(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)表面上でパターン化される1つ以上の層を有する基材と、(b)前記パターン化される1つ以上の層上の、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光レジスト組成物の層と、を含む、コーティングされた基材。
電子装置を形成する方法であって、(a)請求項1〜9のいずれか一項に記載の光レジスト組成物の層を基材に適用することと、(b)前記光レジスト組成物層を活性化放射線にパターン露光することと、(c)前記露光された光レジスト組成物層を現像して、レジストリリーフ画像を提供することと、を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これから代表的な実施形態を詳細に参照するが、これらの実施形態の例は添付の図面に図示されており、これらの図面において、同様の参照符号は全体を通して同様の要素を指す。この点で、代表的な本実施形態は、異なる形態を有してもよく、本明細書に記載される記述に限定されると解釈されるべきではない。したがって、代表的な実施形態は、本発明の概念の態様を説明するために、図を参照することにより以下に単に記載されるにすぎない。本明細書で使用される場合、用語「及び/または」は、1つ以上の関連する列挙される項目のいずれか及び全ての組み合わせを含む。「〜のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素の列挙を前述するときに要素の全列挙を修飾し、列挙の個別の要素を修飾しない。
【0013】
要素が別の要素の「上」にあると言及されるとき、それが他の要素と直接的に接触し得、中間の要素がそれらの間に存在し得ると理解されるだろう。対照的に、要素が別の要素の「上に直接的」にあると言及されるとき、中間要素は存在しない。
【0014】
用語、第1の、第2の、第3のなどは、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/または区分を記載するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/または区分は、これらの用語により限定されるべきではないことが理解されるだろう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、または区分を別の要素、構成要素、領域、層、または区分から区別するためだけに使用される。よって、以下で考察される第1の要素、構成要素、領域、層、または区分は、本実施形態の教示から逸脱することなく第2の要素、構成要素、領域、層、または区分と呼ばれ得る。
【0015】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のためだけにあり、限定することを意図しない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数形も含むことを意図する。
【0016】
用語「含む(comprises)」及び/もしくは「含むこと(comprising)」または「含む(includes)」及び/もしくは「含むこと(including)」は、本明細書で使用されるとき、記載される特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/または構成成分の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、構成成分、及び/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるだろう。
【0017】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が帰属する技術分野の専門家によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、関連技術及び本開示の文脈において、それらの意味と調和する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたかまたは過剰に形式的な意味に、本明細書でそのように明白に定義されない限りは解釈されないことがさらに理解されるだろう。
【0018】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「アルキル基」は、指定数の炭素原子を有し、少なくとも1の原子価を有する直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素由来の基を指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「フルオロアルキル基」は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられているアルキル基を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「アルコキシ基」は、用語「アルキル」が上述される意味と同じ意味を有する「アルキル−O−」を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「フルオロアルコキシ基」は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられているアルコキシ基を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「アルケニル基」は、指定数の炭素原子を有し、少なくとも1の原子価を有する直鎖または分岐鎖の不飽和脂肪族炭化水素由来の基を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「フルオロアルキレン基」は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられているアルキレン基を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「シクロアルキル基」は、全ての環成員が炭素である1つ以上の飽和環を有する一価基を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「フルオロシクロアルキル基」は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられているシクロアルキル基を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「ヘテロシクロアルキル基」は、その環(複数可)の成員として少なくとも2つの異なる元素の原子を有し、このうちの1つが炭素である、一価飽和環式基を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「ヘテロシクロアルキル基」は、その環(複数可)の成員として少なくとも2つの異なる元素の原子を有し、このうちの1つが炭素である、一価不飽和環式基を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、単体または組み合わせて使用される用語「アリール」は、少なくとも1つの環を含有し、指定数の炭素原子を有する芳香族炭化水素を指す。用語「アリール」は、少なくとも1つのシクロアルキル環に縮合される芳香族環を有する基を含むと解釈され得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「フルオロアリール基」は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられているアリール基を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「アラルキル基」は、化合物に結合するアルキル基に共有結合する置換または非置換のアリール基を指し、用語「アリール」及び「アルキル」は上述される意味と同じ意味を有する。
【0031】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「フルオロアラルキル基」は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられているアラルキル基を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、単体または組み合わせて使用される用語「ヘテロアリール」は、その環(複数可)の成員として少なくとも2つの異なる元素の原子を有し、このうちの1つが炭素である、少なくとも1つの環を含有し、指定数の炭素原子を有する芳香族炭化水素を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「フルオロヘテロアリール基」は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置き換えられているフルオロヘテロアリール基を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「置換された」は、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、アミノ、チオール、カルボキシル、カルボン酸塩、エステル(アクリル酸塩、メタクリル酸塩、及びラクトンを含む)、アミド、ニトリル、硫化物、二硫化物、ニトロ、C
1−20アルキル、C
1−20シクロアルキル(アダマンチルを含む)、C
1−20アルケニル(ノルボルネニルを含む)、C
1−20アルコキシ、C
2−20アルケノキシ(ビニルエーテルを含む)、C
6−30アリール、C
6−30アリールオキシ、C
7−30アルキルアリール、またはC
7−30アルキルアリールオキシなどの少なくとも1つの置換基を含むことを意味する。
【0035】
指定数の炭素原子を含有する基が前項で列挙される任意の基で置換されるとき、得られる「置換された」基における炭素原子の数は、元(非置換)基に含有される炭素原子及び置換基内に含有される炭素原子(もしある場合)の合計と定義される。例えば、用語「置換C
1−C
20アルキル」は、C
6−C
30アリール基で置換されたC
1−C
20アルキル基を指し、得られたアリール置換アルキル基中の炭素原子の総数は、C
7−C
50である。
【0036】
本明細書で使用される場合、別途定義が提供されないとき、用語「混合物」は、物理的な形態を考慮しない、配合物または混合物を構成する成分の任意の組み合わせを指す。
【0037】
本明細書において光レジスト組成物が開示され、該光レジスト組成物は、
酸感受性ポリマーと、
溶剤と、
式(I)を有する光酸発生剤化合物と、を含む。
【0039】
式(I)において、EWGは、共鳴効果、誘起効果、超共役効果、またはそれらの組み合わせにより、電子密度を隣接原子から引いて自身に向ける基電子求引基であり得る。EWGは、ハロゲンなどの弱電子求引基、アルデヒド(−CHO)、ケトン(−COR)、カルボン酸(−CO
2H)、エステル(−CO
2R)、もしくはアミド(−CONH
2)などの適度電子求引、または三ハロゲン化物(−CF
3、CCl
3)、シアノ(−CN)、スルホン(−SO
2R)、スルホネート(−SO
3H)、もしくはニトロ(−NO
2)などの強不活性基であり得る。例えば、EWGは、−CN、−NO
2、−C(=O)R
21、−C(=O)OR
22、及び−SO
2R
23から選択される電子求引基であり得、式中、R
21、R
22、またはR
23は各々独立して、C
1−30脂肪族有機基、C
6−30芳香族有機基、またはC
1−30ヘテロ芳香族有機基である。実施形態において、EWGは、シアノ基であり得る。
【0040】
式(I)において、Yは、Rとアニオン中心とを結合するリンカーであり得る。Yは、単結合または結合基であり得る。結合基は、炭素を含み得、任意に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。例において、Yは、単結合、C
1−30結合基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、炭酸塩基、アミン基、アミド基、尿素基、硫酸塩基、スルホン基、スルホキシド基、N−オキシド基、スルホネート基、スルホンアミド基、または前述のうちの少なくとも2つの組み合わせであり得る。別の例において、Yは、O、S、N、F、または前述のヘテロ原子のうちの少なくとも1つの組み合わせを含有するヘテロ原子を任意に含むC
1−30結合基であり得る。さらに別の例において、Yは、単結合、−C(R
30)
2−、−N(R
31)−、−O−、−S−、−S(=O)
2−、−(C=O)−、またはそれらの組み合わせであり得、式中、各R
30及びR
31は独立して、水素またはC
1−6アルキル基である。
【0041】
式(I)において、Rは、水素、直鎖もしくは分岐C
1−20アルキル基、直鎖もしくは分岐C
2−20アルケニル基、単環式もしくは多環式C
3−20シクロアルキル基、単環式もしくは多環式C
3−20シクロアルケニル基、単環式もしくは多環式C
3−20ヘテロシクロアルキル基、単環式もしくは多環式C
3−20ヘテロシクロアルケニル基、単環式もしくは多環式C
6−20アリール基、または単環式もしくは多環式C
1−20ヘテロアリール基であり得、水素を除くそれらの各々は、置換または非置換であり得る。ある実施形態において、Rは、置換または非置換の多環式C
3−20シクロアルキル基などの嵩高の炭化水素基であり得る。
【0042】
Rが、重合性基、例えば、直鎖もしくは分岐C
2−20アルケニル基、単環式もしくは多環式C
3−20シクロアルケニル基、または単環式もしくは多環式C
3−20ヘテロシクロアルケニル基を含むとき、光酸発生剤は、酸感受性ポリマーの重合単位であり得る。
【0043】
式(I)において、M
+は、有機カチオン、例えば、有機スルホニウムカチオンまたは有機ヨードニウムカチオンであり得る。
【0044】
実施形態において、光酸発生剤化合物は、式(II)及び(III)により表され得る。
【0046】
式(II)は、以下の共鳴式(IIa)及び(IIb)により表され得る。
【0048】
理論に束縛されることを望むものではないが、式(II)のアニオン中の負電荷は、二重結合により安定し、炭素原子含有基X
1、X
2とX
3、X
4との間でそれぞれ非局在化されると理解される。
【0049】
式(II)において、X
1、X
2、X
3、及びX
4は各々独立して、−F、−CN、−NO
2、−C(=O)R
24、−C(=O)OR
25、−SO
2R
26、及びCR
fから選択される電子求引基であり得、式中、R
24、R
25、及びR
26は各々独立して、C
1−30脂肪族有機基、C
6−30芳香族有機基、またはC
1−30ヘテロ芳香族有機基であり得、R
fは、C
1−C
30フルオロアルキル基であり得る。
【0050】
式(II)において、Rは、水素、直鎖もしくは分岐C
1−20アルキル基、直鎖もしくは分岐C
2−20アルケニル基、単環式もしくは多環式C
3−20シクロアルキル基、単環式もしくは多環式C
3−20シクロアルケニル基、単環式もしくは多環式C
3−20ヘテロシクロアルキル基、単環式もしくは多環式C
3−20ヘテロシクロアルケニル基、単環式もしくは多環式C
6−20アリール基、または単環式もしくは多環式C
1−20ヘテロアリール基であり得、水素を除くそれらの各々は、置換または非置換であり得る。実施形態において、Rは、置換または非置換の多環式C
3−20シクロアルキル基などの嵩高の炭化水素基であり得、それは、縮合環式環を含有し得るかまたは含有し得ない。多環式C
3−20シクロアルキル基は、縮合環式環を含有し、多環式C
3−20シクロアルキル基は、アダマンタンなどのケージ化炭化水素由来であり得る。よって、実施形態において、R
1は、置換または非置換のアダマンチル基、例えばヒドロキシアダマンチル基であり得る。
【0051】
別の実施形態において、Rは、C
2−20アルケニル基などの重合性基であり得る。リンカーYがオキシカルボニル基−C(=O)O−を含むとき、光酸発生剤は、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩部分を含有し得る。
【0052】
式(II)において、Yは、Rとアニオン中心とを結合するリンカーであり得る。Yは、単結合または結合基であり得る。結合基は、炭素を含み得、任意に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。例において、Yは、単結合、C
1−30結合基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、炭酸塩基、アミン基、アミド基、尿素基、硫酸塩基、スルホン基、スルホキシド基、N−オキシド基、スルホネート基、スルホンアミド基、または前述のうちの少なくとも2つの組み合わせであり得る。別の例において、Yは、O、S、N、F、または前述のヘテロ原子のうちの少なくとも1つの組み合わせを含有するヘテロ原子を任意に含むC
1−30結合基であり得る。さらに別の例において、Yは、単結合、−C(R
30)
2−、−N(R
31)−、−O−、−S−、−S(=O)
2−、−(C=O)−、またはそれらの組み合わせであり得、式中、各R
30及びR
31は独立して、水素またはC
1−6アルキル基である。
【0056】
式(I)において、M
+は、有機カチオンであり得る。例えば、M
+は、有機スルホニウムカチオンまたは有機ヨードニウムカチオンであり得る。
【0057】
式(I)を有する光酸発生剤は、以下の構造を有し得、
【0059】
式中、Lは、有機置換基であり、M
+は、有機カチオンである。
【0060】
式(I)を有する光酸発生剤は、ハロゲン原子を含み得ない。
【0061】
式(II)を有するPAGの具体的な例は、以下に示される。
【0063】
本発明の光酸発生剤は、ポリマーと共有結合し得、ここでは、ポリマーは、1つ以上の酸感受性構造単位を含有する。よって、実施形態は、光酸発生剤化合物の重合生成物である酸感受性ポリマーを提供する。イオン性酸発生剤に関して、カチオンまたはアニオン構成成分のどちらか一方が、ポリマーと共有結合し得る。あるいは、カチオン及びアニオン構成成分の両方が、ポリマーと共有結合し得る。
【0064】
例えば、光酸発生剤アニオン構成成分は、予備形成されたポリマー、または他のモノマーと反応してポリマー結合酸発生剤を提供し得る重合性基(アクリル酸塩、メタクリル酸塩、ビニルエーテルなど)を含み得る。代表的な重合性光酸発生剤アニオン構成成分は、以下の構造を含む。
【0066】
別の実施形態において、光酸発生剤は、式(III)により表され得る。
【0068】
式(III)において、X
5及びX
6は各々独立して、酸素原子、二価基C(CN)
2、C(NO
2)
2、C(COR
27)
2、C(CO
2R
28)
2、C(SO
2R
29)
2、及びC(R
f)
2から選択される電子求引基であり得、式中、R
fは、C
1−C
30フルオロアルキル基である。
【0069】
Y、R、及びMは、上記の式(I)の場合と同じであり得る。
【0070】
Z
1及びZ
2は各々独立して、水素、直鎖もしくは分岐C
1−50アルキル基、単環式もしくは多環式C
3−50シクロアルキル基、単環式もしくは多環式C
3−50ヘテロシクロアルキル基、単環式もしくは多環式C
6−50アリール基、単環式もしくは多環式C
5−20ヘテロアリール基、またはそれらの組み合わせであり得る。基Z
1及びZ
2は任意に、互いに結合して環を形成し得る。
【0071】
式(III)において、
X
5及びX
6は各々、C(CN)
2であり得、
Rは、水素であり得、
Yは、単結合であり得る。
【0072】
R、Z
1、及びZ
2のうちの少なくとも1つは、C
2−20アルケニル基などの重合性基を含み得る。リンカーYがオキシカルボニル基−C(=O)O−を含むとき、光酸発生剤は、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩部分を含有し得る。
【0073】
式(III)により表される光酸発生剤の例は、以下の化合物を含み得る。
【0075】
式(III)において、Rが水素であり、Yが単結合であり、Z
1及びZ
2が共に結合してC
5−20単環式または多環式脂肪族または芳香族基を形成するとき、式(III)を有する光酸発生剤は、式(IV)により表され得る。
【0077】
式(IV)において、X
5及びX
6は、式(III)の場合と同じであり得、R
1は、ハロゲンであり得、ニトロ基、シアノ基、スルホニル基、もしくはフッ素原子などの電子求引基であり得、C
1−10アルキル基、C
1−10フルオロアルキル基、C
1−10アルコキシ基、C
1−10フルオロアルコキシ基、C
3−10シクロアルキル基、C
3−10フルオロシクロアルキル基、C
3−10シクロアルコキシ基、C
3−10フルオロシクロアルコキシ基、またはNO
2、CN、C(R
f)
3、もしくはCO
2Rから選択される電子求引基であり得、式中、R
fは、C
1−C
30フルオロアルキル基であり、kは、0、1、2、3、または4の整数であり得る。
【0078】
式(IV)により表される光酸発生剤の例は、以下に示される。
【0080】
式(I)、(II)、(III)、及び(IV)は全て、有機カチオンであり得るカチオンM
+を含む。例えば、M
+は、有機スルホニウムカチオンまたは有機ヨードニウムカチオンであり得る。
【0081】
ある実施形態において、M
+は、式(VII)を有する有機カチオンであり得る。
【0083】
式(VII)において、
R
0は、C
1−20アルキル基、C
1−20フルオロアルキル基、C
3−20シクロアルキル基、C
3−20フルオロシクロアルキル基、C
2−20アルケニル基、C
2−20フルオロアルケニル基、C
6−20アリール基、C
6−20 フルオロアリール基、C
1−20ヘテロアリール基、C
7−20アラルキル基、C
7−20 フルオロアラルキル基、C
2−20 ヘテロアラルキル基、またはC
2−20フルオロヘテロアラルキル基であり得、それらの各々が、置換または非置換であり、
Arは、置換または非置換のC
6−30芳香族有機基であり、
Arが任意に、R
0と結合している。
【0084】
有機ヨードニウムカチオンの具体的な例は、以下の通りであり得る。
【0086】
ある実施形態において、M
+は、式(V)を有する有機カチオンであり得、
【0088】
式中、各R
2は独立して、C
1−20アルキル基、C
1−20フルオロアルキル基、C
3−20シクロアルキル基、C
3−20フルオロシクロアルキル基、C
2−20アルケニル基、C
2−20フルオロアルケニル基、C
6−20アリール基、C
6−20フルオロアリール基、C
1−20ヘテロアリール基、C
7−20アラルキル基、C
7−20フルオロアラルキル基、C
2−20ヘテロアラルキル基、またはC
2−20フルオロヘテロアラルキル基であり、それらの各々は、置換または非置換であり、
各R
2は、分離しているかまたは単結合もしくは結合基を介して他方の基R
2と結合して環を形成し、
Arが、置換または非置換のC
6−30芳香族有機基である。
【0089】
別の実施形態において、M
+は、式(VI)を有する有機カチオンであり得、
【0091】
式中、
Xが、IまたはSであり、
各R
3が独立して、ハロゲン、−CN、−OH、C
1−10アルキル基、C
1−10フルオロアルキル基、C
1−10アルコキシ基、C
1−10フルオロアルコキシ基、C
3−10シクロアルキル基、C
3−10フルオロシクロアルキル基、C
3−10シクロアルコキシ基、C
3−10フルオロシクロアルコキシ基、またはC
6−10アルコキシカルボニルアルキレンオキシ基であり、
各nが、0、1、2、3、4、及び5の整数であり、
mが、2または3の整数であるが、但し、XがIのとき、mが2であり、XがSである場合、mが3であることを条件とする。
【0092】
さらに別の実施形態において、Xは、ヨウ素(I)であり得、少なくとも1つのnは、0でない可能性がある。この実施形態において、ヨードニウムカチオンは、少なくとも1つの置換基が芳香族環に存在することを必要とする。
【0093】
なおも別の実施形態において、M
+は、式(VII)または(VIII)を有する有機カチオンであり得、
【0095】
式中、
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、及びR
10は各々独立して、ハロゲン、−CN、−OH、C
1−10アルキル基、C
1−10フルオロアルキル基、C
1−10アルコキシ基、C
1−10フルオロアルコキシ基、C
3−10シクロアルキル基、C
3−10フルオロシクロアルキル基、C
3−10シクロアルコキシ基、またはC
3−10フルオロシクロアルコキシ基であり、ハロゲン、−CN、及び−OHを除くそれらの各々は、置換または非置換であり得、
Jが、単結合またはS、O、及びC=Oから選択される結合基であり、
pが各々独立して、0、1、2、3、または4の整数であり、
rが、0、1、2、3、4、及び5の整数であり、
s及びtが各々独立して、0、1、2、3、及び4の整数である。
【0096】
式(VI)中のR
3、式(VII)中のR
6及びR
7、ならびに式(VIII)中のR
8、R
9及びR
10は任意に、酸解離性基、例えばC
6−10アルコキシカルボニルアルキレンオキシ基を含み得る。C
6−10アルコキシカルボニルアルキレンオキシ基の例は、以下の化合物中に示されるようなt−ブチルオキシカルボニルメトキシ基である。
【0098】
本発明の概念は、新たなメチド種のアニオンを含む光酸発生剤を提供する。3つの電子求引ペルフルオロスルホニル基で置換される既知のメチドアニオンとは違い、本開示のメチドは、1つ以上の電子求引置換基及び少なくとも1つの官能性置換基を含む。官能性置換基は、既知のメチド構造には存在しない特定の構造的及び物理的特徴を与えるように設計されている。例えば、新たな設計は、メチドアニオンを、193ナノメートル(nm)の透明で嵩高の環状脂肪族基、かかるアダマンタニル(アダマンチル)または置換アダマンタニル(例えば、ヒドロキシアダマンチル)で置換することを可能にする。PAGアニオン中に嵩高の環状脂肪族基を組み込むことは、対応するPAGと193nmタイプのポリマーマトリックスとの混和性を高め、リソグラフィー処理の間のより緩慢な拡散を引き起こす。本発明の概念は、重合性基でのメチドアニオンの官能化を可能にする。特に、当該技術分野で既知のメチドアニオンは、(R
fSO
2)
3C
−電子求引置換基(式中、R
fは、フルオロアルキル基である)に限定される。本発明の概念は、フッ素不含電子求引基を含む幅広い範囲の電子求引基での置換を可能にする。
【0099】
発生した光酸は、他の光レジスト構成成分を有する光酸官能基の強い非結合相互作用に因り、リソグラフィー処理の間、拡散の高い活性化エネルギーを保有すると予想される。例えば、電子求引シアノ基の窒素原子は、光レジストマトリックス上に存在する種々の水素結合供与基との水素結合の傾向がある。
【0100】
光酸発生剤は、コポリマー及び溶剤と配合されるかまたは組み合わされて、光レジスト組成物を形成し得る。組み合わせがポリマー結合光酸発生剤である場合、適切に官能化された光酸発生剤は、1つ以上のモノマーと共重合されて、コポリマーを形成し得るか、または光酸発生剤は、コポリマー上にグラフト化され得る。
【0101】
本明細書で開示される光酸発生剤と組み合わせて光レジストを形成するのに有用なコポリマーには、酸脱保護性(酸感受性)モノマー、塩基可溶性モノマー、溶解速度改変モノマー、及びエッチング耐性モノマーが含まれ得る。任意のこのようなモノマー、または例えば、193nmの光レジストポリマー形成するのに好適なモノマーの組み合わせ。実施形態において、モノマーの組み合わせが使用され得、それは、酸脱保護性塩基可溶性基を有する(メタ)アクリル酸塩モノマー、ラクトン官能基を有する(メタ)アクリル酸塩モノマー、塩基可溶性基を有する(メタ)アクリル酸塩モノマー、または前述のモノマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む。粘着性、エッチング耐性などを改善する(メタ)アクリル酸塩モノマーなどの他のモノマーも含まれ得る。
【0102】
193nmの光レジストポリマーを形成するのに有用な任意の酸脱保護性モノマーが使用され得る。代表的な酸脱保護性モノマーには、
【0104】
または前述のモノマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが含まれるが、これらに限定されず、式中、R
aは、H、F、CN、C
1−10アルキル、またはC
1−10フルオロアルキルである。
【0105】
193nmの光レジストポリマーを形成するのに有用な任意のラクトン含有モノマーが使用され得る。代表的なラクトン含有モノマーには、
【0107】
または前述のモノマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが含まれるが、これらに限定されず、式中、R
aは、H、F、CN、C
1−10アルキル基、またはC
1−10フルオロアルキル基である。
【0108】
193nmの光レジストポリマーを形成するのに有用な任意の塩基可溶性モノマーが使用され得る。代表的な追加の塩基可溶性(メタ)アクリル酸塩モノマーには、
【0110】
または前述のモノマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが含まれるが、これらに限定されず、式中、R
aは、H、F、CN、C
1−10アルキル基、またはC
1−10フルオロアルキル基であり、R
cは、C
1−4ペルフルオロアルキル基である。
【0111】
ポリマーは、粘着性を改善するための官能基を有するかまたは有せずに、エッチング耐性を高めるためのケージ構造モノマーを含む他のモノマーも含み得る。代表的な粘着性改善モノマーには、
【0113】
または前述及び少なくとも1つの追加のモノマーを含む組み合わせが含まれ得、式中、R
aは、H、C
1−6アルキル、またはCF
3である。
【0114】
光酸発生剤は、混和物中か、共重合によるか、または両方のどれかでコポリマーと組み合わせられて、光レジストを形成し得る。光レジストは任意に、第2の酸感受性ポリマー及び/または光酸発生剤、アミンまたはアミド添加剤をさらに含み、感光速度及び/または酸拡散、溶剤、ならびに界面活性剤を調整し得る。
【0115】
第2の酸感受性ポリマーは、193nmで使用するための光レジストを配合するのに好適な任意のポリマーであり得る。かかる酸感受性ポリマーは、酸感受性基及びラクトン含有基を含む酸感受性ポリマーを含み得、酸への曝露における酸感受性基の酸脱保護は、塩基可溶性基を放出する。酸感受性ポリマーは、光酸発生剤繰り返し単位がアニオンまたはカチオンである、ポリマー結合光酸発生剤(PBP)であり得る。
【0116】
光レジスト組成物には、本明細書において消光剤と称されるアミンまたはアミド化合物がさらに含まれ得る。消光剤には、例えば、水酸化物、カルボン酸塩、アミン、イミン、及びアミドである化合物がより広範囲に含まれ得る。実施形態において、有用な消光剤は、アミン、アミド、または前述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。例えば、かかる消光剤は、C
1−30有機アミン、イミン、もしくはアミドを含み得るか、または強塩基(例えば、ヒドロキシドまたはアルコキシド)もしくは弱塩基(例えば、カルボン酸塩)のC
1−30第四級アンモニウム塩であり得る。代表的な消光剤には、トレーガー塩基などのアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)もしくはジアザビシクロノネン(DBN)などのヒンダードアミン、N−t−ブチルカルボニル−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルアミン(TBOC−TRIS)などのN−保護アミン、またはテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)もしくはテトラブチルアンモニウムラクテートなどの第四級アルキルアンモニウム塩を含むイオン性消光剤が含まれ得る。
【0117】
光レジストの他の構成成分には、溶剤及び界面活性剤が含まれ得る。
【0118】
構成成分を溶解、調合、及びコーティングするのに概して好適な溶剤には、アニソール、エチルラクテート、メチル2−ヒドロキシブチレート(HBM)、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールメチルエーテル、PGMEとも称される)、及び1−エトキシ−2プロパノールを含むアルコール、n−ブチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、PGMEAとも称される)、メトキシエトキシプロピオナート、エトキシエトキシプロピオナート、及びガンマ−ブチロラクトンを含むエステル、シクロヘキサノン及び2−ヘプタノンを含むケトン、ならびに前述の溶剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが含まれ得る。
【0119】
界面活性剤には、フッ素化及び非フッ素化界面活性剤が含まれ得、例えば、非イオン性であり得る。代表的なフッ素化非イオン性界面活性剤には、3M Corporationから入手可能なFC−4430及びFC−4432界面活性剤などのペルフルオロC
4界面活性剤、ならびにOmnovaのPOLYFOX PF−636、PF−6320、PF−656、及びPF−6520フルオロ界面活性剤などのフルオロジオールが含まれ得る。
【0120】
光酸発生剤は、固体の総重量に基づいて、0.01〜20重量パーセント(重量%)、例えば、0.1〜15重量%の量で光レジスト中に存在し得る。ポリマー結合光酸発生剤が使用される場合、対応するモノマーとしてのポリマー結合光酸発生剤が同量で存在する。コポリマーは、固体の総重量に基づいて、50〜99重量%、例えば55〜95重量%、別の例において60〜90重量%、及びさらに別の例において65〜90重量%の量で存在し得る。光レジスト中の構成成分のこの文脈で使用される用語「ポリマー」は、本明細書で開示されるコポリマーのみ、またはポリマーと光レジスト中で有用な別のポリマーとの組み合わせを意味し得ると理解されるだろう。界面活性剤は、固体の総重量に基づいて、0.01〜5重量%、例えば0.1〜4重量%、及び別の例において0.2〜3重量%の量で含まれ得る。消光剤は、固体の総重量に基づいて、比較的少量、例えば0.03〜5重量%で含まれ得る。浸漬リソグラフィー用途のための埋め込みバリア層(EBL)材料などの他の添加剤は、固体の総重量に基づいて、30重量%以下、例えば20%以下、または別の例において10%以下の量で含まれ得る。光レジスト組成物に対する総固体含有量は、固体及び溶剤の総重量に基づいて、0.5〜50重量%、例えば1〜45重量%、及び別の例において2〜40重量%、及びさらに別の例において5〜35重量%であり得る。固体には、コポリマー、光酸発生剤、消光剤、界面活性剤、及び溶剤を除くいずれの任意の添加剤もが含まれ得ると理解されるだろう。
【0121】
本明細書で開示される光レジスト組成物が使用されて、基材上の膜がコーティングされた基材を構成する光レジスト組成物を含む膜を形成し得る。かかるコーティングされた基材は、(a)表面上でパターン化される1つ以上の層を有する基材と、(b)パターン化された1つ以上の層上の光レジスト組成物の層と、を含み得る。例えば、パターン化は、248nm未満、及び特に193nmの波長で紫外放射線を使用して行われ得る。よって、パターン化可能な膜は、式(I)の光酸発生剤を含む。
【0122】
したがって、電子装置を形成する方法は、(a)光レジスト組成物の層を基材に適用することと、(b)光レジスト組成物層を活性化放射線にパターン露光することと、(c)露光された光レジスト組成物層を現像して、レジストリリーフ画像を提供することと、を含む。例えば、放射線は、193nmまたは248nmの放射線である。
【0123】
基材は、任意の寸法及び形であり得、例えば、シリコン、シリコンジオキシド、シリコンオンインシュレーター(SOI)、歪みシリコン、ヒ化ガリウムであり得、窒化シリコン、酸窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、酸化ハフニウムなどの超薄ゲート酸化膜でコーティングされたものを含むコーティングされた基材であり得、チタン、タンタル、銅、アルミニウム、タングステン、それらの合金でコーティングされたものを含む金属もしくは金属でコーティングされた基材であり得、それらの組み合わせなどの光リソグラフィーにとって有用なものであり得る。例えば、本明細書の基材の表面は、基材上に、例えば1つ以上のゲートレベル層を含むパターン化される、半導体製造業者にとって必要不可欠な寸法層または他の必要不可欠な寸法層を含む。かかる基材は、例えば200mm、300mm以上の直径などの寸法またはウェーハ製作製造に有用な他の寸法を有する円形ウェーハとして形成される、例えば、シリコン、SOI、歪みシリコン、及び他のかかる基材材料を含み得る。
【0124】
本発明の概念は、以下の実施例によりさらに例示される。本明細書で使用される全ての化合物及び試薬は、手順が以下で提供される場合を除いて、市販されている。
【実施例】
【0125】
実施例1:光酸発生剤PAG1を、合成スキーム1に記載される合成スキームに従って調製する。
【化23】
【0126】
マロノニトリル(10.00グラム(g)、151ミリモル(mmol))、1−(トリメトキシメチル)アダマンタン(18.19g、76mmol)、及びピリジン(5.99g、76mmol)の溶液を、20分(min)間、還流状態で加熱する。反応混合物を室温に冷却する。撹拌下で、反応混合物を、ジクロロメタン(200ミリリットル(mL))、トリフェニルスルホニウムブロミド(23.38g、68mmol)、及び脱イオン水(100mL)で満たす。混合物を、室温で16時間攪拌する。有機相を分離して、3つの100mL体積の脱イオン水で洗浄する。真空下で溶剤を除去することにより、トリフェニルスルホニウム2−アダマンチル−1,1,3,3−テトラシアノプロペニド(PAG1)(36.70g、100%の収率)を得る。
【0127】
実施例2:光酸発生剤PAG−2を、合成スキーム2に記載される合成スキームに従って調製する。
【0128】
【化24】
【0129】
出発材料2−メトキシ−1,1,3,3−テトラシアノプロペニドの合成は、J.Am.Chem.Soc.1958,80,2795に記載される。ナトリウム2−メトキシ−1,1,3,3−テトラシアノプロペニド(10.00g、51.5mmol)を、メタノール(100mL)中に溶解し、アダマンチルメチルアミン(8.51g、51.5mmol)を、そこに添加する。反応混合物を、2時間、還流状態で加熱し、周囲温度に冷却する。溶剤を真空下で除去する。残留固体トリフェニルスルホニウムブロミド(15.91g、46.4mmol)、ジクロロメタン(150mL)、及び脱イオン水(75mL)を添加する。混合物を16時間攪拌する。有機相を分離して、3つの75mL体積の脱イオン水で洗浄する。溶剤を、真空下で除去して、トリフェニルスルホニウム2−アダマンチルメチルアミノ−1,1,3,3−テトラシアノプロペニド(PAG2)(26.34g、100%の収率)を得る。
【0130】
実施例3:光酸発生剤PAG3を、スキーム3に記載される合成スキームにより調製する。
【0131】
【化25】
【0132】
出発材料1,3−ビス(ジシアノメチレン)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イドアンモニウムを、文献の手順(J.Org.Chem.,2013,78(3)、1014)に従って調製し、1/1の体積による水/塩化メチレンの混合物中の等モル量のトリフェニルスルホニウムブロミドと混合する。混合物を16時間攪拌する。有機相を分離して、脱イオン水で3回洗浄する。溶剤を真空下で除去して、PAG3を得る。
【0133】
実施例4:光酸発生剤PAG4を、スキーム4に記載される合成スキームにより調製する。
【0134】
【化26】
【0135】
出発材料1,3−ビス(ジシアノメチレン)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イドアンモニウムを、文献の手順(J.Org.Chem.,2013,78(3)、1014)に従って調製し、1/1の体積による水/塩化メチレンの混合物中の等モル量のジ−(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテートと混合する。混合物を16時間攪拌する。有機相を分離して、脱イオン水で3回洗浄する。溶剤を真空下で除去して、PAG4を得る。
【0136】
実施例5:リソグラフィー評価
【0137】
光酸発生剤を、以下の手順に従ってリソグラフィー的に評価する。光レジストを、表1に示される構成成分及び割合を使用して配合する。市販される光レジストポリマーA2が全ての実施例で使用される。ポリマーA2は、以下に示されるモノマーM1、M2、M3、M4、及びM5を組み込むペンタポリマーであり、M1/M2/M3/M4/M5のモルパーセントが、モノマーの合計100モルパーセントに対して20/20/30/20/10である。ポリマーの分子量(Mw)は、モル当たり8,000グラム(g/mol)であった。Omnovaから入手可能なPAG、塩基(t−ブチルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピリジン、TBOC−4HP)、及び表面レベリング剤(界面活性剤)PF656は、ポリマーである固体の均衡を保ちながら、100%の固体含有量に基づく重量パーセントである。これらの配合物中で使用される溶剤は、PGMEA(S1)及びHBM(S2)である。両方の実施例の固体の最終含有量は、4重量パーセント(重量%)であった。最終配合物中の溶剤S1:S2の重量比は、1:1であった。比較例ならびに実施例A、B、及びCの光レジスト配合組成物は、以下の表1で示される。
【0138】
【化27】
【0139】
【表1】
【0140】
上記の光レジストを、以下の通りリソグラフィー的に処理した。光レジストを、84nmの有機反射防止コーティング(AR(商標)77、Dow Electronic Materials)を有する200ミリメートル(mm)のシリコンウェーハ上にスピンコーティングし、110℃で60秒間焼いて100nm厚のレジスト膜を形成した。光レジストを、焦点オフセット/ステップ0.10/0.05を有する0.89/0.64の外/内シグマの環状照明下で、ArF露光装置ASML−1100(ASMLによる製造)、NA(開口数)=0.75を使用して、90nmの線幅及び180nmの隙間を有する線及び空間パターン(L/Sパターン)を標的とするマスクパターンによりArFエキシマレーザー(193nm)で露光した。ウェーハを、100℃で60秒間事後露光ベーキング(PEB)し、その後、0.26ノルマル(N)のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)湿式現像剤で現像した後、水洗いを行った。
【0141】
各実施例において、90nmの線幅及び180nmの隙間を有するL/Sパターンを形成した。マスクの誤差要因(MEF)及び露出寛容度(EL)を、200K倍の倍率を使用して、800ボルト(V)の加速電圧、8.0ピコアンペア(pA)の照射電流で操作する、Hitachi 9380 CD−SEMを使用して、上下走査型電子顕微鏡(SEM)により捉えられた画像を処理することにより決定した。露出寛容度(EL)を、サイズ決定エネルギーにより標準化された標的直径の+/−10%で焼き付けるための露光エネルギーにおける差と定義した。マスクの誤差要因(MEF)を、マスクパターン上の相対寸法変化に対する解像されたレジストパターン上のCD変化の比と定義した。
【0142】
上記の光レジスト配合物のリソグラフィー評価の結果は、PAG1、PAG2、及びPAG3をそれぞれ活用する実施例B、C、及びDが、より大きな露出寛容度の改善されたリソグラフィー性能、及び改善されたマスクの誤差要因を示すことを示す。
【0143】
本開示は、現在実用的で代表的な実施形態であると見なされるものと併せて記載される一方で、本発明は開示された実施形態に限定されないが、逆に、添付の特許請求項の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる、様々な修正及び均等な構成を網羅することが意図されることを理解されたい。