(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板上の回路に配置される部品の情報を含む回路設計情報を取得して、デカップリングコンデンサ以外の前記部品の配置を行って、配置結果を反映した部分配置済み回路設計情報を作成する部分配置手段と、
前記部分配置済み回路設計情報に基づいて、給電パターンを作成して包含される前記部品の配線を行う部分配線手段と、
前記部分配置済み回路設計情報に基づいて、前記給電パターンの面積を算出する面積算出手段と、
前記給電パターン内に配置された前記部品に基づいて、前記給電パターン内の第1の実装禁止エリアを判定する実装禁止エリア判定手段と、
前記給電パターン内に設定された配線に基づいて、前記給電パターン内の配線禁止エリアを判定し、さらに、前記配線禁止エリアに基づいて第2の前記実装禁止エリアを判定する配線禁止エリア判定手段と、
前記給電パターンの面積に基づいて、与えられた仕様の前記デカップリングコンデンサの必要本数を算出して前記給電パターン内で、第1および第2の前記実装エリア外に配置し、配置済み回路設計情報を出力するコンデンサ配置手段と、
を備えるデカップリングコンデンサ配置支援装置。
前記部分配置済み回路設計情報から、前記給電パターン内に配置されている前記デカップリングコンデンサである既配置コンデンサを検出する、既配置コンデンサ検出手段を、さらに備え、
前記コンデンサ配置手段は、前記給電パターンの面積に基づいて決定される本数から前記既配置コンデンサの数を差し引いた本数の前記デカップリングコンデンサを、前記給電パターン内に配置する、請求項1に記載されたデカップリングコンデンサ配置支援装置。
前記配置済み回路設計情報を取得して、配置されている前記デカップリングコンデンサに、電源またはグランドを接続して、接続情報を反映した配置配線済み回路設計情報を出力する配線設計処理手段を、さらに備える、請求項2又は請求項3に記載されたデカップリングコンデンサ配置支援装置。
基板上の回路に配置される部品の情報を含む回路設計情報を取得して、デカップリングコンデンサ以外の前記部品の配置を行って、配置結果を反映した部分配置済み回路設計情報を作成する部分配置処理と、
前記部分配置済み回路設計情報に基づいて、給電パターンを作成して包含される前記部品の配線を行う部分配線処理と、
前記部分配置済み回路設計情報に基づいて、前記給電パターンの面積を算出する面積算出処理と、
前記給電パターン内に配置された前記部品に基づいて、前記給電パターン内の第1の実装禁止エリアを判定する実装禁止エリア判定処理と、
前記給電パターン内に設定された配線に基づいて、前記給電パターン内の配線禁止エリアを判定し、さらに、前記配線禁止エリアに基づいて第2の前記実装禁止エリアを判定する配線禁止エリア判定処理と、
前記給電パターンの面積に基づいて、与えられた仕様の前記デカップリングコンデンサの必要本数を算出して前記給電パターン内で、第1および第2の前記実装エリア外に配置し、配置済み回路設計情報を出力するコンデンサ配置処理と、をコンピュータに実行させるデカップリングコンデンサ配置支援プログラム。
基板上の回路に配置される部品の情報を含む回路設計情報を取得して、デカップリングコンデンサ以外の前記部品の配置を行って、配置結果を反映した部分配置済み回路設計情報を作成する部分配置手段と、
前記部分配置済み回路設計情報に基づいて、前記基板の面積を算出する面積算出手段と、
前記基板の面積に基づいて、与えられた仕様の前記デカップリングコンデンサの必要本数を算出して前記基板内に配置し、配置済み回路設計情報を出力するコンデンサ配置手段と、
前記配置済み回路設計情報を取得して、給電パターンを作成し、前記給電パターン外に配置されている前記デカップリングコンデンサを削除し、前記給電パターン内の前記デカップリングコンデンサに、電源またはグランドを接続して、接続情報を反映した配置配線済み回路設計情報を出力する配線設計処理手段と、
を備えるデカップリングコンデンサ配置支援装置。
基板上の回路に配置される部品の情報を含む回路設計情報を取得して、デカップリングコンデンサ以外の前記部品の配置を行って、配置結果を反映した部分配置済み回路設計情報を作成する部分配置処理と、
前記部分配置済み回路設計情報に基づいて、前記基板の面積を算出する面積算出処理と、
前記基板の面積に基づいて、与えられた仕様の前記デカップリングコンデンサの必要本数を算出して前記基板内に配置し、配置済み回路設計情報を出力するコンデンサ配置処理と、
前記配置済み回路設計情報を取得して、給電パターンを作成し、前記給電パターン外に配置されている前記デカップリングコンデンサを削除し、前記給電パターン内の前記デカップリングコンデンサに、電源またはグランドを接続して、接続情報を反映した配置配線済み回路設計情報を出力する配線設計処理と、
をコンピュータに実行させるデカップリングコンデンサ配置支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施の形態>
<構成の説明>
図1は、第1の実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援システム300の構成図である。デカップリングコンデンサ配置支援システム300は、回路設計をして回路図作成を行う回路設計CAD装置100と、配置/配線設計を行うデカップリングコンデンサ配置支援装置200が接続されている。
【0017】
回路設計CAD装置100は、制御部110と、入力部120と、出力部130と、回路図自動生成部140と、記憶部160と、表示部170と、を備えている。
【0018】
デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、制御部210と、入力部220と、出力部230と、配置設計処理部240と、配線設計処理部250と、記憶部260と、表示部270と、部分配置部280と、部分配線部290と、を備えている。ここで、配置設計処理部240は、給電パターン面積算出部2400A)と、実装禁止エリア判定部2401と、配線禁止エリア判定部2402と、既配置コンデンサ検索部2403と、実装密度パラメータ制御部2404と、コンデンサ複製部2405と、コンデンサ配置部2406と、を備えている。また、配線設計処理部250は、電源/GND付与部2500と、Via生成部2501と、配線接続部2502と、を備えている。
【0019】
回路設計CAD装置100の各部は、おおむね、以下のような機能を果たす。
【0020】
制御部110は、回路設計CAD装置100内の制御を行う。入力部120は、デカップリングコンデンサ配置支援装置200から必要となる回路設計情報を受信する。回路設計情報は、例えば、部品名、部品の種類、部品形状、ピン属性、部品識別番号、実装ロケーション、接続情報を含む情報である。実装ロケーションは、設計者が命名する部品の一意の名前であり、例えば、回路設計CAD装置100が作成する回路図上に表示される。
【0021】
出力部130は、回路設計情報をデカップリングコンデンサ配置支援装置200に出力する。出力部130が出力する回路設計情報は、上記入力部120で扱う回路設計情報と同じデータ項目を含む。
【0022】
回路図自動生成部140は、入力部120がデカップリングコンデンサ配置支援装置200から取得した回路設計情報から、回路図上に無い情報を抽出し、抽出された情報を回路図に反映する。記憶部160は、入力部120に入力された回路設計情報や回路図の情報を記憶する。表示部170は、記憶部160の回路設計情報や回路図自動生成部140で生成された回路図を、表示装置(ディスプレイ等)に表示する。
【0023】
デカップリングコンデンサ配置支援装置200の各部は、おおむね、以下のような機能を果たす。
【0024】
制御部210は、デカップリングコンデンサ配置支援装置200内の制御を行う。入力部220は、回路設計CAD装置100から回路設計情報を受信する。出力部230は、回路設計CAD装置100に回路設計情報を出力する。
【0025】
部分配置部280は、回路設計情報を参照して、デカップリングコンデンサ以外の部品の配置を行い、結果を回路設計情報に反映する。部分配線部290は、部分配置部280の配置結果を受けて、デカップリングコンデンサ以外の前記部品の配線を行い、結果を回路設計情報に反映する。なお、部分配置部280、および、部分配線部290は、デカップリングコンデンサをその処理対象としないことを除いて、公知の技術を用いれば良い。
【0026】
配置設計処理部240は、内部に備える各部を用いて、デカップリングコンデンサを配置する。配置設計処理部240の内部において、給電パターン面積算出部2400A)は、部分配線部290により作成された給電パターンの面積を配線の座標情報から算出する。
【0027】
実装禁止エリア判定部2401は、給電パターン上に配置されている部品に基づいて実装禁止エリアを判定する。配線禁止エリア判定部2402は、給電パターン上にある機構品や既配置部品の配線情報等の条件から配線禁止エリアを判定し、配線禁止エリアを考慮して実装禁止エリアを判定する。実装禁止エリアは、デカップリングコンデンサ配置の対象外となる。
【0028】
既配置コンデンサ検索部2403は、既に配置/配線されているデカップリングコンデンサを、回路設計情報に含まれる部品情報から検索する。実装密度パラメータ制御部2404は、デカップリングコンデンサの実装間隔を計算して記憶する。コンデンサ複製部2405は、配置されるデカップリングコンデンサの情報を複製する。
【0029】
コンデンサ配置部2406は、算出された給電パターンの面積と実装間隔から、ノイズ除去に必要となるデカップリングコンデンサの本数を算出し、その本数のデカップリングコンデンサを給電パターン内に配置する。この時、コンデンサ配置部2406は、必要本数から、既に配置/配線されている分を差し引いた本数のデカップリングコンデンサを、新たに配置する。
【0030】
配線設計処理部250は、内部に備える各部を用いて、配置されたデカップリングコンデンサの配線を行う。配線設計処理部250の内部において、電源/GND付与部2500は、対象の給電パターン上に配置されたデカップリングコンデンサのピンに対象の電源/GNDを付与する。
【0031】
Via生成部2501は、必要に応じ、デカップリングコンデンサの直近にビアを生成する。配線接続部2502は、配置されているデカップリングコンデンサを対象の電源/GNDに接続する。
【0032】
記憶部260は、入力部220で入力された情報や配置/配線設計の状態、実装禁止エリア情報、配線禁止エリア情報を記憶する。表示部270は、例えば、記憶部260の情報や配置設計処理部240、配線設計処理部250で配置/配線された結果を表示装置(ディスプレイ等)に表示する。
【0033】
ここで、デカップリングコンデンサ配置支援装置200の、制御部210と、入力部220と、出力部230と、配置設計処理部240と、配線設計処理部250と、部分配置部280と、部分配線部290とは、論理回路で構成される。配置設計処理部240と配線設計処理部250がそれらの内部に備える各部、例えば、配置設計処理部240が備える、給電パターン面積算出部2400A)と、コンデンサ配置部2406も同様である。
【0034】
記憶部260は、磁気記憶装置、または、半導体記憶装置で構成される。
【0035】
デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、コンピュータ装置600により実現されても良い。
図11は、コンピュータ装置600の構成図である。コンピュータ装置600は、バス640で相互に接続された、プロセッサ610、主記憶部630、および、外部記憶装置620を備える。プロセッサ610は、バス640を経由して、主記憶部630、および、外部記憶装置620に対してデータの読み書きを行う。また、プロセッサ610は、主記憶部630に格納されているプログラム650を実行する。なお、プログラム650は、当初外部記憶装置620に格納されており、コンピュータ装置600の初期設定時に、プロセッサ610が外部記憶装置620から主記憶部630にロードしても良い。
【0036】
ここで、主記憶部630は半導体メモリ装置である。外部記憶装置620はディスク装置、または、半導体記憶装置等の記憶装置である。
【0037】
プロセッサ610は、プログラム650を実行することにより、例えば、配置設計処理部240と、配線設計処理部250と、部分配置部280と、部分配線部290として機能する。すなわち、プロセッサ610は、プログラム650を実行することにより、例えば、配置設計処理部240と、配線設計処理部250と、部分配置部280と、部分配線部290が行う処理を実行する。配置設計処理部240と配線設計処理部250が備える各部、例えば、配置設計処理部240が備える、給電パターン面積算出部2400A)と、コンデンサ配置部2406も同様である。
【0038】
主記憶部630または、外部記憶装置620は、例えば、記憶部260として機能する。
【0039】
<動作の説明>
図2は、本実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援システム300を使用した時の、設計フローを示す。
【0040】
デカップリングコンデンサ配置支援システム300の使用に先立ち、基板上の回路の設計者は、まず基本設計(装置仕様や回路仕様を検討する等)を行う(S100)。基本設計完了後、設計者は詳細設計へ移行し、回路設計CAD装置100を用いて回路設計情報を定義して、回路図作成を行う(S101)。回路図作成が完了すると、回路設計CAD装置100は、回路設計情報をデカップリングコンデンサ配置支援装置200へ出力する。
【0041】
デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、回路設計CAD装置100から受信した回路設計情報に基づいて、デカップリングコンデンサ以外の部品の配置/配線設計を行う(S102)。ここでは、主として、部分配置部280と、部分配線部290が動作する。
【0042】
その後、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサの配置/配線設計を行う(S103)、ここでは、主として、配置設計処理部240と、配線設計処理部250が動作する。デカップリングコンデンサの配置/配線設計完了後、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、配置/配線設計を反映した回路設計情報を回路設計CAD装置100へ出力する。
【0043】
デカップリングコンデンサ配置支援装置200から回路設計情報を受信すると、回路設計CAD装置100は、デカップリングコンデンサ配置支援装置200の情報を回路図へ反映させる(S104)。
【0044】
このような設計フローで、設計者は、デカップリングコンデンサの配置/配線設計を進めていく。
【0045】
図3は、回路図作成からデカップリングコンデンサの配置完了までのデカップリングコンデンサ配置支援システム300の動作フローチャートである。
【0046】
先ず、S200で設計者は、基本設計の結果を基に、回路設計CAD装置100の回路図自動生成部140を用いて回路図作成を実行し、回路設計情報を記憶部160へ記憶させる。
【0047】
ここで、設計者は、回路図作成の際、デカップリングコンデンサを1つ以上入力すれば良く、電源/GNDを接続(付与)させてもさせなくても良い。すなわち、設計者は、基本設計における給電パターン検討時の給電パターン面積からデカップリングコンデンサの必要数を算出し、回路図に算出した必要数のデカップリングコンデンサを反映して電源/GNDを接続(付与)する必要は無い。
【0048】
ここで入力されたデカップリングコンデンサは、コンデンサ複製部2405で複製されて、コンデンサ配置部2406によって配置される。ただし、設計者は、回路図作成の際、デカップリングコンデンサを必ずしも入力しなくても良い。設計者は、別途、複製の元となるデカップリングコンデンサの情報を、入力パラメータとして、コンデンサ複製部2405に与えても良い。
【0049】
S201では、回路設計CAD装置100の出力部130が、記憶部160に記憶された回路設計情報をデカップリングコンデンサ配置支援装置200の入力部220へ送信する。入力部220は、回路設計情報を受信して記憶部260に記憶する。
【0050】
S202では、部分配置部280と部分配線部290が、それぞれ、記憶部260に記憶された回路設計情報を基に、デカップリングコンデンサ以外の配置設計と配線設計の処理をする。この工程で、1以上の給電パターンが作成される。
【0051】
S203では、部分配線部290が、デカップリングコンデンサ以外の配置/配線設計が完了しているか、を記憶部260に記憶されている情報を基に判別する。
【0052】
S204では、給電パターン面積算出部2400A)が、給電パターンを順次一つずつ選択し、選択した給電パターンの面積を、配線の座標情報より算出する。
【0053】
S205では、実装禁止エリア判定部2401は、選択した給電パターン上に配置されている部品について、実装禁止エリアを記憶部260の情報を基に判定する。実装禁止エリア判定部2401は、製造性、リペア性を考慮し、製造や修理の作業しやすい部品間隔や機構品等と干渉を考慮して実装禁止エリアを判定する。実装禁止エリア判定部2401は、実装禁止エリアを部品配置の対象外に設定する。
【0054】
このとき、実装禁止エリア判定部2401は、配置されている部品のパッケージ形状に基づいて、当該部品の周辺領域を実装禁止エリアとして判定する。
【0055】
図6は、代表的な電子部品のパッケージ形状に対する実装禁止エリア例を示している。例えば、
図6(a)の網掛け部はSOJ(Small Outline J-leaded)部品の、
図6(b)の網掛け部はPLCC(Plastic leaded chip carrier)部品の実装禁止エリアを示している。実装禁止エリアは、これ以外に製造性やリペア性を考慮して、パッケージ形状対応に決定される。実装禁止エリア判定部2401が参照する部品の実装禁止エリア情報は、あらかじめ定義され記憶部260に記憶されている。
【0056】
S206では、配線禁止エリア判定部2402は、給電パターン面積算出部2400A)により選択された給電パターン上にある機構品や既配置部品の配線情報、および、ビアが打てるのか等の条件から配線禁止エリアを記憶部260の情報を基に判定する。さらに、配線禁止エリア判定部2402は、配線禁止エリアを考慮して実装禁止エリアを判定する。配線禁止エリア判定部2402は、実装禁止エリアを部品配置の対象外に設定する。S206は、S205と同時に処理されても良い。
【0057】
S207では、既配置コンデンサ検索部2403は、S202でデカップリングコンデンサが配置/配線されていた場合に備えて、記憶部260の情報を基に、給電パターン上に既に配置/配線されているデカップリングコンデンサを検索する。この検索が行われるのは、デジタルIC等の電源ピン近傍にデカップリングコンデンサを優先的に配置/配線しているケースが想定されるからである。既配置コンデンサ検索部2403は、給電パターン上に既に配置/配線されているデカップリングコンデンサを検出すると、この情報をコンデンサ配置部2406に引き継ぐ。デカップリングコンデンサの効果を共用できるため、既配置/配線されているデカップリングコンデンサは、コンデンサ配置部2406が配置するデカップリングコンデンサの代用品と考えることが出来るからである。
【0058】
S208では、実装密度パラメータ制御部2404は、デカップリングコンデンサの実装密度パラメータを入力し、デカップリングコンデンサの実装間隔を設定する。
【0059】
S209では、コンデンサ配置部2406が、給電パターン面積算出部2400A)により選択された給電パターン上の実装可能エリア内の任意の座標(位置)に、デカップリングコンデンサを、算出された実装間隔を置いて配置する。このとき、コンデンサ配置部2406は、S204、S205、S206、S207、S208で得られた情報を参照する(
図3の破線)。
【0060】
なお、配置するデカップリングコンデンサの数は、給電パターンの面積、コンデンサの実装密度条件から決められる数から、既に配置/配線されているデカップリングコンデンサの数を差し引いたものとなる。
【0061】
デカップリングコンデンサを順次配置していく過程で、コンデンサ配置部2406は、S210でデカップリングコンデンサをさらに配置する必要があるかを判断し、YesならS211へ、NoならS212へ処理を進める。
【0062】
コンデンサ配置部2406が、S210でYes(さらに配置が必要)であると判断した場合、S211では、コンデンサ複製部2405が、デカップリングコンデンサを複製する。コンデンサ複製部2405は、既に配置/配線されているデカップリングコンデンサの情報、または、パラメータ入力されたコンデンサの情報を複製する。
【0063】
複製されたデカップリングコンデンサは、S209でコンデンサ配置部2406により、実装可能エリア内の任意の座標に配置され、S210に進み、これを繰り返す。
【0064】
コンデンサ配置部2406は、S210でNo(配置は不要)と判断した場合、処理中の給電パターン上のデカップリングコンデンサの配置設計を終了させる。S212では、給電パターン面積算出部2400A)は、他に配置が必要な給電パターンが有るかを判定し、あればS204に進み処理を続ける。給電パターン面積算出部2400A)は、他に配置が必要な給電パターンがなければ、処理を終了させる。
【0065】
図4は、配線設計処理部250によるデカップリングコンデンサの配線完了までの動作フローチャートである。
【0066】
S300では、電源/GND付与部2500は、選択した給電パターン上に配置されたデカップリングコンデンサのピンに選択した電源/GNDを付与する。
【0067】
S301では、Via生成部2501は、デカップリングコンデンサのピンの近傍(デカップリングコンデンサからの配線を可能な限り短くするため)にビアを打つ処理を行う。給電パターンが外層で配線されている場合は、ビアを打つ処理は不要となる。
【0068】
S302では、配線接続部2502が、デカップリングコンデンサの配線をできる限り短く接続するとともに接続用の配線幅をできる限り太くし、配線接続の処理をする。
【0069】
図5は、回路図へのフィードバックまでのデカップリングコンデンサ配置支援システム300の動作フローチャートである。
【0070】
S400では、デカップリングコンデンサ配置支援装置200の出力部230が、記憶部260に記憶されたデカップリングコンデンサ、および、その他部品の配置/配線情報を含む回路設計情報を回路設計CAD装置100の入力部120へ送る。
【0071】
S401では、回路設計CAD装置100の入力部120が、デカップリングコンデンサ配置支援装置200の出力部230から出力された回路設計情報を受け取り、記憶部160に記憶する。
【0072】
S402では、回路図自動生成部140が、デカップリングコンデンサ配置支援装置200から取得した回路設計情報を基に回路図上にない情報を抽出し、回路図に反映する。
【0073】
<効果の説明>
<第1の効果>
本実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサ配置配線設計を効率化し、作業者の負担を軽減し、さらに、設計期間の長期化、および、設計コストの増加を抑制する。具体的には、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、初期検討時の給電パターン面積から必要なデカップリングコンデンサの数量を設計者が算出し、回路図作成する作業をなくすことができる。また、実際の配線(給電パターン)に合わせて、デカップリングコンデンサを再度配置し直す必要がなくなる。さらに、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサが不足した場合や過剰に余った場合、回路図作成フェーズに戻ることを不要にできる。
【0074】
その理由は、部分配置部280と部分配線部290が、デカップリングコンデンサ以外の配置および配線をして給電パターンを生成し、その後、コンデンサ配置部2406が、当該給電パターンに基づいて、必要なデカップリングコンデンサの配置を行うからである。
【0075】
<第2の効果>
本実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援装置200は、設計された回路の電源電圧の変動を低減し、ノイズ除去の精度を良くすることが出来る。また、無駄な部品コストが抑えられる。
【0076】
その理由は、部分配置部280と部分配線部290が、デカップリングコンデンサ以外の配置および配線をして給電パターンを生成し、その後、コンデンサ配置部2406が、当該給電パターンに基づいて、必要なデカップリングコンデンサの量を算出するからである。この為、デカップリングコンデンサの必要数が正確に算出され、余分なデカップリングコンデンサの配置配線が防止される。
【0077】
<第2の実施形態>
本発明の第1の実施の形態においては、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサ以外の部品の配線後、給電パターンの面積をキーにデカップリングコンデンサの配置設計を実施した。第2の実施の形態においては、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、基板の面積をキーにデカップリングコンデンサの配置設計を実施していく。
【0078】
<構成の説明>
図7は、第2の実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援システム300の構成図である。基本的構成は
図1とほぼ同じである。主要な差異は、
図1の配置設計処理部240内において給電パターン面積算出部2400A)が、基板面積算出部2400B)に置き換えられていること、および、部分配線部290が、配線設計処理部250内の部分配線部2503に置き換えられていることである。
【0079】
<動作の説明>
図8は、本実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援システム300を使用した時の、設計フローを示す。
【0080】
デカップリングコンデンサ配置支援システム300の使用に先立ち、基板上の回路の設計者は、まず基本設計(装置仕様や回路仕様を検討する等)を行う(S500)。基本設計完了後、設計者は詳細設計へ移行し、回路設計CAD装置100を用いて回路設計情報を定義して、回路図作成を行う(S501)。回路図作成が完了すると、回路設計CAD装置100は、回路設計情報をデカップリングコンデンサ配置支援装置200へ出力する。ここまでの流れは、第一の実施の形態と同じである。
【0081】
デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、回路設計CAD装置100から受信した回路設計情報に基づいて、デカップリングコンデンサ以外の部品の配置設計を行う(S502)。ここでは、主として、部分配置部280が動作する。第1の実施の形態と異なり、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、ここでは、デカップリングコンデンサ以外の部品の配線設計は行わない。
【0082】
その後、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサの配置設計を行う(S503)、ここでは、主として、配置設計処理部240が動作する。すなわち、第1の実施の形態おける給電パターン面積算出部2400A)に代わり、基板面積算出部2400B)が動作する。
【0083】
その後、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサを含めた定義されている全部品の配線設計を行う(S504)、ここでは、主として、配線設計処理部250が動作する。すなわち、第1の実施の形態おける部分配線部290に代わり、配線設計処理部250内の部分配線部2503が動作する。全部品の配線設計完了後、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、配置/配線設計を反映した回路設計情報を回路設計CAD装置100へ出力する。
【0084】
デカップリングコンデンサ配置支援装置200から回路設計情報を受信すると、回路設計CAD装置100は、デカップリングコンデンサ配置支援装置200の情報を回路図へ反映させる(S505)。
【0085】
このような設計フローで、設計者は、デカップリングコンデンサの配置/配線設計を進めていく。
【0086】
図9は、回路図作成からデカップリングコンデンサの配置完了までのデカップリングコンデンサ配置支援システム300の動作フローチャートである。
【0087】
S200とS201は、第1の実施の形態の
図3と同じ処理である。
【0088】
S202’では、部分配置部280が、記憶部260に記憶された回路設計情報を基に、デカップリングコンデンサ以外の配置設計の処理をする。第1の実施の形態と異なり、ここでは、デカップリングコンデンサ以外の配線設計の処理は行われない。
【0089】
S203’では、部分配置部280が、デカップリングコンデンサ以外の配置設計が完了しているか、を記憶部260に記憶されている情報を基に判別する。
【0090】
S204’では、基板面積算出部2400B)が、基板外形の座標情報より、基板の面積を算出する。
【0091】
S205’では、実装禁止エリア判定部2401は、基板上に配置されている部品から、実装禁止エリアを判定する。S206’では、配線禁止エリア判定部2402は、基板上の配線禁止エリアを判定し、配線禁止エリアを考慮して実装禁止エリアを判定する。S207’では、既配置コンデンサ検索部2403は、基板上に既に配置/配線されているデカップリングコンデンサを検索する。
【0092】
対象が、給電パターンから基板に変更されたこと以外、これら3つのステップは、第1の実施の形態の
図3のS205、S206、S207と同様である。
【0093】
S208は、第1の実施の形態の
図3と同じ処理である。
【0094】
S209’、および、S210’では、コンデンサ配置部2406が、基板上に、必要な本数のデカップリングコンデンサを順次配置していく。対象が、給電パターンから基板に変更されたこと以外、これら2つのステップは、第1の実施の形態の
図3のS209、および、S210と同様である。
【0095】
S211は、第1の実施の形態の
図3と同じ処理である。
【0096】
図10は、デカップリングコンデンサの配線完了までのフローチャートである。
【0097】
全部品配置後、S600では、配線設計処理部250内の、例えば、電源/GND付与部2500が、給電パターンを引く。
【0098】
S601では、S600の給電パターン設計完了後、電源/GND付与部2500が、全てのデカップリングコンデンサが給電パターン上に配置されているかを判断する。
【0099】
S601でYes(給電パターン上に全デカップリングコンデンサが配置されている)なら、続いて、第1の実施の形態におけるS300、S301、S302と同じ処理が実行される。
【0100】
S601でNo(給電パターン上にデカップリングコンデンサが配置されていないものがある)なら、S602で、電源/GND付与部2500が、給電パターン上に配置されていないデカップリングコンデンサを削除する。そして、残りのデカップリングコンデンサを対象に、第1の実施の形態におけるS300、S301、S302と同じ処理が実行される。
【0101】
S603では、S601と並行して、部分配線部2503が、給電パターン及びデカップリングコンデンサ以外の配線設計を行う。
【0102】
配線後に、回路図へのフィードバックが行われるが、この流れは、第1の実施の形態と同じ
図5のフローとなる。
【0103】
<効果の説明>
<第1の効果>
本実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサ配置配線設計を効率化し、作業者の負担を軽減し、さらに、設計期間の長期化、および、設計コストの増加を抑制する。具体的には、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、初期検討時の給電パターン面積から必要なデカップリングコンデンサの数量を設計者が算出し、回路図作成する作業をなくすことができる。また、実際の配線(給電パターン)に合わせて、デカップリングコンデンサを再度配置し直す必要がなくなる。さらに、デカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサが不足した場合や過剰に余った場合、回路図作成フェーズに戻ることを不要にできる。
【0104】
その理由は、部分配置部280が、デカップリングコンデンサ以外の配置をして基板の大きさを概ね決め、その後、コンデンサ配置部2406が、当該基板に、必要なデカップリングコンデンサの配置を行うからである。
【0105】
<第2の効果>
本実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援装置200は、設計された回路の電源電圧の変動を低減し、ノイズ除去の精度を良くすることが出来る。また、無駄な部品コストが抑えられる。
【0106】
その理由は、部分配置部280が、デカップリングコンデンサ以外の配置をして基板の大きさを概ね決め、その後、コンデンサ配置部2406が、当該基板に、必要なデカップリングコンデンサの量を算出するからである。この為、デカップリングコンデンサの必要数が正確に算出され、余分なデカップリングコンデンサの配置配線が防止される。
【0107】
<第3の実施の形態>
図12は、第3の実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援装置200の構成図である。本実施の形態のデカップリングコンデンサ配置支援装置200は、部分配置部280と、面積算出部2400と、コンデンサ配置部2406と、を備える。
【0108】
部分配置部280は、基板上の回路に配置される部品の情報を含む回路設計情報をCAD装置等から取得して、デカップリングコンデンサ以外の部品の配置を行って、配置結果を反映した部分配置済み回路設計情報を作成する。CAD装置は、回路設計に用いられている一般のCAD装置で構わない。但し、デカップリングコンデンサ配置支援装置200の各部は、当該CAD装置が出力するデータ形式を扱うように設計されなくてはならない。回路設計者は、当該CAD装置を用いて、事前に回路設計情報を定義して、回路図作成を行えば良い。
【0109】
面積算出部2400は、部分配置済み回路設計情報に基づいて、ノイズ除去が必要な基盤領域の面積を算出する。面積算出部2400は、例えば、第1の実施の形態における給電パターン面積算出部2400A)や、第2の実施の形態における基板面積算出部2400B)である。
【0110】
コンデンサ配置部2406は、ノイズ除去面積に基づいて、与えられた仕様のデカップリングコンデンサの必要本数を算出してノイズ除去が必要な基盤領域に配置し、配置済み回路設計情報を、例えば、前述のCAD装置に出力する。設計者は、その後、当該CAD装置を用いて、配線設計を行えば良い。
【0111】
本実施の形態にかかるデカップリングコンデンサ配置支援装置200は、デカップリングコンデンサ配置配線設計を効率化し、作業者の負担を軽減し、さらに、設計期間の長期化、および、設計コストの増加を抑制する。
【0112】
その理由は、部分配置部280が、デカップリングコンデンサ以外の配置をしてノイズ除去が必要な基盤領域(例えば、給電パターン、基板)の大きさを概ね決め、その後、コンデンサ配置部2406が、当該領域に、必要なデカップリングコンデンサの配置を行うからである。