特許第6553306号(P6553306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許65533062つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流の制限
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553306
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流の制限
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20190722BHJP
   G01N 9/00 20060101ALI20190722BHJP
   G05F 1/10 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G01F1/84
   G01N9/00 D
   G05F1/10 R
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-544880(P2018-544880)
(86)(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公表番号】特表2019-507875(P2019-507875A)
(43)【公表日】2019年3月22日
(86)【国際出願番号】CN2016074624
(87)【国際公開番号】WO2017143576
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2018年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ, フアン
(72)【発明者】
【氏名】シェン, カイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, フォンチョアン
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5060011(JP,B2)
【文献】 特許第6437106(JP,B2)
【文献】 特許第5323066(JP,B2)
【文献】 特許第5923416(JP,B2)
【文献】 特公昭61−4045(JP,B2)
【文献】 特公平4−22209(JP,B2)
【文献】 特公昭60−34683(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/84
G01N 9/00
G05F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する方法であって、
第1のメータアセンブリを第1の駆動信号で駆動するステップと、
第1のメータアセンブリの1つ以上の動作パラメータを動作閾値と比較するステップと、
その比較に基づいて第2のメータアセンブリを第2の駆動信号で駆動して、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリによって引き出される電流が電流閾値を超えないようにするステップを含む、方法。
【請求項2】
更に、第2のメータアセンブリの1以上の動作パラメータを動作閾値と比較するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1以上の動作パラメータは第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリの共振周波数及び電流の1つである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
更に、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリが動作可能であることを示すステップを含む、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
更に、比較に基づいて、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリの1つによって引き出される電流を減じるステップを含む、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリの1つによって引き出される電流を減じるステップは、第1のメータアセンブリによって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第1のメータアセンブリによって引き出される電流を減じるステップ、及び第2のメータアセンブリによって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第2のメータアセンブリによって引き出される電流を減じるステップの1つである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
更に、比較が第1のメータアセンブリが動作していないことを示す場合には、第1の駆動信号を中断し、比較が第2のメータアセンブリが動作していないことを示す場合には、第2の駆動信号を中断するステップの少なくとも1つを含む、請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
第1の駆動信号及び第2の駆動信号は、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリに通信可能に結合されたメータ電子機器によって供給される、請求項1乃至7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する二重の振動式センサシステム(5)であって、
第1のメータアセンブリ(10a)と、
第2のメータアセンブリ(10b)と、
第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)に通信可能に結合されたメータ電子機器(100)を備え、メータ電子機器(100)は、
第1のメータアセンブリ(10a)を第1の駆動信号(14a)で駆動し、
第1のメータアセンブリ(10a)の1以上の動作パラメータを動作閾値と比較し、
その比較に基づいて第2のメータアセンブリ(10b)を第2の駆動信号(14b)で駆動して、第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)によって引き出される電流が電流閾値を超えないようにするように構成されている、二重の振動式センサシステム(5)。
【請求項10】
メータ電子機器(100)は更に第2のメータアセンブリ(10b)の1以上の動作パラメータを動作閾値と比較するように構成されている、請求項9に記載の二重の振動式センサシステム(5)。
【請求項11】
1以上の動作パラメータは第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)の共振周波数及び電流の1つである、請求項9又は10に記載の二重の振動式センサシステム(5)。
【請求項12】
メータ電子機器(100)は更に第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)が動作可能であることを示すように構成されている、請求項9乃至11の何れかに二重の振動式センサシステム(5)。
【請求項13】
メータ電子機器(100)は更に比較に基づいて、第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)の1つによって引き出される電流を減じるように構成されている、請求項9乃至12の何れかに記載の二重の振動式センサシステム(5)。
【請求項14】
第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)の1つによって引き出される電流を減じることは、
第1のメータアセンブリ(10a)によって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第1のメータアセンブリ(10a)によって引き出される電流を減じ、及び
第2のメータアセンブリ(10b)によって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第1のメータアセンブリ(10a)によって引き出される電流を減じることの1つである、請求項13に記載の二重の振動式センサシステム(5)。
【請求項15】
更に比較が第1のメータアセンブリ(10a)が動作していないことを示す場合には、第1の駆動信号を中断し、
比較が第2のメータアセンブリ(10b)が動作していないことを示す場合には、第2の駆動信号を中断するステップの少なくとも1つを含む、請求項9乃至14の何れかに記載の二重の振動式センサシステム(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載される実施形態は、振動式センサに関し、より詳細には、2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限することに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、振動式デンシトメータやコリオリ式流量計などの振動センサが一般に知られており、またこれらは、流量計の導管を流れる物質に関する質量流量及びその他の情報を測定するために使用されている。例示的なコリオリ式流量計については、米国特許第4109524号明細書、米国特許第4491025号明細書、米国再発行特許第31450号に開示されている。これらの流量計は、直線形状もしくは湾曲形状の1つ以上の導管を備えるメータアセンブリを有する。たとえば、コリオリ式質量流量計の導管構成はそれぞれ、単純な屈曲、ねじり、又は結合タイプであり得る一連の自然振動モードを有する。各導管が好ましいモードで振動するように、これらを駆動することができる。流量計を通過する流れがないとき、導管に加えられる駆動力により、導管に沿ったすべての点は同じ位相で、又はゼロ流動において測定される時間遅延である小さな「ゼロオフセット」で振動される。
【0003】
物質が導管を流れ始めると、コリオリの力により、導管に沿った各点が異なる位相を有するようになる。たとえば、流量計の入口端部の位相は中央のドライバ位置の位相よりも遅れている一方で、出口の位相は中央のドライバ位置の位相よりも先行している。導管のピックオフが、導管の動きを表す正弦波信号を生成する。ピックオフから出力される信号は、ピックオフ間の時間遅延を判定するために処理される。2つ以上のピックオフ間の時間遅延は、導管を流れる物質の質量流量に比例している。
【0004】
ドライバに接続されたメータ電子機器が、ドライバを作動させ、かつピックオフより受信する信号からプロセス物質の質量流量及び/又は他の特性をも判定するための駆動信号を生成する。ドライバは多くの周知の構成の1つを備えていてもよいが、しかしながら磁石及び対向する駆動コイルが流量計業界においては大きな成功を収めている。所望の導管振幅及び周波数で導管を振動させるために、交流電流が駆動コイルに通される。このドライバの構成に非常に類似した磁石及びコイルの構成としてピックオフを提供することも、当該技術分野においては知られている。
【0005】
様々な設計制約があるために、多くのシステムでは2つ以上のメータアセンブリを使用している。たとえば、液体天然ガス(LNG)をLNG車両に供給するのに使用されるメータアセンブリでは、LNG貯蔵タンクからLNG車両へと圧送される燃料を測定するために、第1のメータアセンブリを使用してもよい。LNGタンクに戻される燃料を測定するために、第2のメータアセンブリを使用してもよい。LNGタンクに戻される燃料は、異なる流量、温度、及び状態などを有する可能性がある。しかし、各メータアセンブリは1つのメータ電子機器を有する。
【0006】
メータ電子機器の数を減らすことは、2つ以上のメータアセンブリを必要とするシステムのコスト及び複雑さを低減することができる。しかしながら、メータ電子機器から引き出される電流は、メータ電子機器に結合されたメータアセンブリの数が増加するにつれて、対応して増加する。従って、2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する方法が提供される。一実施形態に従って、方法は、第1のメータアセンブリを第1の駆動信号で駆動するステップと、第1のメータアセンブリの1つ以上の動作パラメータを動作閾値と比較するステップと、その比較に基づいて第2のメータアセンブリを第2の駆動信号で駆動して、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリによって引き出される電流が電流閾値を超えないようにするステップを含む。
【0008】
2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する二重の振動式センサシステムが提供される。一実施形態に従って、二重の振動式センサシステムは、第1のメータアセンブリ、第2のメータアセンブリ、及び第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリに通信可能に結合されたメータ電子機器を備える。メータ電子機器は、第1のメータアセンブリを第1の駆動信号で駆動し、第1のメータアセンブリの1つ又は複数の動作パラメータを動作閾値と比較し、その比較に基づいて第2のメータアセンブリを第2の駆動信号で駆動して、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリによって引き出される電流が電流閾値を超えないようにするように構成されている。
【0009】
態様
一態様に従って、方法は、第1のメータアセンブリを第1の駆動信号で駆動するステップと、第1のメータアセンブリの1以上の動作パラメータを動作閾値と比較するステップと、その比較に基づいて第2のメータアセンブリを第2の駆動信号で駆動して、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリによって引き出される電流が電流閾値を超えないようにするステップを含む。
【0010】
好ましくは、方法は更に第2のメータアセンブリの1以上の動作パラメータを動作閾値と比較するステップを含む。
好ましくは、1以上の動作パラメータは第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリの共振周波数及び電流の1つである。
好ましくは、方法は更に第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリが動作可能であることを示すステップを含む。
好ましくは、方法は更に比較に基づいて、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリの1つによって引き出される電流を減じるステップを含む。
【0011】
好ましくは、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリの1つによって引き出される電流を減じるステップは、第1のメータアセンブリによって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第1のメータアセンブリによって引き出される電流を減じるステップ、及び第2のメータアセンブリによって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第2のメータアセンブリによって引き出される電流を減じるステップの1つである。
好ましくは、方法は更に比較が第1のメータアセンブリが動作していないことを示す場合には、第1の駆動信号を中断し、比較が第2のメータアセンブリが動作していないことを示す場合には、第2の駆動信号を中断するステップの少なくとも1つを含む。
好ましくは、第1の駆動信号及び第2の駆動信号は、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリに通信可能に結合されたメータ電子機器によって供給される。
【0012】
一態様に従って、2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する二重の振動式センサシステム(5)は、第1のメータアセンブリ(10a)、第2のメータアセンブリ(10b)、及び第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)に通信可能に結合されたメータ電子機器(100)を備える。メータ電子機器(100)は、第1のメータアセンブリ(10a)を第1の駆動信号(14a)で駆動し、第1のメータアセンブリ(10a)の1以上の動作パラメータを動作閾値と比較し、その比較に基づいて第2のメータアセンブリ(10b)を第2の駆動信号(14b)で駆動して、第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)によって引き出される電流が電流閾値を超えないようにするように構成されている。
【0013】
好ましくは、メータ電子機器(100)は更に第2のメータアセンブリ(10b)の1以上の動作パラメータを動作閾値と比較するように構成されている。
好ましくは、1以上の動作パラメータは第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)の共振周波数及び電流の1つである。
好ましくは、メータ電子機器(100)は更に第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)が動作可能であることを示すように構成されている。
好ましくは、メータ電子機器(100)は更に比較に基づいて、第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)の1つによって引き出される電流を減じるように構成されている。
【0014】
好ましくは、第1のメータアセンブリ(10a)及び第2のメータアセンブリ(10b)の1つによって引き出される電流を減じることは、第1のメータアセンブリ(10a)によって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第1のメータアセンブリ(10a)によって引き出される電流を減じ、及び第2のメータアセンブリ(10b)によって引き出された電流が動作閾値を超えれば、第1のメータアセンブリ(10a)によって引き出される電流を減じることの1つである。
好ましくは、方法は更に比較が第1のメータアセンブリ(10a)が動作していないことを示す場合には、第1の駆動信号を中断し、比較が第2のメータアセンブリ(10b)が動作していないことを示す場合には、第2の駆動信号を中断するステップの少なくとも1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
同じ符号は全ての図面上の同じ要素を表す。図面は必ずしも縮尺通りでないことは理解されるだろう。
図1】2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する二重の振動式センサシステム5を示す。
図2】2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する二重の振動式センサシステム5を示す。
図3】メータ電子機器100のブロック図を示す。
図4】2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する方法400を示す。
図5】2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する他の方法500を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図5及び以下の説明は特定の実施例を記載して、2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する実施形態における最良の形態を創出かつ使用する方法を当業者に教示する。本発明の原理を教示することを目的として、いくつかの従来の態様を簡略化又は省略している。当業者は、これらの実施例の変形例が本明細書の範囲内にあることを理解する。当業者であれば、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせて、2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する複数の変形例を形成できることを理解する。結果として、以下に説明する実施形態は後述する特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
【0017】
例えば、2つ以上のメータアセンブリに連結されたメータ電子機器によって、2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限することが実行される。メータ電子機器は、第1のメータアセンブリを第1の駆動信号で駆動し、第1のメータアセンブリの1以上の動作パラメータを動作閾値と比較する。1以上の動作パラメータは、第1のメータアセンブリによって引き出される電流、第1のメータアセンブリの共振周波数などである。その比較に基づいてメータ電子機器は、第2のメータアセンブリを第2の駆動信号で駆動して、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリによって引き出される電流が電流閾値を超えないようにする。電流が電流閾値を超えないようにすることにより、以下に詳細に説明するように、電流がメータ電子機器の電気的容量を超えないことを確実にする。
【0018】
図1は、2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する二重の振動式センサシステム5を示す。図1に示すように、二重の振動式センサシステム5は第1の振動式センサ5a及び第2の振動式センサ5bを備える。第1及び第2の振動式センサ5a、5bは、メータ電子機器100ならびに第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bで夫々構成されている。
【0019】
メータ電子機器100は、第1及び第2の一組のリード線11a、11bを介して、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bに通信可能に結合されている。第1及び第2の一組のリード線11a、11bは、メータ電子機器100の第1及び第2の通信ポート27a、27bに結合されている(たとえば、装着又は取り付けられているなど)。第1及び第2の一組のリード線11a、11bはまた、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10b上の第1及び第2の通信ポート7a、7bを介して、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bに結合されている。メータ電子機器100は、経路26を介してホストに情報を提供するように構成されている。第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bを、流管を包囲するケースと共に示している。メータ電子機器100ならびに第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bについては、図2及び図3を参照しながら以下により詳細に説明する。
【0020】
引き続き図1を参照すると、第1及び第2の振動式センサ5a、5bを、たとえば供給ラインSL及び戻りラインRLの流量差及び/又は総流量を計算するために使用することができる。より具体的には、流体がタンクから液体状態で供給され、その後タンクに気体状態で戻されるような低温用途に二重の振動式センサシステム5を採用してもよい。1つの例示的な低温用途において、第1のメータアセンブリ10aは、LNGをLNGディスペンサLDに供給する供給ラインSLの一部であってもよく、また第2のメータアセンブリ10bは、LNGディスペンサLDからの戻りラインRLの一部であってもよい。第2のメータアセンブリ10bを流れる総流量を第1のメータアセンブリ10aを流れる総流量から引いて、LNGディスペンサLDから供給されるLNGの総量を決定することができる。二重の振動式センサシステム5を他の用途に採用できることを示すために、供給ラインSL及び戻りラインRLを備えるこの例示的な用途について破線で示している。更に水素などの他の低温流体を使用してもよい。ここでも理解できるように、記載した実施形態及び他の実施形態においてはメータ電子機器100によって計算を実行でき、以下でこれについてより詳細に説明する。
【0021】
図2は、2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する二重の振動式センサシステム5を示す。図2に示すように、二重の振動式センサシステム5は、図1を参照しながら説明した第1の振動式センサ5a及び第2の振動式センサ5bを備える。分かり易くするために、メータ電子機器100ならびに第1及び第2のメータアセンブリ10a、10b上のケースを示していない。第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bは、プロセス物質の質量流量及び密度に反応する。メータ電子機器100は、第1及び第2の一組のリード線11a、11bを介して第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bに接続されて、密度と、質量流量と、温度情報とを、他の情報と共に経路26を経由して提供する。コリオリ式流量計構造体を記載しているが、振動式導管デンシトメータ、音叉式デンシトメータ、粘度計等として、本発明を実施できることは当業者には明らかである。
【0022】
第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bは、一対の平行導管13a、13a'及び13b、13b'と、第1及び第2の駆動機構18a、18bと、温度センサ19a、19bと、左右一対のピックオフセンサ17al、17ar及び17bl、17brとを備える。一対の導管13a、13a'及び13b、13b'の各々は、導管13a、13a'及び13b、13b'の長さに沿って2つの対称位置で湾曲し、かつそれらの長さ全体にわたって本質的に平行である。導管13a、13a'及び13b、13b'は、駆動機構18a、18bによってそれぞれの曲げ軸線を中心として反対方向に、また流量計の第1の位相外れ曲げモードと呼ばれるモードで駆動される。駆動機構18a、18bは、導管13a'、13b'への磁石の取付け、導管13a、13bへの対向コイルの取付けを行うこと、及び導管13a、13a'及び13b、13b'を両方とも振動させるためにそこに交流電流を流すなどの多くの構成のいずれか1つを備えていてもよい。メータ電子機器100によって、適切な駆動信号が駆動機構18a、18bに印加される。
【0023】
第1及び第2の振動式センサ5a、5bを初期に較正することができ、ゼロオフセットΔT0と共に流量較正係数FCFを生成することができる。使用時には、ピックオフによって測定される時間遅延ΔTからゼロオフセットΔT0を引いたものを流量較正係数FCFに乗算して、質量流量
【数1A】
を生成することができる。流量較正係数FCF及びゼロオフセットΔT0を利用する質量流量の方程式の例を、方程式(1)によって記載する。
【数1】
方程式中、
【数1B】
=質量流量
FCF=流量較正係数
ΔTmeasured=測定される時間遅延
ΔT0=初期のゼロオフセット、となっている。
【0024】
温度センサ19a、19bは導管13a'、13b'に取り付けられ、導管13a'、13b'の温度を連続的に測定する。導管13a'、13b'の温度、したがって所与の電流に対して温度センサ19a、19bに出現する電圧は、導管13a'、13b'を通過する物質の温度によって決定される。メータ電子機器100が温度センサ19a、19bに出現する温度依存電圧を使用して、導管温度の何らかの変化による導管13a'、13b'の弾性率の変化を補償してもよい。図示の実施形態では、温度センサ19a、19bは測温抵抗体(RTD)である。本明細書に記載する実施形態ではRTDセンサを使用しているが、別の実施形態ではサーミスタ、熱電対などの他の温度センサを使用してもよい。
【0025】
メータ電子機器100は第1及び第2の一組のリード線11a、11bを介して、左右の第1及び第2のピックオフセンサ17al、17ar及び17bl、17brからの左右センサ信号と、第1及び第2の温度センサ19a、19bからの温度信号とを受信する。メータ電子機器100は駆動機構18a、18bに駆動信号を供給し、かつ第1及び第2の一対の導管13a、13a'及び13b、13b'を振動させる。メータ電子機器100は左右のセンサ信号及び温度信号を処理して、第1及び/又は第2のメータアセンブリ10a、10bを通過する物質の質量流量及び密度を計算する。この情報は他の情報と共に、経路26を介して信号としてメータ電子機器100によって印加される。
【0026】
ここで理解できるように、図1及び図2に示す二重の振動式センサシステム5は2つのメータアセンブリ10a、10bのみを備えるが、3つ以上のメータアセンブリを備えるシステムで二重の振動式センサシステム5を使用してもよい。たとえば、メータ電子機器を、3つ以上のメータアセンブリと通信するように構成してもよい。そのような構成では、二重の振動式センサシステム5はメータ電子機器の一部であってもよく、また3つ以上のメータアセンブリのうちの2つであってもよい。
【0027】
メータ電子機器
図3は、メータ電子機器100のブロック図を示す。図3に示すように、メータ電子機器100は第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bに通信可能に結合されている。図1を参照しながら上述したように、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bは、左右の第1及び第2のピックオフセンサ17al、17ar及び17bl、17brと、駆動機構18a、18bと、温度センサ19a、19bとを備え、これらは第1及び第2の一組のリード線11a、11bを介し、第1及び第2の通信チャネル112a、112bと第1及び第2のI/Oポート160a、160bとを経由してメータ電子機器100に通信可能に結合されている。
【0028】
メータ電子機器100は、リード線11a、11bを介して第1及び第2の駆動信号14a、14bを供給する。より具体的には、メータ電子機器100は、第1のメータアセンブリ10a内の第1の駆動機構18aに第1の駆動信号14aを供給する。メータ電子機器100はまた、第2のメータアセンブリ10b内の第2の駆動機構18bに第2の駆動信号14bを供給するように構成されている。さらに、第1及び第2のセンサ信号12a、12bが第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによってそれぞれ供給される。より具体的には、図示の実施形態では、第1のセンサ信号12aは第1のメータアセンブリ10a内の左右の第1のピックオフセンサ17al、17arによって供給される。第2のセンサ信号12bは、第2のメータアセンブリ10b内の左右の第2のピックオフセンサ17bl、17brによって供給される。ここで理解できるように、第1及び第2のセンサ信号12a、12bは、第1及び第2の通信チャネル112a、112bを介してメータ電子機器100にそれぞれ供給される。
【0029】
メータ電子機器100は、1つ以上の信号プロセッサ120及び1つ以上のメモリ130に通信可能に結合されたプロセッサ110を備える。プロセッサ110はまた、ユーザインタフェース30に通信可能に結合されている。プロセッサ110は、通信ポート140を介し、経路26を経由してホストと通信可能に結合され、かつ電力ポート150を介して電力を受け取る。プロセッサ110はマイクロプロセッサであってもよいが、任意の適切なプロセッサを使用してもよい。たとえば、プロセッサ110はマルチコアプロセッサ、シリアル通信ポート、周辺インタフェース(たとえば、シリアル周辺インタフェース)、オンチップメモリ、I/Oポートなどのサブプロセッサで構成されてもよい。これら及び他の実施形態では、プロセッサ110は、デジタル化信号などの受信及び処理された信号に対する動作を実行するように構成されている。
【0030】
プロセッサ110は、1つ以上の信号プロセッサ120からデジタル化センサ信号を受信してもよい。プロセッサ110はまた、第1又は第2のメータアセンブリ10a、10bなどにおける流体の位相差や特性などの情報を提供するように構成されている。プロセッサ110は通信ポート140を介してホストに情報を提供してもよい。プロセッサ110はまた、1つ以上のメモリ130と通信して、1つ以上のメモリ130内にある情報を受信及び/又は格納するように構成されてもよい。たとえば、プロセッサ110は、1つ以上のメモリ130から較正係数及び/又はメータアセンブリのゼロ点(たとえば、ゼロ流動のときの位相差)を受信してもよい。較正係数及び/又はメータアセンブリのゼロ点の各々は、第1及び第2の振動式センサ5a、5b及び/又は第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bにそれぞれ関連付けられてもよい。プロセッサ110は較正係数を使用して、1つ以上の信号プロセッサ120から受信したデジタル化センサ信号を処理してもよい。
【0031】
1つ以上の信号プロセッサ120を、第1及び第2のエンコーダ/デコーダ(CODEC)122、124とアナログ−デジタル変換器(ADC)126とで構成されたものとして示している。1つ以上の信号プロセッサ120はアナログ信号を調整し、調整されたアナログ信号をデジタル化し、かつ/もしくはデジタル化信号を供給してもよい。第1及び第2のCODEC122、124は、左右の第1及び第2のピックオフセンサ17al、17ar及び17bl、17brから左右のセンサ信号を受信するように構成されている。第1及び第2のCODEC122、124はまた、第1及び第2の駆動機構18a、18bに第1及び第2の駆動信号14a、14bを供給するように構成されている。別の実施形態では、より多くの、又はより少ない信号プロセッサを使用してもよい。たとえば、第1及び第2のセンサ信号12a、12bと第1及び第2の駆動信号14a、14bとに対して、単一のCODECを使用してもよい。
【0032】
図示の実施形態では、1つ以上のメモリ130は読み出し専用メモリ(ROM)132と、ランダムアクセスメモリ(RAM)134と、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))136とで構成されている。しかしながら、別の実施形態では、1つ以上のメモリ130はより多くの、又はより少ないメモリで構成されてもよい。付加的に又は代替的に、1つ以上のメモリ130は異なるタイプのメモリ(たとえば、揮発性、不揮発性など)で構成されてもよい。たとえば、FRAM(登録商標)136の代わりに一例として、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などの異なるタイプの不揮発性メモリを使用してもよい。
【0033】
以下に詳細に説明するように、メータ電子機器100、1つ以上の信号プロセッサ120、又はその一部(例えば、電圧制御発振器などの駆動回路)は、第1の駆動信号14aを第1のメータアセンブリ10aに供給することができ、第1のメータアセンブリ10aが動作した後(例えば、比較的低い電流を引き出す)、第2の駆動信号14bを第2のメータアセンブリ10bに供給する。第1のメータアセンブリ10aが動作可能であるかどうかを判断するために、メータ電子機器100は、第1のメータアセンブリ10aの1つ以上の動作パラメータを動作閾値と比較することができる。動作閾値は1つ以上のメモリ130に格納された値であり、メータ電子機器100が第2メータアセンブリ10bを駆動するとき、メータ電子機器100から引き出される電流がメータ電子機器100の電流容量を超えないことを保証する。
【0034】
動作パラメータとしての電流
図4は、2つ以上のメータアセンブリによって引き出された電流を制限する方法400を示す。ステップ410にて、方法400は、第1の駆動信号で第1のメータアセンブリを駆動する。方法400によって使用される第1のメータアセンブリは、先に説明した第1のメータアセンブリ10aであってもよい。ステップ420において、方法400は、第1のメータアセンブリの1つ以上の動作パラメータを動作閾値と比較する。この比較に基づいて、ステップ430において、方法400は、第2の駆動信号で第2のメータアセンブリを駆動する。第2の駆動信号は、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリによって引き出された電流が電流閾値を超えないように、第2のメータアセンブリを駆動することができる。
【0035】
ステップ410にて、図1-図5に示す実施形態を参照して、方法400は、第1の通信チャネル112aを介して第1の駆動信号14aで第1のメータアセンブリ10aを駆動することができる。第1の駆動信号14aは、第1のメータアセンブリ10aを、第1のメータアセンブリ10aの共振周波数、又は共振周波数以外の周波数で振動させることができる。第1のメータアセンブリ10aが共振周波数又はその近くで振動する場合、第1のメータアセンブリ10aによって引き出される電流は比較的小さくなる(例えば、ゼロアンペアに近く、動作閾値よりも小さくなるなど)。周波数が第1のメータアセンブリ10aの共振周波数でない場合、第1のメータアセンブリ10aによって引き出される電流は、比較的高くなる(例えば、ゼロアンペアに近く、動作閾値よりも大きいなど)。
【0036】
ステップ420にて、方法400は第1のメータアセンブリの1つ以上の動作パラメータを動作閾値と比較する。例えば、方法は、第1のメータアセンブリによって引き出された電流を動作閾値と比較する。一実施形態において、第1のメータアセンブリによって引き出された電流が動作閾値よりも大きい場合、第1のメータアセンブリは、共振周波数で振動していない可能性がある。第1のメータアセンブリによって引き出される電流が動作閾値よりも小さい場合、第1のメータアセンブリは、共振周波数で振動している可能性がある。1つ以上の動作パラメータと動作閾値との比較は、閾値期間中又はその後に行われる。
【0037】
例えば、閾値期間の後に、方法400は、第1のメータアセンブリ10aが動作中であるか、又は動作していないと判断する。図1-図3に示す実施形態を参照して、メータ電子機器100は、第1のメータアセンブリ10aによって引き出された電流が閾値期間内に動作閾値を下回る場合、第1のメータアセンブリ10aが動作可能であることを示す。メータ電子機器100はまた、第1のメータアセンブリ10aによって引き出された電流が閾値期間内に動作閾値を下回らない場合、第1のメータアセンブリ10aが動作していないことを示す。この比較に基づいて、方法400では、ステップ430において、メータ電子機器100は第2メータアセンブリ10bを駆動する。
【0038】
ステップ430にて、方法400は、第1のメータアセンブリ及び第2のメータアセンブリによって引き出される電流が電流閾値よりも小さくなるように、第2の駆動信号で第2のメータアセンブリを駆動する。電流閾値は、例えば、メータ電子機器から引き出される総電流がメータ電子機器の電流容量を超えないことを保証するように決定される値である。例えば、図1-図3を用いて記載された実施形態を参照して、メータ電子機器100は、たとえ第1の駆動信号電流が依然として動作閾値より大きい場合であっても、メータ電子機器100の電流容量を超えないように比較的低い電流を有する第2の駆動信号14bを提供することができる。これにより、図1-図3に示す二重の振動式センサシステム5の起動時間を短縮することができる。或いは、例えばメータ電子機器100は、第1のメータアセンブリ10aによって引き出された電流が動作閾値未満であることをメータ電子機器100が示した後、第2の駆動信号14bを提供することができる。
【0039】
前記したように、方法400は、2つ以上のメータアセンブリの起動中に2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する。即ち、2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流は、メータアセンブリが同時に起動されると、最初にメータ電子機器の電気容量を超えることがあり、これは前記した方法400によって制限される。理解されるように、起動後、2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流は、メータ電子機器の電気容量より小さいが、例えば、流体特性(例えば、密度、温度、位相など)の変化により増加する。方法400は、通常動作中に電流が増加した場合でも、2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限することもできる。
【0040】
例えば、メータ電子機器100は、通常動作中、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bを夫々の共振周波数で駆動することができる。従って、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流は、電流閾値よりも小さくなり得る。特に、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bの夫々によって引き出される電流は、動作閾値よりも小さくなり得る。通常動作中の流体特性の変化は、第1及び/又は第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流を増加させ、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流が電流閾値よりも大きくなる。
【0041】
換言すれば、第1及び/又は第2のメータアセンブリ10a、10bの1以上の動作パラメータと動作閾値との比較に基づいて、方法400は、第1のメータアセンブリ10a及び第2のメータアセンブリ10bによって引き出される電流が電流閾値を超えないように、第1及び/又は第2のメータアセンブリ10a、10bを駆動することができる。例えば、方法400は、電流が動作閾値を超える場合、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流の一方又は両方を低減することができる。一旦、第1及び/又は第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流が動作閾値以下になると、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流は、メータ電子機器100の電気容量より大きくはない。
【0042】
更なるステップが方法400によって実行される。例えば、方法400は、第1のメータアセンブリ10aの1つ以上の動作パラメータと動作閾値との比較が第1のメータアセンブリ10aが動作していないことを示す場合、第1の駆動信号14aを中断することもできる。即ち、メータ電子機器100は、第1のメータアセンブリ10aによって引き出される電流の大きさをゼロアンペアに減少させることによって、第1の駆動信号14aを中断することができる。例えば、第1の駆動信号14aの電圧をゼロボルトに減少させ、それによって引き出される電流をゼロに減少させることができる。
【0043】
更に又はこれに代えて、方法400は第2のメータアセンブリ10bの1つ以上の動作パラメータを動作閾値と比較する。方法400は、例えば、比較が第2のメータアセンブリ10bが動作していないことを示す場合に、第2の駆動信号14bを中断することもできる。第1のメータアセンブリ10aと同様に、第2のメータアセンブリ10bの1つ以上の動作パラメータは、第2のメータアセンブリ10bによって引き出される電流であってもよい。
【0044】
方法400は、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出された電流を動作閾値と比較するが、代替の実施形態では他の動作パラメータが用いられ得る。例えば、以下の記載が示すように、1以上の動作パラメータは第1及び第2のメータアセンブリの共振周波数である。
【0045】
動作パラメータとしての共振周波数
図5は、2以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する他の方法500を示す。ステップ510にて、方法500は、第1の駆動信号で第1のメータアセンブリを駆動する。第1のメータアセンブリは、図1-図3を参照して前記した第1のメータアセンブリ10aである。ステップ520にて、方法500は、第1のメータアセンブリが共振周波数で振動しているかどうかを判定する。第1のメータアセンブリが共振周波数で振動していれば、方法500はステップ530に進む。ステップ530では、方法500は第2の駆動信号で第2のメータアセンブリを駆動する。第1のメータアセンブリが共振周波数で振動していない場合、方法500はステップ540に進む。ステップ540にて、第1の駆動信号は中断される。ステップ530及びステップ540の両方から、方法500はステップ550に進む。ステップ550では、方法500は、第2のメータアセンブリが共振周波数で振動しているかどうかを判定する。第2のメータアセンブリが共振周波数で振動している場合、方法500は、ステップ560において、第1及び第2のメータアセンブリが動作可能であることを示す。第2のメータアセンブリが共振周波数で振動していない場合、方法500は、ステップ570において第2の駆動信号を中断する。
【0046】
理解されるように、ステップ510及び530では、例えば第1及び第2のメータアセンブリの導管を通って流れる流体の変化のために、第1及び第2のメータアセンブリの共振周波数がドリフト、変化などすることがある。理解されるように、第1のメータアセンブリの共振周波数と第2のメータアセンブリの共振周波数は同じであるかもしれないし、同じでないかもしれない。例えば、第1のメータアセンブリは第2のメータアセンブリとは異なるサイズの流管を有する。従って、第1のメータアセンブリの共振周波数は、第2のメーターアセンブリの共振周波数と異なる場合がある。
【0047】
方法500が第1及び第2のメータアセンブリが共振周波数で振動しているかを判定するステップ520及び550は、あらゆる適切な方法で実行される。例えば、前述したメータ電子機器100は、第1及び第2の駆動信号14a、14bの周波数を測定し、その周波数が動作閾値と異なるかどうかを判定する。動作閾値は、第1及び第2の駆動信号14a、14bが共振周波数で振動しているかどうかを決定するために、予め決定された共振周波数であってもよい。予め決定された共振周波数は、メータ電子機器100内の1つ以上のメモリ130に記憶される。ステップ520及び550における比較に基づいて、方法500では、ステップ540及びステップ570にて、メータ電子機器100は第1及び第2の駆動信号14a、14bを中断する。
【0048】
ステップ540、570にて、方法500は、例えば、第1及び第2のメータアセンブリによって引き出される電流をゼロに減少させ、メータ電子機器100内の駆動回路から電圧を除去することなどによって、第1及び第2の駆動信号を中止する。理解されるように、方法500は、第1及び第2のメータアセンブリが夫々の共振周波数で振動していれば、第1及び第2の駆動信号を維持する。即ち、ステップ520にて、方法500が、第1のメータアセンブリが共振周波数で振動していると判定すれば、方法500は、第1のメータアセンブリを駆動し続ける。同様に、ステップ550にて、第2のメータアセンブリが共振周波数で振動していると判定すれば、方法500は、第2のメータアセンブリを共振周波数で振動し続ける。
【0049】
更に又はこれに代えて、方法500は、電流が動作閾値を下回るまで、第1のメータアセンブリによって引き出される電流を減少させることができる。即ち、第1のメータアセンブリによって引き出される電流は、例えば、第1のメーターアセンブリが共振周波数で又はその付近で振動するまで、動作閾値によって制限され得る。前記したメータ電子機器100に関し、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bが共振周波数で振動し始めると、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流は、電流閾値よりも小さくなり得る。従って、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流は、メータ電子機器100の電気容量よりも小さくてもよい。
【0050】
上述の実施形態は、2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する。従って、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される総電流は、メータ電子機器100の電流容量を超えない。更に、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される総電流は、第1及び第2のメータアセンブリ10a、10bのうちの1つによって引き出される最大電流であり得る動作閾値によって制限され得る。これにより、例えば、メータ電子機器100によって駆動されるメータアセンブリの数が増加するにつれて、メータ電子機器100の構成が規制安全要件を満たすようにすることができる。即ち、2つ以上のメータアセンブリがメータ電子機器100によって駆動されても、メータ電子機器100の電流容量は同じままであり得る。その結果、規制要件を満たしながら、メータ電子機器100の電流容量を増加させることに関連するコストが回避される。
【0051】
2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流は、様々なシステムにおいて制限され得る。例えば図1を参照して説明したLNG燃料供給システムのような極低温システムでは、メータ電子機器100は、LNG供給ラインSLにある第1のメータアセンブリ10aと、LNG戻りラインRLにある第2のメータアセンブリ10bとに構成することができる。起動中に、メータ電子機器100は、第1のメータアセンブリ10aによって引き出される電流が動作閾値未満になるまで、第1のメータアセンブリ10aに第1の駆動信号14aを供給する。次に、メータ電子機器100は、第2の駆動信号14bを第2のメータアセンブリ10bに供給する。通常の動作中に、第1及び/又は第2のメータアセンブリ10a、10bによって引き出される電流が増加する場合、メータ電子機器100は、電流が動作閾値未満になるまで電流を減少させる。従って、メータ電子機器100は、例えば、共振周波数以外の周波数で振動するメータアセンブリ10a、10bの両方を支持するメータエレクトロニクス構成に関連する二重の振動式センサシステム5にコストなしに使用することができる。
【0052】
上記の実施形態の詳細な説明は、本出願の範囲内にあるべき、本発明者らによって企図されているすべての実施形態の包括的な説明ではない。事実、当業者であれば、上述した実施形態の特定の要素は、さらなる実施形態を作成するために様々に組み合わせ、又は、なくすことができ、そのようなさらなる実施形態が本出願の範囲及び教示の中に入ることは認識されよう。上述した実施形態は、本発明の範囲及び教示内の追加の実施形態を作成するために全体的に又は部分的に組み合わせることができることも、当業者には諒解されよう。
このように、特定の実施形態が説明の目的で記載されているが、関連技術の熟練者が認識するように、種々の均等な修正が本記載の範囲内で可能である。ここに付与された開示は2つ以上のメータアセンブリによって引き出される電流を制限する他のシステム及び方法に適用され得て、上記の記載及び添付の図面に示す実施形態に適用されるのではない。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5