(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テキスト画面であるか否かは、入力データのうちの1フレームのデータを、階調を基準に低階調領域、中間階調領域、及び高階調領域のうちのいずれの領域に含まれているデータであるかで分類し、前記低階調領域と前記高階調領域に一定比率以上のデータが含まれているのかを判断して決定される、請求項1に記載の表示装置。
前記入力データを分析する段階で前記テキスト画面に分類する場合は、前記入力データのうちの1フレームのデータを、階調を基準に低階調領域、中間階調領域、及び高階調領域のうちのいずれの領域に含まれているデータであるかを分類し、前記低階調領域と前記高階調領域に一定比率以上のデータが含まれているのかを判断して決定する、請求項8〜11のいずれかに記載の表示装置の駆動方法。
前記入力データを分析する段階で前記テキスト画面に分類する場合は、前記入力データのうちの特定個数以上のデータを有する主要階調の個数を把握し、その個数が一定数以下であるかを判断して決定する、請求項8〜12のいずれかに記載の表示装置の駆動方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0029】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるというとき、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるというときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0030】
以下、本発明の実施形態による表示装置について、
図1を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置のブロック図である。
【0032】
本発明の一実施形態による表示装置100は、
図1に示したように、映像を表示する表示パネル300と、表示パネル300を駆動するデータ駆動部500と、ゲート駆動部400と、データ駆動部500及びゲート駆動部400を制御する信号制御部600と、を含む。また、
図1では表示装置100の外部に位置するグラフィック処理部(GPU;10)も示している。
【0033】
グラフィック処理部10は、表示装置100で表示する画像に対するデータである入力データ(input data)と、当該画像が静止画か動画かを区分できる区分信号であるPSR(panel self refresh)信号とを提供する。PSR信号は静止画であるため、表示装置100が自ら既存のフレームの映像を表示するようにする信号であってもよい。
【0034】
グラフィック処理部10の入力データ及びPSR信号の印加を受けた表示装置100は、画像を表示する動作を行うようになり、以下、表示装置100の各部分について詳細に説明する。
【0035】
先ず、表示パネル300について説明する。以下で表示パネル300は液晶表示パネルを中心に説明する。しかし、本発明が適用できる表示パネル300は、液晶表示パネル以外に有機発光表示パネル、電気泳動表示パネル、プラズマ表示パネルなど多様な表示パネルが用いられる。
【0036】
表示パネル300は、複数のゲート線G1−Gnと、複数のデータ線D1−Dmとを含む。複数のゲート線G1−Gnは
図1において横方向に延長されており、複数のデータ線D1−Dmは、複数のゲート線G1−Gnと交差して、
図1において縦方向に延長されている。
【0037】
一つのゲート線G1−Gn及び一つのデータ線D1−Dmは一つの画素PXと接続されている。画素PXはマトリックス状に配列されており、各画素PXは、薄膜トランジスタ、液晶キャパシタ、及び維持キャパシタを含む。薄膜トランジスタの制御端子は一つのゲート線G1−Gnに接続され、薄膜トランジスタの入力端子は一つのデータ線D1−Dmに接続され、薄膜トランジスタの出力端子は液晶キャパシタの一側端子(画素電極)及び維持キャパシタの一側端子に接続される。液晶キャパシタの他側端子は共通電極に接続され、維持キャパシタの他側端子は信号制御部600から印加される維持電圧Vcstの印加を受ける。実施形態によっては、薄膜トランジスタのチャネル層は非晶質シリコンまたはポリシリコンであってもよい。
【0038】
信号制御部600は、外部から入力される入力データ(inputdata)、PSR信号及びその制御信号、例えば、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、メインクロック信号MCLK、及びデータイネーブル信号DEなどに応答して液晶表示パネル300の動作条件に適するように処理した後、映像データDAT、ゲート制御信号CONT1、データ制御信号CONT2、及びクロックclock信号を生成して出力する。
【0039】
ゲート制御信号CONT1は、ゲートオン電圧Vonの出力開始を指示する垂直同期開始信号STV、及びゲートオン電圧Vonの出力時期を制御するゲートクロック信号CPVなどを含んでもよい。
【0040】
データ制御信号CONT2は、映像データDATの入力開始を指示する水平同期開始信号STH、及びデータ線D1−Dmに当該データ電圧の印加を指示するロード信号TPなどを含んでもよい。
【0041】
表示パネル300の複数のゲート線G1−Gnはゲート駆動部400と接続されており、ゲート駆動部400は、信号制御部600から印加されたゲート制御信号CONT1により、ゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffを交互にゲート線G1−Gnに印加する。ゲートオン電圧Vonは順次に各ゲート線G1−Gnに印加される。
【0042】
表示パネル300の複数のデータ線D1−Dmはデータ駆動部500と接続されており、データ駆動部500は、信号制御部600からデータ制御信号CONT2及び映像データDATが伝達される。データ駆動部500は、階調電圧生成部(図示せず)で生成された階調電圧を利用して映像データDATをデータ電圧に変換し、これをデータ線D1−Dmに伝達する。
【0043】
表示パネル300は、信号制御部600の制御によって静止画と動画を表示することができる。連続する複数のフレームが、同一の映像データを有していれば静止画を表示し、互いに異なる映像データを有していれば動画を表示するようになる。信号制御部600は、静止画を表示するときに画像を表示する静止画の周波数を、動画を表示するときに画像を表示する動画の周波数より低い低周波数で表示することができる。これだけでなく、本発明の実施形態による信号制御部600においては、静止画のうちの一定の要件に対応する場合には、静止画の周波数よりさらに低い10Hz以下の超低周波数で駆動する。ここで、一定の要件とは、超低周波数で表示パネル300を駆動しても表示品質に問題がない場合であり、以下、その例として表示画面の大部分が黒色と白色からなる図書や論文を表示するテキスト画面を中心に説明する。しかし、実施形態によっては、テキスト画面以外の画面でも超低周波数で駆動することもできる。
【0044】
即ち、本発明の実施形態による表示装置においては、動画を表示するときには動画の周波数で駆動し、静止画を表示するときには静止画の周波数で駆動し、テキスト画面では10Hz以下の超低周波数で駆動する。以下の本実施形態では、動画の周波数として60Hzを使用し、静止画の周波数としては30Hzを使用する。
【0045】
信号制御部600において、テキスト画面に該当するのか把握して、表示装置300の駆動周波数及び多様な初期レジスタ値を選択する駆動条件設定部601について、
図2を参照して説明する。
【0046】
図2は、本発明の一実施形態による信号制御部のうちの駆動条件設定部のブロック図である。
【0047】
信号制御部600は、外部のグラフィック処理部10から入力された入力データ(input data)及びPSR信号に基づいて静止画と動画に区分して、静止画の周波数または動画の周波数で表示パネル300を動作するようにする。このとき、外部から提供される区分は動画か静止画かの区分だけであるが、本発明の実施形態による表示装置100は、テキスト画面のような一定の要件の画面に対しては10Hz以下の超低周波数でも駆動する。したがって、テキスト画面のような一定の要件の画面に対応するのか確認する必要があり、これは
図2に示された駆動条件設定部601で判断する。
【0048】
駆動条件設定部601では、表示パネル300が駆動される駆動周波数と必要な初期レジスト値を決定し、データ駆動部500に伝達するために入力データ(input data)を映像データDATに変換する処理は、駆動条件設定部601でない信号制御部600の他の部分で行われる。これについては多様な実施形態が存在し、別途に制限されない。
【0049】
以下、駆動条件設定部601について詳細に説明する。
【0050】
駆動条件設定部601は、PSR信号に基づいて動画の入力データ(input data)、即ち、前のフレームの入力データと異なる入力データが入力されると、動画の周波数60Hz)で表示パネル300、データ駆動部500、及びゲート駆動部400が動作するように駆動周波数及び初期レジスト値を選択して、信号制御部600がこれに基づいて表示パネル300を制御するようにする。
【0051】
一方、PSR信号に基づいて静止画である入力データ、即ち、前のフレームの入力データと同程度の入力データが入力されると、静止画の周波数(例えば、30Hz以上、40Hz以下の周波数で、本実施形態では30Hz)で表示パネル300、データ駆動部500、及びゲート駆動部400が動作するように駆動周波数及び初期レジスト値を選択して、信号制御部600がこれに基づいて表示パネル300を制御するようにする。
【0052】
また、PSR信号に基づいて静止画である入力データは、一定の要件に該当する場合(即ち、テキスト画面の場合)には、静止画の周波数より低い10Hz以下の超低周波数で駆動する。テキスト画面であるか否かは駆動条件設定部601で判断され、
図2の実施形態ではヒストグラムチェック(Histogram Check)及びグレーチェック(Gray Check)によって行われる。
【0053】
駆動条件設定部601は、入力データとして、動画が入力されるか、または静止画が入力されても常に動作してもよく、実施形態によっては、静止画が入力された場合に限って動作してもよい。
【0054】
以下、
図2の実施形態による駆動条件設定部601について詳細に説明する。
【0055】
駆動条件設定部601は、入力データ(input data)がテキスト画面であるかを把握するために入力データの伝達を受ける。駆動条件設定部601に入力された入力データ(input data)は、それぞれヒストグラムチェック部610及びグレーチェック部620に入力される。本実施形態による駆動条件設定部601ではヒストグラムチェック部610で行われるヒストグラムチェックと、グレーチェック部620で行われるグレーチェックによってテキスト画面であるかを判断する。ヒストグラムチェックとグレーチェックで全てテキスト画面と判断された場合(AND条件)に、超低周波駆動用テキスト画面と判断するか、または二つのチェックのいずれか一つだけでもテキスト画面と判断された場合(OR条件)に、超低周波駆動用テキスト画面と判断することができる。
【0056】
先ず、ヒストグラムチェック部610について説明する。
【0057】
ヒストグラムチェック部610は、入力データのうちの1フレームのデータを、階調を基準に順次に総3個の領域(低階調領域、中間階調領域、及び高階調領域)に区分し、この中で両端の領域である低階調領域と高階調領域に一定比率以上のデータが含まれている場合であるかをチェックする。このように低階調領域と高階調領域に一定比率以上のデータが分布されている場合は、黒/白に表示される部分が多い場合であり、画面に表示されるものの大部分がテキストである場合を意味する。また、3個の領域に分ける境界置を調整すれば、低階調領域と高階調領域に含まれるデータの比率が変化するようになるので、図書や論文などのテキスト画面であるか否かを確認することができる。区分された各領域に属する比率を利用して判断した結果、テキスト画面である場合には、使用者が当該画面を読むのに時間がかかって画面をあまり変動しないため、10Hz以下の超低周波数で画面を表示しても秒当たり数回(10回以下)画面がリフレッシュ(refresh)されるだけであるので、使用者が画面を見るのに問題がない。
【0058】
本発明の実施形態によるヒストグラムチェック方式は、
図3及び
図4にも示されている。
【0059】
図3及び
図4は、本発明の一実施形態によるヒストグラムチェックの例である。
【0060】
図3では、1フレームのデータを、階調を基準に1領域(低階調領域)、2領域(中間階調領域)、3領域(高階調領域)のいずれの領域に属するのかを区分し、各領域に含まれているデータの個数を把握した図面である。
【0061】
図3では、低階調領域と高階調領域を分ける基準として、256個の階調(0から255階調まで)で5階調及び250階調を使用した。中間階調領域は6階調から249階調までの広い階調範囲を含むが、これはテキスト画面であるかをより厳密に区分するために設定されたものである。この数値は実施形態によって変更可能である。
【0062】
図3のグラフでは、1フレームの映像データを各階調別に区分して個数で示したが、実際ヒストグラムチェックでは3個の領域(1領域、2領域、3領域)にそれぞれ含まれているデータの個数だけが必要であるので、
図4のように把握してもよい。
図4に示したように3個の領域に含まれているデータの個数を基準として、1領域及び3領域に属したデータの比率を基準にヒストグラムチェックを行うことで、テキスト画面に該当するのかを判断する。
【0063】
図3及び
図4の実施形態では、中間階調領域の2領域にはデータが含まれていないので、入力データテキスト領域に該当するデータであることが明確である。しかし、入力データの一部に中間階調が含まれてもPSR信号上では静止画の信号とみなすことができ、テキスト画面に準じて超低周波数で駆動することができる。本実施形態では、中間階調領域に属するデータの数が1フレームの総データ数の15%未満である場合、即ち、低階調領域と高階調領域に含まれているデータの数が1フレームの総データ数の85%以上である場合には、テキスト画面に準ずると判断する。しかし、85%の数値も実施形態によって変動できる。
【0064】
一方、以下にグレーチェック部620について説明する。
【0065】
図2を参照すれば、入力データ(input data)はグレーチェック部620にも入力される。グレーチェック部620では、1フレームのデータのうちの特定個数以上のデータを有する主要階調(dominant gray)の個数を把握し、その個数が一定数以下である場合にはテキスト画面と認識する。
【0066】
即ち、1フレームのデータの中で多様な階調(または色)を含まないで、少数の階調(または色)だけが含まれている場合は、図書や論文のようなテキスト画面とみなすことができて、超低周波数で表示しても画像認識に問題がないからである。
【0067】
このような、グレーチェックについては
図5に示している。
【0068】
図5は、本発明の一実施形態によるグレーチェックの例である。
【0069】
図5では、各階調別に1フレームのデータのうちの該当するデータの数を棒グラフに示した図面である。
【0070】
図5において、グラフ中に示した1本の水平線は、主要階調なのかを判断する基準である特定個数を示した線であって、
図5では1フレームの全体データのうちの0.5%を基準にした。即ち、
図5の実施形態では特定個数(全体データのうちの0.5%)以上である場合に該当する階調を主要階調と見て、その数を把握するようになる。
【0071】
このように把握された主要階調の数が一定数以下である場合にはテキスト画面と認識するが、本実施形態では一定数を10個に設定した。
図5の実施形態では特定個数以上の主要階調の数が総8個である。したがって、テキスト画面に対応する。
【0072】
一定数及び特定個数についても、実施形態によって多様な値を設定することができる。
【0073】
さらに
図2を参照すれば、ヒストグラムチェック部610とグレーチェック部620の出力が併合部630に伝達される。ヒストグラムチェック部610とグレーチェック部620の出力は、入力された1フレームの入力データが当該条件によってテキスト画面と認定されたか否かに対する信号を併合部630に出力する。
【0074】
併合部630は、ヒストグラムチェック部610の出力とグレーチェック部620の出力が全てテキスト画面であるという信号が印加されるときだけテキスト画面であるという信号を出力し、それ以外の場合には全てテキスト画面でないという信号を出力する。即ち、テキスト画面という信号を1とし、そうでない場合を0とするとき、AND演算を行ってその結果を出力する。しかし、実施形態によっては、OR演算を行ってその結果を出力してもよい。即ち、併合部630は、ヒストグラムチェック部610の出力とグレーチェック部620の出力のうちの少なくとも一つがテキスト画面であるという信号であれば、テキスト画面の信号を出力し、それ以外の場合だけにテキスト画面でないという信号を出力してもよい。
【0075】
AND演算を行う時とOR演算を行う時に、ヒストグラムチェック部610とグレーチェック部620で設定されている数値は互いに異なってもよい。
【0076】
その後、併合部630の出力がテキスト画面であるという信号の場合には、周波数選択部640では10Hz以下の超低周波数に選択する。併合部630の出力がテキスト画面でないという信号の場合には、周波数選択部640では30Hz以上、40Hz以下に設定されている低周波数を選択する。
【0077】
その後、レジスタ選択部650では、選択された周波数(超低周波数または低周波数)により表示パネル300の多様な設定値も選択して、当該レジスタ値で表示パネル300が駆動するようにする。レジスタ値には、表示パネル300の駆動時に必要な初期レジスタ値が含まれてもよい。
【0078】
周波数選択部640とレジスタ選択部650で選択された駆動周波数と初期レジスタ値は、信号制御部600で表示パネル300、ゲート駆動部400、及びデータ駆動部500を制御するのに使用される。
【0079】
実施形態によっては、周波数選択部640とレジスタ選択部650が一つのブロックで構成されてもよい。
【0080】
一方、PSR信号で動画である場合にも、入力データを
図2のブロックを通るようにしてもよい。しかし、ヒストグラムチェック及びグレーチェックは、超低周波駆動が可能であるかを判断するものであるため、動画である場合には
図2のブロックを通らないで表示パネル300を動画の周波数(60Hz)で駆動することもできる。
【0081】
また、信号制御部600でデータ駆動部500に伝達される映像データDATは、
図2の駆動条件設定部601と別途のルートを通して入力データ(input data)が映像データDATに変換されて伝達される。
【0082】
本発明の実施形態による表示装置100で動画を表示する場合、静止画を表示する場合及びテキスト画面を表示する場合について、
図6乃至
図8で比較して示した。
【0083】
図6乃至
図8は、本発明の一実施形態による表示装置で画像を表示する方式を簡略化して示した図面である。
【0084】
先ず、
図6では、動画を表示する場合で、60Hzで駆動して1秒に60回画面を表示することを、簡略的に6個の画面だけを表示して示した。
【0085】
これに反し、
図7では、静止画を表示する場合で、30Hzで駆動して1秒に30回画面を表示することを、簡略的に3個の画面だけを表示して示した。
【0086】
最後に、
図8では、テキスト画面を表示する場合で、10Hzで駆動して1秒に10回画面を表示することを、簡略的に1個の画面だけを表示して示した。
【0087】
図6乃至
図8に示したように、駆動周波数を低くして表示しても問題がない画面は、低周波数やそれよりさらに低い超低周波数で駆動するようにして消費電力を減少させることができる。
【0088】
以下、
図9乃至
図12を参照して、本発明の一実施形態による表示装置の特性について説明する。
【0089】
図9乃至
図11は、本発明の一実施形態による表示装置で階調による特性変化を示した図面であり、
図12は、本発明の一実施形態による表示装置の消費電力の減少率を示した図面である。
【0090】
先ず、
図9では、テキスト映像でない1フレームのデータを階調別に分析したグラフである。
図9に示したように、多様な階調のデータが全て含まれている。このような映像データは、静止画であっても中間階調でデータの漏れ(leakage)によってフリッカが視認される可能性があって、静止画の周波数を低くするのに限界があるため、30Hz以上の低周波数で駆動する。
【0091】
しかし、図書や論文のようなテキスト画面は、大部分の階調値がホワイトとブラックからなっていて、高階調と低階調値を有するのでデータの漏れが少なく、超低周波数で駆動してもフリッカが視認されない。
【0092】
ここで、データの漏れ(leakage)については、
図10及び
図11を参照して説明する。
【0093】
先ず、
図10は、電圧による透過率のグラフが示されている。
【0094】
図10に示したように、低電圧領域(低階調)や高電圧領域(高階調)とは異なり、中間領域(中間階調)では曲線の傾きが大きいことが分かる。即ち、中間領域の部分のみにおいて電圧の変化に対して透過率の変化が大きい。
【0095】
一般に、液晶表示装置は、液晶キャパシタに充電された電圧が、時間が経過するほど漏洩電流によって減少する。特に、低周波駆動の場合、液晶キャパシタの一端(または画素電極)に充電された電圧が漏洩する時間が長くなって、画素電極の電圧変化が大きくなる。このような電圧の変化は、高階調領域や低階調領域では輝度差が大きくないために視認されないが、中間階調領域では電圧変化による輝度変化が大きいために使用者に視認されうる。
【0096】
図11は、中間階調領域で同一の階調を表示しても、時間の経過に伴って輝度が変化することをグラフに示している。
【0097】
図11に示したように、中間階調領域では時間の経過に従って輝度が変化し、具体的には輝度が低下し、使用者はこれを見るとき、輝度変化によるフリッカと認識する。
【0098】
その結果、静止画でも中間階調領域の階調が一定水準以上含まれる場合には、使用者がフリッカを視認する可能性があって、駆動周波数を超低周波数に低めないことがある。
【0099】
したがって、
図2に示したように、本発明の一実施形態ではヒストグラムチェックとグレーチェックによって中間階調が少ないテキスト画面であるかを判断した後に、テキスト画面である場合には超低周波数で駆動するようにする。
【0100】
図12は、本発明の実施形態による表示装置で消費電力の減少を示している。
図12において、x軸は駆動周波数であり、y軸は消費電力減少率で、60Hzで駆動するときの消費電力を基準にした減少率である。
【0101】
図12に示したように、60Hzの駆動周波数から30Hzに駆動周波数を減らせば、消費電力が16%程度減少するのを確認できる。また、10Hz以下で駆動する場合、少なくとも27%の消費電力が減少し、1Hzで駆動する場合には約32%の消費電力が減少する。
【0102】
このような消費電力の減少を考慮するとき、バッテリを使用するノートパソコンまたはタブレットPCは、フル充電(full charging)の場合10時間22分の間で使用できたのであるが、本発明の超低周波を使用することにより、10時間46分の間で使用できるようになる。
【0103】
したがって、本発明の実施形態のようにバッテリを有する表示装置において、使用者がテキスト画面だけを視認する場合には、従来の表示装置に比べてさらに長い間画像を表示できる長所がある。
【0104】
以下、
図13を参照して、本発明の他の実施形態による駆動条件設定部601について説明する。
【0105】
図13は、本発明の他の実施形態による信号制御部のうちの駆動条件設定部601のブロック図である。
【0106】
図13の実施形態は
図2の実施形態と類似しているが、グレーチェック部620の出力が併合部630に伝達されること以外に、周波数選択部640にも直接的に伝達される差異がある。
【0107】
即ち、
図13は、
図2とヒストグラムチェック部610、グレーチェック部620、併合部630、周波数選択部640、及びレジスタ選択部650を含むという点で類似しているが、周波数選択部640内にルックアップテーブル(LUT)645を有し、グレーチェック部620で主要階調(dominant gray)の値をルックアップテーブル645に伝達し、それによってルックアップテーブル645内の駆動周波数を選択し、選択された駆動周波数(frequency value)をレジスタ選択部650に伝達して当該駆動周波数によるレジスタ値を選択して、表示パネル300、データ駆動部500、及びゲート駆動部400が動作するようにする。
【0108】
即ち、
図13の実施形態は、
図2の実施形態のようにヒストグラムチェックとグレーチェックによってテキスト画面であると判断された場合、超低周波数を選択しレジスタを選択して、表示パネル300、データ駆動部500、及びゲート駆動部400が超低周波数で動作するようにする。一方、テキスト画面でない場合には低周波数で動作するようにしてもよい。しかし、併合部630の出力は、周波数選択部640で超低周波数を選択してもよいのか否かの情報だけを提供し、実際の駆動周波数を選択するのは主階調の値によって選択されてもよい。このために、
図13ではグレーチェック部620から周波数選択部640に直接的に主階調(main gray)の値を出力するルートを含む。ここで、主階調は最も多い個数のデータを含む階調であってもよい。このルートは、1フレームのデータがテキスト画面でない一般の映像データである場合にも、映像の主階調値に基づいて駆動周波数を変更して消費電力を減少させることができるようにするルートである。また、
図13の実施形態は、表示される画像の背景が主階調と関連するので、背景によってそれぞれ異なる駆動周波数で駆動するようにすることができるという差異がある。
【0109】
即ち、グレーチェック部620は、1フレームのデータのうちの特定個数以上のデータを有する主要階調の個数を把握し、一定数以下である場合にはテキスト画面と認識して、これを併合部630に伝達するだけでなく、1フレームのデータのうちの主階調の値を把握して、これを周波数選択部640のルックアップテーブル645に伝達する。主階調の値は、1フレームのデータのうちの最も多く含まれている階調であってもよい。
【0110】
ルックアップテーブル645には主階調の値に対応する駆動周波数が保存されており、主階調に対応する駆動周波数を探し、これをレジスタ選択部650に伝達する。
【0111】
ルックアップテーブル645に保存されている駆動周波数と主階調との関係に対する一実施形態は
図14に示されている。
【0112】
図14は、
図13の実施形態で階調による駆動周波数を示したグラフである。
【0113】
図14のグラフは、主階調値に対する駆動周波数値の一例のグラフで、動画の周波数が60Hzで最大の駆動周波数値である。
【0114】
図14に示したように、一般に映像データの主階調値が中間階調のときには、最大駆動周波数の60Hzまたはそれに準ずる高周波数を駆動周波数にする。しかし、低階調と高階調に向かうほど駆動周波数は低い値を含んでいる。
【0115】
これは、高階調と低階調を主階調として含む画面は、相対的に低い駆動周波数で表示しても表示品質の低下が少ないためである。
【0116】
ルックアップテーブル645における主階調値と駆動周波数との関係は、
図14とは異なる関係を有してもよい。
【0117】
以下、空間周波数(spatial frequency)によって表示装置の駆動周波数を異なるようにする実施形態について説明する。
【0118】
先ず、
図15を参照して、空間周波数について説明する。
【0119】
図15は、空間周波数による表示特性を示したグラフである。
【0120】
図15は、空間周波数によって人がコントラスト比(contrast ratio)を認知する程度を示したグラフである。
図15には、成人と子供とで互いに異なる特性を有することも示されている。空間周波数は、一般に空間の1ユニット当たりの繰り返し構造の特性を指す。理論に結びつけられること無しに、1つの側面においては、人間の特性の認識は、各々が正弦関数の空間周波数を持っている多くのサブ特性の数学的な合計を含んでいるかもしれない。人間が数学的な合計を知覚するので、合計された特性は、サブ特性の識別可能な正弦関数の周期性を有すること無く、「滑らかなこと(smooth)」ととらえられる。人間の知覚中の空間周波数は、視角の度当たりのサイクルの数で表現することができる。
【0121】
成人の場合、3cycle/degreeの空間周波数で最もコントラスト比をよく感じることが分かる。ここで、3cycle/degreeの空間周波数は、1度の視野角内で3周期を有する画素値の変化を意味する。
【0122】
このようにコントラスト比がよく感じられる領域では、低周波で駆動する場合、フリッカをより容易に視認する。したがって、空間周波数を考慮してコントラスト比をあまり感じられない領域で低周波数または超低周波で駆動し、コントラスト比をよく感じる領域では一般駆動周波数で駆動することができる。
【0123】
即ち、本発明の実施形態では低周波数または超低周波数で駆動する画像イメージで空間周波数も分析して、使用者がフリッカをあまり感じられない場合だけに低周波数または超低周波数で駆動するようにし、フリッカをよく感じる場合には低周波数または超低周波数での駆動を制限する。
【0124】
このように、空間周波数を考慮する信号制御部600の駆動条件設定部601は
図16に示している。
【0125】
図16は、本発明の他の実施形態による信号制御部のうちの駆動条件設定部601のブロック図である。
【0126】
信号制御部600の駆動条件設定部601は、空間周波数分析部615、視力適用部625、周波数選択部640、及びレジスタ選択部650を含む。
【0127】
空間周波数分析部615は、表示装置が表示する画像や使用環境に基づいて表示装置と使用者間の距離を予測し、それに基づいて空間周波数を抽出する。
【0128】
抽出された空間周波数値は視力適用部625に伝達され、
図15のグラフにおいて、表示装置を使用する平均年令の人の空間周波数による人のコントラスト比の認知程度(sensitivity)を把握する。
【0129】
把握されたコントラスト比の認知程度は周波数選択部640に伝達され、把握されたコントラスト比の認知程度が一定水準以上である場合には、超低周波数を駆動周波数と選択せず、一定水準未満である場合には超低周波数を駆動周波数と選択して駆動する。
【0130】
また、選択された駆動周波数によってレジスタ選択部650も、選択された駆動周波数による初期値を選択して、表示パネル300が動作するようにする。
【0131】
把握されたコントラスト比の認知程度(sensitivity)が一定水準以上である場合には、使用者がフリッカを視認する可能性が高くて超低周波数では駆動せず、一定水準未満のときに超低周波数を駆動周波数と選択して駆動する。
【0132】
図16の実施形態は、
図2または
図13の実施形態のように画像データを把握する実施形態と共に適用できる。即ち、
図2または
図13の実施形態のように画像データを把握して超低周波数でも駆動が可能であると判断された場合においても、
図16の実施形態によって把握されたコントラスト比の認知程度(sensitivity)が一定水準以上である場合には、超低周波数で駆動しないように制御することができる。
【0133】
一方、空間周波数分析部615では表示装置と使用者の間の距離値に基づいて空間周波数を分析するが、このために表示装置100が使用者までの距離を把握するカメラ110をさらに含んでもよい。
【0134】
これについては、
図17及び
図18を参照して説明する。
【0135】
図17は、本発明の他の実施形態による表示装置のブロック図であり、
図18は、
図17の実施形態による信号制御部のうちの駆動条件設定部601のブロック図である。
【0136】
図17には、カメラ110が使用者と表示装置100間の距離を把握するために含まれている構造が示されている。
【0137】
また、
図18では、信号制御部600の駆動条件設定部601に入力されるデータは、入力データと共に使用者までの距離値が入力される。
【0138】
入力された使用者までの距離値は空間周波数分析部615に入力されて、距離値に基づいて空間周波数を算出する。
【0139】
それ以後の構造は
図16と同一である。
【0140】
図17及び
図18の実施形態は、使用者の位置によって空間周波数をさらに明確に把握できるので、10Hz以下の超低周波数で駆動するとき、使用者が位置に関係なくフリッカを感じないようにするという長所を有する。
【0141】
以下、
図19を利用して、本発明の実施形態による表示装置の駆動方法について説明する。
【0142】
図19は、本発明の一実施形態による表示装置の駆動方法に対するフローチャートである。
【0143】
表示装置の外部に位置するグラフィック処理部10から表示装置100の信号制御部600に入力データ(input data)が印加(S10)される。このとき、PSR信号も共に印加されることができる。
【0144】
印加された入力データは、信号制御部600内の駆動条件設定部601で分析(S20)されて、動画、または静止画、またはテキスト画面に分類される。ここで、テキスト画面への分類は、
図2または
図13に示したようにヒストグラムチェックやグレーチェックによって行われる。また、動画か静止画かはPSR信号によって分類される。
【0145】
印加された入力データの分類によって駆動周波数が選択(S30)される。即ち、入力データが動画である場合には、動画の周波数(60Hz)を駆動周波数に選択し、入力データが静止画である場合には、動画の周波数より低い30Hz以上、40Hz以下の静止画の周波数を駆動周波数に選択し、テキスト画面である場合には、10Hz以下の超低周波数を駆動周波数に選択する。
【0146】
その後、選択された駆動周波数によってレジスタ値が選択(S40)される。
【0147】
以上のような順序によって本発明の実施形態による表示装置が駆動されることができる。
【0148】
しかし、実施形態によっては空間周波数が考慮されてもよい。即ち、空間周波数によって使用者のコントラスト比の認知程度を把握する段階(S25)をさらに含んでもよい。駆動周波数を選択する段階(S30)では把握されたコントラスト比の認知程度により、テキスト画面である場合にも10Hz以下の超低周波数を駆動周波数に選択しないようにすることができる。即ち、コントラスト比の認知程度(sensitivity)が一定水準以上である場合には超低周波数を駆動周波数に選択せず、一定水準未満である場合には超低周波数を駆動周波数に選択して駆動することにより、使用者がフリッカを視認しないようにする。
【0149】
図19のフローチャートにおいては、テキスト画面であるかを分析する段階(S20)と、空間周波数を判断する段階(S25)とが共に含まれている。しかし、このうちの空間周波数を判断する段階(S25)が省略されてもよい。
【0150】
以上では動画の周波数を60Hzに、静止画の周波数を30Hz以上、40Hz以下に使用する実施形態を中心に説明した。しかし、動画の周波数は120Hz、240Hzのように高速駆動が行われ、静止画の周波数は動画の周波数の半分以上、2/3以下の値を有してもよい。
【0151】
以上のように、表示装置に入力される画像データのパターンがテキスト画面のように10Hz以下の超低周波で駆動しても画像品質に問題がない場合には、超低周波で駆動するようにして表示装置の消費電力を減らす。また、実施形態によっては、空間周波数による使用者のコントラスト比(contrast ratio)を認知程度によってテキスト画面のような画像データも超低周波で駆動しないようにして、フリッカが使用者に視認されないようにする。
【0152】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。