(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記係数回路は、前記検出電圧を、複数の値から選択可能な第1係数倍し、前記電流検出信号を生成する第1係数回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
前記第2係数は、少なくとも、前記駆動電流の第1電流範囲において使用される第1値と、前記駆動電流の第2電流範囲において使用される第2値とで切りかえ可能であり、
前記第1電流範囲における前記アナログ調光電圧の可変範囲と、前記第2電流範囲における前記アナログ調光電圧の可変範囲はオーバーラップすることを特徴とする請求項7に記載の制御回路。
前記パルス変調器は、前記スイッチングトランジスタがターンオンしてから所定時間の経過までをマスク期間とし、前記マスク期間の間、前記リセットパルスのアサートをマスクし、マスク後のリセットパルスを前記ロジック回路に出力するリーディングエッジブランキング回路をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の制御回路。
前記スイッチングコンバータは、前記インダクタと前記スイッチングトランジスタの接続点と接地ラインの間に直列に設けられた第1キャパシタおよび第1抵抗をさらに備え、
前記ゼロ電流検出回路は、前記第1抵抗の電位が所定のしきい値電圧がクロスすると、前記セットパルスをアサートすることを特徴とする請求項12または13に記載の制御回路。
【背景技術】
【0002】
液晶のバックライトや照明器具として、LED(発光ダイオード)などの半導体光源の普及が進んでいる。
図1は、昇圧型のスイッチングコンバータの回路図である。スイッチングコンバータ100Rは、入力ライン104に図示しない電源から入力電圧V
INを受け、それを昇圧することにより、出力ライン106に接続される負荷であるLED光源502に出力電圧V
OUTを供給するとともに、LED光源502に流れる電流(負荷電流あるいは駆動電流という)I
LEDを目標値I
REFに安定化させる。たとえばLED光源502は発光ダイオード(LED)ストリングであり、スイッチングコンバータ100Rは、LEDストリングの目標輝度に応じて、負荷電流I
LEDの目標電流値I
REFを設定する。
【0003】
スイッチングコンバータ100Rは、出力回路102および制御回路300Rを備える。出力回路102は、平滑キャパシタC1、整流ダイオードD1、スイッチングトランジスタM1、インダクタL1、検出抵抗R
CS、調光トランジスタM2含む。インダクタL1、スイッチングトランジスタM1、整流ダイオードD1、平滑キャパシタC1の配置は、一般的な昇圧(Boost)コンバータのトポロジーである。
【0004】
LED光源502に流れる電流I
LEDは、検出抵抗R
CSに流れ、検出抵抗R
CSに、電流I
LEDに比例した電圧降下を発生させる。電圧降下は、検出電圧V
CSとして制御回路300Rの電流検出(CS)端子に入力される。制御回路300Rのアナログ調光(ADIM)端子には、外部のホストプロセッサから、負荷電流I
LEDの目標値I
REFを示すアナログ調光電圧V
ADIMが入力される。制御回路300Rは、検出電圧V
CSがアナログ調光電圧V
ADIMと一致するようにデューティ比が調節される駆動パルスS
DRVを生成し、スイッチングトランジスタM1を駆動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者が検討した制御回路300Rは、アンプ302、エラーアンプ304、デューティコントローラ306、ドライバ308、PWM調光コントローラ310を備える。なお、この制御回路300Rの構成を公知技術と認定してはならない。
【0007】
アンプ302は、アナログ調光電圧V
ADIMを所定のゲインgで増幅(減衰を含む)する。エラーアンプ304は、検出電圧V
CSとアンプ302の出力電圧g×V
ADIMの誤差を増幅し、誤差に応じたフィードバック信号V
FBを生成する。たとえばエラーアンプ304は、トランスコンダクタンスアンプ(gmアンプ)と、その出力に接続される位相補償用の抵抗R
FBおよびキャパシタC
FBを含む。
【0008】
デューティコントローラ306は、いわゆるパルス変調器であり、フィードバック信号V
FBに応じたデューティ比を有する駆動パルスS
DRVを生成する。ドライバ308は、駆動パルスS
DRVに応じてスイッチングトランジスタM1をスイッチングする。
【0009】
PWM調光コントローラ310は、PWM調光のために設けられる。PWM調光では、LED光源502の発光時間を変化させることで、実効的な光量を変化させる。PWM調光コントローラ310はLED光源502の目標光量に応じたデューティ比を有する調光パルスS
PWMOUTに応じて調光トランジスタM2をスイッチングする。
【0010】
このスイッチングコンバータ100Rでは以下の関係式が成り立つようにフィードバックがかかる。
I
LED×R
CS=g×V
ADIM
したがって負荷電流I
LEDは、アナログ調光電圧V
ADIMに比例する目標電流量I
REFに安定化される。
I
LED=I
REF=g×V
ADIM/R
CS
【0011】
図2は、アナログ調光電圧V
ADIMと駆動電流I
LEDの関係を示す図である。実際の駆動電流I
LED’は、さまざまな誤差の影響で目標電流I
REFから逸脱し、以下の式で表すことができる。
I
LED’=I
OFS+α(g×V
DIM/R
CS)
I
OFSがオフセット誤差を、αはゲイン誤差の影響を示す。
たとえばオフセット誤差I
OFSは、エラーアンプ304の入力オフセット電圧の影響を受け、ゲイン誤差αは、アンプ302のゲインや検出抵抗R
CSのばらつきの影響を受けうる。
図2には、オフセット誤差の影響を受けた駆動電流I
LED’が破線で示される。オフセット電流I
OFSの影響は、駆動電流I
LEDが大きな領域では小さいが、駆動電流I
LEDが小さな領域において顕著となる。
【0012】
なおアナログ調光電圧V
ADIMがゼロ時に、駆動電流I
LEDが非ゼロ(最低電流I
MIN)となるような調光特性もあり得る。
I
LED=I
REF=I
MIN+g×V
ADIM/R
CS
【0013】
あるいはアナログ調光電圧V
ADIMが増大するほど、駆動電流I
LEDを減少させる調光特性もあり得る。
I
LED=I
REF=I
MAX−g×V
ADIM/R
CS
【0014】
このようにさまざまな調光特性において、駆動電流I
LEDが小さい領域でのオフセット誤差の影響が大きくなる。とりわけ駆動電流I
LEDのダイナミックレンジが広い用途において、オフセット電流I
OFSの影響が問題となるであろう。
【0015】
なおこの課題を本発明の分野における共通の一般知識の範囲として捉えてはならず、さらに言えば本発明者が独自に認識したものである。
【0016】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、オフセット誤差の影響を低減したスイッチングコンバータおよびその制御回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のある態様は、光源に駆動電流を供給するスイッチングコンバータの制御回路に関する。制御回路は、駆動電流またはインダクタ電流の経路上に設けられた検出抵抗の電圧降下に応じた検出電圧を受ける電流検出端子と、駆動電流の目標量を指示するアナログ調光電圧を受けるアナログ調光端子と、検出電圧、アナログ調光電圧の少なくとも一方を可変の係数倍し、電流検出信号および電流設定信号を生成する係数回路と、電流検出信号が電流設定信号に近づくように、デューティ比が調節される駆動パルスを生成するパルス変調器と、駆動パルスに応じてスイッチングコンバータのスイッチング素子を駆動するドライバと、を備える。
【0018】
この態様によると、駆動電流の電流範囲に応じて、係数回路の係数を切りかえることにより、駆動電流が小さい範囲において、電流検出信号と電流設定信号の範囲を高い状態に維持することができ、これによりオフセット誤差の影響を低減することができる。
【0019】
ある態様において係数回路は、検出電圧を、複数の値から選択可能な第1係数倍し、電流検出信号を生成する第1係数回路を含んでもよい。
【0020】
ある態様において第1係数は、少なくとも、駆動電流の第1電流範囲において使用される第1値と、駆動電流の第2電流範囲において使用される第2値とで切りかえ可能であり、第1電流範囲におけるアナログ調光電圧の可変範囲と、第2電流範囲におけるアナログ調光電圧の可変範囲はオーバーラップしてもよい。
これにより、外部の回路が生成すべきアナログ調光電圧の範囲を狭めることができる。
【0021】
ある態様において第1係数回路は、分圧比が可変の分圧回路を含んでもよい。
ある態様において第1係数回路は、ゲインが可変の可変ゲインアンプを含んでもよい。
【0022】
ある態様において係数回路は、アナログ調光電圧を第2係数倍して電流設定信号を生成する第2係数回路をさらに含んでもよい。
【0023】
ある態様において係数回路は、アナログ調光電圧を、複数の値から選択可能な第2係数倍して電流設定信号を生成する第2係数回路を含んでもよい。
【0024】
ある態様において第2係数は、少なくとも、駆動電流の第1電流範囲において使用される第1値と、駆動電流の第2電流範囲において使用される第2値とで切りかえ可能であり、第1電流範囲におけるアナログ調光電圧の可変範囲と、第2電流範囲におけるアナログ調光電圧の可変範囲はオーバーラップしてもよい。
これにより、外部の回路が生成すべきアナログ調光電圧の範囲を狭めることができる。
【0025】
ある態様において第2係数回路は、分圧比が可変の分圧回路を含んでもよい。第2係数回路は、ゲインが可変の可変ゲインアンプを含んでもよい。
【0026】
ある態様においてスイッチングコンバータは、入力ラインと出力ラインの間に設けられた出力キャパシタと、出力ラインと接地ラインの間に直列に設けられたインダクタ、スイッチングトランジスタおよび検出抵抗と、入力ラインにカソードが接続され、インダクタとスイッチングトランジスタの接続点にアノードが接続されたダイオードと、を備える降圧型であってもよい。
【0027】
ある態様においてパルス変調器は、電流検出信号と電流設定信号を比較し、電流検出信号が電流設定信号を超えると、リセットパルスをアサートする電流リミットコンパレータと、インダクタに流れる電流が実質的にゼロとなるとセットパルスをアサートするゼロ電流検出回路と、セットパルスおよびリセットパルスを受け、駆動パルスを生成するロジック回路であって、(i)駆動パルスは、セットパルスがアサートされると、スイッチングトランジスタのオンに対応するオンレベルに遷移し、(ii)リセットパルスがアサートされると、スイッチングトランジスタのオフに対応するオフレベルに遷移するものである、ロジック回路と、を含んでもよい。
【0028】
ある態様においてパルス変調器は、スイッチングトランジスタがターンオンしてから所定時間の経過までをマスク期間とし、マスク期間の間、リセットパルスのアサートをマスクし、マスク後のリセットパルスをロジック回路に出力するリーディングエッジブランキング回路をさらに含んでもよい。
【0029】
ある態様においてスイッチングコンバータは、インダクタとスイッチングトランジスタの接続点と接地ラインの間に直列に設けられた第1キャパシタおよび第1抵抗をさらに備えてもよい。ゼロ電流検出回路は、第1抵抗の電位が所定のしきい値電圧がクロスすると、セットパルスをアサートしてもよい。
【0030】
ある態様においてスイッチングコンバータは、インダクタと結合された補助巻線をさらに備えてもよい。ゼロ電流検出回路は、補助巻線の電圧が所定のしきい値電圧とクロスすると、セットパルスをアサートしてもよい。
【0031】
ある態様においてスイッチングコンバータは、入力ラインと接地ラインの間に直列に設けられたインダクタおよびスイッチングトランジスタと、一端が出力ラインと接続され、他端がインダクタとスイッチングトランジスタの接続点に接続された整流素子と、出力ラインと接続された出力キャパシタと、を備える昇圧型であってもよい。
【0032】
ある態様においてパルス変調器は、電流検出信号と電流設定信号の誤差を増幅するエラーアンプと、エラーアンプの出力に応じたデューティ比を有する駆動パルスを生成するデューティコントローラと、を含んでもよい。
【0033】
ある態様において制御回路は、アナログ調光電圧を生成するホストプロセッサからパルス変調調光用の調光パルスを受けるパルス調光端子をさらに備えてもよい。調光パルスの振幅にもとづいて、係数回路が制御されてもよい。
これにより追加の制御信号ラインを設けなくても、適切な係数を選択できる。
【0034】
ある態様において、制御回路はひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0035】
本発明の別の態様は、スイッチングコンバータに関する。スイッチングコンバータは、上述のいずれかの制御回路を含む。
【0036】
本発明の別の態様は、照明装置に関する。照明装置は、直列に接続された複数のLED(発光ダイオード)を含むLED光源と、商用交流電圧を平滑整流する整流回路と、整流回路により平滑整流された直流電圧を入力電圧として受け、LED光源を負荷とするスイッチングコンバータと、を備えてもよい。スイッチングコンバータは、上述のいずれかの制御回路を備えてもよい。
【0037】
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、液晶パネルと、液晶パネルを裏面から照射するバックライトである上述の照明装置と、を備えてもよい。
【0038】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0039】
本発明のある態様によれば、オフセット誤差の影響を低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0042】
本明細書において、「部材Aと部材Bが接続」された状態とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0043】
図3は、実施の形態に係るスイッチングコンバータ100の構成を示す回路図である。スイッチングコンバータ100は、入力ライン104の入力電圧V
INを降圧し、降圧された出力電圧V
OUTを出力ライン106から出力する降圧コンバータ(Buckコンバータ)である。LED光源502の一端(アノード)は入力ライン104と接続され、その他端(カソード)は出力ライン106と接続される。LED光源502の両端間には、駆動電圧V
IN−V
OUTが供給される。
【0044】
LED光源502は、定電流駆動すべきデバイスであり、たとえば直列に接続された複数の発光素子(LED)を含むLEDストリングであってもよい。スイッチングコンバータ100は、LED光源502に流れる駆動電流I
LEDを、目標輝度に応じた目標電流I
REFに安定化する。
【0045】
出力回路102は、平滑キャパシタC1、入力キャパシタC2、整流ダイオードD1、スイッチングトランジスタM1、インダクタL1、検出抵抗R
CSを備える。平滑キャパシタC1の一端は入力ライン104と接続され、その他端は出力ライン106と接続される。
【0046】
インダクタL1の一端は出力ライン106と接続され、その他端はスイッチングトランジスタM1のドレインと接続される。検出抵抗R
CSは、スイッチングトランジスタM1がオンの期間に、スイッチングトランジスタM1およびインダクタL1に流れる電流(インダクタ電流)I
Lの経路上に配置される。整流ダイオードD1のカソードは入力ライン104と接続され、そのアノードは、インダクタL1とスイッチングトランジスタM1の接続点N1(ドレイン)と接続される。
【0047】
制御回路200は、ひとつの半導体基板に一体集積化された機能IC(Integrated Circuit)であり、出力(OUT)端子、電流検出(CS)端子、ゼロクロス検出(ZT)端子、接地(GND)端子、パルス調光入力(PWMIN)端子、アナログ調光(ADIM)端子を有する。GND端子は接地される。OUT端子は、スイッチングトランジスタM1のゲートと接続され、CS端子には、検出抵抗R
CSの電圧降下に応じた検出電圧V
CSが入力される。スイッチングトランジスタM1は、制御回路200に内蔵されてもよい。ADIM端子には、図示しないホストプロセッサ400から、インダクタ電流I
Lひいては駆動電流I
LEDの目標量I
REFを指示するアナログ調光電圧V
ADIMが入力される。
【0048】
制御回路200は、係数回路220、パルス変調器201、ドライバ208を備える。係数回路220は、検出電圧V
CSおよびアナログ調光電圧V
ADIMの少なくとも一方を可変の係数倍し、電流検出信号I
Sおよび電流設定信号I
REFを生成する。
【0049】
パルス変調器201は、電流検出信号I
Sが電流設定信号I
REFに近づくように、デューティ比が調節される駆動パルスS
DRVを生成する。ドライバ208は、駆動パルスS
DRVに応じてスイッチングコンバータ100のスイッチングトランジスタM1を駆動する。
【0050】
PWMIN端子には、LED光源502の目標光量に応じたデューティ比を有する調光パルスS
PWMINが入力される。ドライバ208は、調光パルスS
PWMINがハイレベルの期間、スイッチングトランジスタM1をスイッチングし、ローレベルの期間、スイッチングを停止する。
【0051】
駆動電流I
LEDは、複数の電流範囲で切りかえ可能となっている。本実施の形態では、2つの電流範囲が規定されており、たとえば駆動電流I
LEDは、第1モードφ1において、第1範囲I〜1.5I、第2モードφ2において第2範囲2I〜3Iをとる。Iはとある単位電流量である。つまり第2モードφ2では、第1モードφ1の2倍の電流が流れる。
【0052】
図4(a)は、
図3の係数回路220のブロック図であり、
図4(b)は、比較技術を示すブロック図である。
【0053】
ここで説明を簡潔化し、あるいは理解を容易化する目的で、各信号の数値を具体化する。
図4(b)の比較技術において、検出抵抗R
CSの抵抗値をRとするとき、R×I=0.5Vを満たすものとする。検出電圧V
CSは、第1モードφ1で0.5〜0.75V、第2モードφ2で1〜1.5Vで変化する。g=0.5とすれば、アナログ調光電圧V
ADIMは、第1モードφ1で1〜1.5V、第2モードφ2で2〜3Vで変化する。
図5(a)は、
図4(b)の比較技術のレベルダイヤグラムである。
【0054】
パルス変調器201の2つの入力間にオフセット電圧V
OFSが存在したとすれば、
図4(b)では、入力V
CSおよびV
ADIMが最小となる0.5Vのとき、その影響は最大となる。
【0055】
図4(a)を参照する。係数回路220は、第1係数回路222、第2係数回路224を含む。第1係数回路222は、検出電圧V
CSを、複数の値から選択可能な第1係数K
1倍し、電流検出信号I
Sを生成する。第2係数回路224は、アナログ調光電圧V
ADIMを所定の第2係数K
2倍する。第1係数回路222は、現在のモードφ1,φ2を示す制御信号CNTに応じて、第1係数K
1の値を切りかえる。
【0056】
以下、パラメータの設計例を説明する。
【0057】
(パラメータの設計例1)
第2係数K
2を、
図4(b)のゲインgと等しくK
2=1/2とする。検出抵抗R
CSの抵抗値は、
図4(b)の抵抗値Rの2倍(=2R)とする。第1係数K
1は、第1モードφ1において第1値(たとえば1)に、第2モードφ2において第2値(たとえば0.5)に設定される。
【0058】
第1モードφ1におけるアナログ調光電圧V
ADIMの可変範囲と、第2モードφ2におけるアナログ調光電圧V
ADIMの可変範囲は、いずれも2〜3Vであり、それらはオーバーラップしている。
【0059】
図5(b)は、
図4(a)の係数回路220と設計例1との組み合わせで得られるレベルダイヤグラムである。この設計例1では、第1モードφ1、第2モードφ2において、パルス変調器201の2つの入力I
REF,I
Sの最小値は1.0Vであり、
図5(a)の最低値の0.5Vの2倍となっている。したがってオフセット電圧V
OFSの影響を低減できる。
【0060】
(パラメータの設計例2)
第2係数K
2を、
図4(b)のゲインgと等しくK
2=1/2とする。検出抵抗R
CSの抵抗値は、
図4(b)の抵抗値Rと等しい。第1係数K
1は、第1モードφ1において第1値(=2)に、第2モードφ2において第2値(=1)に設定される。
【0061】
この設計例2によっても、
図5(b)と同様のレベルダイヤグラムが得られ、オフセット電圧V
OFSの影響を低減できる。
【0062】
(パラメータの設計例3)
設計例1,2において、K
2=1としてもよい。第2係数回路224を省略し、第1モードφ1におけるアナログ調光電圧V
ADIMの可変範囲と、第2モードφ2におけるアナログ調光電圧V
ADIMの可変範囲を、1〜1.5Vとしてもよい。この場合、第2係数回路224を省略できる。
【0063】
以上がスイッチングコンバータ100の構成である。
このスイッチングコンバータ100によれば、駆動電流I
LEDの電流範囲に応じて、係数回路220の係数を切りかえることにより、駆動電流I
LEDが小さい範囲において、電流検出信号I
Sと電流設定信号I
REFの範囲を高い状態に維持することができ、これにより、オフセット誤差の影響を低減することができる。
【0064】
あるいは、あるレベルのオフセット電圧に起因するオフセット誤差の影響を低減できるため、従来と同程度の調光精度で足りるアプリケーションでは、パルス変調器201の入力オフセット電圧V
OFSが大きくなってもよいことを意味する。入力オフセット電圧が小さなアンプ、コンパレータは設計が難しく、あるいは回路面積が大きく、あるいはトリミングなどの合わせ込みが必要であるところ、本実施の形態によれば、パルス変調器201のオフセット電圧の許容レベルを緩和できる。
【0065】
本発明は、
図3のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を容易、明確化するために、より具体的な構成例を説明する。
【0066】
図6(a)〜(d)は、第1係数回路222の構成例を示す回路図である。
図6(a)〜(c)の第1係数回路222は、分圧回路を含む。
図6(a)の第1係数回路222は、抵抗R21および抵抗R22を含み、それらの少なくとも一方が可変抵抗で構成される。
【0067】
図6(b)の第1係数回路222は、固定の抵抗R21、R22を含む。スイッチSW21およびSW22は、CS端子の電圧と分圧された電圧V
CS’のうち、制御信号CNTに応じた一方を選択する。
図6(c)の第1係数回路222は、
図6(b)の変形であり、スイッチSW21およびSW22の配置が異なっている。
【0068】
図6(a)〜(c)は、主として、1以下の範囲で第1係数K
1を切りかえる場合に有効である。
図6(b)、(c)において、第1係数K
1を3つ以上の値で切りかえ可能とする場合、抵抗およびスイッチの個数を増やせばよい。
【0069】
図6(d)の第1係数回路222は、可変ゲインアンプを含む。この場合、第1係数K
1は1より大きくても構わない。
【0070】
続いてパルス変調器201の構成例を説明する。
図7は、スイッチングコンバータ100の回路図である。
【0071】
パルス変調器201は、電流リミットコンパレータ202、ゼロ電流検出回路204、ロジック回路206、LEB(Leading Edge Blanking)回路212、を含む。
【0072】
電流リミットコンパレータ202は、電流検出信号I
CSが電流設定信号I
REFを超えると、言い換えればコイル電流I
Lが設定値V
ADIMに応じたリミット電流I
LIMに達すると、リセットパルスS11をアサート(たとえばハイレベル)する。
【0073】
ゼロ電流検出回路204は、スイッチングトランジスタM1のターンオンを指示するセットパルスS13を生成する。
図7のスイッチングコンバータ100は、疑似共振(QR)型のコンバータであり、コイル電流I
Lがゼロとなると、スイッチングトランジスタM1をターンオンするソフトスイッチング動作を行なう。ゼロ電流検出回路204は、コイル電流I
Lが実質的にゼロとなると、セットパルスS13をアサート(たとえばハイレベル)する。
【0074】
キャパシタC11、抵抗R10は、コイル電流I
Lを検出するために設けられる。ゼロ電流検出回路204は、キャパシタC11と抵抗R10の接続点N2の電圧V
N2が、ゼロ付近のしきい値とクロスすると、セットパルスS13をアサートする。ZT端子には、接続点N2の電圧V
N2を直接入力してもよいが、抵抗R11、R12により分圧した電圧V
ZTを入力してもよい。
【0075】
ゼロ電流検出回路204は、コンパレータを含み、ZT端子の電圧V
ZTが、ゼロ付近に設定されたしきい値電圧V
ZEROとクロスすると、セットパルスS13をアサート(たとえばハイレベル)する。
【0076】
LEB回路212は、スイッチングトランジスタM1がターンオンしてから所定時間(マスク時間)の経過までをマスク期間とし、マスク期間中のリセットパルスS11のアサートをマスクつまり無効化し、マスク後のリセットパルスS12をロジック回路206に出力する。つまり、LEB回路212のマスク時間は、スイッチングトランジスタM1のオン時間の最小幅を規定する。
【0077】
LEB回路212の構成は特に限定されず、公知技術を用いればよい。たとえばLEB回路212は、タイマー回路とゲート素子で構成できる。タイマー回路は、スイッチングトランジスタM1がターンオンしてからマスク時間の間、所定レベルとなるマスク信号を生成する。ゲート素子は、マスク信号とリセットパルスS11とを論理演算することにより、マスク後のリセットパルスS12を生成する。
【0078】
ロジック回路206は、セットパルスS13およびリセットパルスS12を受け、駆動パルスS
DRVを生成する。(i)駆動パルスS
DRVは、セットパルスS13がアサートされると、スイッチングトランジスタM1のオンに対応するオンレベル(たとえばハイレベル)に遷移し、(ii)リセットパルスS12がアサートされると、スイッチングトランジスタM1のオフに対応するオフレベル(たとえばローレベル)に遷移する。
【0079】
PWMIN端子には、LED光源502の目標輝度に応じてデューティ比が調節される調光パルスS
PWMINが入力される。調光パルスS
PWMINは、アナログ調光電圧V
ADIMを生成するホストプロセッサ400から出力されてもよい。ロジック回路206は、調光パルスS
PWMINが点灯レベル(ハイレベル)の間、駆動パルスS
DRVを出力し、調光パルスS
PWMINが消灯レベル(ローレベル)である間、駆動パルスS
DRVをローレベルに固定してもよい。
【0080】
またロジック回路206は、第1モードφ1、第2モードφ2を示す制御信号CNTを生成し、係数回路220に出力する。
【0081】
なおパルス変調器201の制御方式、構成は、
図7のそれには限定されない。疑似共振(QR)方式のほか、別の公知のあるいは将来利用可能な方式を用いてもよく、したがってパルス変調器201の構成も、制御方式に適したものとすればよい。
【0082】
図5(b)に示すように、電流範囲が異なる第1モードφ1と第2モードφ2とで、アナログ調光電圧V
ADIMの可変範囲がオーバーラップする場合、アナログ調光電圧V
ADIMにもとづいて電流範囲(モード)を判別することが困難である。この場合、ホストプロセッサ400は、モードを示す制御信号を制御回路200に送信してもよい。
【0083】
より好ましくはホストプロセッサ400は、制御信号の送信に代えて、電流範囲に応じて、調光パルスS
PWMINの振幅レベルを切りかえてもよい。たとえば第1モードφ1では、調光パルスS
PWMINは1.5〜5Vの振幅(ハイレベル電圧)を有し、第2モードφ2では、調光パルスS
PWMINは7V以上の振幅(ハイレベル電圧)を有してもよい。これにより制御回路200は、調光パルスS
PWMINの振幅にもとづいて、適切なモードを選択でき、モードを指示するための制御信号線を省略できる。
【0084】
実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例を説明する。
【0085】
(第1変形例)
図8は、第1変形例に係るスイッチングコンバータ100aの回路図である。補助巻線L2は、インダクタL1と結合されており、トランスT1が形成される。制御回路200のZT端子には、補助巻線L2の電圧V
ZTが入力される。制御回路200の構成は
図7のそれと同様である。
【0086】
(第2変形例)
図9は、第2変形例に係るスイッチングコンバータ100bの回路図である。このスイッチングコンバータ100は、
図1と同様、昇圧型である。制御回路300は、パルス変調器301、ドライバ308、PWM調光コントローラ310、係数回路320を備える。
【0087】
係数回路320は、検出電圧V
CSおよびアナログ調光電圧V
ADIMの少なくとも一方を可変の係数倍し、電流検出信号I
Sおよび電流設定信号I
REFを生成する。係数回路320は、
図3の係数回路220と等価である。
【0088】
パルス変調器301は、エラーアンプ304およびデューティコントローラ306を含む。エラーアンプ304は、電流検出信号I
Sと電流設定信号I
REFの誤差を増幅する。デューティコントローラ306は、エラーアンプ304の出力V
FBに応じたデューティ比を有する駆動パルスS
DRVを生成する。パルス変調器301の制御方式、構成も特に限定されず、電圧モード、ピーク電流モード、平均電流モード、ヒステリシス(Bang-Bang)制御など公知の別の方式を用いることができる。
【0089】
PWM調光コントローラ310は、外部からの調光パルスS
PWMINに応じて調光トランジスタM2をスイッチングする。上述のように調光パルスS
PWMINの振幅により、第1モードφ1と第2モードφ2を切りかえる場合、PWM調光コントローラ310は調光パルスS
PWMINの振幅検出機能を有し、検出結果に応じて係数回路320の係数を切りかえる。
【0090】
昇圧型のスイッチングコンバータ100bにおいても、降圧型と同様の効果を得ることができる。
【0091】
(第3変形例)
実施の形態では、係数回路220(320)において、第1係数K
1を可変とし、第2係数K
2を固定としたが本発明はそれには限定されない。
図10は、第3変形例に係る係数回路220cのブロック図である。この変形例では、第1係数K
1は固定され、第2係数K
2が可変である。第2係数K
2は、制御信号CNTに応じて、複数の値から選択される。第2係数回路224は、
図6(a)〜(d)の第1係数回路222と同様に構成できる。
【0092】
(パラメータの設計例4)
第1係数K
1を1とし、検出抵抗R
CSの抵抗値を、
図4(b)の抵抗値Rの2倍(=2R)とする。第2係数K
2は、第1モードφ1において第1値(たとえば1)に、第2モードφ2において第2値(たとえば2)に設定される。
【0093】
(第4変形例)
係数回路220(320)において、第1係数K
1と第2係数K
2を両方、可変としてもよい。たとえばパラメータの設計例1において、第2係数K
2を、1/2と1の2値で切りかえれば、
図5(a)のように、第1モードφ1におけるアナログ調光電圧V
ADIMの可変範囲と、第2モードφ2におけるアナログ調光電圧V
ADIMの可変範囲をオーバーラップさせずに、アナログ調光電圧V
ADIMに比例した駆動電流を生成できる。
【0094】
(第5変形例)
実施の形態では、第2モードφ2の電流範囲が、第1モードφ1の電流範囲の2倍である場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。第2モードφ2の電流範囲が、第1モードφ1の電流範囲のβ倍であると一般化することができる。この場合、第1係数K
1を可変とする場合、第2モードφ2で使用される第2値は、第1モードφ1で使用される第1値の1/β倍とすればよい。第2係数K
2を可変とした場合、第2モードφ2で使用される第2値は、第1モードφ1で使用される第1値のβ倍とすればよい。
【0095】
(第6変形例)
実施の形態では、LED光源502がLEDストリングである場合を説明したが、負荷の種類は特に限定されず、本発明は、光源に限らず、そのほかの定電流駆動すべきさまざまな負荷に適用できる。
【0096】
(第7変形例)
実施の形態では、いくつかのパラメータの設計例を示したが、例示した以外にも、アナログ調光電圧V
ADIMの範囲、係数、検出抵抗R
CSの組み合わせが存在することは当業者に理解されるところであり、本発明の範囲は、パラメータの組み合わせの観点において限定されるものではない。
【0097】
(第8変形例)
本実施の形態において、ロジック回路のハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【0098】
(用途)
最後に、スイッチングコンバータ100の用途を説明する。
図11は、スイッチングコンバータ100を用いた照明装置500のブロック図である。照明装置500は、LED光源502である発光部、スイッチングコンバータ100に加えて、整流回路504、平滑コンデンサ506、マイコン508を備える。整流回路504および平滑コンデンサ506は、商用交流電圧V
ACを整流平滑化し、直流電圧V
DCに変換する。マイコン508は、LED光源502の輝度を指示する制御信号S
DIMを生成する。スイッチングコンバータ100は、直流電圧V
DCを入力電圧V
INとして受け、制御信号S
DIMに応じた駆動電流I
LEDをLED光源502に供給する。制御信号S
DIMは、上述のアナログ調光電圧V
ADIMおよび調光パルスS
PWMINを含む。
【0099】
図12(a)〜(c)は、照明装置500の具体例を示す図である。
図12(a)〜(c)にはすべての構成要素が示されているわけではなく、一部は省略されている。
図12(a)の照明装置500aは、直管型LED照明である。LED光源502であるLEDストリングを構成する複数のLED素子は、基板510上にレイアウトされる。基板510には、整流回路504や制御回路200、出力回路102などが実装される。
【0100】
図12(b)の照明装置500bは、電球型LED照明である。LED光源502であるLEDモジュールは、基板510上に実装される。制御回路200や整流回路504は、照明装置500bの筐体の内部に実装される。
【0101】
図12(c)の照明装置500cは、液晶ディスプレイ装置600に内蔵されるバックライトである。照明装置500cは、液晶パネル602の背面を照射する。
【0102】
特に、近年2D映像に加えて、3D映像を表示可能な液晶ディスプレイ装置600が存在する。3Dモードでは、左目用の画像と右目用の画像を交互に表示するため、バックライトの輝度を2Dモードと同一レベルとすれば映像が暗くなる。そこで3Dモードでは、バックライトの輝度が高められる。
【0103】
このような2D/3Dモードが切りかえ可能な液晶ディスプレイ装置600に、実施の形態に係るスイッチングコンバータ100は好適であり、2Dモードを第1モードφ1、3Dモードを第2モードφ2として動作させればよい。
【0104】
あるいは照明装置500は、シーリングライトに利用することも可能である。このように、
図11の照明装置500はさまざまな用途に利用可能である。
【0105】
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められることはいうまでもない。