特許第6553156号(P6553156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553156判定装置、判定方法、及び判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553156
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、及び判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20190722BHJP
【FI】
   G06Q30/08
【請求項の数】18
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-224301(P2017-224301)
(22)【出願日】2017年11月22日
(62)【分割の表示】特願2016-238165(P2016-238165)の分割
【原出願日】2016年12月8日
(65)【公開番号】特開2018-97859(P2018-97859A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2018年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元村 貴志
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−097230(JP,A)
【文献】 特開2008−021144(JP,A)
【文献】 特開2008−015989(JP,A)
【文献】 特開2011−128839(JP,A)
【文献】 特開2011−128840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスを利用するユーザのうち、当該所定のサービスの利用規約に違反すると判定された出品物である違反出品物に対する指定を行うことにより、前記指定に関する所定の条件を満たすユーザとして抽出される対象ユーザの行動情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記対象ユーザの行動情報に含まれる一の出品物の情報と、前記違反出品物の判定に用いる所定のモデルとに基づいて、前記一の出品物が、前記違反出品物かどうかを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記取得部により取得された前記対象ユーザの行動情報に含まれる一の出品物に関する行動情報と、所定の閾値との比較に基づいて、前記一の出品物が、前記利用規約に違反する可能性がある被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、
違反出品物であると未判定の前記一の出品物が被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記対象ユーザの行動情報に含まれる前記一の出品物が被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記対象ユーザが指定した前記一の出品物が被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項6】
前記取得部は、
ユーザが指定した違反出品物の数が所定の閾値以上である場合、当該ユーザを対象ユーザとして、当該対象ユーザの行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項7】
前記取得部は、
ユーザが指定した出品物のうち違反出品物の割合が所定の閾値以上である場合、当該ユーザを対象ユーザとして、当該対象ユーザの行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項8】
前記取得部は、
所定のカテゴリに属する違反出品物のうち、ユーザが指定した違反出品物の割合が所定の閾値以上である場合、当該ユーザを対象ユーザとして、当該対象ユーザの行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記被疑出品物の指定に関する条件を満たすユーザを対象ユーザとして、当該対象ユーザの行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項10】
前記判定部は、
前記対象ユーザの行動情報に基づいて推定される当該対象ユーザの行動パターンに応じて、前記一の出品物が前記被疑出品物かどうかを判定するタイミングを変動させる
ことを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項11】
前記判定部は、
前記所定のサービスにおける違反の重大性に関する複数の種別のうち、前記一の出品物が該当する種別に応じて変動する判定条件に基づいて、前記一の出品物が被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項12】
前記判定部は、
前記一の出品物を被疑出品物と判定した場合、前記一の出品物を指定する他のユーザが指定する他の出品物が被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項13】
前記判定部は、
前記一の出品物が被疑出品物と判定された前記ユーザが他の出品物を指定した場合、前記他の出品物が被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項14】
前記判定部は、
前記被疑出品物と判定した出品物が違反出品物であるかを判定する
ことを特徴とする請求項2〜13のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項15】
前記取得部は、
ユーザに関連付けられた所定のリストに含まれる違反出品物が所定の条件を満たす当該ユーザを対象ユーザとして、当該対象ユーザの行動情報を取得し、
前記判定部は、
前記取得部により取得された前記対象ユーザの行動情報に基づいて、前記所定のリストに含まれる一の出品物が被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2〜14のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項16】
前記取得部は、
オークションサービスの利用規約に違反すると判定された出品物である違反出品物を指定したユーザの行動情報を取得し、
前記判定部は、
前記取得部により取得された前記対象ユーザの行動情報に基づいて、前記対象ユーザが指定する一の出品物が、前記利用規約に違反する可能性がある被疑出品物かどうかを判定する
ことを特徴とする請求項2〜15のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項17】
コンピュータが実行する判定方法であって、
所定のサービスを利用するユーザのうち、当該所定のサービスの利用規約に違反すると判定された出品物である違反出品物に対する指定を行うことにより、前記指定に関する所定の条件を満たすユーザとして抽出される対象ユーザの行動情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記対象ユーザの行動情報に含まれる一の出品物に関する行動情報と、前記違反出品物の判定に用いる所定のモデルとに基づいて、前記一の出品物が、前記違反出品物かどうかを判定する判定工程と、
を含んだことを特徴とする判定方法。
【請求項18】
所定のサービスを利用するユーザのうち、当該所定のサービスの利用規約に違反すると判定された出品物である違反出品物に対する指定を行うことにより、前記指定に関する所定の条件を満たすユーザとして抽出される対象ユーザの行動情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記対象ユーザの行動情報に含まれる一の出品物に関する行動情報と、前記違反出品物の判定に用いる所定のモデルとに基づいて、前記一の出品物が、前記違反出品物かどうかを判定する判定手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定方法、及び判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットオークション等の種々のサービスにおける対象に関する不正を検出する技術が提供されている。例えば、不正行為のパターンを条件としてもつ数理モデルを適用し、抽出した不正行為の可能性の高い取引案件をパトロールする技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4921875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用規約に違反する違反出品物を効率的に判定することが難しい場合がある。例えば、数理モデルを用いる場合、柔軟にモデルを変更することができず、効率的に違反出品物を判定することが難しい場合がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用規約に違反する違反出品物を効率的に判定する判定装置、判定方法、及び判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る判定装置は、所定のサービスを利用するユーザのうち、当該所定のサービスの利用規約に違反すると判定された出品物である違反出品物に対する指定を行うことにより、前記指定に関する所定の条件を満たすユーザとして抽出される対象ユーザの行動情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記対象ユーザの行動情報に含まれる一の出品物の情報と、前記違反出品物の判定に用いる所定のモデルとに基づいて、前記一の出品物が、前記違反出品物かどうかを判定する判定部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用規約に違反する違反出品物を効率的に判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る判定システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る判定装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るオークション情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る判定処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る判定処理の一例を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施形態に係るオークション情報記憶部の他の構成例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る判定処理の他の例を示すフローチャートである。
図10図10は、判定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る判定装置、判定方法、及び判定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る判定装置、判定方法、及び判定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1−1.判定処理〕
図1を用いて、実施形態に係る判定処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。図1では、判定装置100(図3参照)がオークションサービスを提供するサービス提供装置50(図2参照)からオークションに関する情報(以下、「オークション情報」ともいう)を取得し、取得したオークション情報に含まれる出品物が被疑出品物であるかどうかを判定する場合を示す。なお、ここでいう出品物は、サービス提供装置50が提供するオークションサービスにおいて出品される種々の商品やサービスであるものとする。以下では、「商品またはサービス」を単に「商品」と記載する場合がある。
【0011】
また、以下では、サービスの利用規約に違反すると判定された出品物を「違反出品物」とし、サービスの利用規約に違反する可能性があると判定された出品物を「被疑出品物」とする場合がある。ここでいうサービスの利用規約に違反する出品物とは、例えば、公序良俗に反する商品や犯罪への利用の虞のある商品や他人の権利(著作権等)を侵害する商品等がある。なお、上記は一例でありどのような商品(対象)が違反商品(違反対象)や被疑商品(被疑対象)になるかは、サービスの利用規約に応じて変動してもよい。
【0012】
例えば、判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて、出品物が被疑出品物であるかどうかを判定する。図1の例では、判定装置100は、オークションサービスを利用するユーザの行動情報のうち、オークションサービスにおいてウォッチリストに追加した出品物に関する情報を用いる場合を示す。例えば、判定装置100は、ユーザ情報記憶部122(図5)に記憶されたユーザ情報のうち、ウォッチリストに追加した出品物に関する情報を用いる。
【0013】
なお、ここでいうウォッチリストとは、ユーザに関連付けられた所定のリストであり、ユーザが出品物を自身のウォッチリストに追加することにより、そのユーザは、その出品物の入札最高価格、入札残り時間を確認したり、その出品物のオークションの終了時間が近づくとメール等の所定の通知を受けたりすることができる。例えば、各ユーザは、オークションサービスが提供されるサイト等においてオークション情報(出品物)を閲覧し、自身が興味や関心を示すこと等により所定の関係を有する出品物を指定(選択)することにより、自身のウォッチリストに出品物を追加する。例えば、各ユーザは、自身が購入を希望したり入札経過を把握したりすることを望む出品物を指定(選択)することにより、自身のウォッチリストに出品物を追加する。例えば、各ユーザのウォッチリストには、各ユーザの出品物に対する指定に応じて、各ユーザの趣味趣向が反映された出品物が含まれることとなる。なお、以下では、ウォッチリストへ追加する出品物の選択を指定とする場合を示すが、出品物に対する指定はどのようなユーザの行動であってもよい。例えば、ユーザの指定は、ユーザが所定の対象を含む情報をブックマークすることを含んでもよい。例えば、ユーザの指定は、ユーザが出品物を含むウェブページをブックマークすることを含んでもよい。例えば、ユーザの指定は、ユーザが所定の対象を含む情報を所定時間以上閲覧することを含んでもよい。例えば、ユーザの指定は、ユーザが出品物を含むウェブページを所定時間以上閲覧することを含んでもよい。なお、上記は一例であり、ユーザの行動により、対象が特定可能な行動であればどのような行動(例えば、商品の購入やサービスの利用等)をユーザによる対象の指定としてもよい。
【0014】
例えば、図1中のウォッチリストLT1は、ユーザID「U1」により識別されるユーザU1のウォッチリストを示す。なお、上述のように、「ユーザU*(*は任意の数値)」と記載した場合、その出品物はユーザID「U*」により識別されるユーザであることを示す。例えば、「ユーザU2」と記載した場合、そのユーザはユーザID「U2」により識別されるユーザである。
【0015】
また、以下では、「出品物AID*(*は任意の数値)」と記載した場合、その出品物はオークションID「AID*」により識別されるオークションにおける出品物であることを示す。例えば、「出品物AID1」と記載した場合、その出品物はオークションID「AID1」により識別されるオークションにおける出品物である。
【0016】
図1の例では、ユーザU1のウォッチリストLT1には、出品物AID1や出品物AID4や出品物AID3が含まれる。また、図1の例では、各ユーザに対応する各ノードを円形により図示し、各オークション情報(出品物)に対応するノードを四角形により図示する。例えば、出品物AID1が漫画に関する出品物であり、出品物AID4や出品物AID3がアニメーションに関する出品物であってもよい。
【0017】
例えば、図1中の左端の円形のノードは、ユーザU1に対応するノードを示す。また、例えば、図1中のユーザU1に対応するノードの右隣のノードは、ユーザU2に対応するノードを示す。例えば、図1中の左端の四角形のノードは、オークションID「AID1」により識別されるオークションにおける出品物AID1を示す。また、例えば、図1中の出品物AID1に対応するノードの右隣のノードは、オークションID「AID2」により識別されるオークションにおける出品物AID2を示す。
【0018】
また、図1中の各ユーザに対応する円形のノードから各オークション情報(出品物)に対応する四角形のノードに伸びる矢印は、各ユーザのウォッチリストに各オークション情報(出品物)が含まれるか否かを示す。
【0019】
例えば、図1中のユーザU1に対応するノードから、出品物AID1に対応するノードに伸びる矢印WL1−1は、ユーザU1のウォッチリストLT1に出品物AID1が含まれることを示す。また、例えば、図1中のユーザU1に対応するノードから、出品物AID3に対応するノードに伸びる矢印WL1−2は、ユーザU1のウォッチリストLT1に出品物AID3が含まれることを示す。また、例えば、図1中のユーザU1に対応するノードから、出品物AID4に対応するノードに伸びる矢印WL1−3は、ユーザU1のウォッチリストLT1に出品物AID4が含まれることを示す。このように、図1中のユーザU1に対応するノードから各出品物AID1、AID3、AID4のノードへ伸びる矢印WL1−1〜WL1−3は、ユーザU1のウォッチリストLT1に含まれる出品物を示す。
【0020】
例えば、図1中の矢印WL2−1は、ユーザU2のウォッチリストに出品物AID2が含まれることを示し、矢印WL2−2は、ユーザU2のウォッチリストに出品物AID3が含まれることを示す。また、例えば、矢印WL2−3は、ユーザU2のウォッチリストに出品物AID4が含まれることを示し、矢印WL2−4は、ユーザU2のウォッチリストに出品物AID5が含まれることを示す。
【0021】
例えば、図1中の矢印WL3−1は、ユーザU3のウォッチリストに出品物AID3が含まれることを示し、矢印WL3−2は、ユーザU3のウォッチリストに出品物AID4が含まれることを示す。また、例えば、矢印WL3−3は、ユーザU3のウォッチリストに出品物AID5が含まれることを示す。
【0022】
例えば、図1中の矢印WL4−1は、ユーザU4のウォッチリストに出品物AID5が含まれることを示し、矢印WL4−2は、ユーザU4のウォッチリストに出品物AID6が含まれることを示す。以下では、矢印WL1−1〜WL4−2等を区別せずに説明する場合、矢印WLと記載する場合がある。図1の例では、各ユーザに対応する円形のノード群と、各オークション情報(出品物)に対応する四角形のノード群との間を、ウォッチリストへの追加の有無に応じて矢印WLで接続するグラフGR11を示す。例えば、グラフGR11は2部グラフである。
【0023】
例えば、判定装置100は、ユーザ情報記憶部122(図5参照)に記憶された各ユーザU1〜U4等のウォッチリストに関する情報からグラフGR11を抽出(生成)する。以下、図1中のグラフGR11を用いて判定処理を説明する。
【0024】
まず、図1の例では、出品物AID3が違反出品物として判定される(ステップS11)。例えば、オークションサービスを管理する所定の管理者によって利用される管理者装置20(図2参照)において出品物AID3が違反出品物であると判定される。この場合、判定装置100は、管理者装置20から出品物AID3が違反出品物であることを示す情報を取得する。
【0025】
その後、判定装置100は、違反出品物に基づいて対象ユーザを抽出する。例えば、判定装置100は、違反出品物である出品物AID3をウォッチリストに含むユーザを対象ユーザとして抽出する。図1の例では、判定装置100は、出品物AID3をウォッチリストLT1に含むユーザU1を対象ユーザとして抽出する(ステップS12)。また、図1の例では、判定装置100は、出品物AID3をウォッチリストに含むユーザU2を対象ユーザとして抽出する(ステップS13)。また、図1の例では、判定装置100は、出品物AID3をウォッチリストに含むユーザU3を対象ユーザとして抽出する(ステップS14)。なお、判定装置100は、出品物AID3をウォッチリストに含まないユーザU4を対象ユーザとして抽出しない。
【0026】
その後、判定装置100は、違反出品物以外に対象ユーザがウォッチリストに追加している出品物に基づいて、被疑出品物を判定する。例えば、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が所定の閾値以上である出品物を被疑出品物として判定する。図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が2以上である出品物を被疑出品物として判定する。
【0027】
図1の例では、矢印WL1−1に示すように、出品物AID1はユーザU1のウォッチリストLT1にのみ含まれる。そのため、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID1を被疑出品物ではないと判定する(ステップS15)。
【0028】
また、図1の例では、矢印WL2−1に示すように、出品物AID2はユーザU2のウォッチリストにのみ含まれる。そのため、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID2を被疑出品物ではないと判定する(ステップS16)。
【0029】
また、図1の例では、矢印WL1−3、WL2−3、WL3−2に示すように、出品物AID4はユーザU1、U2、U3の3人のウォッチリストに含まれる。そのため、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「3」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID4を被疑出品物と判定する(ステップS17)。
【0030】
また、図1の例では、矢印WL2−4、WL3−3に示すように、出品物AID5はユーザU2、U3の2人のウォッチリストに含まれる。そのため、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「2」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID5を被疑出品物と判定する(ステップS18)。また、出品物AID6は対象ユーザであるユーザU1、U2、U3の3人のいずれのウォッチリストにも含まれないため、判定装置100は、出品物AID6についての判定を行わない。このように、図1の例では、判定装置100は、出品物AID4、AID5を被疑出品物と判定する。また、判定装置100は、被疑出品物と判定した出品物AID4、AID5に関する情報を管理者装置20へ提供するが、詳細は後述する。
【0031】
上述したように、判定装置100は、違反出品物をウォッチリストに含むユーザを対象ユーザとして抽出し、そのユーザのウォッチリストに含まれる出品物を判定対象とすることにより、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。例えば、判定装置100は、少数の違反出品物を起点(シード)として、その違反出品物をウォッチリストに追加しているユーザ、すなわちその違反出品物に関心を持っているユーザのウォッチリストに含まれる他の出品物を判定対象とする。
【0032】
これにより、判定装置100は、少数の違反出品物を端緒として、その違反出品物に関心を持っているユーザを違反出品物に関心を示すユーザ(以下、「高感度ユーザ」)であるとして、そのユーザの行動情報に基づいて被疑出品物を判定する。なお、このような高感度ユーザは、ユーザ自身が不正行為を行っているのではなく、単に特定の趣味趣向を有するユーザであり、オークションサービスから排除すべきユーザとは異なる。そのため、判定装置100は、高感度ユーザを排除することなく、高感度ユーザにはオークションサービスを利用してもらいつつ、高感度ユーザの行動に注目することにより、オークションサービスの管理者等がパトロールを行うコストの増大を抑制することが可能となる。
【0033】
したがって、判定装置100は、高感度ユーザのウォッチリストへの追加等の高感度ユーザの行動情報を利用し、被疑出品物を判定することにより、違反出品物かどうかを判定する対象を絞り込む(抽出する)ことができる。このように、高感度ユーザを対象ユーザとして、高感度ユーザの行動情報を利用して違反出品物かどうかの判定対象を絞り込むことにより、判定装置100は、判定処理の対象の増大を抑制することができる。これにより、判定装置100を含む判定システム1は、オークションサービスに出品される膨大な出品物の全てを違反出品物かどうかの判定対象とすることなく、効率的に違反出品物を判定することが可能となる。
【0034】
〔1−2.対象ユーザ〕
なお、上述した例では、説明を簡単にするために、1つの違反出品物である出品物AID3をウォッチリストに追加しているユーザU1、U2、U3を対象ユーザとする場合を示したが、対象ユーザは、上記に限らず種々の条件に基づいて抽出されてもよい。
【0035】
例えば、判定装置100は、違反出品物に限らず、被疑出品物をウォッチリストに追加しているユーザを対象として判定処理を行ってもよい。この場合、判定装置100は、図1中のステップS18において被疑出品物であると判定された出品物AID5を追加しているユーザU4を対象ユーザとする。これにより、判定装置100は、被疑出品物が違反出品物かどうかの判定(確定)を待つことなく、被疑出品物を繰り返し判定することが可能となる。
【0036】
例えば、判定装置100は、複数の違反出品物や被疑出品物をウォッチリストに追加しているユーザを対象として判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、ウォッチリストに追加している違反出品物や被疑出品物の数が所定の閾値以上であるユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、ウォッチリストに追加している違反出品物や被疑出品物の数が3個以上であるユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。
【0037】
また、例えば、判定装置100は、ウォッチリストに含まれる出品物のうち、違反出品物や被疑出品物の割合が所定の閾値以上であるユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、ウォッチリストに含まれる出品物のうち、違反出品物や被疑出品物の割合が50%以上であるユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。
【0038】
また、例えば、判定装置100は、所定のカテゴリに属する違反出品物のうち、ユーザがウォッチリストに追加した違反出品物の割合が所定の閾値以上である場合、そのユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、医薬品のカテゴリに属する違反出品物のうち、ユーザがウォッチリストに追加した違反出品物の割合が60%以上である場合、そのユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。なお、判定装置100は、どのユーザを対象ユーザとするかの条件を、オークションサービスを利用するユーザ数や出品物数等の種々の情報に応じて変動させてもよい。
【0039】
〔1−3.ウォッチリスト外の情報の利用〕
なお、上述した例では、ユーザのウォッチリストに含まれる出品物に関する情報に基づいて、判定処理を行う例を示したが、判定装置100は、判定処理に利用可能であれば、どのような情報を用いて判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、ユーザの行動に関する各種情報を適宜用いて判定処理を行ってもよい。また、例えば、判定装置100は、ユーザのオークションサービスにおける各種行動に関する情報を用いて判定処理を行ってもよい。また、例えば、判定装置100は、ユーザのオークションサービスにおける落札履歴や入札履歴や閲覧履歴を用いて判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、オークションサービスにおいて違反出品物や被疑出品物について落札や入札や閲覧しているユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。
【0040】
また、例えば、判定装置100は、ユーザの他のサービスにおける利用情報を用いて判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、ユーザの商品の購入履歴に関する情報を用いて判定処理を行ってもよい。この場合、判定装置100は、オークションサービス以外の電子商取引サービスにおける購入履歴に関する情報を用いて判定処理を行ってもよい。また、例えば、判定装置100は、電子商取引サービスにおいてお気に入りリストやカート等の所定のリストへ追加された商品に関する情報を用いて判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、お気に入りリストやカート等の所定のリストへ違反商品や被疑商品を追加しているユーザを対象として判定処理を行ってもよい。この場合、判定装置100は、所定のリストへ追加された違反商品や被疑商品の数が所定の閾値以上であるユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。
【0041】
また、上記以外でも、判定装置100は、ユーザのインターネットにおける他の情報を用いて判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、所定のサイトへの訪問頻度やアクセス時間等に関する情報を用いて判定処理を行ってもよい。この場合、判定装置100は、違法サイトへの訪問頻度やアクセス時間等が所定の閾値以上であるユーザを対象ユーザとして判定処理を行ってもよい。また、判定装置100は、ユーザが利用するデバイス(端末装置)に関する情報を用いて判定処理を行ってもよい。
【0042】
〔1−4.判定対象=コンテンツ(動画像)〕
なお、上述した例では、オークションサービスにおける出品物を対象として判定処理を行う例を示したが、判定装置100は、どのような対象に対して判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、動画像等のコンテンツを対象として判定処理を行ってもよい。この場合、判定装置100は、違法にアップロードされる等により、違法コンテンツとして判定されたコンテンツに関心を示したユーザが関心を示した他のコンテンツを対象コンテンツとして判定処理を行ってもよい。具体的には、判定装置100は、違法コンテンツをお気に入り等の所定のリストに含むユーザのその所定のリストに含まれる他のコンテンツを対象コンテンツとして判定処理を行ってもよい。
【0043】
〔1−5.判定対象=ユーザ〕
また、例えば、判定装置100は、ユーザを対象として判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、違法な金銭の授受(送受信)を行うユーザを対象として判定処理を行ってもよい。この場合、判定装置100は、マネー・ローンダリング(資金洗浄)行為等により、違反ユーザとして判定されたユーザが金銭の授受を行った他のユーザを対象に判定処理を行ってもよい。また、例えば、判定装置100は、象牙等の取引禁止商品の密売や臓器売買等の違法行為を行ったユーザを違反ユーザとして、そのユーザが金銭をやり取りした他のユーザを対象に判定処理を行ってもよい。
【0044】
〔1−6.判定のタイミング〕
例えば、判定装置100は、種々の情報を適宜用いて判定処理のタイミングを決定してもよい。例えば、判定装置100は、出品物は膨大な数となるため、出品物の違反性の確度に応じて、各出品物について判定処理を行う優先順位を変動させてもよい。例えば、判定装置100は、出品物のタイトルや説明文等の商品情報等に「即決価格」や「短期」等の短期の利用(入落札)を促すような所定の文字列が含まれる場合、その出品物を対象として判定処理を行う優先順位を上げてもよい。また、例えば、判定装置100は、深夜や週末等の特定の期間において出品される出品物を対象として判定処理を行う優先順位を上げてもよい。
【0045】
また、例えば、判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて推定される当該ユーザの行動パターンに応じて、判定処理を行うタイミングを変動させてもよい。図1の例において、ユーザU1が毎月25日から数日間におけるオークションサービスにおける行動頻度が他の期間よりも増加する場合、判定装置100は、毎月25日から数日間においてユーザU1のウォッチリスト内の情報に基づいて、判定処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、上記のように行動に特徴的なパターンのあるユーザを抽出し、その特徴的な行動パターンに応じてユーザの行動情報を確認することにより、判定処理を行ってもよい。
【0046】
〔1−7.隠蔽行為(隠語等)の判定〕
例えば、判定装置100は、出品物が不明な商品(対象)である場合、その商品について処理を行ってもよい。例えば、判定装置100は、出品物が不明な商品(対象)である場合、その出品物を違反出品物や被疑出品物として判定してもよい。例えば、判定装置100は、出品物名が所定の隠語「隠語A」である出品物AID55を不明な商品(対象)であるとして、出品物AID55を違反出品物や被疑出品物として判定してもよい。
【0047】
また、判定装置100は、隠語の一覧情報を用いて、不明な出品物名が違反性のある対象を示すかどうかを判定してもよい。例えば、判定装置100は、不明な出品物名が隠語の一覧情報に含まれる場合、その出品物を違反出品物や被疑出品物として判定してもよい。例えば、判定装置100は、出品物名に含まれる隠語「隠語A」が隠語の一覧情報に含まれる場合、出品物AID55を違反出品物や被疑出品物として判定してもよい。
【0048】
〔1−8.違反出品物の判定〕
また、例えば、判定装置100は、出品物が違反出品物かどうか判定してもよい。例えば、判定装置100は、出品物のうち、被疑出品物を対象として違反出品物かどうか判定してもよい。例えば、判定装置100は、極端に高感度ユーザから注目されている出品物を違反出品物と判定してもよい。例えば、判定装置100は、ウォッチリストに追加した高感度ユーザが所定の閾値以上である出品物を違反出品物と判定してもよい。また、例えば、判定装置100は、一の出品物をウォッチリストに追加したユーザのうち、高感度ユーザの割合が所定の閾値以上である出品物を違反出品物と判定してもよい。
【0049】
例えば、判定装置100は、ウォッチリストを含む複数の評価情報(購買、その他サービス利用)を加えて評価し、傾向が複数観点からの評価で顕著である場合などは閾値を設けて自動判定を行ってもよい。例えば、判定装置100は、複数の評価の観点の各々のス評価値(スコア)に基づいて、出品物を違反出品物と判定してもよい。例えば、判定装置100は、一の出品物に関する複数観点からの評価値(スコア)の合計が所定の閾値以上である場合、一の出品物を違反出品物と判定してもよい。例えば、判定装置100は、一の出品物に関する各観点において一の出品物を指定した高感度ユーザの数と各観点の重みとを乗算して算出される各スコアの合計が所定の閾値以上である場合、一の出品物を違反出品物と判定してもよい。例えば、判定装置100は、一の出品物について、一の出品物をウォッチリストに追加した高感度ユーザの数(X1)とウォッチリストの追加の観点の重み(W1)とを乗算することにより、ウォッチリストの追加に関するスコア(S1)を算出してもよい。また、例えば、判定装置100は、一の出品物について、一の出品物に関する情報を所定時間以上閲覧した高感度ユーザの数(X2)と情報の閲覧の観点の重み(W2)とを乗算することにより、情報の閲覧に関するスコア(S2)を算出してもよい。また、例えば、判定装置100は、スコア(S1)やスコア(S2)等の種々の観点のスコアを合算して合計スコアを算出し、合計スコアが所定の閾値以上である場合、一の出品物を違反出品物と判定してもよい。なお、上記は一例であり、判定装置100は、種々の情報を適宜用いて、違反出品物の判定を行ってもよい。
【0050】
〔2.判定システムの構成〕
図2に示すように、判定システム1は、端末装置10と、管理者装置20と、サービス提供装置50と、判定装置100とが含まれる。端末装置10と、管理者装置20と、サービス提供装置50と、判定装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。図2は、実施形態に係る判定システムの構成例を示す図である。なお、図2に示した判定システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の管理者装置20や、複数台のサービス提供装置50や、複数台の判定装置100が含まれてもよい。
【0051】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、ユーザによる種々の操作を受け付ける。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。なお、上述した端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0052】
管理者装置20は、オークションサービスを管理する所定の管理者によって利用される情報処理装置である。管理者装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。例えば、所定の管理者は、管理者装置20を用いて、違反出品物かどうかを判定する。
【0053】
サービス提供装置50は、電子商取引サービスであるオークションサービスを提供する情報処理装置である。例えば、サービス提供装置50は、ユーザ(出品者)からの商品の出品を受け付け、出品物に対するユーザの入札を受け付ける。また、サービス提供装置50は、オークションサービスにおけるオークション情報を判定装置100へ提供する。
【0054】
判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて、ユーザの行動に関する一の対象が、利用規約に違反する可能性がある被疑対象かどうかを判定する情報処理装置である。例えば、判定装置100は、被疑出品物に関する情報を管理者装置20へ提供する。また、例えば、判定装置100は、違反出品物に関する情報を管理者装置20から取得する。なお、判定装置100は、出品物を違反出品物かどうか判定してもよい。例えば、判定装置100は、出品物のうち、被疑出品物を対象として違反出品物かどうか判定してもよい。例えば、判定装置100は、所定の管理者が違反出品物と判定した出品物を正例とし、所定の管理者が違反出品物と判定した出品物を負例として学習されたモデルを用いて、被疑出品物等の出品物が違反出品物かどうか判定してもよい。
【0055】
〔3.判定装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る判定装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る判定装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、判定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、判定装置100は、判定装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0056】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワーク(例えば図2中のネットワークN)と有線または無線で接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0057】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図3に示すように、オークション情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122とを有する。
【0058】
(オークション情報記憶部121)
実施形態に係るオークション情報記憶部121は、オークションに関する情報を記憶する。例えば、オークション情報記憶部121には、オークションに出品された商品(出品物)等の各種情報が記憶される。図4は、実施形態に係るオークション情報記憶部の一例を示す図である。図4には、オークション情報記憶部121に記憶されるオークションに関する情報の一例を示す。図4に示すように、オークション情報記憶部121は、オークションに関する情報として、「オークションID」、「ステータス」、「出品物名」、「出品者ID」といった項目が含まれる。
【0059】
「オークションID」は、オークションを識別するための識別情報を示す。「ステータス」は、対応するオークションにおける出品物の違反に関する状態を示す。「出品物名」は、対応するオークションにおいて出品された商品(出品物)の名称等を示す。また、「出品者ID」は、対応する商品を出品したユーザを識別するための識別情報を示す。
【0060】
例えば、図4に示す例において、オークションID「AID1」により識別されるオークションにおける出品物AID1のステータスは、「通常(0)」、すなわち被疑出品物や違反出品物と判定されていない出品物であることを示す。また、例えば、図4に示す例において、出品物AID1の出品物名は、「商品A」であることを示す。なお、図4の例では、出品物名を「商品A」等と抽象的に図示するが、「出品物名」には、具体的な出品物名(タイトル)が記憶されるものとする。また、例えば、図4に示す例において、オークションID「AID1」により識別される商品の出品者は、出品者ID「SE11」により識別されるユーザであることを示す。
【0061】
また、例えば、図4に示す例において、オークションID「AID3」により識別されるオークションにおける出品物AID3のステータスは、「違反(2)」、すなわち違反出品物であると判定された出品物であることを示す。また、例えば、図4に示す例において、出品物AID3の出品物名は、「商品C」であることを示す。また、例えば、図4に示す例において、オークションID「AID3」により識別される商品の出品者は、出品者ID「SE31」により識別されるユーザであることを示す。
【0062】
また、例えば、図4に示す例において、オークションID「AID4」により識別されるオークションにおける出品物AID4のステータスは、「被疑(1)」、すなわち被疑出品物であると判定された出品物であることを示す。また、例えば、図4に示す例において、出品物AID4の出品物名は、「商品D」であることを示す。また、例えば、図4に示す例において、オークションID「AID4」により識別される商品の出品者は、出品者ID「SE41」により識別されるユーザであることを示す。
【0063】
なお、オークション情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、オークション情報記憶部121は、商品が落札された日時に関する情報を記憶してもよい。オークション情報記憶部121は、入札された入札数を示す情報を記憶してもよい。また、オークション情報記憶部121は、商品の写真などの画像を示す情報を記憶してもよい。
【0064】
(ユーザ情報記憶部122)
実施形態に係るユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する各種情報を記憶する。図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。例えば、ユーザ情報記憶部122は、ユーザがウォッチリストに追加したオークション情報やユーザの行動履歴に関する情報を記憶する。図5の例では、ユーザ情報記憶部122には、「ユーザID」、「ウォッチリスト」、「履歴情報」といった項目が含まれる。
【0065】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。「ウォッチリスト」は、対応するユーザが、ウォッチリストに追加したオークション情報(出品物)を示す。また、「履歴情報」は、対応するユーザの行動履歴に関する情報を示す。
【0066】
「ウォッチリスト」には、「オークションID」や「日時」といった項目が含まれる。例えば、「オークションID」は、オークションを識別する情報、すなわち出品物を識別する情報を示す。また、「日時」は、対応する商品等の決済が行われた日時を示す。なお、「日時」は、対応するオークション情報がウォッチリストに追加された日時を示す。なお、図5の例では、「日時」に記憶される情報を「dt10」等の符号で図示するが、「日時」には、「2016年11月18日21時01分43秒」等の具体的な日時が記憶されるものとする。
【0067】
「行動履歴」には、「行動」や「日時」といった項目が含まれる。なお、図5では図示を省略するが、「行動履歴」には、各行動を識別する「行動ID」等の識別情報に関する項目が含まれてもよい。「行動」は、対応するユーザの行動の具体的な内容を示す。「日時」は、対応するユーザの行動が行われた日時を示す。
【0068】
例えば、図5に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)は、日時dt10にオークションID「AID1」により識別されるオークション情報(出品物AID1)をウォッチリストに追加したことを示す。また、例えば、図5に示す例において、ユーザU1は、日時dt11にオークションID「AID4」により識別されるオークション情報(出品物AID4)をウォッチリストに追加し、日時dt12にオークションID「AID3」により識別されるオークション情報(出品物AID3)をウォッチリストに追加したことを示す。
【0069】
例えば、図5に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)は、日時dt1にページAのコンテンツ閲覧を行ったことを示す。また、図5に示す例においてユーザU1は、日時dt5にクエリ「クエリB」を用いた検索を行ったことを示す。また、図5に示す例においてユーザU1は、日時dt10に出品物AID1をウォッチリストに追加したことを示す。
【0070】
なお、ユーザ情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部122は、行動履歴としてユーザが入札を行ったオークション情報(出品物)に関する情報を記憶してもよい。また、例えば、ユーザ情報記憶部122は、ユーザの属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部122は、デモグラフィック属性情報やサイコグラフィック属性情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部122は、氏名、年齢、性別、自宅、勤務地、興味、家族構成、収入、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
【0071】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、判定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(判定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0072】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、抽出部132と、判定部133と、提供部134とを有し、以下に説明する判定処理等の情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0073】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、オークション情報記憶部121やユーザ情報記憶部122等から各種情報を取得する。また、取得部131は、各種情報を外部の情報処理装置から取得してもよい。また、取得部131は、端末装置10や管理者装置20やサービス提供装置50から各種情報を取得する。図1の例では、取得部131は、管理者装置20から出品物AID3が違反出品物であることを示す情報を取得する。
【0074】
例えば、取得部131は、所定のサービスの利用規約に違反すると判定された対象である違反対象に対する所定のサービスを利用するユーザの指定(選択)が、所定の条件を満たすユーザの行動情報を取得する。また、例えば、取得部131は、ユーザが指定した違反対象の数が所定の閾値以上である場合、そのユーザの行動情報を取得する。また、例えば、取得部131は、ユーザが指定した対象のうち違反対象の割合が所定の閾値以上である場合、そのユーザの行動情報を取得する。
【0075】
例えば、取得部131は、被疑対象の指定に関する条件を満たすユーザの行動情報を取得する。また、例えば、取得部131は、ユーザに関連付けられた所定のリストに含まれる違反対象が所定の条件を満たすユーザの行動情報を取得する。また、例えば、取得部131は、ユーザに関連付けられた所定のリストに含まれる違反対象の数が所定の閾値以上であるユーザの行動情報を取得する。また、例えば、取得部131は、ユーザに関連付けられた所定のリストに違反対象を追加したそのユーザの行動情報を取得する。また、例えば、取得部131は、オークションサービスの利用規約に違反すると判定された出品物である違反出品物を指定したユーザの行動情報を取得する。図1の例では、取得部131は、違反出品物と判定された出品物AID3をウォッチリストLT1に含むユーザU1の行動情報を取得する。
【0076】
また、例えば、取得部131は、所定のカテゴリに属する違反対象のうち、ユーザが指定した被疑対象の割合が所定の閾値以上である場合、そのユーザの行動情報を取得する。この点についての詳細は後述する。
【0077】
(抽出部132)
抽出部132は、各種情報を抽出する。例えば、抽出部132は、対象ユーザを抽出する。例えば、抽出部132は、違反出品物に基づいて対象ユーザを抽出する。図1の例では、抽出部132は、違反出品物である出品物AID3をウォッチリストに含むユーザを対象ユーザとして抽出する。図1の例では、抽出部132は、出品物AID3をウォッチリストLT1に含むユーザU1を対象ユーザとして抽出する。また、図1の例では、抽出部132は、出品物AID3をウォッチリストに含むユーザU2を対象ユーザとして抽出する。また、図1の例では、抽出部132は、出品物AID3をウォッチリストに含むユーザU3を対象ユーザとして抽出する。
【0078】
(判定部133)
判定部133は、各種情報を判定する。例えば、判定部133は、取得部131により取得されたユーザの行動情報に基づいて、ユーザの行動に関する一の対象が、利用規約に違反する可能性がある被疑対象かどうかを判定する。例えば、判定部133は、違反対象であると未判定の一の対象が被疑対象かどうかを判定する。例えば、判定部133は、ユーザの行動情報に含まれる一の対象ユーザが被疑対象かどうかを判定する。
【0079】
また、例えば、判定部133は、ユーザが指定した一の対象が被疑対象かどうかを判定する。また、例えば、判定部133は、ユーザの行動情報に基づいて推定されるそのユーザの行動パターンに応じて、一の対象が被疑対象かどうかを判定するタイミングを変動させる。また、例えば、判定部133は、所定のサービスにおける違反の重大性に関する複数の種別のうち、一の対象が該当する種別に応じて変動する判定条件に基づいて、一の対象が被疑対象かどうかを判定する。
【0080】
また、例えば、判定部133は、一の対象を被疑対象と判定した場合、一の対象を指定する他のユーザが指定する他の対象が被疑対象かどうかを判定する。また、例えば、判定部133は、一の対象が被疑対象と判定されたユーザが他の対象を指定した場合、他の対象が被疑対象かどうかを判定する。また、例えば、判定部133は、被疑対象と判定した対象が違反対象であるかを判定する。
【0081】
また、例えば、判定部133は、取得部131により取得されたユーザの行動情報に基づいて、所定のリストに含まれる一の対象が被疑対象かどうかを判定する。また、例えば、判定部133は、取得部131により取得されたユーザの行動情報に基づいて、ユーザが指定する一の出品物が、利用規約に違反する可能性がある被疑出品物かどうかを判定する。
【0082】
図1の例では、判定部133は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID1を被疑出品物ではないと判定する。また、図1の例では、判定部133は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID2を被疑出品物ではないと判定する。また、図1の例では、判定部133は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「3」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID4を被疑出品物と判定する。また、図1の例では、判定部133は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「2」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID5を被疑出品物と判定する。
【0083】
(提供部134)
提供部134は、各種情報を提供する。例えば、提供部134は、管理者装置20に各種情報を提供する。例えば、提供部134は、管理者装置20に被疑出品物に関する情報を提供する。例えば、提供部134は、端末装置10やサービス提供装置50に各種情報を提供する。
【0084】
〔4.判定処理のフロー〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る判定システム1による判定処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
図6に示すように、判定装置100は、オークション情報を取得する(ステップS101)。例えば、判定装置100は、オークション情報記憶部121からオークション情報を取得する。また、例えば、判定装置100は、サービス提供装置50からオークション情報を取得する。
【0086】
また、判定装置100は、ユーザ情報を取得する(ステップS102)。例えば、判定装置100は、ユーザ情報記憶部122からユーザ情報を取得する。また、例えば、判定装置100は、端末装置10からユーザ情報を取得する。
【0087】
その後、判定装置100は、違反出品物または被疑出品物をウォッチリストに含むユーザを対象ユーザとして抽出する(ステップS103)。図1の例では、判定装置100は、出品物AID3をウォッチリストに含むユーザU1、U2、U3を対象ユーザとして抽出する。
【0088】
そして、判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて、対象ユーザのウォッチリストに含まれる出品物が被疑対象かどうかを判定する(ステップS104)。図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID1を被疑出品物ではないと判定する。また、図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID2を被疑出品物ではないと判定する。また、図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「3」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID4を被疑出品物と判定する。また、図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「2」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID5を被疑出品物と判定する。
【0089】
〔5.判定処理のフロー〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る判定システム1による判定処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る判定処理の一例を示すシーケンス図である。
【0090】
図7に示すように、判定装置100は、サービス提供装置50からオークション情報を取得する(ステップS201)。例えば、判定装置100は、オークション情報記憶部121(図4参照)に示すようなオークション情報をサービス提供装置50から取得する。
【0091】
また、判定装置100は、端末装置10からユーザ情報を取得する(ステップS202)。例えば、判定装置100は、ユーザ情報記憶部122(図5参照)に示すような各ユーザのウォッチリストに関する情報や行動履歴を端末装置10から取得する。なお、例えば、判定装置100は、ユーザ情報記憶部122(図5参照)に示すような各ユーザのウォッチリストに関する情報や行動履歴をサービス提供装置50等の他の外部装置から取得してもよい。
【0092】
また、判定装置100は、管理者装置20から違反出品物情報を取得する(ステップS203)。例えば、判定装置100は、管理者装置20から出品物AID3が違反出品物であることを示す情報を取得する。
【0093】
その後、判定装置100は、対象ユーザを抽出する(ステップS204)。図1の例では、判定装置100は、出品物AID3をウォッチリストに含むユーザU1、U2、U3を対象ユーザとして抽出する。
【0094】
その後、判定装置100は、被疑出品物を判定する(ステップS205)。図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID1を被疑出品物ではないと判定する。また、図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「1」であり、閾値「2」未満であるとして出品物AID2を被疑出品物ではないと判定する。また、図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「3」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID4を被疑出品物と判定する。また、図1の例では、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる数が「2」であり、閾値「2」以上であるとして出品物AID5を被疑出品物と判定する。
【0095】
その後、判定装置100は、被疑出品物情報を管理者装置20へ提供する(ステップS206)。例えば、判定装置100は、出品物AID4、AID5を被疑出品物と判定したことを示す情報を管理者装置20へ提供する。
【0096】
判定装置100から被疑出品物情報を受信した管理者装置20は、被疑出品物が違反出品物かどうかを判定する(ステップS207)。例えば、管理者装置20の管理者は、各被疑出品物の内容を確認すること等により、各被疑出品物が違反出品物かどうかを判定する。例えば、管理者装置20の管理者は、判定装置100により被疑出品物と判定された出品物AID4、AID5の内容を確認すること等により、出品物AID4、AID5が違反出品物かどうかを判定する。
【0097】
その後、管理者装置20は、判定装置100へ違反出品物情報を送信する(ステップS208)。例えば、管理者装置20は、管理者装置20の管理者が出品物AID4、AID5を違反出品物と判定した場合、出品物AID4、AID5が違反出品物であることを示す情報を判定装置100へ送信する。
【0098】
〔6.オークション情報記憶部の他の構成例〕
上記の実施形態に限らず、判定装置100は種々の構成により各種情報を格納してもよい。例えば、判定装置100は、オークションについての種別に関する情報を格納してもよい。この点について、図8及び図9を基に説明する。図8は、実施形態に係るオークション情報記憶部の他の構成例を示す図である。
【0099】
(オークション情報記憶部121A)
図8中のオークション情報記憶部121Aは、オークションに関する情報を記憶する。例えば、オークション情報記憶部121Aには、オークションに出品された商品(出品物)等の各種情報が記憶される。図8に示すように、オークション情報記憶部121Aは、オークションに関する情報として、「オークションID」、「ステータス」、「出品物名」、「種別」、「出品者ID」、といった項目が含まれる。このように、オークション情報記憶部121Aは、項目「種別」を有する点以外は、図4に示すオークション情報記憶部121と同様である。
【0100】
「種別」は、対応するオークションにおける出品物の違法性に関する度合い(ランク)を示す。図8の例では、種別「種別*」の「*」がAから順に違法性のランクが高くなるものとし、種別「種別E」のランクが最も高いものとする。例えば、出品物AID1や出品物AID2の種別「種別A」は、違法性に関するランクが低いことを示す。また、例えば、出品物AID3の種別「種別E」は、違法性に関するランクが高いことを示す。また、例えば、出品物AID4の種別「種別C」は、違法性に関するランクがやや高いことを示す。なお、種別A〜Eの違法性のランクは、例えば、公序良俗に反することや犯罪への利用の虞や他人の権利(著作権等)の侵害の違法性の高低に応じて適宜付与されるものとりする。
【0101】
なお、上記のオークション情報記憶部121Aでは、全出品物について「種別」を記憶する場合を示したが、「種別」は被疑出品物や違反出品物についてのみ記憶してもよい。
【0102】
〔7.判定処理の他のフロー〕
次に、図9を用いて、実施形態に係る判定システム1における判定処理の他のフローについて説明する。図9は、実施形態に係る判定処理の他の例を示すフローチャートである。具体的には、図9は、実施形態に係る判定システム1における各出品物の種別に基づく判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0103】
図9に示すように、判定装置100は、オークション情報を取得する(ステップS301)。例えば、判定装置100は、オークション情報記憶部121Aからオークション情報を取得する。また、例えば、判定装置100は、サービス提供装置50からオークション情報を取得する。
【0104】
また、判定装置100は、ユーザ情報を取得する(ステップS302)。例えば、判定装置100は、ユーザ情報記憶部122からユーザ情報を取得する。また、例えば、判定装置100は、端末装置10からユーザ情報を取得する。
【0105】
その後、判定装置100は、違反出品物または被疑出品物をウォッチリストに含むユーザを対象ユーザとして抽出する(ステップS303)。なお、判定装置100は、違反出品物の種別や被疑出品物の種別に応じて変動する条件に基づいて、対象ユーザを抽出する。
【0106】
例えば、判定装置100は、種別Eである違反出品物または被疑出品物を1個でもウォッチリストに含む場合、そのユーザを対象ユーザとして抽出する。また、例えば、判定装置100は、種別Cである違反出品物または被疑出品物を5個ウォッチリストに含む場合、そのユーザを対象ユーザとして抽出する。また、例えば、判定装置100は、種別Aである違反出品物または被疑出品物を10個ウォッチリストに含む場合、そのユーザを対象ユーザとして抽出する。また、例えば、判定装置100は、種別A〜Eの各々の個別スコアを1〜5として、ウォッチリストに含む違反出品物または被疑出品物の個別スコアの合計が所定の閾値以上であるユーザを対象ユーザとして抽出する。
【0107】
例えば、判定装置100は、ウォッチリストに含む違反出品物または被疑出品物の個別スコアの合計が閾値「10」以上であるユーザを対象ユーザとして抽出する。例えば、判定装置100は、あるユーザのウォッチリストに種別Aの違反出品物及び種別Dの被疑出品物が含まれる場合、種別Aの違反出品物の個別スコア「1」と種別Dの被疑出品物の個別スコア「4」とを合計して合計スコア「5(=1+4)」を算出する。この場合、合計スコア「5」が閾値「10」未満であるため、判定装置100は、そのユーザを対象ユーザとして抽出しない。
【0108】
また、例えば、判定装置100は、あるユーザのウォッチリストに種別Bの3つの違反出品物及び種別Eの被疑出品物が含まれる場合、種別Bの各違反出品物の個別スコア「2」と種別Eの被疑出品物の個別スコア「5」とを合計して合計スコア「11(=2*3+5)」を算出する。この場合、合計スコア「11」が閾値「10」以上であるため、判定装置100は、そのユーザを対象ユーザとして抽出する。なお、同じ種別であっても違反出品物の個別スコアのほうが被疑出品物の個別スコアよりも高くなるようにしてもよい。例えば、違反出品物の個別スコアは被疑出品物の個別スコアの1.5倍になるようにしてもよい。
【0109】
そして、判定装置100は、対象ユーザのウォッチリストに含まれる各出品物の種別に応じた判定条件に基づいて、各出品物が被疑対象かどうかを判定する(ステップS304)。例えば、判定装置100は、出品物が種別Eである場合、その出品物をウォッチリストに含むユーザが1人でもいる場合、その出品物を被疑対象と判定する。また、例えば、判定装置100は、出品物が種別Cである場合、その出品物をウォッチリストに含むユーザが5人いる場合、その出品物を被疑対象と判定する。また、例えば、判定装置100は、出品物が種別Aである場合、その出品物をウォッチリストに含むユーザが10人いる場合、その出品物を被疑対象と判定する。
【0110】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る判定装置100は、取得部131と、判定部133とを有する。取得部131は、所定のサービスの利用規約に違反すると判定された対象である違反対象に対する当該所定のサービスを利用するユーザの指定が、所定の条件を満たす当該ユーザの行動情報を取得する。判定部133は、取得部131により取得されたユーザの行動情報に基づいて、ユーザの行動に関する一の対象が、利用規約に違反する可能性がある被疑対象かどうかを判定する。
【0111】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて、ユーザの行動に関する一の対象が、利用規約に違反する可能性がある被疑対象かどうかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0112】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、違反対象であると未判定の一の対象が被疑対象かどうかを判定する。
【0113】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、違反対象であると未判定の一の対象が被疑対象かどうかを判定し、未判定の対象を順次判定することにより、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0114】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、ユーザの行動情報に含まれる一の対象ユーザが被疑対象かどうかを判定する。
【0115】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザの行動情報に含まれる一の対象ユーザが被疑対象かどうかを判定し、ユーザの行動情報に含まれた対象から順次判定することにより、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0116】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、ユーザが指定した一の対象が被疑対象かどうかを判定する。
【0117】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザが指定した一の対象が被疑対象かどうかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0118】
また、実施形態に係る判定装置100において、取得部131は、ユーザが指定した違反対象の数が所定の閾値以上である場合、当該ユーザの行動情報を取得する。
【0119】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザが指定した違反対象の数が所定の閾値以上である場合、当該ユーザの行動情報を取得し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0120】
また、実施形態に係る判定装置100において、取得部131は、ユーザが指定した対象のうち違反対象の割合が所定の閾値以上である場合、当該ユーザの行動情報を取得する。
【0121】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザが指定した対象のうち違反対象の割合が所定の閾値以上である場合、当該ユーザの行動情報を取得し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0122】
また、実施形態に係る判定装置100において、取得部131は、所定のカテゴリに属する違反対象のうち、ユーザが指定した違反対象の割合が所定の閾値以上である場合、当該ユーザの行動情報を取得する。
【0123】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、所定のカテゴリに属する違反対象のうち、ユーザが指定した違反対象の割合が所定の閾値以上である場合、当該ユーザの行動情報を取得し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0124】
また、実施形態に係る判定装置100において、取得部131は、被疑対象の指定に関する条件を満たすユーザの行動情報を取得する。
【0125】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、被疑対象の指定に関する条件を満たすユーザの行動情報を取得し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0126】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、ユーザの行動情報に基づいて推定される当該ユーザの行動パターンに応じて、一の対象が被疑対象かどうかを判定するタイミングを変動させる。
【0127】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて推定される当該ユーザの行動パターンに応じて、一の対象が被疑対象かどうかを判定するタイミングを変動させることにより、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0128】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、所定のサービスにおける違反の重大性に関する複数の種別のうち、一の対象が該当する種別に応じて変動する判定条件に基づいて、一の対象が被疑対象かどうかを判定する。
【0129】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、所定のサービスにおける違反の重大性に関する複数の種別のうち、一の対象が該当する種別に応じて変動する判定条件に基づいて、一の対象が被疑対象かどうかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0130】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、一の対象を被疑対象と判定した場合、一の対象を指定する他のユーザが指定する他の対象が被疑対象かどうかを判定する。
【0131】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、一の対象を被疑対象と判定した場合、一の対象を指定する他のユーザが指定する他の対象が被疑対象かどうかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0132】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、一の対象が被疑対象と判定されたユーザが他の対象を指定した場合、他の対象が被疑対象かどうかを判定する。
【0133】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、一の対象が被疑対象と判定されたユーザが他の対象を指定した場合、他の対象が被疑対象かどうかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0134】
また、実施形態に係る判定装置100において、判定部133は、被疑対象と判定した対象が違反対象であるかを判定する。
【0135】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、被疑対象と判定した対象が違反対象であるかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0136】
また、実施形態に係る判定装置100において、取得部131は、ユーザに関連付けられた所定のリストに違反対象を追加した当該ユーザの行動情報を取得する。判定部133は、取得部131により取得されたユーザの行動情報に基づいて、所定のリストに含まれる一の対象が被疑対象かどうかを判定する。
【0137】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて、所定のリストに含まれる一の対象が被疑対象かどうかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0138】
また、実施形態に係る判定装置100において、取得部131は、オークションサービスの利用規約に違反すると判定された出品物である違反出品物を指定したユーザの行動情報を取得する。判定部133は、取得部131により取得されたユーザの行動情報に基づいて、ユーザが指定する一の出品物が、利用規約に違反する可能性がある被疑出品物かどうかを判定する。
【0139】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザの行動情報に基づいて、ユーザが指定する一の出品物が、利用規約に違反する可能性がある被疑出品物かどうかを判定し、利用規約に違反する可能性がある被疑対象を効率的に判定することができる。
【0140】
〔9.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る判定装置100は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図10は、判定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0141】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0142】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0143】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0144】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0145】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る判定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0146】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0147】
〔10.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0148】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0149】
また、上述してきた各実施形態に記載された各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0150】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0151】
1 判定システム
100 判定装置
121 オークション情報記憶部
122 ユーザ情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 抽出部
133 判定部
134 提供部
10 端末装置
20 管理者装置
50 サービス提供装置
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10