する160mgの油性残渣を得る(33%)。
MS [M+H]
+m/z = 487.3
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.92 (s, 3H) ; 3.80 (s, 3H) ; 3.82 (s, 3H) ; 4.16 (s, 2H) ; 6.16 (dd, J = 8.7 Hz, J =2.7 Hz, 1H) ; 6.30 (d, J =2.7 Hz, 1H) ; 6.72 (d, J = 8.7 Hz, 1H) ; 6.78 (m, 2H) ; 6.83-6.85 (m, 4H) ; 6.92 (s, 1H) ; 7.19 (m, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 25.9 ; 40.1 ; 55.9 ; 56.4 ; 99.9 ; 105.5 ; 111.2 (m) ; 112.4 ; 113.6 (t, J = 19.3 Hz) ; 115.9 (d, J = 22.9 Hz) ; 124.4 ; 129.1-129.2 (m) ; 130.8 ; 138.1 ; 139.6 ; 142.7 ; 143.2 ; 149.6 ; 161.1 (dd, J = 250.0 Hz, J = 7.7 Hz) ; 162.2 (d, J = 249.0 Hz).
【0113】
(工程1:(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
50mLのフラスコに、4-クロロ-3-メトキシ-フェニルアミン(907mg)、ナトリウムメトキシド(1.56g)、無水メタノール10mL、およびパラホルムアルデヒド(690mg)を添加する。次いで、反応混合物を室温で一晩撹拌する。次いで、パラホルムアルデヒド(173mg)およびナトリウムメトキシド(311mg)を加え、反応混合物を還流下で1時間加熱する。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(436mg)を加え、反応混合物を還流下で4時間撹拌する。室温に戻ったところで、混合物を部分的に蒸発させ、1M KOH aq(50mL)を加える。得られた懸濁液をEt
2Oで抽出し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。 得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHexからcHex/EtOAc 8/2)で精製して、650mgの目的生成物(66%)を得る。
MS [M+H]
+m/z = 171.9
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.66 (d, J = 4.9 Hz, 3H) ; 3.77 (s, 3H) ; 5.80 (q, J = 4.9 Hz, 1H) ; 6.09 (dd, J = 2.5 Hz, J = 8.7 Hz, 1H) ; 6.25 (d, J = 2.4 Hz, 1H) ; 7.04 (d, J = 8.7 Hz, 1H).
【0114】
(工程2:2-クロロ-N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
100mLのフラスコに、18mLのDCM(Na
2SO
4で乾燥)中に620mgの4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-メチル-アミンおよび1.7mLのDIPEAの溶液を導入する。溶液を0℃で撹拌する。次いで、14mLのDCM(Na
2SO
4で乾燥)中、568μLの塩化クロロアセチルの溶液をフラスコ内に滴下して加える。次いで混合物を蒸発乾固して褐色の残渣を得る。これを、さらに精製することなく次の工程で使用した。
MS [M+H]
+m/z = 248.0
【0115】
(工程3:2-アミノ-N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
2-クロロ-N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(n=3.6mmol)に相当する残渣を、6mLのEtOH 95°に溶解する。得られた溶液をアンモニア水溶液(30%w/w、75mL)中に65℃で滴加する。65℃で1時間撹拌した後、反応混合物を蒸発させる。残渣を水に溶解させ、pHを10に調整し、溶液をDCMで数回抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて、褐色油性残渣を得る。これを、さらに精製することなく次の工程で使用した。
MS [M+H]
+m/z=229.0
【0116】
(工程4:N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
250mLのフラスコ中で、4-フルオロフェニルイソチオシアネート(551.4mg)およびトリエチルアミン(583μL)を3mLのエタノールに溶解する。これに、48mLのエタノール中の2-アミノ-N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミドの溶液を室温で滴下する。室温で1時間撹拌した後、混合物を蒸発乾固させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHex/DCM 1/1から純粋DCM)で精製する。標題生成物に相当する黄色を帯びた粉末546mgを得る(3工程にわたって収率39%)。
MS [M+H]
+m/z = 382.1
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.21 (s, 3H) ; 3.88 (s, 3H) ; 4.06 (brs, 2H) ; 7.01 (m, 1H) ; 7.16 (m, 2H) ; 7.26 (brs, 1H) ; 7.45 (m, 2H) ; 7.52 (d, J = 8.3 Hz, 1H) ; 7.76 (brs, 1H) ; 9.90 (brs, 1H).
【0117】
(工程5:N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ -フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
手順Aに従って、N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(468mg)および2-ブロモメチル-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(254mg)を用い、精製をせずに、標題生成物を油性残渣として得る(603mg、87%)。
MS [M+H]
+m/z = 508.2
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.20 (s, 3H) ; 3.79-3.89 (m, 5H) ; 4.19 (s, 2H) ; 6.23 (brs, 2H) ; 6.95-7.10 (m, 6H) ; 7.18 (s, 1H) ; 7.38 (m, 1H) ; 7.48 (m, 1H).
【0118】
(工程6:(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-メチル-アミン)
マイクロ波管に、N-(4-クロロ-3-メトキシ-フェニル)-2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-アセトアミド(145mg)、酢酸エチル(3mL)、DIPEA(74.8μL)、およびT3P(登録商標)(168μL)を導入する。次いで、反応混合物をマイクロ波照射下で2回、100℃で10分間加熱する。次いで、T3P(登録商標)(348μL)およびDIPEA(206μL)を添加し、混合物をマイクロ波照射下、150℃で20分間加熱する。反応混合物を飽和NaHCO
3 aqおよびブラインで洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/cHex、次いでDCM/MeOH)で精製して83mgの黄色を帯びた残渣(59%)を得る。
MS [M+H]
+m/z = 508.2
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.96 (s, 3H) ; 3.75 (s, 3H) ; 4.08 (s, 2H) ; 6.09 (dd, J = 2.7 Hz, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.27 (d, J = 2.6 Hz, 1H) ; 7.02-7.07 (m, 3H) ; 7.11-7.15 (m, 3H) ; 7.21 (m, 2H) ; 7.37 (m, 1H)
13C-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 26.0 ; 26.8 ; 56.2 ; 98.2 ; 106.4 ; 110.7 ; 112.1 (d, J= 23.9 Hz) ; 113.8 (t, J= 19.9 Hz) ; 116.5 (d, J = 23.2Hz) ; 125.2 ; 130.0 ; 130.1 (d, J=9.1 Hz) ; 130.5 (t, J = 10.9 Hz); 131.2; 137.9; 138.6; 149.0; 155.3; 161.0 (dd, J= 248.8 Hz, J = 7.4 Hz) ; 162.3 (d, J = 245.9 Hz).
【0119】
(実施例6、7、及び8)
【化31】
【0120】
(工程5:2-[2-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
手順Aに従い、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(750mg)および5-ブロモ-2-(クロロメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(461mg)を使用して、標題生成物を、黄色を帯びた粉末(1.07g、95%)を得る。
MS [M+H]
+m/z = 583.8
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.15 (s, 3H) ; 3.73 (m, 8H) ; 4.14 (s, 2H) ; 6.60 (m, 2H) ; 6.79 (brs, 1H) ; 6.86 (m, 1H) ; 6.97 (m, 4H) ; 7.46 (m, 2H).
【0121】
(工程6:[2-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロフェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Bに従い、2-[2-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(1.07g)を使用して、標題生成物を橙色オイルとして得る(867mg、74%)。
MS [M+H]
+m/z = 565.9
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.91 (s, 3H) ; 3.64-3.65 (m, 6H) ; 3.97 (s, 2H) ; 6.04 (dd, 1H, J = 8.6 Hz, J = 2.6 Hz) ; 6.20 (d, 1H, J = 2.8 Hz) ; 6.76 (d, 1H, J = 8.7 Hz) ; 6.96 (s, 1H) ; 7.11 (dd, 2H, J = 9.0 Hz, J = 5.1 Hz) ; 7.19 (m, 2H) ; 7.41 (m, 2H).
【0122】
(工程7(実施例6):(3,4-ジメトキシ-フェニル)-[2-[4-(3-ジメチルアミノ-プロプ-1-イニル)-2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-メチル- アミン)
25mLのフラスコ中で、[2-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン(600mg)、ジメチルプロパルギルアミン(172μL)、ピロリジン(133μL)を5mLの無水脱気DMF中に添加する。その後、PdCl
2(dppf)
2(68mg)及びCuI(20mg)を添加する。反応混合物をアルゴン下、80℃で6時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて蒸発させる。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/cHex、その後DCM/MeOH)で精製し、281mgの白色粉末(47%)を得る。
MS [M+H]
+m/z = 566.9
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 2.35 (s, 6H) ; 2.91 (s, 3H) ; 3.45 (s, 2H) ; 3.79 (s, 3H) ; 3.82 (s, 3H) ; 4.08 (s, 2H) ; 6.15 (Dd, 1H, J = 2.7 Hz, J = 8.7 Hz) ; 6.28 (d, 1H, J = 2.7 Hz) ; 6.72 (d, 1H, J = 8.7 Hz) ; 6.87 (d, 2H, J = 8.0 Hz) ; 6.97 (m, 4H) ; 7.02 (s, 1H)
【0123】
(工程8(実施例7):(3-{4-[5-[(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミノ]-1-(4-フルオロ-フェニル)-1H-イミダゾール-2-イルスルファニルメチル]-3,5-ジフルオロ-フェニル}-プロプ-2-イニル)-トリメチル-アンモニウムヨウ化物)
25mLのフラスコに、(3,4-ジメトキシ-フェニル)-[2-[4-(3-ジメチルアミノ-プロプ-1-イニル)-2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-メチル-アミン(254mg)、および無水Et
2O/無水THF 1:1の混合物5mLを添加する。次いで、ヨードメタン(27.7μL)を添加し、反応混合物を室温で攪拌する。1時間30分後と4時間後に、再度ヨードメタン(27.7μL)を添加する。反応混合物を蒸発乾固させる。残渣をEt
2O中で粉砕し、濾過して、この残渣を分取HPLC(pH3.8)により精製し、標題生成物(55mg)を褐色残渣(17%)として得る。
MS [M]
+m/z = 581.3
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.92 (s, 3H) ; 3.21 (s, 9H) ; 3.64 (s, 3H) ; 3.65 (s, 3H) ; 4.01 (s, 2H) ; 4.68 (s, 2H) ; 6.06 (dd, J = 2.8 Hz, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.21 (d, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.75 (d, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.95 (s, 1H) ; 7.13-7.25 (m, 4H) ; 7.40 (m, 2H).
13C-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 26.2 ; 52.7 ; 52.9 ; 55.9 ; 56.7 ; 80.7 ; 88.1 ; 100.1 ; 105.6; 113.8 ; 115.6 ; 116.3 ; 116.5 ; 122.0 ; 124.4 ; 130.2 ; 131.5 ; 136.5 ; 140.4 ; 142.6 ; 143.4 ; 149.8 ; 160.6 ; 162.2.
【0124】
(工程8(実施例8):(3-{4-[5-[(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミノ]-1-(4-フルオロ-フェニル)-1H-イミダゾール-2-イルスルファニルメチル]-3,5-ジフルオロ-フェニル}-プロプ-2-イニル)-トリメチル-アンモニウムギ酸塩)
(3,4-ジメトキシ-フェニル)-[2-[4-(3-ジメチルアミノ-プロプ-1-イニル)-2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-メチル-アミン(365mg)を、アルゴン下で無水Et
2O/THF(1/1)混合物6.4mLに溶解させ、ヨードメタン(80μL)を加える。混合物を室温で攪拌する。1時間30分後、再度ヨードメタン(80μL)を加える。30分後、反応物を蒸発乾固させる。残渣を分取HPLC(最初にHCOOH 0.1%、次いでpH9.2)で2回精製する。標題生成物に相当する黄色を帯びた粉末75mg(19%)を得る。
MS [M]
+m/z = 581.1
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.94 (s, 3H) ; 3.45 (s, 9H) ; 3.78-3.80 (m, 6H) ; 4.01 (s, 2H) ; 4.87 (s, 2H) ; 6.16 (dd, J = 2.7 Hz, J = 8.7 Hz, 1H) ; 6.27 (d, J = 2.7 Hz) ; 6.71 (d, J = 8.7Hz) ; 6.96-7.07 (m, 7H) ; 8.58 (s, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 25.7 ; 40.3 ; 53.1 ; 55.9 ; 56.4 ; 56.8 ; 89.1 ; 100.2 ; 106.0 ; 112.4 ; 115.2 (d, J = 27.0 Hz) ; 116.1 (d, J = 22.7 Hz) ; 116.5 (t, J = 19.8 Hz) ; 121.4 (t, J = 12.5 Hz) ; 124.1 ; 129.2 (d, J = 9.0 Hz) ; 130.8 (d ; J = 3.2 Hz) ; 137.1 ; 140.2 ; 142.8 ; 143.0 ; 149.5 ; 160.7 (dd, J = 9.1 Hz, J = 251.3 Hz) ; 162.4 (d, J = 249.1 Hz).
【0126】
(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-安息香酸)
2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-ベンゾニトリル(1.5g)を、7mLの蒸留水に溶解させ、次いで4mLの水中、1.35gのNaOHの溶液を加える。次いで、反応混合物を還流下で4日間加熱する。次いで、加熱を停止し、反応混合物を濃HClを加えることによって酸性化し、Et
2Oで抽出する。次いで、有機相を飽和NaHCO
3 aqで抽出する。次いで、この水溶液を、濃HClを加えることによって酸性化し、次いでEt
2Oで抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて、理論上の酸(94%)に相当する白色固体1.58gを得る。
MS [M-H]
-m/z = 172.9
1H-NMR(DMSO-d6) : δ (ppm) ; 6.49 (m, 2H) ; 10.96 (brs, 1H) ; 13.20 (brs, 1H)
【0127】
(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-安息香酸メチルエステル)
2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-安息香酸(1.58g)を18mLのメタノールに溶解させ、濃硫酸(257μL)を加え、反応混合物を還流温度で一晩加熱する。次いで、反応混合物を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水、ブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて1.48gの所望の生成物を白色粉末として得る(90%)。
MS [M-H]
-m/z = 187.1
1H-NMR(DMSO-d6) : δ (ppm) 3.80 (s, 3H) ; 6.54 (m, 2H) ; 11.12 (s, 1H)
【0128】
(3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシメチル-フェノール)
100mLのフラスコに、シクロヘキサン中、0-5℃の2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-安息香酸メチルエステル(1.48g)、26mLの無水THF、および34mLのDIBALHの1M溶液を添加する。次いで、反応混合物を、この温度で1.5時間撹拌した後、27mLの冷温(0から5℃)の1MのL-酒石酸カリウムナトリウム水溶液を入れた250mLのフラスコに注ぎ入れる。反応混合物を室温で30分間撹拌する。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。水相をpH5に酸性化し、EtOAcで抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。得られた黄色を帯びた粉末をまとめる。理論上の生成物1g(80%)が得られる。
MS [M-H]
-m/z = 159.0
1H-NMR(DMSO-d6) : δ (ppm) 4.36 (d, 2H, J = 5.2 Hz) ; 5.00 (t, 1H, J =5.5Hz) ; 6.41 (m, 2H) ; 10.28 (s, 1H)
【0129】
(4-メチルベンゼンスルホン酸メトキシ-ポリエチレングリシルエステル(平均MW=627g/mol))
ポリエチレングリコールメチルエーテル(1.5g)(平均MW=500g/mol)を、無水THF(10mL)に溶解させる。溶液を0℃に冷却する。NaH 60%(w/w)(180mg)を加え、反応混合物を0℃から20℃で2時間撹拌する。次に塩化トシル(1.14g)を0℃で加え、反応混合物を室温で24時間撹拌する。次いで、反応混合物を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)で精製して、清浄な理論上の生成物(89%)に相当する、1.68gの無色オイルを得る。
MS [M+H
3O]
+m/z = 644.3 (n = 10)
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.41 (s, 3H) ; 3.23 (s, 3H) ; 3.44-3.49 (m, 36 H) ; 3.57 (m, 2H) ; 4.10 (m, 2H) ; 7.48 (d, 2H, J = 8.0 Hz) ; 7.78 (d, 2H, J = 8.3 Hz).
【0130】
([2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-フェニル]-メタノール(平均MW=615g/mol))
4-メチルベンゼンスルホン酸メトキシ-ポリエチレングリシルエステル(1.5mmol、981mg)をMeCN(5mL)に溶解させ、3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシメチル-フェノール(1.80mmol、288mg)およびK
2CO
3(1.80mmol、249mg)を加え、反応混合物を還流下で一晩撹拌する。次いで、反応混合物を冷却し、濾過する。濾液を真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、676mgの無色オイル(73%)を得る。
MS [M+H
3O]
+m/z = 632.2 (n = 10)
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.23 (s, 3H) ; 3.41-3.56 (m, 42H) ; 3.72 (m, 2H) ; 4.11 (m, 2H) ; 4.40 (d, 2H, J= 5.5 Hz) ; 5.08 (t, 1H, J= 5.5 Hz) ; 6.71 (m, 2H).
【0132】
(工程5:2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチルアセトアミド(平均MW=1012.7g/mol))
[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-フェニル]-メタノール(676mg)およびTEA(156μL)を、0℃で無水DCMに溶解させる。次いで塩化メシル(82μL)を滴下し、混合物を室温で一晩攪拌する。TEA(47μL)及び塩化メシル(25μL)を添加する。1時間後、TEA(156μL)および塩化メシル(82μL)を再び添加する。3時間後、TEA(47μL)を再度添加する。その後反応混合物を、蒸発乾固させる。この残渣を、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(397mg)、K
2CO
3(45mg)、NaI(79mg)、及び4mLのアセトニトリルを仕込んだ25mLのフラスコに加える。懸濁液を、室温で14時間攪拌する。反応混合物を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(cHex/DCM、次いでDCM/MeOH)により精製して、499mgの褐色オイル(47%)を得る。
MS [M+H+H
3O]
2+m/z = 518.4 (n = 10)
【0133】
(工程6:[2-[2,6-ジフルオロ-4-(2-メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジルスルファニル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン(平均MW=972.1g/mol、m=9-13))
手順Bに従い、2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(499mg)を使用して標題化合物を、橙色オイル(75mg、16%)として得る。精製は、分取HPLCにより行った。
MS [M+H+H
3O]
2+m/z = 487.2 (n = 10)
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.92 (s, 3H) ; 3.23 (s, 3H) ; 3.42-3.55 (m, 42H) ; 3.63-3.64 (m, 6H) ; 3.70-3.73 (m, 2H) ; 3.99 (s, 2H) ; 4.09-4.12 (m, 2H) ; 6.06 (dd, J = 2.7 Hz, J = 8.6 Hz, 1H) ; 6.21 (d, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.67-6.70 (m, 2H) ; 6.75 (d, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.96 (s, 1H) ; 7.09-7.22 (m, 4H).
13C-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 26.1 ; 55.9 ; 56.5 ; 58.5 ; 68.6 ; 69.0 ; 70.0 ; 70.2 ; 70.3 ; 71.7 ; 99.1 (d, J = 28.0 Hz) ; 99.9 ; 105.4 (t) ; 105.5 ; 113.7 ; 116.3 (d, J = 22.9 Hz) ; 124.3 ; 130.0 (d, J = 9.0 Hz) ; 131.5 (d, J = 3.6 Hz) ; 137.3 ; 140.1 ; 142.5 ; 143.4 ; 149.7 ; 161.3 (dd) ; 162.1 (d)
【0134】
(5-アミノ-3-チオ[1,2,4]トリアゾール誘導体への一般経路)
【化34】
【0135】
(手順D)
チオ-トリアゾリル-アミン誘導体(1eq)およびフェニルボロン酸誘導体(1eq)をジクロロメタン(QS 20mM)中に溶解させる。モレキュラーシーブ4Å、ピリジン(2eq)、および酢酸銅
(II)(Cu(OAc)
2)(1.5eq)を溶液に添加する。反応混合物を室温で数時間撹拌する。ピリジン、フェニルボロン酸誘導体、および(Cu(OAc)
2)を充分な変換が起こるまで数回添加する。その後、反応混合物は、セライトでろ過する。濾液を水及び飽和NaHCO
3 aqで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。
【0137】
(5-アミノ-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-チオール)
4-フルオロフェニルイソチオシアネート(1.04g、6.54mmol)、アミノグアニジニウムクロライド(1.45g、13.1mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.12mL、19.6mmol)をDMF(9.40mL)中に溶解させる。反応混合物を50℃で15時間撹拌し、その後蒸発乾固させる。13mLのNaOH aq 2Mを添加し、反応混合物を50℃で18時間撹拌する。次いで、懸濁液を濾過し、濾液をHCl aq 2Mを加えることによって中和して濾過する。両方の沈殿物をまとめ、1.2gの橙色粉末(87%)を得る。
MS [M+H]
+m/z = 210.9
1H-RMN (DMSO-d6) : δ (ppm) 5.96 (s, 2H) ; 7.38 (m, 4H) ; 12.80 (s)
【0138】
(5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルアミン)
5-アミノ-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-チオール(501mg、2.38mmol)、2-ブロモメチル-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(492mg、2.37mmol)、DIEA(416μL、2.62mmol)を、12mlのジクロロメタンに溶解させる。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで水およびブラインで洗浄し、有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて、理論上の生成物787mgを白色粉末(98%)として得る。
MS [M+H]
+のm/z=3,369
1H-RMN (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.88 (s, 2H) ; 5.89 (s, 2H) ; 7.03 (pseudo-t, 2H, J = 8.0Hz) ; 7.32 (m, 5H)
【0140】
([5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-メチル-アミン)
5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルアミン(200mg、595μmol)、及びMeONa(161mg、2.98mmol)の、610μLのメタノール中の懸濁液を、580μLのメタノール中のパラホルムアルデヒド(25mg、833μmol)の懸濁液に添加する。反応混合物を室温で16時間撹拌する。NaBH
4(22.5mg、595μmol)を添加し、反応混合物を30分間還流下で撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物を部分的に蒸発させる。その後KOH aq 1M(5mL)を添加する。この溶液をEtOAcで抽出する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー h(DCM/MeOH)により精製して、理論上の生成物157.6mgを、黄色を帯びた固体(76%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 350.9
1H-RMN (DMSO-d6) : δ (ppm) 2.73 (d, 3H, J = 4.8Hz) ; 3.91 (s, 2H) ; 5.82 (q, 1H, J = 4.7Hz) ; 7.04 (pseudo-t, 2H, J = 8.0Hz) ; 7.25-7.43 (m, 5H).
【0141】
([5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-メチル-フェニル-アミン)
手順Dに従って、[5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-メチル-アミン(281mg、800μmol)およびフェニルボロン酸を使用し、分取HPLCによる精製の後に、標題化合物を黄色を帯びた固体として得る(46mg、13%)。
MS [M+H]
+m/z = 426.8
【0143】
([5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順9に従って、[5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-メチル-アミン(281mg、800μmol)および3,4-ジメトキシフェニルボロン酸を使用し、分取HPLCによる精製の後に、標題化合物を、黄色を帯びた固体(42.4mg、11%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 486.9
1H-RMN (CDCl
3) : δ (ppm) 2.69 (s, 3H) ; 3.92 (s, 3H) ; 3.95 (s, 3H) ; 4.26 (s, 2H) ; 6.84-6.94 (m, 3H) ; 7.10-7.42 (m, 7H)
【0145】
(N-[5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-アセトアミド)
5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルアミン(318mg、94.5μmol)を、0.5mLのジクロロメタンに溶解させ、無水酢酸(450μL、4.73mmol)を添加する。反応混合物を室温で30分間撹拌する。その後、5mLのNaHCO
3 aq 2Nを添加する。相を分離させ、有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させる。残渣をイソプロパノール中で再結晶させて理論上の生成物238mgを白色結晶(66%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 378.9
1H-RMN (DMSO-d6) : δ (ppm) 1.84 (s, 3H) ; 4.19 (s, 2H) ; 7.05 (pseudo-t, 2H, J = 8.0Hz) ; 7.33 (m, 5H) ; 10.37 (brs, 1H).
【0146】
(N-[5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-N-(3,4-ジメトキシフェニル)-アセトアミド)
手順Dに従い、N-[5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-アセトアミド(570mg、1.5mmol)、および3,4-ジメトキシフェニルボロン酸を用いて、標題化合物を、黄色を帯びたオイル(420mg、50%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 514.9
1H-RMN (DMSO-d6) : δ (ppm) 1.65 (s, 3H) ; 3.79 (s, 3H) ; 3.81 (s, 3H) ; 4.31 (s, 2H) ; 7.05-7.18 (m, 3H) ; 7.24-7.54 (m, 7H)
【0147】
([5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-フルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-アミン)
0-5℃にて、塩化アセチル(2.4mL)およびエタノール(5mL)を穏やかに混合し、混合物を、4.6mLのエタノール中、N-[5-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-4-(4-トリフルオロ-フェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-アセトアミド(310mg、602μmol)の溶液に加えた。次いで、反応混合物を、100℃で30分間加熱する。次いで、反応混合物を蒸発させる。残渣をEtOAcに溶解させ、水、及び飽和NaHCO
3 aqで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させる。残渣をイソプロパノール/メタノール中で再結晶させて、理論上の生成物163.5mgを白色固体(57%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 472.9
1H-RMN (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.77 (s, 3H) ; 3.78 (s, 3H) ; 4.22 (s, 2H) ; 5.13 (brs, 1H) ; 7.00 (d, 1H, J = 8.8Hz) ; 7.35-7.55 (m, 7H).
【0149】
(5-アミノ-2-チオ-イミダゾール誘導体への一般経路の工程4:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-2-(3-フェニル-イソチオウレイド)-アセトアミド)
フェニルイソチオシアネート(159.5μL、1.33mmol)およびTEA(216μL、1.60mmol)を、100mLのフラスコ中で2mLのエタノールに添加する。[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウムホルメート(中間体1c)(400mg、1.33mmol)からの残渣を16mLのエタノールに溶解させ、TEA(180μL、1.33mmol)を加え、混合物を室温で滴下する。添加後、反応は終了する。反応混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(純粋シクロヘキサンからDCM/MeOH 99.5/0.5)により精製し、標題生成物を黄色を帯びた残渣(162mg、34%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 359.9
【0150】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-フェニル-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
25mLフラスコに、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-2-(3-フェニル-イソチオウレイド)-アセトアミド(162mg、450μmol)、炭酸カリウム(62mg、450μm)、ヨウ化ナトリウム(34mg、225μmol)、および2.5mLのアセトニトリルを入れる。懸濁液を室温で10分間撹拌し、2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(93mg、450μmol)を添加する。 懸濁液を室温で数時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて標題生成物を黄色を帯びた固体(183mg、84%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 486.0
1H-NMR (CDCl3) : δ (ppm) 3.27 (s, 3H) ; 3.81-3.87 (m, 8H) ; 4.12 (s, 2H) ; 6.68-7.21 (m, 11H).
【0151】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-フェニル-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-フェニル-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(183mg、0.38mmol)を、3.8mLの酢酸エチルに溶解させる。次いで、EtOAc(666μL、1.13mmol)中のジイソプロピルエチルアミン(395μL、2.26mmol)およびT3P(登録商標)を加える。混合物を、マイクロ波で150℃にて10分間加熱する。次いで、反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO
3の飽和水溶液で洗浄し、さらにブラインで洗浄する。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHexからcHex/EtOAc 85/15)で精製し、再度フラッシュクロマトグラフィー(cHex/DCM 1/1からDCM/MeOH 99/1)で精製して、標題生成物を赤色を帯びた固体として得る(21mg、11%)。
MS [M+H]
+m/z = 467.9
1H-NMR (CDCl3) : δ (ppm) 2.90 (s, 3H) ; 3.80 (s, 3H) ; 3.82 (s, 3H) ; 4.18 (s, 2H) ; 6.17 (dd, 1H, J = 8.7 Hz, J = 2.8 Hz) ; 6.31 (d, 1H, J = 2.8 Hz) ; 6.70-6.83 (m, 3H) ; 6.99-7.04 (m, 3H) ; 7.18 (m, 1H) ; 7.25-7.32 (m, 3H).
13C-NMR (CDC13) : δ (ppm) 25.7 ; 40.0 ; 55.9 ; 56.5 ; 99.8 ; 105.3 ; 111.3 (m) ; 112.4 ; 113.6 (t, J = 19.4 Hz) ; 124.2 ; 127.3 ; 128.7 ; 128.9 ; 129.1 (t, J = 9.9 Hz) ; 134.9 ; 138.3 ; 139.5 ; 142.6 ; 143.3 ; 149.6 ; 161.3 (dd, J = 249.8 Hz, J = 7.4 Hz).
【0153】
(5-アミノ-2-チオ-イミダゾール誘導体への一般経路の工程4:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
4-メトキシフェニルイソチオシアネート(184.0μL、1.33mmol)およびTEA(216μL、1.60mmol)を100mLのフラスコ中で2mLのエタノールに加える。[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウムホルメート(中間体1c)(400mg、1.33mmol)を、16mLのエタノールに溶解させ、TEA(180μL、1.33mmol)を加え、混合物を室温で滴下する。添加後、反応は終了する。反応混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(純粋シクロヘキサンからDCM/MeOH 99/1)により精製して、標題生成物を黄色を帯びた粉末として得る(157mg、30%)。
MS [M+H]
+m/z = 389.9
【0154】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-メトキシフェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
25mLのフラスコに、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(157mg、400μmol)、炭酸カリウム(56mg、400μmol)、ヨウ化ナトリウム(30mg、200μmol)、およびアセトニトリル2mLを入れる。懸濁液を室温で10分間撹拌し、2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(83mg、400μmol)を加える。懸濁液を室温で16時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて、標題生成物を橙色固体(170mg、82%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 516.0
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 3.28 (s, 3H) ; 3.71 (s, 3H) ; 3.82-3.88 (m, 8H) ; 4.12 (s, 2H) ; 6.70-6.85 (m, 9H) ; 7.17 (m, 1H).
【0155】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-メトキシ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(170mg、0.33 mmol)を3.3mLの酢酸エチルに溶解させる。次いで、EtOAc(583μL、0.98mmol)中のT3P(登録商標)及びジイソプロピルエチルアミン(346μL、1.98mmol)を加える。混合物をマイクロ波で150℃にて10分間加熱する。次いで、反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO
3の飽和水溶液で、次いでブラインで洗浄する。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。次いで残留物をフラッシュクロマトグラフィー(cHexからcHex/EtOAc 85/15)で精製して、標題生成物の赤色を帯びた固体(77mg、46%)を得る。
MS [M+H]
+m/z = 498.0
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.91 (s, 3H) ; 3.77 (s, 3H) ; 3.80-3.81 (m, 6H) ; 4.17 (s, 2H) ; 6.16 (dd, 1H, J = 8.7 Hz, J = 2.8 Hz) ; 6.30 (d, 1H, J = 2.7 Hz) ; 6.70-6.83 (m, 5H) ; 6.93 (m, 2H) ; 7.01 (s, 1H) ; 7.18 (m, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 25.6 ; 39.9 ; 55.4 ; 55.9 ; 56.5 ; 99.6 ; 105.1 ; 111.2 (m) ; 112.4 ; 113.6 (t, J = 19.6 Hz) ; 114.1 ; 124.2 ; 127.5 ; 128.5 ; 129.1 (t, J = 10.4 Hz) ; 138.6 ; 139.6 ; 142.4 ; 143.4 ; 149.5 ; 159.5 ; 161.2 (dd, J = 250.1 Hz, J = 7.9 Hz).
【0157】
(5-アミノ-2-チオ-イミダゾール誘導体への一般経路の工程4:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-2-[3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-イソチオウレイド]-アセトアミド)
4-(トリフルオロメチル)フェニルイソチオシアネート(332mg、1.63mmol)およびTEA(264μL、1.96mmol)を、100mLのフラスコ中でエタノール2mLに加える。[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウムホルメート(中間体1c)(490mg、1.63mmol)を18mLのエタノールに溶解させ、TEA(220μL、1.63 mmol)を加え、混合物を室温で滴下する。添加後、反応は終了する。反応混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(純粋シクロヘキサンからcHex/EtOAc 6/4)により精製し、表題生成物を黄色を帯びた粉末として得る(352mg、50%)。
MS [M+H]
+m/z = 427.9
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.18 (s, 3H) ; 3.78 (s, 3H) ; 3.79 (s, 3H) ; 4.02 (d, 2H, J = 3.8 Hz) ; 6.93 (dd, 1H, J = 2.2 Hz, J = 8.5 Hz) ; 7.01-7.06 (m, 2H) ; 7.65 (d, 2H, J = 8.6 Hz) ; 7.80 (d, 2H, J = 8.6 Hz) ; 8.08 (s, 1H) ; 10.3 (s, 1H).
【0158】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
25mLのフラスコに、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-2-[3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-イソチオウレイド]-アセトアミド(352mg、820μmol)、炭酸カリウム(114mg、820μmol)、ヨウ化ナトリウム(62mg、410μmol)、および4.1mLのアセトニトリルを入れる。 懸濁液を室温で10分間撹拌し、2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(170mg、820μmol)を添加する。 懸濁液を室温で16時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解し、水およびブラインで洗浄し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固して標題生成物を橙色固体(438mg、96%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 554.0
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.16 (s, 3H) ; 3.68 (s, 3H) ; 3.76 (m, 5H) ; 4.21 (s, 2H) ; 6.77-6.88 (m, 3H) ; 6.95-6.99 (m, 2H) ; 7.05-7.11 (m, 3H) ; 7.39 (m, 1H) ; 7.49 (d, 2H, J = 8.4 Hz).
【0159】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(438mg、0.79 mmol)を、8mLの酢酸エチルに溶解させる。次いで、EtOAc中のT3P(登録商標)(1.40mL、2.37mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(829μL、4.75mmol)を加える。混合物をマイクロ波で150℃にて10分間加熱する。次いで、反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO
3の飽和水溶液で、次いでブラインで洗浄する。 有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。 残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHexからcHex/EtOAc 85/15)により精製して、標題化合物を橙色固体として得る(166mg、39%)。
MS [M+H]
+m/z = 535.9
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.92 (s, 3H) ; 3.80 (s, 3H) ; 3.83 (s, 3H) ; 4.16 (s, 2H) ; 6.19 (dd, J = 8.7 Hz, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.31 (d, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.72 (d, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.79 (m, 2H) ; 7.06 (s, 1H) ; 7.13 (d, J = 8.3 Hz, 2H) ; 7.18 (m, 1H) ; 7.53 (d, J = 8.3 Hz, 2H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 26.3 ; 40.3 ; 56.0 ; 56.5 ; 100.2 ; 106.0 ; 111.4 (m) ; 112.5, 113.5 (t, J = 19.3Hz) ; 123.7 (q, J = 271.3 Hz) ; 126.1 (q, J = 10.1 Hz) ; 130.6 (q, J = 32.6 Hz) ; 137.9 ; 138.0 ; 139.8 ; 143.0 ; 149.7 ; 161.2 (dd, J =250.0 Hz, J = 7.4 Hz).
【0161】
(工程:3-メトキシ-N-メチル-アニリン)
25mLのフラスコ中で、3.5mLの無水メタノールに、3-メトキシアニリン(2.0mmol、0.224mL)およびナトリウムメトキシド(10mmol、545mg)を加える。次いで、パラホルムアルデヒド(4mmol、119mg)を1.5mLの無水メタノール中に希釈し、溶液を混合物に加える。モレキュラーシーブ(4オングストローム)を次いで加え、混合物を室温で一晩撹拌する。この混合物を、還流下で、水素化ホウ素ナトリウム(2mmol、75.6mg)と共に1時間加熱し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(3.172mmol、120mg)を再度加え、反応混合物を還流下で3時間撹拌する。反応混合物をセライトで濾過し、蒸発させ、EtOAcおよび水に溶解し、2相を分離させる。次いで、水相を飽和NaHCO
3 aqを加えて塩基性化し、EtOAcで抽出する。有機相を飽和NaHCO
3 aqおよびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させ、減圧下で乾燥させて、理論上の生成物を褐色のオイルとして得る(266mg、96%)。
MS: [M+H]
+m/z = 138.0
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 2.84 (s, 3H); 3.78 (s, 3H); 6.19 (t, 1H, J = 2.3Hz); 6.26-6.31 (m,2H) ; 7.10 (t, lH, J = 8.1Hz).
【0162】
(工程2’:tert-ブチルN-[2-(3-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバメート)
25mLフラスコ中で、1mLのEtOAcに3-メトキシ-N-メチル-アニリン(1.554mmol、213mg)を加える。次いで、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(1.865mmol、326mg)、T3P(2.331mmol、1.374mL)、およびDIEA(4.662mmol、814μL)を加え、混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈する。溶液を水で、次いで飽和NaHCO
3 aqおよびブラインで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、次いで蒸発させ、減圧下で乾燥して明るい茶色の固体を得る。 この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM /シクロヘキサン9/1から純DCM、次いでDCM / MeOH 1000/1)で精製して、所望の生成物を黄色がかった粉末として得る(444mg、97%)。
[M+H]
+m/z = 295.2
【0163】
(工程3’:[2-(3-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム; 2,2,2-トリフルオロアセテート)
Tert-ブチル-N-[2-(3-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバメート(444.4mg、1.510mmol)を4mLのDCMに溶解する。TFA(19.97mmol、1.529mL)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。溶媒を除去して、粘稠な赤色を帯びたオイルを得る。理論上の生成物及び3-メトキシ-N-メチル-アニリンの残りに相当する669mgの残渣が得られる。残渣は、さらに精製することなく次の工程で使用する。
MS : [M+H]
+ m/z = 195.1
【0164】
(工程4:N-(3-メトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
100mLのフラスコ中で、2mLのエタノールに、1-フルオロ-4-イソチオシアナト-ベンゼン(1.287mmol、446mg)およびTEA(1.544mmol、0.208mL)を添加する。ここに、室温で、エタノール20mL中、[2-(3-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム、2,2,2-トリフルオロアセテート(1.287mmol、446mg)、およびTEA(4.254mmol、0.574mL)の溶液を滴下する。反応混合物を蒸発乾固させてオイルを得る。このオイルを、フラッシュクロマトグラフィー(純粋DCMからDCM/メタノール 98/2)により精製して、理論上の生成物(69%)に相当する361mgの白色固体を得る。
MS : [M+H]
+m/z =386.0
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 3.19 (s, 3H) ; 3.78 (s, 3H) ; 4.03 (brs, 2H) ; 6.92-7.04 (m, 3H) ; 7.09-7.21 (m, 2H) ; 7.30-7.50 (m, 3H) ; 7.68-7.79 (m, 1H).
【0165】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
5mLのフラスコに、N-(3-メトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(100mg、288μmol)、炭酸カリウム(40mg、288μmol)、ヨウ化ナトリウム(22mg、144μmol)、および1.5mLのアセトニトリルを入れる。懸濁液を室温で10分間撹拌し、2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(60mg、288μmol)を添加する。懸濁液を室温で6時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて、標題生成物を橙色固体(136mg、94%)として得る。
MS: [M+H]
+m/z =474.1
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 3.32 (s, 3H) ; 3.81 (s, 3H) ; 3.90 (brs, 2H) ; 4.13 (brs, 2H) ; 6.68-6.96 (m, 9H) ; 7.16-7.26 (m, 1H) ; 7.34 (t, 1H, J = 16.2 Hz).
【0166】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロフェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3-メトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(136mg、0.27mmol)を、2.7mLの酢酸エチルに溶解させる。EtOAc中のT3P(477μL、0.83mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(283μL、1.62mmol)を添加する。混合物を、マイクロ波で150℃にて10分間加熱する。EtOAc中のT3P(477μL、0.83mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(283μL、1.62mmol)を再び添加し、反応混合物を、マイクロ波照射下で150℃にて10分間、再度加熱する。EtOAc中のT3P(240μL、0.41mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(142μL、0.81mmol)を再び添加し、反応混合物を、マイクロ波照射下で150℃にて10分間再度加熱する。EtOAc中のT3P(240μL、0.41mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(142μL、0.81mmol)を再び添加し、反応混合物を、マイクロ波照射下で150℃にて10分間再度加熱する。次いで、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、飽和NaHCO
3 aq、次いでブラインで洗浄する。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(cHexからcHex/EtOAc 85/15)により精製して、標題化合物を橙色残渣(12.1mg、10%)として得る。
MS [M+H]
+m/z = 456.1
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.91 (s, 3H) ; 3.77 (s, 3H) ; 4.19 (s, 2H) ; 6.22 (t, 1H, J = 2.3 Hz) ; 6.25 (dd, 1H, J = 8.2 Hz, J = 2.3 Hz) ; 6.37 (dd, 1H, J = 8.2 Hz, J = 2.3 Hz) ; 6.81-6.86 (m, 2H) ; 6.94-6.99 (m, 4H) ; 7.05 (s, 1H) ; 7.10 (t, 1H, J = 8.1 Hz) ; 7.15-7.25 (m, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 25.8 ; 39.4 ; 55.2 ; 99.9 ; 103.5 ; 106.3 ; 111.3 (m) ; 113.5 (t, J = 19.3 Hz) ; 116.0 (d, J = 22.9 Hz) ; 125.3 ; 129.1 (d, J = 8.8 Hz) ; 129.2 (t, J =10.3 Hz) ; 129.8 ; 130.7 (d, J = 3.1 Hz) ; 138.5 ; 138.7 ; 149.9 ; 160.6 ; 161.2 (dd, J = 250.2 Hz, J = 7.6 Hz) ; 162.3 (d, J = 249.3 Hz).
【0168】
(工程2’:tert-ブチルN-[2-(4-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバメート)
25mLのフラスコ中で、4mLのEtOAcに市販の4-メトキシ-N-メチル-アニリン(274mg、2mmol)を加える。 次いで、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(420mg、2.4mmol)、T3P(1.768ml、3mmol)、およびDIEA(1.048mL、6mmol)を加える。混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3 aq、およびブラインで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、次いで蒸発させて、理論上の生成物を青銅色固体(463mg、79%)として得る。
MS: [M+H]
+m/z =295.1
【0169】
(工程3’:[2-(4-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロアセテート)
Tert-ブチル-N-[2-(4-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバメート(463.70mg、1.575mmol)を4mLのDCMに溶解する。TFA(20.84mmol、1.595mL)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。溶媒を除去して、粘稠な赤色を帯びたオイルを得る。理論上の生成物及び4-メトキシ-N-メチル-アニリンに相当する510mgの残渣を得る。残渣を、精製することなく次の工程で使用する。
MS : [M+H]
+m/z = 195.0
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 3.20 (s, 3H); 3.57 (s, 2H); 3.83 (s, 3H);6.95 (d, 2H, J=8.9 Hz); 7.12 (d, 2H, J=9.0Hz); 7.80 (s, 3H)。
【0170】
(工程4:N-(4-メトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
100mLのフラスコ中で、5mLのエタノールに、1-フルオロ-4-イソチオシアナト-ベンゼン(1.575mmol、241mg)およびTEA(1.890mmol、0.255mL)を加える。これに、室温で、エタノール20mL中の[2-(4-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム、2,2,2-トリフルオロアセテート(1.575mmol、485mg)、およびTEA(1.575mmol、0.213mL)の溶液に加える。反応混合物を蒸発乾固させ、理論生成物に相当する淡緑色粉末865mgを得る。残渣をさらに精製することなく次の工程で使用する。
[M+H]
+m/z =348.0
【0171】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(4-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
100mLフラスコに、N-(4-メトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(547mg、1.575mmol)、炭酸カリウム(342mg、2.481mmol)、ヨウ化ナトリウム(185mg、1.240mmol)、およびアセトニトリル12.4mLを加える。懸濁液を室温で10分間撹拌し、2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(513mg、2.481ミリモル)を加える。懸濁液を室温で16時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させて、理論上の生成物に相当する黄色オイル(727mg、97%)を得る。
[M+H]
+m/z=475.1
【0172】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロフェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(4-メトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Cに従い、2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(4-メトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(1.535mmol、726mg)を使用して、標題生成物を橙色粉末(120mg、17%)としてを得る。
[M+H]
+m/z = 456.1
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 2.92 (s, 3H); 3.76 (s, 3H); 4.18 (brs, 2H); 6.57-6.60 (m, 2H); 6.70-6.77 (m, 2H);6.80-6.86(m, 2H);6.92-6.95 (m, 4H); 7.00 (s, 1H); 7.15-7.23 (m, 1H)
13C-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 25.9 ; 40.2 ; 55.7 ; 111.3 (m) ; 113.6 ; 114.4 ; 115.4 ; 115.9 (d, J =23.0 Hz) ; 124.1 ; 129.0- 129.3 (m) ; 130.9 (d, J = 3.4 Hz) ; 138.1 ; 140.0 ; 142.7 ; 153.1 ; 161.3 (dd, J = 250.0 Hz, J = 7.4 Hz) ; 162.3 (d, J =249.2 Hz).
【0174】
(工程1:3,4-ジクロロ-N-メチル-アニリン)
25mLのフラスコ中で、3,4-ジクロロアニリン(324mg、2.0mmol)およびナトリウムメトキシド(540mg、10mmol)を3.5mLの無水メタノールに加える。次いで、パラホルムアルデヒド(120mg、4mmol)を1.5mLの無水メタノールで希釈し、溶液を前記混合物に加える。モレキュラーシーブ(4オングストローム)を次いで加え、混合物を室温で一晩撹拌する。次いで、混合物を水素化ホウ素ナトリウム(151mg、4mmol)と共に還流下で1時間加熱する。次いで、反応混合物をセライトで濾過し、蒸発させ、残渣をEtOAcおよび水に溶解させ、2相を分離する。水相を、飽和NaHCO
3 aqを加えて塩基性にし、EtOAcで抽出する。有機相を飽和NaHCO
3 aqで、次いでブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させ、真空下で乾燥させて、表題生成物(227mg、64%)に相当する黄色オイルを得る。
MS : [M+H]
+m/z = 179.9
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2,83 (s, 3H); 6,48 (dd, 1H, J= 8.7 Hz, J= 2.8 Hz ); 6,70 ( d, J= 2.8 Hz, 1H); 7.21 (d, 1H, J=8.8 Hz).
【0175】
(工程2’:tert-ブチルN-[2-(3,4-ジクロロ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバメート)
10mLフラスコ中で、2.6mLのEtOAcに、3,4-ジクロロ-N-メチル-アニリン(226mg、1.287mmol)を加える。次いで、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(608mg、3.474mmol)、T3P(2.2747mL、3.859mmol)、およびDIEA(1.012mL、5.791mmol)を加える。混合物を40℃で2日間撹拌する。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3 aq、およびブラインで洗浄する。 有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて黄色オイルを得る。次のステップのために、収率を100%とみなす。
MS : [M+H-C(CH
3)
3]
+m/z = 277.0
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 1.4 (m, 9H) ; 3.25 (s, 3H) ; 3.65 (s, 2H) ; 3.35 (s, 1H) ; 7.1 (dd, 1H, J=2.4Hz , J=8.4Hz) ; 3.37 (d, 2H, J=2.3Hz) ; 7.72 (d, 1H, J=8.5Hz)
【0176】
(工程3’:[2-(3,4-ジクロロ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロアセテート)
tert-ブチルN-[2-(4-メトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバマート(428mg、1.287mmol)を4mLのDCMに溶解させる。TFA(1.303mL、17.03mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌する。溶媒を除去してオイルを得る。残渣はさらに精製することなく次の工程で使用する。
MS: [M+H]
+m/z = 235.11
【0177】
(工程4:N-(3,4-ジクロロ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
100mLフラスコ中で、1-フルオロ-4-イソチオシアナト-ベンゼン(446mg、1.287mmol)およびTEA(0.208mL、1.544mmol)を2mLエタノールに加える。これに、室温で、[2-(3,4-ジクロロ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム、2,2,2-トリフルオロアセテート(446mg、1.287mmol)、およびTEA(0.574mL、4.25mmol)のエタノール20mL中の溶液を滴下した。次いで、反応混合物を蒸発乾固させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCMからDCM/メタノール 98/2)により精製して、標題生成物(定量的収率)に相当する、550mgの白色固体を得る。
【0178】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジクロロ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
100mLフラスコに、N-(3,4-ジクロロ-N-メチル-アニリノ)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(280mg、0.725mmol)、炭酸カリウム(100mg、0.725mmol)、ヨウ化ナトリウム(54.33mg、0.362mmol)、およびアセトニトリル3.6mLを入れる。懸濁液を室温で10分間撹拌し、次いで2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(150mg、0.725mmol)を加える。懸濁液を室温で16時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させて標題生成物(90%)に相当する334mgの黄色を帯びたオイルを得る。
MS : [M+H]
+m/z= 512.1
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 3.31 (s, 3H) ; 3.92 (s, 2H) ; 4.12 (s, 2H) ; 6.75-6.98 (m, 6H) ; 7.13 (m, 1H) ; 7.23 (m, 1H) ; 7.38 (m, 1H) ; 7.53 (d, 1H, J = 8.49 Hz).
【0179】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロフェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジクロロ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Cに従い、2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジクロロ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(334mg、0.65mmol)を使用して、標題生成物を橙色粉末として得る(143mg、44%)。
MS : [M+H]
+m/z = 496.0
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2,92 (s, 3H) ; 4, 19 (s, 2H) ; 6,45 (dd, J=3.05 Hz, J=8.91 Hz, 1H); 6,72 (d, J=2.96Hz, 1H) ; 6,87 (t, J= 7.7 lHz, 1H) ; 6,82-6,95 (m, 6H ) ; 7,05 (s, 1H) ;7,2 (d, J=2.57Hz,lH) ; 7,22 (d, J=2.57Hz, 1H)
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 25.8 ; 39.6 ; 111.4 (m) ; 112.5 ; 113.5 (t, J = 19.4 Hz) ; 114.5 ; 116.3 (d, J = 23.1 Hz) ; 121.7 ; 125.6 ; 129.0 (d, J =8.8 Hz) ; 129.3 (t , J = 10.3Hz) ; 130.4 ; 132.9 ; 137.4 ; 139.5 ; 148.0 ; 161.2 (dd, J = 250.0Hz, J = 7.3 Hz) ; 162.5 (d, J = 249.9 Hz).
【0181】
(工程2’:tert-ブチルN-[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバメート)
250mLのフラスコ中で、4mLのEtOAcに3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリン(903mg、5.405mmol)を添加する。次いで、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(1136mg、6.486mmol)、T3P(4.777mL、5159mmol)、およびDIEA(2.832mL、16.21mmol)を添加する。混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3 aq、およびブラインで洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて、理論上の生成物(100%)に相当する1.77gの赤色を帯びた粉末を得る。
MS : [M+H]
+m/z = 325.0
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 1.42 (s, 9H); 3.27 (s, 3H); 3.68 (s, 2H); 3.89 (m, 6H); 6.68 (d, 1H, J=2.4 Hz); 6.76 (dd, 1H, J=2.4 Hz, J=8.4 Hz ); 6.86 (d, 1H, J=8.5 Hz)
【0182】
(工程3’:[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム;2,2,2-トリフルオロアセテート)
50mLのフラスコ内で、tert-ブチルN-[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]カルバメート(1770.4mg、5.458mmol)を13.6mLのDCMに溶解させる。TFA(5.526mL、72.21mmol)を加え、反応混合物を室温で15分間撹拌する。溶媒を蒸発乾固させて、理論上の生成物に相当する紫色オイルを得る。残渣は、さらに精製することなく次の工程で使用する。
MS : [M+H]
+m/z = 225.1
【0183】
(工程4:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
100mLのフラスコ中で、5mLのエタノールに、2,4-ジフルオロ-1-イソチオシアナート-ベンゼン(290mg、1.698mmol)およびTEA(0.275mL、2.037mmol)を添加する。 これに、室温で、20mLエタノール中の[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム、2,2,2-トリフルオロアセテート(574mg、1.698mmol)、およびTEA(0.229mL、1.698mmol)の溶液を滴下する。反応混合物を蒸発乾固させる。次いで残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/cHex 1/1からDCM/メタノール98/2)により精製して、理論上の生成物(50%)に相当する335mgの黄色粉末を得る。
MS: [M+H]
+m/z = 396.1
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.16 (s, 3H) ; 3.76 (s, 3H) ; 3.78 (s, 3H) ; 4.00 (s, 2H) ; 6.90-7.08 (m, 4H) ; 7.29 (m, 1H) ; 7.62 (m, 1H) ; 7.98 (brs, 1H) ; 9.59 (brs, 1H).
【0184】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
100mLフラスコに、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(335mg、0.85mmol)、炭酸カリウム(117mg、0.847mmol)、ヨウ化ナトリウム(63mg、0.424mmol)、およびアセトニトリル4.20mLを入れる。懸濁液を室温で10分間撹拌し、次いで2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(175mg、0.847mmol)を加える。懸濁液を室温で16時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させて、標題生成物(93%)に相当する黄色を帯びたオイル413mgを得る。
MS: [M+H]
+m/z= 522.2
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 3.31 (s, 3H) ; 3.83-3.99 (m, 8H) ; 4.18 (s, 2H) ; 6.65 -6.93 (m, 9H) ; 7.17-7.25 (m, 1H).
【0185】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Cに従い、2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(413mg、0.79mmol)を使用して、標題生成物を赤色を帯びた固体として得る(226mg、56%)。
MS : [M+H]
+m/z = 504.1
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 3.02 (s, 3H) ; 3.77 (s, 3H) ; 3.80 (s, 3H) ; 4.17 (m, 2H) ; 6.14 (dd, 1H, J = 8.7 Hz, J = 2.8 Hz) ; 6.25 (d, 1H, J = 2.8 Hz) ; 6.64-6.76 (m, 2H) ; 6.77-6.87 (m, 4H) ; 7.05 (s, 1H) ; 7.20 (m, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 26.2 ; 40.7 ; 55.8 ; 56.4 ; 100.6 ; 104.9 (dd, J = 26.4 Hz, J = 23.7 Hz) ; 106.2 ; 111.1- 112.1 (m) ; 113.7 (t, J = 19.4 Hz) ; 119.1 (dd, J = 13.0 Hz, J = 4.1 Hz) ; 123.8 ; 129.2 (t, J = 10.3 Hz) ; 130.5 (d, J = 10.2 Hz) ; 138.7 ; 140.4 ; 142.7 ; 143.0 ; 149.4 ; 157.8 (dd, J = 255.1 Hz, J = 12.9 Hz) ; 161.2 (dd, J = 250.2 Hz, J = 7.5 Hz) ; 162.9 (dd, J = 252.4 Hz, J = 11.3 Hz).
【0187】
(工程4:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
25mLのフラスコ中で、TCDI(133mg、0.749mmol)を3mLのジオキサンに溶解させる。3.50mLのジオキサン中の、[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム、2,2,2-トリフルオロアセテート(230mg、0.681mmol)を滴下して加える。次いで、溶液を、室温で1.5時間撹拌する。4-フルオロ-3-メトキシ-アニリン(106mg、0.750mmol)およびTEA(285μL、2.04mmol)を溶液に加える。反応混合物を60℃で一晩撹拌する。次いで溶媒を除去する。残渣をEtOAcに溶解させ、水および0.1N HCl水溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させる。蒸発させた後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(純粋なcHexからcHex/EtOAc 8/2)で精製して標題生成物(49%)に相当する橙色固体136mgを得る。
MS: [M+H]
+m/z = 408.1
1H-NMR (DMSO d-6) : δ (ppm) 3.16 (s, 3H) ; 3.74-3.82 (m, 9H) ; 4.00 (d, 2H, J = 4.2 Hz); 6.84-6.96 (m, 2H) ; 6.98-7.06 (m, 2H) ; 7.15 (dd, 1H, J = 11.3 Hz, J = 8.7 Hz) ; 7.37 (dd, J = 7.9 Hz, J = 2.2 Hz) ; 7.77 (brs, 1H) ; 9.91 (s, 1H).
【0188】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
5mLのフラスコに、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(124mg、304μmol)、炭酸カリウム(42mg、304μmol)、ヨウ化ナトリウム(23mg、152μmol)、および1.5mLのアセトニトリルを入れる。懸濁液を室温で10分間撹拌し、2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(63mg、304μmol)を添加する。懸濁液を室温で18時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて標題生成物を黄色を帯びたオイル(156mg、91%)として得る。
MS : [M+H]
+m/z = 534.2
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 3.28 (s, 3H) ; 3.78-3.84 (m, 11H) ; 4.11 (brs, 2H) ; 5.82 (s, 1H) ; 6.29 (brs, 1H) ; 6.44 (d, 1H, J = 6.3 Hz) ; 6.61-6.89 (m 6H) ; 7.13-7.26 (m, 1H).
【0189】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Cに従い、2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(156mg、0.28mmol)を使用して、標題生成物を橙色粉末として得る(143mg、63%)。
MS: [M+H]
+m/z = 516.2
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.90 (s, 3H) ; 3.54 (s, 3H) ; 3.82 (s, 6H) ; 4.20 (s, 2H) ; 6.18 (dd, 1H, J = 8.7 Hz, J = 2.8 Hz) ; 6.33 (d, 1H, J = 2.8 Hz) ; 6.54 (dd, 1H, J = 7.5 Hz, J = 2.4 Hz) ; 6.59-6.64 (m, 1H) ; 6.75 (d, 1H, J = 8.7 Hz) ; 6.78-6.86 (m, 2H) ; 6.98 (dd, 1H, J =10.8 Hz, J =8.6 Hz) ; 7.06 (s, 1H) ; 7.14-7.24 (m, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 25.7 ; 39.9 ; 55.9 ; 56.0 ; 56.6 ; 99.7 ; 105.2 ; 111.1-111.4 (m) ; 112.6 ; 112.7 (d, J = 2.4 Hz) ; 113.6 (t, J =19.4 Hz) ; 115.9 (d, J = 19.6 Hz) ; 119.7 (d, J = 7.3 Hz) ; 124.9 ; 129.2 (t, J = 10.2 Hz) ; 130.9 (d, J = 3.6 Hz) ; 138.6 ; 139.0 ; 142.6 ; 143.5 ; 147.5 (d, J = 11.6 Hz) ; 149.8 ; 152.0 (d, J = 248.9 Hz) ; 161.2 (dd, J = 249.9 Hz, J = 7.7 Hz).
【0191】
(工程4:N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド)
100mLのフラスコ中で、5mLのエタノールに1-フルオロ-4-イソチオシアナト-ベンゼン(318mg、1.697mmol)およびTEA(0.275mL、2.036mmol)を加える。これに、室温で、エタノール20mL中の[2-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-2-オキソ-エチル]アンモニウム、2,2,2-トリフルオロアセテート(574mg、1.697mmol)、およびTEA(0.229mL、1.697mmol)の溶液を滴下する。反応混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(純DCMからDCM/MeOH 98/2)で精製して、理論上の生成物(53%)に相当する淡緑色粉末367mgを得る。
MS: [M+H]
+m/z = 412.0
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.17 (s, 3H) ; 3,77 (s, 3H) ; 3.79 (s, 3H) ; 4.00 (d, 2H, J = 4.2 Hz) ; 6.93 (dd, 1H, J = 8.4 Hz, 2.3 Hz) ; 7.34-7.36 (m, 2H) ; 7.84-7.95 (m, 2H) ; 10.05 (s, 1H).
【0192】
(工程5:2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
25mLのフラスコに、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(184mg、0.45mmol)、炭酸カリウム(61mg、0.446mmol)、ヨウ化ナトリウム(33mg、0.223mmol)、およびアセトニトリル2.23mLを入れる。懸濁液を室温で10分間撹拌し、2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロ-ベンゼン(92mg、0.446mmol)を加える。懸濁液を室温で16時間撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させて、標題生成物(99%)に相当する橙色オイル238mgを得る。
MS: [M+H]
+m/z = 538.1
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 3.29 (s, 3H) ; 3.79-3.93 (m, 8H) ; 4.13(s, 2H) ; 6.57-7.00 (m, 9H) ; 7.15-7.27 (m, 1H).
【0193】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジルスルファニル)-3-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Cに従い、2-[2-(2,6-ジフルオロ-ベンジル)-3-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(238mg、0.44mmol)を使用して標題生成物を橙色粉末として得る(126mg、55%)。
MS:[M+H]
+m/z= 520.1
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.96 (s, 3H) ; 3.80 (s, 3H) ; 3.82 (s, 3H) ; 4.14 (s, 2H) ; 6.15 (dd, 1H, J = 8.7 Hz, J =2.7 Hz) ; 6.71 (d, 1H, J = 8.7 Hz) ; 6.77-6.89 (m, 3H) ; 6.91 (dd, 1H, J = 6.4 Hz, J = 2.5 Hz) ; 7.01 (t, 1H, J = 8.5 Hz) ; 7.03 (s, 1H) ; 7.20 (m, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 26.3 ; 40.6 ; 56.0 ; 56.5 ; 100.6 ; 106.5 ; 111.3 (m) ; 112.3 ; 113.6 (t, J = 19.4 Hz) ; 116.6 (d, J = 22.4 Hz) ; 121.2 (d, J = 19.1Hz) ; 124.0 ; 127.5 (d, J =7.7 Hz); 129.3 (t, J = 10.2 Hz) ; 129.7 ; 131.4 (d, J = 3.9 Hz) ; 137.9 ; 139.9 ; 142.9; 143.2 ; 149.7 ; 157.8 (d, J = 251.7 Hz) ; 161.1 (dd, J = 249.7 Hz, J = 7.6 Hz).
【0195】
[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-フェニル]-メタノール(平均MW=947g/mol)
ポリエチレングリコールメチルエーテルトシレート(平均分子量=900)(1.2mmol、1080mg)をアセトニトリル(4mL)に溶解させ、3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシメチル-フェノール(1.32mmol、211mg)およびK
2CO
3(1.44mmol、199mg)を加える。反応混合物を還流下で一晩攪拌する。次いで、反応混合物を冷却し、濾過する。濾液を真空下で濃縮し、分取HPLCにより精製して、標題生成物(697mg、61%)に相当する白色粘性残渣を得る。
MS: [M+H
3O]
+m/z= 808.2 (m=14)
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.23 (s, 3H) ; 3.38-3.58 (m, 66H) ; 3.72 (m, 2H) ; 4.11 (m, 2H) ; 4.40 (s, 2H) ; 6.71 (m, 2H).
【0197】
(工程:2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチルアセトアミド(平均MW=1209g/モル))
[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-フェニル]-メタノール(中間体3)(697mg、0.74mmol)およびTEA(144μL、1.07mmol)を2mLの無水DCMに0℃で溶解させる。塩化メシル(68.6μL、0.89mmol)を滴下し、混合物を室温で一晩撹拌する。次いで、反応混合物を蒸発乾固させる。この残渣を、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(279mg、0.74mmol)、K
2CO
3(153mg、1.11mmol)、およびアセトニトリル4mLを入れた25mLのフラスコに加える。懸濁液を室温で4時間撹拌する。次にK
2CO
3(102mg、0.74mmol)を加え、反応物を50℃で16時間撹拌する。次いで、反応混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(純粋DCMからDCM/MeOH 98/2)で2回精製して、理論上の生成物(17%)に粗糖する淡桃色固体146mgを得る。
MS [M+H+H
3O]
2+m/z = 606.2 (n = 15)
【0198】
(工程6:[2-[2,6-ジフルオロ-4-(2-メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジルスルファニル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン(平均MW=1204g/mol))
手順Bに従い、2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(148mg)を使用して標題化合物を橙色オイルとして得る(20mg、13%)。精製を、分取HPLCにより行った。
MS [M+H+H
3O]
2+m/z = 619.2 (n = 16)
1H-NMR (CD
2Cl
2) : δ (ppm) 2.96 (s, 3H) ; 3.36 (s, 3H) ; 3.50-3.72 (m, 80H) ; 3.74-3.77 (m, 6h) ; 3.78-3.88 (m, 4H) ; 4.04-4.14 (m, 4H) ; 6.15 (dd, 1H, J = 8.70 Hz, J = 2.79) ; 6.27 (d, 1H, J = 2.79 Hz) ; 6.41-6.50 (m, 2H) ; 6.72 (d, 1H, J = 8.70 Hz) ; 6.96-7.07 (m, 5H).
13C-NMR (CD
2Cl
2) : δ (ppm) 25.8 ; 40.1 ; 55.8 ; 56.4 ; 58.6 ; 68.3 ; 69.2 ; 70.3 ; 70.4 ; 70.5 ; 70.8 ; 71.9 ; 98.1-98.7 (m) ; 100.1 ; 105.5 ; 105.6 (t, J = 20.5 Hz) ; 112.9 ; 115.7 (d, J = 23.0 Hz) ; 124.0 ; 129.3 (d, J = 8.8 Hz) ; 131.1 (d, J = 3.3 Hz) ; 138.0 ; 139.8 ; 142.8 ; 143.3 ; 149.8 ; 159.7 (t, J = 14.5 Hz) ; 161.6 (dd, J = 247.1 Hz, J = 11.3 Hz) ; 162.3 (d, J = 248.3 Hz).
【0200】
(工程5:2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(平均MW=1209g/mol))
[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-フェニル]-メタノール(中間体3)(893mg、1.02mmol)およびTEA(198μl、1.47mmol)を、2mLの無水DCMに0℃にて溶解させる。塩化メシル(96μL、1.22mmol)を滴下し、混合物を室温で一晩撹拌する。この時点で、TEA(136μL、1.02mmol)および塩化メシル(79μL、1.02mmol)を再び添加する。次いで、反応混合物を蒸発乾固させる。この残渣を、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(414mg、1.02mmol)、K
2CO
3(211mg、1.52mmol)、NaI(76.1mg、0.51mmol)、およびアセトニトリル4mLを入れた25mLのフラスコに加える。懸濁液を室温で48時間撹拌する。次いで、反応混合物を蒸発乾固させ、分取HPLCによって精製して、理論上の生成物(26%)に相当する333mgの淡桃色固体を得る。
MS [M+H+H
3O]
2+m/z = 643.5 (n = 16)
1H-NMR (CD
2Cl
2) : δ (ppm) 3.29 (s, 3H) ; 3.35 (s, 3H) ; 3.50-3.72 (m, 80H) ; 3.80-3.90 (m, 13H) ; 4.03-4.17 (m, 4H) ; 6.32 (brs, 1H) ; 6.46-6.56 (m, 3H) ; 6.70-7.02 (5 H).
【0201】
(工程6:[2-[2,6-ジフルオロ-4-(2-メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジルスルファニル]-3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン(平均MW=1329g/モル))
2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(平均MW=1209g/mol)(266mg、0.21mmol)を2.1mLの無水EtOAcに溶解させ、2-5mLのマイクロ波管に導入した。溶液にアルゴンを通気し、次いでEtOAc中のT3P(371μL、0.63mmol)及びDIEA(233μL、1.26mmol)を加え、混合物をマイクロ波照射下、150℃にて10分間加熱した(吸収は高レベルに設定)。反応は完了しておらず、EtOAc中のT3P(247μL、0.42mmol)及びDIEA(155μL、0.84mmol)を再度添加し、反応混合物をマイクロ波照射下で130℃にて5分間加熱した。反応混合物を蒸発乾固させ、分取HPLCで精製して、理論上の生成物(17%)に相当する淡橙色オイル47mgを得た。
MS [M+H+H
3O]
2+m/z = 678.6 (n = 18)
1H-NMR (CD
2Cl
2) : δ (ppm) 2.93 (s, 3H) ; 3.36 (s, 3H) ; 3.48-3.72 (m, 76H) ; 3.73-3.78 (m, 6H) ; 3.79-3.85 (m, 2H) ; 4.04-4.13 (m, 4H) ; 6.17 (dd, 1H, J = 8.7 Hz, J = 2.7 Hz) ; 6.31 (d, 1H, J = 2.6 Hz) ; 6.40-6.50 (m, 2H) ; 6.57 (dd, 1H, J = 7.6 Hz, J = 2.3 Hz) ; 6.63- 6.70 (m, 1H) ; 6.75 (d, 1H, J = 8.7 Hz) ; 6.96-7.09 (m, 2H).
13C-NMR (CD
2Cl
2) : δ (ppm) 25.8 ; 39.9 ; 55.8 ; 55.9 ; 56.5 ; 58.6 ; 68.3 ; 69.2 ; 70.4 ; 70.5 ; 70.8 ; 71.9 ; 98.1-98.5 (m) ; 99.9 ; 105.5 ; 105.6 (t, J = 20.2 Hz) ; 112.9 (d, J = 2.5 Hz) ; 113.1 ; 115.7 (d, J = 19.6 Hz) ; 119.8 (d, J = 7.3 Hz) ; 124.7 ; 131.2 (d, J = 3.6 Hz) ; 138.2 ; 139.3 ; 142.7 ; 143.6 ; 147.6 (d, J = 11.6 Hz) ; 150.0 ; 151.9 (d, J = 247.9 Hz) ; 159.7 (t, J = 14.1 Hz) ; 161. 7 (dd, J = 252.8 Hz, J = 5.6 Hz).
【0203】
[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-フェニル]-メタノール(平均MW=947g/mol)
ポリエチレングリコールメチルエーテルトシレート(平均分子量=2000)(1.2mmol、2400mg)をMeCN(4mL)に溶解させ、3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシメチル-フェノール(1.32mmol、211mg)およびK
2CO
3(1.44mmol、199mg)を加える。反応混合物を還流下で一晩攪拌する。次いで、反応混合物を冷却し、濾過する。濾液を真空下で濃縮する。次いで、残渣をDCM/MeOH 99/1混合物中に部分的に溶解させ、Et
2Oを加えて、沈殿物(主にトシレートに相当する)を生成させ、これを濾過する。濾液を蒸発乾固させて、標題生成物に相当する白色固体を得る。これをさらに精製することなく次の工程で使用するが、収率は100%とみなす。
1H-NMR (DMSO-d6) : δ (ppm) 3.23 (s, 3H) ; 3.36-3.76 (m, 278H) ; 4.06-4.14 (m, 2H) ; 4.40 (brs, 2H) ; 5.08 (brs, 1H) ; 6.56-6.76 (m, 2H).
【0205】
(工程5:2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチルアセトアミド(平均MW=2413g/モル))
[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-フェニル]-メタノール(中間体4)(2.91g、1.47mmol)およびTEA(246μl、1.83mmol)を5mLの無水DCMに0℃にて溶解させる。次いで、塩化メシル(114μL、1.46mmol)を滴下し、混合物を室温で一晩撹拌する。次いで、反応混合物を蒸発乾固させる。この残渣を、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(553mg、1.47mmol)、K
2CO
3(304mg、2.20mmol)、およびアセトニトリル4mLを入れた50mLのフラスコに加える。懸濁液を室温で一晩撹拌する。次いで、反応混合物を蒸発乾固させ、残渣をFC(cHex/DCM 1/1からDCM/MeOH 96/4)で精製して、理論上の生成物(20%)に相当する693mgの黄色固体を得る。
MS [M+H+3H
3O]
4+m/z = 609.4 (n = 42)
【0206】
(工程6:[2-[2,6-ジフルオロ-4-(2-メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジルスルファニル]-3-(4-フルオロフェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチルアミン(平均MW=2347g/mol))
2.3mLの酢酸エチル中の2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(メトキシ-ポリエチレングリコキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチルアセトアミド(平均MW=2413g/mol)(554mg、0.23mmol)。この溶液に、DIEA(240.8μL、1.38mmol)およびT3P(408μL、0.69mmol)を加える。次いで、反応混合物を24時間加熱還流させる。次いで、反応混合物を蒸発乾固させ、分取HPLCにより精製して、理論上の生成物(20%)に相当する黄色を帯びた固体110mgを得る。
MS [M+H+2H
3O]
3+m/z = 786.0 (n = 41)
1H-NMR (CD
2C1
2) : δ (ppm) 2.96 (s, 3H) ; 3.36-3.87 (m, 213H) ; 4.04-4.11 (m, 4H) ; 6.15 (dd, 1H, J = 8.70 Hz, J = 2.79) ; 6.27 (d, 1H, J = 2.76 Hz) ; 6.41-6.50 (m, 2H) ; 6.72 (d, 1H, J = 8.73 Hz) ; 6.96-7.07 (m, 5H).
13C-NMR (CD
2C1
2) : δ (ppm) 25.8 ; 40.1 ; 55.8 ; 56.4 ; 58.6 ; 68.3 ; 69.2 ; 70.3 ; 70.4 ; 70.5 ; 70.8 ; 71.9 ; 98.1-98.7 (m) ; 100.1 ; 105.5 ; 105.6 (t, J = 20.5 Hz) ; 112.9 ; 115.7 (d, J = 23.0 Hz) ; 124.0 ; 129.3 (d, J = 8.9 Hz) ; 131.1 (d, J = 3.3 Hz) ; 138.0 ; 139.8 ; 142.8 ; 143.3 ; 149.8 ; 159.7 (t, J = 14.5 Hz) ; 161.6 (dd, J = 247.1 Hz, J = 11.3 Hz) ; 162.3 (d, J = 248.3 Hz).
【0208】
([4-(3-クロロプロポキシ)-2,6-ジフルオロ-フェニル]メタノール)
1-ブロモ-3-クロロ-プロパン(1.30mL、13.2mmol)、3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシメチル-フェノール(2.64mmol、423mg)、および炭酸カリウム(365mg、2.64mmol)をアセトニトリル(9mL)に加え、反応混合物を還流下で3時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。粗製物をEtOAcに溶解させ、水で洗浄した。水相をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、標題生成物(602mg、96%)に相当する無色オイルを得た。
MS [M+H-H
2O]
+m/z = 218.9
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.24 (quin, 2H, J = 6.05 Hz) ; 3.73 (t, 2H, J = 6.26 Hz) ; 4.10 (t, 2H, J = 5.82 Hz) ; 4.71 (s, 2H) ; 6.41-6.52 (m, 2H).
【0210】
(工程5:2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(3-クロロプロポキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド)
[4-(3-クロロプロポキシ)-2,6-ジフルオロ-フェニル]メタノール(中間体5)(602mg、2.54mmol)およびTEA(428μL、3.17mmol)を、5mLの無水DCMに0℃にて溶解させる。次いで、塩化メシル(197μL、2.54mmol)を滴下し、混合物を室温で一晩撹拌する。反応混合物を蒸発乾固させる。次いで、水を加えて反応をクエンチする。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。残渣を、N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-[3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-メチル-アセトアミド(800mg、2.12mmol )、炭酸カリウム(322mg、2.33mmol)、およびアセトニトリル10mLを入れた50mLのフラスコに添加する。懸濁液を室温で一晩撹拌する。炭酸カリウム(146mg、1.51mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。次いで、媒体を蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解させ、水およびブラインで洗浄し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(純粋cHexからcHex/EtOAc 7/3)により精製して、標題生成物(915mg、73%)に相当する黄色を帯びた固体を得る。
MS[M+H]
+m/z = 595.9
1H-NMR (CDCl
3): δ (ppm) 2.15 (quin, 2H, J = 5.93 Hz) ; 3.27 (s, 3H) ; 3.66 (t, 2H, J 6.19 Hz) ; 3.76-3.93 (m, 8H) ; 3.95-4.14 (m, 4H) ; 6.32-6.46 (m, 2H) ; 6.60-6.94 (m, 7H).
【0211】
(工程6:[2-(2,6-ジフルオロ-4-(3-クロロプロポキシ)-ベンジルスルファニル)-3-(4-フルオロ-フェニル)-3H-イミダゾール-4-イル]-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-メチル-アミン)
手順Bに従い(フラッシュクロマトグラフィー精製はなし)、2-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(3-クロロプロポキシ)-ベンジル]-3-(4-フルオロ-フェニル)-イソチオウレイド]-N-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-メチル-アセトアミド(915mg、1.56mmol)を使用して、標題生成物を褐色固体として得る(895mg、96%)。
MS [M+H]
+m/z = 577.9
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.21 (quin, 2H, J = 6.01 Hz) ; 2.91 (s, 3H) ; 3.72 (t, 2H, J = 6.19 Hz) ; 3.77-3.86 (m, 6H) ; 4.00-4.14 (m, 4H) ; 6.16 (dd, 1H, J = 8.69 Hz, J = 2.78 Hz) ; 6.30 (d, 1H, J = 2.73 Hz) ; 6.32-6.42 (m, 2H) ; 6.72 (d, 1H, J = 8.73 Hz) ; 6.91-7.05 (m, 5H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 25.8 ; 31.8 ; 40.1 ; 41.1 ; 55.9 ; 56.4 ; 64.8 ; 98.0-98.6 (m) ; 100.0 ; 105.5 ; 105.6 (t, J = 20.2 Hz) ; 112.4 ; 115.9 (d, J = 22.9 Hz) ; 124.3 ; 129.2 (d, J = 8.7 Hz) ; 130.9 (d, J = 3.1 Hz) ; 138.5 ; 139.5 ; 142.7 ; 143.2 ; 149.6 ; 159.5 (t, J = 14.1 Hz) ; 161.7 (dd, J = 248.1 Hz, J = 11.0 Hz) ; 162.3 (d, J = 249.2 Hz).
【0213】
(2-[[4-[3-(1-アザ-4-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン-4-イル)プロポキシ]-2,6-ジフルオロ-フェニル]メチルスルファニル]-N-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-イミダゾール-4-アミン;ホルメート)
中間体6(225mg、370μmol)およびDABCO(112mg、1.0mmol)を、無水アセトニトリル(3.7mL)に溶解させる。反応混合物を、マイクロ波照射下、100℃にて30分間加熱する。 次いでこれを蒸発乾固させ、分取HPLC(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=9.2)により精製して、理論上の生成物(23%)に相当する60mgの淡橙色粉末を得る。
MS [M]+m/z = 654.2
1H-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 2.31 (brs, 2H) ; 2.94 (s, 3H) ; 3.32 (brs, 6H) ; 3.48-3.82 (m, 14H) ; 3.94 (s, 2H) ; 4.06 (brs, 2H) ; 6.16 (dd, J = 8.7 Hz, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.27 (d, J = 2.7 Hz, 1H) ; 6.35-6.47 (m, 2H) ; 6.71 (d, J = 8.8 Hz, 1H) ; 6.93-7.11 (m, 5H) ; 8.60 (s, 1H).
13C-NMR (CDCl
3) : δ (ppm) 22.1 ; 25.7 ; 40.3 ; 45.3 ; 52.6 ; 55.9 ; 56.5 ; 61.8 ; 65.2 ; 98.2-98.8 (m) ; 100.1 ; 105.9 ; 106.0 (t, J = 20.1 Hz) ; 112.5 ; 116.0 (d, J = 22.9 Hz) ; 123.9 ; 129.3 (d, J = 8.8 Hz) ; 130.9 (d, J = 3.2 Hz) ; 137.8 ; 140.1 ; 142.8 ; 143.1 ; 149.6 ; 159.0 (t, J = 14.1 Hz) ; 161.6 (dd, J = 248.2 Hz, J = 11.0 Hz) ; 162.3 (d, J = 249.3 Hz).
【0215】
(アンモニウム;3-[4-[[5-(3,4-ジメトキシ-N-メチル-アニリノ)-1-(4-フルオロフェニル)イミダゾール-2-イル]スルファニルメチル]-3,5-ジフルオロ-フェノキシ]プロパン-1-スルホネート)
2-5mLのマイクロ波管中で、中間体6(540mg、0.89mmol)をジオキサンと水との混合物(1/1、V/V)6mLに溶解した。亜硫酸ナトリウム(559mg、4.44mmol)およびヨウ化ナトリウム(133mg、0.89mmol)を添加した。反応混合物を、以下の設定に従ってマイクロ波照射下で連続的に加熱した:
[MWx:温度、時間、感度]
MW1:130℃、30分間、非常に高い
MW2:130℃、40分間、非常に高い
MW3の前に、亜硫酸ナトリウム(223mg、1.8mmol)およびヨウ化ナトリウム(53mg、0.36mmol)を再び添加した。
MW3:130℃、30分間、非常に高い。
反応混合物を蒸発乾固させ、分取HPLC(ギ酸アンモニウム緩衝液pH=3.8)により精製して、理論上の純粋生成物(207mg、36%)に相当する黄色を帯びた粉末を得た。
MS [M]
-m/z = 622.1
1H-NMR (MeOD-d4) : δ (ppm) 2.18-2.30 (m, 2H) ; 2.92-3.02 (m, 5H) ; 3.73 (s, 3H) ; 3.75 (s, 3H) ; 3.93 (s, 2H) ; 4.11 (t, 2H, J = 6.3 Hz) ; 6.16 (dd, 1H, J = 8.7 Hz, J = 2.8 Hz) ; 6.30 (d, 1H, J = 2.7 Hz) ; 6.48-6.58 (m, 2H) ; 6.78 (d, 1H, J = 8.7 Hz) ; 6.89-6.98 (m, 2H) ; 6.99-7.11 (m, 3H).
13C-NMR (MeOD-d4) : δ (ppm) 24.6 ; 26.6 ; 39.8 ; 47.7 ; 55.2 ; 55.8 ; 67.2 ; 98.0-98.3 (m) ; 101.7 ; 105.3 (t, J = 20.0 Hz) ; 107.6 ; 113.1 ; 115.3 ; (d , J = 23.4 Hz) ; 121.4 ; 129.7 (d, J = 9.0 Hz) ; 130.6 (d, J = 3.1 Hz) ; 137.3 ; 141.1 ; 142.9 ; 143.5 ; 149.8 ; 160.2 (t, J = 14.3 Hz) ; 161.5 (dd, J = 246.6 Hz, J = 11.2 Hz) ; 162.6 (d, J = 248.3 Hz).
【0216】
(生物学的実施例)
(TGR5/CREルシフェラーゼアッセイ)
以下の表において、化合物によるTGR5の活性化およびその後の細胞内cAMPの増加を、ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイを用いて評価した。JET PEI試薬を用い、ヒト胎児腎臓(HEK)293細胞を、pCMV tag4b-TGR5h(hTGR5活性化に従う)またはpCMV AC6-TGR5m(mTGR5活性化に従う)発現プラスミド、およびpCRE TA-ルシフェラーゼレポータープラスミドで、一過的に同時トランスフェクションした(ポリプラストランスフェクション)。トランスフェクションした細胞を96ウェルプレートに播種し、二重試験において試験化合物の濃度を増大させつつ一晩インキュベートした。10μMのリトコール酸(LCA)を陽性参照化合物として使用した。cAMP依存性ルシフェラーゼ発現は、製造元(Promega)の指示に従ってBrightGlo試薬を用いて追跡した。ルミネッセンスをMithrasプレートリーダー(Berthold)で読み取った。データを10μMのLCA値のパーセンテージとして表し、EC50値をXL fit 5ソフトウェアまたはGraphPad Prism 5を用いて計算した。濃度-応答曲線を4パラメータロジスティック方程式に非線形回帰分析により適合させた。
【0217】
TGR5/CREルシフェラーゼアッセイの結果を以下の表2に示す。
【表2】