(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
この説明および図面は、単に、本発明の原理を例証するものである。したがって、本明細書では明示的に説明されておらず示されてもいないが、当業者であれば、本発明の原理を具現化し、その精神と範囲とに含まれる様々な構成を考案することが可能であることは、理解されるだろう。さらに、本明細書に記載されたすべての例は、基本的に、読者が、本発明の原理と技術分野の発展のために発明者により寄与された概念とを理解する際の補助になる教育的な目的のためのものにすぎない、ということが明確に意図されており、それらの個別的に記載された例および条件に限定されずに、解釈されるべきである。その上に、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの特定の例に言及する本明細書の全記載はそれらの均等物にも及ぶことが意図されている。
【0030】
複数の図面に図示されている複数の処理ユニットにわたる処理機能を分離することは、重要ではなく、当業者によって理解されるように、処理ユニットの個数と、処理機能の個数と、複数の処理機能の複数の処理ユニットへの配分とは、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく、変化し得る。方法を実行するためのステップの個数は、重要ではなく、当業者によって理解されるように、ステップの個数と、ステップのシーケンスとは、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく、変化し得る。
【0031】
図1は、光伝送ネットワークのための従来型のラインカードLC−PAと、ラインカードLC−PAに接続されている光ファイバFB−IN−1、FB−OUT−1、FB−IN−2、FB−OUT−2とのブロック図を概略的に示している。簡略化するために、光伝送ネットワークは、図示されていない。
【0032】
入力光ファイバFB−IN−1、FB−IN−2は、光伝送ネットワークのルータ、スイッチまたはそれら以外のデバイスからの光接続を提供し、出力光ファイバFB−OUT−1、FB−OUT−2は、光伝送ネットワークの同じまたはさらなるルータ、スイッチもしくはデバイスに光接続を提供する。同じルータ、スイッチまたはデバイスは、典型的な場合である双方向接続の場合に、適用される。光伝送ネットワークのルータ、スイッチならびにさらなるルータおよびスイッチもまた、簡略化のために、図示されていない。
【0033】
ラインカードLC−PAは、例示的に、第1の光インタフェースIF−1と、第2の光インタフェースIF−2とを含む。光インタフェースIF−1、IF−2は、好ましくは、双方向的なインタフェースであり得るのであって、たとえば、XFPモジュール(XFP=10ギガビットのスモールフォームファクタプラガブル(Small Form Factor Pluggable))であり得る。あるいは、ラインカードLC−PAが、1つの光入力/出力インタフェース、または、4もしくはそれよりさらに多くの光入力/出力インタフェースを含む場合もあり得る。さらなる代替形態では、インタフェースIF−1、IF−2が、一方向性のインタフェースである場合もあるが、一方向性のインタフェースとは、第1の光インタフェースIF−1がたとえば光入力インタフェースであり、第2の光インタフェースIF−2がたとえば光出力インタフェースであり得る、ということを意味する。
【0034】
第1の光入力ファイバFB−IN−1は、第1の光インタフェースIF−1の入力ポートIP−IF−1に接続されている。第1の光出力ファイバFB−OUT−1は、第1の光インタフェースIF−1の出力ポートOP−IF−1に接続されている。同様にして、第2の光入力ファイバFB−IN−2は、第2の光インタフェースIF−2の入力ポートIP−IF−2に接続され、第2の光出力ファイバFB−OUT−2は、第2の光インタフェースIF−2の出力ポートOP−IF−2に接続されている。第1の光インタフェースIF−1と第2の光インタフェースIF−2とは、共に、たとえば、光受信信号を入力方向の電気入力信号に変換し、たとえば、電気出力信号を出力方向の光送信信号に変換するように、構成されている。
【0035】
ラインカードLC−PAは、さらに、第1の処理ユニットPU−1−PAと第2の処理ユニットPU−2−PAとを含むが、これらは、たとえば、プリント回路基板上の電子回路であり得る。第1の処理ユニットPU−1−PAと第2の処理ユニットPU−2−PAとは、それぞれが、SDH/Sonet、OTN、イーサネット(登録商標)またはIPなどの適用される伝送フォーマットに従って、入力データと出力データとを処理するために、ある特定のデータ処理機能またはいくつかのデータ処理機能を提供するように構成されている。これらのデータ処理機能は、いわゆる通過トラフィックPTT(
図2を参照)の識別に加えて、たとえば、IPルーティング、イーサネットスイッチング、OTNフレーミング、OTNマッピングまたはOTNスイッチングである。第1の処理ユニットPU−1−PAは、第1の光インタフェースIF−1の入力データと出力データをと処理する責任を有し得るのに対し、第2の処理ユニットPU−2−PAは、第2の光インタフェースIF−2の入力データと出力データをと処理する責任を有し得る。一代替形態では、ラインカードLC−PAが、第1の光インタフェースIF−1と第2の光インタフェースIF−2との両方の、または、さらに多くの光インタフェースの入力データと出力データとを処理する責任を有する単一の処理ユニットを含む場合があり得る。さらなる代替形態では、n個(n≧2)の処理ユニットが単一の光インタフェースの入力データと出力データとを処理する責任を有する場合があり得、または、より一般的には、m個(m≧1)の処理ユニットがn個(n≧1)の光インタフェースの入力データと出力データとを処理する責任を有する場合があり得る。
【0036】
簡略化のため、第1の処理ユニットPU−1−PAと第2の処理ユニットPU−2−PAとの間の接続、処理ユニットPU−1−PA、PU−2−PAといわゆるバックプレーンとの間の接続、または、処理ユニットPU−1−PA、PU−2−PAとさらなるラインカードのさらなる処理ユニットとの間の接続は、図示されていない。
【0037】
ラインカードLC−PAは、さらに、第1の光インタフェースIF−1と第1の処理ユニットPU−1−PAとの間の第1の内部双方向接続IBC−1と、第2の光インタフェースIF−2と第2の処理ユニットPU−2−PAとの間の第2の内部双方向接続IBC−2とを含む。第1の内部双方向接続IBC−1は、第1の光インタフェースIF−1から第1の処理ユニットPU−1−PAへ、第1の電気入力信号を提供し、第1の処理ユニットPU−1−PAから第1の光インタフェースIF−1へ、第1の電気出力信号を提供する。同様にして、第2の内部双方向接続IBC−2は、第2の光インタフェースIF−2から第2の処理ユニットPU−2−PAへ、第2の電気入力信号を提供し、第2の処理ユニットPU−2−PAから第2の光インタフェースIF−1へ、第2の電気出力信号を提供する。
【0038】
図2は、
図1のラインカードLC−PAとの関係で、通過トラフィックPTTと、いわゆる終端トラフィックTTと、いわゆる発生トラフィックOTとが、どのようにラインカードLC−PAによって処理されるかを、概略的に示している。
【0039】
終端トラフィックTTは、データトラフィックであり、このデータトラフィックは、光入力ファイバFB−IN−1、FB−IN−2の一方から、光入力/出力インタフェースIF−1、IF−2の対応する一方によって抽出され、たとえばIPルーティング、イーサネットスイッチング、OTNフレーミング、OTNマッピングおよびOTNスイッチングを適用するネットワークプロファイルに従って、処理ユニットPU−1−PA、PU−2−PAの一方によって処理される。例示であるが、第1の光入力単一波長信号で変調された第1の入力データトラフィックは、第1の光インタフェースIF−1で受信され、第1の光インタフェースIF−1によって、第1の電気入力信号に変換される。第1の電気入力信号は、第1の光インタフェースIF−1から、第1の内部双方向接続IBC−1を介して、第1の処理ユニットPU−1−PAに提供されるが、この第1の処理ユニットPU−1−PAは、第1のステップにおいて、第1の入力データトラフィックの受信アドレスを識別し、第2のステップにおいて、第1の入力データトラフィックを終端トラフィックTTとして検出し、その理由は、この受信アドレスは、ラインカードLC−PAまたはラインカードLC−PAを設置済みのネットワークノードに属するからであり、したがって、第3のステップにおいて、第1の入力データトラフィックを、例示的に上述された対応するネットワークプロファイルに従って処理する。これは、第1の入力データトラフィックが、たとえば、第1の入力/出力インタフェースIF−1などラインカードLC−PAの別の光入力/出力インタフェースに、または、ラインカードLC−PAを設置済みのネットワークノードの別のラインカードLC−PAに転送され得る、ということを意味する。
【0040】
発生トラフィックOTは、さらなるデータトラフィックであり、これは、光インタフェースIF−1、IF−2の一方によって、光出力ファイバFB−OUT−1、FB−OUT−2の対応する一方に、追加される。発生トラフィックOTを用いて変調された第2の電気出力信号は、たとえば、ネットワークノードの別のラインカードから、発生トラフィックOTを第2の内部双方向接続IBC−2を介して第2の光インタフェースIF−2に転送する第2の処理ユニットPU−2−PAに提供され得る。第2の光インタフェースIF−2は、第2の電気出力信号を、発生トラフィックOTを用いて変調された第2の光出力信号に変換し、発生トラフィックを、第2の光出力ファイバFB−OUT−2に出力する。
【0041】
通過トラフィックPTTは、またさらなるデータトラフィックであり、これは、光入力ファイバFB−IN−1、FB−IN−2の一方を介して、光インタフェースIF−1、IF−2の一方において受信され、光インタフェースIF−1、IF−2の他方によって、光出力ファイバFB−OUT−1、FB−OUT−2の対応する一方を介して、転送される。このような通過トラフィックPTTは、たとえば、各ネットワークノードが厳密に2つの他のネットワークノードに接続する、いわゆる光リングネットワークまたはERPネットワーク(ERP=イーサネットリングプロテクション)において出現し、各ネットワークノードを通過する光信号のための単一の連続的な経路を形成する。データトラフィックを光リングネットワークに挿入する入力ネットワークノードとデータトラフィックを光リングネットワークから抽出する出力ネットワークノードとの間で、連続的な経路に沿った各ネットワークノードが、データトラフィックを処理する。例示的には、第2の光入力単一波長信号で変調された第2の入力データトラフィックが、第1の光インタフェースIF−1で受信され、第1の光インタフェースIF−1によって第2の電気入力信号に変換される。第2の電気入力信号は、第1の光インタフェースIF−1から、第1の内部双方向接続IBC−1を介して、第1の処理ユニットPU−1−PAに提供され、第1の処理ユニットPU−1−PAは、第2の入力データトラフィックを、第2の入力データトラフィックが通過トラフィックPTTであることを識別するために、当業者に知られている方法に従って処理する。このような場合には、識別された通過トラフィックPTTは、第1の処理ユニットPU−1−PAから、第2の処理ユニットPU−2−PAに提供し得るが、第2の処理ユニットPU−2−PAは、さらに、第2の処理ユニットPU−2−PAからの第2の電気出力信号を、第2の内部双方向接続IBC−2を介して、第2の光インタフェースIF−2に提供する。第2の光インタフェースIF−2は、第2の電気出力信号を第2の光出力信号に変換し、通過トラフィックPTTを用いて変調された第2の光出力信号を第2の光出力ファイバFB−OUT−2に出力する。
【0042】
図3は、例示的な実施形態に従って第1の動作モードと第2の動作モードの間で切り替え可能なラインスイッチングコンポーネントLSCのブロック図を、概略的に示している。一般に、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、少なくとも1つの第1の入力ポートEIP−1と、少なくとも1つの第1の出力ポートEOP−1と、少なくとも1つの第2の出力ポートIOP−2と、少なくとも1つの第2の入力ポートIIP−2と、スイッチング可能な光経路システムSLSとを含み得る。
【0043】
少なくとも1つの第1の入力ポートEIP−1は、光入力信号を、光伝送ネットワークから、
図1および
図2に示されている第1の光入力ファイバFB−IN−1または第2の光入力ファイバFB−IN−2であり得る光入力ファイバFB−INを介して受信するように、構成されている。少なくとも1つの第1の出力ポートEOP−1は、光出力信号を、光伝送ネットワークに、
図1および
図2に示されている第1の光出力ファイバFB−OUT−1または第2の光出力ファイバFB−OUT−2であり得る光出力ファイバFB−OUTを介して送信するように、構成されている。少なくとも1つの第2の出力ポートIOP−2は、
図5に示されているラインカードLCの光インタフェースIF−1、IF−2の一方の入力ポートに接続されるように、構成されている。少なくとも1つの第2の入力ポートIIP−2は、ラインカードLCの光インタフェースIF−1、IF−2の一方の出力ポートに接続されるように、構成されている。
【0044】
スイッチング可能な光経路システムSLSは、光入力信号を少なくとも1つの第1の入力ポートEIP−1において受信し、光入力信号を、少なくとも1つの第2の出力ポートIOP−2を介して、光インタフェースIF−1、IF−2の一方に、光インタフェースIF−1、IF−2のその一方における光入力信号のさらなる処理のために、提供し、光出力信号を、光インタフェースIF−1、IF−2のさらなる一方から、少なくとも1つの第2の入力ポートIIP−2において、少なくとも1つの出力ポートEOP−1を介して光出力信号を送信するために、受信することによって、ラインスイッチングコンポーネントLSCを第1の動作モードで動作させるように、構成されている。さらなる処理とは、入力データと出力データとを、
図1に関して上述されたSDH/Sonet、OTN、イーサネットまたはIPなど、適用される伝送フォーマットに従って処理するための特定のデータ処理機能であり得る。そのような処理機能は、たとえば、通過トラフィックPTTの識別に加えて、IPルーティング、イーサネットスイッチング、OTNフレーミング、OTNマッピング、またはOTNスイッチングである。
【0045】
スイッチング可能な光経路システムSLSは、さらに、誤動作がラインカードLCにおいてもしくはラインカード(
図9を参照)を含むネットワークノードにおいて生じたとき、または、第2の動作モードが強制されているときに、光入力信号を光出力信号として送信するために、光入力信号を、少なくとも1つの第1の入力ポートEIP−1から、少なくとも1つの第1の出力ポートEOP−1に転送することによって、ラインスイッチングコンポーネントLSCを第2の動作モードで動作させるように、構成されている。
【0046】
ラインスイッチングコンポーネントLSCは、好ましくは、少なくとも1つのスイッチSW−1、SW−2を含んでおり、この少なくとも1つのスイッチSW−1、SW−2は、第1の動作モードの間に、光入力信号を、少なくとも1つの光インタフェースIF−1、IF−2に提供し、光出力信号を、少なくとも1つの光インタフェースIF−1、IF−2から受信し、第2の動作モードの間に、光入力信号を、少なくとも1つの入力ポートEIP−1から少なくとも1つの出力ポートEOP−1に転送するように、構成されている。
【0047】
単一のスイッチは、たとえば、Ming.C.Wu、「Optical bench technology holds promise」、Electrical Engineering Department、University of California、Los Angeles、1999年6月3日(http://www.embedded.com/print/4038281)に記載されている光MEMSスイッチに基づき得る。この光MEMSスイッチは、n個の入力ファイバとn個の出力ファイバとに対して、nxnアレイを含む。入力ファイバの位置は、内部接続ラインICL−1、ICL−2を接続するのに用いられ得、出力ファイバの位置は、さらなる内部接続ラインICL−3、ICL−4、ICL−5を接続するのに用いられ得る。あるいは、少なくとも1つのスイッチSW−1、SW−2は、米ソーラボ社(Thorlabs)によって提供されるような光MEMSスイッチ(たとえば、製品番号OSW22−xxx−SMを有する光MEMSスイッチ)に基づき得る。少なくとも1つのスイッチSW−1、SW−2は、たとえば、2次元MEMS光学素子であり得る。「2次元」とは、たとえば、マイクロミラーが、ある1つの入力ポートで受信された入力光信号を、並んで構成されている2つまたはそれより多くの出力ポートのうちの1つに偏向させることができるように構成されていることを意味する。
【0048】
電力がMEMS光スイッチに加えられていないときは、MEMS光スイッチのすべてのマイクロミラーは、たとえばバー状態であるそれらの初期状態に戻り、それによって、すべてのデータトラフィックが、ラインカードLCにおけるまたはネットワークノードNNにおける動作の故障をバイパスすることができる。
【0049】
図3に示されているラインスイッチングコンポーネントLSCは、第1のスイッチSW−1と第2のSW−2とを例示的に含む。
【0050】
第1の入力ポートEIP−1と第1の出力ポートEOP−1とは、外部ポートである。「外部」とは、第1の入力ポートEIP−1が光伝送ネットワークの光入力ファイバFB−INと接続されるように構成され、第1の出力ポートEOP−1が光伝送ネットワークの光出力ファイバFB−OUTと接続されるように構成されていることを意味する。
【0051】
第2の入力ポートIIP−2と第2の出力ポートIOP−2とは、内部ポートである。「内部」とは、第2の出力ポートIOP−2と第2の入力ポートIIP−2とが、好ましくは中間的なファイバ接続INT−FB−IN、INT−FB−OUTを介して、
図5に示されているラインカードLCの光インタフェースIF−1、IF−2の対応するポートと接続されるように構成されていることを意味する。
【0052】
第1のスイッチSW−1は、入力ポートSW1−IPと、第1の出力ポートSW1−OP−1と、第2の出力ポートSW1−OP−2と、制御インタフェースCI−1とを含む。第1のスイッチSW−1は、入力ポートSW1−IPと第1の出力ポートSW1−OP−1とを接続する第1の位置と入力ポートSW1−IPと第2の出力ポートSW1−OP−2とを接続する第2の位置との間で内部伝送経路をスイッチングするように構成されている。第1の位置と第2の位置とのどちらの1つが選択されるかは、制御インタフェースCI−1に印加される制御信号の信号形式と情報コンテンツとに依存する。制御信号は、電気信号または光信号であり得る。
【0053】
第2のスイッチSW−2は、第1の入力ポートSW2−IP−1と、第2の入力ポートSW2−IP−2と、出力ポートSW2−OPと、制御インタフェースCI−2とを含む。第2のスイッチSW−2は、第1の入力ポートSW2−IP−1と出力ポートSW2−OPとを接続するさらなる第1の位置と第2の入力ポートSW2−IP−2と出力ポートSW2−OPとを接続するさらなる第2の位置との間で内部伝送経路をスイッチングするように構成されている。さらなる第1の位置とさらなる第2の位置とのどちらの1つが選択されるかは、制御インタフェースCI−2に印加される制御信号の種類に依存する。
【0054】
「入力ポート」および「出力ポート」という用語は、データトラフィックのいかなる方向性も含意しないことに留意されたい。データトラフィックは、入力ポートから出力ポートに流れることもあり得、または、出力ポートから入力ポートに流れることもあり得る。これは、たとえば、入力ファイバFB−IN−1、FB−IN−2と出力ファイバFB−OUT−1−、FB−OUT−2とが、逆方向に光信号を送信するように適用され得る場合に、発生し得る。
【0055】
入力ポートSW1−IPは、内部接続ラインICL−1を介して、第1の入力ポートEIP−1に接続される。第1の出力ポートSW1−OP−1は、内部接続ラインICL−3を介して、第1の出力ポートSW2−IP−1に接続される。出力ポートSW2−OPは、内部接続ラインICL−2を介して、第1の出力ポートEOP−1に接続される。第2の出力ポートSW1−OP−2は、内部接続ラインICL−4を介して、第2の出力ポートIOP−2に接続される。第2の入力ポートSW2−IP−2は、内部接続ラインICL−5を介して、第2の入力ポートIIP−2に接続される。
【0056】
入力ポートEIP−1、IIP−2、出力ポートEOP−1、IOP−2と、第1のスイッチSW−1と第2のスイッチSW−2とのポートSW1−IP、SW1−OP−1、SW1−OP−2、SW2−IP−1、SW2−IP−2、SW2−OPは、好ましくは、光ファイバを接続するためのコネクタを用いて、実装され得る。
【0057】
代替実施形態では、さらなるラインスイッチングコンポーネントが、ラインカードの2つまたはそれより多くの光入力/出力インタフェースに対して
図3に示されているラインスイッチングコンポーネントの同様な機能を提供するために、さらなる1つまたはいくつかのさらなる外部入力ポートおよび外部出力ポートと、1つまたはいくつかのさらなる内部入力ポートおよび内部出力ポートとを含み得る。そのようなさらなるラインスイッチングコンポーネントは、
図3に示されたラインスイッチングコンポーネントに関する説明に基づいて各当業者によって実現されることが可能であるから、簡略化のために示されていない。
【0058】
ラインスイッチングコンポーネントLSCは、さらに、制御システムCOSに印加された制御信号の変化に基づいて、第2の動作モードへの強制を観察するように、または、
図5に示されているラインカードLCにおけるもしくは
図9に示されているネットワークノードNNにおける誤動作を観察するように構成された制御システムCOSを含む。
【0059】
制御システムCOSは、たとえば、制御ポートCPと、スイッチSW−1、SW−2の制御インタフェースCI−1、CI−2と、制御インタフェースCI−1、CI−2を制御ポートCPと接続して制御信号を制御インタフェースCI−1、CI−2に印加することを可能にする内部制御ラインCL−INTとを含み得る。
【0060】
MEMS光スイッチがスイッチSW−1、SW−2のために用いられるときには、たとえば、電気制御信号である制御信号の電力レベルPが、通常モードとも称されることがあり得る第1の動作モードのための所定の動作電力レベルP
opに設定される。所定の電力レベルは、MEMS光スイッチの少なくとも1つのマイクロミラーの少なくとも1つのマイクロアクチュエータのためのバイアスとして用いられ、入力ポートSW1−IPから来る光信号の光ビームが第2の出力ポートSW1−OP−2に偏向され、そして、第2の入力ポートSW2−IP−2から来るさらなる光信号のさらなる光ビームが出力ポートSW2−OPに偏向されることを可能にする第1の所定の位置に、少なくとも1つのマイクロアクチュエータが少なくとも1つのマイクロミラーを移動させるように、選択される。第1の動作モードの間に、光入力信号によって、光入力ファイバFB−IN、FB−IN−1、FB−IN−2のうちの1つを介して、第1の入力ポートEIP−1において受信される入力データトラフィックIDT、IDT−1、IDT−2(
図4および
図5を参照)が、インタフェースIF−1、IF−2における(
図5を参照)さらなる処理のために、第2の出力ポートIOP−2(
図4aおよび
図5を参照)に提供される。さらに、第1の動作モードの間に、光出力信号によって光インタフェースIF−1、IF−2(
図5を参照)の一方からラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−1、LSC−2に提供される出力データトラフィックODT、ODT−1、ODT−2(
図4および
図5を参照)が、第1の出力ポートEOP−1から、光出力ファイバFB−OUT、FB−OUT−1、FB−OUT−2(
図4aおよび
図5を参照)のうちの一つを介して、送信される。
【0061】
MEMS光スイッチは、通過動作モードとも称され得る第2の動作モードのために、制御信号が、ラインカードLCまたはネットワークノードNNの誤動作に起因して制御システムCOSによってもはや検出されず、制御ポートCPに提供されることがもはや不可能であるとき、または、電気制御信号の電力レベルPが、ラインカードLCもしくはネットワークノードNNから来てこれらによって第2の動作モードに切り替えるように命令される強制に起因して所定の動作電力レベルよりも小さな所定のスイッチ電力レベルP
swに設定されるときには、たとえば、機械的バネが、少なくとも1つのマイクロミラーを、入力ポートSW1−IPから来る光信号の光ビームが第1の出力ポートSW1−OP−1に偏向され、第1の入力ポートSW2−IP−1から来るさらなる光信号のさらなる光ビームが出力ポートSW2−OPに偏向されることを可能にする第2の所定の位置に移動させるように、構成される。第2の動作モードの間に、光入力信号によって、光入力ファイバFB−IN、FB−IN−1、FB−IN−2を介して、第1の入力ポートEIP−1において受信される入力データトラフィックIDT、IDT−1、IDT−2が、第1の出力ポートEOP−1(
図4b)を参照)に転送され、第1の出力ポートEOP−1から、さらなる光信号によって、光出力ファイバFB−OUT、FB−OUT−1、FB−OUT−2(
図4b)および
図6を参照)を介して、送信される。
【0062】
動作モードと、電気制御信号の電力レベルと、スイッチSW−1、SW−2のスイッチング状態との間の例示的関係が、次の表1に要約されている:
【0064】
図3に示されているラインスイッチングコンポーネントLSCは、例示的に、単一の入力ポートEIP−1と単一の出力ポートEOP−1とを有するように示され、光インタフェースIF−1、IF−2の一方から光インタフェースIF−1、IF−2の他方への単一の通過トラフィックのために、接続され、適用されるように、設計されている。簡略化のために図示されていないさらなる実施形態では、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、さらなる光インタフェースの間でさらなる通過トラフィックを処理するさらに多くの光インタフェースのために、接続され、適用されるように、設計されることがあり得る。そのような場合には、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、対応する個数の第1の入力ポートと、第1の出力ポートと、第2の出力ポートと、第2の入力ポートとを含み得る。これは、簡略化のために図示されていないが、当業者によれば、
図3に関する説明に基づいて、容易に実現されることが可能である。
【0065】
ラインスイッチングコンポーネントLSCが複数の通過トラフィックを処理するように構成されるときには、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、好ましくは、同時に、同じ動作モードで光インタフェースを動作させる(たとえば、第1の動作モードまたは第2の動作モード)、または、逆の動作モードで光インタフェースを別々に動作させる(たとえば、通過トラフィックを2つのさらなる光インタフェースの一方から2つのさらなる光インタフェースの他方に通過させるために、第1の動作モードで2つの光インタフェースを動作させ、同時に、2つのさらなる光インタフェースを第2の動作モードで動作させる)ように、構成され得る。これは、たとえば、インタフェースのそれぞれ1つに制御信号を印加し、たとえば電気制御信号の電力レベルを反転させるか、または、対応する光インタフェースのためにスイッチSW−1、SW−2のデフォルト状態を反転させることのいずれかによって、容易に行われ得る。
【0066】
ラインスイッチングコンポーネントLSCは、光入力ファイバFB−INを介して受信される任意のビットレートの任意のタイプの光伝送信号に対して、用いられることが可能であるが、その理由は、データトラフィックが、ラインスイッチングコンポーネントLSCだけの内部で光学的に処理されるから、すなわち、データトラフィックが、電気信号に変換されないからである。したがって、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、光信号のビットレート、ボーレート、変調フォーマット、波長などに対して完全に透過的である。ラインスイッチングコンポーネントLSCは、所定の波長範囲にだけではなく、ある1つの波長に適用可能である。
【0067】
ラインスイッチングコンポーネントLSCは、簡略化のために、単一の光入力ファイバFB−INと単一の光出力ファイバFB−OUTに対してだけ、示されている。光入力ファイバFB−INは、たとえば、第1の光入力ファイバFB−IN−1に対応し、光出力ファイバFB−OUTは、たとえば、第2の光出力ファイバFB−OUT−2に対応し得る。双方向光インタフェースIF−1、IF−2の場合には(
図5を参照)、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、第2の光入力ファイバFB−IN−2から第1の光出力ファイバFB−OUT−1への通過トラフィックPTTを用いた第2の動作モードを可能にするためのさらなるスイッチとさらなる内部接続ラインなど、コンポーネントのさらなるセットを含み得る。そのような場合、スイッチSW−1、SW−2は、光信号の反対方向への伝送のために、第1の動作モードと第2の動作モードとを処理するようにも構成され得る。これらの実施形態は、
図3に関する説明に基づき、当業者によって、容易に実現されることが可能である。
【0068】
図4a)は、
図3のラインスイッチングコンポーネントLSCとの関係で、2つのスイッチSW−1、SW−2が第1の動作モードに従って調整されるときに、
図2との関係で上述された終端トラフィックTTであり得る入力データトラフィックIDTのための第1の内部伝送経路と、
図2との関係でやはり上述された発生トラフィックOTであり得る出力データトラフィックODTのための第2の内部伝送経路とを、概略的に示している。
【0069】
第1のスイッチSW−1と第2のスイッチSW−2とは、第1のスイッチSW−1の入力ポートSW1−IPと第1のスイッチSW−1の第2の出力ポートSW1−OP−2とを介して、入力ポートEIP−1を出力ポートIOP−2に接続し、第2のスイッチSW−2の第2の入力ポートSW2−IP−1と第2のスイッチSW−2の出力ポートSW2−OPとを介して、入力ポートIIP−2を出力ポートEOP−1に接続するように、構成されている。これにより、スイッチSW−1、SW−2は、第1の動作モードの間に、第1の内部伝送経路と第2の内部伝送経路とを提供するように、構成される。
【0070】
図4b)は、
図3のラインスイッチングコンポーネントLSCとの関係で、2つのスイッチSW−1、SW−2が第2の動作モードに従って調整されるときに、
図2との関係でやはり上述された通過トラフィックPTTであり得る入力データトラフィックIDTのためのさらなる内部伝送経路を、概略的に示している。
【0071】
第1のスイッチSW−1と第2のスイッチSW−2とは、第1のスイッチSW−1の入力ポートSW1−IPと、第1のスイッチSW−1の第1の出力ポートSW1−OP−1と、第2のスイッチSW−2の第1の入力ポートSW2−IP−1と、第2のスイッチSW−2の出力ポートSW2−OPとを介して、入力ポートEIP−1を出力ポートEOP−1に接続するようにさらに構成される。これにより、スイッチSW−1とSW−2とは、第2の動作モードの間、さらなる内部伝送経路を提供するように構成される。
【0072】
図5は、ある例示的な実施形態によるラインカードLCのブロック図を概略的に示している。ラインカードLCは、光伝送ネットワークからの光入力信号を、光インタフェースIF−1、IF−2の入力ポートIP−IF−1、IP−IF−2において、受信し、光インタフェースIF−1、IF−2の出力ポートOP−IF−1、OP−IF−2から、光出力信号を、光伝送ネットワークに送信するための2つの光インタフェースIF−1、IF−2を含む。2つの光インタフェースIF−1、IF−2は、好ましくは、IEEE規格による、MSA(MSAとは、プラグ着脱可能光学装置のためのデファクト規格であるマルチソースアグリーメント)と称される、たとえば10GEの双方向光インタフェースである。
【0073】
ラインカードLCは、さらに、ラインスイッチングコンポーネントLSCを含む。あるいは、
図7との関係で後述されるラインスイッチングコンポーネントLSC−aが、適用される場合もあり得る。
【0074】
ラインカードLCは、さらに、
図5に概略が示されているように、ラインスイッチングコンポーネントLSCの第2の出力ポートIOP−2を、光インタフェースIF−1、IF−2の入力ポートIP−IF−1、IP−IF−2と接続するための内部ファイバ接続INT−FB−IN−1、INT−FB−IN−2と、ラインスイッチングコンポーネントLSCの第2の入力ポートIIP−2を、光インタフェースIF−1、IF−2の出力ポートOP−IF−1、OP−IF−2と接続するためのさらなる内部ファイバ接続INT−FB−OUT−1、INT−FB−OUT−2とを含み得る。既に上述されたように、
図3に示されているラインスイッチングコンポーネントLSCは、さらなる内部伝送経路をやはり逆方向に提供するための同様の内部接続ラインを有するように構成され拡張されることを必要とする。
【0075】
あるいは、ラインスイッチングコンポーネントLSCが、簡略化のために図示されていない2つの光インタフェースIF−1、IF−2に直接的に接続される場合もあり得る。
【0076】
ラインカードLCは、さらに、処理ユニットPU−1、PU−2と、さらなる内部接続ラインII−1、II−2とを含み得る。処理ユニットPU−1、PU−2のそれぞれ1つは、光インタフェースIF−1、IF−2の一方の電気インタフェースに、さらなる内部接続ラインII−1、II−2の一方を介して、接続され得る。あるいは、処理ユニットPU−1、PU−2が、光インタフェースIF−1、IF−2の電気インタフェースに直接に接続される場合もあり得る。処理ユニットPU−1、PU−2は、
図1との関係で上述された処理ユニットPU−1−PA、PU−2−PAとの関係で説明されたのと同様の機能を提供する。
【0077】
好ましくは、ラインカードLCは、さらに、制御信号生成ユニットCSGと、制御信号生成ユニットCSGとラインスイッチングコンポーネントLSCとの間の制御ラインCLとを含む。制御信号生成ユニットCSGは、制御信号を、制御ラインCLを介して、ラインスイッチングコンポーネントLSCの制御ポートCPに提供するように構成され得る。
【0078】
制御信号生成ユニットCSGと、制御ラインCLとは、さらに好ましくは、ラインスイッチングコンポーネントLSC−aのコンデンサまたはバッテリを充電するために適用されることがあり得る(
図7と対応する説明とを参照)。
【0079】
あるいは、処理ユニットPU−1、PU−2の一方が、ラインスイッチングコンポーネントLSCの制御システムCOSのために制御信号を生成するための制御信号生成ユニットを含むことがあり得る。この実施形態は、簡略化のために図示されていない。
【0080】
ラインカードLC(たとえば、制御信号生成ユニットCSG)とラインスイッチングコンポーネントLSCとの間の制御信号プロファイルは、たとえば、ラインカードLCが適切に機能している限り永久的に一定の電力信号、または、その機能状態を示す所定の周波数を有する周期的信号など、いくつかの潜在的な実装形態を有し得る。本発明は、それが第1の動作モードと第2の動作モードとの間の切り替えをサポートする限り、いかなる機構および信号形式も排除しない。
【0081】
好適な実施形態では、ラインカードLCが、さらに、ラインスイッチングコンポーネントLSC−1をラインカードLCに取り付けるように構成された取付具PCBH−1、PCBH−2を含む。これは、ラインスイッチングコンポーネントLSCが、ラインカードLCのための交換可能なプラグインコンポーネントであることを意味する。
【0082】
取付具PCBH−1、PCBH−2は、たとえば、Hプロファイルを有するPCBホルダであり得る。Hプロファイルの一方側は、ラインカードLCに固定され、Hプロファイルの他方の開放部は、たとえば、ラインスイッチングコンポーネントLSC−2の接地プレートのエッジを挿入するために用いられる。あるいは、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、MSAのために適用されたケージによって、または、単純に、ラインスイッチングコンポーネントLSCをラインカードLCに接続するために適用されるファイバコネクタによって、ラインカードLCに取り付けられる。
【0083】
ラインスイッチングコンポーネントLCSがラインカードLCに取り付けられ、ラインスイッチングコンポーネントLCSが第1の動作モードで動作されるときには、第1の入力データトラフィックIDT−1が、光伝送ネットワークから、第1の光入力信号を介して、ラインスイッチングコンポーネントLCSにおいて受信され、第1の光インタフェースIF−1に提供され、第1の出力データトラフィックODT−1が、第1の光インタフェースIF−1からラインスイッチングコンポーネントLCSに提供され、第1の光出力信号によって、光伝送ネットワークに送信され、第2の入力データトラフィックIDT−2が、光伝送ネットワークから、第2の光入力信号を介して、ラインスイッチングコンポーネントLCSにおいて受信され、第2の光インタフェースIF−2に提供され、第2の出力データトラフィックODT−2が、第2の光インタフェースIF−2からラインスイッチングコンポーネントLCSに提供され、第2の光出力信号によって、光伝送ネットワークに送信される。
【0084】
第1の入力データトラフィックIDT−1と第2の出力データトラフィックODT−2とは、第1の入力データトラフィックIDT−1に対して左側から来ている矢印と、第2の出力データトラフィックODT−2に対しては左方向を向いたさらなる矢印とによって指示されている第1の双方向トラフィックを表し得る。同様にして、第2の入力データトラフィックIDT−2と第1の出力データトラフィックODT−1とは、第2の入力データトラフィックIDT−1に対して右側から来ている矢印と、第1の出力データトラフィックODT−1に対しては右方向を向いたさらなる矢印とによって指示されている第2の双方向トラフィックを表し得る。
【0085】
簡略化のために図示されていない代替実施形態によると、さらなるラインカードが、2より多くの光インタフェースのための類似のレイアウトを含む場合があり得る。
【0086】
図6は、ラインスイッチングコンポーネントLCSがラインカードLCから切断されているときの、
図5のラインカードLCを概略的に示している。そのような場合には、制御信号生成ユニットCSG−1からラインスイッチングコンポーネントLCSの制御システムCOSに供給される電気制御信号はない。これは、ラインスイッチングコンポーネントLSCは、ラインスイッチングコンポーネントLSCがラインカードLCから切断されているときには、ラインスイッチングコンポーネントLSCに電力がまったく供給されない第2の動作モードで受動的に動作するように構成されていることを意味する。あるいは、
図8との関係で、後で論じられるラインスイッチングコンポーネントLSC−aが、ラインスイッチングコンポーネントLSCの代わりに、適用されるときには、ラインスイッチングコンポーネントLSC−aは、ラインスイッチングコンポーネントLSC−aの内部電源を用いることによって、第2の動作モードで能動的に動作される。
【0087】
第1の入力データトラフィックIDT−1は、光伝送ネットワークから、第1の光入力信号として、第1の光入力ファイバFB−IN−1を介して受信され、直接的に、第1の光出力信号として、第2の光出力ファイバFB−OUT−2を介して、再び光伝送ネットワークに転送される。同様にして、逆の方向で、第2の入力データトラフィックIDT−2は、光伝送ネットワークから、第2の光入力信号として、第2の光入力ファイバFB−IN−2を介して受信され、直接的に、第2の光出力信号として、第1の光出力ファイバFB−OUT−1を介して、再び光伝送ネットワークに転送される。
【0088】
これは、すべてのデータトラフィックが、たとえラインカードLCもしくはネットワークノードNNがもはや機能しない、または、通常動作モードをもはや可能にしない処理上の故障を有するもしくはもはや完全には動作可能ではない場合でも、ネイバーのネットワーク要素へのデータ接続が維持されるように、ラインスイッチングコンポーネントLSCによって、送信トラフィックとして処理されることを意味する。このようにして、ラインカードLCの欠陥またはネットワークノードNNが、バイパスされる。
【0089】
図7は、さらなる例示的な実施形態に従ってラインスイッチングコンポーネントLSC−aを第1の動作モードと第2の動作モードとの間で切り替えるための2つのスイッチSW−1、SW−2を適用するラインスイッチングコンポーネントLSC−aのブロック図を概略的に示している。
【0090】
ラインスイッチングコンポーネントLSC−aは、
図3に示されているラインスイッチングコンポーネントLSCと類似のレイアウトを有し得る。ラインスイッチングコンポーネントLSC−aは、さらに、電力を蓄積するための電気コンポーネントBATと、電力コントローラPOWCとを含む。電力を蓄積するための電気コンポーネントBATは、たとえば、コンデンサまたは再充電可能なバッテリであり得る。電気コンポーネントBATは、ラインスイッチングコンポーネントLSC−aがラインカードLC−PAから切断されているときには、電気制御信号を、制御システムCOSに提供するように構成されている。好ましくは、ラインスイッチングコンポーネントLSC−aは、さらに、スイッチSW−1、SW−2を第1の動作モード(たとえば、所定の電力レベルP
nomに基づく)または第2の動作モード(たとえば、所定の電力レベルP
fomに基づく)のいずれかのためのスイッチングモードに保つために適用されることが必要な、所定の電力レベルPnomまたは所定の電力レベルPfomのいずれかを、制御信号に提供するように構成されている電力コントローラPOWCを含む。電力コントローラPOWCは、制御ポートCPと、電気コンポーネントBATと、スイッチSW−1、SW−2の制御インタフェースCI−1、CI−2とに接続される。
【0091】
図7に示されている実施形態に関して、スイッチSW−1、SW−2は、好ましくは、いわゆるLCoS(Liquid Crystal on Silicon)スイッチであり得る。第2の動作モードで動作されるためにどのような電気制御信号も必要としないMEMS光スイッチとは対照的に、LCoSスイッチは、第1の動作モードまたは第2の動作モードのいずれかで機能するために電気制御信号の所定の電力レベルを、常に要求する。
【0092】
MEMS光スイッチは、LCoSスイッチと同様に、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aの反応と電気制御信号のタイミング挙動に対する制約をまったく含意しない。好ましくは、電気制御信号とラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aのスイッチング時間とは、ラインカードが故障したときの非常に迅速な反応をサポートしており、たとえば、ラインカードの故障と第1の動作モードから第2の動作モードへの切り替えの完了との間の時間は、50ミリ秒(msec)未満である。
【0093】
LCoSスイッチは、小型化された反射型アクティブ−マトリクス液晶ディスプレイであり、すなわち、シリコンバックプレーンの上に液晶層を用いたいわゆるマイクロディスプレイである。たとえば、LCoSスイッチは、フィニサーによって提供される設計をベースとし得るWSS(WSS=波長選択スイッチ)であり得る(たとえば、「EWPfフレックスグリッド・イネーブルド・エッジ波長プロセッサWSS(EWPf Flexgrid enabled edge wavelength processor WSS)」という名称の製品)。そのようなWSSを用いることである実施形態が可能になり、その場合、たとえば、第1の動作モードでは、所定の光周波数範囲の単一光波長が動作され、第2の動作モードでは、所定の光周波数範囲のすべてのさらなる光波長が動作される。
【0094】
動作モードと、電気制御信号の電力レベルと、LCoSスイッチであるスイッチSW−1、SW−2のスイッチング状態との関係が、次の表2に要約されている:
【0096】
所定の電力レベルP
nomが、第1の動作モードのために印加され得るのに対して、所定の電力レベルP
nomよりも好ましくは小さいことがあり得る、さらなる所定の電力レベルP
fomが、第2の動作モードのために印加され得る。
【0097】
LCoSスイッチは、ラインスイッチングコンポーネントLSC−aがラインカードから切断されているときには、電気コンポーネントPSMによって、第2の動作モードで動作される。
【0098】
図8は、一例示的実施形態による、ネットワークノードNN(
図9を参照)のラインカードLC(
図5および
図6を参照)のラインスイッチングコンポーネントLCS(
図3を参照)、LCS−a(
図7を参照)を動作させるための方法METの流れ図を概略的に示している。方法METは、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aを第1の動作モードで動作させる第1のステップS1で、開始し得る。あるいは、方法METは、たとえばステップS5によって表される第2の動作モードにあるラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aの動作で、開始し得る。
【0099】
第1のステップS1では、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aが、1つまたは複数の光インタフェースIF−1、IF−2における光入力信号のさらなる処理のために、光伝送ネットワークから、光入力信号を、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aを介して、ラインカードLCの1つまたは複数の光インタフェースIF−1、IF−2において受信し、1つまたは複数の光インタフェースIF−1、IF−2から、光出力信号を、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aを介して、光伝送ネットワークに送信することによって、第1の動作モードで動作される。第1のステップS1は、好ましくは、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aがラインカードLCに接続されているときに、実行され得る。
【0100】
さらなるステップ2では、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aの制御システムCOSは、たとえば、電力レベルの変化を求めて、電気制御信号を、好ましくは連続的に観察し得るが、これは、ラインカードLCもしくはネットワークノードNNにおいて誤動作が生じたこと、または、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aが第1の動作モードから第2の動作モードに切り替わることが明示的に要求されることのヒントであり得るからである。誤動作は、たとえば、電気制御信号の電力レベルがゼロであり、電気制御信号がもはや検出不可能であるときに、観察され得る。強制は、たとえば、電気制御信号の電力レベルが明示的にゼロの電力レベルに変化するとき(たとえば、スイッチSW−1、SW−2のために、MEMS光スイッチが適用されるとき)、または、たとえば、第1の動作モードに対する所定の電力レベルPnomよりも小さな、所定の電力レベルPfomに変化したとき(たとえば、LCoSスイッチが、スイッチSW−1、SW−2のために適用されるとき)に、観察され得る。
【0101】
次のステップS3では、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aを第1の動作モードから第2の動作モードに明示的に切り替えるために、誤動作が生じているかまたは強制が受信されているかが決定される。
【0102】
誤動作または強制が決定されない(たとえば、電気制御信号の変化がない)場合には、ステップS2が再び反復される。そうではなくて、誤動作または強制が決定されると、ステップS4がさらなるステップとなり得る。
【0103】
さらなるステップS4により、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aは、
図3、4および6との関係で上述されたスイッチング可能な光経路システムSLSを用いることにより、好ましくは自動的に第2の動作モードに切り替えられる。
【0104】
次のステップS5においては、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aが、光入力信号を光出力信号として送信するために、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aの入力ポートEIP−1からの光入力信号を、好ましくは内部的に、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aの出力ポートEOP−1に転送することによって、第2の動作モードで動作される。第1のステップS5は、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aがラインカードLCから切断されているが実行されているとき、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aが依然としてラインカードLCに接続されているとき、および、たとえば、ラインカードLCまたはネットワークノードNNが修理もしくは交換されていない限り、好ましくは実行され得る。ステップS5の間に、動作故障を有するラインカードLCは、動作故障を有していない別のラインカードによって、交換されることがあり得る。
【0105】
さらなるステップS6では、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aの制御システムCOSは、再び、たとえば、電力レベルの変化に関して、電気制御信号を好ましくは連続的に観察し得るのであるが、この電力レベルの変化は、ラインカードLCまたはネットワークノードNNが再び通常動作で機能していること、または、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aが第2の動作モードから第1の動作モードへ切り替わることを明示的に要求されなければならないことのヒントであり得る。ラインカードLCの通常動作モードまたは作業動作モードは、たとえば、電気制御信号が所定の電力レベルPopまたは所定の電力レベルPnomを有するときに、観察され得る。強制は、たとえば、電気制御信号の電力レベルが所定の電力レベルPopに明示的に変化するとき(たとえば、スイッチSW−1、SW−2に対して、MEMS光スイッチが適用されるとき)、または、第2の動作モードのための所定の電力レベルPfomよりも大きなことがあり得る所定の電力レベルPfomに変化するとき(たとえば、スイッチSW−1、SW−2に対して、LCoSスイッチが適用されるとき)に、観察され得る。
【0106】
次のステップ7では、ラインカードLCもしくはネットワークノードNNが再び通常動作にあるかどうか、または、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aを第2の動作モードから第1の動作モードに明示的に切り替えるために、さらなる強制が受信されるかどうか、が決定される。
【0107】
通常機能もさらなる強制も決定されなかった(たとえば、電気制御信号の変化がない)場合には、ステップS6が再び反復される。そうではなく、通常動作モードが決定された、またはさらなる強制が決定されなかったときには、ステップS8が、さらなるステップであり得る。
【0108】
さらなるステップS8によると、ラインスイッチングコンポーネントLSC、LSC−aは、好ましくは、
図3、4および5との関係で上述されたスイッチング可能な光経路システムSLSを用いることによって、第1の動作モードに自動的に切り替えられる。
【0109】
ステップS8より後のさらなるステップは、再び、ステップS1となり得る。
【0110】
図9は、ある例示的な実施形態による1つのラインカードLCまたは複数のラインカードLC−1、LC−2、・・・、LC−nを含むネットワークノードNNのブロック図を概略的に示している。ラインカードLC−1、LC−2、・・・、LC−nのそれぞれは、たとえば、
図3または
図7との関係で上述された実施形態に従って、設計されなければならない場合があり得る。ネットワークノードNNは、スイッチカード、コントローラまたは電源など、他のコンポーネントを含む場合もあり得るが、これらは、簡略化のために、図示されていない。
【0111】
ネットワークノードNNは、たとえば、IPルータ、イーサネットスイッチ、SDH/Sonet交差/接続、OTN交差−接続、WDMシステムなど、または、これらの機能のいくつかの組合せであり得る。
【0112】
本明細書および図面は、単に、本発明の原理を例証するものである。したがって、本明細書では明示的に説明されておらず示されてもいないが、当業者であれば、本発明の原理を具現化し、その精神と範囲とに含まれる様々な構成を考案可能であることは、理解されるだろう。さらに、本明細書に記載されたすべての例は、基本的に、読者が、本発明の原理と技術分野の発展のために発明者により寄与された概念とを理解する際の補助になる教育的な目的のためのものにすぎない、ということが明確に意図されており、それらの個別的に記載された例および条件に限定されずに、解釈されるべきである。その上に、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの特定の例に言及する本明細書の全記載はそれらの均等物にも及ぶことが意図されている。
【0113】
「送信のための手段」、「受信のための手段」、「決定のための手段」など(ある機能を実行する)のように示されている機能ブロックは、ある機能を実行するように構成された回路をそれぞれ備える機能ブロックとして、理解されるべきである。よって、「何かのための手段」とは、「何かのために構成されたまたは適した手段」として理解されるべきである。よって、ある機能を実行するために構成されている手段とは、それらの手段が前記機能を(ある与えられた時点において)必ず実行していることを含意しない。
【0114】
図面に示されておりいずれかの機能ブロックを含む様々な要素の機能は、たとえばプロセッサなどの専用のハードウェアや、適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行させることが可能なハードウェアを用いることを通じて、提供され得る。プロセッサによって提供されるときに、それらの機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または一部が共有され得る複数の個別プロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアだけを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、暗黙的に、これらに限定されることはないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するためのリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを含み得る。従来型および/またはカスタムなど、他のハードウェアも含まれ得る。
【0115】
当業者には、本明細書におけるどのブロック図も本発明の原理を具現化する例証となる回路の概念図を表すということが、理解されるはずである。同様に、どのフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなども、コンピュータ可読媒体において実質的に表現され得るのであって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかとは関係なく、コンピュータまたはプロセッサによって実行され得る様々なプロセスを表す、ということが理解されるだろう。
【0116】
さらに、以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれるが、各請求項は、別々の実施形態として、それ自体で独立に存立し得る。各請求項は別々の実施形態としてそれ自体で独立に存立し得るが、ある従属請求項が特許請求の範囲において1つまたは複数の他の請求項との特定の組合せに言及する場合があり得るとしても、他の実施形態もまた、その従属請求項とそれぞれの他の従属請求項の主題との組合せも含み得る、ということが注意されるべきである。そのような組合せは、ある特定の組合せは意図されていないという記載がない限り、本明細書において提案されることになる。さらに、ある請求項の特徴をいずれかの他の独立請求項に含ませるということも、この請求項が、その独立請求項に直接的に従属しない場合であっても、意図される。
【0117】
本明細書または特許請求の範囲に開示されている方法METは、これらの方法の対応するステップのそれぞれを実行するための手段を有するデバイスによって実装され得る、ということがさらに注意されるべきである。好ましくは、あるコンピュータプログラム製品が、このコンピュータプログラム製品がDSP、ASICまたはFPGAなど少なくとも1つのプログラマブルなハードウェアデバイス上で実行されるときに方法METを実行するためのコンピュータ実行可能な命令を含むことがあり得る。好ましくは、デジタルデータストレージデバイスが、方法METを実行するための命令のマシン実行可能なプログラムをエンコードする場合があり得る。
【0118】
さらに、本明細書または特許請求の範囲に開示されている複数のステップまたは機能は、特定の順序の範囲内のものとして解釈されない場合もあり得る、ということが理解されるべきである。したがって、複数のステップまたは機能の開示があるとしても、それらのステップまたは機能が技術的理由のために相互に交換不可能でない限り、それらを特定の順序に限定することはない。さらに、いくつかの実施形態では、単一のステップが、複数のサブステップを含むまたは複数のサブステップに分解されることがあり得る。そのようなサブステップは、明示的に排除されていない限り、この単一のステップの開示に含まれ、この単一のステップの開示の一部であり得る。