特許第6553402号(P6553402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553402利用状況管理装置、利用状況管理システム、利用状況管理方法及び利用状況管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553402
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】利用状況管理装置、利用状況管理システム、利用状況管理方法及び利用状況管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20190722BHJP
   H04M 3/56 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G06Q10/02 300
   H04M3/56 Z
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-99959(P2015-99959)
(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公開番号】特開2016-218557(P2016-218557A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰吾
【審査官】 関 博文
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0070314(US,A1)
【文献】 特開2014−182408(JP,A)
【文献】 特開平05−284244(JP,A)
【文献】 特開2000−040112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H04M 3/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定手段と、
予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御手段と、
を備えることを特徴とする利用状況管理装置。
【請求項2】
前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報に、該判定された場所を識別するための情報を少なくとも含ませることを特徴とする請求項1に記載の利用状況管理装置。
【請求項3】
前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報に、該判定された場所に設置された前記第1の電話機が集音した音を少なくとも含ませることを特徴とする請求項1に記載の利用状況管理装置。
【請求項4】
前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報に、該判定された場所を予約した予約者に対応付けられた第3の電話機を識別するための情報を少なくとも含ませることを特徴とする請求項1に記載の利用状況管理装置。
【請求項5】
前記第2の電話機に前記第3の電話機に対する発呼処理を実行させるために、前記第3の電話機の電話番号を前記第2の電話機に送信することを特徴とする請求項4に記載の利用状況管理装置。
【請求項6】
前記判定手段による判定を、同一の場所について繰り返し行なうことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の利用状況管理装置。
【請求項7】
前記第1の電話機に対して発呼を行い、前記発呼の応答として、前記第1の電話機から前記第1の電話機が予約者に予約されている場所で集音した前記音を受信することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の利用状況管理装置。
【請求項8】
利用状況管理装置と、第1の電話機と、第2の電話機と
を備える利用状況管理システムであって、
前記利用状況管理装置は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の利用状況管理装置であり、
前記第1の電話機は、
前記利用状況管理装置からの着呼を受け付けたことを契機として、自電話機が集音した音を前記利用状況管理装置に送信し、
前記第2の電話機は、
前記利用状況管理装置から受信した、前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を出力する処理及び該情報に基づいた発呼処理、の何れか又は双方を行なう
ことを特徴とする利用状況管理システム。
【請求項9】
判定手段が、
予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定ステップと、
制御手段が、
予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御ステップと、
を行なうことを特徴とする利用状況管理方法。
【請求項10】
コンピュータを利用状況管理装置として機能させるための利用状況管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定手段と、
予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御手段と、
を備える利用状況管理装置として機能させることを特徴とする利用状況管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用状況を管理するための、利用状況管理装置、利用状況管理システム、利用状況管理方法及び利用状況管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議室や応接室等といった所定の場所の貸し出し情報を管理する予約管理システムが広く用いられている。この予約管理システムでは、会議室や応接室等の貸出に関する情報がシステム上で一括的に管理されている。ユーザは、そのシステムで生成される予約表から、予約状況を確認することができる。またユーザは、予約表に基づいて予約の確保や予約の取り消しなどを行うことができる。
【0003】
しかしながら、一般的な予約管理システムは、ユーザの操作に基づいてなされた予約状況を管理しているに過ぎず、会議室や応接室等が実際に予約通りに使用されているか否かまでは管理していなかった。
【0004】
そのため、予約はなされているが実際には利用されていない会議室が存在したとしても、この会議室を利用したい予約者以外のユーザは、会議室の在室状況を簡単に判断することができなかった。
【0005】
結果として、会議室が利用できる状況であるにも関わらず、会議室を利用したいユーザが会議室を利用できず、会議室の効率的な利用ができなかった。
【0006】
このような状況を考慮して、会議室の効率的な利用を促進するための技術の一例が特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【0007】
特許文献1には、電話機の応答に基づいて、ユーザの在室状況を反映する会議室予約装置が開示されている。
【0008】
特許文献1に記載の会議室予約装置は、会議室の予約開始日時になった場合に、会議室の電話機へ発呼し、発呼した電話機から会議室の利用を確定する入力を受け付けた場合、会議室の利用を確定させる。一方で、会議室の電話機から会議室の利用を確定する入力を受け付けない場合、予約者の電話機または会議室の電話機へ発呼し、発呼した電話機から予約情報に関する入力を受け付ける。
【0009】
このように、特許文献1に記載の会議室予約装置は、電話機を利用して予約者による応答の有無を確認することにより、会議室の実際の在室状況を管理している。
【0010】
また、特許文献2には、ユーザが携帯する端末から、端末の位置情報を取得して、取得した位置情報に基づいてユーザが会議室に在室するか否かを判定することが記載されている。しかしながら、この方法では、ユーザが自席等に端末を置き忘れた場合には、ユーザが会議室に在室するか否かを正確に判定することはできない。そこで、特許文献2には更に、センサが実装された会議室端末を会議室に設置し、この会議室端末を利用することによって、会議室に在室しているか否か等のユーザの在室状況を管理する会議室予約装置が開示されている。ここで、特許文献2に記載の会議室端末には、会議室の環境変化を検知するための明度センサや音センサが実装される。そして、かかるセンサが検知した会議室の環境変化の内容に基づいて、各会議室端末が、ユーザが会議室に在室しているか否かの判定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2012−165166号公報
【特許文献2】特開2014−182408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この点、上述した特許文献1や特許文献2等に記載の技術を用いることにより、会議室等の管理対象の部屋の在室状況を管理することが可能となる。
【0013】
しかしながら、特許文献1での予約管理システムでは、会議室の在室状況をシステムに反映するために電話機に応答する必要があった。その結果、会議に参加しているユーザは、会議を中断しなくてはならないという課題があった。
【0014】
また、上記特許文献2での予約管理システムでは、明度センサや音センサといった、会議室の在室状況を検知するための専用のセンサが実装された会議室端末を、各会議室に新規に用意する必要がある。また、これら会議室端末のそれぞれに、センサの測定結果に基づいて、ユーザが会議室に在室しているか否かの判定を行なう検知部を設けた上で、各会議室端末のそれぞれが検知を行なう必要があり、効率的ではない。
【0015】
そこで、本発明は、会議室等の管理対象とする場所を効率的に利用するための、利用状況管理装置、利用状況管理システム、利用状況管理方法及び利用状況管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の観点によれば、予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定手段と、予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御手段と、を備えることを特徴とする利用状況管理装置が提供される。
【0017】
本発明の第2の観点によれば、利用状況管理装置と、第1の電話機と、第2の電話機とを備える利用状況管理システムであって、前記利用状況管理装置は、上記本発明の第1の観点により提供される利用状況管理装置であり、前記第1の電話機は、前記利用状況管理装置からの着呼を受け付けたことを契機として、自電話機が集音した音を前記利用状況管理装置に送信し、前記第2の電話機は、前記利用状況管理装置から受信した、前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を出力する処理及び該情報に基づいた発呼処理、の何れか又は双方を行なうことを特徴とする利用状況管理システムが提供される。
【0018】
本発明の第3の観点によれば、予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定ステップと、予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御ステップと、を行なうことを特徴とする利用状況管理方法が提供される。
【0019】
本発明の第4の観点によれば、コンピュータを利用状況管理装置として機能させるための利用状況管理プログラムであって、前記コンピュータを、予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定手段と、予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御手段と、を備える利用状況管理装置として機能させることを特徴とする利用状況管理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、会議室等の管理対象とする場所を効率的に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態全体の基本的構成を表すブロック図である。
図2】本発明の実施形態における構内交換機に含まれる機能ブロックを表す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態における予約管理サーバ装置に含まれる機能ブロックを表す機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態における電話機に含まれる機能ブロックを表す機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態における会議室予約情報を表すテーブルである。
図6】本発明の実施形態におけるタイマ情報を表すテーブルである。
図7】本発明の実施形態における基本的動作を表すシーケンス図である。
図8】本発明の実施形態の第1の変形例全体の基本的構成を表すブロック図である。
図9】本発明の実施形態の第1の変形例における基本的動作を表すシーケンス図(1/2)である。
図10】本発明の実施形態の第1の変形例における基本的動作を表すシーケンス図(2/2)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、本発明の実施形態の概略を説明する。本発明の実施形態は、概略、構内交換機等の装置による会議室等の在室分析に関するものである。具体的には、本実施形態は、予約管理サーバ装置等により管理される予定表データベースにアクセス可能な構内交換機を含む。そして、構内交換機が、予定表データベースの登録内容に基づいて、自構内交換機に収容する電話機に発呼する。そして、構内交換機は、かかる発呼に対する電話機の自動応答により聴取される会議室等の音に基づいて会議室にユーザが在室しているか否かを検知する。
【0023】
これにより、本実施形態では、会議室等における在室状況を管理することが可能となる。また、かかる在室状況をユーザに通知することにより、ユーザに会議室の利用を促すことができるため、会議室等の管理対象とする場所を効率的に利用できる。
【0024】
更に、本実施形態では、構内交換機や、会議室等に設置された電話機といった一般的な機器を利用することができ、在室状況を管理するための多くの専用機器を設置する必要を無くすことが可能となる。
【0025】
更に、本実施形態では、会議室等に設置された電話機に、ユーザが会議室に在室しているか否かの判定を行なう検知部を設ける必要がなくなる。
【0026】
以上が本実施形態の概略である。
【0027】
次に、図を参照して、本実施形態について詳細に説明をする。
【0028】
まず、図1は、本発明の実施形態である在室状況管理システム1の全体構成を表すブロック図である。
【0029】
図1を参照すると、在室状況管理システム1は、構内交換機10、予約管理サーバ装置20、複数の電話機30(第1の電話機30−1、第2の電話機30−2及び第nの電話機30−n)、ユーザ端末50及びLAN60を含む。更に、本在室状況管理システム1は、複数の会議室(第1の会議室40−1、第2の会議室40−2及び第nの会議室40−n)が存在する建物に設置される。
【0030】
以下の説明では、第1の電話機30−1、第2の電話機30−2及び第nの電話機30−nを、まとめて又は何れかを特定することなく呼ぶ場合には、適宜「電話機30」と呼ぶ。同様に、第1の会議室40−1、第2の会議室40−2及び第nの会議室40−nを、まとめて又は何れかを特定することなく呼ぶ場合には、適宜「会議室40」と呼ぶ。
【0031】
また、複数の電話機30である、第1の電話機30−1、第2の電話機30−2及び第nの電話機30−nは、それぞれが別個の会議室である第1の会議室40−1、第2の会議室40−2及び第nの会議室40−nに設置される多機能型電話機である。ここで、本実施形態では、各電話機30は、それぞれ符号の末尾の数字が同じ部屋に設置されているものとする。
【0032】
更に、各電話機30にはそれぞれ固有の、内線や外線の電話番号が割り当てられているものとする。具体的には、第1の電話機30−1には電話番号「XX1」が割り当てられているものとする。また、第2の電話機30−2には電話番号「XX2」が割り当てられているものとする。更に、第nの電話機30−nには電話番号「XXn」が割り当てられているものとする。
【0033】
また、構内交換機10と予約管理サーバ装置20は相互に通信可能に接続されている。更に、構内交換機10は、各会議室40に設置された各電話機30と接続されている。更に、構内交換機10及び予約管理サーバ装置20は、LAN(Local Area Network)を介してユーザ端末50と接続される。
【0034】
次に、これら各機器それぞれに含まれる機能ブロックについて、図を参照して詳細に説明をする。
【0035】
まず、図2を参照すると、構内交換機10は、呼制御部11、交換機側制御部12、記憶部13、音検出部14及び音声分析部15を含む。
【0036】
呼制御部11は、一般的な構内交換機としての機能を実現するための部分である。呼制御部11は、各電話機30を収容し、呼制御を行なうことにより各電話機30間での内線通話を実現する。なお、呼制御部11が外線(図示を省略する。)と接続されるようにし、呼制御部11が各電話機30と外線に接続された電話機との通話を実現するようにしても良い。
【0037】
交換機側制御部12は、構内交換機10全体を制御するための演算処理部である。交換機側制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と記憶装置により実現することができる。そして、交換機側制御部12は、後述する記憶部13に格納されたソフトウェアを読み込み、このソフトウェアに基づいた演算処理を行なう。そして、交換機側制御部12はかかる演算処理の結果に基づいて構内交換機10に含まれるハードウェアを制御する。つまり、10はハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現できる。
【0038】
記憶部13は、各種の情報を記憶するための記憶部である。記憶部13には、例えば、前述した構内交換機10を制御するためのソフトウェアが格納される。
【0039】
音検出部14及び音声分析部15は、会議室40の利用状況を判定するための部分である。音検出部14及び音声分析部15は、構内交換機10が管理する電話機30のマイクから聴取した会議室内の音の分析を行い、分析結果に基づいて会議室40の利用状況を判定する。
【0040】
具体的には、呼制御部11が、構内交換機10が管理する各会議室40の予約状況を表す情報(詳細は後述する。)を参照して、予約がなされている各会議室40に設けられた各電話機30の電話番号を取得する。そして、交換機側制御部12は、取得した電話番号に基づいて呼制御部11を介して各電話機30に発呼する。これに応じて、かかる発呼が着呼した各電話機30が自動応答を行う。各電話機30の自動応答により電話機30のマイクから聴取された音は、呼制御部11を介して音検出部14に出力される。そして、電話機30のマイクから聴取された音は、音検出部14により検出される。そして、検出された音は音声分析部15に出力される。音声分析部15は、音検出部14から入力された音を分析し、分析結果に基づいて会議室40内に人が在室しているか否かを判定する。例えば、音検出部14から入力された音を分析して人の音声と考えられる音が含まれている場合には、会議室40内に人が在室していると判定する。また、例えば一定の大きさの音が含まれている場合には、これが在室している人の動作に伴い発生する音であると考えられることから、会議室40内に人が在室していると判定する。そして、会議室40内に人が在室していると判定した場合には、会議室40が「利用中」であると判定する。一方で、人の音声や人の動作に伴い発生する音と考えられる音が含まれていない等の理由により、会議室40内に人が在室していないと判定した場合には、会議室40が「未利用」であると判定する。
【0041】
なお、会議室40に在室しているユーザは、会議室40の利用状況を判定する目的で電話機30により音声を集音されていることを意識することなく、会議室40内の他のユーザとの間で通常通りに会議を行っている。そのため、会話の内容に、その会議の場以外では秘匿すべき情報が含まれる場合がある。そこで、会議内容の秘匿性を高めるという観点に基づいて、会議室の音声を録音したり、音声認識などにより文字データ等に残したりということは行わず、会議室内に人が居るか否かのみを判定するようにすると良い。判定結果は交換機側制御部12に出力される。
【0042】
次に、図3を参照すると、予約管理サーバ装置20は、データベース21、予約管理サーバ装置側制御部22及びWebサイト生成部23を含む。
【0043】
データベース21は、各種の情報が、例えばテーブルとして格納される記憶装置である。データベース21には、例えば、会議室の予約に関する情報である、「会議予約情報21−a」と、会議室を監視する際に利用するタイマに関する情報である「タイマ情報21−b」が格納される。これらの情報の詳細な内容については、図5及び図6を参照して後述する。また、これらの情報は、予約管理サーバ装置側制御部22によって最新の内容に更新される。
【0044】
予約管理サーバ装置側制御部22は、構内交換機10全体を制御するための演算処理部である。予約管理サーバ装置側制御部22は、交換機側制御部12同様に、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と記憶装置により実現することができる。そして、予約管理サーバ装置側制御部22は、前述のデータベース21又は図示を省略した記憶部等に格納されたソフトウェアを読み込み、このソフトウェアに基づいた演算処理を行なう。そして、予約管理サーバ装置側制御部22はかかる演算処理の結果に基づいて予約管理サーバ装置20に含まれるハードウェアを制御する。つまり、予約管理サーバ装置20はハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現できる。
【0045】
Webサイト生成部23は、ユーザが会議室の利用状況を閲覧するためのWebサイトを生成する部分である。Webサイト生成部23は、データベース21に格納されている各情報に基づいて、Webサイトを生成する。Webサイトは、例えばデータベース21に格納されている各情報を表した予約表を表示するためのサイトである。また、このWebサイトでは、ユーザが予約を行ったり、ユーザが予約を変更したり、ユーザが予約を解除したりするためのユーザインターフェースも提供する。
【0046】
次に、図3を参照すると、電話機30は、表示部31、電話機能部32、マイク33、操作受付部34及びスピーカ35を含む。
【0047】
表示部31は、構内交換機10から送信された情報や、現在時刻や、入力中のダイヤル番号等を表示するための表示装置である。表示部31は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid crystal display)により実現される。
【0048】
電話機能部32は、電話機30に電話機としての機能を実現するための部分である。電話機能部32は、一般的な音声通話処理等を行なう。電話機能部32が、電話機30に含まれるハードウェアと協働することにより、電話機30は電話機として機能する。電話機能部32は、ハードウェアにより実現しても良いがハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現しても良い。
【0049】
マイク33は、電話機30の周辺の音を集音するためのマイクである。マイク33は、本実施形態特有のものであっても良いが、いわゆるハンズフリーで通話を行なうために通常の電話機に設けられているマイクであって良い。
【0050】
操作受付部34は、ユーザの操作を受け付ける部分である。ユーザの操作は、例えば発信先の電話番号のダイヤル入力や表示情報の切り替え等である。操作受付部34は、例えばテンキー等のボタンにより実現できる。また、所定のボタンに所定の機能を対応付けるようにしても良い。なお、表示部31と操作受付部34を一体として、タッチパネルにより実現するようにしても良い。
【0051】
スピーカ35は、電話機30の周辺の音を出力するためのスピーカである。操作受付部34は、本実施形態特有のものであっても良いが、いわゆるハンズフリーで通話を行なうために通常の電話機に設けられているスピーカであって良い。
【0052】
なお、一般的に、電話機30には受話器が接続されているが、受話器は本発明の要旨とは直接関係しないと考えられるので、図示を省略する。
【0053】
ユーザ端末50は、ユーザが使用する端末であり、例えば、PC(Personal Computer)やスマートフォンにより実現することができる。上述したように、ユーザ端末50は、構内交換機10及び予約管理サーバ装置20とLAN60を介して通信を行なうことができる。
【0054】
会議室を利用したいユーザは、ユーザ端末50等に組み込まれたブラウザを利用してWebサイト生成部23が生成したWebサイトに接続することにより、利用状況を確認することができる。
【0055】
また、ユーザ端末50によりかかるWebサイトに接続したユーザは、かかるWebサイト上に設けられたユーザインターフェースを利用した操作により、予約を行ったり、予約を変更したり、予約を解除したりする。操作の内容は、予約管理サーバ装置20に送信される。予約管理サーバ装置20は、この操作の内容に基づいて会議予約情報21−aを更新する。
【0056】
次に、予約管理サーバ装置20内のデータベース21に記憶されている各情報について図を参照して説明する。
【0057】
まず、図5を参照すると、会議室の予約に関する情報を格納するテーブルである会議予約情報21−aは、「会議室」、「電話番号」、「予約者」、「利用開始日時」、「利用終了日時」、「利用状況」及び「未利用状態継続時間」を属性として含む。
【0058】
会議予約情報21−aは、1つの予約について1行の情報を格納する。
【0059】
ここで「会議室」には、予約の対象となっている会議室40を識別するための情報が格納される。
【0060】
また、「電話番号」には、予約の対象となっている会議室40に設置されている電話機30に割り当てられている電話番号が格納される。
【0061】
更に、「予約者」には、ユーザ端末50を利用して予約を行ったユーザを識別するための情報が格納される。
【0062】
更に、「利用開始日時」には、予約の開始時間、すなわち、予約の対象となっている会議室40の利用を開始する時間が格納される。
【0063】
更に、「利用終了日時」には、予約の終了時間、すなわち、予約の対象となっている会議室40の利用を終了する時間が格納される。
【0064】
更に、「利用状況」には、予約の対象となっている会議室40がユーザにより利用中であるか、それとも未利用の状態であるかを表す情報が格納される。
【0065】
更に、「未利用状態継続時間」には、予約の対象となっている会議室40が未利用の状態がどのくらいの長さ継続しているのかを表す情報が格納される。
【0066】
この内、「会議室」、「電話番号」、「予約者」、「利用開始日時」及び「利用終了日時」に格納される内容は、予約を行なう際に、ユーザがユーザ端末50によって入力した内容である。
【0067】
一方で、「利用状況」及び「未利用状態継続時間」に格納される内容は、構内交換機10が取得した会議室40の利用状況に基づいた内容となる。
【0068】
具体的には、構内交換機10が取得した会議室40の利用状況が、予約管理サーバ装置20に通知される。通知を受けた予約管理サーバ装置20は、通知された会議室40の利用状況を会議予約情報21−aに格納することにより、会議予約情報21−aを更新する。例えば、通知内容が会議室40にユーザが在室していることを表す場合は、会議予約情報21−aの「利用状況」に「利用中」を格納する。一方で、通知内容が会議室40にユーザが在室していないことを表す場合は、会議予約情報21−aの「利用状況」に「未利用」となる。このようにして、予約管理サーバ装置20は、会議予約情報21−aに最新の会議室利用状況を記憶する。
【0069】
なお、図中では、説明の便宜上会議予約情報21−a内において、「第1の会議室」や「佐藤」等の文言を使用しているが、実際は、「第1の会議室」を識別するためのIDや「佐藤」を識別するためのIDが格納されるようにしても良い。
【0070】
次に、図6を参照して、タイマ情報21−bについて説明を行なう。ここで、タイマ情報21−bは、利用状況確認間隔タイマ値及び音分析処理タイマ値を含む。
【0071】
まず、利用状況確認間隔タイマ値について説明する。上述したように、本実施形態では、構内交換機10が、各電話機30を利用して、会議室40の利用状況を判定する。かかる判定は周期的に行なうことが好ましい。なぜなら、一度会議室40が未利用の状態と判定されても、その後会議が遅れて開始されたような場合には、会議室40が利用中の状態となったことを判定する必要があるからである。
【0072】
そこで、本実施形態では利用状況確認間隔タイマ値として所定の期間を設定する。そして、会議予約情報21−aに含まれる「利用開始日時」に格納される日時になると、各電話機30を利用して、会議室40の利用状況を判定する。また、その後も利用状況確認間隔タイマ値として設定した所定の期間が経過する度に構内交換機10が、各電話機30を利用して、会議室40の利用状況を判定することを繰り返す。
【0073】
図6に表す例では、かかる所定の期間の長さは、「5分」となっているが、これはあくまで例示に過ぎず、かかる利用状況確認間隔タイマ値として設定した所定の期間の長さは、本実施形態を実装する環境等に応じて任意の長さとすることができる。
【0074】
次に、音分析処理タイマ値について説明する。上述したように、本実施形態では、会議室40の利用状況を判定する場合に、構内交換機10は、各電話機30が聴取した各電話機30周辺の会議室40内の音を解析する。しかしながら、各電話機30による聴取を必要以上に長く継続させる必要はない。また、本実施形態上で同時に通話できる回線数に制限があるような場合に、利用状況の判定のために回線を使用し続けてしまうと、他の用途で通話を行おうとしても回線数が不足するような事態も生じてしまう。
【0075】
そこで、本実施形態では、音分析処理タイマ値として所定の期間を設定する。そして、各電話機30による聴取を開始してから、かかる音分析処理タイマ値として設定した所定の期間が経過するまでの間各電話機30による聴取を継続することとする。これにより、かかる音分析処理タイマ値として設定した所定の期間の経過後は、回線が開放されることとなり、他の用途にて回線を利用することが可能となる。
【0076】
図6に表す例では、かかる音分析処理タイマ値として設定した所定の期間の長さは、「1分」となっているが、これはあくまで例示に過ぎず、かかる所定の期間の長さは、本実施形態を実装する環境等に応じて任意の長さとすることができる。
【0077】
なお、ユーザの音声を検出して、会議室40が利用中であることが判定できた後は、各電話機30による聴取を継続する必要はない。そこで、会議室40が利用中であることが判定できた場合には、かかる音分析処理タイマ値として設定した所定の期間が経過する前であっても各電話機30による聴取を取り止めるようにしても良い。
【0078】
次に、図7のシーケンス図を参照して、本実施形態にて予約された会議室40の利用状況を判定する際の動作について説明をする。なお、以下の説明では、第1の会議室40−1について予約がなされている状態を想定する。そのため、以下の説明では、第1の会議室40−1の利用状況を判定するために、第1の会議室40−1に設置されている第1の電話機30−1を対象として処理を行なう。なお、他の電話機30に対して処理を行なう場合も処理の内容は同じである。
【0079】
予約管理サーバ装置20の予約管理サーバ装置側制御部22は、データベース21に格納されている会議予約情報21−aを参照し、予約がなされている会議室40が存在するかを確認する。上述したように、第1の会議室40−1について予約がなされている。そのため、予約管理サーバ装置側制御部22は、会議予約情報21−aに格納されている、第1の会議室40−1に設置された第1の電話機30−1の電話番号を取得する。本例では、電話番号「XX1」を取得する。更に、予約管理サーバ装置側制御部22は、第1の会議室40−1についての予約における利用開始日時まで待機をする。
【0080】
そして、利用開始日時になると予約管理サーバ装置側制御部22は、構内交換機10に対して電話番号「XX1」が割り当てられている電話機30への発信要求を行なう(ステップS101)。なお、今回は、利用開始日時になった際の処理について説明している。ただし、本実施形態では、利用開始日時になった際のみならず、利用状況確認間隔タイマ値に基づいて周期的に同様の処理を行なう。例えば、利用状況確認間隔タイマ値として設定された所定の期間が5分であれば、利用開始日時になった後も五分間隔で同様の処理を行なう。
【0081】
次に、構内交換機10は、電話番号「XX1」が割り当てられている電話機30である第1の電話機30−1の状態を確認する(ステップS103)。
【0082】
ステップS103における確認の結果、第1の電話機30−1がビジー状態(通話中又は発信中の状態)の場合(ステップS103においてYes)、構内交換機10は、第1の会議室40−1内にユーザが在室していると判定する。そして、構内交換機10は、第1の会議室40−1の利用状況は「利用中」である旨を予約管理サーバ装置20に対して通知する(ステップS113)。
【0083】
通知を受けた予約管理サーバ装置20は、通知に基づいて、会議予約情報21−aの第1の会議室40−1についての「利用状況」の内容を「利用中」に更新する(ステップS115)。
【0084】
これにより今回の処理は終了する。ただし、上述したように、その後も、利用状況確認間隔タイマ値に基づいて周期的に同様の処理を行なう。
【0085】
ここで、第1の会議室40−1は利用中であることが判明したにも関わらず、利用状況を判定する処理を周期的に行なう理由について説明する。
【0086】
判定の対象とした会議室40が利用中であれば、他のユーザは会議室40を利用することはできない。そのため、その後は、利用状況を判定する処理を行わないことも考えられる。しかしながら、例えば、会議が予定よりも早く終了した場合には、その後、会議室40を他のユーザが使用することができる状態となる。そのため、会議が予定よりも早く終了し、会議室40が利用されていない状態となったことを判定することには意味がある。そこで、この点を考慮して、第1の会議室40−1は利用中であることが判明した場合であっても、その後も利用状況を判定する処理を周期的に行なうようにするようにしても良い。なお、会議が予定よりも早く終了した場合というのは、会議室40が一度使用された状態であり、厳密には「未利用」ではない。そこで、会議が予定よりも早く終了することにより「利用状況」が利用中ではなくなった会議室40については「未利用」ではなく「利用済み」という状況であるとして管理するようにしても良い。
【0087】
一方、ステップS103における確認の結果、第1の電話機30−1がアイドル状態の場合(通話中でも発信中でもない状態)の場合(ステップS103においてNo)、構内交換機10は、第1の会議室40−1内にユーザが在室してない可能性があると判定する。
【0088】
そこで、構内交換機10は、第1の会議室40−1にユーザが在室しているか否かを確認するため、第1の電話機30−1に発呼する(ステップS105)。
【0089】
第1の電話機30−1の電話機能部32は、この発呼に対して自動応答をする(ステップS107)。これにより、構内交換機10と第1の電話機30−1のマイク33は通話パスが確立する(図7中の符号201に相当)。
【0090】
また、自動応答に伴い、マイク33は、通常の通話中とは異なる第1の電話機30−1周辺の音を聴取する状態に遷移する(図7中の符号202に相当)。例えば、いわゆるハンズフリーモードとなる機能を利用してマイク33から音を聴取する一方で、スピーカ35の機能はオフとすることによりスピーカからの出力は行わない状態に遷移する。こうすることにより、第1の会議室40−1内で会議を行っているユーザの会議を阻害することはない。また、第1の会議室40−1内で会議を行っているユーザが、会議を中断して何らかの操作を行なうような必要もない。そして、マイク33が聴取した音は確立された通話パス(図7中の符号201に相当)を介して、構内交換機10に送信される。
【0091】
一方で、構内交換機10は、確立された通話パス(図7中の符号201に相当)を介して、マイク33が聴取した音を取得する。そして、音検出部14が、音を検出し、音声分析部15が、音検出部14により検出された音が人の音声であるかを分析する処理を行なう状態に遷移する(図7中の符号203に相当)。
【0092】
構内交換機10の音検出部14及び音声分析部15は、タイマ情報21−bに含まれる音分析処理タイマ値として設定されている期間が経過するまでの間、かかる状態(図7中の符号203に相当)を継続する。例えば、図6に表わされるように音分析処理タイマ値として1分が設定されているのであれば、かかる状態(図7中の符号203に相当)に遷移してから1分の間、かかる状態(図7中の符号203に相当)を継続する。
【0093】
音声分析部15が分析を行い、音分析処理タイマ値として設定されている期間が経過するまでの間に、第1の会議室40−1内の人の音声を検出した場合には、第1の会議室40−1が利用中である判定できる。この場合には、これ以上第1の会議室40−1の音を聴取したり、音を分析等したりする必要はない。そこで、この場合には音分析処理タイマ値として設定されている期間が経過するのを待つことなく、呼を切断する(ステップS11)。そして、構内交換機10は、第1の会議室40−1の利用状況は「利用中」である旨を予約管理サーバ装置20に対して通知する(ステップS113)。
【0094】
通知を受けた予約管理サーバ装置20は、通知に基づいて、会議予約情報21−aの第1の会議室40−1についての「利用状況」の内容を「利用中」に更新する(ステップS115)。
【0095】
これにより今回の処理は終了する。ただし、上述したように、その後も、利用状況確認間隔タイマ値に基づいて周期的に同様の処理を行なう。
【0096】
一方で、音声分析部15が分析を行い、音分析処理タイマ値として設定されている期間が経過するまでの間に、第1の会議室40−1内の人の音声を検出しなかった場合には、第1の会議室40−1が未利用である判定できる。この場合には、音分析処理タイマ値として設定されている期間が経過すると、呼を切断する(ステップS111)。そして、構内交換機10は、第1の会議室40−1の利用状況は「未利用」である旨を予約管理サーバ装置20に対して通知する(ステップS113)。
【0097】
通知を受けた予約管理サーバ装置20は、通知に基づいて、会議予約情報21−aの第1の会議室40−1についての「利用状況」の内容を「未利用」に更新する(ステップS115)。
【0098】
また、会議予約情報21−aは、上述したように、「未利用状態継続時間」を属性として含む。そして、周期的に繰り返される処理それぞれにおいて、第1の会議室40−1の利用状況が「未利用」である旨を通知される度に、利用状況確認間隔タイマ値として設定された所定の期間を5分「未利用状態継続時間」に加算する。例えば、図6に表すように、利用状況確認間隔タイマ値が5分の場合、第1の会議室40−1が「未利用」である旨を6回受信した場合は、1の会議室40−1についての「未利用状態継続時間」には「30分」が格納される。
【0099】
これにより今回の処理は終了する。ただし、上述したように、その後も、利用状況確認間隔タイマ値に基づいて周期的に同様の処理を行なう。
【0100】
以上説明した動作を全ての予約について行なう。これにより、予約管理サーバ装置20のデータベース21に格納される会議予約情報21−aは、各会議室40の最新の利用状況を示すこととなる。
【0101】
これにより、何れかの会議室40を利用したいユーザは、各会議室40の利用状況を、ユーザ端末50にて予約管理サーバ装置20のデータベース21に格納される会議予約情報21−aを参照することにより確認することが可能となる、という効果を奏する。具体的には、各会議室40が利用中であるのか、それとも未利用であるのかのみならず、未利用の場合には、どの程度の期間未利用になっているかを確認することができる。
【0102】
これにより、ユーザは未利用状態が長時間継続している会議室40を特定することができる。また、会議予約情報21−aを参照することにより、未利用状態が長時間継続している会議室40を予約した予約者が誰であるのかも特定することができる。そのため、ユーザは、かかる予約者に電話等により、会議室40を使用して良いのかの確認を行なう等することができる。
【0103】
以上、本実施形態について説明した。
【0104】
ここで、仮に本実施形態を用いない場合には、空きの会議室を探して使いたいときには、ユーザが会議室まで赴き、会議室の外からそっと耳を澄まして会議室の内部の様子をうかがって、空いていそうか否かをユーザが判定する必要があった。
【0105】
しかしながら、本実施形態では、ユーザは手元のユーザ端末50にて会議予約情報21−aを参照することにより各会議室40の利用状況を確認することができる。従って、ユーザが会議室に赴いたり、耳を澄まして会議室の内部の様子をうかがったりする必要はなくなる。
【0106】
また、特許文献1での予約管理システムでは、会議室の利用状況をシステムに反映するために電話機に応答する必要があった。その結果、会議に参加しているユーザは、会議を中断しなくてはならなかった。つまり、特許文献1に記載の予約管理システムは、システムが管理を確実に行うためにシステムが人に対して積極的に会議室の空や利用中の確認操作を強要する仕組みであった。そして、予約者以外に会議室を利用したいユーザが存在しないような場合にまで、確認操作を行わなければならず、ユーザにとって利便性に欠けていた。
【0107】
それに対して本実施形態は、会議室の使用状況を本実施形態に含まれる機器が、密かに自動で探り、その結果を管理する。つまり、ユーザは、空いている会議室の管理を完全にするための特別な操作は不要で、煩わしさが発生しない、本実施形態では、操作を行なうのは、空いている会議室を探すユーザのみである。
【0108】
つまり、本実施形態では、会議を行っているユーザに会議を中断させて操作を行わすような必要はなく、ユーザにとって利便性に優れていると言える。
【0109】
また、特許文献2では、ユーザが在室しているか否かを検知するためのセンサ及び在室検知部を含んだ専用の端末を用意する必要があった。しかし、本実施形態では、一般的に会議室に設置されている電話機を使用することができるので、このような専用の端末を用意する必要が無くなる。つまり、既設の設備を利用し、安価に実施形態を実現することができる。
【0110】
<変形例>
次に、上述した本実施形態を変形した2つの変形例について説明をする。
【0111】
まず、第1の変形例について説明する。上述したように、本実施形態により、会議室40が空いているならば、その会議室40を利用したユーザ(以下、「利用希望ユーザ」と呼ぶ。)は手元のユーザ端末50にて会議予約情報21−aを参照することにより各会議室40の利用状況を確認することができる。
【0112】
しかしながら、予約を行った予約者が現在会議室を利用しておらず現在の利用状況が「未利用」であったとしても、予約者が、その後予約をしていた会議室40を使用する可能性がある。そこで、利用希望ユーザは、現在の利用状況が「未利用」であったとしても予約者に対して電話機による発呼を行い、電話機を利用した通話にて、現在の利用状況が「未利用」である会議室40を利用してよいか否かを確認することが望ましい。
【0113】
そこで、本変形例では、会議室40の利用状況を確認した構内交換機10が、上述のステップS113にて行っていた予約管理サーバ装置20に対しての会議室40の利用状況の通知に加えて、利用希望ユーザの電話機に対して通知を行なう。
【0114】
そして、利用希望ユーザは、利用希望ユーザの電話機の表示部で通知内容を確認できる。更に、利用希望ユーザは、通知内容に基づいて現在の利用状況が「未利用」である会議室40の予約者の電話機に対して発呼を行なうことができる。
【0115】
つまり、利用希望ユーザは、電話機の表示器で確認、電話機から確認のための通話という、これら一連の作業を自席の電話機1つで実現することが可能となる。本変形例では、このようにしてユーザの利便性を向上させることを可能とする。
【0116】
まず、図8を参照して、本変形例の構成について説明する。図8を参照すると本変形例では、図1に表わされる構成に追加して、更に、利用希望ユーザ電話機70及び予約者電話機80を含む。
【0117】
ここで、利用希望ユーザ電話機70は、利用希望ユーザが利用する電話機である。一方で、予約者電話機80は、何れかの会議室40の予約を行った予約者が利用する電話機である。以下の説明では、一例として、第1の会議室40−1の予約を行った予約者が予約者電話機80を利用しているとする。
【0118】
利用希望ユーザ電話機70及び予約者電話機80は、構内交換機10を介して相互に通話を行なうことが可能である。また、利用希望ユーザ電話機70及び予約者電話機80は、構内交換機10を介して各電話機30と通話を行なうことが可能である。
【0119】
利用希望ユーザ電話機70及び予約者電話機80にはそれぞれ固有の、内線や外線の電話番号が割り当てられているものとする。具体的には、利用希望ユーザ電話機70には電話番号「X70」が割り当てられているものとする。また、予約者電話機80には電話番号「X80」が割り当てられているものとする。
【0120】
更に、利用希望ユーザ電話機70及び予約者電話機80は、各電話機30と同等の機能ブロックを含んでいるものとする。なお、かかる各電話機30に含まれる機能ブロックについては、図4を参照して上述しているので、再度の説明を省略する。
【0121】
また、利用希望ユーザ電話機70及び予約者電話機80以外の各機器は、上述した実施形態と同様であるので、これらの機器についての再度の説明も省略する。
【0122】
次に、図9のフローチャートを参照して、本変形例の動作について説明する。
【0123】
まず、ステップS101乃至ステップS115の処理が実行されるが、かかる処理については図7を参照して上述した内容と同等であるので、再度の説明を省略する。
【0124】
次に、利用希望ユーザが未利用の会議室40が存在しないかを確認するために、未利用の会議室40に関する情報を、利用希望ユーザ電話機70を利用して、構内交換機10に問い合わせる(ステップS117)。問い合わせのために、例えば利用希望ユーザ電話機70に「未利用会議室問合せ」といったボタンを設けておく。そして、利用希望ユーザ電話機70は、利用希望ユーザがかかるボタンを押下したことを契機として構内交換機10に対してステップS117の問合せを行なう。
【0125】
構内交換機10は、この問い合わせに応じて、未利用の会議室40に関する情報を利用希望ユーザ電話機70に対して送信する(ステップS119)。具体的には、少なくとも会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40を表す部屋番号等の情報を送信する。
【0126】
なお、送信のために、構内交換機10内部で、図5に表す会議予約情報21−aと同等の情報を記憶しておくようにする。又は、構内交換機10がステップS117における問い合わせを受け付けた場合に予約管理サーバ装置20に対して図5に表す会議予約情報21−aの内容を問い合わせる。
【0127】
会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40を表す情報を受信した利用希望ユーザ電話機70は、かかる情報の内容を利用希望ユーザが把握可能なように出力する。例えば、かかる情報の内容を利用希望ユーザ電話機70の表示部に表示する(ステップS121)。
【0128】
これを参照した利用希望ユーザは、少なくとも会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40が、何れの会議室40であるのかを把握することができる。
【0129】
次に、図10を参照してその後の動作について説明する。ステップS121における表示を参照した利用希望ユーザは、会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40の音を自身で確認するために、会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40に対する発呼操作を行なう。例えば、例えば利用希望ユーザ電話機70に「聞く」といったボタンを設けておく。そして、利用希望ユーザ電話機70は、利用希望ユーザがかかるボタンを押下したことを契機として、会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40に設置された電話機30に対する発呼を行なう(ステップS131)。
【0130】
かかる発呼は、例えば、ステップS119において送信された、部屋番号等の情報により発呼先の会議室40の部屋番号を特定することにより実現されても良い。そして、かかる発呼を受信した構内交換機10が、特定された部屋番号に対応する会議室40に設置された電話機30に対して発呼を行なうようにすれば良い。また、そうするのではなく、ステップS119において会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40に設置された電話機30の電話番号を送信しておく。そして、利用希望ユーザ電話機70がかかる電話番号を送信し、かかる電話番号を受信した構内交換機10が、かかる電話番号に対応する電話機30に対して発呼を行なうようにすれば良い。
【0131】
今回は、第1の会議室40−1に設置された第1の電話機30−1に対しての発呼を行なうものとする。
【0132】
なお、会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40が複数ある場合には、上下ボタンなどで希望する発呼先の会議室40を選択できるようにしておく。
【0133】
利用希望ユーザ電話機70からの発呼を受け付けた構内交換機10は、第1の電話機30−1に対して発呼を行なう(ステップS133)。
【0134】
第1の電話機30−1の電話機能部32は、この発呼に対して自動応答をする(ステップS135)。その後、構内交換機10が通話パスを確立するための処理を行なうことにより、利用希望ユーザ電話機70と第1の電話機30−1は通話パスが確立する(図7中の符号201に相当)。
【0135】
また、自動応答に伴い、第1の電話機30−1は、通常の通話中とは異なる第1の電話機30−1周辺の音を聴取する状態に遷移する。例えば、いわゆるハンズフリーモードとなる機能を利用してマイク33から音を聴取する。こうすることにより、第1の会議室40−1内で会議を行っているユーザの会議を阻害することはない。また、第1の会議室40−1内で会議を行っているユーザが、会議を中断して何らかの操作を行なうような必要もないそして、マイク33が聴取した音は確立された通話パス(図7中の符号201に相当)を介して、利用希望ユーザ電話機70に送信される(ステップS137)。送信された音は、利用希望ユーザ電話機70のスピーカや、利用希望ユーザ電話機70に接続された受話器から出力することにより、利用希望ユーザは、第1の会議室40−1にて会議が行われているか否か、すなわち、第1の会議室40−1に人が在室しているか否かを判断することができる。
【0136】
なお、上述したように、会議室40に在室しているユーザは、会議室40の利用状況を判定する目的で電話機30により音声を集音されていることを意識することなく、会議室40内の他のユーザとの間で通常通りに会議を行っている。そのため、会話の内容に、その会議の場以外では秘匿すべき情報が含まれる場合がある。そこで、会議内容の秘匿性を高めるという観点に基づいて、マイク33が聴取した音に所定のフィルタをかけるなどの加工を行なうと良い。これにより、利用希望ユーザが、会議室40内での会話の具体的な内容を聞き取れてしまうことを防止することができる。
【0137】
また、利用希望ユーザが確認のために第1の電話機30−1に対して音声を送信できるようにするのも良い。
【0138】
例えば利用希望ユーザ電話機70に「声掛け」といったボタンを設けておく。そして、利用希望ユーザ電話機70は、利用希望ユーザがかかるボタンを押下したことを契機として構内交換機10に対して利用希望ユーザの音声を第1の電話機30−1に対して送信する(ステップS139)。
【0139】
そして、受信した第1の電話機30−1が例えばハンズフリー通話の機能を用いて、利用希望ユーザ電話機70から受信した音声をスピーカにて出力するようにしても良い。つまり、利用希望ユーザが、利用希望ユーザ電話機70から第1の会議室40−1内の人に対して直接声掛けを行えるようにすると良い。また、仮に第1の会議室40−1内に人が居るのであれば、第1の電話機30−1から利用希望ユーザ電話機70に対して、声掛けについての返答を行えるようにすると良い。これにより、利用希望ユーザは、より確実に会議室40の利用状況を確認することが可能となる。
【0140】
更に、ステップS121における表示を参照した利用希望ユーザは、会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40について予約を行った予約者の利用する予約者電話機80に対して発呼を行えるようにすると良い。そのためには、前提として、予約管理サーバ装置20が、予約者からの予約を受け付ける際に、予約者が使用する予約者電話機80の電話番号を受け付けておく。そして、受け付けた予約者電話機80の電話番号を会議予約情報21−aに含ませておく。このようにすることにより、構内交換機10及び予約管理サーバ装置20は、各予約を行った予約者が使用する予約者電話機80の電話番号を把握することが可能となる。
【0141】
また、例えば利用希望ユーザ電話機70に「予約者に発呼」といったボタンを設けておく。そして、ステップS121において会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40を表す情報を参照した利用希望ユーザが、かかるボタンを押下したことを契機として、利用希望ユーザ電話機70は、構内交換機10を介して予約者電話機80に対しての発呼を行なう。
【0142】
かかる発呼は、例えば、ステップS119において送信された、部屋番号等の情報により発呼先の会議室40の部屋番号を特定することにより実現されても良い。そして、かかる発呼を受信した構内交換機10が、特定された部屋番号に対応する会議室40についての予約を行った予約者の予約者電話機80に対して発呼を行なうようにすれば良い。また、そうするのではなく、ステップS119において会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40についての予約を行った予約者の予約者電話機80の電話番号を送信しておく。そして、利用希望ユーザ電話機70がかかる電話番号を送信し、かかる電話番号を受信した構内交換機10が、かかる電話番号に対応する予約者電話機80に対して発呼を行なうようにすれば良い。なお、利用希望ユーザ電話機70の発呼を受け付けた構内交換機10が、予約者電話機80に対して発呼を行なう際の各機器の動作は、一般的な処理であるため、シーケンス図を参照した説明を省略する。
【0143】
そして、利用希望ユーザ電話機70からの発呼を受け付けた予約者電話機80を利用する予約者は、かかる発呼に応答することにより、利用希望ユーザとの間で会話を行なうことができる。これにより、利用希望ユーザが、予約者に、会議室40を実際に利用するのかを直接確認できることから、空いている会議室40を、より確実に探すことが可能となる。
【0144】
以上説明した、本変形例では、利用希望ユーザが、利用希望ユーザ電話機70を操作することにより一連の処理を行なうことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。すなわち、本変形例では、会議中の人に迷惑を掛けず、最小限の電話機操作で、空き部屋探しを行なうことを可能とできる。
【0145】
次に、上述した本実施形態を変形した、第2の変形例について説明する。上述した実施形態では、構内交換機10が予約管理サーバ装置20からの発信要求(ステップS101)に応じて、予約がなされている会議室40の利用状況を確認するための一連の処理を行っていた(ステップS103以降の処理に相当)。
【0146】
しかし、本変形例では、このようにするのではなく、予め構内交換機10に会議室40の電話番号を登録しておく。そして、構内交換機10は、予約管理サーバ装置20からの発信要求の有無を問うこと無く、自発的にステップS103以降の処理を行なう。この場合に、ステップS113及びステップS115を省略するようにしても良い。
【0147】
そして、図9を参照して説明したように、ステップS117において、利用希望ユーザ電話機70からの要求があった場合に、構内交換機10は利用状況が「未利用」の会議室40についての情報を利用希望ユーザ電話機70に対して送信する(ステップS119)。
【0148】
そして、会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40を表す情報を受信した利用希望ユーザ電話機70は、かかる情報の内容を利用希望ユーザが把握可能なように出力する。例えば、かかる情報の内容を利用希望ユーザ電話機70の表示部に表示する(ステップS121)。
【0149】
これを参照した利用希望ユーザは、少なくとも会議室の利用状況が「未利用」となっている会議室40が、何れの会議室40であるのかを把握することができる。
【0150】
このようにすることにより、本変形例では、予約管理サーバ装置20と、構内交換機10と信号レベルの連携をしなくても、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0151】
また、上述した実施形態及び各変形例は、本発明の好適な実施形態及び各変形例ではあるが、上記実施形態及び各変形例のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0152】
例えば、ステップS107において通話パスを確立後、マイク33にて音を聴取している間に、会議室40のユーザが、会議室40に設置されている電話機30を利用することが考えられる。例えば、かかる電話機30を利用して、他の電話機への発呼を行なうことが考えられる。この場合には、電話機30による聴取を取り止め、構内交換機10は、他の電話機への発呼を行なう。また、これと共に、構内交換機10は、かかる電話機30が設置されている会議室40の利用状況は「利用中」であると判定し、その旨を予約管理サーバ装置20に送信する。そして、予約管理サーバ装置20が、かかる利用状況を会議予約情報21−aに反映させる。これにより、会議予約情報21−aを最新の状態に更新できるのみならず、会議室40のユーザに、会議室40に設置されている電話機30を利用させることが可能となる。
【0153】
また、図1や8においては、ユーザ端末50が1台のみである場合を表しているが、ユーザ端末50は複数台設けられてもよい。これにより、ユーザは任意のユーザ端末50を用いて会議室の予約等をすることができる。さらに予約管理サーバ装置20が、予約を管理する会議室40及びかかる会議室40に設置される電話機30の台数の数も任意の数とすることができる。
【0154】
また、何れかの会議室40にユーザ端末50が設置されても良い。また、ユーザ端末50はユーザが携帯して使用する無線端末であっても良い。
【0155】
また、上記では、会議室40という文言を使用して説明したが、会議室というのは一例に過ぎず、各部屋の用途に特に限定は無い。会議室ではなく、他の用途の部屋であって良い。また、部屋ではなく、所定のエリアであっても良い。つまり、電話機30が設置された所定の場所であれば良い。
【0156】
なお、上記の在室状況管理システムに含まれる各機器は、それぞれが、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の在室状況管理システムに含まれる各機器により行なわれる在室状況管理方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0157】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0158】
以上説明した本発明の実施形態は、以下に示すような多くの効果を奏する。
【0159】
第1の効果は、会議中の電話機操作を無くすことができることである。その理由は、会議室に設けられた電話機が自動応答し、マイクにより会議室の音声を聴取することで、会議室にユーザが在室しているか否かを判断することができ、その会議室を使用したいユーザは会議室の利用状況を簡単に判断することが出来るようになるからである。
【0160】
また、第2の効果は、安価に会議室予約管理機能を提供することができることである。その理由は、既設の構内交換機および電話機を利用することで、新規にセンサ等などを用意する必要がなくなるからである。さらには、構内交換機と予約管理サーバ装置とを統合することで、更に安価にシステムを構築することも可能である。
【0161】
第3の効果は、予約管理サーバ装置が管理しないエリア(たとえば、フリースペースなど)や、予約をしないで会議室を利用している場合の在室管理も可能であることである。その理由は、予約管理サーバ装置がないエリアであっても電話機を設けていれば、ユーザが在室しているか否かを判断することができるからである。
【0162】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0163】
(付記1) 予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定手段と、
予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御手段と、
を備えることを特徴とする利用状況管理装置。
【0164】
(付記2) 前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報に、該判定された場所を識別するための情報を少なくとも含ませることを特徴とする付記1に記載の利用状況管理装置。
【0165】
(付記3) 前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報に、該判定された場所に設置された前記第1の電話機が集音した音を少なくとも含ませることを特徴とする付記1に記載の利用状況管理装置。
【0166】
(付記4) 前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報に、該判定された場所を予約した予約者に対応付けられた第3の電話機を識別するための情報を少なくとも含ませることを特徴とする付記1に記載の利用状況管理装置。
【0167】
(付記5) 前記第2の電話機に前記第3の電話機に対する発呼処理を実行させるために、前記第3の電話機の電話番号を前記第2の電話機に送信することを特徴とする付記4に記載の利用状況管理装置。
【0168】
(付記6) 前記判定手段による判定を、同一の場所について繰り返し行なうことを特徴とする付記1乃至5の何れか1に記載の利用状況管理装置。
【0169】
(付記7) 前記第1の電話機に対して発呼を行い、前記発呼の応答として、前記第1の電話機から前記第1の電話機が予約者に予約されている場所で集音した前記音を受信することを特徴とする付記1乃至6の何れか1に記載の利用状況管理装置。
【0170】
(付記8) 利用状況管理装置と、第1の電話機と、第2の電話機とを備える利用状況管理システムであって、
前記利用状況管理装置は、付記1乃至7の何れか1に記載の利用状況管理装置であり、
前記第1の電話機は、前記利用状況管理装置からの着呼を受け付けたことを契機として、自電話機が集音した音を前記利用状況管理装置に送信し、
前記第2の電話機は、前記利用状況管理装置から受信した、前記人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を出力する処理及び該情報に基づいた発呼処理、の何れか又は双方を行なうことを特徴とする利用状況管理システム。
【0171】
(付記9) 予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定ステップと、
予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御ステップと、
を行なうことを特徴とする利用状況管理方法。
【0172】
(付記10) コンピュータを利用状況管理装置として機能させるための利用状況管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
予約者に予約されている場所で第1の電話機が集音した音を、前記第1の電話機から受信し、該受信した音に人間の存在を表す音が含まれているか否かを判定する判定手段と、
予約がなされているが利用されていない場所の検索要求を第2の電話機から受信した場合に、前記判定手段によって人間の存在を表す音が含まれていないと判定された場所に関する情報を前記第2の電話機に対して送信する制御手段と、
を備える利用状況管理装置として機能させることを特徴とする利用状況管理プログラム。
【0173】
(付記11) 多機能電話機が設けられた会議室等の予約管理サーバ装置を含む構内交換機システムであって、前記予約管理サーバ装置の予定表データベースにアクセスする手段と、
予定表データベースの登録有無に応じて、自機に収容する多機能電話機に自動発呼する手段と、
当該多機能電話機の自動応答によりマイクからの音声を収集する手段と、
会議室にユーザが在室しているか否かを検知する在室分析手段を備えることを特徴とする構内交換機。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明は、例えば、構内交換機に収容した多機能電話機が設けられた会議室での利用に好適である。
【符号の説明】
【0175】
1 在室状況管理システム
10 構内交換機
11 呼制御部
12 交換機側制御部
13 記憶部
14 音検出部
15 音声分析部
20 予約管理サーバ装置
21 データベース
21−a 会議予約情報
21−b タイマ情報
22 予約管理サーバ装置側制御部
23 サイト生成部
30 電話機
30−1 第1の電話機
30−2 第2の電話機
30−n 第nの電話機
31 表示部
32 電話機能部
33 マイク
34 操作受付部
35 スピーカ
40 会議室
40−1 第1の会議室
40−2 第2の会議室
40−n 第nの会議室
50 ユーザ端末
60 LAN
70 利用希望ユーザ電話機
80 予約者電話機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10