特許第6553568号(P6553568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6553568複数個の物品をひとつずつ最適な経路で取り出す搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6553568
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】複数個の物品をひとつずつ最適な経路で取り出す搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20190722BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   B25J13/08 A
   B25J13/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-190332(P2016-190332)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2018-51684(P2018-51684A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2017年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】大場 雅文
【審査官】 稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−113678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
継続的に供給される物品を搬送するコンベヤと、
前記コンベヤ上の所定の領域内に配置された複数の物品の位置姿勢を検出する物品検出部と、
ロボットのハンドが前記複数の物品のうちの複数個の物品を把持して容器に収納することを複数回繰り返す場合に、前記複数回の各回においてハンドが前記複数個の物品を把持する順序の前記複数回にわたる組合せを計算する組合せ計算部と、
前記組合せのそれぞれについて、前記各回における前記複数の物品の位置姿勢に基づいて、ハンドが把持する物品間の距離及び回転量にそれぞれ重み付けを行い、それらの和として前記各回の指標を計算し、前記複数回にわたる指標の合計値を計算する指標計算部と、
前記指標の合計値が最小となる組合せに基づいてロボットのハンドが把持する物品の順序を決定し、決定した順序に従って物品を把持し容器に収納するロボット制御部と、
を有し、
前記物品間の距離に対する重み付けは、ハンドの移動に要する時間を算出するために、前記物品間の距離をハンドの移動速度で除算するものであり、
前記物品間の回転量に対する重み付けは、ハンドの回転に要する時間を算出するために、前記物品間の回転量をハンドの回転速度で除算するものである、
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記組合せ計算部は、前記複数の物品のうち、少なくとも1つの物品を除いて物品を把持する順序の組合せを計算する、請求項1に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される物品を取り出す搬送装置に関し、特に、複数個の物品をひとつずつ最適な経路で取り出す搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤ上を流れて来る物品を、複数個の物品を把持可能なハンド(多指ハンド)で1つずつ連続的に取り出して、同様に他のコンベヤ上を流れて来る収納容器に収納する物品搬送システムが知られている。従来は、物品を把持して取り出す際には、基本的にコンベヤの下流側に位置する物品から、順番に把持する物品を割り当てるということが行われてきた。
【0003】
例えば、コンベヤを物品が流れる方向に沿って2分割して、その中で下流側に位置する物品から順に把持して容器に収納するという方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図1に、従来技術により、コンベヤ10上に配置された複数の物品(a1〜a3、b1〜b3)をロボット20に設けられたハンド(図示せず)によって把持して、容器(図示せず)に収納する方法について説明する。物品はコンベヤ10の平面上に配置されるとともに、物品(a1〜a3、b1〜b3)自体が示す矢印のようにランダムな方向に向き(姿勢)を有するものとする。
【0005】
ここで、ハンドは3つの物品を把持して容器に収納する機能を備えているものとする。この場合、コンベヤ10が図1の左側から右側へ流れるものとすると、コンベヤ10の下流側に近い物品は、a1、a2、a3の順となる。そこで、ハンドは物品a1、a2、a3をこの順で把持し、容器に収納した後、物品b1、b2、b3をこの順で把持し、容器に収納する。
【0006】
従来は下流から順に割り当てられるため、図1の矢印で示したようにハンドが行ったり来たりするような割り当てになる場合がある。
【0007】
また、物品の姿勢も考慮されていないため、図1のようにロボット20のハンドが大きく回転する場合がある。例えば、物品a1とa3はほぼ同じ姿勢であるので、物品a1の次にa3を把持し、それからa2を把持した方が最小限の回転で済むことになる。しかしながら、下流から順に把持しようとすると、図1のように、a1→a2→a3のような順序となる。その結果、ロボット20のハンドは、物品a1を把持した後に物品a2を把持しようとして約180度回転し、次に物品a3を把持するために、再度、約180度回転することになる。
【0008】
このように、特許文献1に記載の方法では、下流から順番に物品を把持するだけであって、コンベヤ10の幅方向における物品の位置や物品の向きが考慮されていない。そのため、ハンドの移動時間のばらつきが大きく、場合によっては物品の容器への収納が、容器がロボットの前を通過するまでの期間に間に合わない場合が生じうる。
【0009】
物品を把持する都度、容器側のコンベヤを止めておくことも考えられる。しかしながら、所定期間内に生産量が決まっている場合や、後工程との関係で容器の流れを止めてはならないケースも存在するため、実際の現場では適用しにくいという問題がある。
【0010】
特許文献1には、コンベヤ上の領域を分割することでより狭い範囲で把持を行い、容器までの搬送距離を短くする方法が開示されている。しかしながら、コンベヤの幅が広い場合には、分割しても大きな効果は得られない恐れもある。また、物品の向き(姿勢)が考慮されていないため、ロボットが物品を把持するための目標姿勢と現在姿勢が大きく異なっている物品でも取りに行ってしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2014−104524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、複数個の物品を把持する機能を有するハンドを備えたロボットが複数の物品を容器に収納するサイクルタイムを最小にすることが可能な搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例に係る搬送装置は、継続的に供給される物品を搬送するコンベヤと、コンベヤ上の所定の領域内に配置された複数の物品の位置姿勢を検出する物品検出部と、ロボットのハンドが複数の物品のうちの複数個の物品を把持して容器に収納する場合に、ハンドが物品を把持する順序の組合せを計算する組合せ計算部と、組合せのそれぞれについて、複数の物品の位置姿勢に基づいて、ハンドが把持する物品間の距離及び回転量に基づいて指標を計算する指標計算部と、指標に基づいてロボットのハンドが把持する物品の順序を決定し、決定した順序に従って物品を把持し容器に収納するロボット制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施例に係る搬送装置によれば、複数個の物品を把持する機能を有するハンドを備えたロボットが複数の物品を容器に収納するサイクルタイムを最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来技術により、コンベヤ上に配置された複数の物品をロボットに設けられたハンドによって把持して、容器に収納する方法について説明するための図である。
図2】本発明の実施例1に係る搬送装置の構成図である。
図3】本発明の実施例1に係る搬送装置を用いて、ロボットが物品を把持する順序を決定するための指標を算出する手順を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の実施例1に係る搬送装置により指標の算出を行った後に、コンベヤ上に配置された複数の物品をロボットに設けられたハンドによって把持して、容器に収納する方法について説明するための図である。
図5】本発明の実施例2に係る搬送装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る搬送装置について説明する。
【0017】
[実施例1]
まず、本発明の実施例1に係る搬送装置について図面を用いて説明する。図2に、本発明の実施例1に係る搬送装置101の構成図を示す。本発明の実施例1に係る搬送装置101は、複数の物品を搬送するコンベヤ10と、物品の位置姿勢を撮像するカメラ30と、複数個の物品を把持するハンドを備えたロボット20と、ロボット20を制御するロボット制御装置40と、を有する。ロボット制御装置40は、物品検出部11と、組合せ計算部12と、指標計算部13と、ロボット制御部14と、を有する。
【0018】
コンベヤ10は、継続的に供給される物品を搬送する。図2に示すように、コンベヤ10上に、複数の物品(p1〜p6)がランダムに配置される。また、物品自体が示す矢印のように、物品の向き(姿勢)もランダムとなっている。コンベヤ10は図2において、左側から右側に向かって一定の速度で移動するものとする。
【0019】
カメラ30は、コンベヤ10上の所定の領域50内に配置された複数の物品を撮像し、撮像した画像データを物品検出部11に送信する。物品検出部11は、受信した画像データに基づいて、コンベヤ10上の所定の領域50内に配置された複数の物品の位置姿勢を検出する。図2に示した例では、所定の領域50内に含まれる物品の数は6個であるが、このような例には限られず、物品は複数であればよい。
【0020】
ここで、把持する順序を決定する物品は、図2の点線で示した、コンベヤ10上の所定の領域50内に含まれる物品とする。図2に示した例では、物品p1〜p6がこれに相当する。コンベヤ10上の所定の領域50は、物品の把持の順序の全ての組み合わせについての指標の計算に要する時間と、物品が移動するコンベヤの速度との兼ね合いから、最適な数の物品が含まれる範囲とすることが好ましい。
【0021】
組合せ計算部12は、ロボット20のハンドが複数の物品のうちの複数個の物品を把持して容器に収納する場合に、ハンドが物品を把持する順序の組合せを計算する。例えば、ハンドが3個の物品を把持する機能を有する場合を例にとって説明する。ハンドが物品を把持する順序の組合せとして、第1回目に物品p1〜p3をこの順で把持してから容器に収納し、第2回目に物品p4〜p6をこの順序で把持してから容器に収納する手順が考えられる。これが第1番目の組合せとなる。その他の組合せとして、第1回目に物品p1、p4、p6をこの順で把持してから容器に収納し、第2回目に物品p5、p3、p2をこの順序で把持してから容器に収納する手順が考えられる。これが第2番目の組合せとなる。このようにして全ての組合せがどのような順序になるかを計算する。計算結果は、組合せ計算部12に設けた記憶部(図示せず)に記憶することが好ましい。このようにして、組合せ計算部12は、所定の範囲に含まれる全ての物品を3個ずつ把持する組み合わせを計算する。
【0022】
指標計算部13は、組合せ計算部12が計算した組合せのそれぞれについて、複数の物品の位置姿勢に基づいて、ハンドが把持する物品間の距離及び回転量を用いて指標を計算する。
【0023】
なお、1つの物品を把持してから他の物品を把持するために位置を移動する間にハンドが回転するものとする。即ち、1つの物品を把持した後、次の物品を把持するのに適した角度になるようにハンドを回転させながら移動する。
【0024】
次に、指標の計算方法について説明する。上述した第1番目の組合せの場合を例にとって説明する。第1番目の組合せの指標R1は第1回目の把持の際の指標R11と、第2回目の把持の際の指標R12の合計値となる。
【0025】
第1番目の組合せの場合、第1回目に物品p1〜p3をこの順で把持する。物品間距離について計算すると、物品p1からp2までの距離をd12、物品p2からp3までの距離をd23とすると、物品間の距離の合計値は(d12+d23)となる。ここで、物品間距離を、2つの物品の中心位置を結ぶ距離とすることができる。
【0026】
次に物品間の回転量について計算する。ここで、「回転量」とは、多指ハンドが複数個の物品を把持する際に、1つの物品を把持してから次の物品を把持するために回転させるハンドの角度である。即ち、把持した1つの物品の角度と次に把持する物品の角度の差が回転量として求められる。ここで、物品p1の角度と物品p2の角度の差が回転量となり、これをθ12と表す。また、物品p2の角度と物品p3の角度の差をθ23と表す。そうすると、回転量の合計値は(θ12+θ23)となる。
【0027】
ここで、指標計算部13は、物品間の距離及び回転量に重み付けを行って指標を計算することが好ましい。従って、所定の計数α、βを用いて、R11は以下の式(1)で表される。
11=α(d12+d23)+β(θ12+θ23) (1)
同様にして、第2回目の把持の際の指標R12は以下の式(2)より求められる。
12=α(d45+d56)+β(θ45+θ56) (2)
以上より、第1番目の組合せの指標R1はR11+R12として算出することができる。同様にして、指標計算部13は、物品を把持する全ての組合せについて指標を計算する。
【0028】
この場合、指標の計算は、ロボット20が物品(p1〜p6)の把持を開始する時点までに完了していることが好ましい。そのため、カメラ30は、ロボット20よりもコンベヤ10の上流側に設置されていることが好ましい。
【0029】
ここで、最終的な目的は、所定の領域50内に配置された複数の物品を取り出す時間であるサイクルタイムを最小化することである。そのため、重み付けは、複数の物品を容器に収納する時間が最小となるように決定されることが好ましい。従って、物品を取り出す全ての順序について、物品間距離及び回転量を計算により求め、実測したサイクルタイムから重みα及びβを決定するようにしてもよい。ロボット20は、サイクルタイムを計測するための計時装置を備えることが好ましい。
【0030】
ここで、物品間距離をハンドの移動速度で除算すればハンドの移動に要する時間が算出され、物品間の回転量をハンドの回転速度で除算すれば、ハンドの回転に要する時間が求められる。また、物品間距離と姿勢の重みを同一として指標の計算を行うことも考えられる。ただし、ロボットの手首軸の回転は、他の軸に比べて遅い場合がある。そのような場合には、ハンドの回転量がサイクルタイムを決定する主要な因子となるため、物品間距離よりも姿勢(回転量)に大きな重みを付けることが好ましい。
【0031】
ロボット制御部14は、指標に基づいてロボット20のハンドが把持する物品の順序を決定し、決定した順序に従って物品を把持し容器に収納する。
【0032】
ここで、基本的には、所定の領域50内に配置された全ての物品を把持して容器に収納することが好ましい。しかしながら、例えば、複数個の物品を把持することができるハンドを用いた場合に、最後に物品が1つだけコンベヤ上に残ったような場合等においては、そのような物品を敢えて把持しないようにした方が効率的となる場合も考えられる。そこで、組合せ計算部12は、複数の物品のうち、少なくとも1つの物品を除いて物品を把持する順序の組合せを計算するようにしてもよい。このように、いわゆる「取りこぼし」の状態を敢えて生じさせることによって、物品を容器に収納するサイクルタイムを最小化できる場合も考えられる。このような場合は、取りこぼしの状態を敢えて生じさせて、把持しなかった物品を循環させて他の物品とともに把持を行うことが考えられる。
【0033】
次に、本発明の実施例1に係る搬送装置を用いて、ロボットが物品を把持する手順について図3に示したフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS101において、組合せ計算部12が、所定の範囲内の物品の取出し順序を全て計算する。組合せ計算部12は、計算した結果を指標計算部13に与える。
【0034】
次に、ステップS102において、指標計算部13が、所定の範囲内の全ての物品の取出し順序のそれぞれについて、物品間距離と回転量を計算する。次に、ステップS103において、指標計算部13が、物品間距離と回転量を規定の重みで足し合わせた指標を作成する。
【0035】
次に、ステップS104において、指標計算部13が、指標の最小値が記録されているか否かを判断する。指標の最小値が記録されている場合は、ステップS106において、指標計算部13が、最小値より今回の指標が小さいか否かを判断する。一方、指標の最小値が記録されていない場合は、ステップS105において、指標計算部13が、最小値として今回計算した指標を記録して、ステップS108において、別の組合せを抽出する。
【0036】
ステップS106において、最小値より今回の指標が小さい場合には、ステップS107において、指標計算部13は、今回の指標を最小値として記録して、ステップS108において、別の組合せを抽出する。一方、今回の指標が最小値以上の場合は、ステップS108において、別の組合せを抽出する。
【0037】
次に、ステップS109において、指標計算部13が、別の組合せの有無を判断する。指標計算部13が、別の組合せが存在すると判断した場合には、ステップS102に戻って、別の組合せについて指標を計算する。
【0038】
一方、ステップS109において、別の組合せが存在しないと判断した場合は、全ての組合せについて指標の計算が完了し、指標が最小となる組み合わせが決定しているため、一連の手順を終了する。
【0039】
図4に、本発明の実施例1に係る搬送装置により指標が最小となる取出し順序を決定した後に、コンベヤ上に配置された複数の物品をロボットに設けられたハンドによって把持して、容器に収納する方法について説明するための図を示す。指標が最小となる順序を決定した結果、矢印で示すように、まず、物品p1を把持し、次に物品p3を把持し、最後に物品p2を把持することができる。
【0040】
このような順序で物品を把持することによって、従来技術の例として示した図1の場合と比較して、物品を把持するためにハンドを移動させる距離が短くなる。その結果、3個の物品p1〜p3を把持する時間が短縮される。そのため、複数の物品の全てを容器に収納するためのサイクルタイムを短縮することができる。
【0041】
本実施例では、ハンドが把持する物品の数が3個の場合を例にとって説明しているが、このような場合には限られず、ハンドが把持する物品の数は2個でもよいし、4個以上でもよい。さらに、ハンドによる「把持」には「吸着」も含まれる。
【0042】
さらに、本発明によれば、物品p1を把持してから、物品p3を把持するためにハンドを回転させる角度を、従来技術のように物品a1を把持してから物品a2を把持するためにハンドを回転させる角度よりも小さくすることができる。その結果、3個の物品p1〜p3を把持する時間を短縮することができる。そのため、複数の物品の全てを容器に収納する時間であるサイクルタイムを最小化することができる。
【0043】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2に係る搬送装置について説明する。図5に、本発明の実施例2に係る搬送装置の構成図を示す。本発明の実施例2に係る搬送装置102が、実施例1に係る搬送装置101と異なっている点は、指標計算部13がネットワーク18を介してロボット制御部14に接続されており、ロボット制御部14は、ネットワーク18を介して、指標を取得するように構成されている点である。実施例2に係る搬送装置102のその他の構成は、実施例1に係る搬送装置101における構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0044】
また、指標計算部13は、クラウドサーバに設けるようにしてもよい。
【0045】
ロボットが高速動作中に指標の計算を行うことは、ロボット制御装置41の処理負荷が大きく難しい場合が生じる。そこで、本発明の実施例2に係る搬送装置のように構成することにより、ロボット制御装置41とは別の装置で指標の計算を行うことができ、ロボット制御装置41における負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 コンベヤ
11 物品検出部
12 組合せ計算部
13 指標計算部
14 ロボット制御部
20 ロボット
30 カメラ
40 ロボット制御装置
図1
図2
図3
図4
図5