特許第6553504号(P6553504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILの特許一覧

<>
  • 特許6553504-壁構造体 図000002
  • 特許6553504-壁構造体 図000003
  • 特許6553504-壁構造体 図000004
  • 特許6553504-壁構造体 図000005
  • 特許6553504-壁構造体 図000006
  • 特許6553504-壁構造体 図000007
  • 特許6553504-壁構造体 図000008
  • 特許6553504-壁構造体 図000009
  • 特許6553504-壁構造体 図000010
  • 特許6553504-壁構造体 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553504
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】壁構造体
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   E04H17/14 101Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-254892(P2015-254892)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2017-115530(P2017-115530A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】北原 浩司
(72)【発明者】
【氏名】島本 昌晃
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−179993(JP,A)
【文献】 特開平10−271619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/14 − 17/16
E04B 2/00 − 2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に沿う横方向に間隔をあけて立設される複数の支柱と、
隣り合う前記支柱に両端部を固着し、上下方向に所定の間隔をあけて配設される複数の横材と、
上下方向に隣り合う前記横材に上端と下端をそれぞれ固着し、隣り合う前記支柱の間に幅方向の横方向に所定の間隔をあけて配設される縦材と、
格子状に配設された前記横材と前記縦材で形成された複数のマス目領域にそれぞれ配設されるブロック材とを備えてなる乾式の壁構造体であって、
付帯物を取り付ける部分の縦材及び/又は横材として、壁面から奥行方向外側に突出し前記付帯物を固着する固定部を備える付帯物取付用縦材及び/又は付帯物取付用横材が設けられていることを特徴とする壁構造体。
【請求項2】
請求項1記載の壁構造体において、
前記付帯物取付用縦材は横材にビス留めして一体に設けられる壁構造体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の壁構造体において、
前記付帯物取付用縦材は、前記付帯物を取り付ける前記奥行方向一側部側が壁面から前記奥行方向外側に突出する固定部を備え、
前記固定部は先端に前記幅方向に延びる面を備えて形成されている壁構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、門袖、塀や垣根等の外構の壁構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、門袖、塀や垣根等の外構の壁構造体には、複数のブロック材をモルタルなどで接合させつつ積み重ねて構築したものがある。しかしながら、この種の湿式の壁構造体は、モルタルを塗布しながらブロック材を積み重ねる作業などによって、また、モルタルが硬化するまでに時間を要することによって、工期が長期化するという欠点がある。
【0003】
これに対し、所定間隔をあけて立設される複数の支柱と、隣り合う支柱に架設される上枠材及び下枠材と、支柱、上枠材、下枠材で囲まれた領域に設けられるとともに上下左右に並設される複数のブロック材とを備えて構成した壁構造体が提案、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この壁構造体においては、モルタルなどの湿式工法によって固定することなく、乾式工法で壁構造体の強度を確保でき、大幅に施工性を高め、工期短縮を図ることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−179993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本願の発明者らによる上記の乾式の壁構造体を門袖などに用いた場合に、ポストやサイン(表札)などの付帯物(機能物)を固定して取り付ける部位がなく、この点で改善の余地が残されていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、ポストやサインなどの付帯物を好適に取り付けることを可能にした壁構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0009】
本発明の壁構造体は、幅方向に沿う横方向に間隔をあけて立設される複数の支柱と、隣り合う前記支柱に両端部を固着し、上下方向に所定の間隔をあけて配設される複数の横材と、上下方向に隣り合う前記横材に上端と下端をそれぞれ固着し、隣り合う前記支柱の間に幅方向の横方向に所定の間隔をあけて配設される縦材と、格子状に配設された前記横材と前記縦材で形成された複数のマス目領域にそれぞれ配設されるブロック材とを備えてなる乾式の壁構造体であって、付帯物を取り付ける部分の縦材及び/又は横材として、壁面から奥行方向外側に突出し前記付帯物を固着する固定部を備える付帯物取付用縦材及び/又は付帯物取付用横材が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の壁構造体において、前記付帯物取付用縦材は横材にビス留めして一体に設けられることが望ましい。
【0011】
さらに、本発明の壁構造体において、前記付帯物取付用縦材は、前記付帯物を取り付ける前記奥行方向一側部側が壁面から前記奥行方向外側に突出する固定部を備え、前記固定部は先端に前記幅方向に延びる面を備えて形成されていることがより望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の壁構造体においては、ポストやサインなどの付帯物を取り付ける部分の縦材及び/横材として、壁面から奥行方向外側に突出するとともに、壁面に沿って突出する固定部を備えた付帯物取付用縦材及び/又は付帯物取付用横材を設けるようにしたことによって、この付帯物取付用縦材及び/又は付帯物取付用横材の固定部に付帯物を固着することで、容易に付帯物を壁構造体に取り付けることが可能になる。
【0013】
また、他の部分の縦材及び/横材に替えて付帯物取付用縦材及び/付帯物取付用横材を設置するだけで付帯物の取り付けが可能になるため、付帯物取付用縦材及び/又は付帯物取付用横材を設置する位置を自在に変え、付帯物の取付位置を任意に且つ容易に調節、設定することができる。
【0014】
さらに、付帯物取付用縦材及び/付帯物取付用横材を設けるようにしても、壁構造体の背面側は他の縦材を用いた場合とその見た目を同じにすることができる。すなわち、壁構造体の付帯物を設置する側の壁面と反対側の背面の意匠をそのまま好適な状態で維持して付帯物を取り付けできるように構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る壁構造体を示す正面図であり、サイン(表札)を取り付けた状態の壁構造体を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る壁構造体を示す正面図であり、ポストを取り付けた状態の壁構造体を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る壁構造体の一部を示す分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る壁構造体を示す横断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る壁構造体の縦材を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る壁構造体の横材を示す縦断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る壁構造体の付帯物取付用縦材を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る壁構造体の付帯物取付部分の横断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る壁構造体の付帯物取付部分にサインを取り付ける状況を示す斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係る壁構造体の付帯物取付部分にポストを取り付ける状況を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1から図10を参照し、本発明の一実施形態に係る壁構造体について説明する。
ここで、本実施形態は、門袖、塀や垣根等の外構の壁構造体であり、特に乾式工法で構築される壁構造体に関するものである。
【0017】
本実施形態の壁構造体Aは、図1から図4に示すように、地中に埋設された基礎に下端側を支持させ、幅方向T1(横方向)に所定の間隔をあけて立設された複数の支柱1と、隣り合う支柱1の上端側同士、下端側同士の間に架設された上枠材2及び下枠材3と、隣り合う支柱1に両端部を接続し、上枠材2及び下枠材3の間に上下方向T2に所定の間隔をあけて設けられた横材4と、上下方向T2に隣り合う上枠材2と横材4、横材4同士、横材4と下枠材3に上端、下端をそれぞれ接続し、幅方向T1に所定の間隔をあけて設けられた縦材5と、格子状に配設された上枠材2、横材4、縦材5、下枠材3に支持させ、格子状の各部材で囲まれたマス目領域に配設されるブロック材6と、上枠材2の上に固設される笠木ベース7、笠木8とを備えて構成されている。
なお、本発明においては、上枠材2及び下枠材3も横材として扱う。
【0018】
本実施形態のブロック材6は、方形ブロック状に形成されており、上下方向T2に積み重ね、幅方向T1に並べて壁体を形成するものである。また、本実施形態では、壁面となる一面から他面に貫通する貫通孔を備えた有孔ブロックがブロック材として用いられている。さらに、このブロック材6は、上面、下面、両側面の奥行方向T3(厚さ方向)略中央に、内側に凹み周方向に繋がる係合凹部6aが形成されている。
なお、本発明にかかるブロック材は勿論、有孔ブロックでなくてもよい。
【0019】
支柱1は、例えばアルミニウム製の押出形材を用いて形成されている。また、本実施形態では、支柱1として両側端部に設けられる2本の端部支柱を備えて壁構造体Aが構成されているものとしているが、角部(コーナー部)に設けられる支柱、幅方向T1に隣り合う一対の端部の支柱の間に立設される中間支柱を備えて壁構造体Aが構成されていてもよい。
【0020】
また、本実施形態の支柱1は、本体部1aと、隣り合う支柱1に対向する本体部1aの一側面の奥行方向T3略中央に一体形成され、隣り合う支柱1側に突出し、下端側から上端側まで延設された係合凸部1bとを備えて形成されている。
【0021】
係合凸部1bは、所定の間隔をあけて突出し、上下方向T2に延びる2条の凸条で形成されている。さらに、これら2条の凸条の内面同士の間の間隔が後述の横材4の係合凸部4aの幅寸法と略同等、外面同士の間隔がブロック材6の係合凹部6aの幅寸法と略同等になるように形成されている。
【0022】
上枠材2は、下面側に下方に突出し一端から他端まで延びる係合凸部2aを備えて形成されている。また、本実施形態の上枠材2には、下面側の所定位置に、詳細を後述する縦材5を接続するための接続孔(接合凹部)が凹設されている。そして、上枠材2は、縦材5の接続ピン5aを接続孔に嵌合させ、縦材5で支持されて支柱1に架け渡すように配設される。また、このとき、上枠材2は、各支柱1の2条の凸条の間に係合凸部1bを係合させて設置される。
【0023】
下枠材3は、図5に示すように、上面側の幅方向T1中央に上方に突出し一端から他端まで延びる係合凸部3aを備えて形成されている。また、本実施形態の下枠材3には、上面側の所定位置に、縦材5を接続するための接続孔(接合凹部)3bが凹設されている。そして、下枠材3は、一端を支柱1の一方に、他端を他方の支柱1にそれぞれビス留めして配設される。このとき、下枠材3は、各支柱1の2条の凸条の間に係合凸部3aを係合させて固設される。
【0024】
横材4は、図3図6に示すように、上面側と下面側の幅方向T1中央にそれぞれ、上下方向T2に突出し一端から他端まで延びる係合凸部4aを備えて形成されている。そして、横材4は、一端を隣り合う一方の支柱1に、他端を他方の支柱1にそれぞれビスで留めて配設される。また、このとき、横材4は、各支柱1の2条の凸条の間に係合凸部4aを係合させて固設される。
【0025】
さらに、本実施形態の横材4には、上面側と下面側のそれぞれの所定位置に、縦材5を接続するための接続孔(接合凹部)4bが凹設されている(図5参照)。
【0026】
縦材5は、図3から図5に示すように、略平板状の縦材本体部5bと、縦材本体部5bの両側面側の奥行方向T3略中央にそれぞれ、隣り合う支柱1側または隣り合う縦材5側に突出し、下端側から上端側まで延設された係合凸部5cを一体に備えて形成されている。また、この係合凸部5cは、所定の間隔をあけて突出し、上下方向T2に延びる2条の凸条で形成されている。さらに、これら2条の凸条の内面同士の間の間隔が横材4の係合凸部4aの幅寸法と略同等、外面同士の間隔がブロック材6の係合凹部6aの幅寸法と略同等になるように形成されている。
【0027】
また、本実施形態の縦材5は、上端側と下端側にそれぞれ、接続ピン(接合凸部)5aが上下方向T2に突出して設けられている。
【0028】
そして、上記構成からなる本実施形態の壁構造体Aは、次のように構築される。
【0029】
まず、支柱1を立設するとともに両端を支柱1に接続し、下枠材3を設置する。このとき、下枠材3の端部の係合凸部3aを支柱1の2条の凸条の間に係合させ、必要に応じてビス留めするなどして下枠材3の端部を支柱1に接続する。
【0030】
次に、下枠材3の接続孔3bに接続ピン5aを嵌合させて複数の縦材5を幅方向T1に所定の間隔をあけて設置する。
【0031】
次に、支柱1と下枠材3と縦材5で囲まれた複数のマス目領域にそれぞれ、ブロック材6を設置してゆく。このとき、ブロック材6の両側面と下面に形成された係合凹部6aを支柱1と縦材5、下枠材3に形成された係合凸部1b、5c、3aにそれぞれ係合させてブロック材6を設置する。これにより、複数のブロック材6がそれぞれ位置決めされ、幅方向T1に並べて設置される。
【0032】
次に、隣り合う支柱1の間の複数のブロック材6の上に横材4を設置する。そして、横材4の両端部を支柱1にビス留めして固定する。
【0033】
次に、横材4の接続孔4bに接続ピン5aを嵌合させて2段目の複数の縦材5を幅方向T1に所定の間隔をあけて設置する。
【0034】
次に、支柱1と横材4と縦材5で囲まれた2段目の複数の領域にそれぞれ、ブロック材6を設置してゆく。このとき、ブロック材6の両側面と下面に形成された係合凹部6aを支柱1と縦材5、横材4に形成された係合凸部1b、5c、4aにそれぞれ係合させてブロック材6を設置する。これにより、2段目の複数のブロック材6がそれぞれ位置決めされ、幅方向T1に並べて設置される。
【0035】
上記の操作を繰り返し行い、順次上段のブロック材6を積み上げて設置する。
【0036】
また、最上段の施工を行う際には、ブロック材6を設定し、各ブロック材6の上に、ブロック材6の上面の係合凹部6aに上枠材2の下面側の係合凸部2aを係合させ、また、上枠材2の両端部側の係合凸部2aを支柱1の2条の凸条の間に係合させ、さらに、上枠材2の下面側の接続孔に縦材5の上端側の接続ピン5aを嵌合させながら、上枠材2を設置する。また、上枠材2の両端部を支柱1にビス留めして固定する。
【0037】
次に、上枠材2の上に笠木ベース7、笠木8を固設する。このようにして本実施形態の壁構造体Aを構築する。
【0038】
なお、本実施形態では、上記のように壁構造体Aを構築する際に、接着剤を塗布してブロック材6と横材4(下枠材3、上枠材2)の間に接着層を介装させる。これにより、ブロック材6と各部材が強固に固着される。また、ブロック材6の成形・加工精度にバラつきが生じている場合であってもこの接着層で吸収されるため、好適にブロック材6が上下左右に整列して配設されることになる。
【0039】
一方、図1図2に示すように、本実施形態の壁構造体Aにポスト10aやサイン(表札)10bなどの付帯物(機能物)10を取り付ける場合には、壁構造体Aの付帯物10を取り付ける所定部分の縦材として、他の部分の縦材5と異なる材質、形状の付帯物取付用縦材11を用いる。
【0040】
具体的に、図7から図10に示すように、本実施形態の付帯物取付用縦材11は、他の縦材5と同様に、略平板状の本体部11bと、本体部11bの両側面側の奥行方向T3略中央にそれぞれ一体に設けられた2条で凸条の係合凸部11cとを備えて形成され、奥行方向T3に沿って配設されるとともに下端を下方の横材4に当接係合させて上下方向T2に沿って立設される。
【0041】
また、付帯物取付用縦材11は、付帯物10を取り付ける奥行方向T3一側部側が壁面から奥行方向T3外側に延出し、この一側部に壁面に沿って突出する固定部11a備え、一側部側が例えばT字状(あるいはL字状)に形成されている。
【0042】
さらに、本実施形態の付帯物取付用縦材11は、本体部11bの上端部側にタッピングホール11dが設けられ、付帯物取付用縦材11の上方に配された横材4をタッピングホール11dの位置でビス留め(ネジ留め:ビス11e)して一体に取り付けられる。
【0043】
なお、本実施形態では、付帯物取付用縦材11や縦材5を、タッピングホール11dを用いたビス留め、接続ピン5aの嵌合によって一体に取り付けるものとしているが、特にその固定手段を限定する必要はなく、例えばタッピングホール11dを用いない単なるビス留めで固定するようにしてもよい。
【0044】
さらに、本実施形態では、例えば、縦材5が樹脂製であるのに対し、付帯物取付用縦材11がアルミニウム製/金属製として形成されている。すなわち、付帯物取付用縦材11は他の縦材5よりも高強度で形成されている。
【0045】
本実施形態では、上記のように構成した付帯物取付用縦材11を、付帯物10を取り付ける部分に設置しながら前述と同様にブロック材6を積み上げて壁構造体Aを構築する。
【0046】
そして、付帯物取付用縦材11の壁面から突出した固定部11aにビス留め(ネジ留め)するなどしてベース材12を壁面に沿って固着し、このベース材12に固定して支持させるようにしてポスト10aやサイン10bなどの付帯物10を取り付ける。
【0047】
したがって、本実施形態の壁構造体Aにおいては、ポスト10aやサイン10bなどの付帯物10を取り付ける部分の縦材として、壁面から奥行方向外側に突出するとともに、壁面に沿って突出する固定部11aを備えた付帯物取付用縦材11を設けるようにし、この付帯物取付用縦材11の固定部11aに付帯物10を固着することによって、容易に付帯物10を取り付けることが可能になる。
【0048】
また、他の部分の縦材5に替えて付帯物取付用縦材11を設置するだけで付帯物10の取り付けが可能になるため、付帯物取付用縦材11を設置する位置を自在に変え、付帯物10の取付位置を任意に且つ容易に調節、設定することができる。
【0049】
さらに、付帯物取付用縦材11を設けるようにしても、壁構造体Aの背面側は他の縦材
を用いた場合とその見た目を同じにすることができる。すなわち、壁構造体Aの付帯物を
設置する側の壁面と反対側の背面の意匠をそのまま好適な状態で維持して付帯物10を取り付けるように構成することができる。
【0050】
また、付帯物取付用縦材11を横材4にビス留めして一体に設けるように構成したことで、付帯物10の荷重に耐える強度を確実に得ることができる。
【0051】
さらに、付帯物取付用縦材11の固定部11aが先端に幅方向T1に延びる面を備えて形成されていることにより、付帯物10を壁構造体Aの奥行方向T3のビス留めなどで容易に固定することが可能になる。
【0052】
以上、本発明に係る壁構造体の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0053】
例えば、本実施形態では、壁面から奥行方向外側に突出するとともに、壁面に沿って突出する固定部11aを備えた付帯物取付用縦材11を設けるようにし、この付帯物取付用縦材11の固定部11aに固定して付帯物10を取り付けるものとして説明を行った。これに対し、付帯物10を取り付ける部分の横材4を、奥行方向一側部に壁面に沿って突出する固定部を備えた付帯物取付用横材に替え、この付帯物取付用横材の固定部に固定して付帯物10を取り付けるように構成してもよい。そして、この場合においても、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 支柱
1a 本体部
1b 係合凸部
2 上枠材
2a 係合凸部
3 下枠材
3a 係合凸部
3b 接続孔
4 横材
4a 係合凸部
4b 接続孔
5 縦材
5a 接続ピン
5b 縦材本体部
5c 係合凸部
6 ブロック材
6a 係合凹部
7 笠木ベース
8 笠木
10 付帯物
10a ポスト
10b サイン
11 付帯物取付用縦材
11a 固定部
11b 本体部
11c 係合凸部
11d タッピングホール
11e ビス
12 ベース材
A 壁構造体
T1 幅方向(横方向)
T2 上下方向
T3 奥行方向(横方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10