(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1電極構成は、第1のシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハ層から製造され、前記第2電極構成は、第2のSOIウェハ層から製造され、前記慣性質量は、半導体ウェハ層から製造されている、請求項1に記載の加速度計システム。
前記第1電極構成および前記第2電極構成の各々は、前記第1電極構成および前記第2電極構成に対して実質的に均一な電荷分布を形成するように配置された電気接続部を備える、請求項1に記載の加速度計システム。
前記第1電極構成および前記第2電極構成の各々は、前記慣性質量の変位に応じて前記第1および第2電極構成の周辺に向かう空気の流れを形成するようにそれぞれの電極構成にエッチングされた溝のパターンを備える、請求項1に記載の加速度計システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この開示は、概してセンサシステムに関し、特に、加速度計センサシステムに関する。加速度計センサシステムは、慣性質量(例えば、プルーフマス)と電極構成(例えば、慣性質量のいずれかの側に設けられる)とを備えるセンサを含み得る。センサは、慣性質量および/または電極に供給される(例えば、制御電荷として供給される)制御信号に応答して、ピックオフ信号(例えば、加速度フィードバック信号)を供給し得る。ピックオフ信号は、外部加速によってもたらされる慣性質量の変位を示す。加速度計センサシステムはさらに、加速度計システムに作用する入力加速度の大きさをピックオフ信号に基づいて算出するように構成された加速度コントローラを含む。加速度計コントローラは、制御信号を生成するように構成された信号発生器と、ピックオフ信号を測定するように構成された測定システムとを含む。
【0011】
各電極構成は、印加された電荷をピックオフ信号に対応する電圧として測定することが可能な慣性質量に対する平行平板コンデンサに相当する。この電圧は、各電極構成に関連する平行平板コンデンサの静電容量および慣性質量に基づくことができる。したがって、電極構成に対し慣性質量の両側で静電容量が等しい場合、慣性質量は(例えば、第1および第2電極構成に対して)その慣性質量の各側の等しい電圧に対応する電気的ヌル位置にあると仮定される。しかしながら、多くの機械的および電気的要因が、慣性質量のいずれかの側の電極構成において電荷の不均一な分布をもたらし得る。その結果、慣性質量の両側の静電容量の測定に誤差が生じ得る。そのような誤差は、ヌル位置からの慣性質量の変位の適切な測定を阻害し、外部加速度の成分として現れ得る。
【0012】
加速度計システムは、電極構成上の電荷の不均一な電荷分布を実質的に低減するために種々の特徴を有し得る。一例として、加速度計センサは、3つの直交する中央平面の各々に対して対称的に配置可能な多層シリコン構造(例えば、集積回路)として製造することができる。電極構成は、その電極構成にわたって実質的に均一な電荷分布を提供するために同じく対称性を有する電気接続部を備え得る。また、加速度計システムは、2つの直交平面に対して対称なパターンで配置された接着剤を介して、加速度計センサのICと加速度計ケースとの間に実装用インターポーザを実装することなどに基づいて機械的および熱的応力を実質的に緩和するように製造することができる。また、同様に実質的に誤差を低減するために、電極構成間におけるピックオフ信号の差が平均化された交互の正および負の電圧(例えば、互いに等しくゼロに対して反対の振幅)に基づいて、電極構成に供給される電荷を順次提供することができる。また、信号発生器は、第1および第2電荷増幅器システムを含み得る。第1および第2電荷増幅器はそれぞれ、一対のカスケード接続された増幅器として設けられ、第1および第2電荷増幅器システムのそれぞれの入力に対し入力電圧を順次供給する切り替えシステムなどに基づいて加速度計センサの電極構成に電荷を供給する。このため、不均一な電荷分布に起因する誤差の原因を実質的に低減することができる。
【0013】
図1は、本発明の一態様による加速度計システム10の一例を示す。加速度計システム10は、ナビゲーションシステムおよび/またはガイダンスシステムなどの様々な任意のアプリケーションに実装可能である。一例として、加速度計システム10は、ナビゲーションシステムに対応する計器ブロックの一部として加速度計ケース内に配置することができる。加速度計システム10は、
図1の例では信号ACCとして示されている加速度計システム10に作用する外部入力加速度を測定するように構成することができる。本開示において、外部加速度または入力加速度は、加速度計システム10に加えられる外力に起因する加速度計システム10の加速度として定義され、重力だけでなく、他の外力に起因する加速度を含み得る。本開示において、加速度計システム10は、不均一な電荷分布などに関連する誤差を実質的に低減するように外部加速度ACCを算出するように構成することができる。
【0014】
加速度計システム10は、加速度計センサ12を含む。一例として、加速度計センサ12は、集積回路(IC)として構成することができ、加速度計センサ12は、チップとして製造することができる。加速度計センサ12は、慣性質量14、第1電極構成15、および第2電極構成16を含み、慣性質量14が電極構成15,16間に配置されている。慣性質量14は、外部加速度とは反対の方向に力を受けるように配置され得る。加速度計コントローラ18は、信号発生器20、測定システム22、および加速度プロセッサ24を含む。信号発生器20は、力を再平衡化するように実質的な電気的ヌル位置に慣性質量14を維持するべく各電極構成15,16に供給される制御信号SIGを生成するように構成されている。測定システム22は、
図1の例では、慣性質量14に対する各電極構成15,16の静電容量に関連する信号POとして示されたピックオフ信号を測定するように構成されている。これにより、測定システム22は、信号PMとして示された慣性質量14の変位の指標を加速度プロセッサ24に提供することができる。したがって、加速度プロセッサ24は、信号発生器20を制御し、制御信号SIGの振幅、極性、持続時間、およびデューティサイクルのうちの1つまたは複数を調整するなどして、慣性質量14の力再平衡化を図ることができる。これにより、加速度プロセッサ24は、慣性質量14のヌル位置への力再平衡化に基づき慣性質量14に作用する力に応じて、加速度計システム10の入力加速度ACCを算出するように構成することができる。
【0015】
一例として、信号発生器20は、実質的に等しい逆の振幅の電荷パルス(例えば、電流パルス)を生成することができる。加速度プロセッサ24は、その電荷パルスを電極構成15,16に所定の順で供給することにより、慣性質量14をそれぞれのヌル位置に向かって(例えば、慣性質量14を再平衡させるように)加速させる静電力を発生させる。例えば、加速度プロセッサ24は、信号発生器20によって生成された電荷パルスを第1電極構成15に供給した後に第2電極構成16に交互に供給することで、交互に逆極性となる静電力を生成することができる。その結果、慣性質量14は第1および第2の方向に交互に加速されて、各電荷パルス印加時に慣性質量14がヌル位置に向けて位置決めされる。加速度プロセッサ24は、外力に応答して、より大きな再平衡化力を慣性質量14の一側に適用するように、制御信号SIGに対応する電流パルスのデューティサイクルをパルス幅変調(PWM)方式で変化させることができる。
【0016】
各電極構成15,16と慣性質量14との間の容量性結合の結果として、慣性質量14の相対変位の指標であるピックオフ信号POが電極構成15,16において生成される。これにより、ピックオフ信号POは、各電極構成15,16に対する慣性質量14の変位(例えば容量性ギャップ)に応じたものとなり得る。したがって、ピックオフ信号POは、慣性質量14の相対変位の大きさの指標を提供することができる。測定システム22は、このピックオフ信号P0に基づいて、慣性質量14の変位に相当する信号PMおよび/または慣性質量14の変位の時間積分を、外部加速の結果として生成することができる。したがって、加速プロセッサ24は、出力信号PMに基づいて外部加速度ACCの大きさを算出するように構成することができる。
【0017】
加速度計システム10の動作は、前述したように、理想的な製造条件および動作条件に基づいている。しかしながら、典型的な加速度計システムでは、所与の加速度計センサの幾何学的形状や、慣性質量を安定化するフィードバック方法(閉ループ力平衡加速度計)および/または慣性質量の変位を測定する方法(開ループ加速度計)に関して、不適切な仮定がしばしば示される。面外タイプの加速度計の例において、最も一般的な仮定は電極と慣性質量との界面が平行平板コンデンサを形成することである。この仮定は機器の解析に関わる計算の大幅な簡略化をもたらし、加速度計の性能特性の合理的な一次推定を提供することができる。しかし、プルーフマスと電極のフラットな平行平面の仮定は誤りである可能性がある。所与の加速度計センサの物理的幾何学の高精度測定は、並列性の仮定がしばしば非常に貧弱であることを明らかにし得る。一例として、慣性質量と電極との間のギャップに対する個々の加速度計センサの歪みは公称ギャップの10%以上となり得る。この歪みは、所与の加速度計センサの容量性ギャップにおける平行平板の仮定を実質的に無効にし得る。チップレベルでの歪みの原因には、撓みや、反りや、厚さばらつきなどのウェハ製造公差だけでなく、製造プロセスに起因するウェハ内残留応力が含まれ得る。チップレベルでの歪みの他の原因には、チップを構成する材料(例えば、シリコンと二酸化シリコン)間の熱膨張係数の不一致が含まれ得る。
【0018】
所与の加速度計センサの歪みは、バイアス誤差をもたらすなどの、電気的ヌルの不一致を招き得る。さらに、この歪みは、電極および慣性質量上の電荷分布を変更し、各電極上の電荷分布の不均一などを招き得る。このような不均一な電荷分布は、均一な電荷分布を有する平行で平らな表面と比較して、電極全体における単位電荷当たり(または単位電圧当たり)の印加静電力の変化を招き得る。さらに、この不均一な電荷分布は(力再平衡型の加速度計で)印加された力に加えられる正味の印加トルクにおいて電極とプルーフマスとの間で不均一な力分布を招き得る。さらには、種々の材料間の熱膨張係数の差は、温度に依存したチップの歪みを招いて、単位電荷当たりに慣性質量に加えられるトルクや力の温度依存変化を生じさせるだけでなく、加速度計システムの検知軸方向の変化を招き得るものとなり、温度に対する位置ずれを生じさせる。したがって、これらの要因はすべて、測定された加速度の誤差の原因となり得る。本開示において、加速度計システム10は、測定された加速度ACCにおける誤差を実質的に低減することができる種々の特徴を含み得る。
【0019】
図2は、ウェハアセンブリ50の例示的な図を示す。ウェハアセンブリ50は、
図1に例示される加速度計センサ12などの加速度計センサの製造における初期段階に相当し得る。ウェハアセンブリ50は、第1ウェハ層52、第2ウェハ層54、および第3ウェハ層56を含む。第1ウェハ層52は、第1電極構成15を含む加速度計センサ12の第1部分に相当し得る。第2ウェハ層54は、第2電極構成16を含む加速度計センサ12の第2部分に相当し得る。第3ウェハ層56は、慣性質量14を含む加速度計センサ12の部分に相当し得る。
【0020】
図2の例では、ウェハアセンブリ50は、Y−Z平面における断面図で示されている。
図2の例では、第1および第2ウェハ層52,54は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハ層として製造される。例えば、第1ウェハ層52は、第1シリコン層58、酸化物層60、第2シリコン層62、および二酸化シリコン層64を含む。同様に、第2ウェハ層54は、第1シリコン層66、酸化物層68、第2シリコン層70、および二酸化シリコン層72を含む。したがって、第2ウェハ層54は第1ウェハ層52に対して反転して示される。第3ウェハ層56は、第1の二酸化シリコン層76と第2の二酸化シリコン層78とを相互接続する半導体(例えば、シリコン)層74を含む。ウェハ層52,54,56は、加速度計センサ12を形成するようにエッチングおよび/または他の処理が行われる。本開示において、ウェハアセンブリ50は、加速度計センサに対応するICチップを形成するように製造され得る。
【0021】
図3は、加速度計センサ100の一例を示す。この加速度計センサ100は、完成した加速度計センサを製造するべくエッチングおよび/または他の処理ステップを経たウェハアセンブリ50に対応し得る。加速度計センサ100は、エッチングおよび/または処理された第1ウェハ層52に相当し得る第1の層102と、エッチングおよび/または処理された第2ウェハ層54に相当し得る第2の層104と、エッチングおよび/または処理された第3ウェハ層56に相当し得る第3の層106とを含む。一例として、加速度計センサ100は、
図1の例における加速度計センサ12に対応し得る。このため、加速度計センサ100は、ICチップとして製造することができる。したがって、以下の
図3の例の説明では、
図1および
図2に付された符号を参照する。
【0022】
加速度計センサ100は、慣性質量108、第1電極構成110、および第2電極構成112を含む。第1および第2電極構成110,112は、慣性質量108と対向する面に設けられている。本開示においては、第1および第2電極構成110,112の各々が単一の電極または複数の電極セットとして配置され得るように電極構成は1つまたは複数の電極に対応し得る。慣性質量108は一組の撓み部116を介して加速度計センサ100のフレーム114に結合される。フレーム114は、第1の層102、第2の層104、および第3の層106の各々の部分に対応し得る。
図3の例では、撓み部116は、2つの直交する中央平面に対して対称となるように慣性質量108の各周面に設けられた一組の撓み部として構成されている。このため、入力軸118に沿った慣性質量108の上下の動きは、フレーム114に対して実質的に面移動を維持し得るものとなり、第1および第2電極構成110,112に対して慣性質量108がなす角度が見掛け上ゼロとなり、この角度が、加速度計センサ100のスケールファクタおよび/またはバイアスに影響を及ぼし得るくさび効果を実質的に回避するように実質的に一定に維持され得る。一例として、慣性質量108、第1電極構成110、および第2電極構成112は、(例えば、それぞれウェハ層52,54,56を用いた)第1〜第3の層102,104,106のエッチングおよび/または製造プロセスに基づいて、実質的に互いにプロセスマッチングされたコンポーネントとして製造することができる。
【0023】
図4は、加速度計センサ152の一部分の例示的な
図150を示す。この加速度計センサ152の一部分は、第1視154および第2視156で示されている。第1視154および第2視156は、XY平面内の(Z軸に対して)互いに逆側の面を示している。この加速度計センサ152の一部分は、
図3の例における加速度計センサ100の第1および第2の層102,104のうちの1つ、すなわち、エッチングおよび/または処理された第1および第2ウェハ層52,54のうちの1つに対応し得る。このため、以下の
図4の例の説明では、
図3に示された符号を参照する。
【0024】
第1視154は、加速度計センサ152の一部分の上部カバー158を示し、第2視156は、第1および第2電極構成110,112のうちの1つに対応し得る電極構成160を示している。加速度計センサ152の一部分は、制御信号SIGの供給および/またはピックオフ信号P0の測定などを行うために加速度計コントローラ18に電気的に接続され得る複数の電気接続部162を含む。
図4の例では、電気接続部162は、上部カバー158の両方に示されており、加速度計センサ152の一部分を貫通している。一例では、電気接続部162は、加速度計センサ152の一部分を貫通する固体金属導体、または複数のシリコン層(例えば、第1および第2シリコン層58,62)を介して導電的に接続されたシリコンに直接接続される接続部分とすることができる。
図4の例では、電気接続部162は、上部カバー158に関して加速度計センサ152の一部分の複数層の上に示されており、電気接続部162は、異なる複数のシリコン層(例えば、第1および第2シリコン層58,62)の上に配置され得るものとなっている。電気接続部162は、
図4の例においては加速度計センサ152の一部分の中央を通るXZ平面およびYZ平面として示された加速度計センサ152の一部分の2つの直交する中央平面に対して対称的な配置でまとめて示されている。
【0025】
第2視156は、加速度計センサ152の上記一部分と実質的に同じ中心を有する電極構成160を示す。上述のように、電極構成160は第1および第2電極構成110,112のうちの1つに対応し得る。従って、この電極構成160に制御信号SIGを介して電荷が供給されることで、慣性質量(例えば、慣性質量108)に対して静電力が与えられる。電気接続部と同様に、電極構成160は、加速度計センサ152の一部分の2つの直交する中央平面に対して対称的な配置で示されている。また、
図4の例では、電極構成160は、電極構成上の電荷が時間に応じて実質的に均一な分布となるように電気接続部162に対して配置されている。また、
図4の例では、電極構成160は、
図3の例における慣性質量108などの慣性質量に対して実質的に対称的に配置されてもよい。加速度計センサ152の一部分および慣性質量に対する電極構成160の配置の構造的な対称性は、容量性ギャップ歪みに対する熱膨張の影響を効果的に対称化する。これにより、電極構成160および電気接続部162の対称性および配置に基づいて、加速度計センサ152の一部分を含む加速度計センサ(例えば、加速度計センサ100)の動作における不均一な電荷分布に関連する誤差を実質的に低減することができる。
【0026】
また、
図4の例では、図示されるように、電極構成160は、溝164のパターンを含む。溝164のパターンは、
図4の例では2つの直交する軸に沿って延びる平行な溝164として示されているが、種々の異なる方法(例えば、単一軸に沿った平行な溝)で配置し得ることが理解される。溝164のパターンは、相対的に狭い容量性ギャップから溝164へと流れた後、慣性質量(例えば、慣性質量108)の変位に応じて電極構成160の周辺へと流れる空気の流れを形成するように電極構成160においてエッチングされ得る。この溝164のパターンは、実質的な加速動作を必要とする最終用途で望ましいものとなるように、関連する加速度計センサ(例えば、加速度計センサ100)がガス減衰された場合のスクイーズ膜ガス減衰を低減する手段として設けられる。これにより、溝164のパターンは、典型的なガス減衰加速度計システムで行われるような慣性質量に孔をエッチングするのとは対照的に、感応性質量の小さな増加をもたらし、加速度計システム100を実質的に低ノイズ動作において(例えば、スクイーズ膜減衰効果から生じる慣性質量(例えば、慣性質量108)のブラウン運動に関連するノイズを周波数帯域(Hz)の平方根当たり4マイクロg以下に低下させるように)減衰を低減することができる。したがって、溝164のパターンは、加速度計システム100の動作を実質的に改善することができる。
【0027】
図5は、加速度計センサ202の一部分の別の例示的な
図200を示す。この加速度計センサ202の一部分は、
図3の例における慣性質量108を含む加速度計センサ100の第3の層106、すなわち、エッチングおよび/または処理された第3ウェハ層56に対応し得る。この加速度計センサ202の一部分はXY平面で示されており、
図4の例における加速度計センサ152の2つの部分とともに(例えば、Z軸に関してこの加速度計センサ202の一部分の上下に配置されることで)最終的な加速度計センサ(例えば、加速度計センサ100)を形成し得る。このため、以下の
図5の例の説明では、
図3および
図4に示された符号を参照する。
【0028】
この加速度計センサ202の一部分は、複数の撓み部208を介してフレーム206に接続された慣性質量204を含む。フレーム206は、
図2の例において隣接する二酸化シリコン層64,76や隣接する二酸化シリコン層72,78など、相互接続されている二酸化シリコン層をエッチング除去するなどに基づいて、加速度計センサ152の一部分の(Z軸上に)上下に配置された加速度計センサ152の各部分に接続され得る。撓み部208は、
図5の例においては、慣性質量204の各周面に、2つの直交する中央平面に対して対称的に配置された一組の撓み部として構成されている。このため、慣性質量204の平面に直交する入力軸(例えば、入力軸118)に沿った慣性質量204の上下移動は、フレーム206に対し実質的に面移動を維持し得るものとなり、第1および第2電極構成(例えば、Z軸に沿って慣性質量204の上下に位置する電極構成160)に対して慣性質量204がなす角度が見掛け上ゼロとなり、この角度が、加速度計センサのスケールファクタおよび/またはバイアスに影響を及ぼし得るくさび効果などの、振り子運動の欠点を実質的に回避するように実質的に一定に維持され得る。一例として、慣性質量204および各電極構成160は、(例えば、それぞれウェハ層52,54,56を用いた)第1〜第3の層102,104,106のエッチングおよび/または製造プロセスに基づいて、実質的に互いにプロセスマッチングされたコンポーネントとして製造することができる。
【0029】
また、加速度計センサ202の一部分は、加速度計コントローラ18と電気的に接続され得る低電圧レール(例えば、グランド)接続部などの複数の電気接続部210を含む。
図5の例において、電気接続部210は、加速度計センサ202の一部分を貫通する状態で加速度計センサ202の一部分の両側に配置され得る。一例として、電気接続部210は、加速度計センサ202の一部分を貫通する固体金属導体、またはシリコンに直接接続される接続部分とすることができる。慣性質量204、フレーム206、撓み部208、および電気接続部210は、
図5の例においては加速度計センサ202の一部分の中央を通るXZ平面およびYZ平面として示された加速度計センサ202の一部分の2つの直交する中央平面に対して対称的な配置でまとめて示されている。このため、加速度計センサ152の一部分の(Z軸上に)上下に加速度計センサ152の各部分を組み合わせて得られる加速度計センサ(例えば、加速度計センサ100)は、3つの直交する中央平面(XY平面、XZ平面、およびYZ平面)の全てに対して完全に対称的な配置を有し得るものとなる。
【0030】
図3〜
図5の例では、加速度計センサ100の対称配置に基づいて、加速度の算出における種々の誤差を実質的に低減することができる。例えば、シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、および/または加速度計センサ100の任意の他の材料間の熱膨張係数の不一致などに起因する、チップ自己歪みの一次バイアス効果を実質的に低減することができる。別の例として、加速度計センサ100の対称性は、ICチップの種々の層(例えば、層102,104,106のサブ層)における厚さを均一化して自己歪みの温度依存性を最小にすることができる。別の例として、加速度計センサ100の対称性は、フレーム114に比べて電極構成110,112の剛性を低減して、加速度計センサ100の温度に依存した自己歪みを受ける状況下での駆動力をさらに低減することができる。別の例として、加速度計センサ100の対称性は、フレーム114の全体の剛性を最大にし、それによって自己歪み応力(温度勾配を含む)や印加応力に対する感度を最小にするように、フレーム114に対する電極構成110,112のエッチング領域を最小にすることができる。
【0031】
さらに、別の例として、加速度計センサ100の対称性は、グランドに対する慣性質量の面積よりも電極に対する慣性質量の面積を増加させることによって、浮遊容量に対する検知容量の比(例えば、慣性質量とグランドとの間の静電容量に対する慣性質量と電極との間の静電容量の比)を増加させることができる。このような構成では、例えば、熱成長させる二酸化シリコン(例えば、隣接する二酸化シリコン層64,76および隣接する二酸化シリコン層72,78)において慣性質量と電極との間のギャップを約1μmとすることにより、慣性質量108とグランドとの間の静電容量を変更することなく、慣性質量108と電極構成110,112との間の静電容量を増加させることができる。これにより、慣性質量108の変位の測定においてグラウンド面ノイズの影響を低減し、測定された加速度ACCのノイズを減少させることができる。慣性質量108における酸化物は、所与のフルスケール範囲で慣性質量108を作動させるのに必要な電圧を低減する追加の効果をもたらし得る。したがって、
図3〜
図5に例示された加速度計センサ100の配置は、加速度ACCの測定誤差を実質的に低減することができる。
【0032】
なお、
図3〜
図5に示された加速度計センサ100の物理的配置は一例である。実質的に誤差を低減しつつ加速度ACCの測定を行うために、3つの直交する中央平面に対して対称性を有する加速度計センサ100を提供し得る種々の他のタイプの配置を、
図3〜
図5の例に代えて実施することができる。
【0033】
図6は、加速度計システム250の別の例を示す。加速度計システム250は、
図1の例における加速度計システム10に対応し得るものであるが、加速度計システム250の物理的な実装構成の詳細な例を示す。従って、以下の
図6の例の説明では、
図1〜
図5に示された符号を参照する。加速度計システム250は、
図2〜
図5に例示されているものと同じ座標系での断面図で示されている。
【0034】
加速度計システム250は、加速度計センサ252を含む。
図6の例では、加速度計センサ252は、
図3〜
図5に例示された配置などによるICチップとして構成されている。したがって、加速度計センサ252は慣性質量と2つの電極構成を含み、2つの電極構成の間に慣性質量が配置されている。また、加速度計システム250は、
図1の例における加速度計コントローラ18と実質的に同様に構成される加速度計システム250の電子システムに相当する加速度計コントローラ254を含む。したがって、加速度計コントローラ254は、信号発生器、測定システム、および加速プロセッサを含み得る。
図6の例では、加速度計コントローラ254は、双方向矢印256によって示される加速度計センサ252と電気的に接続されており、制御信号SIGを提供するとともに、慣性質量に対する加速度計センサ252の電極構成の静電容量に関連する対応するピックオフ信号P0を測定する。このため、加速度計コントローラ254は、ヌル位置への慣性質量の力再平衡に基づき、加速度計センサ252の慣性質量に作用する力に応じて、加速度計システム250の入力加速度ACCを計算するように構成することができる。
【0035】
加速度計センサ252および加速度計コントローラ254は、加速度計ケース258内に少なくとも部分的に囲まれるように配置されている。一例として、加速度計ケース258は、
図1の例における加速度計システム10を配置するとともに囲む少なくとも部分的な筐体とすることができる。
図6の例では、加速度計センサ252は、加速度計ケース258の内面に実装された実装用インターポーザ260に実装されている。また、
図6の例では、実装用インターポーザ260は、機械的に適合した接着剤262を介して加速度計ケース258に実装されており、同様に、加速度計センサ252は、機械的に適合した接着剤262を介して実装用インターポーザ260に実装されている。一例として、実装用インターポーザ260は、加速度計ケース258の表面の2つの直交する中央平面に対して対称となるように実装することができ、加速度計センサ252は、実装用インターポーザ260の2つの直交する中央平面に対して対称となるように実装することができる。また、機械的に適合した接着剤262は、加速度計ケース258の表面や実装用インターポーザ260の2つの直交する中央平面に対してそれぞれ対称となる接着パターンで配置することができる。
【0036】
図7は、加速度計センサ実装システムの例示的な
図300を示す。
図300は、加速度計センサ302、実装用インターポーザ304、および加速度計ケース306の表面を(例えば、Z軸に沿って)上方から視た図を示す。一例として、加速度計センサ302、実装用インターポーザ304、および加速度計ケース306は、
図6の例における加速度計センサ252、実装用インターポーザ260、および加速度計ケース258にそれぞれ対応し得る。このため、以下の
図7の例の説明では、
図6に付された符号を参照する。
【0037】
図7の例において、加速度計センサ302は、加速度計ケース306の表面上に実装された実装用インターポーザ304上に実装されている。
図7に例示されるように、加速度計センサ302は、実装用インターポーザ304の2つの直交する中央平面(XZ平面およびYZ平面)に対して対称となるように実装されている。また同様に、実装用インターポーザ304は、加速度計ケース306の表面の2つの直交する中央平面(XZ平面およびYZ平面)に対して対称となるように実装されている。さらに、
図300は、加速度計センサ302を実装用インターポーザ304に接合する機械的に適合した接着剤の接着パターンを点線の丸308で示す。一例として、機械的に適合した接着剤308は、厚さを制御するために、関連する加速度計システム(例えば、加速度計システム250)の最大動作温度よりもわずかに高い硬化温度を有するものとすることができる。機械的に適合した接着剤308の接着パターンは、図示されるように、実装用インターポーザ304の2つの直交する中央平面(XZ平面およびYZ平面)に対して対称的に配置されている。同様にして、機械的に適合した接着剤の他の層は、加速度計ケース306の表面に実装用インターポーザ304を同様な接着パターン等で同様に接合することができる。なお、機械的に適合した接着剤308は4つの「丸」による接着パターンで示されているが、これに代えて、2つの直交する中央平面に対して対称となる種々の他の接着パターンを用いることもできる。
【0038】
実装用インターポーザ304に加速度計センサ302を対称的に実装し、加速度計ケース306の表面に実装用インターポーザ304を対称的に実装し、機械的に適合する接着パターンを対称的な配置とすることによって、外部加速度ACCの計算(例えば、
図6の例における加速度計コントローラ254を介した計算)における多くの誤差を実質的に低減することができる。一例として、
図7の例における加速度計センサ実装システムの配置は、加速度計システム250の動作範囲内における所与の温度での応力を低減するとともに、非対称実装方式によって生じ得る実装アライメントの温度依存性を(例えば、1次まで)実質的に低減することができる。さらには、実装用インターポーザ304と加速度計ケース306の表面との間の熱膨張の不一致に起因して、加速度計ケース306の表面を介して実装用インターポーザ304に伝達される機械的応力を実質的に低減することができる。また、同様に、加速度計センサ302と実装用インターポーザ304との間の熱膨張の不一致に起因して、実装用インターポーザ304を介して加速度計センサ302に伝達される機械的応力も同様に実質的に低減することができる。
【0039】
図6の例に戻ると、図示されるように、加速度計コントローラ254は、機械的に適合した接着剤262を介して加速度計ケース258の内面に実装されている。一例として、機械的に適合した接着剤262は、
図7に例示される接着パターンと同様な接着パターンで配置することができる。このため、
図7の例にて上述した場合と同様に、加速度計コントローラ254の電子部品と加速度計ケース258との間の熱膨張の不一致による影響を実質的に軽減し、バイアスおよび/またはスケールファクタ誤差に関する加速度ACCの計算に与える悪影響を実質的に軽減することができる。また、図示されるように、加速度計ケース258は、機体や車体フレームなどに実装されるナビゲーションおよび/またはアビオニクスシステム(例えば、追加の加速度計システム、磁力計システム、および/またはジャイロスコープシステムを含む)に対応し得る計器ブロック264に実装されている。
【0040】
一例として、実装用インターポーザ260は、加速度計センサ252の熱膨張特性と実質的に等しい熱膨張特性を示し得る非導電性材料から製造することができる。例えば、実装用インターポーザ260は、シリカ材料から製造することができる。別の例として、加速度計ケース258は、計器ブロック264と同じ材料、または計器ブロック264の熱膨張特性と実質的に等しい熱膨張特性を示す材料から形成することができる。実装用インターポーザ260の熱膨張特性と加速度計センサ252の熱膨張特性とが実質的に一致し、かつ加速度計ケース258の熱膨張特性と計器ブロック264の熱膨張特性とが実質的に一致していることにより、加速度ACCの計算における誤差を実質的に低減することができる。例えば、実装用インターポーザ260の熱膨張特性と加速度計センサ252の熱膨張特性とが実質的に一致していることにより、所与の温度で慣性質量(例えば、慣性質量108)に加えられる温度依存性を実質的に減少させることができる。別の例として、加速度計ケース258の熱膨張特性と計器ブロック264の熱膨張特性とが実質的に一致していることにより、例えば、加速度計ケース258と計器ブロック264との熱膨張の不一致などに起因する加速度計ケース258の温度による歪みを実質的に(例えば、1次まで)低減することができる。これにより、加速度計システム250の材料における熱膨張の不一致による加速度計センサ252の機械的歪みなどに起因する不均一な電荷分布、および他の関連する誤差(例えば、バイアスおよびスケールファクタ)を実質的に低減して、加速度ACCのより正確な計算を実現することができる。
【0041】
図8は、加速度計システム350のさらに別の例を示す。この加速度計システム350は、
図1の例における加速度計システム10の部分に対応し得る。この加速度計システム350は、
図3(さらには、
図4および
図5)の例における加速度計センサ100に対応し得る加速度計センサ352を含む。また、加速度計システム350は、
図1の例における加速度計コントローラ18の信号発生器20および測定システム22にそれぞれ対応し得る信号発生器354および測定システム356を含む。したがって、以下の
図8の例の説明では、
図1に付された符号を参照する。
【0042】
信号発生器354は、第1スイッチ360および第2スイッチ362を含むスイッチングシステム358を含む。本開示において、第1および第2スイッチ360,362は、物理スイッチやトランジスタスイッチとして構成することができ、あるいは実際の物理的スイッチに限定されず、プロセッサからの別々の出力や、可変電圧を供給するプロセッサからの同一出力としてもよく、
図8の例では単に概略的に示されている。第1スイッチ360は、第1スイッチング信号SW
1に応答して、正電圧V
+および負電圧V
−のうちの一方を電圧V
+/−として供給するように構成されている。一例として、正電圧V
+および負電圧V
−は、ゼロの電圧振幅に対してほぼ等しく互いに逆の振幅を有する電圧とすることができる。例えば、正電圧V
+および負電圧V
−は、1つまたは2つの電源により生成することができる。第2スイッチ362は、第2スイッチング信号SW
2に応答して、第1電荷増幅器システム364および第2電荷増幅器システム366のうちの1つに電圧V
+/−を供給するように構成されている。第1電荷増幅器システム364は、加速度計センサ352に関連する第1電極構成368に電圧V
1を供給するように構成され、第2電荷増幅器システム366は、加速度計センサ352に関連する第2電極構成370に電圧V
2を供給するように構成されている。一例として、第1および第2電荷増幅システム364,366は互いにほぼ同じ構成とすることができる。
【0043】
一例として、電圧V
1,V
2は、
図1の例における制御信号SIGに対応し得る。例えば、電圧V
1,V
2は、実質的に等しく互いに逆の振幅を有する(例えば、電圧V
+,V
−に基づいた)電荷パルス(例えば、電流パルス)に相当し得る。電圧V
1,V
2は、スイッチング信号SW
1,SW
2に基づいた所定の順で交互に電極構成368,368に供給されることにより、慣性質量372(例えば、慣性質量100に対応する)をヌル位置に向かって(例えば、慣性質量372を再平衡させるように)加速させる静電力を発生させる。一例として、第1測定サイクル中(例えば、第1スイッチング信号SW
1に基づく)において、電圧V
+/−は、正電圧V
+に対応し得るものとなり、この正電圧V
+は、まず、第1電荷増幅器システム364により電圧V
1として増幅されて第1電極構成368に供給され、次いで、正電圧V
+は第2電荷増幅器システム366により電圧V
2として増幅されて(例えば、第2スイッチング信号SW
2に基づいて)第2電極構成370に供給される。したがって、第2測定サイクル中(例えば、第1スイッチング信号SW
1に基づく)において、電圧V
+/−は、負電圧V
−に対応し得るものとなり、この負電圧V
−は、まず、第1電荷増幅器システム364により電圧V
1として増幅されて第1電極構成368に供給され、次いで、負電圧V
−は第2電荷増幅器システム366により電圧V
2として増幅されて(例えば、第2スイッチング信号SW
2に基づいて)第2電極構成370に供給される。
【0044】
その結果、慣性質量372は、第1および第2測定サイクルの各々で第1および第2の方向に交互に加速され、各電荷パルス印加時にヌル位置に向けて位置決めされる。加速度プロセッサ(例えば、加速度プロセッサ24)は、外力に応答して、例えば電荷パルスのパルス幅を変化させるなどして、電荷パルスのデューティサイクルを変化させるように第2スイッチング信号SW
2を調整することで、慣性質量372の一側に対して、より大きな再平衡力を適用するように構成することができる。各電極構成368,370と慣性質量372との間の容量性結合の結果として、測定システム356は、電圧V
1,V
2を、慣性質量372の相対変位を示すピックオフ信号POとして生成することができる。したがって、電圧V
1,V
2の振幅は、電極構成368,370に対する慣性質量372の変位(例えば、容量性ギャップ)に比例し得る。すなわち、電圧V
1,V
2の振幅は、慣性質量372の相対変位の大きさに相当し得る。このように、測定システム356は、外部加速度による電圧V
1,V
2に基づき、慣性質量372の変位および/または慣性質量372の変位の時間積分に相当する信号PMを生成するように構成することができる。加速度プロセッサ24は、信号PMに基づいて外部加速度ACCの大きさを計算するように構成することができる。
【0045】
図9は、信号発生器システム400の一部分の例を示す。信号発生器システム400の一部分は、
図8の例における信号発生器システム354の一部分に対応し得る。
図9の例では、信号発生器システム400の一部分は、
図8の例における第1電荷増幅システム364および第2電荷増幅システム366にそれぞれ対応し得る第1電荷増幅システム402および第2電荷増幅システム404を含む。したがって、以下の
図9の例の説明では、
図8に付された符号を参照する。
【0046】
第1および第2電荷増幅システム402,404は、互いにほぼ同じ構成である。第1および第2電荷増幅器システム402,404の各々は、カスケード配置された第1増幅器406および第2増幅器408を含む。第1増幅器406は、電圧V
+/−を受信する非反転入力とフィードバック電圧V
FBを受信する反転入力とを含む。フィードバック電圧V
FBは、第1および第2電荷増幅器システム402,404のそれぞれの出力電圧に関連付けられており、それぞれの電圧V
1,V
2が、第1および第2電荷増幅器システム402,404の各々に関連付けられたそれぞれの抵抗R
1を介して供給される。第1増幅器406は、電圧V
+/−および電圧V
FBに応答して電圧V
STBを出力する。電圧V
STBは、第2増幅器408の非反転入力に供給される。また、第2増幅器408は、フィードバック電圧V
FBを反転入力において受け取る。したがって、第2増幅器408は、電圧V
STBおよびフィードバック電圧V
FBに基づいて、電圧V
1および電圧V
2のうちの1つを供給する。
【0047】
第1および第2増幅器406,408は、異なる動作特性を示す増幅器として構成することができる。一例として、第1増幅器406は、電圧V
STBおよびフィードバック電圧V
FBに応答する第2増幅器408において高い安定性特性が得られる電圧V
STBを生成する高安定増幅器として構成することができる。別の例として、第2増幅器408は、電圧V
STBおよびフィードバック電圧V
FBに基づいて電圧V
1または電圧V
2が急峻な変化および高いダイナミックレンジを示すものとなるような高帯域幅および高スルーレート増幅器として構成することができる。結果として、第1および第2増幅器406,408は、典型的には個々の増幅器において競合する特性を集合的に実現することができる。したがって、第1および第2電荷増幅器システム402,404は、正電圧V
+と負電圧V
−との迅速なスイッチングに応答して振幅および極性が迅速に変化し得る安定した(例えば、確定時間を低減する)電圧V
1,V
2を供給することができる。その結果、ヌル位置に対する慣性質量372の変位、つまり加速度ACCを、電荷を印加する制御信号SIGの安定性欠如に起因するノイズを実質的に低減して計算することが可能となる。
【0048】
図8の例に戻ると、電圧V
1,V
2の生成に際し第1および第2電荷増幅器システム364,366の高安定性、高帯域幅、および高スルーレートの集約的特性を得るべく、スイッチングシステム358は、各出力において電極間で切り換えられる単一の電荷増幅器システムを実現する信号発生器とは対照的に、第1および第2電荷増幅器システム364,366の入力に設けることができる。例えば、スイッチングシステム358を第1および第2電荷増幅器システム364,366の入力に設けることにより、慣性質量と電極との間の静電容量に対し並列に示され得る寄生容量を実質的に低減することができる。さらには、典型的な信号発生器の電荷増幅器の出力でのスイッチの抵抗に基づいて典型的な信号発生器の電荷増幅器によって供給される電圧に対し、スイッチ内の固有の抵抗に基づき、電圧V
1,V
2を実質的に低減された振幅で供給することができる。その結果、浮遊容量に起因する変位感度への影響を実質的に低減することができる。したがって、信号発生器354は、電圧V
1,V
2による低電荷注入を実現することができ、信号発生器354を特定用途向け集積回路(ASIC)に組み込むことが可能となる。
【0049】
上述したように、スイッチングシステム358は、第1および第2電荷増幅器システム364,366にそれぞれ正電圧V
+および負電圧V
−を順次供給することによって、電極構成368,370に対して電圧V
1,V
2による電荷を順次適用する。
図10は、加速度計システムにおける誤差を低減するためのアルゴリズムの例示的な
図450を示す。このアルゴリズムは、
図1の例では加速度プロセッサ24によって実行され、電子機器および/または加速度計センサ(例えば、加速度計センサ100)のシリコンと二酸化シリコンとの界面の電荷における低周波および/またはDCノイズやドリフトなどに起因する誤差を実質的に低減するように加速度ACCを計算することができる。
図10の例のアルゴリズムは、加速度プロセッサ24により、スイッチング信号SW
1,SW
2に基づいて、電圧V
1,V
2に対応するピックオフ信号POを信号PMによってモニタすることにより実現することができる。したがって、以下の
図10の例の説明では、
図8に付された符号を参照する。
図10の例では、時間を示す矢印452によって示されるように、アルゴリズムのステップは、上から順に時間順に実施される。なお、時間の尺度は一定の縮尺ではない。
【0050】
第1スイッチング信号SW
1の立ち上がりエッジに応答して、正電圧V
+が(例えば、第1スイッチング信号SW
1によって規定される)第1測定サイクル中に第1スイッチ360を介して電圧V
+/−として供給される。さらに、第2スイッチング信号SW
2の立ち上がりエッジに応答して、電圧V
+/−が第2スイッチ362を介して第1電荷増幅器システム364の入力に供給される。このように、第1および第2スイッチング信号SW
1,SW
2のそれぞれの論理ハイ状態で、正電圧V
+がスイッチングシステム358を介して第1電荷増幅器システム364の入力に供給される。ステップ454では、正電圧V
+に関連する電荷が電極構成368に印加され、電圧V
1が測定システム356によって測定される。
図10の例においては、第1電極構成368と慣性質量372との間の容量性ギャップに関連する測定システム356によって測定されるピックオフ電圧は、電子機器および/または加速度計センサ352での電荷ドリフトなどに起因した誤差電圧V
Eを含み得る。したがって、誤差電圧V
Eは第1電荷増幅システム364の出力に現れるものとなり、第1測定サイクル中に、電圧V
1に誤差電圧V
Eを加えた値に対応するピックオフ電圧「V
1_1+V
E」として示される。したがって、測定システム356は、ステップ454においてピックオフ電圧V
1_1+V
Eを測定することができる。
【0051】
上述したように、第1スイッチング信号SW
1の論理ハイ状態の間、したがって第1測定サイクル中に、正電圧V
+は第1スイッチ360を介して電圧V
+/−として供給される。第2スイッチング信号SW
2の立ち下がりエッジに応答して、電圧V
+/−は第2スイッチ362を介して第2電荷増幅器システム366の入力に供給される。したがって、正電圧V
+はスイッチングシステム358を介して第2電荷増幅器システム366の入力に供給される。ステップ456では、正電圧V
+に関連する電荷が第2電極構成370に供給され、電圧V
2が測定システム356によって測定される。
図10の例において、誤差電圧V
Eは、第1および第2電極構成368,370の両方で均一でない可能性があるため、第2電極構成370には作用しないものとして示されている。したがって、第2電極構成370と慣性質量372との間の容量性ギャップに関連する測定システム356によって測定されるピックオフ電圧は、第1測定サイクル中に、電圧V
2に対応するピックオフ電圧「V
2_1」として示される。したがって、測定システム356は、ステップ456においてピックオフ電圧V
2_1を測定することができる。ピックオフ電圧V
2_1の測定に誤差電圧V
Eが存在しないものとしたが、ピックオフ電圧V
1_1+V
Eの代わりに、ピックオフ電圧V
2_1に誤差電圧V
Eが現れるものとしてもよく、両方のピックオフ電圧が同じまたは異なる誤差電圧を含むものとすることができる。
【0052】
ステップ458では、加速度プロセッサ24は、ピックオフ電圧V
1_1+V
Eとピックオフ電圧V
2_1との差を計算して、第1の電圧差項「(V
1_1+V
E)−V
2_1」を得るように構成することができる。第1の電圧差項(V
1_1+V
E)−V
2_1は、第1測定サイクル中の電気的ヌル位置に対する慣性質量372の相対変位に相当し得る。理想的には、第1の電圧差項(V
1_1+V
E)−V
2_1がゼロに等しい場合には、加速度プロセッサ24は、慣性質量372が電気的ヌルの位置にあると特定し得る。しかしながら、誤差電圧V
Eのために、加速度プロセッサ24は、慣性質量372の相対変位を正確に特定することができず、誤差電圧V
Eに基づいて電気的ヌルからずれた位置に対して電荷(例えば、電圧V
1,V
2)を適用することにより、慣性質量372に対する力の再平衡化を試みる。
【0053】
第1スイッチング信号SW
1の立ち下がりエッジに応答して、第2測定サイクル中に、負電圧V
−が第1スイッチ360を介して電圧V
+/−として供給される。さらに、第2スイッチ信号SW
2の立ち上がりエッジに応答して、電圧V
+/−が第2スイッチ362を介して第1電荷増幅器システム364の入力に供給される。したがって、第1スイッチング信号SW
1の論理ロー状態と第2スイッチング信号SW
2の論理ハイ状態で、負電圧V
−がスイッチングシステム358を介して第1電荷増幅器システム364の入力に供給される。ステップ460において、負電圧V
−に関連する電荷が第1電極構成368に供給され、電圧V
1が測定システム356によって測定される。上述のように、
図400は、第1電極構成368に関連する誤差電圧V
Eを示す。このため、誤差電圧V
Eは第1電荷増幅器システム364の出力に現れるものとなり、第2測定サイクル中に、電圧V
1から(電圧V
1の極性の変化に起因する)誤差電圧V
Eを引いた値に対応するピックオフ電圧「−V
1_2−V
E」として示される。したがって、測定システム356は、ステップ460においてピックオフ電圧−V
1_2−V
Eを測定することができる。
【0054】
上述したように、第1スイッチング信号SW
1の論理ロー状態の間、したがって第2測定サイクル中に、負電圧V
−は第1スイッチ360を介して電圧V
+/−として供給される。第2スイッチング信号SW
2の立ち下がりエッジに応答して、電圧V
+/−は第2スイッチ362を介して第2電荷増幅器システム366の入力に供給される。したがって、負電圧V
−はスイッチングシステム358を介して第2電荷増幅器システム366の入力に供給される。ステップ462では、負電圧V
−に関連する電荷が第2電極構成370に供給され、電圧V
2が測定システム356によって測定される。上述したように、誤差電圧V
Eは
図10の例における第2電極構成370には現れていない。したがって、第2電極構成370と慣性質量372との間の容量性ギャップに関連する測定システム356によって測定されるピックオフ電圧は、第2測定サイクル中において、電圧V
2に対応するピックオフ電圧「−V
2_2」として示される。したがって、測定システム356は、ステップ462においてピックオフ電圧V
2_2を測定することができる。
【0055】
ステップ464では、加速度プロセッサ24は、ピックオフ電圧−V
1_2−V
Eとピックオフ電圧−V
2_1との差を計算して、第2の電圧差項「(−V
1_2−V
E)−(−V
2_1)」を得るように構成することができる。第2の電圧差項(−V
1_2−V
E)−(−V
2_1)は、第2測定サイクル中の電気的ヌル位置に対する慣性質量372の相対変位に相当し得る。ステップ466において、加速度プロセッサ24は、第1および第2の電圧差項の平均を計算して平均項「((V
1_1−V
1_2)+(V
2_2−V
2_1))/2」を得るように構成することができる。正電圧V
+に基づいて第1および第2電極構成368,370に電圧V
1,V
2が順次印加されることに関連して得られる第1の電圧差項(V
1_1+V
E)−V
2_1と、負電圧V
−に基づいて第1および第2電極構成368,370に電圧V
1,V
2が順次印加されることに関連して得られる第2の電圧差項(−V
1_2−V
E)−(−V
2_1)とを平均化することに基づいて、誤差電圧V
Eが数学的にキャンセルされる。したがって、平均項((V
1_1−V
1_2)+(V
2_2−V
2_1))/2を、慣性質量372の変位に対応する信号PMとして供給することができる。したがって、加速度プロセッサ24によって実行される
図400に示されたアルゴリズムは、第1および第2測定サイクルにおけるピックオフ電圧に対してハイパスフィルタとして働き、電子機器および/または加速度計センサ352におけるノイズおよび/または電荷ドリフトから生じる低周波ノイズを実質的に低減することができる。加速度プロセッサ24は、スイッチング信号SW
1,SW
2のデューティサイクルを制御して慣性質量372の力平衡をフィードバック制御することにより、低周波誤差の要因を実質的になくすように加速度ACCを算出することができる。
【0056】
上述した構造的および機能的な特徴を考慮した本発明の種々の態様による方法は、
図11を参照することでさらに理解することができる。説明の簡略化のために、
図11の方法は順番に実行されるものとして図示され説明されているが、本発明は図示された順序に限定されず、本発明に従って幾つかの処理は異なる順序でおよび/または図示され説明されたものとは異なる処理と同時に行うこともできる。また、図示された特徴の全てが本発明の一態様による方法を実施するために必要とされるわけではない。
【0057】
図11は、加速度(例えば、加速度ACC)を計算するための方法500の一例を示す。ステップ502において、正の振幅を有する第1電圧(例えば、正電圧V
+)に基づいて、加速度計センサ(例えば、加速度計センサ12)に関連する第1電極アセンブリ(例えば、第1電極アセンブリ15)と第2電極アセンブリ(例えば、第2電極アセンブリ16)との各々に電荷が供給される。第1および第2電極アセンブリは、慣性質量(例えば、慣性質量14)の両側に配置され得る。ステップ504において、第1および第2電極アセンブリに関連する第1ピックオフ電圧(例えば、電圧V
1_1および電圧V
2_1)が第1測定サイクルで測定される。ステップ506において、第1の電圧に等しく逆の振幅を有する第2電圧(例えば、負電圧V
−)に基づいて、第1および第2電極アセンブリに電荷が供給される。ステップ508において、第1および第2電極アセンブリに関連する第2ピックオフ電圧(例えば、電圧V
1_2および電圧V
2_2)が第2測定サイクルで測定される。ステップ510において、第1および第2測定サイクルの各々に関連する第1および第2ピックオフ電圧間の差の平均が計算される。ステップ512において、加速度によって生じる慣性質量の変位が計算される。
【0058】
本開示は以下に付記する実施形態を包含する。
[付記1]
加速度計システムであって、
第1電極構成と、第2電極構成と、前記第1および第2電極構成間の慣性質量とを備えた加速度計センサであって、加速度計センサに関連する3つの直交する中央平面の各々に対して対称的に構成された加速度計センサと、
前記第1および第2電極構成の各々に制御信号を印加して前記第1および第2電極構成間のヌル位置に前記慣性質量を維持する力を与えるように構成された加速度計コントローラと、を備え、前記加速度計コントローラはさらに、前記第1および第2電極構成にそれぞれ関連付けられ、前記ヌル位置に対する前記慣性質量の変位を示す第1ピックオフ信号および第2ピックオフ信号を測定し、前記第1および第2ピックオフ信号に基づいて加速度を計算するように構成されている、加速度計システム。
[付記2]
前記第1電極構成は、第1のシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハ層から製造され、前記第2電極構成は、第2のSOIウェハ層から製造され、前記慣性質量は、半導体ウェハ層から製造されている、付記1に記載の加速度計システム。
[付記3]
前記第1電極構成および前記第2電極構成の各々は、前記第1電極構成および前記第2電極構成に対して実質的に均一な電荷分布を形成するように配置された電気接続部を備える、付記1に記載の加速度計システム。
[付記4]
前記第1電極構成および前記第2電極構成の各々は、前記慣性質量の変位に応じて前記第1および第2電極構成の周辺に向かう空気の流れを形成するようにそれぞれの電極構成にエッチングされた溝のパターンを備える、付記1に記載の加速度計システム。
[付記5]
加速度計システムであって、
第1電極構成と、第2電極構成と、前記第1および第2電極構成間の慣性質量とを備える加速度計センサとして構成された集積回路(IC)チップと、
前記第1および第2電極構成の各々に制御信号を印加して前記第1および第2電極構成間のヌル位置に前記慣性質量を維持する力を与えるように構成された加速度計コントローラであって、前記第1および第2電極構成にそれぞれ関連付けられ、前記ヌル位置に対する前記慣性質量の変位を示す第1ピックオフ信号および第2ピックオフ信号を測定して、前記第1および第2ピックオフ信号に基づいて加速度を計算するようにさらに構成された加速度計コントローラと、
実装用インターポーザであって、前記ICチップと実装用インターポーザとを分離する第1平面に沿って設けられた機械的に適合した接着剤を介して前記ICチップが実装用インターポーザ上に実装されており、前記接着剤が前記第1平面に直交する2つの直交平面に対して対称なパターンで配置されている、実装用インターポーザと、
前記ICチップと前記加速度計コントローラと前記実装用インターポーザとを少なくとも部分的に包囲する加速度計ケースであって、前記実装用インターポーザが前記ICチップと前記加速度計ケースとを相互接続するように前記機械的に適合した接着剤を介して前記加速度計ケースの表面上に実装されている、加速度計ケースと、
を備える加速度計システム。
[付記6]
前記実装用インターポーザは、前記ICチップと実質的に等しい熱膨張特性を有する非導電性材料から製造されている、付記5に記載の加速度計システム。
[付記7]
前記ICチップは、前記ICチップと前記実装用インターポーザとを分離する第1平面に沿って、前記実装用インターポーザに対し、前記第1平面に直交する2つの直交平面に対して実質的に対称となるように実装されている、付記5に記載の加速度計システム。
[付記8]
前記実装用インターポーザは、前記実装用インターポーザと前記加速度計ケースとを分離する第1平面に沿って接着剤を介して前記加速度計ケースに実装されており、前記接着剤は前記第1平面に直交する2つの直交平面に対して対称なパターンで配置されている、付記5に記載の加速度計システム。
[付記9]
前記実装用インターポーザは、前記実装用インターポーザと前記加速度計ケースとを分離する第1平面に沿って、前記加速度計ケースに対し、前記第1平面に直交する2つの直交平面に対して実質的に対称となるように実装されている、付記5に記載の加速度計システム。
[付記10]
前記加速度計ケースは計器ブロックに実装されており、前記加速度計ケースは前記計器ブロックと同じ材料で形成されている、付記5に記載の加速度計システム。
[付記11]
加速度を計算する方法であって、
加速度計センサに関連付けられ、慣性質量に対向するように配置された第1電極アセンブリおよび第2電極アセンブリの各々に対し、正の振幅を有する第1電圧に基づいて電荷を供給すること、
第1測定サイクルにおいて、前記第1および第2電極アセンブリに関連付けられた第1ピックオフ電圧を測定すること、
前記第1電圧に等しい逆の振幅を有する第2電圧に基づいて、前記第1および第2電極アセンブリに対し電荷を供給すること、
第2測定サイクルにおいて、前記第1および第2電極アセンブリに関連付けられた第2ピックオフ電圧を測定すること、
前記第1および第2測定サイクルのそれぞれに関連する前記第1および第2ピックオフ電圧間の差の平均を計算すること、
前記加速度に起因する前記慣性質量の変位を計算すること、
を備える方法。
[付記12]
前記第1および第2電極アセンブリの各々に対し前記電荷を供給することは、第1電荷増幅器アセンブリおよび第2電荷増幅器アセンブリをそれぞれ介して前記第1および第2電極アセンブリの各々に対し前記電荷を順番に供給することを備える、付記11に記載の方法。
[付記13]
前記電荷を順番に供給することは、前記第1および第2電荷増幅器アセンブリの各々の入力に設けられたスイッチングシステムを介して、スイッチング信号に応答して前記第1および第2電極アセンブリの各々に対し前記電荷を順番に供給することを備える、付記12に記載の方法。
[付記14]
前記電荷を順番に供給することは、
前記第1電荷増幅器アセンブリの第1増幅器の第1入力に前記第1および第2電圧のうちの1つを供給することであって、前記第1増幅器は、前記第1および第2電圧のうちの1つに関連する増幅器フィードバック電圧を受信するように構成された第2入力と、前記第1電荷増幅器アセンブリの第2増幅器の第1入力に接続された出力とを有し、前記第2増幅器は、前記第1および第2電圧のうちの1つに応答して前記第1電極アセンブリに前記電荷を供給するように構成された出力を有する、前記第1電荷増幅器アセンブリの第1増幅器の第1入力に前記第1および第2電圧のうちの1つを供給すること、
前記第1電荷増幅器アセンブリと実質的に同様に構成された前記第2電荷増幅器アセンブリの第1増幅器の第1入力に前記第1および第2電圧のうちの1つを供給することであって、前記第2電荷増幅器アセンブリの第2増幅器は、前記第1および第2電圧のうちの1つに応答して前記第2電極アセンブリに前記電荷を供給するように構成された出力を有する、前記第2電荷増幅器アセンブリの第1増幅器の第1入力に前記第1および第2電圧のうちの1つを供給すること、
を備える、付記12に記載の方法。
[付記15]
前記第1ピックオフ電圧を測定することは、前記第1電荷増幅器アセンブリの出力において前記第1ピックオフ電圧を測定することを備え、前記第2ピックオフ電圧を測定することは、前記第2電荷増幅器アセンブリの出力において前記第2ピックオフ電圧を測定することを備える、付記12に記載の方法。
[付記16]
加速度計システムであって、
第1電極構成と、第2電極構成と、前記第1および第2電極構成間の慣性質量とを備える加速度計センサと、
加速度計コントローラであって、
入力電圧に応答して前記第1電極構成上に第1電荷を供給するための第1電圧を生成するように構成された第1電荷増幅器システムと、前記入力電圧に応答して前記第2電極構成上に第2電荷を供給するための第2電圧を生成するように構成された第2電荷増幅器システムとを備え、前記第1および第2電極構成間のヌル位置に前記慣性質量を維持するように構成された信号発生器であって、前記第1および第2電荷増幅器システムの各々がカスケード配置された第1増幅器と第2増幅器を含む、信号発生器と、
前記ヌル位置に対する前記慣性質量の変位を示す第1および第2ピックオフ信号であって、前記第1電荷に関連する前記第1ピックオフ信号と前記第2電荷に関連する前記第2ピックオフ信号とに基づいて加速度を計算するように構成された加速度プロセッサと、を備える加速度計コントローラと、
を備える加速度計システム。
[付記17]
前記加速度計コントローラは、前記第1および第2電荷増幅器システムの各々に前記入力電圧を順番に供給するように構成されたスイッチングシステムをさらに備える、付記16に記載の加速度計システム。
[付記18]
前記スイッチングシステムは、スイッチング信号に応答して前記第1および第2電荷増幅器システムの各々に前記入力電圧を順番に供給することにより前記第1および第2ピックオフ信号を供給するように構成されたスイッチを備える、付記17に記載の加速度計システム。
[付記19]
前記スイッチは第1スイッチング信号に応答する第1スイッチであり、前記スイッチングシステムは、第2スイッチング信号に応答して、前記入力電圧を、第1測定サイクルおよび第2測定サイクルでそれぞれ互いに等しくゼロ電圧に対して反対となる正電圧および負電圧として順番に供給するように構成された第2スイッチをさらに備え、前記加速度計システムは、前記第1および第2測定サイクルの各々で前記第1および第2電極構成にそれぞれ関連する前記第1および第2ピックオフ信号を測定するように構成された測定システムをさらに備え、前記加速度計コントローラの前記加速度プロセッサは、前記第1測定サイクルにおける前記第1および第2ピックオフ信号間の第1の差と、前記第2測定サイクルにおける前記第1および第2ピックオフ信号間の第2の差との平均を計算して、前記平均に基づいて前記加速度を計算するように構成されている、付記18に記載の加速度計システム。
[付記20]
前記第1および第2電荷増幅器システムの各々の前記第1増幅器は、前記第1および第2電圧のうちの1つに関連するフィードバック信号を第1入力で受信し、前記入力電圧を第2入力で受信するように構成されており、前記第2増幅器は、前記フィードバック信号を第1入力で受信し、前記第1増幅器に関連する出力信号を第2入力で受信して、前記第1および第2電圧のうちの1つを出力で生成するように構成されている、付記17に記載の加速度計システム。
以上の説明は本発明の一例である。本発明を説明する上で、構成または方法のあらゆる組み合わせを説明することは可能でないが、当業者であれば、本発明の多くのさらなる組み合わせや置換が可能であることを認識し得る。したがって、本発明は、特許請求の範囲の思想および範囲内に含まれるそのような変更、修正、および変形をすべて包含することが意図される。