(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、トップビュー型およびサイドビュー型のいずれの光源として用いる場合にも所望の姿勢での面実装を可能とし、かつ、小型化を図るのに適した半導体発光装置を提供することをその主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供される半導体発光装置は、基材およびこの基材上に形成された配線パターンを有する基板と、上記基板に搭載されたLEDチップと、上記LEDチップを覆い、上記LEDチップの正面に位置するレンズを有する樹脂パッケージと、を備え、上記基材は、第1方向の一方側を向き、上記LEDチップが搭載される面である第1主面と、上記第1方向の他方側を向き、上記第1主面と平行である第2主面と、上記第1および第2主面のいずれにもつながり、上記第1方向に垂直である第2方向の一方側を向く第1側面と、を有し、上記配線パターンは、上記第2主面に形成され、上記第1および第2方向のいずれにも垂直である第3方向において離間する1対の第1実装部と、上記第2方向一方側を向き、かつ上記第1側面よりも上記第2方向一方側に位置し、上記第3方向において離間する1対の第2実装部と、を有する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記樹脂パッケージは、上記レンズよりも上記基板寄りに位置する土台部を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2主面から上記土台部の上記第1方向一方端までの長さは、上記第2主面から上記レンズの中心までの長さの1/2以上である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記土台部は、上記基材における上記第1側面と面一状とされた土台部第1側面を有する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記土台部の上記第1方向の厚さは、上記基材の上記第1方向の厚さよりも大きい。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板、上記LEDチップ、および上記樹脂パッケージを含めた全体の重心が、上記第2主面から上記レンズの頂点までの間の中心よりも上記基板側に位置している。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基材は、上記第2方向の他方側を向き、上記第1側面と平行な第2側面を有し、上記第1方向から見て、上記レンズの中心は、上記第1側面と上記第2側面との間の中心よりも上記第2方向における片側に寄っている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基材は、上記第2方向の他方側を向き、上記第1側面と平行な第2側面を有し、上記土台部は、上記土台部第1側面と平行な土台部第2側面を有する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記土台部第2側面は、上記基材における上記第2側面と面一状である。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記配線パターンは、いずれか一方に上記LEDチップが搭載され、上記第1主面に形成された1対のボンディング部を有し、上記1対のボンディング部は、各々が上記1対の第1実装部のうちのいずれかと導通している。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基材は、第3方向の一方側および他方側を向き、互いに平行な第3側面および第4側面を有し、上記配線パターンは、上記第1実装部および上記ボンディング部のいずれにもつながり、上記第3および第4側面にそれぞれ形成された1対の迂回部を有する。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の迂回部は、上記第3および第4側面における上記第2方向の一方側である上記第1側面寄りの端部を覆っており、上記1対の第1実装部は、上記第2主面における上記第2方向一方側の端部を覆う。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の迂回部は、上記第3および第4側面における上記第2方向一方側の端部から上記第2方向他方側の端部に至る範囲を覆っており、上記1対の第1実装部は、上記第2主面における上記第2方向一方側の端部から上記第2方向他方側の端部に至る範囲を覆う。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記配線パターンは、上記基材上に形成される導電層と、上記導電層の少なくとも一部を覆うメッキ層と、を含む。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記迂回部および第1実装部の各々は、上記導電層に上記メッキ層が積層された構成とされている。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記迂回部を構成する上記導電層における上記第2方向一方側の端面である第1端面、および上記第1実装部を構成する上記導電層における上記第2方向一方側の端面である第2端面は、上記メッキ層によって覆われている。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2端面は、上記第1側面と面一状とされており、上記第2実装部は、上記第1および第2端面を覆う上記メッキ層を含んで構成される。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2端面を覆う上記メッキ層の端縁は、上記第1側面を覆う。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導電層は、Cuを含む。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対のボンディング部は、上記第3方向の一方側から他方側に延びる第1延出部を有する第1ボンディング部と、上記第3方向の他方側から一方側に延びる第2延出部を有する第2ボンディング部と、を含み、上記LEDチップは、上記第1延出部に搭載される。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部の上記第2方向における長さは、上記基材の上記第2方向における長さの1/2以上である。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部には、上記LEDチップよりも上記第3方向一方側に位置し、上記第1方向に貫通する第1開口が形成されている。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、上記第3方向視において上記LEDチップと重なり、かつ上記第3方向の他方側に突き出る第1突出部を有し、上記LEDチップから上記第1突出部の上記第3方向における他方側の先端縁までの長さは、上記LEDチップの上記第2方向における長さの1倍以上である。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、上記第2方向における両側端寄りにおいて上記第3方向の他方側に突き出る第2突出部を有する。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2突出部の上記第3方向における他方側の先端縁は、上記第1突出部の上記先端縁よりも上記第3方向の他方側に位置する。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記LEDチップには、上記第2延出部に一端がボンディングされたワイヤの他端がボンディングされている。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2延出部は、上記第3方向視において上記LEDチップと重ならない位置にある。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2ボンディング部と上記樹脂パッケージとの間に介在し、かつ上記第1ボンディング部の一部を露出させる第2開口を有するレジスト膜を備え、上記LEDチップは、上記第1延出部のうち上記レジスト膜の上記第2開口から露出する部位に搭載されている。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記レンズは、その光軸が上記第1方向に沿い、かつ中心から周部に向かうほど曲率が小さくなる非球面である。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記レンズの直径は、上記LEDチップの上記第1方向視における一辺の長さの6倍以上である。
【0037】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0040】
図1〜
図10は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置101は、基板200、LEDチップ300、ワイヤ400、および樹脂パッケージ500を備えている。なお、説明の便宜上、
図1を基準として上下の方向を特定することにする。
【0041】
図1〜
図3に示すように、基板200は、基材210および基材210に形成された配線パターン220からなる。
【0042】
基材210は、直方体状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる。基材210は、互いに平行な上面210aおよび下面210bと、互いに平行な側面210cおよび側面210dと、互いに平行な側面210eおよび側面210fとを有する。上面210aは方向xの一方側を向く平面であり、下面210bは方向xの他方側を向く平面である。側面210cは、方向xに垂直である方向yの一方側を向く平面であり、側面210dは方向yの他方側を向く平面である。側面210eは、方向xおよび方向yのいずれにも垂直である方向zの一方側を向く平面であり、側面210fは方向zの他方側を向く平面である。側面210c,210dは、方向zを長手方向とする長矩形状である。側面210e,210fは、方向yを長手方向とする長矩形状である。本実施形態においては、基材210における方向zの長さは、基材210における方向yの長さよりも大とされている。基材210の寸法の一例を挙げると、方向zの長さが2.9mm程度、方向yの長さが2.5mm程度、厚さが0.7mm程度である。
【0043】
図1、
図3に示すように、配線パターン220は、たとえばCu、Ni、AgまたはAuなどの金属からなり、ボンディング部221,222、迂回部223,224、および実装部225,226,227,228を有する。ボンディング部221,222は、基材210の上面210aに形成されている。一方のボンディング部221には、LEDチップ300がボンディングされている。迂回部223,224は、ボンディング部221,222につながっており、基材210の側面210e,210fに形成されている。実装部225,226は、基材210の下面210bに形成されており、方向zにおいて互いに離間している。実装部225,226は、迂回部223,224につながっている。実装部227,228は、方向y一方側を向いている。実装部225,226および実装部227,228は、半導体発光装置101をたとえば回路基板に実装するために用いられる。実装部225,226を用いると、下面210bを回路基板に向けて面実装することができる。配線パターン220のより詳細な構成については後述する。
【0044】
図3に示すLEDチップ300は、たとえばAlGaInPからなるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された4元系の半導体層を有する構造とされており、たとえばオレンジ色の光を発する。LEDチップ300には、2つの電極(図示略)が形成されている。一方の電極は、ボンディング部221に搭載される面(図面を基準として下面)に設けられており、図示しない導電性ペーストを介してボンディング部221に接合されている。他方の電極は、ボンディング部221に搭載される面とは反対側の面(図面を基準として上面)に設けられている。他方の電極には、ワイヤ400の一端がボンディングされている。ワイヤ400の他端は、ボンディング部222にボンディングされている。本実施形態においては、LEDチップ300には1つのワイヤ400のみがボンディングされており、いわゆる1ワイヤタイプとして構成されている。LEDチップ300の寸法の一例を挙げると、方向x視において一辺が260μm程度の正方形状であり、厚さが170μm程度である。なお、LEDチップ300は、たとえばInGaNなどから構成された半導体層を有する緑色の光を発するものでもよいし、青色発光タイプでもよい。
【0045】
図1〜
図3に示すように、樹脂パッケージ500は、LEDチップ300と基材210の上面210aとを覆っており、LEDチップ300からの光を透過させることが可能なたとえばエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂からなる。樹脂パッケージ500は、土台部510と、ドーム状部520とを有する。ドーム状部520は、方向x一方側に膨出しており、ドーム状部520の先端寄りの部分には、レンズ520aが形成されている。レンズ520aは、LEDチップ300の正面に位置しており、その光軸Laが方向xに沿って延びるものとされている。レンズ520aは、LEDチップ300からの光の指向性を高めるためのものである。本実施形態において、レンズ520aは、非球面状とされており、中心から周部に向かうほど曲率が小さくなっている。
【0046】
土台部510は、レンズ520aよりも基板200寄りに位置しており、方向yにおける両側からドーム状部520を挟んでいる。土台部510は、側面510a,510b,510c,510dを有する。側面510aは、方向yの一方側を向く平面であり、
図2に示すように、基材210の側面210cと面一状とされている。側面510bは、方向yの他方側を向く平面であり、基材210の側面210dと面一状である。側面510c,510dは、側面510a,510bの両方につながっており、xy平面に対して傾斜している。本実施形態においては、側面510c,510dは、基材210に近づく(方向xの他方側に向かう)につれて、方向x視においてLEDチップ300から遠ざかるように傾斜している。また、土台部510の基板200(配線パターン220)との接触界面部分における方向zの幅W1は、基板200の方向zの幅W2よりも小さくなっている。これにより、基材210の上面210aに形成され配線パターン220(ボンディング部221,222)については、方向zの端部において土台部510から露出している。
【0047】
半導体発光装置101の方向xにおける寸法の一例を挙げると(
図3参照)、基材210の下面210bからレンズ520aの中心までの長さL1が3.3mm程度、下面210bから土台部510の方向x一方端までの長さL2が1.7mm程度である。上記長さL2は、上記長さL1の1/2以上とされている。
図3に示すように、土台部510の方向xにおける厚さL3は、基材210の方向xにおける厚さtよりも大きくなっている。土台部510の厚さL3が大きいほうが、後述するサイドビュー型としての実装時における姿勢が安定するが、レンズ520aの指向性との関係もある。したがって、LEDチップ300の上面の中心から所定の角度αの光は土台部510に当たらないように土台部510の厚さL3を設定している。上記角度αはたとえば55°であり、45°〜60°が好ましい範囲である。また、本実施形態においては、
図3に示すように、基板200、LEDチップ300、および樹脂パッケージ500を含めた全体の重心Gが、基材210の下面210bからレンズ520aの頂点までの間の中心Cよりも基板200側に位置している。
【0048】
図1、
図2、
図9から理解されるように、本実施形態の配線パターン220において、迂回部223,224は、方向yの一方側(側面210c寄り)の端部から他方側の端部に至る範囲を覆っている。また、
図1、
図5、
図7から理解されるように、実装部225,226は方向yの一方側の端部から他方側の端部に至る範囲を覆っており、ボンディング部221,222は、方向yの一方側の端部から他方側の端部に至る範囲を覆う部分を有する。
【0049】
配線パターン220は、導電層にメッキ層が積層された構成を有する。本実施形態において、配線パターン220は、
図4、
図6、
図8、
図10に示すように、導電層220A,220B,220Cおよびメッキ層220Dが積層された構成を有する。たとえば、導電層220AはCuからなり、導電層220BはNiからなり、導電層220CはAuからなり、メッキ層220DはSnからなる。メッキ層220Dは、上記導電層のうち樹脂パッケージ500に覆われていない部分を覆っている。
【0050】
より詳細には、
図3、
図4、
図9、
図10から理解されるように、迂回部223,224は、導電層220A,220B,220Cおよびメッキ層220Dが積層された構成である。
図9、
図10から理解されるように、迂回部223,224を構成する導電層220A,220B,220Cにおける方向y一方側の端面223a,224aは、基材210の側面210cと面一状である。端面223a,224aはメッキ層220Dによって覆われており、端面223a,224aを覆うメッキ層220Dは実装部227,228を構成している。
図5〜
図8から理解されるように、実装部225,226は、導電層220A,220B,220Cおよびメッキ層220Dが積層された構成である。実装部225,226を構成する導電層220A,220B,220Cにおける方向y一方側の端面225a,226aは、基材210の側面210cと面一状である。端面225a,226aはメッキ層220Dによって覆われており、端面225a,226aを覆うメッキ層220Dは実装部227,228を構成している。この端面225a,226aを覆うメッキ層220Dの端縁は、側面210c側に少しはみだすことにより側面210cの周縁の一部を覆っている。本実施形態において、実装部227,228を構成するメッキ層220Dは、側面210cを実質的に避けて形成される。これにより、実装部227,228は、側面210cの略すべてを露出させている。
【0051】
配線パターン220の各層の厚さの一例を挙げると、導電層220Aが20μm程度、導電層220Bが10μm程度、導電層220Cが0.2μm程度、メッキ層220Dが8μm程度である。なお、
図2、
図5、
図7、
図9においては、メッキ層220Dの厚さを強調して表している。
【0052】
配線パターン220において、方向yの一方側(側面210c寄り)の端部は、コの字状に露出しており、メッキ層220Dの厚さ分だけ側面210cよりも方向y一方側に突出する。配線パターン220のうち、方向y一方側を向き、かつ側面210cよりも方向y一方側に位置する部分が、実装部227,228とされている。実装部227,228は、方向zにおいて互いに離間している。実装部227,228を用いると、側面210cを回路基板に向けて面実装することができる。
【0053】
半導体発光装置101の製造方法の一例を
図11〜
図14を参照して説明する。まず、
図11に示すように、基材210の材料となる基材集合体210’を準備する。基材集合体210’は、xz平面に沿う横断面を有し、方向yに沿ってバー状に延びている。ついで、
図12に示すように、基材集合体210’に導体パターン220’を形成する。導体パターン220’は、導電層220A,220B,220Cを構成する金属材料を順次積層したものであり、基材集合体210’の方向zにおける両側に形成されている。導体パターン220’は、上記したボンディング部221,222、迂回部223,224、実装部225,226となるべき部分が方向yに沿って連続する形状である。ついで、
図13に示すように、導体パターン220’の所定部位(ボンディング部221に対応する部分)にLEDチップ300を搭載する。ついで、LEDチップ300にワイヤ400をボンディングする。ついで、
図14に示すように、基材集合体210’上に樹脂モールド500’を形成する。樹脂モールド500’は、上記した樹脂パッケージ500となるべき部分が方向yに沿って連続する形状である。このようにして半導体発光装置集合体101’(以下、集合体101’という)を得る。ついで、集合体101’を、方向yにおいて一定間隔を隔ててxz平面に沿って切断することにより、分割体(図示略)を得る。当該分割体は、メッキ層220Dを備えていない点において、半導体発光装置101と異なる。当該分割体の一方の切断部端面は、基材210の端面(たとえば側面210c)と、樹脂パッケージ500の端面(たとえば土台部510の側面510a)と、導電層220A,220B,220Cの端面とを含み、これら端面は、面一状である。また、上記分割体の他方の切断部端面は、基材210の端面(方向yにおいて側面210cと反対側に位置する側面210d)と、樹脂パッケージ500の端面(方向yにおいて側面510aと反対側に位置する側面510b)と、導電層220A,220B,220Cの端面とを含み、これら端面は、面一状である。ついで、分割体における金属露出部にメッキ層220Dを形成することにより、半導体発光装置101が得られる。
【0054】
なお、このような製造方法を経ることにより、配線パターン220のうち実装部227,228(第2実装部)と方向yにおいて反対側に位置する部分は、側面210dよりも上記方向yにおける反対側にメッキ層220Dの厚さ分だけ突出している。このようなことから理解されるように、配線パターン220のうち実装部227,228と方向yにおいて反対側に位置する部分は、実装部227,228と同様の構成となっている。したがって、側面210cと方向yにおいて反対側に位置する側面210dを回路基板に向けて実装することにより、配線パターン220のうち実装部227,228と方向yにおいて反対側に位置する部分も、第2実装部として機能させることができる。
【0055】
次に、半導体発光装置101の作用について説明する。
【0056】
本実施形態によれば、半導体発光装置101を、回路基板に対して面実装することができる。実装部225,226を用いて実装する場合、
図15に示すように、基材210の下面210bを回路基板Sに向けて実装することにより、半導体発光装置101は、回路基板Sが向く方向に光を出射するトップビュー型の光源として用いられる。一方、実装部227,228を用いて実装する場合、
図16に示すように、基材210の側面210cを回路基板Sに向けて実装することにより、半導体発光装置101は、回路基板Sが広がる方向に光を出射するサイドビュー型の光源として用いられる。本実施形態の半導体発光装置101は、たとえばデジタルカメラのオートフォーカスの補助光として用いられる。
【0057】
実装部225,226および実装部227,228は、基材210に形成された薄膜状の配線パターン220によって構成されている。このため、ハンダを用いて面実装する場合、下面210bおよび側面210cのいずれの面についても、ハンダを介して回路基板Sとほぼ平行に密着状に実装することができる。したがって、トップビュー型およびサイドビュー型のいずれの光源として使用する場合においても、回路基板Sに対して所望の姿勢で実装するのに適する。
【0058】
また、実装部225,226および実装部227,228を配線パターン220によって構成する半導体発光装置101は、たとえば金属リードを折り曲げて実装部を形成する場合に比べて、小型化を図るのに適する。
【0059】
レンズ520aは、中心から周部に向かうほど曲率が小さくなる非球面レンズである。このため、レンズ520aの方向x視におけるサイズを実質的に小さくすることができる。このことは、半導体発光装置101の小型化を図るうえで好ましい。また、上記形状を有する非球面のレンズ520aによれば、
図3を参照すると理解されるように、LEDチップ300から発せされる光のうち、LEDチップ300の正面方向(レンズ520aの光軸La方向)から所定角度範囲内(たとえば約10°)に放射された、比較的に放射強度の強い光線束は、レンズ520aの光軸La方向にほぼ沿う方向に出射する。したがって、半導体発光装置101によれば、レンズ520aの光軸La方向に向けて光強度の強い光を出射することができる。
【0060】
迂回部223,224および実装部225,226は、側面210e,210fおよび下面210bの方向yの一方端から他方端に至る範囲に形成されている。迂回部223,224の表面および実装部225,226の表面部はメッキ層220Dで覆われている。また、ボンディング部221,222は、方向zの端部において、上面210aの方向yにおける一方端から他方端に至る範囲に形成されている。これらボンディング部221,222の方向zにおける端部は、土台部510から露出しており、メッキ層220Dで覆われている(
図4参照)。メッキ層220Dはハンダに対する濡れ性がよい。このため、実装部225,226を用いて実装する場合、
図15を参照すると理解されるように、迂回部223,224を覆うように、仮想線で示すハンダフィレットHfが形成される。実装部227,228を用いて実装する場合、
図16を参照すると理解されるように、実装部225,226、迂回部223,224およびボンディング部221,222を覆うように、仮想線で示すハンダフィレットHfが形成される。したがって、トップビュー型およびサイドビュー型のいずれの光源として使用する場合においても、半導体発光装置101の接合強度を高めることができる。このことは、回路基板Sに対する所望姿勢での実装状態を維持するのに適する。特に、
図16に示す場合には、基材210の上面210aに形成されたボンディング部221,222にまでハンダフィレットHfを付着させることができる。このことは、半導体発光装置101と回路基板Sとの電気的な接続をより確実にするのに適する。
【0061】
配線パターン220に含まれるCu(導電層220A)は、配線パターン220の構成材料として好適に用いられるが、比較的に酸化しやすい。Cuが酸化すると、ハンダの濡れ性が悪くなり、ハンダを用いて実装する場合においてCuとハンダとの接合強度が低下する。これに対し、本実施形態において、導電層220Aの端面は、メッキ層220Dによって覆われている。したがって、ハンダを用いて実装する場合における接合強度の低下を回避することができる。
【0062】
実装部227,228が実装に用いられる場合、半導体発光装置101は、横倒しの姿勢とされる(
図16参照)。この姿勢は、レンズ520aが実装部227,228から大きくオーバーハングする、比較的不安定なものである。これに対し、樹脂パッケージ500の土台部510の側面510aは、基材210の側面210cと面一状である。これにより、基材210の側面210cと土台部510の側面510aとを合わせた広い面積をもって半導体発光装置101を回路基板S上に支持させることができ、実装時の姿勢が安定する。このことは、回路基板Sに対して半導体発光装置101を所望の姿勢で実装するうえで好ましい。
【0063】
また、
図3を参照して説明したように、基板200、LEDチップ300、および樹脂パッケージ500を含めた全体の重心Gが、基材210の下面210bからレンズ520aの頂点までの間の中心Cよりも基板200側に位置している。これにより、
図16に示すように半導体発光装置101を横倒しの姿勢で実装したとき、基材210の側面210cおよび土台部510の側面510aが回路基板Sの表面により平行な状態で実装することができる。なお、土台部510の側面510aの高さ(土台部510の方向xにおける厚さt)を大きくすることにより重心Gが中心Cよりもレンズ520a側にある構成とした場合に、側面210cを下にしたサイドビュー型での回路基板Sへの実装は可能であるが、
図15に示すトップビュー型での実装も考慮した実装安定性の観点から、重心Gが中心Cよりも基板200側にあることが好ましい。
【0064】
図3を参照して説明したように、基材210の下面210bから土台部510の方向x一方端までの長さL2は、下面210bからレンズ520aの中心までの長さL1の1/2以上である。これにより、
図16に示すように半導体発光装置101を横倒しの姿勢で実装したとき、実装部227,228からオーバーハングするレンズ520aの割合は、実質的に小さい。このことは、半導体発光装置101の実装時の姿勢を安定させるうえで好ましい。
【0065】
方向yにおいて基材210の側面210cとは反対側にある側面210dと、土台部510の側面510bとは、面一状である。実装部227,228が実装に用いられる場合、たとえばチップマウンタを使用して実装する際に、基材210の側面210dと土台部510の側面510bとを合わせた比較的広い範囲を吸着面として利用することができる。これにより、半導体発光装置101の実装作業が安定し、回路基板Sに対して半導体発光装置101を所望の姿勢で実装するのに適する。
【0066】
図17および
図18は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光装置を示している。なお、
図17以降の図において、上記実施形態と同一または類似の要素には上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0067】
本実施形態の半導体発光装置102は、
図17に示すように、方向xからみて、レンズ520aの中心が、基材210の側面210cと側面210dとの間の中心よりも方向yにおける片側(側面210c側)に寄っている。本実施形態ではまた、
図17および
図18に示すように、ドーム状部520およびレンズ520aのサイズが上記第1実施形態と比べて小とされている。なお、ドーム状部520およびレンズ520aのサイズが上記第1実施形態と同一または第1実施形態よりも大きい場合でも、レンズ520aの中心が方向yにおける片側に寄っていればよい。
【0068】
本実施形態の半導体発光装置102の製造は、上記した半導体発光装置101の製造方法と同様の手順で行うことができる。
図19は、基材集合体210’、導体パターン220’、LEDチップ300、ワイヤ400、および樹脂モールド500’を具備する半導体発光装置集合体102’(以下、集合体102’という。
図14に示す集合体101’に相当するものである。)を示している。この集合体102’を方向yにおいて一定間隔を隔ててxz平面に沿って切断するが、本実施形態では、この切断位置を
図19に切断ラインCLで示される位置とすればよい。
【0069】
図20に示すように、半導体発光装置102をサイドビュー型の光源として用いる場合、レンズ520aが片寄った側面210cを回路基板Sに向けて実装する。これにより、実装時における重心が上記第1実施形態の場合(
図16参照)よりも下側(回路基板S側)に位置することとなる。したがって、半導体発光装置102によれば、サイドビュー型での実装時において、実装姿勢をより安定させることができる。
【0070】
図21は、本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置103は、ボンディング部221,222の形状が上記実施形態と異なっている。本実施形態では、ボンディング部221は、方向zの一方側(図中右側)から他方側(図中左側)に延びる延出部221A(第1延出部)を有し、この延出部221AにLEDチップ300が搭載されている。なお、
図21において、理解のためにボンディング部221,222の形成領域には左上がりのハッチングを施している。後述の
図22〜
図24についても同様に、ボンディング部221,222の形成領域には左上がりのハッチングを施している。
【0071】
延出部221Aは、方向yにおける長さL4が比較的に大きくされている。延出部221Aの長さL4は、基材210の方向yにおける長さの1/2以上、好ましくは3/4以上とされる。
【0072】
延出部221Aには、厚さ方向(方向x)に貫通する開口221bが形成されている。本実施形態では、複数(2つ)の開口221bが延出部221Aに分散して形成される。これら開口221bは、LEDチップ300よりも方向zの一方側に位置する。
図3等を参照すると理解されるように、基材210の上面を覆う樹脂パッケージ500は、延出部221Aの形成部位において当該延出部221Aの表面に密着している。一方、開口221b部分において、樹脂パッケージ500は基材210の表面に密着している。
【0073】
延出部221Aは、突出部221cおよび1対の突出部221dを有する。突出部221cは、方向yにおける中央において方向zの他方側に突き出しており、方向z視においてLEDチップ300と重なる位置にある。突出部221cにおいて、LEDチップ300から方向zにおける他方側の先端縁221eまでの長さL5は比較的に大きくされている。上記長さL5は、たとえば0.2〜0.6mm程度であり、好ましくは0.3〜0.6mm程度である。また、上記長さL5は、LEDチップ300の大きさとの関係でいうと、たとえばLEDチップ300の方向yにおける長さの1倍以上とされ、好ましくは1〜2.5倍程度であり、より好ましくは1.5〜2.5倍程度である。
【0074】
突出部221dは、方向yにおける両側端寄りにおいて方向zの他方側に突き出している。突出部221dの方向zにおける他方側の先端縁221fは、上記突出部221cの先端縁221eよりも方向zにおける他方側(図中左側)に位置する。
【0075】
ボンディング部222は、方向zの他方側(図中左側)から一方側(図中右側)に延びる延出部222A(第2延出部)を有する。延出部222Aは、方向yにおける中央に位置し、方向yにおける長さが比較的に小さくされている。延出部222Aには、LEDチップ300に一端がボンディングされたワイヤ400の他端がボンディングされている。
【0076】
本実施形態において、レンズ520aの直径D1(土台部510の上端面とレンズ520aの交差部の直径)は、比較的に大きくされており、たとえばLEDチップ300の方向x視における一辺(LEDチップ300が長方形の場合は、長辺)の長さの6倍以上、好ましくは8倍以上とされる。
【0077】
本実施形態の半導体発光装置103は、第1実施形態に関して上述した作用に加え、以下の作用を奏する。本実施形態において、LEDチップ300は延出部221Aに搭載されており、LEDチップ300の発光時に当該LEDチップ300から発せされる熱は、金属層からなる延出部221Aを通じて迂回部223、実装部225に伝わり、たとえば実装部225が実装された回路基板側に放熱される。ここで、延出部221Aは、方向yにおける長さL4が比較的に大きくされており、LEDチップ300からの熱の伝達経路が大きく確保されている。このような構成によれば、LEDチップ300からの熱を効率よく外部に放出することが可能であり、放熱性に優れる。
【0078】
樹脂パッケージ500を構成するエポキシ樹脂やシリコーン樹脂の密着性については、延出部221Aの表面(
図4等に示した導電槽220CであるAu)に対する密着性よりも、基材210を構成するガラスエポキシ樹脂に対する密着性の方が優れている。本実施形態において、延出部221Aには厚さ方向に貫通する開口221bが分散して形成されており、この開口221b部分において樹脂パッケージ500は基材210の表面に密着している。このように開口221bを有する構成によれば、樹脂パッケージ500と基材210との密着領域が適度に確保されており、たとえばLEDチップ300の発光時の発熱の影響による樹脂パッケージ500の剥がれなどの不具合を回避するのに適している。
【0079】
延出部221Aにおいて、LEDチップ300から方向zにおける他方側の先端縁221eまでの長さL5は比較的に大きくされている。また、開口221bは、LEDチップ300よりも方向zの一方側に形成されている。これにより、LEDチップ300の周囲において比較的広い領域に延出部221Aが設けられているので、LEDチップ300から発せられた熱は、延出部221AにおけるLEDチップ300の周囲の領域を通じて迂回部223側へスムーズに伝達される。このような構成は、放熱性を高めるうえで好ましい。
【0080】
図22は、本発明の第4の実施形態に係る半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置104において、ボンディング部221,222の形状が上記実施形態と異なっている。本実施形態では、上記第3の実施形態と同様にボンディング部221,222は延出部221A,222Aを有するが、延出部221A,222Aの形状が第3の実施形態と異なっている。
【0081】
本実施形態では、延出部221Aは、上記第3の実施形態と同様に方向yにおける長さL4が比較的に大とされている。一方、延出部221Aには、複数の開口221bがLEDチップ300を中心とする同心円に沿うように分散して形成されている。また、延出部221Aの適所には切欠き221gが形成されている。このように開口221bおよび切欠き221gが分散して形成された構成は、樹脂パッケージ500の密着性を高めるうえで好ましい。
【0082】
延出部221Aの方向yにおける両側端寄りには、方向zの他方側に突き出る突出部221dが設けられている。突出部221dは、LEDチップ300を中心とする円に沿うように形成されている。
【0083】
本実施形態の半導体発光装置104は、方向yにおける長さL4が大である延出部221Aを備えることにより、第3の実施形態と同様に放熱性に優れる。また、開口221b、切欠き221g等を有する構成よって樹脂パッケージ500と基材210との密着領域が適度に確保されているため、樹脂パッケージ500の剥がれなどの不具合を回避するのに適している。
【0084】
図23は、本発明の第5の実施形態に係る半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置105において、ボンディング部221,222の形状が上記実施形態と異なっている。本実施形態では、上記第3の実施形態と同様にボンディング部221,222は延出部221A,222Aを有するが、延出部221A,222Aの形状が第3の実施形態と異なっている。
【0085】
本実施形態では、延出部221Aは、上記第3の実施形態と同様に方向yにおける長さL4が比較的に大とされている。開口221bの形成箇所は上記第3の実施形態と同様であるが、LEDチップ300から突出部221cの先端縁221eまでの長さL5がより大とされている。延出部222Aについては、上記長さL5が大であることに伴い、方向z視においてLEDチップ300と重ならないように方向yの一方に片寄った位置に設けられている。
【0086】
本実施形態の半導体発光装置105は、方向yにおける長さL4が大である延出部221Aを備えることにより、第3の実施形態と同様に放熱性に優れる。また、開口221bを有する構成よって樹脂パッケージ500と基材210との密着領域が適度に確保されているため、樹脂パッケージ500の剥がれなどの不具合を回避するのに適している。
【0087】
図24は、本発明の第6の実施形態に係る半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置106は、ボンディング部221,222の形状は上記第5の実施形態の半導体発光装置105と同様であるが、レジスト膜231,232を備える点において半導体発光装置105と異なっている。
【0088】
レジスト膜231,232は、
図25に表れているように、ボンディング部221,222と、樹脂パッケージ500との間に介在している。レジスト膜231は、ボンディング部221を覆っており、レジスト膜232は、ボンディング部222を覆っている。レジスト膜231には、ボンディング部231の一部を露出させるための開口231aが形成されている。開口231aは、基材210の上面中央に位置する。なお、
図24において、理解のためにレジスト膜231,232の形成領域には右上がりのハッチングを施している。
【0089】
図4等を参照して上述したように、ボンディング部221,222(配線パターン220)が導電層220A,220B,220Cを備えて構成される場合、導電層220A,220B,220Cおよびレジスト膜231,232の形成は、導電層220A、レジスト膜231,232、導電層220B、導電層220Cの順序で行う。導電層220Aの形成領域は、ボンディング部221,222の形成領域に対応している(
図24参照)。
図24、
図25から理解されるように、レジスト膜231,232は、Cuからなる導電層220Aの一部を露出させるように当該導電層220Aを覆う。レジスト膜231.232はまた、基材210の一部を覆っている。ここで、レジスト膜231には開口231aが形成される。Niからなる導電層220BおよびAuからなる導電層220Cは、導電層220Aの露出部に形成される。本実施形態では、導電層220B,220Cは、開口231aの形成部位、およびボンディング部222における延出部222Aとなるべき部位に形成される。これにより、延出部221A,222Aが形成される。LEDチップ330は、延出部221A上において開口231aに臨むように搭載されている。
【0090】
本実施形態の半導体発光装置106は、方向yにおける長さL4が大である延出部221Aを備えることにより、第3の実施形態と同様に放熱性に優れる。本実施形態では、ボンディング部221,222と樹脂パッケージ500との間にレジスト膜231,232が介在している。レジスト膜231,232は、樹脂パッケージ500に対する密着性が導電層220Cを構成するAuよりも優れる。したがって、レジスト膜231,232を具備する構成は、樹脂パッケージ500の密着性を高めるのに適する。さらに、本実施形態では、導電層220Cの形成領域が実質的に小さくなっている。したがって、導電層220Cを構成するAuの使用量を削減することができる。
【0091】
図26は、半導体発光装置の放熱性に関して行ったシミュレーション解析の結果を表すグラフである。
図26のグラフは、LEDチップが搭載されるボンディング部の形状のみが異なる複数種類の半導体発光装置を発光させた場合において、LEDチップの搭載部の最高到達温度についての発光開始後の温度履歴を示す。実施例1,2は、上記した第3および第4の半導体発光装置103,104の場合を表している。比較例1は、LEDチップの搭載部が小面積のアイランド状とされ、この搭載部から幅の狭い導電部が迂回部に向けて延びる場合を表している。比較例2は、基材上面の全面にボンディング部が形成される場合を表し、比較のための仮想モデルである。
【0092】
図26に示した温度履歴から、比較例1は、実施例1,2や比較例2と比べてかなり高温になるので、耐久性が低下すると考えられる。比較例2のようにボンディング部を基材上に全面形成する構成は、LEDチップに直流電流を流すことができないので実現不可能であるが、放熱に寄与するボンディング部のサイズが最大であるので、放熱性については理想的なレベルである。一方、ボンディング部は樹脂パッケージとの密着性が悪いため、比較例2の構成では樹脂パッケージの剥がれなどの不具合が起こりやすい。
【0093】
実施例1,2は、比較例2と比べて温度差が小さく、放熱性について良好な結果が得られた。また、実施例1,2(上記第3および第4の半導体発光装置103,104)は、上述のように開口221bを有することによって、比較例2と比べて密着性に優れるので、耐久性の向上が見込まれる。
【0094】
本発明に係る半導体発光装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体発光装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0095】
上記実施形態において、実装部227,228(第2実装部)は、基材210の側面210c(第1側面)を実質的に避けて形成されて当該第1側面の略すべてを露出させる構成とされているが、これに限定されず、たとえば第2実装部が第1側面における比較的広い領域を覆う構成としてもよい。
【0096】
上記実施形態において、配線パターン200を構成する導電層220A,220B,220Cの材料を例示したが、これに限定されない。たとえば、樹脂パッケージ500と接触する導電層220Cの材料については、樹脂パッケージ500との密着性を向上させる観点から、Auに代えてAgを採用してもよい。
【0097】
上記実施形態では、土台部を形成した構成について説明したが、土台部が形成されていなくてもよい。この場合、たとえば土台部以外の構成は上記実施形態の構成が適用される。土台部がない構成においても、レンズの直径は、LEDチップの方向x視における一辺の長さの6倍以上とされ、好ましくは8倍以上とされる。
【0098】
また、土台部を設ける場合においても、上記実施形態に比べて土台部の高さを小さくしてもよい。上記実施形態では、基材210の下面210bから土台部510の方向x一方端までの長さL2が下面210bからレンズ520aの中心までの長さL1の1/2以上である場合を例に挙げて説明したが、上記L2の長さが上記L1の長さの1/2未満であってもよい。この場合においても、土台部を設けることにより、サイドビュー型での実装時に倒れてしまうのを抑制することができる。