(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0016】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1、
図2を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前面側が開放され、他の面を板状態で形成される直方体状の筐体12と、この筐体12の前面側を開閉可能に覆う前扉14とを備えている。
【0017】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0018】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0019】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0020】
ここで、払出枚数表示器88は、後述する特定事象検知手段270により特定事象が発生したことが検知された場合に、当該特定事象が生じたこと及び当該特定事象の種類を報知可能な報知装置の一例である。
【0021】
(区間報知ランプ90)
また、図柄表示窓部16の下方には、後述する「有利区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により点灯される区間報知ランプ90が設けられている。
この区間報知ランプ90は、押し順報知の状態が「有利区間」である間は常時点灯されており、「非有利区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯される。
【0022】
なお、本実施の形態にかかる区間報知ランプ90は、「有利区間」である間、常時点灯するものであるが、これに限らず、「有利区間」である間の、例えば、押し順を報知する遊技でのみ点灯する又は当該遊技以降も継続して点灯する場合や、特定の押し順を報知する遊技でのみ点灯する又は当該遊技以降も継続して点灯する場合、有利区間における出玉状況(例えば差枚数)が特定の出玉状況(例えば差枚数が1000枚に到達)であるときにのみ点灯する又は当該特定の状況に到達した以降も継続して点灯する場合、有利区間における出玉状況(例えば差枚数)が特定の出玉状況であって押し順を報知する遊技でのみ点灯する又は当該遊技以降も継続して点灯する場合、など常時点灯させなくても良い。また、前述の様に、区間報知ランプ90を継続して点灯する場合は、例えば、有利区間の上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するまで点灯させる、又は、例えば、有利区間の上限ゲーム数未満の範囲内で設定される所定のゲーム数(例えば1000ゲーム)に到達するまで点灯させると良い。
【0023】
ここで、区間報知ランプ90の点灯制御は、メイン制御手段200に搭載されている制御手段により制御されることが望ましく、有利区間を制御する有利区間制御手段260により実行する、或いは、当該点灯制御を実行する専用の区間報知制御手段を設けて実行する、ことが可能である。
【0024】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0025】
(メダルセレクタ17)
筐体12内部であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0026】
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0027】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0028】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0029】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0030】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて2又は3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0031】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている。
【0032】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0033】
(設定変更スイッチ46)
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0034】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0035】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている。
【0036】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、メダルセレクタ17から流下した正規のメダルを貯留するメダルタンク24aと、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンク(図示せず)の近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0037】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0038】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0039】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0040】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。
【0041】
本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68の中段を結んだライン、の1本である。
なお、有効ライン86として、1ラインを示したが、これに限定されず、2〜5ライン、或いはV字形や山形を含めて6ライン以上としても良い。
また、遊技状態(
図10参照)を問わず1ラインとしたが、これに限定されず、遊技状態で有効ラインの数を変えるようにしても良い。
【0042】
また、図示しないが、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤セブン」、「青セブン」、「バー」、「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」などの複数の種々の図柄61が形成されている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。
【0043】
(演出装置70)
前記前扉14と前記筐体12には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0044】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0045】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0046】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示し、演出内容を表示可能なEL表示装置(有機EL表示装置、無機EL表示装置を含む)である。
なお、表示装置84は、EL表示装置に限定されず、本発明の目的を達成可能であれば液晶装置などであっても良い。
【0047】
1枚の表示装置84の表示領域500は、当該表示領域500を表示装置84の上下方向にわたって折り目を有するように屈曲又は湾曲することにより形成される接続領域540により複数の表示領域510,520,530に分けられる。
具体的には、
図4〜
図7に示すように、1枚の表示装置84の方形に形成された表示領域500を、左表示領域510と、左表示領域510より前方に位置することで、遊技者からの距離が異なり、左表示領域510とは遊技者方向の位置が異なる中表示領域520と、中表示領域520より後方に位置することで、遊技者からの距離が異なり、中表示領域520とは遊技者方向の位置が異なる右表示領域530とに分けられる。
【0048】
なお、左表示領域510と右表示領域530とは、遊技者方向の位置、すなわち、遊技機10の前後方向の位置が同じであるが、これに限定されず、いずれか一方をより遊技機10の後方に位置するようにしても良い。
【0049】
また、
図4〜
図7に示す左表示領域510、中表示領域520、右表示領域530は、全て、遊技者方向に対し正対して設けられているが、これに限定されず、特に左表示領域510と右表示領域530とは、遊技者方向に対し正対せず、斜め方向を向くようにしても良い。
すなわち、接続領域540と隣接する左表示領域510、右表示領域530の一辺で中表示領域520と遊技機10の前後方向の位置が異なれば、接続領域540と隣接しない他辺側が中表示領域520と遊技機10の前後方向の位置が同じであっても良い。
【0050】
そして、左表示領域510と中表示領域520との間、中表示領域520と右表示領域530との間には、表示領域を屈曲又は湾曲することにより形成される接続領域540が設けられる。
かかる接続領域540は、
図4〜
図7に示すように、遊技者方向に対し平行する向きに屈曲又は湾曲されているため、遊技者からは視認し辛いようにされている。
また、接続領域540は、後述するが暗色に制御される。
【0051】
すなわち、1枚の表示装置84の表示領域500を屈曲又は湾曲することにより、方形に形成された表示領域500は、左側から、左表示領域510、接続領域540、中表示領域520、接続領域540、右表示領域530に、それぞれ分けられることとなる。
【0052】
なお、表示領域500は、左表示領域510、接続領域540、中表示領域520、接続領域540、右表示領域530に、それぞれ分けられる場合に限定されず、他の方向、例えば、表示装置84の左右方向に折り目を有するように屈曲又は湾曲することで、上側から上表示領域、接続領域、中表示領域、接続領域、下接続領域に、それぞれ分けるようにしても良い。
また、表示領域500は、左表示領域510、中表示領域520、右表示領域530の3領域だけではなく、2領域や、4領域以上であっても良い。
【0053】
また、表示装置84は、
図4〜
図7に示すように、目隠し部材550、可動部材560を備える。
目隠し部材550は、接続領域540を覆うものである。
また、目隠し部材550は、特に、
図6、
図7に示すように、接続領域540に加え、接続領域に隣接する表示領域500の一部についても覆うようにしている。
具体的には、右表示領域530と中表示領域520との間の接続領域540を覆う目隠し部材550の場合は、接続領域540に加え、右表示領域530の接続領域540に隣接する部分530aと、中表示領域520の接続領域540に隣接する部分520bとについても覆うようにしている。
【0054】
また、同様に、左表示領域510と中表示領域520との間の接続領域540を覆う目隠し部材550の場合は、接続領域540に加え、左表示領域510の接続領域540に隣接する部分510aと、中表示領域520の接続領域540に隣接する部分520bとについても覆うようにしている。
ここで、目隠し部材550の形状については、接続領域540に加え、隣接する表示領域500の一部を覆うことが可能であれば、特に限定するものではない。
すなわち、表示領域500を屈曲又は湾曲させる際に、実際には屈曲又は湾曲した箇所が曲面状に形成されることとなり、当該曲面状に形成された表示領域500の部分が遊技者に見えることで、1つの表示装置84であっても複数枚の表示領域置500があるように見えづらくなる。
そのため、曲面状に形成される部分に目隠し部材550を設けることで、より表示領域500が複数あるように見せることが可能となる。
【0055】
可動部材560は、初期位置(
図4、
図6)と、複数の表示領域500のうち1つの表示領域500を当該表示領域500の後ろ側から遊技者方向に押し込む作動位置(
図5、
図7)と、を往復するものである。
ここで、可動部材560の形状については、1つの表示領域500を遊技者方向に押し込むことが可能であれば、特に限定するものではなく、
図4〜
図7に示すような形状の他、例えば、球状などでも良いが、
図4〜
図7に示すように、表示領域500を傷つけないように、少なくとも表示領域500と接する部分は丸みを帯びた形状に構成することが望ましい。
なお、可動部材560を往復させる構造については、説明を省略するが、ラック・アンド・ピニオンで往復するものなどが想定される。
【0056】
その他、
図4〜
図7に示すように、表示装置84の上下方向にわたって透明の素材により棒状に形成された押さえ部570を備えていても良い。
かかる押さえ部570を備えると、可動部材560で中表示領域520を遊技者方向に押し込む際に、中表示領域520全体が遊技者方向に押し込まれることなく、
図5、
図7に示すように、可動部材560に接する中表示領域520の一部520aのみを遊技者方向に押し込むことが可能となる。
【0057】
(制御装置100)
図2に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、主制御装置の一例であり遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段300とを備えている。
【0058】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われ、サブ制御手段300からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、ベットスイッチ32、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御手段300は、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0059】
図3に示すメイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の透明樹脂製の基板ケース200a,300aの内部に収納されている。具体的には、メイン基板は、メイン基板ケース200aの内部に収納され、サブ基板は、サブ基板ケース300aの内部に収納されている。
そして、
図3に示すように、メイン基板ケース200aは、筐体12内部の奥側、本実施の形態では、筐体12の背面板の上部に配置され、サブ基板ケース300aは、筐体12内部の正面から向かって左側の左側面板に固定されている。
【0060】
メイン制御手段200及びサブ制御手段300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0061】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン基板と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、データ表示器などの遊技島設備やホールコンピュータに接続されている。
【0062】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、
図8に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、有利区間制御手段260及び送信手段270の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、有利区間制御手段260は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段300が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0063】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0064】
上述したように、遊技状態に応じて規定の賭け数が設定されると、有効ライン86(
図1参照)が設定される。
賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0065】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0066】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0067】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定値1〜設定値6)設定されており、設定値によって当選確率の差がある役については、設定値1が最も低く、設定値6が最も高くなるように設定されている。
なお、設定値の段階は、6段階に限定されず、6段階未満の段階や7段階以上であっても良い。
【0068】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0069】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、役に当選するか否かの役抽選を実行するものである。そして、役抽選において決定された役を当選役ともいう。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数段階の設定値毎に予め定められた抽選確率で役に当選するか否かの役抽選を行うためのものである。
【0070】
役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン基板のROM上に記憶されている。
【0071】
役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0072】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、図示しないが、大別すると、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)、リプレイ役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆる再遊技役)、小役(メダルの払い出しを伴う役)が設けられている。
【0073】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0074】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0075】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、メイン制御手段200が備える手段であり、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
【0076】
(遊技制御手段250)
遊技制御手段250は、メイン制御手段200が備える手段であり、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図8に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態制御手段251、ボーナス内部中状態制御手段252及びボーナス遊技状態制御手段253の各手段を有する。
【0077】
(ノーマル遊技状態制御手段251)
ノーマル遊技状態制御手段251は、ノーマル遊技状態を制御するものである。ここで、ノーマル遊技状態は、ボーナス内部中状態制御手段252によるボーナス内部中状態、ボーナス遊技状態制御手段253によるボーナス遊技状態、以外の状態をいう。
【0078】
(ボーナス内部中状態制御手段252)
ボーナス内部中状態制御手段252は、「ボーナス内部中状態」(
図10参照)を制御するものである。ここで、ボーナス内部中状態は、ボーナス移行役に当選したが、当該ボーナス移行役に対応した図柄62の組み合わせを有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。
【0079】
(ボーナス遊技状態制御手段253)
ボーナス遊技状態制御手段253は、「ボーナス遊技状態」(
図10参照)を制御するものである。ここで、ボーナス遊技状態は、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応した図柄61の組み合わせを有効ライン86上に停止表示させることで移行する。
ボーナス遊技状態には、「RBB1」と、「RBB2」とがある。ここで、「RBB1」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば40枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB2」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば312枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、ボーナス遊技状態終了後、ノーマル遊技状態に移行する。
【0080】
(有利区間制御手段260)
有利区間制御手段260は、メイン制御手段200が備える手段であり、
図11を用いて後述するストップスイッチ50の操作態様を報知不可能な非有利区間と、報知可能な有利区間とを制御するものである。
そして、後述する演出制御手段320を用いてストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等を実行させる。
【0081】
また、有利区間制御手段260は、
図11に示すように、役抽選により予め定められた役に当選した場合に「非有利区間」から「有利区間」へ移行させる。
【0082】
なお、役抽選により予め定められた役に当選することにより、非有利区間から有利区間へ移行する場合に限定されず、当該役に当選することを契機に実行される抽選(有利区間移行抽選)により、有利区間へ移行することが決定された場合に移行するようにしても良い。
【0083】
(送信手段270)
送信手段270は、サブ制御手段300へ信号を送信するためのものである。
【0084】
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、
図9に示すように、受信手段310、演出制御手段320の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、演出制御手段320は、サブ制御手段300ではなく、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0085】
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段300は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0086】
(受信手段310)
受信手段310は、送信手段270からの信号を受信するものである。
【0087】
(演出制御手段320)
演出制御手段320は、
図10に示す遊技状態及び
図11に示す有利区間の状態に応じた遊技機10の演出を制御するものである。
また、演出制御手段320は、
図11に示す有利区間の間、メイン制御手段200の有利区間制御手段260からストップスイッチ50の押し順を報知させるコマンドを受信した場合に当該ストップスイッチ50の押し順を報知させる演出を実行する。
【0088】
具体的には、各ストップスイッチ50の位置(詳しくは各ストップスイッチ50に対応する回転リール62の位置)と対応する表示装置84の画面に、押し順を示す複数の画像又は映像(例えば「1」「2」「3」)を表示することで押し順を報知する。その後、前記押し順を示す画像又は映像は、ストップスイッチ50が操作される度に、当該操作されたストップスイッチ50の位置に対応する部分が消去(又は順序を示さない画像に変更)される。
なお、かかるストップスイッチ50の押し順を報知させる演出は、左表示領域510、中表示領域520及び右表示領域530のいずれの表示領域500を用いて実行することが可能であり、又、複数の表示領域500を用いて実行することも可能である。
【0089】
演出制御手段320は、各表示領域510,520,530のうち、主として、中表示領域520にメインとなる演出を表示し、左表示領域510と右表示領域530には、中表示領域520に表示される演出を補助する演出、例えば、所定の演出の消化ゲーム数を表示する演出、遊技の状態を説明する演出、例えば、後述するボーナス遊技状態(
図10参照)に滞在していることを説明する演出、遊技履歴を表示する演出、例えば、ボーナス遊技状態で払い出されたメダルの数を表示する演出、などを表示するようにしている。
【0090】
また、演出制御手段320は、接続領域540を暗色、例えば、黒色になるように制御する。
これにより、表示領域同士の境目に演出が実行されない領域を作ることができ、1枚の表示装置84が、あたかも複数枚の表示装置84であるかのように見せることが可能となる。
【0091】
また、演出制御手段320は、所定の契機で表示装置84の可動部材560のモータ(図示せず)を駆動することで、各表示領域510,520,530の面積を増減させている(
図4〜
図7参照)。
例えば、演出制御手段320は、後述する非有利区間(
図11参照)では、可動部材560が初期位置に位置し、遊技者にとって有利な有利区間、特に、AT状態の場合は、可動部材560を作動位置に移動させて、中表示領域520の面積を増加させて、遊技者に大きい面積で興趣に富んだ演出を実行するようにしている。また、逆に、非有利区間の場合に可動部材560を作動位置に移動させて、有利区間の場合は、可動部材560を初期位置に位置させるようにしても良い。
【0092】
その他、可動部材560のモータを駆動する契機としては、特に限定されず、例えば、非有利区間中に初期位置から作動位置に移動させるようにしても良いし、後述する所定の遊技状態(
図10参照)の場合、例えば、ノーマル遊技状態、ボーナス内部中状態又はボーナス遊技状態の場合に可動部材560を移動させるようにしても良い。また、役抽選により所定の役に当選した場合に可動部材560を移動させるようにしても良いし、遊技者の演出用ボタンスイッチ42などの操作により初期位置と作動位置との間で移動させるようにしても良い。
【0093】
また、演出制御手段320は、可動部材560で押し込まれた中表示領域520の部分520aは、
図5、
図7に示すように、半円柱状に形成されることから、かかる部分520aに他の中表示領域520とは異なる演出を表示することも可能である。
【0094】
また、1枚の表示装置84を用いており、当該1枚の表示装置84の表示領域500を複数の表示領域500と接続領域540とに分けていることから、可動部材560が初期位置にある場合の表示領域500のうち、どの部分が左表示領域510、中表示領域520、右表示領域530に該当するか、接続領域540に該当するか、が予め定められている。
また、同様に、可動部材560が作動位置にある場合の表示領域500のうち、どの部分が左表示領域510、中表示領域520、右表示領域530に該当するか、接続領域540に該当するか、が予め定められている。
【0095】
そのため、演出制御手段320は、可動部材560の位置により、表示領域500のうち、どの部分にどのような演出を表示するかなどを認識できており、複数枚の表示装置を用いた場合比べ、複数の表示領域同士の演出実行のタイミングがずれることもなく、又、演出の実行の制御を軽くすることが可能となる。
【0096】
(
図10を用いた遊技状態の説明)
つぎに、
図10を用いて遊技状態について説明する。
遊技状態は、メイン制御手段200により管理され、
図10に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態、ボーナス遊技状態がある。
【0097】
(ノーマル遊技状態)
ノーマル遊技状態は、ノーマル遊技状態制御手段251により制御される。
ノーマル遊技状態における役抽選によりボーナス移行役に当選した場合に、ノーマル遊技状態からボーナス内部中状態へ移行する。
【0098】
(ボーナス内部中状態)
ボーナス内部中状態は、ボーナス内部中状態制御手段252により制御され、ノーマル遊技状態において、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組合せが停止表示されなかった場合に移行する。
【0099】
(ボーナス遊技状態)
ボーナス遊技状態は、ボーナス遊技状態制御手段253により制御され、本実施の形態では、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組合せが停止表示された場合に移行する。
【0100】
ボーナス遊技状態は、「RBB1」と、「RBB2」とがある。ここで、「RBB1」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば40枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB2」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば312枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、ボーナス遊技状態終了後、ノーマル遊技状態に移行する。
【0101】
(
図11を用いた有利区間の説明)
図11に示すように、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合に、当該押し順を遊技者に報知不可能な「非有利区間」と、「非有利区間」から移行可能であり、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合に、当該押し順を遊技者に報知可能な「有利区間」とがある。
【0102】
「非有利区間」は、「有利区間」を除いた区間である。
「非有利区間」から「有利区間」には、非有利区間における役抽選により予め定められた役に当選したことに基づいて移行する。
なお、「非有利区間」から「有利区間」には、予め定められた役に当選したことに基づいて移行する場合に限定されず、予め定められた役に当選し、当該役に対応する図柄組合せが有効ライン86上に停止表示されたことに基づいて移行することとしても良いし、又、予め定められた役に当選した場合に有利区間移行抽選を行い、当該有利区間移行抽選に当選したことに基づいて移行することとしても良い。
【0103】
また、本実施の形態では、区間報知ランプ90は、有利区間へ移行する契機となる予め定められた役に当選したゲームのいわゆる第3停止後に点灯するように設定されている。
【0104】
(有利区間)
「有利区間」は、「非有利区間」よりも遊技者に有利な区間であって、図示しないが、「AT状態」などを備える。
【0105】
なお、ここで、遊技者に有利な区間とは、例えば、非有利区間では、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合であっても、当該押し順を遊技者に報知することが不可能であった状態から可能な状態になったことや、非有利区間では実行されないART状態が実行されることなどから、遊技者に有利な区間となっている。
したがって、「有利区間」全体を通して遊技者にとって有利である必要はなく、「有利区間」の一部で遊技者にとって有利ではないことがあっても良い。
【0106】
また、非有利区間から有利区間へ移行してから、所定の上限ゲーム数、例えば1500ゲームを消化した場合は、有利区間の上限ゲーム数に到達したとして、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
そのため、メイン制御手段200では、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の消化ゲーム数を計数している。
【0107】
また、非有利区間から有利区間へ移行した後、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)を消化する前(有利区間の上限ゲーム数に到達する前)であっても、予め定められた所定枚数の出玉(例えばいわゆる差枚数2400枚)を獲得したときには、これを契機に、上限ゲーム数を消化する前であっても、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
そのため、メイン制御手段200では、予め定められた所定枚数の出玉(いわゆる差枚数2400枚)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の投入枚数と払出枚数とを計数している。
【0108】
また、有利区間には、AT状態だけではなく、有利区間からAT状態などの特殊な状態を除いた有利区間通常状態や、AT状態のゲーム数を上乗せさせるか否かを抽選する上乗せ状態、AT状態を継続させるか否かを抽選する継続状態などを備えても良い。
【0109】
(AT状態)
「AT状態」は、「非有利区間」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、所定の役の入賞をアシストするための報知演出として、当選した役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
「AT状態」は、所定のゲーム数、例えば50ゲームの間、実行可能な状態である。そして、所定のゲーム数が消化されると、「AT状態」から「非有利区間」や「有利区間通常状態」へ移行する。
【0110】
(可動部材による表示領域の変動)
図4〜
図7を用いて、可動部材560による表示領域500の面積の増加と減少について説明する。
上述したように、表示装置84の可動部材560を初期位置と、作動位置と、を往復させることが可能に形成されている。
ここで、初期位置は、
図4、
図6に示すように、複数の表示領域500のうちの1つの表示領域500、例えば、中表示領域520を遊技者方向に押し込んでいない状態である。
作動位置は、
図5、
図7に示すように、複数の表示領域500のうち1つの表示領域500、例えば、中表示領域520を遊技者方向に押し込んだ状態である。
【0111】
そして、可動部材560により押し込まれた表示領域500は面積が増加し、他の表示領域500は面積が減少する。
具体的には、可動部材560により押し込まれた中表示領域520は、遊技者方向に押し込まれた分面積が増加する一方、中表示領域520の増えた面積の半分ずつ、左表示領域510は、表示装置84の凸状に形成されたフレーム部580の図示しないレールに沿って、右側に遊技者方向に対し正対する向きに平行移動し、右表示領域530は、表示装置84の凸状に形成されたフレーム部580の図示しないレールに沿って、左側に遊技者方向に正対する向きに平行移動することになり、面積が減少する。
【0112】
すなわち、左表示領域510であった表示領域500の一部は接続領域540に移動し、接続領域540であった表示領域500の一部は中表示領域520へ移動し、右表示領域530であった表示領域500の一部は接続領域540に移動し、接続領域540であった表示領域500の一部は中表示領域520へ移動する。
そのため、左表示領域510と右表示領域530とは、可動部材560が作動位置に移動することにより遊技者側に押し込まれる中表示領域520に引っ張られるように中表示領域520側に面積が減少することとなる。
これにより、可動部材560を制御するだけで、各表示領域500の表示面積を変動させることが可能となる。
【0113】
なお、中表示領域520の面積が増加する分の半分ずつ、左表示領域510と右表示領域530との面積が減少するようにしているが、これに限定されず、左表示領域510と右表示領域530とのいずれかを固定することで面積が減少しないように設置し、中表示領域520の面積が増加する分を固定されていない左表示領域510と右表示領域530とのいずれかのみをレールに沿って移動させることで面積が減少するようにしても良い。
【0114】
また、表示領域500の面積を元に戻す際には、可動部材560を作動位置から初期位置に移動させることで、中表示領域520の面積が減少し、左表示領域510と右表示領域530との面積が増加するようにしている。
かかる表示領域500の面積を元に戻す構造については、図示しないが、左表示領域510を左側に、右表示領域530を右側に常時付勢するバネなどを備えており、当該バネにより左表示領域510と右表示領域530とが元の面積に戻り、これに伴い中表示領域520の面積も元の面積に戻るようにしている。
【0115】
また、
図5、
図7の矢印は、可動部材560の移動と、それに伴う左表示領域510、中表示領域520、右表示領域530それぞれの移動を示すものである。
【0116】
(変形例)
つぎに、
図12〜
図15を用いて、表示装置84の変形例について説明する。
本変形例では、
図12〜
図15に示すように、1枚の表示装置84の方形に形成された表示領域500を、左表示領域510と、左表示領域510より後方に位置することで、左表示領域510とは遊技者方向の位置が異なる中表示領域520と、中表示領域520より前方に位置することで、中表示領域520とは遊技者方向の位置が異なる右表示領域530とに分けられる。
【0117】
なお、左表示領域510と右表示領域530とは、遊技者方向の位置、すなわち、遊技機10の前後方向の位置が同じであるが、これに限定されず、いずれか一方をより遊技機10の前方に位置するようにしても良い。
また、
図12〜
図15に示す左表示領域510、中表示領域520、右表示領域530は、全て、遊技者方向に対し正対して設けられているが、これに限定されず、特に左表示領域510と右表示領域530とは、遊技者方向に対し正対せず、斜め方向を向くようにしても良い。
【0118】
そして、左表示領域510と中表示領域520との間、中表示領域520と右表示領域530との間には、表示領域500を屈曲又は湾曲することにより形成される接続領域540が設けられる。
かかる接続領域540は、
図12〜
図15に示すように、遊技者方向に対し平行する向きに屈曲又は湾曲されているため、遊技者からは視認し辛いようにされている。
【0119】
すなわち、1枚の表示装置84の表示領域500を屈曲又は湾曲することにより、方形に形成された表示領域500は、左側から、左表示領域510、接続領域540、中表示領域520、接続領域540、右表示領域530に、それぞれ分けられることとなる。
【0120】
また、表示装置84は、
図12〜
図15に示すように、目隠し部材550、可動部材560を備える。
目隠し部材550は、接続領域540を覆うものである。
また、目隠し部材550は、特に、
図14、
図15に示すように、接続領域540に加え、接続領域540に隣接する表示領域500の一部についても覆うようにしている。
具体的には、右表示領域530と中表示領域520との間の接続領域540を覆う目隠し部材550の場合は、接続領域540に加え、右表示領域530の接続領域540に隣接する部分と、中表示領域520の接続領域540に隣接する部分とについても覆うようにしている。
ここで、目隠し部材550の形状については、接続領域540に加え、隣接する表示領域500の一部を覆うことが可能であれば、特に限定するものではない。
【0121】
可動部材560は、初期位置(
図12、
図14)と、複数の表示領域500のうち1つの表示領域500を当該表示領域500の後ろ側から遊技者方向に押し込む作動位置(
図13、
図15)と、を往復するものである。
なお、可動部材560を往復させる構造については、説明を省略するが、ラック・アンド・ピニオンで往復するものなどが想定される。
【0122】
つぎに、本変形例における可動部材560による表示領域500の面積の増加と接続領域540の面積の減少について説明する。
本変形例では、可動部材560により押し込まれた表示領域500は面積が増加し、接続領域540は面積が減少するようにしている。
【0123】
すなわち、可動部材560により押し込まれた中表示領域520は、遊技者方向に押し込まれた分面積が増加する一方、中表示領域520の増えた面積の半分ずつ、左表示領域510と中表示領域520との間の接続領域540と、右表示領域530と中表示領域520との間の接続領域540との面積が減少するようにしている。
【0124】
具体的には、可動部材560が初期位置にある場合に屈曲又は湾曲された位置から接続領域540側に移動した位置で屈曲又は湾曲することにより、接続領域540の面積が減少される。
このため、左表示領域510と右表示領域530とは、面積をそのままに、減少した接続領域540分、後方に移動することとなる。
【0125】
これにより、接続領域540の面積が減少することで、可動部材560により押し込まれた中表示領域520と、左表示領域510、右表示領域530と、の遊技機10の前後方向の位置の配置のずれが大きい状態(
図12、
図14参照)から小さい状態(表示領域が平坦に近づく状態、
図13、
図15参照)にすることが可能となる。
【0126】
なお、本変形例の場合は、図示しないが、左表示領域510と右表示領域530との後方にバネなどを備え、当該バネにより左表示領域510と右表示領域530とを遊技者方向に常時付勢しているとともに、遊技者方向である前後方向に左表示領域510と右表示領域530とが移動することを可能にしていることが望ましい。
【0127】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0128】
以上のように、本発明では、以下の効果を奏する。
本発明は、1枚の表示装置84を使用することで、画像の表示制御を軽くしつつ、1枚の表示装置84を用いていながらも、複数枚の表示装置を使用しているかのような演出を実行することが可能な遊技機10を提供することができる。
また、複数枚の表示装置を使用するよりも、1枚の表示装置84を使用することでコスト面の負担を軽減することが可能な遊技機10を提供することができる。
【0129】
また、本発明は、さらに、表示領域同士の境目を明確にすることができ、1枚の表示装置であっても表示領域が複数あるように見せることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0130】
また、本発明は、さらに、より表示領域500同士の境目を明確にすることができ、1枚の表示装置84であっても表示領域500が複数あるように見せることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0131】
また、本発明は、さらに、1つの可動部材560を作動させることで、複数の表示領域500の面積を増加又は減少させることが可能な遊技機10を提供することができる。
そして、増加又は減少させた表示領域500を用いて各種の演出をすることが可能となる。
【0132】
また、本発明は、さらに、1つの可動部材560を作動させることで、各表示領域500の遊技者方向の位置を変動させることが可能な遊技機10を提供することができる。
すなわち、接続領域540の面積が減少することで、可動部材560により押し込まれた表示領域、例えば、中表示領域520と、他の表示領域、例えば左表示領域510、右表示領域530と、の遊技機10の前後方向の位置の配置のずれを大きくしたり小さくしたりすることが可能となる。
【0133】
また、本発明は、さらに、EL表示装置は、液晶表示装置などの他の表示装置に比べ、折り曲げ耐性が強いことから、表示領域を屈曲又は湾曲させることによる故障などの確率を低くすることが可能な遊技機10を提供する際に最適である。
【課題】1枚の表示装置を使用することで、画像の表示制御を軽くしつつ、1枚の表示装置を用いていながらも、複数枚の表示装置を使用しているかのような演出を実行することが可能な遊技機に関するものである。
【解決手段】1枚の表示装置84の表示領域500は、表示領域500を屈曲又は湾曲することにより形成される接続領域540により複数の表示領域500に分けられ、複数の表示領域500の少なくとも1つの表示領域は、遊技者方向に対し正対して設けられ、複数の表示領域500は遊技者方向の位置が異なるように配置され、表示装置84には接続領域540を覆う目隠し部材550を設けることを特徴とする。