(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553386
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】除雪機のシャベル反転機構
(51)【国際特許分類】
E01H 5/06 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
E01H5/06 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-66639(P2015-66639)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-197042(P2015-197042A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】103205487
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】201420167479.3
(32)【優先日】2014年4月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515084890
【氏名又は名称】台灣浩壹股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN HIROICHI COMPANY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100062982
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(72)【発明者】
【氏名】許文益
【審査官】
西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05018282(US,A)
【文献】
特開2011−231454(JP,A)
【文献】
米国特許第04302894(US,A)
【文献】
実開昭63−165319(JP,U)
【文献】
米国特許第02037222(US,A)
【文献】
実開昭62−176209(JP,U)
【文献】
特開平09−158148(JP,A)
【文献】
特開2007−107353(JP,A)
【文献】
特開2007−239326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 5/02
E01H 5/04
E01H 5/06
E01H 5/10
E01H 11/00
B62B 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、このフレームの両側に設けたコンベア車と、ハンドルバーと、雪採取のためのシャベルとより成り、上記シャベルは上記ハンドルバーに固定され、上記フレームは上記ハンドルバーを傾動自在に枢支するための軸ベースと、ガイドプレートとを有し、上記ガイドプレートは上記シャベルに設けたピンが挿入される弧状のガイド溝を有し、上記ハンドルバーを傾動することによって上記弧状のガイド溝に沿って上記ピンが移動し雪の採取時、上記シャベルの雪採取縁が下方に向くよう傾斜して雪の採取操作がなされ、シャベルによって雪を採取した後雪がこぼれるのを防ぐため除雪機移動時ハンドルバーを押し下げてガイドプレートのガイド溝内のピンの位置を変えてシャベルの雪採取縁を僅か上昇せしめ、雪の廃棄時、ハンドルバーを押し下げてガイドプレートのガイド溝内のピンの位置を変えて、上記シャベルの雪採取縁を更に下方に向くよう傾斜して雪の廃棄操作がなされることを特徴とする、除雪車のシャベル反転機構。
【請求項2】
上記ガイドプレートが装飾機能を有する請求項1記載の除雪車のシャベル反転機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪機のフレームの前部に配置したガイドプレートに形成したガイド溝にピンを介してシャベルを挿入できるようにした除雪機のシャベル反転機構に関するものである。シャベルは雪を採取後除雪機の後部のハンドルバーを制御することによって、弧状のガイド溝に沿って上動され、簡単且つ自動的に反転され、雪を廃棄できるようになる。
【背景技術】
【0002】
大雪の間に積もった雪は密度が大きくなるために積もった雪を効果的に速く除くためには除雪機の使用が必要となる。従来の除雪機によって屋外の多量の積雪を広い範囲で効果的に採取するには補助機構を必要とするが効果的に除雪するのは困難である。自動大型除雪機はここでは検討せず、記載しない。一般に小型の除雪機に用いられている雪の採取と廃棄を行なうシャベルの多くは一定の角度に固定されている。雪を採取したシャベルを移動する間はフレームを或る角度傾斜した状態で押しているが、このようにしなければ採取された雪が容易にこぼれ落ち、押すのが困難となる。更に、シャベルが固定されているデザインのものでは、雪を採取したシャベルから雪を廃棄する間、雪の廃棄を好ましく制御するためプレート面を傾斜せしめる必要がある。このためシャベルの制御が困難となり、シャベルの移動に危険が及ぶことになり、プレート面の傾斜の程度によっては雪の廃棄の間シャベルを固定することが困難となる。従って、迅速で効果的な雪の採取を達成し、労力を実用的に省くため、現在のシャベルは自動的に反転し、雪を廃棄するように改良されるべきである。本発明の除雪機はこのように改良された。
【発明の概要】
【0003】
雪の採取と廃棄を行なう現在の除雪機の欠点を考慮して発明者は種々実験研究を行なった結果、本発明の除雪機の改良されたシャベル反転機構が得られた。除雪機を操作し、制御するためのハンドルバーがフレームバーを介してシャベルに固定されている。除雪機前部に配置したガイドプレートとシャベルがピンを介して互に結合されている。シャベルの反転と雪の廃棄の単純な操作と制御が弧状のガイド溝に応じてなされる。従って、雪の運搬と廃棄の間における現在の除雪機の操作と制御における種々の実用上の欠点が確実に改良される。
【0004】
本発明の主な目的は、除雪機を操作し、制御するためのハンドルバーにフレームバーを介してシャベルを結合し、フレームの前側に配置したガイドプレートの弧状のガイド溝にピンを介してシャベルを取り付けることにある。従って、ハンドルバーの制御を介して雪の採取後シャベルを好適に移動でき、ガイド溝に沿ってシャベルを自動的に反転し、雪を廃棄できるようになる。かくして、安全に雪を採取し、雪の廃棄のための労力を少なくできる除雪機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図3】
図3はシャベルによって雪を採取する状態の本発明の除雪機の説明図である。
【
図4】
図4はシャベルの雪を廃棄する状態の本発明の除雪機の説明図である。
【
図5】
図5はシャベルの雪が除去した状態の本発明の除雪機の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の除雪機の改良された構成及び作用を図面を基に詳細に説明する。
【0007】
本発明の除雪機の改良されたシャベル反転機構においては、除雪機のシャベルによる雪の採取と廃棄を容易且つ安全になし得る。
図1〜
図5に示すように改良されたシャベル反転機構にはフレーム10を設ける。コンベア車アセンブリ11をフレーム10の前後に設ける。フレームバー14を介して変形円錐形状のシャベル15を駆動操縦用ハンドルバー13に連結し、このハンドルバー13を傾動自在に枢支するための軸ベース12をフレーム10の後部に設ける。シャベル15を、ハンドルバー13を傾動制御することによって高い位置と低い位置間に移動できるようにする。特定の弧状ガイド溝21を有するガイドプレート20をフレーム10の前部シャベル取付側にシャベルの中央位置で配置固定する。シャベル15の背面の上端に設けたリンクピン16をガイド溝21に挿入する。ハンドルバー13を上下に押して傾動することによってピン16を介して弧状ガイド溝21に沿ってシャベル15の位置が変わるようにする。ガイドプレート20の形状は、装飾上の要求に応じて定める。例えば、図に示す魚形状のものは除雪機の装飾性を向上する。シャベル15をガイドプレート20の上端に移動することによって
シャベルの雪採取縁を下向きに傾斜することによって雪の採取操作が容易となり雪の採取と清掃を、より単純でより速く、単純で安全な作業でなし得、実用的な効果を達成することができる。
【0008】
本発明の雪採取のためのシャベル15を有する改良された除雪機は、ハンドルバー13に接続されたシャベル15の角度をハンドルバー13を介して、雪採取のために簡単に変え得ることを特徴とする。更に、
図3に示すようにシャベルによって雪を採取した後雪がこぼれるのを防ぐためハンドルバー13を押し下げてガイドプレート20のガイド溝21内のピン16の位置を変えてシャベル15の雪採取縁を僅か上昇せしめる。弧状溝の形状はシャベルの位置を定めるために定める。駆動制御のため他の電子装置を補助的に用いることができる。然しながら、このような電子装置を用いることは重要なことでないためその詳細な説明は省略する。本発明の主要部分は、シャベル15のピン16とガイド溝21の係合及びハンドルバー13の直接制御に存ずる。採取した雪をこぼすことなく除雪車の移動により容易に雪を運ぶことができる。更に
図4及び
図5に示すようにシャベル15を弧状溝に沿って高い雪採取位置に押し上げ、また、シャベルの縁を自動的に下向きに傾斜して雪を廃棄できるようにする。更に、連続した雪採取により蓄積された雪の廃棄のためシャベルを高い位置に自動的に容易に移動せしめることができる。蓄積された雪を除去するための雪採取操作を連続的にまたは間歇的に行なうことができる。
【0009】
本発明の除雪車の改良されたシャベル反転機構によれば、シャベルとハンドルバーをガイドプレートの弧状のガイド溝を介して互いに結合し、シャベルによって雪の採取と雪の運搬を間歇的に行ない、シャベルを自動的に反転して雪を廃棄でき、本発明の除雪機を安全且つ容易に連続的に制御できる。
【符号の説明】
【0010】
10はフレーム、11はコンベア車、12は軸ベース、13はハンドルバー、14はフレームバー、15はシャベル、16はピン、20はガイドプレート、21はガイド溝である。