【文献】
Information technology - High efficiency coding and media delivery in heterogeneous environments - Part 1: MPEG media transport(MMT),ISO/IEC23008-1,ISO,2014年 6月 1日,第1版,第18頁−第35頁
【文献】
MPEG−4・BIFSパケットの欠落と補償方式,映像情報メディア学会技術報告,社団法人映像情報メディア学会,2001年 2月22日,Vol.25 No.17,第9頁−第16頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
現在のマルチメディアサービスでは、放送網と通信網を同時に接続する複合(Hybrid)ネットワークと、マルチメディアデータとアプリケーション、ファイルが共に提供される複合コンテンツの提供のためのMMT(MPEG Media Transport)技術が考えられている。
【0003】
図1は、マルチメディア通信システムにおけるMMTデータモデルを説明するための図である。
【0004】
図1を参照すれば、MMT技術では、符号化されたメディアデータと上記メディアデータに関連するメタデータ(metadata)の集合をパッケージ(package)100として定義する。パッケージ100は、少なくとも一つのMMTアセット(asset)(110,120,130)、少なくとも一つのADC(Asset Delivery Characteristics)(又は“送信特性(Transport Characteristic)”情報)(115,125)、少なくとも一つのプレゼンテーション情報(Presentation Information:PI)140を含む。パッケージ100は、一編の映画のようなコンテンツとして理解される。
【0005】
上記MMTアセットは、ビデオ、オーディオ、テキスト、ファイルのようなマルチメディアプレゼンテーション(multimedia presentation)を生成するために用いられるマルチメディアデータを意味する。それぞれのMMTアセット(110,120,130)は、少なくとも一つのMPU(Media Processing Unit)に分割される。
図1に示すように、MMTアセット1 110は、複数のMPU(111,112,…,113)に分割されている。上記MPUは、MMTストリームが独立して処理される単位である。また、上記MPUは、独立して復号化されるメディアデータの単位である。一方、一つのMPUは、複数のフラグメント(fragments)に分割され、この時、分割されたフラグメントは、MPUフラグメントユニット(MFU)と呼ばれる。MMT送信エンティティは、MPU単位でメディアデータを分割して処理し、MMT受信エンティティは、MPU単位でメディアデータを受信して再生のための処理をする。上記ADCは、MMTアセット毎に該当MMTアセットの送信特性を提供可能な情報を含む。
図1の例では、ADC115はアセット1 110の送信特性を表し、ADC125はアセット2 120及びアセット3 130の送信特性を表す。また、上記プレゼンテーション情報(Presentation Information:PI)140は、複数個のアセット(110,120,130)間の時間及び空間関係を説明する情報を含み、パッケージ内のMMTアセットの伝送順序を規定する。
【0006】
上記したMMTデータモデルが適用されたマルチメディアシステムにおける送信エンティティは、MPU単位で構成されたメディアデータを複数のMMTPパケットにパケット化して伝送する。また、マルチメディアシステムにおける受信エンティティは、受信された複数のMMTPパケットをMPU単位でデパケット化して再構成されたメディアデータを再生できる。
【0007】
上記MPUは、複数のMMTP(MMT Protocol)パケットにパケット化された後に伝送され、上記MFUは、少なくとも一つのMMTPパケットのMMTPペイロード(payload)を介して伝送される。また、上記MMTPパケットは、MMTプロトコルを用いて伝送されるメディアデータのフォーマットされた単位を意味し、MMTPペイロードを搬送する。上記MMTPペイロードは、MMTプロトコル又はインターネットアプリケーション伝送階層プロトコル(例えば、RTP(Real Time Protocol))を用いてパッケージ及び/又はシグナリングメッセージを伝送するためのメディアデータのフォーマットされた単位を意味する。また、上記MMTPペイロードは、MPUメタデータ(metadata)、フラグメントメタデータ(fragment metadata)、MFU、又はシグナリング情報を含みうる。上記MPUメタデータは、そのMPUを識別するための情報、メディアデータの復号化のための情報などを含む。また、上記シグナリング情報はパッケージの伝送及び消費(delivery and consumption)のための各種シグナリングメッセージを含む。上記シグナリングメッセージを通じて、パッケージの構造、プロトコル構成、MMTPペイロードの構造などを受信エンティティに提供できる。
【0008】
上記の通り、MMTベースのマルチメディアシステムにおけるメディアデータは、複数のMMTPパケットに分割されて伝送され(すなわち、パケット化されたメディアストリームとして伝送されて)、上記複数のMMTPパケットを介して伝送される情報のうち、例えば、上記MPUメタデータと上記シグナリング情報は、受信エンティティでメディアデータの復号化又は再生のために必須情報として考慮される。したがって、上記メディアストリームの遅延のない再生のためには、該当メディアデータに関連する上記MPUメタデータと上記シグナリング情報などの迅速な受信が必要である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の以下の説明において、本発明と関連する周知の機能又は構成要素の詳細な説明が不必要に本発明の要旨を不明確にする場合には、その詳細な説明を省略する。以下に説明する本発明の実施形態は、説明の便宜のために分離されているが、相互衝突しない範囲内で少なくとも二以上の実施形態を結合して実行できる。
【0015】
また、本発明の実施形態は多様に変更可能であり、本発明は図を参照しながら詳細に説明される以下の多様な実施形態を含んでいてもよい。しかし、本発明の思想に係る実施形態は、特定の実施形態に限定されるものとして解釈されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含む。また、ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。 英文明細書に記載の「a」、「an」、及び「the」、すなわち単数形は、以下の説明中において特記して明示されない限り、複数形を含む。例えば、「an object」は、一つ以上のオブジェクトを含む。また、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、要素、特性、及び/又は構成要素が存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、要素、特性、及び/又は構成要素及び/又はこれらを組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないと理解しなければならない。
【0016】
本発明の実施形態によると、マルチメディアシステムは、MMTプロトコルをベースとするマルチメディアシステムを例にして説明しているが、本発明の実施形態はMMTベースのマルチメディアシステムだけでなく、同一又は類似のサービスを提供する各種マルチメディアシステムに適用可能である。
【0017】
上記MMTプロトコルは、MMTパッケージをパケット化して伝送するためのアプリケーション階層伝送プロトコルであり、パッケージを効率的、かつ、信頼性をもって伝送するために設計されたものである。MMTプロトコルは、メディア多重化とネットワークジッター(jitter)計算のような改善した特徴を有する。この特徴は、多様なタイプで符号化されたメディアデータで構成されるコンテンツを効率的に伝送できる。上記MMTプロトコルは、現存するネットワークプロトコル、例えば、UDP又はIPの上位階層で動作可能であり、多様なアプリケーションをサポートできる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態によって送信エンティティと受信エンティティがMMTPパケットを送受信するマルチメディアシステムの構成を示す図である。
【0019】
図2を参照すれば、MMT送信エンティティ(以下「送信エンティティ」と呼ぶ。)210は、メディアデータを含むパッケージをMMTPパケットフロー(flow)としてMMT受信エンティティ(以下「受信エンティティ」と呼ぶ。)220に送信する。上記パッケージは、例えば、映画一編 、ドラマ一編などのコンテンツと理解される。送信エンティティ210は、メディアデータを送信する任意のエンティティであり、一例で、MMT放送サーバであってもよい。受信エンティティ220は、メディアデータを受信する任意のエンティティであり、一例として、MMTクライアントである無線端末又は移動端末(以下「端末」と呼ぶ。)であってもよい。また、送信エンティティ210がMMT放送サーバである場合、MMT放送サーバから伝送されるメディアデータは、端末が接続する無線通信システムの基地局又はAP(Access Point)を経由して端末に伝送されてもよい。
【0020】
図2で、送信エンティティ210は、パッケージプロバイダ201によって提供されるパッケージのプレゼンテーション情報(PI)に基づいて、アセットプロバイダ203,205からコンテンツを収集できる。ここで、パッケージプロバイダ201及びアセットプロバイダ203,205は、個別のエンティティで構成されるか、又は結合されたエンティティとして構成される。送信エンティティ210は、アセット、制御情報、プレゼンテーション情報などを含むパッケージをMMTプロトコル(MMTP)を用いて送信できる(230)。送信エンティティ210と受信エンティティ220は、背景技術で記述したシグナリング情報をMMTPを用いて送受信できる(240)。
【0021】
送信エンティティ210は、メディアデータを複数のMMTPパケットに分割して伝送し、上記複数のMMTPパケットのうち一部のMMTPパケットを介して上記MPUメタデータと上記シグナリング情報が伝送される。上記MMTPパケットは、メディアデータを伝送するのでメディアパケットとも称される。
【0022】
図3は、本発明の実施形態に係るマルチメディアシステムにおけるMPUメタデータを含むISO基本メディアファイルフォーマット(International Standardization Organization Base Media File Format:ISOBMFF)ベースのMPU構造を示す図である。
【0023】
MMTベースのマルチメディアシステム(以下、MMTシステム)では、ストリーミングサービスのように復号化のための時間情報を有するタイムドデータ(timed data)と、一般ファイル伝送サービスのように上記復号化のための時間情報を有しないノンタイムドデータ(non-timed data)の両方をサポートでき、
図3は、便宜上タイムドデータのMPU構造を表す。ノンタイムドデータのMPU構造(図示せず)も上記MPUメタデータを含む。
【0024】
MMTシステムにおいて、MPUは、ISOBMFFに従ってカプセル化(encapsulation)される。
図3を参照すれば、上記MPUがカプセル化されるISOベースのメディアファイル300は、上記MPUメタデータを含む
MPUメタデータ310と、MPUメディアデータを少なくとも一つのMFU(例えば、321、322、…、32N)に分割して含ませたmdatボックス320を含む。それぞれのMFU(321、322、…、32N)は、MFUペイロード(payload)とMFUヘッダ(h)を含む。上記MPUメタデータは、
ftypボックス311、sidxボックス312、mmpuボックス313、moovボックス314、moofボックス317のうち少なくとも一つを含む。
ftypボックス311は、メディアデータのタイプ情報を含み、sidxボックス312は、MPUを構成するフラグメントのインデックス情報を含む。mmpuボックス313は、現在のMPUが属するアセットの識別子及び現在のMPUの他の情報を含む。mmpuボックス313は、現在のMPUが全てのMFUを含んでいるか否かを指示する情報(「is complete」)を含む。
【0025】
また、moovボックス314は、メディアデータの復号化及びプレゼンテーションのための全てのコーデック設定情報を含む。moovボックス314は、少なくとも一つのメディアトラック316を含み、またMFUのための
MMTヒントトラック315を含むことができる。
MMTヒントトラック315は、MPUを含んでいるメディアファイル300をMMTプロトコルのような伝送プロトコルを用いてパケット化されたメディアストリームに変換するために必要な情報を含む。すなわち、
MMTヒントトラック315は、一つのMPUを構成する複数個のMFUを生成するために必要な情報を含む。
【0026】
上記MPUメタデータは、MPUに含まれたメディアデータの復号化又は再生のために必須的な情報として考慮され、受信エンティティは、MPUが分割及びパケット化されて伝送された複数のMMTPパケットのうち上記MPUメタデータを含むMMTPパケットを優先的に検出して受信する必要がある。
【0027】
図4は、本発明の実施形態に係るマルチメディアシステムにおけるMPUが複数のMMTPパケットに分割されて伝送される例を示す図である。
【0028】
図4の(a)は、MPUメタデータ401と複数のMFU(403、405、…)を含むMPUであり、
図4の(b)は、MPUメタデータ401と複数のMFU(403、405、…)が複数のMMTPパケットにパケット化されて伝送される例を示す図である。MPUメタデータ401は、MMTPパケット411を介して伝送され、一つのMFUは、一つ又は複数のMMTPパケットを介して伝送できる。
図4において、
MFU403は、3個のMMTPパケット(413a、413b、413c)に分割されて伝送され、MFU405は、一つのMMTPパケット415により伝送される例を示す図である。MPUメタデータ401も一つ又は複数のMMTPパケットを介して伝送されてもよい。
【0029】
また、本発明の実施形態で、MMTPパケット411が、そのペイロードに優先的に受信すべきのデータ(又は、情報)が含んでいるか、又は、そのペイロードに優先的に受信すべきのデータ(又は、情報)のアクセスのための位置情報が含まれる場合には、MMTPパケット411はランダムアクセスポイント(Random Access Point:RAP)情報を含んでいてもよい。すなわち、上記RAP情報は、該当MMTPパケットのペイロードにおいて、受信エンティティがメディアデータアクセスを開始すべき優先的なデータ(又は、情報)のメディアストリームにおける位置を指示する。上記優先的なデータ(又は、情報)は、上記したMPUメタデータ、シグナリング情報、又はイメージフレームのIフレーム(Intra-coded frame)であってもよい。本発明の実施形態において、受信エンティティは、MMTPパケットのうちRAP情報が含まれたMMTPパケットを検出した場合、そのMMTPパケットを優先的にバッファし、MPU単位でデータ受信を完了し、受信したデータに対して信号処理を実行する。
【0030】
図5は、本発明の実施形態によるマルチメディアシステムでRAP情報を含むか否かを指示できるMMTPパケットの構造を示す図である。
【0031】
図5を参照すれば、「V」フィールドは、MMTPプロトコルのバージョンを表し、「C」フィールドはパケットカウンタ(packet_counter)フィールドの存在可否を表す。「FEC」フィールドはMMTPパケットのエラー防止のために使用されたFEC(Forward Error Correction)方式のタイプを表す。「r」フィールドと「RES」フィールドは、今後の使用のために予約された(reserved)フィールドであり、「X」フィールドは、ヘッダ拡張(header_extension)フィールドの存在可否を表す。
【0032】
また、参照番号501の「R」フィールドは、MMTPパケットのペイロードデータ(payload data)(以下、ペイロード)が上記RAP情報を含むか否かを指示するRAPフラグ情報である。例えば、上記「R」フィールドが「1」であれば、MMTPパケットのペイロードは、上記RAP情報を含み、上記「R」フィールドが「0」であれば、MMTPパケットのペイロードは上記RAP情報を含まない。上記RAP情報は、MPUメタデータ、シグナリング情報、又はイメージフレームのうちIフレームのデータアクセスのための開始位置を指示する。これは、タイムメディアデータとノンタイムメディアデータの全てに適用されてもよい。
【0033】
上記イメージフレームの種類は、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームを含む。上記Iフレームは、データストリームのどの位置にも存在でき、データのランダムアクセスのために使用され、他のイメージフレームを参照することなく符号化/復号化できる。Pフレームは、符号化/復号化される際に、以前のIフレーム情報と以前のPフレームの情報を使用する。上記Pフレームは、以前の画面と現在の画面間の差が少ないことを用いてその差を符号化したフレームである。Bフレーム(Bidirectional-coded frame)は、符号化/復号化される際に、以前及び以後のIフレームとPフレームの全てを使用する。上記Bフレームは、以前のIフレーム又はPフレームとそのBフレーム以後のIフレーム又はPフレームとの差を有する。また上記Iフレームから開始される連続するイメージフレームの集合をGOP(Group Of Picture)と呼び、動画などを再生する際に上記Iフレームが受信された後にのみその再生のための復号化を開始できる。
【0034】
したがって、本実施形態において、受信エンティティがメディアストリームを受信して動画などを再生する場合、受信したMMTPパケットの「R」フィールドからRAP情報が含まれているか否かが判定され、MMTPパケットのペイロードにRAP情報が含まれる場合、上記RAP情報を用いて当該MMTPパケットで上記Iフレームを優先的に受信できる。他の実施形態で、複数のIフレームに対する位置情報をMMTPパケットに含めて搬送し、その位置情報を含むMMTPパケット中の上記RAP情報を通してその位置情報を受信してもよい。この場合、受信エンティティは、上記の位置情報を用いて複数のIフレームを予め受信することで、動画などの再生、探索又はチャネル切り替えなどを遅延無くより高速に実行できる。
【0035】
このように、RAP情報を用いてIフレームを優先的に受信する場合、例えば放送受信環境でチャネルの切り替えの際に、再生遅延を最小化できる。又は倍速再生、巻き戻し、探索などの動作を遅延なく高速に実行できる。
【0036】
上記のように、本実施形態において、RAP情報は、メディアデータ又は情報の優先的な受信のための特定メディアデータ(例えば、Iフレーム)(又は、特定情報(例えば、MPUメタデータ又はシグナリング情報))へのアクセス位置を指示するために利用できる。また、上記特定メディアデータ(又は、特定情報)は、上記RAP情報が含まれた少なくとも一つのMMTPパケットに含まれてもよいし、または、上記RAP情報が指示する位置の少なくとも一つのMMTPパケットに含まれてもよい。
【0037】
また、
図5の説明に戻り、「type」フィールド503は、MMTPパケットのペイロードデータのタイプを指示するフィールドである。例えば「type」フィールドが「0x00」又は「0x01」の値を有する場合、ペイロードデータのタイプがメディアデータであることを意味する。上記「0x00」は、そのペイロードデータがMPUのフラグメント(fragment)を含むことを表し、上記「0x01」は、そのペイロードデータが一つのMPUの完全な(complete)データを含むことを表す。したがって、「R」フィールドが「1」の値を有し、かつ、上記「type」フィールドが「0x00」又は「0x01」の値を有する場合、そのペイロードデータは、例えば、Iフレームを含むものと判定できる。また、上記「type」フィールドが「0x02」の値を有すると、そのペイロードデータが上記特定情報のうち上記シグナリング情報を含むことを表す。また、MPUメタデータは、上記「type」フィールドが「0x00」であるMPUモードである場合、MPUメタデータが、「0」値のMPUフラグメントタイプを有することを意味する。
【0038】
MMTシステムにおいて、上記シグナリング情報について言えば、上記シグナリング情報は、メディアデータの伝送と消費を管理するための制御情報として、各種シグナリングメッセージと理解される。上記メディアデータの消費を管理するシグナリングメッセージは、パッケージの構造をシグナリングするのに利用され、上記メディアデータの伝送を管理するためのシグナリングメッセージは、ペイロードフォーマットとプロトコル構成をシグナリングするのに利用されてもよい。上記シグナリングメッセージは、シグナリング情報の効率的な送受信のために、複数のテーブルの形態にて構成されてもよい。
【0039】
メディアデータの消費を管理するシグナリングメッセージの一例は下記の<表1>のようになり、メディアデータの伝送を管理するためのシグナリングメッセージは、例えば、受信器バッファーモデル動作を構成するための受信器バッファーモデルメッセージとできる。
【0040】
【表1】
したがって、「R」フィールドが「1」の値を有し、かつ、「type」フィールドが「0x02」の値を有すると、そのペイロードデータが特定情報のうち上記シグナリング情報(又は、シグナリングメッセージ)を含むと判定できる。
【0041】
また、
図5において、「packet_id」フィールドは一つのアセット(asset)を他のアセットと区別するためのものであり、「timestamp」フィールドはMMTPパケットの送信時間を表す。「packet_sequence_number」フィールドは、同一の「packet_id」を有するMMTPパケットを区別するためのものであり、「packet_counter」フィールドは、MMTPパケットが伝送された時、その個数をカウントするためのものである。また「header#extension」フィールドは、ユーザ定義情報を含み、
「payload data」フィールドは、MMTPパケットのペイロードを含む。上記ペイロードには、上述したように、メディアデータ、特定情報(例えば、MPUメタデータ又はシグナリング情報)などを含めることができる。「source_FEC_payload_ID」は、アプリケーション階層順方向エラー訂正(Application Level_Forward Error Correction)などのようなFECタイプを表す。
【0042】
また、受信エンティティは、MMTPパケットのペイロードにMPUメタデータが含まれているか否かを、上記
「payload data」フィールドに含まれたペイロードヘッダを介して確認できる。すなわち、MMTPパケットを介してメディアデータだけでなくMPUメタデータを伝送できる。MMTPパケットのペイロードは、上記ペイロードヘッダとペイロードデータを含み、上記ペイロードヘッダは、ファイルタイプ(File Type:FT)情報を含む。上記ペイロードに含まれるペイロードデータが上記MPUメタデータである場合、上記FT情報は、例えば、「0」の値を有する。
【0043】
したがって、
図5で「R」フィールドが「1」の値を有し、かつ、上記
「payload data」フィールドのペイロードヘッダに含まれたFT情報が「0」の値を有すると、そのペイロードデータが上記特定情報のうち上記MPUメタデータを含むと判定できる。
図5のMMTPパケット構造において、上記
「payload data」フィールドを除外した残りのフィールドはMMTPパケットのヘッダ情報を構成する。
【0044】
以下、本発明の実施形態に係るMMTベースのマルチメディアシステムにおいて、MPUを分割しパケット化した後伝送された複数のMMTPパケットのうち、特定メディアデータ(例えば、Iフレーム)又は特定情報(例えば、MPUメタデータ又はシグナリング情報)を含む少なくとも一つのMMTPパケットを優先的に検出して受信する受信エンティティの動作を説明する。
【0045】
図6は、本発明の実施形態によってMPUメタデータを含むMMTPパケットを受信する受信エンティティの動作を表すフローチャートである。上記MPUメタデータは、
図3で説明した
ftypボックス311、sidxボックス312、mmpuボックス313、moovボックス314、moofボックス317のうち少なくとも一つを含む。
【0046】
図6を参照すると、ステップ601でMMTPパケットを受信すると、ステップ603で、受信したMMTPパケットのヘッダ情報から
図5の「R」フィールド(すなわち、RAPフラグ情報)を特定し、受信したMMTPパケットにRAP情報が含まれているか否かを判定する。上記ステップ603の判定の結果、MMTPパケットにRAP情報が含まれない場合、ステップ605で、受信エンティティは、受信したMMTPパケットを廃棄(discard)する。一方、ステップ605で、RAP情報を含まないMMTPパケットは廃棄されると述べたが、受信エンティティは、MPUメタデータなどの受信を完了した後に、RAP情報が含まれないMMTPパケットを受信する一般的な動作を実行してもよい。また、他の実施形態において、受信エンティティが制限されたメモリーの使用又は低電力プロセスを実行しているときに、ステップ605でRAP情報を含まない全てのMMTPパケットを廃棄してもよい。
【0047】
一方、上記ステップ603の判定の結果、MMTPパケットにRAP情報が含まれる場合、ステップ607で、受信エンティティは、MMTPパケットのペイロードに含まれるデータタイプを特定する。すなわち、受信エンティティは、MMTPパケットのペイロードヘッダに含まれるファイルタイプ(FT)情報を特定して、データタイプを特定する。ステップ609でFT情報がMPUメタデータを指示する場合(例えば、上記FT情報が「0」の値を有する場合)、受信エンティティは、ステップ611で受信したMMTPパケットからバッファリングを開始し、ステップ613でMPU単位データの受信を完了する。その後、ステップ615で、受信エンティティは、完全に受信したMPUメタデータを用いて信号(又は、データ)処理を実行する。
【0048】
図7は、本発明の実施形態に係るMMTシグナリング情報を含むMMTPパケットを受信する受信エンティティの動作を表すフローチャートである。MMTシグナリング情報は、MMTシステムにおいて、メディアデータの伝送、消費を管理するためのシグナリングメッセージのうち少なくとも一つを含む。
【0049】
図7を参照すれば、ステップ701でMMTPパケットを受信すると、受信エンティティは、ステップ703で、受信したMMTPパケットのヘッダ情報から
図5の「R」フィールド(すなわち、RAPフラグ情報)を特定して、受信したMMTPパケットにRAP情報が含まれているかを判定する。ステップ703の判定の結果、MMTPパケットにRAP情報が含まれない場合、受信エンティティは、ステップ705で受信したMMTPパケットを廃棄(discard)する。一方、ステップ705でRAP情報を含まないMMTPパケットは廃棄されると述べたが、受信エンティティは、シグナリング情報などの受信を完了した後に、RAP情報が含まれないMMTPパケットの一般的な受信動作を実行してもよい。また、他の実施形態で、受信エンティティが制限されたメモリーの使用又は低電力プロセスを実行しているときに、ステップ705でRAP情報を含まない全てのMMTPパケットを廃棄してもよい。
【0050】
一方、上記ステップ703の判定の結果、MMTPパケットにRAP情報が含まれる場合、ステップ707で、受信エンティティは、MMTPパケットのヘッダ情報に含まれるペイロードデータのタイプ情報(
図5の「type」フィールド503)を特定する。ステップ709で、受信エンティティは、上記ペイロードデータのタイプ情報が上記シグナリング情報を指示する場合(例えば、上記「type」フィールドが「0x02」の値を有する場合)、ステップ711で当該受信したMMTPパケットからバッファリングを開始し、ステップ713で、MPU単位データの受信を完了する。その後、ステップ715で、受信エンティティは、完全に受信したシグナリング情報を用いて信号(又は、データ)処理を実行する。
【0051】
図8は、本発明の実施形態に係る特定メディアデータを含むMMTPパケットを受信する受信エンティティの動作を表すフローチャートである。上記特定メディアデータは他のイメージフレームを参照することなく符号化/復号化されるIフレームを仮定する。
【0052】
図8を参照すれば、ステップ801でMMTPパケットを受信すると、受信エンティティは、ステップ803で、受信したMMTPパケットのヘッダ情報から
図5の「R」フィールド(すなわちRAPフラグ情報)を特定して、受信したMMTPパケットにRAP情報が含まれているかを判定する。上記ステップ803の判定の結果、MMTPパケットにRAP情報が含まれない場合、受信エンティティは、受信したMMTPパケットを廃棄(discard)する。一方、上記ステップ805でRAP情報を含まないMMTPパケットは廃棄されると述べたが、受信エンティティは、Iフレームなどの受信を完了した後に、RAP情報が含まれないMMTPパケットの一般的な受信動作を実行してもよい。また、他の実施形態で、受信エンティティが制限されたメモリーの使用又は低電力プロセスを実行しているときに、上記ステップ805でRAP情報を含まない全てのMMTPパケットを廃棄してもよい。
【0053】
一方、上記ステップ803の判定の結果、MMTPパケットにRAP情報が含まれる場合、ステップ807で、受信エンティティは、MMTPパケットのヘッダ情報に含まれるペイロードデータのタイプ情報(
図5の「type」フィールド503)を特定する。ステップ809で、受信エンティティは、ペイロードデータのタイプ情報がシグナリング情報を指示する場合(例えば、「type」フィールドが「0x00」又は「0x01」の値を有する場合)、ステップ
811で当該受信したMMTPパケットからバッファリングを開始し、ステップ
813でMPU単位データの受信を完了する。その後、ステップ
815で、受信エンティティは、完全に受信したIフレームを用いてイメージフレームのデコーディングを実行する。他の実施形態において、MMTPパケットのペイロードに複数のIフレームに対する位置情報を含めて搬送し、RAP情報を介して位置情報を受信して複数のIフレームを受信してもよい。
【0054】
上記のように、RAP情報を用いてIフレームを予め受信する場合、放送チャネル切り替えが頻繁に行われる放送サービスにおいて、チャネル切り替えによる再生遅延を大幅に減少できる。
【0055】
図9は、本発明の実施形態に係るマルチメディアシステムにおける受信エンティティの構成を示す図である。
【0056】
図9を参照すると、受信エンティティは、無線ネットワークを介してデータを送受信する送受信部910、受信されたデータを復号化する復号部930、また、
図2乃至
図8で説明した方式によって分割及びパケット化後に送信エンティティから伝送された複数のMMTPパケットのうち、特定メディアデータ(例えば、Iフレーム)又は特定情報(例えば、MPUメタデータ又はシグナリング情報)を含む少なくとも一つのMMTPパケットを優先的に検出して受信する動作を制御する制御部950を含む。本実施形態で、制御部950は、送受信部910を介して受信したメディアパケットに特定メディアデータと特定情報のうち少なくとも一つを受信するためのアクセス情報が含まれているかを判定し、受信したメディアパケットにアクセス情報が含まれている場合、アクセス情報を用いて、特定メディアデータと特定情報のうち少なくとも一つを優先的に受信する動作を制御するように実現されてもよい。
【0057】
上記した
図6乃至
図9の実施形態は、個別的な動作で記述したが、
図6乃至
図9の実施形態をのうち二以上が結合されて実施されてもよい。
【0058】
上記した本発明の実施形態は、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(computer readable recording medium)でコンピュータ読み取り可能なコード(computer readable code)として実現できる。コンピュータで読まれる記録媒体は、コンピュータシステムにより読まれるデータを保存できる任意のデータ保存デバイスである。上記コンピュータで読まれる記録媒体は、例えばROM(Read-Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、CD−ROMと、磁気テープ(magnetic tape)と、フロッピーディスク(floppy disk)(登録商標)と、光データ保存デバイス、及びキャリアウェーブ(carrier wave)(例えば、インターネットを介するデータ送信)を含むことができる。コンピュータで読み取れる記録媒体は、またネットワーク接続されたコンピュータシステムを介して配布され、したがってコンピュータで読み取れるコードは分散方式で保存及び実行される。また、本発明を達成するための機能的プログラム、コード、及びコードセグメント(segment)は、本発明が適用される分野で熟練されたプログラマーにより容易に解析できる。
【0059】
また、本発明の一実施形態による装置及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組合の形態で実現可能であると理解される。このような任意のソフトウェアは、例えば、削除可能又は再記録可能の可否にかかわらず、ROMなどの保存装置のような揮発性又は非揮発性保存装置、又は例えば、RAM、メモリーチップ、装置又は集積回路のようなメモリー、又は例えばCD、DVD、磁気ディスク又は磁気テープのような光学又は磁気的に記録可能あると共に機械(例えば、コンピュータ)で読み取り可能な保存媒体に保存されてもよい。本発明の一実施形態による方法は、制御部及びメモリーを含むコンピュータ又は携帯端末により実現される上記メモリーは、本発明の実施形態を実現する命令を含むプログラム又はプログラムを保存するのに適合した機械で読み取り可能な保存媒体の一例であることを分かる。
【0060】
したがって、本発明は、本明細書の任意の請求項に記載された装置又は方法を実現するためのコードを含むプログラム及びこのようなプログラムを保存する機械(コンピュータなど)で読み取り可能な保存媒体を含む。また、このようなプログラムは、有線又は無線接続を介して伝えられる通信信号のような任意の媒体を介して電子的に移送され、本発明はこれの均等物を含む。
【0061】
また、本発明の一実施形態による装置は、有線又は無線で接続するプログラム提供装置から上記プログラムを受信して保存できる。上記プログラム提供装置は、上記プログラム処理装置が既設定されたコンテンツ保護方法を実行させる指示を含むプログラム、コンテンツ保護方法に必要な情報などを保存するためのメモリーと、上記グラフィック処理装置との有線又は無線通信を実行するための通信部と、上記グラフィック処理装置の要請又は自動で該当プログラムを上記送受信装置に伝送する制御部を含むことができる。
【0062】
一方、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲を外れない限り、様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。