特許第6553248号(P6553248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6553248
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】乗客コンベア及びその取付け方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/00 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   B66B23/00 B
   B66B23/00 C
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-95107(P2018-95107)
(22)【出願日】2018年5月17日
【審査請求日】2018年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】岩井 俊憲
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−101472(JP,A)
【文献】 特開2007−269466(JP,A)
【文献】 特開2012−188268(JP,A)
【文献】 特開2017−190234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びた左右一対の上枠材と、前後方向に延びた左右一対の下枠材と、前記上枠材と前記下枠材の間に設けられた縦枠材とを有するトラスと、
前記トラスの両端部に設けられた支持アングルと、
前記支持アングルに取り付けられた延長部材と、
を有し、
前記支持アングルは、前記トラスの前記端部に固定された垂直板と、
前記垂直板から外方に突出した水平板と、
を有し、
前記延長部材は、
前記水平板の上面に固定された延長水平部と、
前記延長水平部から突出し、前記上枠材の上面に配された左右一対の延長腕部と、
前記延長腕部とは別体であって、前記上枠材の上面に設けられた左右一対の板支持部材と、
を有し、
前記延長水平部と、左右一対の前記延長腕部と、左右一対の前記板支持部材の上に載置された複数枚の乗降板と、
を有し、
前記延長水平部は、
躯体の上に載置される載置台と、
前記載置台の上に載置される水平本体と、
を有し、
前記水平本体から前記延長腕部が突出し、
前記乗降板は、主乗降板と、追加乗降板と、左右一対の端部乗降板とを含み、
前記板支持部材は、前後方向に延びた下段面と、前記下段面の上方に配された上段面とを有し、
前記下段面が、前記上枠材の上に固定され、
前記上段面が、前記延長腕部と同じ高さであり、
前記延長水平部の上に前記追加乗降板が載置され、
左右一対の前記延長腕部と、左右一対の前記板支持部材の前記上段面に左右一対の前記端部乗降板が載置され、
左右一対の前記板支持部材の前記下段面に前記主乗降板が載置されている、
乗客コンベア。
【請求項2】
左右一対の前記延長腕部の内側に左右一対の第2板支持部材が設けられ、
前記第2板支持部材の高さと前記板支持部材の前記下段面が同じ高さであり、
左右一対の前記第2板支持部材の上に前記主乗降板が載置されている、
請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記板支持部材と前記第2板支持部材とが一体である、
請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
左右一対の前記延長腕部の外面と左右一対の前記板支持部材の外面に、左右一対のフランジ板がそれぞれ固定され、
前記フランジ板の内側に沿って前記端部乗降板が配されている、
請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
左右一対の前記フランジ板の一端が連結板によって連結され、
前記板支持部材の前記上段面の内側に固定片が設けられ、
前記フランジ板に係合孔が開口し、
前記端部乗降板の先端に、ネジ、又はボルトによって固定するための前記連結板と固定するための突出片が設けられ、
前記係合孔に係合する係合片が、前記フランジ板の外側から突出している、
請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記主乗降板の左右両側部の下面に板脚部が設けられ、
前記板脚部が前記下段面と前記第2板支持部材に載置されている、
請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記延長腕部には高さ調整ボルトが垂直方向に貫通し、前記高さ調整ボルトの下端が前記上枠材の上面に接地されている、
請求項に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
請求項に記載の乗客コンベアの取り付け方法であって、
建屋に切り欠かれた躯体の載置面にアンカープレートを載置し、
前記アンカープレートに直接、又は、下シムを介在させて前記支持アングルの前記水平板を載置し、
前記アンカープレートに前記載置台を載置する、
乗客コンベアの取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗客コンベア及びその取付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレータのような乗客コンベアは、上階側及び下階側の乗降場所の間にトラスが架け渡されることにより取り付けられている。この架け渡しは、上階側及び下階側の乗降場所に形成された切り欠かれた躯体内のアンカープレートに、トラスの端部から突出した支持アングルが載せられることにより行われている。このトラスの端部から突出する支持アングルの長さは、耐震基準を満足するように設計されている。
【0003】
ところが最近、耐震基準が変更されたことにより、トラスの端部から突出する支持アングルの長さをさらに長くする必要が生じている。しかし、既設の乗客コンベアの支持アングルを交換するためには乗客コンベア全体を重機で吊り上げなければならないため、支持アングルを交換することは容易ではない。
【0004】
そこで、既設の支持アングルよりも外側へ長く突出する延長部材を、既設の支持アングルに固定することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−69100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、既設の乗客コンベアにおいて、支持アングルを延長したときに、この支持アングルに載置される乗降板の取り外し作業が繁雑になるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明の実施形態は上記問題点に鑑み、支持アングルを延長したときに、この支持アングルに載置される乗降板の取り外し作業が簡単な乗客コンベア及びその取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、前後方向に延びた左右一対の上枠材と、前後方向に延びた左右一対の下枠材と、前記上枠材と前記下枠材の間に設けられた縦枠材とを有するトラスと、前記トラスの両端部に設けられた支持アングルと、前記支持アングルに取り付けられた延長部材と、を有し、前記支持アングルは、前記トラスの前記端部に固定された垂直板と、前記垂直板から外方に突出した水平板と、を有し、前記延長部材は、前記水平板の上面に固定された延長水平部と、前記延長水平部から突出し、前記上枠材の上面に配された左右一対の延長腕部と、前記延長腕部とは別体であって、前記上枠材の上面に設けられた左右一対の板支持部材と、を有し、前記延長水平部と、左右一対の前記延長腕部と、左右一対の前記板支持部材の上に載置された複数枚の乗降板と、を有し、前記延長水平部は、躯体の上に載置される載置台と、前記載置台の上に載置される水平本体と、を有し、前記水平本体から前記延長腕部が突出し、前記乗降板は、主乗降板と、追加乗降板と、左右一対の端部乗降板とを含み、前記板支持部材は、前後方向に延びた下段面と、前記下段面の上方に配された上段面とを有し、前記下段面が、前記上枠材の上に固定され、前記上段面が、前記延長腕部と同じ高さであり、前記延長水平部の上に前記追加乗降板が載置され、左右一対の前記延長腕部と、左右一対の前記板支持部材の前記上段面に左右一対の前記端部乗降板が載置され、左右一対の前記板支持部材の前記下段面に前記主乗降板が載置されている、乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示すエスカレータの側面説明図。
図2】下階側の支持アングル付近の縦断面図。
図3】既設の支持アングルがアンカープレートに載置されている状態の斜視図。
図4】第1工程の全体の斜視図。
図5】第2工程の全体の斜視図。
図6】第3工程の全体の斜視図。
図7】第4工程の全体の斜視図。
図8】第5工程の一部の斜視図。
図9】第6工程の一部の斜視図。
図10】第7工程の斜視図。
図11】第8工程の斜視図。
図12】第8工程の全体の斜視図。
図13】第9工程の全体の斜視図。
図14】第10工程の全体の斜視図。
図15】第11工程の全体の斜視図。
図16】第12工程の全体の斜視図。
図17】板支持部材に端部乗降板と主乗降板を載置した状態の縦断面図。
図18】端部乗降板の一部欠裁斜視図。
図19】端部乗降板を板支持部材に取り付けた状態の斜視図。
図20】端部乗降板を連結板に取り付けた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態の乗客コンベアであるエスカレータ100について、図1図20を参照して説明する。
【0011】
(1)エスカレータ100の構造
図1に示すように、エスカレータ100の筐体は、トラス10より構成され、トラス10の前後方向の端部には支持アングル30が設けられている。前後一対の支持アングル30は、建屋1の上階側の乗降場所の床面4に切り欠かれた躯体2と下階側の乗降場所の床面4に切り欠かれた躯体3とにそれぞれ架け渡されている。トラス10の内部には、上階と下階との間で複数の踏段20を移動させるための不図示の駆動装置が設けられている。トラス10の上には左右一対の欄干22が設けられ、欄干22には踏段20と同期して移動する手摺りベルト24が設けられている。
【0012】
図1に示すように、トラス10は、前後方向へ延びる左右一対の上枠材11と、上枠材11の下方において上枠材11と平行に延びる左右一対の下枠材12とを備える。またトラス10は、上階側及び下階側の両端部に、上枠材11と下枠材12とを連結する縦枠材13と、左右一対の上枠材11を連結すると共に左右一対の下枠材12を連結する横枠材14(図2参照)とを備える。さらにトラス10は、上階側及び下階側の両端部の間の複数箇所に、上枠材11と下枠材12とを連結する縦中間枠材15と、上枠材11と下枠材12とをこれらの枠材に対して斜め方向に連結する斜め中間枠材16と、左右一対の上枠材11を連結すると共に左右一対の下枠材12を連結する不図示の横中間枠材とを備える。
【0013】
(2)既設のエスカレータ10の支持構造
本実施形態は、既設のエスカレータ10において、支持構造に耐震を施すものであり、まず、既設の支持構造について下階の支持アングル30を例に図1図2図3を参照して説明する。
【0014】
図3に示すように、支持アングル30は、トラス10の下階側の端面の上部に設けられた垂直板32と、この垂直板32から水平に突出した水平板34とを有している。図1に示すように、建屋1の下階側の乗降場所の床面4には、切り欠かれた躯体3が設けられている。この躯体3には、金属製のアンカープレート26が載置され、平らな水平面を構成している。図2に示すように、水平板34が、アンカープレート26に複数枚の下シム28を介して、又は、直接載置されている。上階側の支持アングル30についても、同様の支持構造を有している。
【0015】
(3)本実施形態の耐震構造
次に、上記のような既設の支持アングル30に、耐震構造を施して支持アングル30を延長する本実施形態の構造について、下階側を例にして説明する。
【0016】
図2図6に示すように、支持アングル30の水平板34と、トラス10の上枠材11の上には、左右一対の延長部材36が設けられている。この延長部材36は、支持アングル30の水平板34に載置される延長水平部38と、この延長水平部38から突出し上枠材11の上方に配される延長腕部40とを有している(図2図6参照)。延長水平部38は、アンカープレート26に載置される載置台42と、この載置台42とは別体であって載置台42に載置される板状の水平本体44とを有している(図2図5図6参照)。そして、延長腕部40は、水平本体44から突出している(図2図6参照)。
【0017】
水平本体44と水平板34との間には、上シム46が複数枚配され(図5図6参照)、載置台42の上面と同じ高さになるように調整されている(図2参照)。上シム46には、外端部が開口した長孔48が設けられている(図5参照)。そして、水平本体44を水平板34に固定するためのボルト50が水平本体44の上面から貫通し、上シム46の長孔48を通過して、水平板34に螺合し、ボルト51によって載置台42に固定されている(図2図5参照)。
【0018】
延長腕部40の先端には、高さ調整ボルト52が垂直方向に設けられ、この高さ調整ボルト52は、延長腕部40を貫通し、その下端が上枠材11の上面に接地している(図2図6参照)。載置台42に水平本体44を載置した状態で高さ調整ボルト52を回転させて延長部材36が水平になるように調整する(図2参照)。
【0019】
板支持部材54が、上枠材11の上面に延長腕部40と連続して配されている(図9参照)。この板支持部材54は、金属板を折曲して形成され、側面55と、側面55の下端から延びた下段面56と、側面55の上端から延びた上段面58を有し(図17図19参照)、上段面58の幅方向の大きさが、下段面56の幅方向の大きさよりも小さく形成され、下段面56と上段面58の間には、補強用のリブ60が縦方向に複数設けられている(図8図9参照)。この板支持部材54の下段面56は、複数の台座62の上に載置され、ボルト64で上枠材11に固定される(図8図9参照)。なお、この台座62は、既設の台座を用いてもよく、新たに追加してもよい。上段面58の内端部から下段面56の上面に向かって固定片66が垂れ下がっている。この固定片66にはネジ孔68が設けられている(図8図11参照)。
【0020】
第2板支持部材70が、上枠材11の上面であって、延長腕部40の内側面に設けられている(図10図11参照)。この第2板支持部材70は、金属板を折曲して形成され、縦板72と、縦板72の下端から内方に突出した横板74とから形成されている。横板74の後端部の下面には、接続片76が突出している(図10図11参照)。縦板72は、ボルト78によって延長腕部40の内側面のネジ孔79に固定される。この場合に、縦板72のボルト78が貫通する部分には、縦方向に長い長孔73が設けられ(図10参照)、縦板72の高さ方向を調整できる。ボルト78によって縦板72を取り付けた場合に、接続片76が板支持部材54の下段面56の下面に当接され、平ネジ80で固定される。これにより、板支持部材54と第2板支持部材70が一体になると共に、下段面56と横板74の高さが同じになる。
【0021】
延長部材36の外面、すなわち、延長水平部38と延長腕部40と板支持部材54の外面には、長方形の金属板であるフランジ板82がボルト81により固定されている(図9図12参照)。このフランジ板82の上端部は、延長部材36の上面と板支持部材54の上面よりも上方に位置し、フランジの役割を果たしている(図11図12参照)。このフランジ板82には、2箇所の係合孔83が開口し、この係合孔83は、延長部材36と板支持部材54の上方に位置している(図11図12参照)。
【0022】
図13に示すように、左右一対のフランジ板82,82の前端部の間には、長方形の連結板84がネジ止めによって固定されている。
【0023】
図2図11図14に示すように、左右一対の長方形の端部乗降板86が、一直線上になった左右一対の延長水平部38と延長腕部40と板支持部材54の上段面58にそれぞれ載置されている。図18図19に示すように、端部乗降板86の外端部には、2個の係合片92が突出し、フランジ板82の係合孔83と係合する。端部乗降板86の内端部には、固定板94が垂れ下がり、この固定板94と板支持部材54の固定片66とが同じ位置にあり、固定板94と固定片66とネジ96によってネジ止めされている。図14図20に示すように、端部乗降板86の前端の下面には、内方に向かって第2固定板98が突出し、連結板84とネジ101によってネジ止めされている。
【0024】
図15に示すように、長方形の追加乗降板88が、左右一対の延長水平部38の上に載置されている。
【0025】
図17に示すように、主乗降板89,90の左右両端部には、左右一対の支持脚102が前後方向に金属板を折曲して設けられている。支持脚102は、左右一対の板支持部材54の下段面56の縁部と第2板支持部材70の横板74の縁部に載置される。そして、図15に示すように、主乗降板89の支持脚102が、左右一対の板支持部材54の下段面56に載置されている。図16に示すように、主乗降板90の支持脚102が、左右一対の板支持部材54の下段面56と第2板支持部材70の横板74に載置されている。
【0026】
(4)既設の支持アングル30の延長方法
次に、既設の支持アングル30の延長方法について順番に説明する。この場合に、図2図3に示すように、上記で説明した既設の支持アングル30の水平板34が下シム28を挟んでアンカープレート26に載置されている。
【0027】
第1工程として、図4に示すように、アンカープレート26の上に左右一対の載置台42,42を載置する。この際、既設のアンカープレート26の大きさが、小さい場合には、追加のアンカープレートを躯体3に載置する。
【0028】
第2工程として、図5に示すように、左右一対の載置台42の上面の高さと同じになるように複数枚の上シム46をそれぞれ載置する。
【0029】
第3工程として、図6に示すように、左右一対の延長部材36をそれぞれ左右一対の載置台42の上に載置し、その後に複数本のボルト50によって水平板34に固定し、ボルト51によって載置台42に固定する。また、図2に示すように、高さ調整ボルト52の高さを調整して、延長腕部40が水平になるように調整する。
【0030】
第4工程として、図7に示すように、左右一対の載置台42の外方の位置に、直方体の幅方向振れ止め部材104をボルトでアンカープレート26に固定する。
【0031】
第5工程として、図8に示すように、トラス10の上枠材11の上面に、複数の台座62を設ける。なお、既設の台座62がある場合にはそれを使用する。
【0032】
第6工程として、図9に示すように、複数の台座62の上に板支持部材54の下段面56を載置し、ボルト64で固定する。
【0033】
第7工程として、図10図12に示すように、延長水平部38の外面、延長腕部40の外面、板支持部材54の外面にフランジ板82をボルト81で固定する。
【0034】
第8工程として、図11図12に示すように、延長腕部40の内側面に第2板支持部材70をボルト78で固定する。このときに、接続片76が板支持部材54の下段面56の下面に位置し、下段面56と第2板支持部材70の横板74が平らになるように平ネジ80で固定する。
【0035】
第9工程として、図13に示すように、左右一対のフランジ板82,82の前端の間に連結板84をネジで固定する。
【0036】
第10工程として、図14に示すように、左右一対の端部乗降板86を、それぞれフランジ板82の内側であって、図2図11で示すように一直線上に平らになった延長水平部38、延長腕部40、板支持部材54の上段面58に載置する。このとき、高さ調整のためのシムを挟んでもよい。そして、端部乗降板86の係合片92をフランジ板82の係合孔83に係合すると共に、図19に示すように、端部乗降板の固定板94と板支持部材54の固定片66をネジ96で固定する。さらに、図14図20に示すように、第2固定板98と、連結板84とをネジ101で固定する。
【0037】
第11工程として、図15に示すように、支持アングル30が延びた分の大きさをカバーするために、追加乗降板88を延長水平部38の上に載置する。このとき、端部乗降板86との高さ調整のためにシムを介してもよい。
【0038】
第12工程として、図15図16に示すように、複数枚の主乗降板89,90を左右一対の端部乗降板86の間に載置する。このとき、図17に示すように、各主乗降板90の支持脚102を、板支持部材54の下段面56と第2板支持部材70の横板74の上に載置する。
【0039】
以上の工程により、既設の支持アングル30に、耐震構造を施して支持アングル30を延長できる。上階の支持アングル30についても同様の構造を有する。
【0040】
一方、このような耐震構造を施した後に、点検等のため端部乗降板86、追加乗降板88、主乗降板89,90を取り除く場合には、一枚の主乗降板90を取り除き、もう一枚の主乗降板89の支持脚102を、板支持部材54の下段面56から、第2板支持部材70の横板74にスライドさせて、外しやすい位置に移動させ取り除く。また、端部乗降板86は、ネジ96とネジ101を取り外し、係合片92を係合孔83から取り外すことにより、簡単に取り外すことができる。
【0041】
(5)効果
本実施形態によれば、既設の支持アングル30の長さを延長部材36によって簡単に延長できる。
【0042】
また、延長部材36を取り付けても、板支持部材54や第2板支持部材70を取り付けることにより、主乗降板89,90や端部乗降板86を簡単に取り外すことができる。
【変更例】
【0043】
上記実施形態では、板支持部材54と第2板支持部材70を別体に設けたが、これに代えて一体の構造にしてもよい。
【0044】
上記実施形態では、エスカレータ100に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
【0045】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10・・・トラス、11・・・上枠材、26・・・アンカープレート、30・・・支持アングル、36・・・延長部材、38・・・延長水平部、40・・・延長腕部、42・・・載置台、44・・・水平本体、54・・・板支持部材、56・・・下段面、58・・・上段面、70・・・第2板支持部材、82・・・フランジ板、84・・・連結板、86・・・端部乗降板、88・・・追加乗降板、90・・・主乗降板
【要約】
【課題】支持アングルを延長したときに、この支持アングルに載置される乗降板の取り外し作業が簡単な乗客コンベアを提供する。
【解決手段】延長部材36は、水平板の上面に固定された延長水平部38と、延長水平部38から突出し、上枠材11の上面に配された左右一対の延長腕部40と、延長腕部40とは別体であって、上枠材11の上面に設けられた左右一対の板支持部材54とを有し、延長水平部38と、左右一対の延長腕部40と、左右一対の板支持部材54の上に載置された乗降板89,90とを有する
【選択図】 図2
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