(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書において、「上」は、物品において突出部が突出された側を指し、「下」は、それとは反対側を指す。さらに、「A〜B」という記載は、A以上B以下を意味する。
各断面図において、各層の大きさ及び厚みは、実際の製品とは異なっていることに留意されたい。
【0013】
[第1実施形態]
第1実施形態は、1つの物品に熱収縮性筒状ラベルが装着されている包装体に関する。
図1乃至
図3に於いて、本実施形態の包装体1は、物品2と、物品2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を有する。物品2は、本体部21と、前記本体部21の上面の一部の縁部を含んで上方に突出された突出部22と、を有する。この物品2に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3は、前記物品2の本体部21の周側面に装着されていると共に、その上端部Aが、前記突出部22の両側部22a,22aに掛かることなく前記本体部21の上面端部に折れ曲がって係止されている。
以下、物品2と熱収縮性筒状ラベル3を個別に説明した後、それらを有する包装体1について具体的に説明する。
【0014】
<物品2>
熱収縮性筒状ラベル3が装着される物品2は、お菓子などの収納物が入れられた包装箱、収納物が入れられた包装容器、収納物が入れられたブリスター容器、機械部品のような商品そのものなどが挙げられる。
前記包装箱は、シート材を組み立てて箱状に形成した包材であり、前記包装容器は、射出成形やブロー成形などによって形成された合成樹脂製容器、ガラス製容器、金属製容器、陶器製容器などの容器型の包材であり、ブリスター容器は、シート成形などによって形成された合成樹脂製凹状カバーが台紙に取り付けられた包材であり、何れもその包材の内部に収納物を入れることによって取引対象となる物品2が構成される。
【0015】
図4に示す物品2は、ヘッダー部を有し且つ収納物(図示せず)が入れられた包装箱である。
この物品2は、本体部21と、突出部22と、を有する。本体部21は、前記包装箱に相当し、突出部22は、前記ヘッダー部に相当する。包装箱などの包材における本体部21は、収納物を入れる収納空間を内部に有する部分である。また、前記物品2がシート材にて形成される場合、本体部21の周側面及び突出部22は、1枚のシート材から形成されていることが好ましく、本体部21の周側面、本体部21の上面及び突出部22は、1枚のシート材から形成されていることがより好ましく、本体部21の周側面、本体部21の上面、本体部22の下面及び突出部22は、1枚のシート材から形成されていることがさらに好ましい。
前記本体部21は、それ自体が自立可能な立体形状であり、例えば、上面と、下面と、上面と下面の間に配置された周側面と、を有する。本体部21は、前記上面、周側面及び下面で囲われた範囲内に収納空間を有する。立体部の具体的な立体形状は、特に限定されず、略四角柱状、略三角柱状、略円柱状、略楕円柱状などの柱状、略四角錐台状、略三角錐台状などの錐台状などが挙げられる。
図示例の本体部21は、略四角柱状である。略四角柱状の本体部21の上面211及び下面は、略四角形であり、その本体部21の周側面は、4つの側面からなる。以下、周側面の各面を区別する場合には、第1側面、第2側面などという。これら第1側面などは、周側面の一部を成す側面である。
突出部22は、前記本体部21の上面211の縁部のうち、一部の縁部を含んで上方に突出されている。この突出部22は、前記一部の縁部に対応する本体部21の周側面に沿って突出されている。
図示例の物品2では、突出部22は、第1側面の延長面上に延出されているので、第1側面に沿って突出されている。かかる突出部22の背面と第1側面は、同一平面上に延在している。
なお、第2側面は、前記第1側面と対向する側面であり、第3側面及び第4側面は、第1側面及び第2側面と直交する側面であって互いに対向した側面である。
前記略四角柱状の本体部21の上面211は、4つの縁部(4辺)を有し、前記突出部22は、前記本体部21の4つの縁部のうち1つの縁部211a(長方形状の上面211の1つの長辺)を含んで上方に突出されている。以下、上面211の縁部のうち突出部22が突出されている縁部を「特定縁部211a」という場合がある。図示例の場合、特定縁部211aは、上面211の一辺(第1側面の上辺)であり、特定縁部211a以外の縁部は、上面211の残る三辺(第2乃至第4側面の上辺)である。
【0016】
図示例では、突出部22は、前記特定縁部211aの全体を含み、その縁部に連続して本体部21の第1側面から上方に突出されている。突出部22は、特定縁部211aの形状に沿っている。つまり、突出部22は、前記特定縁部211aの形状を上方に平行移動させたときの軌跡の如くの形状を有する。例えば、図示例のように、特定縁部211aが直線状である場合には、突出部22は、平坦状である。
突出部22の正面視形状は、特に限定されず、例えば、正面視略長方形状、略正方形状などの略長方形状に形成されている。また、突出部22は、例えば、板状の部分からなる。
本体部21から突出された板状の突出部22(ヘッダー部)は、通常、その包装箱を吊り下げるための部分、その包装箱を把持するための部分(手提げ部)などとして利用される。なお、図示例では、本体部21の幅方向中央部に、吊り下げ用の孔219が穿設されている。
【0017】
前記本体部21及び突出部22は、シート材を用いて一体的に形成されている。
前記シート材は、収納物を入れた状態で包装箱の形態を維持できる強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、厚紙、硬質合成樹脂製シート、合成紙、これらの積層シート、又は、これらに機能層が積層された積層シートなどが挙げられる。前記機能層としては、アルミニウム箔などの金属箔、不織布、薄い合成樹脂製フィルム層などが挙げられる。
なお、本体部21の上面211、側面及び下面の少なくとも何れか1つは、収納物を取り出すために開閉できるようになっていることが好ましい。
また、本体部21及び突出部22の外面(及び内面)の全部又は一部には、必要に応じて、絵柄、商品名、説明書きなどの所望のデザインが印刷などの手法で表されている(デザイン表示は図示せず)。
【0018】
<熱収縮性筒状ラベル>
図5乃至
図6において、熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮性フィルムを筒状に形成した筒状体から構成される。この筒状体は、熱収縮性フィルム4の第1側端部41と第2側端部42を重ね合わせ、その重ね合わせた部分の少なくとも一部を接着することにより形成されたシール部43を有し、そのシール部43は、筒状体の縦方向に延設されている。なお、筒状体の縦方向は、筒状の軸芯方向と平行な方向である。
本明細書において、熱収縮性は、所要温度(例えば70℃〜100℃)に加熱されると収縮する性質をいう。
【0019】
熱収縮性筒状ラベル3は、後述するように、通常、筒状長尺体を切断することによって得られるが、この筒状長尺体は、切断時には、扁平状となっており、熱収縮性筒状ラベル3も、通常、扁平状態で保管、運搬に供される。
図5に示すように、扁平状に折り畳まれた熱収縮性筒状ラベル3は、物品2に装着する際には、
図6に示すように、筒状に開口される。
【0020】
熱収縮性フィルム4は、平面視略矩形状のフィルムからなる。
熱収縮性フィルム4は、例えば、横方向(熱収縮性フィルム4の横方向は、筒状体とした際に、その周方向)に大きく熱収縮し得るフィルムが用いられる。なお、前記熱収縮性フィルム4は、縦方向(縦方向は、フィルムの面内において前記横方向と直交する方向であって、筒状体とした際に、その縦方向)に若干熱収縮又は若干熱膨張してもよい。熱収縮性フィルム4としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物などからなる合成樹脂製フィルムを用いることができる。収縮応力が大きく且つ比較的腰が強いことから、熱収縮性フィルム4として、ポリエステル系樹脂を含むフィルムを用いることが好ましく、中でも、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含むフィルムを用いることがより好ましい。また、前記熱収縮性フィルム4は、熱収縮性及び自己伸縮性を有するものを用いてもよい。前記自己伸縮性は、常温下、引っ張ると伸び且つその引っ張り力を解除するとほぼ元に復元する性質をいう。
【0021】
熱収縮性フィルム4は、1層のフィルム(単層フィルム)から構成されていてもよいし、2以上の層が積層一体化されたフィルム(積層フィルム)から構成されていてもよい。熱収縮性フィルム4が積層フィルムである場合、その積層フィルムの各層は任意に選択できる。前記積層フィルムとしては、熱収縮性を有する2種以上のフィルム層が積層された積層フィルム、熱収縮性を有するフィルム層に透明なガスバリア層が積層された積層フィルムなどを用いることができる。熱収縮性フィルム4が積層フィルムである場合、各フィルム層の材質は、実質的に同じでもよいし、異なっていてもよい。単層フィルムは、ポリエステル系樹脂(好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂)を含むフィルムが好ましく、積層フィルムは、少なくとも1つの層がポリエステル系樹脂(好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂)を含んでいることが好ましい。
熱収縮性フィルム4の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜120μmであり、好ましくは20μm〜80μmである。
【0022】
前記熱収縮性フィルム4は、横方向に主として熱収縮する(主たる熱収縮方向が横方向である)。
前記熱収縮性フィルム4の横方向における熱収縮率は、例えば、20%以上であり、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。前記熱収縮性フィルム4が縦方向に若干熱収縮又は熱膨張するフィルムである場合、その縦方向における熱収縮率は、好ましくは−3%〜15%である。
ただし、前記熱収縮率は、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、フィルムを90℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(横方向又は縦方向の元の長さ)−(横方向又は縦方向の浸漬後の長さ)}/(横方向又は縦方向の元の長さ)]×100。
また、前記熱収縮性フィルム4は、非透明でもよいが、印刷層を内面側に設ける場合には、透明性に優れたものが用いられる。透明(無色透明又は有色透明)な熱収縮性フィルム4の透明性の指標は、全光線透過率70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。ただし、全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される。
【0023】
前記熱収縮性フィルム4の内面及び外面の少なくとも一方の面には、必要に応じて、デザインを表した印刷層(図示せず)が設けられる。印刷層は、好ましくは熱収縮性フィルム4の内面に設けられる。印刷層は、第1側端部41と第2側端部42を重ね合わせて接着した部分(シール部43)を除く熱収縮性フィルム4の全体に設けられていてもよく、その一部分に設けられていてもよい。
印刷層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1μm〜5μmであり、好ましくは、0.2μm〜3μmである。
また、熱収縮性フィルム4には、必要に応じて、印刷層以外の機能層(図示せず)が設けられていてもよい。前記機能層としては、印刷層の表面を保護する保護層、熱収縮性筒状ラベル3の内面の滑り性を向上させるための滑り層、物品2の外面に接着させるための接着層などが挙げられる。
【0024】
熱収縮性筒状ラベル3の周長は、物品2の本体部21の周長以上であれば特に限定されないが、余りに小さいと、熱収縮性筒状ラベル3を物品2に装着する際に、熱収縮性筒状ラベル3を物品2の本体部21に外嵌することが困難となり、余りに大きいと、(熱収縮性フィルム4の熱収縮率にも因るが)熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させてもそれが本体部21に密着しないおそれがある。
このような観点から、熱収縮性筒状ラベル3の周長は、物品2の本体部21の周長×1.03倍〜1.3倍が好ましく、1.05倍〜1.15倍がより好ましい。
【0025】
本実施形態の筒状体の上縁は、その全体が周方向に直線状でなく、縦方向に部分的に位置ずれしている。
詳しくは、筒状体の上縁は、第1上縁31uと、その第1上縁31uよりも上方に突出した第2上縁32uと、からなる。第1上縁31u及び第2上縁32uは、いずれも筒状体の周方向に延びる直線状の縁であるが、第2上縁32uは、第1上縁31uよりも筒状体の縦方向上側に配置されている。換言すると、第1上縁31uは、第2上縁32uよりも筒状体の縦方向下側に配置されている。
前記「周方向に延びる直線状」とは、本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲を含むものとする。
第1上縁31uの下端から周方向に仮想直線を引いたときに、その仮想直線と第2上縁32uとで囲われる長方形領域は、第1上縁31uよりも上方に突出した領域である。この領域の全部又は一部は、後述するように、熱収縮性筒状ラベル3を物品2に装着した際に、本体部21の上面211に折れ曲がり、その上面端部に係止される上端部Aとなる。
【0026】
第1上縁31uと第2上縁32uの縦方向における長さ差は、特に限定されないが、余りに小さいと、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aを本体部21の上面端部に十分に係止させることができないおそれがあり、余りに大きいと、必要以上に上端部Aの面積が大きくなり、費用対効果上好ましくない。このような観点から、第1上縁31uと第2上縁32uの縦方向における長さ差は、2mm〜15mmが好ましく、2mm〜10mmがより好ましく、3mm〜8mmがさらに好ましい。
【0027】
第1上縁31uの周方向における長さと第2上縁32uの周方向における長さは、それぞれ特に限定されないが、第1上縁31uの周方向長さが余りに小さいと(相対的に第2上縁32uの周方向長さは大きくなる)、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが物品2の突出部22に重なり、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aの一部が本体部21の上面211から浮き上がるおそれがある。かかる観点から、第1上縁31uの周方向長さは、熱収縮性筒状ラベル3の周長×(突出部22の幅/本体部21の周側面の周長)×0.9倍〜熱収縮性筒状ラベル3の周長×(突出部22の幅/本体部21の周側面の周長)×1.2倍が好ましく、熱収縮性筒状ラベル3の周長×(突出部22の幅/本体部21の周側面の周長)×1倍〜熱収縮性筒状ラベル3の周長×(突出部22の幅/本体部21の周側面の周長)×1.2倍がより好ましく、熱収縮性筒状ラベル3の周長×(突出部22の幅/本体部21の周側面の周長)×1.02倍〜熱収縮性筒状ラベル3の周長×(突出部22の幅/本体部21の周側面の周長)×1.15倍がさらに好ましい。
【0028】
また、筒状体の下縁は、その全体が周方向に直線状に形成されていてもよいが、本実施形態では、縦方向に部分的に位置ずれしている。
詳しくは、筒状体の下縁は、第1下縁31dと、その第1下縁31dよりも上方に位置ずれした第2下縁32dと、からなる。第1下縁31d及び第2下縁32dは、いずれも筒状体の周方向に延びる直線状の縁であるが、第2下縁32dは、第1下縁31dよりも筒状体の縦方向上側に配置されている。換言すると、第1下縁31dは、第2下縁32dよりも下方に突出している。
第2下縁32dの上端から周方向に仮想直線を引いたときに、その仮想直線と第1下縁31dとで囲われる長方形領域は、第2下縁32dよりも下方に突出した領域である。この領域の全部又は一部は、後述するように、熱収縮性筒状ラベル3を物品2に装着した際に、本体部21の下面に折れ曲がり、その下面に係止される下端部Bとなる。
【0029】
本実施形態では、筒状体の縦方向において、第1下縁31d及び第2下縁32dは、第1上縁31u及び第2上縁32uに対応しており、第1上縁31uから第1下縁31dまでの縦方向長さと第2上縁32uから第2下縁32dまでの縦方向長さとは、同じ長さである。それ故、第1下縁31dと第2下縁32dの縦方向における長さ差は、第1上縁31uと第2上縁32uの縦方向における長さ差と同じである。また、第1下縁31dの周方向長さは、第1上縁31uの周方向長さと同じであり、第2下縁32dの周方向長さは、第2上縁32uの周方向長さと同じである。もっとも、これらの長さが第1上縁31u及び第2上縁32uとは異なるように、第1下縁31d及び第2下縁32dが形成されていてもよい。
また、第2下縁32dから周方向に引いた仮想直線と第1上縁31uとの縦方向長さは、特に限定されないが、物品2の本体部21の縦方向長さと略同じであることが好ましい。
【0030】
前記熱収縮性筒状ラベル3の上端部A(熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aを構成する熱収縮性フィルム4の部分)に、デザインを表すなどの目的の印刷層が設けられていてもよいが、好ましくは、その上端部Aには印刷層が設けられていない。上端部Aに印刷層を設けないことにより、加熱時に、上端部Aが大きく熱収縮し、本体部21の上面211に沿って折れ曲がり易くなる。同様に、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bが加熱時に本体部21の下面に沿って折れ曲がり易くなることから、その下端部Bには印刷層が設けられていないことが好ましい。
【0031】
前記筒状体には、縦方向に延びる開封用のミシン目線51,51が形成されている。
ミシン目線51,51は、シール部43の周方向両側にそれぞれ設けられている。この2つのミシン目線51,51は、例えば、第1上縁31uから第1下縁31dにまで形成されている。
ここで、本明細書において、ミシン目線は、熱収縮性フィルムの表裏面に貫通する貫通孔部の複数(本明細書において、複数は、2つ以上という意味である)が1つの方向に延びるように断続的に形成されたものである。隣接する貫通孔部の間には、非貫通部(フィルムそのもの)が存在する。貫通孔部の形状は、細長い直線状、円形状、楕円形状などが挙げられる。ミシン目線51,51の貫通孔部及び非貫通部の長さは、特に限定されない。ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.1mm〜3mmであり、好ましくは、0.2mm〜2mmであり、非貫通部の長さは、例えば、0.1mm〜2mmであり、好ましくは、0.1mm〜1mmである。
【0032】
上記熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、次のような方法で製造できる。
従来と同様な方法で、長尺状の熱収縮性フィルム4の第1側端部41と第2側端部42を重ね合わせて接着することにより、
図7に示すように、扁平状態の長尺筒状体6を形成する。この長尺筒状体6を、
図7の一点鎖線で示す切断線Xで切断することにより、上記熱収縮性筒状ラベル3を得ることができる。
前記切断線Xは、筒状体の周方向に延びる直線状の第1切断線X1と、その第1切断線X1から扁平状態の長尺筒状体6の長さ方向にずれ且つ筒状体の周方向に延びる直線状の第2切断線X2と、前記第1切断線X1と第2切断線X2の間に連設され且つ第1切断線X1と第2切断線X2を繋ぐ第3切断線X3と、から構成される。
前記切断線Xは、筒状体を扁平状に折り畳んだときの当該筒状体の第1上縁31u及び第2上縁32u(第1下縁31d及び第2下縁32d)の平面視形状と同じである。
【0033】
<包装体>
本発明の包装体1は、
図1乃至
図3に示すように、物品2の本体部21の周側面に、熱収縮性筒状ラベル3が装着されている。
前記熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uは、本体部21の上面211の特定縁部211aに略沿っており、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aは、突出部22に掛かることなく、本体部21の上面端部に折り曲げられている。
上端部Aは、特定縁部211a以外の縁部に対応して折り曲げられている。図示例では、上端部Aは、上面211の三辺(第2乃至第4側面の上辺)に対応して折り曲げられており、より詳しくは、第3及び第4側面の各上辺の全部又は一部及び第2側面の上辺の全部に対応して折り曲げられている。このように上端部Aが上面211の三辺に対応して折り曲げられていることにより、上端部Aが本体部21の上面211にしっかりと係止されるので好ましい。
ただし、前記上端部Aは、特定縁部211a以外の縁部の全部又は一部に対応して折り曲げられていればよく、例えば、前記上端部Aが、第2側面の上辺のみに対応して折り曲げられていてもよい(図示せず)。上面211の縁部全体に対する上端部Aの占める割合は、特に限定されないが、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。
前記上端部Aの占める割合=(折り曲げられた上端部Aが接する上面211の縁部の長さ/上面211の縁部全体の長さ)×100。
かかる包装体1は、突出部22の両側部22a,22aにおいて熱収縮性筒状ラベル3の一部が本体部21の上面211から浮き上がることもなく、又、突出部22が熱収縮性筒状ラベル3によって変形させられることもない。
なお、特に図示しないが、前記熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが特定縁部211aよりも少し下方に位置するようにして(第1上縁31uが周側面の面内に位置するようにして)、熱収縮性筒状ラベル3が物品2に装着されていてもよい。この場合、熱収縮性筒状ラベル3の上記長方形領域の一部が本体部21の上面端部側に折れ曲がり、上記上端部Aとなる。
【0034】
さらに、上端部Aが本体部21の上面端部側に折り曲げられていることにより、熱収縮性筒状ラベル3は、本体部21の下方にずれなくなる。また、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bは、本体部21の下面端部に折り曲げられ、本体部21の下面212に係止されている。この下端部Bは、前記本体部21の下面212の一部の縁部を除いて本体部21の下面端部に折り曲げられている。
詳しくは、下端部Bは、筒状体の縦方向において特定縁部211aに対応する下面212の縁部に少なくとも対応して折り曲げられ、特定縁部211a以外に対応する縁部の少なくとも一部には、下端部Bが折り曲げられていない。図示例では、下端部Bは、下面212の三辺(第1乃至第3側面の下辺)に対応して折り曲げられており、より詳しくは、第3及び第4側面の各下辺の全部又は一部及び第1側面の下辺の全部に対応して折り曲げられている。このように下端部Bが下面212の三辺に対応して折り曲げられていることにより、下端部Bが本体部21の下面212にしっかりと係止されるので好ましい。
下面212の縁部全体に対する下端部Bの占める割合は、特に限定されないが、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。前記下端部Bの占める割合=(折り曲げられた下端部Bが接する下面212の縁部の長さ/下面212の縁部全体の長さ)×100。
前記下端部Bが本体部21の下面端部側に折り曲げられていることにより、熱収縮性筒状ラベル3は、本体部21の上方にずれなくなる。上端部A及び下端部Bが本体部21の上下面211,212に係止されることにより、熱収縮性筒状ラベル3が、本体部21から抜け外れることはない。
なお、熱収縮性筒状ラベル3のうち上端部A及び下端部B以外は、本体部21に略沿って密着している。
【0035】
かかる包装体1における熱収縮性筒状ラベル3は、物品2を保護し、物品2が未開封であることが保証し、物品2に更なる広告を付加するなどの作用を有する。
包装体1を開封する際には、2つのミシン目線51,51の間におけるラベル部分をそのミシン目線51,51を利用して分断することにより、熱収縮性筒状ラベル3を物品2から取り外すことができる。
【0036】
<包装体の製造方法>
上記包装体1は、例えば、次のような方法で製造することができる。
(1)第1の製法
扁平状の熱収縮性筒状ラベル3を開口し、
図8(a)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが物品2の突出部22に向かい合うように位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を物品2の外側に嵌め入れる。熱収縮性筒状ラベル3は、
図8(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが上面211の特定縁部211aに略一致するまで嵌め入れられる。第2下縁32dから周方向に引いた仮想直線と第1上縁31uとの縦方向長さが、物品2の本体部21の縦方向長さと略同じである熱収縮性筒状ラベル3を用いた場合には、第1上縁31uを上面211の特定縁部211aに略一致させると、第2下縁32dが本体部21の下面212の縁部に略一致するようになる。外嵌された熱収縮性筒状ラベル3は、その上端部Aが物品2の上面211よりも上方に突出し、且つ、その下端部Bが物品2の下面212よりも下方に突出している。
続いて、熱収縮性筒状ラベル3が外嵌された物品2を、
図9(a)に示すような、水平面91aを有する載置台91上に横向き(本体部21の側面を水平面91aと平行にする)に載置する。物品2を横向きに置くことによって、物品2の上下面211,212から突出した熱収縮性筒状ラベル3の上端部A及び下端部Bが、物品2によって押し潰されることなく、本体部21の側面と平行に突出した状態を保持できる。次に、熱収縮性筒状ラベル3を所要温度に加熱することにより、同図(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3が周方向に熱収縮して本体部21の周側面に密着すると共に、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが本体部21の上面端部側へと折れ曲がり、且つ、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bが本体部21の下面端部側へと折れ曲がる。好ましくは、熱収縮性筒状ラベル3の上端部A及び下端部Bを強く加熱する(例えば、加熱温度を高く又は/及び加熱時間を多くする)ことにより、上端部A及び下端部Bが折れ曲がりやすくなる。このようにして上記包装体1を得ることができる。
【0037】
(2)第2の製法
図10(a)及び(b)に示すように、本体部21の下面212よりも十分に小さい面積の水平面92aを有する載置台92の上に物品2を縦向き(本体部21の下面212を水平面92aと平行にする)に載置する。この載置台92の水平面92aは、その上に物品2を自立させることができ、且つ、熱収縮性筒状ラベル3の加熱時にその下端部Bが折れ曲がった際に載置台92に当たらない程度の大きさ及び形状に形成されている。
載置台92上に載せた物品2の外側に、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが物品2の突出部22に向かい合うように位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を嵌め入れる。熱収縮性筒状ラベル3は、
図11(a)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが上面211の特定縁部211aに略一致するまで嵌め入れられる。上記第1の製法と同様に、上記縦方向長さの熱収縮性筒状ラベル3は、第1上縁31uを上面211の特定縁部211aに略一致させると、第2下縁32dが本体部21の下面212の縁部に略一致するようになる。次に、熱収縮性筒状ラベル3を所要温度に加熱することにより、同図(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3が周方向に熱収縮し、本体部21の周側面に密着すると共に、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが本体部21の上面端部側へと折れ曲がり、且つ、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bが本体部21の下面端部側へと折れ曲がる。この際、熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bは、載置台92に当たって変形することなく、本体部21の下面端部側へと綺麗に折れ曲がる。このようにして上記包装体1を得ることができる。
【0038】
(3)第3の製法
第3の製法は、第2の製法の載置台92に延出部が設けられている。
すなわち、第3の製法で用いられる載置台92は、
図12(a)及び(b)に示すように、熱収縮性筒状ラベル3の第2下縁32dに対応して延出された延出部921を有する。この載置台92の水平面92a上に、特定縁部211aと対角関係にある本体部21の下面212の辺が延出部の水平面92a内に収まるようにして(換言すると、載置台92の延出部921が特定縁部211aと対角関係にある本体部21の下面212の辺の外側に突出するようにして)、物品2を縦向きに載置する。
載置台92上に載せた物品2の外側に、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが物品2の突出部22に向かい合うように位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を上方から下方に嵌め入れる。載置台92の延出部921が特定縁部211aと対角関係にある本体部21の下面212の辺よりも突出しているので、同図に示すように、物品2の外側に入れられた熱収縮性筒状ラベル3の第2下縁32dが延出部921に当たり、熱収縮性筒状ラベル3の第2下縁32dが、本体部21の下面212の辺に略一致して物品2に外嵌される。上記縦方向長さの熱収縮性筒状ラベル3は、第2下縁32dを下面212の辺に略一致させると、第1上縁31uが上面211の特定縁部211aに略一致して外嵌される。以下、第2の製法と同様にして、熱収縮性筒状ラベル3を加熱することにより、上記包装体1を得ることができる。第3の製法によれば、熱収縮性筒状ラベル3を物品2に外嵌する際に、縦方向の位置合わせを容易に行うことができる。
【0039】
[第1実施形態の変形例]
上記実施形態では、略四角柱状の本体部21を有する物品2を図示したが、その他の物品2の例として、
図13は、略円柱状の本体部21を有する物品2に熱収縮性筒状ラベル3が装着された包装体1を示している。略円柱状の本体部21から突出された突出部22は、図示例のように、周側面形状に沿って曲面状に湾曲して突出している。詳しくは、この突出部22は、上面211の一部の縁部に対応する本体部21の周側面に沿って突出されている
このように本体部21の立体形状が異なる場合であっても、本発明の包装体1は、熱収縮性筒状ラベル3が物品2の本体部21の周側面に装着されていると共に、その筒状ラベルの上端部Aが前記突出部22の両側部22a,22aに掛かることなく本体部21の上面端部に折り曲げられている。
【0040】
また、上記実施形態では、特定縁部211aの全体から突出部22が突出されている物品2を例示したが、例えば、
図14に示すように、上面211の向かい合う2つの縁部の一部211b,211b(この2つの縁部の一部は、上面211の一部の縁部である)を含む上面211の面内から突出部22が上方に突出されている物品2を用いてもよい。
かかる物品2に装着する熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、
図15に示すように、筒状体の上縁に、突出部22の厚みよりも少し大きい切欠き部が2箇所形成されている。この切欠き部の底縁が、筒状体の第1上縁31uに相当し、その第1上縁31uよりも上方に突出して第2上縁32uが形成されている。
この熱収縮性筒状ラベル3の2つの切欠き部を突出部22の両側部22a,22a(上面211の縁部のうち突出部22が突出された縁部)に位置合わせし且つ切欠き部の底縁(第1上縁31u)を本体部21の上面211に位置合わせして、熱収縮性筒状ラベル3を外嵌した後、これを熱収縮させることにより、
図16に示すような包装体1が得られる。
【0041】
さらに、上記実施形態では、突出部22としてヘッダー部が突出されている物品2(包装箱)を例示したが、例えば、
図17に示すように、突出部22として本体部21からPOPラベルが突出されている物品2を用いてもよい。
この物品2は、例えば包装箱などからなる本体部21と、本体部21の上面211の縁部のうち一部の縁部を含んで上方に突出された突出部22と、を有し、この突出部22がPOPラベルから構成されている。POPラベルは、本体部21の周側面の一部分に貼り付けることによって上面211の縁部から上方に突出されている。なお、POPラベルの具体的構成などは、特開2013−054173などを参照されたい。
この突出部22としてPOPラベルが突設された物品2に、上記実施形態と同様に熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮装着することにより、
図18及び
図19に示すような、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが本体部21の上面211の特定縁部211aに略沿い、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが、本体部21の上面端部に折り曲げられて係止され、且つ熱収縮性筒状ラベル3の下端部Bが、本体部21の下面端部に折り曲げられて係止された包装体1を構成できる。
【0042】
なお、本発明の包装体は、上記第1実施形態及びその変形例に限られず、本発明の意図する範囲で、適宜変更することができる。以下、本発明の他の実施形態を説明する。ただし、以下の他の実施形態の説明においては、上記第1実施形態と異なる事項について主として説明し、上記第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し且つ用語及び符号を援用する場合がある。
【0043】
[第2実施形態]
第2実施形態は、2つ以上の物品を束ねた集合物に熱収縮性筒状ラベルが装着されている包装体に関する。
図20に於いて、本実施形態の包装体1は、集合物7と、集合物7に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル3と、を有する。集合物7は、上記物品2を2つ以上束ねたものから構成される。集合物7は、本体集合部71と、本体集合部71の上面211の一部の縁部を含んで上方に突出された突出部72と、を有する。集合物7の本体集合部71は、束ねられた複数の物品2の本体部21の集合から構成され、集合物7の突出部72は、束ねられた複数の物品2の突出部22の集合から構成される。
図示例の集合物7は、例えば、横に並べた3つの物品2からなり、隣接する物品2の第3側面と第4側面を対面させて束ねられている。従って、この集合物7の本体集合部71の上面211は、各物品2の上面211からなり、集合物7の突出部72は、3つの物品2の突出部22からなる。
本実施形態の包装体1は、熱収縮性筒状ラベル3が前記集合物7の本体集合部71の周側面に装着されていると共に、その筒状ラベルの上端部Aが、前記突出部72の両側部22a,22aに掛かることなく前記本体集合部71の上面端部に折り曲げられて係止されている。
【0044】
本実施形態の包装体1の製造方法は、上記第1実施形態の各製法と同様である。つまり、上記第1実施形態で説明した製法における1つの物品2を集合物7に代え、この集合物7に熱収縮性筒状ラベル3を外嵌し加熱することにより、本実施形態の包装体1を得ることができる。
かかる包装体1における熱収縮性筒状ラベル3は、物品2を保護し、物品2が未開封であることが保証し、物品2に更なる広告を付加することに加え、束ねた複数の物品2が離れないように結束するなどの作用を有する。
なお、前記集合物7の包装体1において、熱収縮性筒状ラベル3の一部には、集合物用の機械的読取り記号が読み取り可能に印刷されていることが好ましい。もっとも、個々の物品2に機械的読取り記号が印刷されている場合には、その物品2の機械的読取り記号と集合物7の機械的読取り記号がPOS管理上衝突するので、本実施形態の熱収縮性筒状ラベル3には、物品2の機械的読取り記号が読み取り不能となるように、その記号を隠蔽する隠蔽印刷を行っておくことが好ましい。
【0045】
[第2実施形態の変形例]
上記実施形態では、突出部72としてヘッダー部が突出されている物品2(包装箱)の集合物7を例示したが、例えば、
図21に示すように、突出部72として本体部21からPOPラベルが突出されている物品2の集合物7に熱収縮性筒状ラベル3が装着されている包装体1であってもよい。なお、
図21の例では、例えば、2つの物品2からなる集合物7を例示している。
さらに、上記実施形態では、各物品2の突出部72が直線上に並ぶように物品2が束ねられた集合物7を例示したが、例えば、
図22及び
図23に示すように、各突出部72が背合わせで一体化するように隣接する物品2の第3側面同士を対面させて束ねられている集合物7に熱収縮性筒状ラベル3が装着された包装体1であってもよい。この集合物7に装着される熱収縮性筒状ラベル3は、
図15に示すような、切欠き部が2箇所形成された熱収縮性筒状ラベル3を用いればよい。
また、
図23に示すように、物品2の本体部21は、略三角柱状であってもよい。
【0046】
さらに、上記実施形態では、2つ以上の物品2を横に並べた集合物7を用いているが、例えば、
図24及び
図25に示すように、2つ以上の物品2を縦に並べた(積み重ねた)集合物7に熱収縮性筒状ラベル3が装着された包装体1であってもよい。この図示例の集合物7は、例えば、2つの物品2からなり、1つの物品2の上面211にもう1つの物品2の下面212を対面させて積み重ねている。
また、
図26及び
図27に示すように、1つの物品2の下面212にもう1つの物品2の下面212を対面させて積み重ねた集合物7に熱収縮性筒状ラベル3が装着された包装体1であってもよい。この集合物7に装着される熱収縮性筒状ラベル3は、例えば、
図28に示すように、その上縁が第1上縁31uとその第1上縁31uよりも上方に突出した第2上縁32uとを有し、且つ、その下縁が第1下縁31dとその第1下縁31dよりも下方に突出した第2下縁32dとを有し、第1上縁31uに対して縦方向反対側に第1下縁31dが配置され、且つ、第2上縁32uに対して縦方向反対側に第2下縁32dが配置されていることが好ましい。換言すると、上端部Aに対して縦方向反対側に下端部Bが設けられている熱収縮性筒状ラベル3を前記集合物7に熱収縮装着することにより、
図26及び
図27に示すような包装体1を得ることができる。
【0047】
また、上記第1実施形態の
図5で示した熱収縮性筒状ラベル3は、第2上縁32uが周方向に延びる直線状に形成されているが、例えば、
図29に示すように、第2上縁32uが緩やかな上向き傾斜の直線状又は曲線状に形成されている熱収縮性筒状ラベル3を用いてもよい。また、第1上縁31uが下向きの直線状又は曲線状に形成されてもよい。
なお、
図29に示す熱収縮性筒状ラベル3は、その下縁が周方向に延びる直線状であるが、上記第1実施形態のように、下縁が第1下縁31dと第2下縁32dとを有していてもよい。また、第1下縁31d又は第2下縁32dが、第1上縁31u又は第2上縁32uと同様に傾斜の直線状又は曲線状に形成されていてもよい。
かかる熱収縮性筒状ラベル3を、例えば、2つ以上の物品2からなる集合物7に装着することにより、
図30に示すように、突出部72から離れるに従って次第に幅広になった上端部Aが本体集合部71の上面端部に折れ曲がった包装体1を得ることができる。なお、
図29に示す熱収縮性筒状ラベル3を、第1実施形態のように1つの物品2に装着することによって包装体1を構成してもよい。
【0048】
さらに、
図31に示すように、第2上縁32uから第1上縁31uに連続して緩やかな傾斜の直線状又は曲線状に形成されている熱収縮性筒状ラベル3を用いてもよい。かかる熱収縮性筒状ラベル3を、例えば、2つ以上の物品2からなる集合物7に装着することにより、
図32に示すように、突出部72から離れるに従って次第に幅広になった上端部Aが本体集合部71の上面端部に折れ曲がった包装体1を得ることができる。前記第2上縁32uから第1上縁31uの傾斜角を比較的大きくすることにより、熱収縮性筒状ラベル3の第1上縁31uが特定縁部211aよりも下方位置で密着するようになる。
【0049】
[第3実施形態]
第3実施形態は、上縁全体が周方向に直線状に延びる熱収縮性筒状ラベルを用いて形成された包装体に関する。
上記第1及び第2実施形態においては、第1上縁31uとそれよりも上方に位置する第2上縁32uとからなる上縁を有する熱収縮性筒状ラベル3を物品2又は集合物7に熱収縮装着することにより得られる包装体1を説明したが、例えば、
図33及び
図34に示すように、全体が周方向に直線状に延びる上縁33uを有する熱収縮性筒状ラベル3を物品2又は集合物7に熱収縮装着することにより、本発明の包装体1を得ることもできる。
【0050】
具体的には、この熱収縮性筒状ラベル3は、筒状体の上縁33u全体が周方向に直線状である。また、筒状体の下縁全体も周方向に直線状である。この筒状体には、縦方向に延びる2本のミシン目線52,52が形成されている。この2本のミシン目線52,52は、筒状体の上縁33uから縦方向に形成されている。ミシン目線52,52は、筒状体の上縁33uから縦方向中途部(例えば、筒状体の上縁33uから2mm以上)まで形成されていればよく、好ましくは、筒状体の上縁33uから下縁33dにまで設けられる。
熱収縮性筒状ラベル3を物品2(又は集合物7)に外嵌した際に突出部72の両側部22a,22aの近傍に2つのミシン目線52,52が位置するように、前記2つのミシン目線52,52は、筒状体の周方向に所要間隔をあけて設けられる。例えば、筒状体の周方向における2つのミシン目線52,52の間隔は、例えば、突出部72の幅×0.9倍〜突出部72の幅×1.1倍程度である。
【0051】
図35(a)及び(b)に示すように、1つのミシン目線52が物品2の突出部22の一方の側部22aに且つもう1つのミシン目線52が物品2の突出部22の反対側の側部22aに対応するように位置合わせして、開口した熱収縮性筒状ラベル3を物品2の外側に嵌め入れる。熱収縮性筒状ラベル3は、その上端部Aが本体部21の上面211よりも上方に突出し且つその下端部Bが本体部21の下面212よりも下方に突出するまで嵌め入れられる。
次に、熱収縮性筒状ラベル3を所要温度に加熱することにより、熱収縮性筒状ラベル3が周方向に熱収縮する。この際、熱収縮性フィルム4の収縮力により、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aが本体部21(ヘッダー部)の両側部22a,22aに強く押し付けられ、上端部Aは、ミシン目線52,52において2つの分断される(第1上端部及び第2上端部)。
図36乃至
図38に示すように、上面211の縁部のうち突出部22が突出された縁部に対応する第1上端部A1は、突出部22の背面側に沿って上方に立ち上がり、それ以外の縁部に対応する第2上端部A2は、上面端部に折れ曲がるようになる。
【0052】
このようにして前記熱収縮性筒状ラベル3が、物品2の本体部21の周側面に装着され、その上端部A2が、突出部22が突出された縁部を除いて本体部21の上面端部に折り曲げられている包装体1を得ることができる。
本実施形態の包装体1は、開封時に、熱収縮性筒状ラベル3の上端部Aを分断するためのミシン目線52,52を、熱収縮性筒状ラベル3を分断するためのミシン目線52,52として利用できる。すなわち、突出部22の背面側に沿って上方に立ち上がった第1上端部A1を摘んで引き出すことにより、2つのミシン目線52,52を利用して熱収縮性筒状ラベル3を分断し、熱収縮性筒状ラベル3を物品2から取り外すことができる。
なお、特に図示しないが、本実施形態の熱収縮性筒状ラベル3を集合物7に装着して包装体1を構成してもよい。
【0053】
[その他の実施形態]
上記第1乃至第3実施形態及び各実施形態の変形例で示した1つ又は2つ以上の構成を適宜組み合わせ、置換、又は変更して本発明の包装体を構成することもできる。